| 【発明の名称】 |
膝関節徐荷器具 |
| 【発明者】 |
【氏名】富田 直秀
【氏名】蔵本 孝一
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| 【要約】 |
【課題】軟骨再生治療等に用いられて好適な膝関節徐荷器具を提供する。
【解決手段】膝関節に加わる荷重を減免して関節機能を発揮させる内装式の膝関節徐荷器具であり、この膝関節徐荷器具が、脛骨に取り付けられる脛骨側支持具と、脛骨側支持具に取り付けられて大腿骨を脛骨との荷重を減免して回動可能に支持する大腿骨支持具とからなることを特徴とする膝関節徐荷器具。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 膝関節に加わる荷重を減免して関節機能を発揮させる内装式の膝関節徐荷器具であり、この膝関節徐荷器具が、脛骨に取り付けられる脛骨側支持具と、脛骨側支持具に取り付けられて大腿骨を脛骨との荷重を減免して回動可能に支持する大腿骨支持具とからなることを特徴とする膝関節徐荷器具。 【請求項2】 大腿骨支持具が大腿骨の両顆部間を支持する請求項1に記載の膝関節徐荷器具。 【請求項3】 大腿骨支持具が大腿骨の両顆部を支持する請求項1に記載の膝関節徐荷器具。 【請求項4】 大腿骨支持具と大腿骨との間に人工摺動面が介挿される請求項1〜3いずれかに記載の膝関節徐荷器具。 【請求項5】 大腿骨支持具と脛骨側支持具との間に生体吸収性材が介挿される請求項1〜4いずれかに記載の膝関節徐荷器具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、膝関節に加わる荷重を減免して(徐荷という)関節機能を発揮させる膝関節徐荷器具に関するものである。このような膝関節徐荷器具は、軟骨再生治療の過程等で用いられて好適である。 【0002】 【従来の技術】外傷や疾病によって膝関節が高度に破壊されると、従来は、関節固定や脚の切断を行うことが多かった。現在では、人工関節に置き換えることが普及しているが、人工関節の寿命は20年程度と言われていることから、若い世代への適用は極力避ける必要がある。一方、最近、破壊された関節の軟骨の再生を図って機能を回復させようとする治療法が試みられている。このような軟骨再生法は、自然治癒を目的としてものであり、これら若い患者の社会復帰を助けるのためにも有意義である。このような要請に応えて軟骨の再生技術が確立されつつある。 【0003】軟骨の再生とは、損傷部に存する自己の軟骨を再生させたり、組織工学に依った軟骨を移植して再生させたりすることを言うが、再生又は固定中の軟骨に荷重をかけると、当該軟骨は破壊されてしまう。一方で、関節軟骨には栄養血管が存在しないので、その生存のためには、生理的な関節運動が不可欠であることが知られている。従って、膝関節における軟骨の再生を円滑に行うには、膝関節に加わる荷重を適度に減免しながらも、関節機能を発揮させる必要がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】これを可能にする器具として、関節部の力学的環境を身体の外から制御するCPM(continuous passive motion )が知られている。しかし、この器具を用いて軟骨の再生を待つとすれば、患者を長時間ベッドに拘束することになり、多大な苦痛を与えることになる。 【0005】これに対し、膝関節の上下にそれぞれスプリングで張られる創外固定ピンを通し、スプリングの張力を調整することで膝関節に加わる荷重を調整する創外固定型の器具もある。これによると、荷重による応力を細かに制御できる利点があるが、固定ピンが皮膚を貫いているから、感染の心配があるし、又、器具が身体の外部に出ており、日常活動の障害になる虞もある。本発明は、このような課題を解決するものであり、患者の苦痛を和らげ、衛生的で日常活動にも支障のない内装式の膝関節徐荷器具を提供するものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】以上の課題の下、本発明は、膝関節に加わる荷重を減免して関節機能を発揮させる内装式の膝関節徐荷器具であり、この膝関節徐荷器具が、脛骨に取り付けられる脛骨側支持具と、脛骨側支持具に取り付けられて大腿骨を脛骨との荷重を減免して回動可能に支持する大腿骨支持具とからなることを特徴とする膝関節徐荷器具を提供したものである。 【0007】以上の膝関節徐荷器具によれば、膝関節における脛骨と大腿骨とは、脛骨側支持具と大腿骨支持具とによって円滑な関節運動が可能になる。この場合において、脛骨側支持具と大腿骨支持具との位置関係を調整することで、関節部に加わる荷重を所望の値に減免できる。従って、軟骨の再生を促し、関節機能の回復を図ることができる。加えて、脛骨側支持具及び大腿骨支持具は、共に皮膚内に納まる内装式であるから、感染の心配はないし、活動に支障を来すこともない。 【0008】以上の膝関節徐荷器具において、大腿骨支持具が大腿骨を支持する態様には、大腿骨支持具が大腿骨の両顆部間を支持する態様、大腿骨支持具が大腿骨の両顆部を支持する態様とがある。前者によれば、円滑な関節運動が可能になり、後者によれば、大腿骨にかかる応力を分散させることができる。 【0009】又、本発明は、以上の大腿骨支持具と大腿骨との間に人工摺動面が介挿される手段、大腿骨支持具と脛骨側支持具との間に生体吸収性材が介挿される手段を提供する。人工摺動面が介挿される手段によれば、長期に亘って良好な摺動性が確保でき、生体吸収性材が取り付けられる手段によれば、関節部に加わる力を経時的に増大させ、軟骨再生にとってより好ましい状況を具現できる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図6は膝関節の模式図であるが、膝関節10は、脛骨12と大腿骨14とが接合する骨端に形成されるものであり、両者12、14の間には半月板16が介在しているとともに、各々は前十字靱帯18と後十字靱帯20とで繋がっている。更に、両者12、14の前面は、間に膝蓋骨22を挟んで膝蓋骨靱帯24が架橋している。以上により、膝関節10を屈伸させようとすると、膝蓋骨靱帯24を緊弛させて大腿骨14の端面は脛骨12の端面に対して摺回動してその角度が変更される。 【0011】以上の膝関節10が外傷又は疾病で損傷したとき、この損傷部26に存する軟骨28或いはここに移植された軟骨28を正常組織になるまで増殖させるのが軟骨の再生であり、この間の膝関節10に加わる荷重を適度に減免しながらも、関節機能を発揮させるのが本発明に係る膝関節徐荷器具30である。 【0012】図1(a)〜(c)は、本発明の一例を示す膝関節徐荷器具30の断面側面図、正面図、背面図であるが、この膝関節徐荷器具30は、脛骨12に固定されて大腿骨14側に延びる脛骨側支持具32と、脛骨側支持具32に取り付けられて再生途上の軟骨にかかる荷重を減免して大腿骨14を回動可能に支持する大腿骨支持具34とで構成される。 【0013】本例における脛骨側支持具32は、脛骨12の前面と後面にそれぞれあてがわれてネジ釘や髄内釘等からなる締結具36で固定される前部材38と後部材40とからなるものであり、大腿骨支持具34は、前部材38と後部材40の上部で支架されて大腿骨14の両顆部42間を前後に通って大腿骨14を回動可能に支持するロッド44からなる。従って、脛骨側支持具32や大腿骨支持具34は、共に脚の中に内装されて外に出ない。 【0014】これにより、大腿骨14は、ロッド44の上を自由に前後に摺動して関節機能を発揮する。尚、図示のロッド44は真直であるが、大腿骨14の当接面形状に合わせて上方に湾曲させたものでもよい。これらの脛骨側支持具32や大腿骨支持具34は、不錆性で高強度のチタンやステンレス等の金属で製作される。 【0015】以上の膝関節徐荷器具30の膝関節10への装填は、勿論、医師が手術によって行う。即ち、損傷部に存する軟骨に内科、外科的な治療を施したり、或いは損傷部に増殖させた軟骨を移植したりした後、脛骨側支持具32と大腿骨支持具34を装填する。この場合において、損傷部の部位や大きさ等及び損傷の程度に応じて大腿骨14と脛骨12とにかかる荷重を減免することになるが、多くの場合、無荷重か若しくは極めて低荷重ということになる。 【0016】膝関節10にかかる荷重の調整は、大腿骨14と脛骨12との相対位置を調整することによって行うが、それには、脛骨12に対する脛骨側支持具32の取付け位置を調整したり、大腿骨支持具34に接触する大腿骨14の表面の位置的調整を行ったりすることになる。尚、図示は省略するが、脛骨側支持具32に対する大腿骨支持具34の取付け高さをネジ等で調整できるようにしておくと、装填時における微調整が可能になる。このような膝関節徐荷器具30を装填して軟骨の再生を待つことになるが、この間、患者は歩行が可能で、日常生活に支障を来さない。 【0017】図2(a)〜(c)は、本発明の他の一例を示す膝関節徐荷器具30の断面側面図、正面図、背面図であるが、本例のものは、大腿骨支持具34と大腿骨14との間に人工摺動面46が介挿されるものである。この人工摺動面46は、ポリエチレン等の樹脂が好ましく、これを用いると、摺動性が増し、これが長期に必要な場合でも、その良好性を保つ。 【0018】図3(a)〜(c)も、本発明の他の一例を示す膝関節徐荷器具30の断面側面図、正面図、背面図であるが、本例のものは、大腿骨支持具34(ロッド44)と脛骨側支持具32との間に生体吸収性材48を介挿したものである。この生体吸収性材48にはポリ乳酸やポリグルコース酸を用いたものがあり、これを取り付けると、その組織が生体に吸収されて容積を経時的に減ずることになり、これに伴って膝関節10に加わる応力が徐々に増大し、軟骨再生にとって好ましいものとなる。尚、本例の生体吸収性材48は、ロッド44の前端のみに設けられているが、後端に設けられるものであってもよい。 【0019】図4(a)〜(b)も、本発明の他の一例を示す膝関節徐荷器具30の断面側面図、正面図であるが、本例における脛骨側支持具32は、脛骨12の前面にあてがわれる基材50と、基材50の途中から分岐して骨髄内を上延する枝材52とからなり、枝材52の上端にロッド54を形成したものである。本例のものは、枝材52が骨髄内を通っていることから、他の部位を傷付ける度合いが少ない利点がある。 【0020】図5(a)〜(b)も、本発明の他の一例を示す膝関節徐荷器具30の断面側面図、正面図であるが、本例におけるロッド44は二本設けられており、それぞれが大腿骨14の両顆部42を支持するものである。これに伴って、前部材38と後部材40もそれぞれ二個ずつ設けられている。こうすることで、大腿骨14の荷重は二本のロッド44で受け持つことになり、応力を減ずることができる。尚、本例の後部材40は、脛骨12の上部で支えられているが、勿論、締結具36によって締結するものであってもよい。 【0021】以上、本発明の基本的な形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。例えば、本器具は、軟骨の再生に基づく治療の使用にとどまらず、関節機能を維持させるあらゆる治療に適用できる。具体的には、膝関節の破壊を伴った重度の外傷の治療等にも用いることができる。又、適用部位も膝関節に限らず、荷重がかかる関節、例えば、股関節、足首関節等にも適用できる。 【0022】 【発明の効果】本発明に係る膝関節徐荷器具によれば、膝関節は、脛骨側支持具と大腿骨支持具とでこれにかかる荷重を適度に減免させつつも、円滑な関節運動が可能になる。従って、治療を受ける患者は苦痛を伴わず、しかも、日常活動を可能にしながらも機能回復を待つことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】595050282 【氏名又は名称】富田 直秀 【識別番号】000110435 【氏名又は名称】ナカシマプロペラ株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月19日(1999.11.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088993 【弁理士】 【氏名又は名称】板野 嘉男
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| 【公開番号】 |
特開2001−145647(P2001−145647A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月29日(2001.5.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−329335 |
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