| 【発明の名称】 |
体液吸収性着用物品 |
| 【発明者】 |
【氏名】和田 一郎
【氏名】阿部 耕三
【氏名】栗田 典之
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| 【要約】 |
【課題】コアの隆起部に吸収された排泄物が隆起部の下方に位置するコアの部位に円滑に移行し、排泄物が隆起部から滲出することがない体液吸収性着用物品を提供する。
【解決手段】表面シート2と、裏面シート3と、それらシート2,3の間に介在するコア4とから構成され、縦方向へ延びる両側縁部1aと、横方向へ延びる両端縁部1bとを有し、コア4に形成された隆起部4cが両側縁部1aに沿って互いに並行離間して延び、隆起部4cの密度が隆起部4cを除くコア4の部位4dのそれよりも低密度にしてある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透液性表面シートと、不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、互いに対向して縦方向へ延びる両側縁部と、互いに対向して横方向へ延びる両端縁部とを有し、前記表面シートの側へ隆起する隆起部が前記コアに形成され、前記隆起部が、前記両側縁部と前記両端縁部とのうちの少なくとも前記両側縁部に沿って互いに並行離間して延びている体液吸収性着用物品において、前記隆起部の密度が、前記隆起部を除く前記コアの部位のそれよりも低密度であることを特徴とする前記物品。 【請求項2】 前記コアが、粉砕パルプと高分子吸水性ポリマーとから形成され、前記隆起部における前記粉砕パルプの密度が、前記隆起部を除く前記コアの部位のそれよりも低密度である請求項1記載の物品。 【請求項3】 前記コアが、熱可塑性合成樹脂で形成された短繊維を含み、前記隆起部における前記粉砕パルプと前記短繊維との密度が、前記隆起部を除く前記コアの部位のそれよりも低密度である請求項2記載の物品。 【請求項4】 前記隆起部の密度が、0.02〜0.10g/cm3の範囲にあり、前記隆起部を除く前記コアの部位の密度が、0.05〜0.20g/cm3の範囲にある請求項1ないし請求項3いずれかに記載の物品。 【請求項5】 前記隆起部が、前記コアとは別体の第2の吸液性コアで形成されている請求項1ないし請求項4いずれかに記載の物品。 【請求項6】 前記物品が、表面シートの上面に位置して前記縦方向へ延びる一対の液抵抗性防漏シートを備え、前記防漏シートそれぞれが、前記隆起部の頂部に位置して前記物品に固着された固定側部と、前記縦方向へ弾性的な伸縮性を有して前記表面シートの外面から上方へ起立性向を有する自由側部と、前記物品の両端縁部に位置して前記物品に固着された固定端部とを有する請求項1ないし請求項5いずれかに記載の物品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、使い捨ておむつや失禁者用吸尿パッド、おむつライナー、パンティーライナー、生理用ナプキン等の排泄物を吸収、保持する体液吸収性着用物品に関する。 【0002】 【従来の技術】実開平6−21626号公報は、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在し、コアの領域のうちの少なくとも股下域における表面シート上に、コアの上方へ隆起し、かつ、前後身頃の縦方向へ並行離間して延びる2条の吸収性補助部材が配置され、補助部材の圧縮復元率をコアのそれよりも高くしてある使い捨ておむつを開示している。おむつは、圧縮弾性率の高い補助部材を有するので、補助部材が着用者の肌に密着するとともに、補助部材が着用者の体圧で変形しても容易に復元して排泄物を吸収またはせき止め、排泄物の横漏れを防ぐことができる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】多量の尿が排泄された場合では、コアの尿吸収速度よりも排尿速度が速く、コアの上面に滞留した尿が逆戻りして漏れの原因となる。同号公報に開示のおむつでは、補助部材の間に位置するコアの表面全域に尿を素早く拡散させる手段がないので、排泄された多量の尿をコアや補助部材が吸収しきれないと、尿が排尿部位に位置するコアに滞留し、補助部材を乗り越えて漏れ出してしまうことがある。また、補助部材に吸収された尿が補助部材からコアへ円滑に移行しない場合では、補助部材が着用者の体圧で潰れたときに、補助部材に滞留する尿が補助部材から滲出してしまうことがある。 【0004】本発明の課題は、軟便や尿、経血等の流動性の排泄物をせき止める隆起部を形成した吸液性コアにおいて、隆起部の内側に位置するコアの部位の表面全域に排泄物を素早く拡散させるとともに、該部位の全域から排泄物を吸収させることで、排泄物の漏れを防ぐことができる体液吸収性着用物品を提供することにある。 【0005】本発明の他の課題は、隆起部に吸収された排泄物が隆起部から部位に円滑に移行し、排泄物が隆起部から滲出することがない体液吸収性着用物品を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】前述した課題を解決するための本発明は、透液性表面シートと、不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、互いに対向して縦方向へ延びる両側縁部と、互いに対向して横方向へ延びる両端縁部とを有し、前記表面シートの側へ隆起する隆起部が前記コアに形成され、前記隆起部が、前記両側縁部と前記両端縁部とのうちの少なくとも前記両側縁部に沿って互いに並行離間して延びている体液吸収性着用物品を改良することにある。 【0007】改良にかかる本発明の特徴は、前記隆起部の密度が、前記隆起部を除く前記吸収性部材の部位のそれよりも低密度であることにある。 【0008】本発明の実施の態様の一例として、前記吸収性部材が、粉砕パルプと高分子吸水性ポリマーとから形成され、前記隆起部における前記粉砕パルプの密度が、前記隆起部を除く前記吸収性部材の部位のそれよりも低密度である。 【0009】本発明の実施の態様の他の一例としては、前記吸収性部材が、熱可塑性合成樹脂で形成された短繊維を含み、前記隆起部における前記粉砕パルプと前記短繊維との密度が、前記隆起部を除く前記吸収性部材の部位のそれよりも低密度である。 【0010】本発明の実施の態様の他の一例としては、前記隆起部の密度が、0.02〜0.10g/cm3の範囲にあり、前記隆起部を除く前記吸収性部材の部位の密度が、0.05〜0.20g/cm3の範囲にある。 【0011】本発明の実施の態様の他の一例としては、前記隆起部が、前記吸収性部材とは別体の第2の吸収性部材で形成されている。 【0012】本発明の実施の態様の他の一例としては、前記物品が、表面シートの上面に位置して前記縦方向へ延びる一対の液抵抗性防漏シートを備え、前記防漏シートそれぞれが、前記隆起部の頂部に位置して前記物品に固着された固定側部と、前記縦方向へ弾性的な伸縮性を有して前記表面シートの外面から上方へ起立性向を有する自由側部と、前記物品の両端縁部に位置して前記物品に固着された固定端部とを有する。 【0013】 【発明の実施の形態】添付の図面を参照して、本発明に係る体液吸収性着用物品の詳細を使い捨ておむつと失禁者用吸尿パッドとを例として説明すると、以下のとおりである。 【0014】図1,2は、使い捨ておむつ1の部分破断斜視図と、図1のA−A線断面図とであり、図2では、コア4の隆起部4cと隆起部4cを除くコア4の部位4dとの境界を仮想線Yで示す。おむつ1は、透液性表面シート2と、不透液性裏面シート3と、表面シート2と裏面シート3との間に介在する吸液性コア4とから構成されている。 【0015】おむつ1は、縦方向に前胴周り域20と、後胴周り域22と、前後胴周り域20,22の間に位置する股下域21とを有し、互いに対向して縦方向へ延び、股下域21においておむつ1の横方向内方へ向かって弧を画く両側縁部1aと、互いに対向して横方向へ延びる両端縁部1bとを有する砂時計型のものである。おむつ1には、互いに対向離間して縦方向へ延びる一対の液抵抗性防漏シート5がおむつ1の両側縁部1aにおける表面シート2の側に取り付けられている。 【0016】コア4は、粉砕パルプと高分子吸収性ポリマーとの混合物であり、所要の厚みに圧縮され、表面全体が透水性シート6で被覆、接合されている。コア4には、図2に示す仮想線Yを境界としてコア4の上面から隆起し、角部が面取りされた隆起部4cが形成されている。隆起部4cは、コア4の両側縁部4aに位置し、互いに並行離間して縦方向へ略直状に延びている。コア4は、隆起部4cにおける粉砕パルプの密度が隆起部4cを除くコア4の部位4dのそれよりも低密度のものである。隆起部4cと部位4dとは、略均一の量のポリマーを含有している。 【0017】コア4は、隆起部4cにおける粉砕パルプの密度が0.02〜0.10g/cm3の範囲、部位4dにおける粉砕パルプの密度が0.05〜0.20g/cm3の範囲にあり、好ましくは、隆起部4cにおける粉砕パルプの密度が0.05〜0.06g/cm3の範囲、部位4dにおける粉砕パルプの密度が0.10〜0.11g/cm3の範囲である。 【0018】粉砕パルプの密度が上記範囲にあるコア4の部位4dでは、粉砕パルプの繊維間隙が密となって毛細管現象が強く表れる。ゆえに、部位4dでは、その厚み方向とともにコア4の表面における排泄物の拡散速度が速く、かつ、排泄物の吸収速度が速い。 【0019】コア4の部位4dでは、表面シート2と透水性シート6とを透過して部位4dに到達した排泄物を、隆起部4cの間に位置する部位4dの領域4eの表面全域に素早く拡散させつつ、該部位4dの領域4eの全域において、拡散した排泄物を速やかに吸収することができる。 【0020】排泄物が部位4dの領域4eに拡散する過程において、隆起部4cに到達した排泄物は、隆起部4cに順次吸収されるので、排泄物がおむつ1の両側縁部1aから漏れてしまうことがない。粉砕パルプの密度が部位4dのそれよりも低い隆起部4cでは、隆起部4cに吸収された排泄物が隆起部4cから部位4dに吸収されるので、隆起部4cが着用者の体圧で潰されたとしても、排泄物が隆起部4cから滲出することはない。 【0021】粉砕パルプの密度が上記範囲にあるコア4の隆起部4cでは、部位4dに比較して柔軟性が高くなり、角部が面取りされて角張っていないので、隆起部4cが着用者の肌に接したときの感触がよい。 【0022】隆起部4cにおける粉砕パルプの密度が0.02g/cm3未満であると、排泄物が隆起部4cに吸収されたときに、排泄物に含まれる液体の表面張力によって粉砕パルプの繊維間隙が縮小し、隆起部4cの高さ寸法が低くなるので、排泄物が隆起部4cを乗り越えて漏れ出してしまうことがある。隆起部4cにおける粉砕パルプの密度が0.10g/cm3を超過すると、隆起部4cと部位4dとの密度差が小さくなり、隆起部4cに吸収された排泄物が隆起部4cから部位4dに円滑に移行しないので、隆起部4cが着用者の体圧で潰されたときに、隆起部4cに滞留する排泄物が隆起部4cから滲出することがある。 【0023】部位4dにおける粉砕パルプの密度が0.05g/cm3未満であると、排泄物が部位4dの領域4eで拡散し難くなり、該部位4dの領域4eの全域において、排泄物を吸収することができない。部位4dにおける粉砕パルプの密度が0.20g/cm3を超過すると、部位4dにおけるコア4の剛性が増して、コア4が着用者の肌に接したときに違和感を与える。 【0024】コア4は、粉砕パルプと高分子吸収性ポリマーとの他に、熱可塑性合成樹脂で形成された短繊維を含むことができる。短繊維を含むコア4は、粉砕パルプと短繊維とポリマーとの混合物であり、所要の厚みに圧縮された状態で表面全体が透水性シート6で被覆、接合される。コア4は、隆起部4cにおける粉砕パルプと短繊維との密度が隆起部4cを除く部位4dのそれらよりも低密度であり、隆起部4cにおける粉砕パルプと短繊維とを合わせた密度が0.02〜0.10g/cm3の範囲、部位4dにおける粉砕パルプと短繊維とを合わせた密度が0.05〜0.20g/cm3の範囲にあることが好ましい。 【0025】短繊維を含むコア4の部位4dでは、粉砕パルプと短繊維との繊維間隙が密となって毛細管現象が強く表れる。ゆえに、部位4dでは、その厚み方向とともにコア4の表面における排泄物の拡散速度が速く、かつ、排泄物の吸収速度が速い。 【0026】粉砕パルプと短繊維との密度が部位4dのそれよりも低い隆起部4cでは、隆起部4cに吸収された排泄物が隆起部4cから部位4dに吸収される。 【0027】おむつ1の両側縁部1aには、2条の脚周り用弾性伸縮性部材7が裏面シート3と防漏シート5との間に介在し、裏面シート3と防漏シート5との少なくとも一方の内面に伸長状態で取り付けられている。おむつ1の両端縁部1bには、フィルム状の胴周り用弾性伸縮性部材8が表面シート2と裏面シート3との間に介在し、表面シート2と裏面シート3との少なくとも一方の内面に伸長状態で取り付けられている。 【0028】おむつ1の後胴周り域22における両側縁部1aには、横方向内方へ延びるテープファスナ9が取り付けられている。おむつ1の前胴周り域20における裏面シート3の外面には、テープファスナ9の止着域となる矩形のターゲットテープ10が取り付けられている。 【0029】防漏シート5は、コア4の隆起部4cの頂部において表面シート2の外面に固着された固定側部5aと、固定側部5aに並行しておむつ1の両端縁部1bの間に延びる自由側部5bと、おむつ1の両端縁部1bにおいて横方向外方へ折曲され、固定側部5aから横方向外方へ延びる防漏シート5の部分に固着された固定端部5cとを有する。自由側部5bには、縦方向へ延びる弾性伸縮性部材11が自由側部5bに被覆された状態で伸長下に取り付けられている。 【0030】おむつ1は、防漏シート5の固定側部5aがコア4の隆起部4cの頂部に位置しているので、コア4に隆起部4cがないものと比較して、固定側部5aと自由側部5bとの間の幅寸法が短いものでも、隆起部4cと相俟って防漏シート5の自由側部5bが高い障壁を形成し、排泄物の横漏れを防ぐことができる。 【0031】図1では、おむつ1がその内面を内側にして縦方向へ湾曲し、防漏シート5の自由側部5bに取り付けられた弾性部材11が収縮して自由側部5bが表面シート2から上方へ起立している。おむつ1では、弾性部材7,8,11それぞれが収縮しておむつ1の両側縁部1aおよび両端縁部1bと防漏シート5の自由側部5bとにギャザーが形成されている。 【0032】おむつ1の両側縁部1aでは、コア4の両側縁部4aから横方向外方へ表裏面シート2,3と防漏シート5とが延び、それらシート2,3,5が互いに重なり合う部分において、表面シート2の内面と裏面シート3の内面とが固着され、表面シート2の外面と防漏シート5の内面とが固着されている。裏面シート3と防漏シート5とは、表面シート2の側縁からさらに横方向外方へ延びる部分において、それらシート3,5の内面どうしが固着されている。 【0033】おむつ1の両端縁部1bでは、コア4の両端縁部4bから縦方向外方へ表面シート2と裏面シート3とが延び、それらシート2,3が互いに重なり合う部分において、表面シート2の内面と裏面シート3の内面とが固着されている。透水性シート6は、表面シート2と裏面シート3との少なくとも一方の内面に固着されている。 【0034】図3〜図5は、図1における各種実施態様を表面シート2の側から示すおむつ1の平面図である。図3〜図5のおむつ1は、表面シート2と、裏面シート3と、それらシート2,3の間に介在するコア4とから構成され、縦方向に前後胴周り域20,22と、股下域21と、股下域21においておむつ1の横方向内方へ向かって弧を画く両側縁部1aと、両端縁部1bとを有し、おむつ1の両側縁部1aにおける表面シート2の側に一対の防漏シート5が取り付けられている点において図1のそれと同一である。 【0035】図3では、離間並行して延びるコア4の隆起部4cが股下域21においておむつ1の横方向内方へ向かって弧を画き、隆起部4cの間隔が股下域21で狭く、前後胴周り域20,22で股下域21よりも広くなっている。図3のおむつ1は、おむつ1を着用したときに、隆起部4cが着用者の股間に納り、股下域21におけるコア4の嵩張りを小さくすることができる。 【0036】図4では、離間並行して延びるコア4の隆起部4cが股下域21においておむつ1の横方向外方へ向かって弧を画き、隆起部4cの間隔が股下域21で広く、前後胴周り域20,22で股下域21よりも狭くなっている。図4のおむつ1は、股下域21での隆起部4cの間隔を広くすることで、股下域21における隆起部4cの間の領域4eに排泄物を素早く拡散、吸収させ、股下域21からの排泄物の漏れを防ぐことができる。 【0037】図5では、コア4の隆起部4cがコア4の周縁部に位置して環状に延びている。図5のおむつ1は、隆起部4cが環状に延びているので、隆起部4cがおむつ1の両側縁部1aの他に、両端縁部1bにおいても障壁となり、おむつ1の両側縁部1aと両端縁部1bとからの排泄物の漏れを防ぐことができる。 【0038】図6,7は、失禁者用吸尿パッド30の部分破断平面図と、図6のB−B線断面図とである。パッド30は、透液性表面シート31と、不透液性裏面シート32と、表面シート31と裏面シート32との間に介在する吸液性コア33,34とから構成されている。パッド30は、パッド30を保持するためのおむつカバーや失禁パンツ等のアウターシートの内面に取り付けて使用するものである。 【0039】パッド30は、縦方向に前胴周り域40と、後胴周り域42と、前後胴周り域40,42の間に位置する股下域41とを有し、互いに対向して縦方向へ延びる両側縁部30aと、互いに対向して横方向へ延びる両端縁部30bとを有する。パッド30の両側縁部30aには、互いに対向離間して縦方向へ延びる一対の液抵抗性防漏シート35が取り付けられている。 【0040】コア33,34は、下層コア34と下層コア34の両側縁部34aに沿って縦方向へ略直状に延びる上層コア33とから形成されている。上層コア33は、角部が面取りされたもので、下層コア34の両端縁部34bの近傍まで延びている。上層コア33は、下層コア34に対する隆起部を形成する。上層コア33と下層コア34とは、粉砕パルプと高分子吸収性ポリマーとの混合物であり、所要の厚みに圧縮され、コア33,34各々の表面全体が透水性シート36で被覆、接合されている。 【0041】下層コア34は、前胴周り域40と股下域41とが略同一の面積を有し、後胴周り域42における面積が前胴周り域40と股下域41とのそれよりも大きいものである。上下層コア33,34は、上層コア33における粉砕パルプの密度が下層コア34のそれよりも低密度であり、上層コア33と下層コア34とは、略均一の量のポリマーを含有している。 【0042】パッド30では、上層コア33における粉砕パルプの密度が0.02〜0.10g/cm3の範囲、下層コア34における粉砕パルプの密度が0.05〜0.20g/cm3の範囲にあり、好ましくは、上層コア33における粉砕パルプの密度が0.05〜0.06g/cm3の範囲、下層コア34における粉砕パルプの密度が0.10〜0.11g/cm3の範囲である。 【0043】粉砕パルプの密度が上記範囲にある下層コア34では、その厚み方向とともに下層コア34の表面における排泄物の拡散速度が速く、かつ、排泄物の吸収速度が速いので、表面シート31と透水性シート35とを透過して下層コア34に到達した排泄物を、上層コア33の間に位置する下層コア34の領域34cの表面全域に素早く拡散させつつ、該領域34cの全域において、拡散した排泄物を速やかに吸収することができる。 【0044】排泄物が下層コア34の領域34cに拡散する過程において、上層コア33に到達した排泄物は、上層コア33に順次吸収されるので、排泄物がパッド30の両側縁部30aから漏れてしまうことがない。粉砕パルプの密度が下層コア34のそれよりも低い上層コア33では、上層コア33に吸収された排泄物が上層コア33から下層コア34に吸収されるので、上層コア33が着用者の体圧で潰されたとしても、排泄物が上層コア33から滲出することはない。 【0045】粉砕パルプの密度が上記範囲にある上層コア33では、下層コア34と比較して柔軟性が高く、上層コア33が着用者の肌に接したときの感触がよい。上層コア33と下層コア34との密度を上記値とする理由は図1に示すおむつ1と同様である。 【0046】パッド30では、上下層コア33,34が粉砕パルプと熱可塑性合成樹脂で形成された短繊維と高分子吸収性ポリマーとの混合物であってもよい。短繊維を含む上下層コア33,34は、上層コア33における粉砕パルプと短繊維との密度が下層コア34のそれらよりも低密度であり、上層コア33における粉砕パルプと短繊維とを合わせた密度が0.02〜0.10g/cm3の範囲、下層コア34における粉砕パルプと短繊維とを合わせた密度が0.05〜0.20g/cm3の範囲にあることが好ましい。 【0047】防漏シート35は、パッド30の両側縁部30aで横方向内方へ向かって折曲され、パッド30の両側縁部30から表面シート31の外面の側へ延びる第1部分35aと、パッド30の両側縁部30aから裏面シート32の外面の側へ延びる第2部分35eとを有する。 【0048】防漏シート35の第1部分35aは、上層コア33の頂部において表面シート31の外面に固着された固定側部35bと、固定側部35bに並行してパッド30の両端縁部30bの間に延びる自由側部35cと、パッド30の両端縁部30bにおいて横方向外方へ折曲され、固定側部35bから横方向外方へ延びる防漏シート35の部分に固着された固定端部35dとを有する。自由側部35cには、縦方向へ延びる弾性伸縮性部材37が自由側部35cに被覆された状態で伸長下に取り付けられている。第2部分35eは、パッド30の両側縁部30aと両端縁部30bとにおいて裏面シート32の外面に固着されている。 【0049】パッド30は、防漏シート35の固定側部35bが上層コア33の頂部に位置しているので、上層コア33と相俟って防漏シート35の自由側部35bが高い障壁を形成し、排泄物の横漏れを防ぐことができる。 【0050】パッド30の両端縁部30bにおける裏面シート32の外面には、アウター部材の内面に掛着可能な2つの雄型メカニカルファスナ38が取り付けられている。 【0051】図4では、パッド30がその内面を内側にして縦方向へ湾曲し、防漏シート35の自由側部35bに取り付けられた弾性部材37が収縮して自由側部35bが表面シート31の外面から上方へ起立している。パッド30では、弾性部材37が収縮して防漏シート35の自由側部35bにギャザーが形成されている。 【0052】パッド30の両側縁部30aでは、下層コア34の両側縁部33aから横方向外方へ表面シート31と裏面シート32とが延び、それらシート31,32が互いに重なり合う部分において、それらシート31,32の内面どうしが固着されている。 【0053】パッド30の両端縁部30bでは、下層コア34の両端縁部33bから縦方向外方へ表面シート31と裏面シート32とが延び、それらシート31,32が互いに重なり合う部分において、それらシート31,32の内面どうしが固着されている。上層コア33を被覆する透水性シート36は、表面シート31の内面に固着され、下層コア34を被覆する透水性シート36は、裏面シート32の内面に固着されている。 【0054】図1に示すおむつ1のコア4では、隆起部4cと部位4bとがそれぞれ異なる量のポリマーを含有していてもよく、図6に示すパッド30のコア33,34では、上層コア33と下層コア34とがそれぞれ異なる量のポリマーを含有していてもよい。 【0055】異なる量のポリマーを含有する場合において、図1のコア4は、隆起部4cの密度が部位4dのそれよりも低密度であり、隆起部4cにおける粉砕パルプとポリマーとを合わせた密度が0.02〜0.10g/cm3の範囲、部位4dにおける粉砕パルプとポリマーとを合わせた密度が0.05〜0.20g/cm3の範囲にあることが好ましい。コア4が短繊維を含む場合は、隆起部4cにおける粉砕パルプとポリマーと短繊維とを合わせた密度が0.02〜0.10g/cm3の範囲、部位4dにおける粉砕パルプとポリマーと短繊維とを合わせた密度が0.05〜0.20g/cm3の範囲にあることが好ましい。 【0056】異なる量のポリマーを含有する場合において、図6のコア33,34は、上層コア33の密度が下層コア34のそれよりも低密度であり、上層コア33における粉砕パルプとポリマーとを合わせた密度が0.02〜0.10g/cm3の範囲、下層コア34における粉砕パルプとポリマーとを合わせた密度が0.05〜0.20g/cm3の範囲にあることが好ましい。上下層コア33,34が短繊維を含む場合は、上層コア33における粉砕パルプとポリマーと短繊維とを合わせた密度が0.02〜0.10g/cm3の範囲、下層コア34における粉砕パルプとポリマーと短繊維とを合わせた密度が0.05〜0.20g/cm3の範囲にあることが好ましい。 【0057】また、図1と図6とのコア4,33,34が異なる量のポリマーを含有する場合は、ポリマーの密度に勾配を設けることができる。図1のコア4では、隆起部4cの上部から部位4dの下部へ向かってポリマーの密度が次第に高くなるようにすることが好ましく、図6のコア33,34では、上層コア33の上部から下層コア34の下部へ向かってポリマーの密度が次第に高くなるようにすることが好ましい。なお、コア4の部位4dと下層コア34とが、粉砕パルプとポリマーとの混合物の他に、粉砕パルプの間にポリマーを介在させた積層体であってもよい。 【0058】図1のコア4は、隆起部4cと部位4dとが一体となったもので、コア4を製造するときに、隆起部4cと部位4dとを異なる密度にする工程が必要であるが、図6のコア33,34は、別体の上層コア33と下層コア34とから形成されているので、上記工程を必要とせずにそれぞれ密度が異なる上層コア33と下層コア34とを製造することができ、図1のコア4と比較して製造コストの面で有利である。 【0059】図1と図6とのコア4,33,34では、隆起部4cと上層コア33との高さ寸法が3〜15mmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは、7〜8mmの範囲である。また、部位4dと下層コア34との高さ寸法が1〜10mmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは、3〜4mmの範囲である。 【0060】高分子吸収性ポリマーとしては、自重の20倍以上の液体を吸収、保持可能であってゲル化する性質を有する粒子状のものが好ましく、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、アクリル酸(塩)重合体等を使用することができる。 【0061】表面シート2,31には、不織布や開孔プラスチックフィルム等の透液性のシート、好ましくは透液性であって親水性のシートを使用することができる。裏面シート3,32と防漏シート5,35とには、疎水性不織布、不透液性のプラスチックフィルムまたは疎水性不織布とプラスチックフィルムとのラミネートシート、好ましくは通気不透液性のシートを使用することができる。コア4,33,34を被覆する透水性シート6,36には、ティッシュペーパーや坪量が5〜10g/m2の範囲にある透液性の不織布を使用することができる。 【0062】不織布としては、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンポンド、ケミカルボンド等の不織布を使用することができる。不織布の構成繊維およびコアに含まれる短繊維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン/ポリプロピレンまたはポリエステルの複合繊維等を使用することができる。 【0063】シート2,3,5,6,31,32,35,36やおむつ1およびパッド30の構成部材9,10,38の固着、弾性部材7,8,11,37の取り付けには、ホットメルト接着剤等の接着剤や粘着剤の他に、熱溶着の技術を利用することができる。 【0064】この発明は、使い捨ておむつ1や失禁者用吸尿パッド30の他に、おむつライナーやパンティーライナー、生理用ナプキン等にも実施することができる。 【0065】 【発明の効果】本発明に係る体液吸収性着用物品によれば、隆起部を除くコアの部位では、コアの表面における排泄物の拡散速度が速く、かつ、排泄物の吸収速度が速いので、隆起部の間に位置する部位の領域の表面全域に排泄物を素早く拡散させつつ、該部位の領域の全域において、拡散した排泄物を速やかに吸収することができる。多量の排泄物が物品の一部分に集中して排泄された場合でも、排泄物が物品の排泄部位に滞留することはなく、排泄物が隆起部を乗り越えて漏れてしまうことがない。 【0066】隆起部に到達した排泄物は、隆起部に順次吸収されるので、排泄物が物品の両側縁部から漏れてしまうことがない。密度が部位のそれよりも低い隆起部では、隆起部に吸収された排泄物が隆起部から部位に吸収されるので、隆起部が着用者の体圧で潰されたとしても、排泄物が隆起部から滲出することはない。隆起部では、部位に比較して柔軟性が高くなり、角部が面取りされて角張っていないので、隆起部が着用者の肌に接したときの感触がよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000115108 【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月17日(1999.11.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066267 【弁理士】 【氏名又は名称】白浜 吉治 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−137286(P2001−137286A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月22日(2001.5.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−326806 |
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