| 【発明の名称】 |
上肢骨折整復固定器及び肩甲上腕関節脱臼整復器 |
| 【発明者】 |
【氏名】豊田 長億
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| 【要約】 |
【課題】上肢骨折の患部近傍の筋肉を緊縛せずに自由な状態とさせ、また上腕部と前腕部とのなす角度も患部に最適な任意角に調整可能で、且つ掌を固定する上肢骨折整復固定器を提供する。
【解決手段】コルセット1で胴部に固着した長方形板4の上端第1ブラケット5に第1支持体7の上端を枢支させる。また長方形板4上を上下動する第2ブラケット16に第2支持体17の下端を枢支させる。第1支持体7の下端と第2支持体17の上端とを枢結させ、第1ブラケット5と第2ブラケット16とをターンバックル機構29で連結する。二つの支持体7と17はともに伸縮自在で任意位置に固定可能とする。第2ブラケット5に掌保持板30を枢支し、押さえ片31にて各指を固定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 身体の上肢の脇下から腰まで延在する長方形板を取り付け胴部に固定するコルセットと、前記長方形板の上端に固着した第1ブラケットにて身体の上下方向に回動可能に一端を枢支され長さ調整可能な第1支持体と、前記長方形板の下部において長手方向に移動可能に案内される第2ブラケットと、該第2ブラケットに前記第1支持体と同一方向に回動可能に一端を枢支され他端を前記第1支持体の他端と枢結した長さ調整可能な第2支持体と、前記第1支持体と前記第2支持体との枢結部に更に枢着された肘内側支持板と、前記第2ブラケットに取り付けられ掌を固定するようにした掌保持板と、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの距離を任意に接近離隔させるターンバックル機構とを備え、上肢骨折時に前記第1支持体,第2支持体の長さを調整するとともに前記ターンバックル機構により前記第1支持体と前記第2支持体のなす角度を調整して三角形の山の高さを患部に最適なものとして上肢を支えるようになしたことを特徴とする上肢骨折整復固定器。 【請求項2】 前記第1支持体及び前記第2支持体は、それぞれ入れ子式として長さ調整可能な樋形材でなり、所定位置で長さを固定する締付具を設けた請求項1に記載の上肢骨折整復固定器。 【請求項3】 前記第1支持体及び前記第2支持体は、それぞれ第1パイプを第2パイプ内に挿入し伸縮自在で且つ任意位置にて固定可能となした二重パイプ機構を用いる請求項1に記載の上肢骨折整復固定器。 【請求項4】 前記第1パイプと前記第2パイプのうち少なくとも一方に、上肢の支え板を取着した請求項3に記載の上肢骨折整復固定器。 【請求項5】 前記掌保持板は、前記第2支持体と同一方向に回動可能に前記第2ブラケットに枢支されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の上肢骨折整復固定器。 【請求項6】 前記掌保持板に、てのひらの各指の間隔に応じて放射状に複数本の貫通溝を刻設し、該各貫通溝に指を固定する断面T字状の押さえ片を位置変換可能で且つ任意位置に固定可能に取り付け、各指の叉部位置にて前記押さえ片により各指を前記掌保持板に固定するようになした請求項1乃至5のいずれか1項に記載の上肢骨折整復固定器。 【請求項7】 前記長方形板の下部にて長手方向に案内される前記第2ブラケットの案内部が、前記長方形板の両側部を折り曲げて形成した上下方向の溝である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の上肢骨折整復固定器。 【請求項8】 前記コルセットまたは前記長方形板に、肩から吊り下げるベルトを付加した請求項1乃至7のいずれか1項に記載の上肢骨折整復固定器。 【請求項9】 身体の上肢の脇下から腰まで延在し長手方向の案内溝を腰位置に形成した長方形板と、該長方形板を取り付け胴部に固定するコルセットと、前記長方形板の上端で垂直に突設されて回転可能に取り付けられ先端に第1球体を有する第3ブラケットと、前記第1球体を内包して任意方向に回動固定可能な第1球面軸受を上端に有し長さ調整可能な第3支持体と、前記長方形板の案内溝に移動可能に支持された駒と、該駒に回動可能に枢支され身体の前後となる方向に延在し前記第1球体側に反り曲がった弓形案内溝を形成したT溝体と、該T溝体の弓形案内溝に移動固定可能に支持された第2球体を有する第4ブラケットと、前記第2球体を内包して任意方向に回動固定可能な第2球面軸受を下端に有し上端を前記第3支持体の下端と枢結した長さ調整可能な第4支持体と、該第4支持体と前記第3支持体との枢結部に更に枢着された肘内側支持板と、前記第4ブラケットに枢支され掌を固定するようにした掌保持板と、前記第3ブラケットと前記第4ブラケットとの距離を任意に接近離隔させるターンバックル機構とを備え、上肢整復時に前記第3支持体・第4支持体の長さを調整するとともに前記ターンバックル機構により前記第3支持体と前記第4支持体のなす角度を調整し、且つ前記第4ブラケットの前記T溝体内での位置を調整して上肢を支えるようになしたことを特徴とする肩甲上腕関節脱臼整復器。 【請求項10】 前記T溝体に設けた複数のピン穴に位置決めピンを挿入して前記第4ブラケットを前記T溝内の所望の位置に固定する請求項9に記載の肩甲上腕関節脱臼整復器。 【請求項11】 前記第3支持体と前記第4支持体と前記筋内側支持板の上肢受け面を曲面に形成し、内側にクッション材を貼付した請求項1乃至10のいずれか1項に記載の上肢骨折整復固定器及び肩甲上腕関節脱臼整復器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は上肢を骨折した場合に、骨折した患部に対し最適な角度にて上肢を支持する上肢骨折整復固定器及び肩甲上腕関節が脱臼した場合の整復に用いる肩甲上腕関節脱臼整復器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】骨折の治療方法としては手術を行って治す観血療法と、手術を行わず体外から治す非観血療法とがある。そして同程度の骨折であっても、老齢の人では自然治癒力が小さいため、手術を行わずに非観血療法を用いると、骨折治療に長時間を要し、その間に筋力が衰えることになる。そのため骨折が完治した後リハビリに更に長時間を要し、なかなか正常状態にもどらないことになる。そこで回復を早くするため手術を行って治療したほうが良い場合が多い。 【0003】これに反し若年の人では自然治癒力が大きく回復が早いため、手術を行わずに治療したほうが良い場合が多い。非観血療法においては患部を体外から固定して患者が任意に動かすことが出来ない状態、また患者の意に反して不用意に動かされることのない状態とする。例えば上腕部を骨折した場合においても、上腕骨整復後、単に上肢帯に金属副子にて固定し更に前腕部を三角巾にて首から吊り下げて腕全体をなるべく動かさないようにしていた場合と、ギプスにより躯幹から手首までを固定する場合がある。 【0004】また肩甲上腕関節(以下肩関節という)が脱臼した場合の治療方法としては、先ず脱臼した状態をもとに戻すこと、その後正常に腕を使うことが出来るよう治療することが行われる。脱臼した状態をもとに戻すにはいろいろな方法が用いられているが、慣れた柔道整復師では2〜30秒でもとに戻すことが出来る。脱臼がもとに戻った時点で肩関節には高度の捻挫ような状態が残っていて、軟部組織、特に関節嚢,靱帯は損傷している。そして内出血があるので、後遺症として瘢痕組織化することを予防しなければ成らず、また治癒を早めるために次の治療が用いられる。 【0005】先ず上腕部を身体胴部に包帯にて縛りつけ、また前腕部も腹部全面で包帯により縛りつけ、肩関節の運動を確実に制限する。この状態を8〜14日間続ける。この期間包帯の取り替え時においても上腕部を水平以上に挙上させないよう注意が必要である。そして上肢を身体胴部に縛りつけた状態で、脱臼後1〜2日は内出血を制限するため氷を肩関節に当てて被う氷罨法が用いられる。次いで脱臼後3〜5日の間は冷水にひたした布で肩関節を覆い炎症または充血を消し去る冷罨法を行う。脱臼後10日目頃から軽いマッサージを行ってもらい、また自分では動かさずに少しずつ他の人に動かしてもらうようにする。更に湯温にひたした布で肩関節を覆い炎症または充血を消し去る温罨法を行う。その他局部の血行をよくするために赤外線照射が行われていた。脱臼後二週間目頃から肩及び上肢全体を自分で動かす運動を徐々に開始する。なお前腕部や手部を自分で動かす運動は早期から行われた。その他脱臼後7日目頃から超短波や超音波による治療が行われた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従来技術で述べた上肢骨折における非観血療法のうち患部に金属副子をする場合では、患部近傍の筋肉が縛られるため筋が萎縮して、正常状態に回復するのに長時間を要するという問題があった。またギプスにより躯幹から手指までを固定する場合では、上肢全体が外気にふれることがなく、むれて不潔になり、更に筋が萎縮するという問題があった。そしてわずかな範囲内において前腕部及び手指を動かすことが可能であり、そのため日常動作において不注意でついうっかりと患部側の手指を使うことが多くなり、手指使用により患部近傍の筋肉が伸縮して、患部に悪影響を及ぼし、回復が遅くなるという問題を有していた。 【0007】更に三角巾を用いて前腕部を首から吊り下げたとき、上腕部と前腕部とがほぼ90度の角度を維持するようになるため、上肢に常に同一姿勢をとらせるよう強要することとなり、患者に苦痛を与えるという問題を有していた。また肩関節の脱臼における治療法では上腕部は勿論前腕部も身体の胴部に包帯にて8〜14日間縛りつけることになる。そのため上肢の筋肉が萎縮して、正常に回復するのに長時間を要するという問題があった。そして上肢を身体胴部に縛りつけて上肢に常に同一姿勢をとらせるよう強要することにより患者に苦痛を与えるという問題を有していた。 【0008】本発明は従来技術の有するこのような問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは上肢骨折時に患部近傍の筋肉を緊縛せずに自由な状態とさせ、また上腕部と前腕部とのなす角度も患部に最適な任意角度に調整可能で且つ手指を不注意で使うことを防いだ上肢骨折整復固定器を提供しようとするものである。そして肩関節脱臼時に肩関節の袋である関節嚢を安静に維持させ、肩関節治療中の上肢の位置を調整し肩の運動を助ける補助具として使用可能な肩甲上腕関節脱臼整復器を提供しようとするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の請求項1に記載した上肢骨折整復固定器は、脇下から腰部まで延在する長方形板を取り付け胴部に固定するコルセットと、前記長方形板の上端に固着した第1ブラケットにて身体の上下方向に回動可能に一端を枢支され長さ調整可能な第1支持体と、前記長方形板の下部において長手方向に移動可能に案内される第2ブラケットと、該第2ブラケットに前記第1支持体と同一方向に回動可能に一端を枢支され他端を前記第1支持体の他端と枢結した長さ調整可能な第2支持体と、前記第1支持体と前記第2支持体との枢着部に更に枢着された肘内側支持板と、前記第2ブラケットに取り付けられ掌を固定するようにした掌保持板と、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとの距離を任意に接近離隔させるターンバックル機構とを備え、上肢骨折時に前記ターンバックル機構により前記第1支持体と前記第2支持体のなす角度を調整して三角形の山の高さを患部に最適なものとして上肢を支えるようになしたものである。 【0010】上述の上肢骨折整復固定器によれば、先ず肘の内側を肘内側支持板に接触させ、上腕部,前腕部の長さに合わせて第1支持体と第2支持体の長さ調整をして固定する。そして上腕部と前腕部を第1,第2支持体及び肘内側支持板で三角形を形成して支えるようになしたので、患部近傍の筋肉を縛ることがなく、上肢は正常時と同様外気に接することになる。従って筋萎縮がなく清潔を保つことが出来る。更に上腕部と前腕部とを患部に最適な任意角度で維持することが可能であり、回復を促進することが出来る。また各指は保持板に固定したので指を不注意に使用することがない。更に第1支持体,第2支持体の長さ調整を可能としたので大人から子供まで適用が可能である。 【0011】請求項2に記載した上肢骨折整復固定器は、前記第1支持体及び前記第2支持体はそれぞれ入れ子式として長さ調整可能な樋形材でなり、所定位置で長さを固定する締付具を設けたものである。上述の上肢骨折整復固定器によれば、第1支持体,第2支持体をそれぞれ樋形状に形成し、この樋形状の凹曲面にて上腕部,前腕部を支えるように使用するので上腕部,前腕部を各支持体からはずすことなく的確に支持することが出来る。 【0012】請求項3に記載した上肢骨折整復固定器は、前記第1支持体及び前記第2支持体はそれぞれ第1パイプを第2パイプ内に挿入し伸縮自在で且つ任意位置にて固定可能となした二重パイプ機構を用いるものである。上述の上肢骨折整復固定器によれば、先ず肘の内側を肘内側支持板に接触させ、上腕部,前腕部の長さに合わせて第1支持体・第2支持体として2本のパイプを出し入れして長さ調整を行い、所定位置にて固定する。このように長さ調整部分に二重パイプ機構を用いたので、長さ調整をスムースに行うことが出来る。 【0013】請求項4に記載の上肢骨折整復固定器は、前記第1パイプと前記第2パイプのうち少なくとも一方に上肢の支え板を取着したものである。上述の上肢骨折整復固定器によれば、パイプに取り付けた支え板にて上腕部,前腕部を支える。このように支え板にて上腕部,前腕部を支えるので上肢を安定した状態に確実に保ち得る。 【0014】請求項5に記載した上肢骨折整復固定器は、前記掌保持板は前記第2支持体と同一方向に回動可能に前記第2ブラケットに枢支されているものである。上述の上肢骨折整復固定器によれば、掌保持板を手首を前後に振る方向と同一方向に回動できるように枢支したので患者が任意に手首を動かすことが可能となり手首の疲労を防ぐことが出来る。 【0015】請求項6に記載した上肢骨折整復固定器は、前記掌保持板にてのひらの各指の間隔に応じて放射状に複数本の貫通溝を刻設し、該各貫通溝に指を固定する断面T字状の押さえ片を位置変換可能で且つ任意位置に固定可能に取り付け、各指の叉部位置にて前記押さえ片により各指を前記掌保持板に固定するようになしたものである。 【0016】上述の上肢骨折整復固定器によれば、掌保持板に放射状に貫通溝を設けて指の押さえ片を貫通溝に沿って任意位置に移動させて押さえ片にて指を掌保持板に押しつけて指を固定する。そのため各指それぞれを確実に保持板に固定出来て、どの指も不用意に動かすことがなく、従って指を動かすことによる患部近傍の筋の動きが阻止され、回復を妨げることが全くなくなる。また各指の叉部で押さえ片により指を掌保持板に固定すれば、指の第1関節が押さえ片に当たり指が抜けることがなく、一層確実に掌保持板に固定することが出来る。更に貫通溝を放射状に設けたので大人から子供まで用いることが出来る。 【0017】請求項7に記載した上肢骨折整復固定器は、前記長方形板の下部にて長手方向に案内される前記第2ブラケットの案内部が前記長方形板の両側部を折り曲げて形成した上下方向の溝である。上述の上肢骨折整復固定器によれば、第2ブラケットの案内部を長方形板で形成したので、構成要素が少なく組み立て工数が減少し、製造費用が安価になった。 【0018】請求項8に記載した上肢骨折整復固定器は、前記コルセットまたは長方形板に肩から吊り下げるベルトを付加したものである。上述の上肢骨折整復固定器によれば、ベルトにて肩から吊り下げて保持されるので、ずり落ちることはない。また患者一人であっても先ずベルトを肩に掛けた後、コルセットを胸部に締め付けるようになして上肢骨折整復固定器を身体に取り付けることが可能となる。 【0019】請求項9に記載した肩甲上腕関節脱臼整復器は、身体の上肢の脇下から腰まで延在し長手方向の案内溝を腰位置に形成した長方形板と、該長方形板を取り付け胴部に固定するコルセットと、前記長方形板の上端で垂直に突設されて回転可能に取り付けられ先端に第1球体を有する第3ブラケットと、前記第1球体を内包して任意方向に回動固定可能な第1球面軸受を上端に有し長さ調整可能な第3支持体と、前記長方形板の案内溝に移動可能に支持された駒と、該駒に回動可能に枢支され身体の前後となる方向に延在し前記第1球体側に反り曲がった弓形案内溝を形成したT溝体と、該T溝体の弓形案内溝に移動固定可能に支持された第2球体を有する第4ブラケットと、前記第2球体を内包して任意方向に回動固定可能な第2球面軸受を下端に有し上端を前記第3支持体の下端と枢結した長さ調整可能な第4支持体と、該第4支持体と前記第3支持体との枢結部に更に枢着された肘内側支持板と、前記第4ブラケットに枢支され掌を固定するようにした掌保持板と、前記第3ブラケットと前記第4ブラケットとの距離を任意に接近離隔させるターンバックル機構とを備え、上肢整復時に前記第3支持体・第4支持体の長さを調整するとともに前記ターンバックル機構により前記第3支持体と前記第4支持体のなす角度を調整し、且つ前記第4ブラケットの前記T溝体内での位置を調整して上肢を支えるようになしたものである。 【0020】上述の肩甲上腕関節脱臼整復器によれば、ターンバックル機構により患部に最適の状態に第3,第4支持体の長さとターンバックルの長さを調整して上腕部と前腕部とをくの字状に曲げさせ、この状態で弓形のT溝体により歩行時の上肢の振れと同じ振れにて患部に最適の振り位置に手首位置をもたらし、更に球面軸受によりくの字状の上腕部と前腕部とを身体の前後に倒して患部に最適の倒し位置に固定する。患部回復に伴って上腕部と前腕部のくの字の曲げ状態と倒し状態及び手首の振り位置を徐々に変更することが出来る。 【0021】請求項10に記載した肩甲上腕関節脱臼整復器は、前記T溝体に設けた複数のピン穴に位置決めピンを挿入して前記第4ブラケットを前記T溝内の所望の位置に固定するものである。上述の肩甲上腕関節脱臼整復器によれば、第4ブラケットを弓形T溝体のT溝内に固定するに際し、弓形T溝体に設けた穴にピンを挿入する。このため第4ブラケットの固定が簡単にできる。 【0022】請求項11に記載した上肢骨折整復固定器及び肩甲上腕関節脱臼整復器は、前記第3支持体と前記第4支持体と前記筋内側支持板の上肢受け面を曲面に形成し、内側にクッション材を貼付したものである。上述の上肢骨折整復固定器及び肩甲上腕関節脱臼整復器によれば、上腕部,肘内側,前腕部がクッション材例えば柔らかいフォームラバーに接触するようになるため、皮膚が床擦れ状になることを防止することができる。 【0023】 【発明の実施の形態】〔実施例〕以下、本発明の実施例1を図面にもとづいて説明する。図1は本発明の上肢骨折整復固定器を身体に取り付けた状態を示す全体説明図である。 【0024】身体胸部を取り囲み締め付ける状態にコルセット1がマジックファスナ2によって確実に取り付けられている。コルセット1には紐3によって身体の脇下から腰まで延在する上肢骨折整復固定器の基本をなす長方形板4が身体に沿って取り付けられる。長方形板4には上端部に第1ブラケット5が固着され長方形板4の下部に第2ブラケット16が上下移動可能に設けられている。第1ブケラット5には上腕部を支持する第1支持体7の上端が枢支されている。 【0025】また第2ブラケット16には前腕部を支持する第2支持体17の下端が枢支されている。そして第1支持体7の下端部と第2支持体17の上端部とが枢結されていて、長方形板4に対して山形をなしている。また第1ブラケット5と第2ブラケット16を連結してターンバックル機構29が取り付けられていて、山形の高さと角度を変更しうる。また第2ブラケット16には掌を固定する掌保持板30が第2支持体17と同方向に回動可能に枢支されていることが望ましい。枢支とは回転可能に支えることである。 【0026】次にこれら各部分について図面にもとづいて詳述する。図2は本発明の上肢骨折整復固定器の詳細説明図である。長方形板4の上端には第1ブラケット5が身体から外方へ突出する状態で固着されている。また第1ブラケットの上側に脇当て5Aが取り付けられている。第1ブラケット5は先端枢支部5aのピン6に上肢の上腕部を支える第1支持体7の上端が身体の上下方向に回動可能に枢支されている。 【0027】第1支持体7は図3に示すように上腕部を支えるのに好都合なように樋形状に形成されていて、2枚の板7A,7Bから構成されている。2枚の板7A,7Bのうち板7Bは両側部がそれぞれ裏側へ折り曲げられていて溝8を形成している。そしてこの両側の溝8内に板7Aの両側部が入り込み板7Aと板7Bとは伸縮自在な入れ子式に構成されている。そして板7Aを板7Bに対して任意位置にて固定する第1締付具9が板7Bの裏側折り曲げ部7Bbに設けられている。 【0028】第1締付具9は板7Bの裏側折り曲げ部7Bbの少なくとも一個所にきり穴が穿設され、このきり穴と軸心を一致させてナット10が固着されている。そしてナット10にはボルト11が螺合されていて、このボルト11をナット10にねじ込み、ボルト11の先端を板7Aの側端部裏面に押圧して、板7Aと板7Bとを任意位置にて固定する。そして板7Aと板7Bとが固定された後、第1支持体7の樋形内面の全長にわたってクッション材13が貼り付けられる。なおクッション材13としてはウレタン材例えばフォームラバー或いは厚布地例えばビロード,パイル地,メリヤス等である。 【0029】図4に示すように板7Aの上端には突片7Aaが突設されていて、第1ブラケット5の先端枢支軸6に枢着されている。板7Bの下端には枢着用の突片7Baが突設されている。枢着とは回転可能な状態に取り付けることである。長方形板4の下部には、両側が折り曲げられて上下方向のT形溝4aからなる案内が形成されている。 【0030】図5に示すように第2ブラケット16が上下方向のT形溝4a内に下端部16bを嵌まり込ませて上下方向に移動可能に身体から外方へ突出する状態で設けられている。第2ブラケット16には先端枢支部16aのピン12で上肢の前腕部に副え当てする第2支持体17の板17Bの下端に突設した突片17Baが枢支されている。第2支持体17は樋形状をしていて、二枚の板17A,17Bから構成されている。そして構造は第1支持体7と同一であり、板17Bの両側部がそれぞれ裏側へ折り曲げられて溝を形成し、この溝内に板17Aの両側部が入り込み入れ子式に伸縮する。また板17Bには第1締付具9と同一構造の第2締付具(図示せず)が設けられていて、板17Aと17Bを任意位置にて固定する。そして板17Aと板17Bとが固定された後、第2支持体17の樋形内面の全長にわたって図示しないウレタン等のフォームラバーが貼りつけされている。 【0031】図6に示すように第1支持体7の板7B下端に固着した突片7Baと第2支持体17の板17A上端に固着した突片7Aaとはピン18で枢結されていて、この枢結部に図7に示す上肢の肘内側を支える肘内側支持板20が更に枢着されている。肘内側支持板20は上肢をくの字状に曲げた場合、上腕部下方から肘の内側,前腕部上方にわたって沿うように湾曲した樋状をなしている。そして中間肘部から胴部の方向に突出した2本の足部20Aを有していて、この足部20Aをピン18に枢支させている。枢結とは回転可能な状態に複数の部材を結合することである。そして肘内側支持板20は樋状の肘接触曲面にクッション材13のウレタン等のフォームラバーが貼り付けされている。 【0032】第1ブラケット5の中間部には下方を向けて一定方向のねじ、例えば右ねじを有するねじ軸26が吊り下げ状に固着されている。また第2ブラケット16の中間部には上方を向けてねじ軸26と反対方向のねじ、例えば左ねじを有するねじ軸27がねじ軸26と軸心を一致させて直立状に固着されている。そしてこれらねじ軸26とねじ軸27に螺合する雌ねじ部を相対する辺に有した枠形の連結ナット28が設けられていて、ねじ軸26,ねじ軸27,連結ナット28によってターンバックル機構29が構成されている。尚ターンバックル機構29に代えてねじ軸を1本のみとし、ナットを回すことにより第2ブラケットを長手方向上下移動させるようになすことも可能である。 【0033】従って連結ナット28を手操作で回転させることによって、第2ブラケット16を第1ブラケット5に対し接近または離隔させることが出来る。この接近・離隔によって第1支持体7と第2支持体17とのなす山形の角度を調整し、患部に最適な山の高さ及び角度を得ることが出来る。 【0034】次にてのひらを掌保持板30に固定する部分について図8,図9にもとづき説明する。第2ブラケット16の先端枢支部16aのピン12に掌保持板30が上端部30aにて枢支されている。なお場合によってはブラケット16に固着する場合もある。掌保持板30はてのひら全体を載置することのできる大きさを有し、各指を自然に開いたときの各指間の位置に放射状の貫通溝30bを4本刻設している。各貫通溝30bには断面T字状の押さえ片31がボルト32によって着脱自在に固定される。各押さえ片31は押さえ片31間に指を挿入したときT字状頭部が相隣り合う押さえ片31と干渉しない大きさであって、各指の叉の位置において両側の指を保持板30に固定する。そのため押さえ片31はゴムまたは樹脂製等の柔らかい触感材であることが望ましい。そして大人用,子供用を適宜取り替えるものである。 【0035】〔作用〕胸部にコルセット1を巻き付け、本発明の上肢骨折整復固定器がずり落ちないようマジックファスナ2にて強く確実に締め付ける。肘の内側を肘内側支持板20の樋形内面に貼りつけたフォームラバーに接触させ、上腕部の長さに合わせて第1支持体7の板7Aと板7Bの伸縮位置を調整して第1締付具9にて固定する。同様に前腕部の長さに合わせて第2支持体17の長さを決めて固定する。てのひらを掌保持板30に押し当て、ボルト32を弛めて押さえ片31を手の大きさに合わせて各指の叉の位置に移動させて押さえ片31をボルト32で固定し各指を掌保持板30に密着させる。この状態で連結ナット28を回して第2ブラケット16の位置を上下させ第1支持体7と第2支持体17のなす山形の角度を調整して患部を好適状態の角度に固定するものである。 【0036】以上の説明では胸部に巻き付けたコルセットにより本発明の上肢骨折整復固定器を保持するように述べたが、コルセットを腰部に巻き付けると腰骨により上肢骨折整復固定器のずり落ちることを防止出来る。更に図1に仮想線にて示すようなベルト35をコルセット1または長方形板4に付加して肩から吊り下げ、ずり落ちることを完全に防止するようにできる。そしてベルト35を付加することにより患者一人であっても本発明の上肢骨折整復固定器を身体に取り付けることが容易となる。 【0037】〔実施例〕次に上腕部と前腕部を支える第1,第2支持体に対し実施例2を図10にもとづいて説明する。図10は二重パイプ式の伸縮自在な支持体であって、第1パイプ41が第2パイプ42の中に挿入されていて、任意位置にてクランプされるものである。第1パイプ41の上端には先端にピン6が挿通する穴を穿設した枢支用突出片43aを設けたキャップ43がねじにより螺着されている。また第1パイプ41の下端には第1パイプ41と同外径のボス44が螺着されている。ボス44には直径方向に穴44aを有し、この穴44a内にはばね45により外方に付勢されたボール46が収納されている。ボール46は穴44aの出口のかしめにより外方へ飛び出すことを阻止されている。 【0038】ボール46と反対側の穴44aの出口にはばね受け47で穴が塞がれている。第2パイプ42の下端には先端にピン18が挿通する穴を穿設した枢支用突出片48aを設けたキャップ48が螺着されている。また第2パイプ42の上端には外径にテーパ雄ねじ42aが刻設されていて、このテーパ雄ねじ42aの部分は軸方向に複数個所すり割り42bが刻設されていて、半径方向に撓むことの出来る複数の弾性部に分けられている。第2パイプ42にはテーパ雄ねじ42aに螺合するテーパ雌ねじ49aを有する締付リング49が螺装されている。そして締付リング49を回して締めることにより弾性部のテーパ雄ねじ42aの部分を半径方向内側に撓ませて第1パイプ41をクランプすることができるコレット構造となっている。 【0039】第2パイプ42はテーパ雄ねじ42aの下部に円周溝42cを設けている。締付リング49のテーパ雌ねじ49aよりも下部である裾部49dは第2パイプ42の外径にかぶさる状態で、この裾部49dに外方から半径方向内方へ円周溝42c内に止ねじ50の先端を臨ませ締付リング49の抜け止めとしている。 【0040】締付リング49のテーパ雌ねじ49aを刻設した奥にはぬすみ部49bが刻設されていて、締付リング49を弛めて第1パイプ41を第2パイプ42から引き抜く方向に移動させたとき移動最終位置の手前でボール46は第2パイプ42の雄ねじ42aの内径部から外れ、ばね45に押されてボール46が第1パイプ41の外径よりも外方へかしめ部に当接するまで僅かに突き出る。この状態で引き抜く方向に移動させるとボール46の突出部分がテーパ雌ねじ49aの奥のぬすみ部奥の面49cに当たり、引き抜き移動は停止させられる。締付リング49の上端部49eは第1パイプ41の通過を許容する穴49fを有しているが、第1パイプ41の外径との隙間は僅かであってボール46の突出部分は通過出来ない状態になっている。尚、第1パイプ41,第2パイプ42のうち少なくとも一方に湾曲又は樋形状の上肢の支え板を取り付けて上腕部及び前腕部に接触させて支持させることも可能である。 【0041】〔実施例〕次に肩関節を脱臼した場合の整復器について実施例3として図11乃至図21にもとづき説明する。但し実施例1と同一のものには同一の符号を付して説明を省略する。 【0042】図11は肩関節を脱臼した場合に肩甲上腕関節脱臼整復器を身体に取り付けた状態の詳細説明図である。胸部を締め付けているコルセット1に紐3によって身体の脇下から腰まで延在する長方形板61が身体に沿って取り付けられる。長方形板61の上端には第3ブラケット62が水平で身体の外方に突設した状態に取り付けられている。そして第3ブラケット62の内端62cは小径棒で長方形板61に枢支され、スナップリング63により抜け止めされている〔図12〕。 【0043】第3ブラケット62の上面には身体の脇下に当接するように松葉上用の脇当て64が取り付けられている。第3ブラケット62は外端に斜め下向きの首62aを介して第1球体62bを有している。第1球体62bは同一径の半球状凹面65aを有する第1ハウジング65に収容され、同径の凹面66aを有する第1蓋66にて板状のゴム67を介して小ねじ68により挟まれている。そして第1球面軸受69が構成されていて、第1ハウジング65及び第1蓋66は第1球体62bに対し自在に回動することが出来る〔図13〕。尚第1蓋66は組立上二分割されている〔図14〕。 【0044】第1ハウジング65には身体の前面下方を向いた固定操作用のねじ軸70が螺装されていて、このねじ軸70の外端には握り71が取り付けられている。ねじ軸70を螺旋している第1ハウジング65の雌ねじ奥には、第1球体62bの表面に接触する位置に銅片72が挿入されている。そのため握り71を回してねじ軸70をねじ込んだとき、ねじ軸70の先端に押されて銅片72は第1球体62bの表面に圧接される。そして第1ハウジング65は第1球体62bに対する回動を任意の位置で止めることができる〔図15〕。第1ハウジング65は樋状をなして上腕部を支える長さ調整可能な第3支持体73の上端に取り付けられていて、構成は実施例1の第1支持体7と同一である。 【0045】次に第4ブラケット78の取り付け状態を図16,図17,図18にもとづいて説明する。長方形板61の下部には両側が折り曲げられて長手方向のT形溝61aでなる案内溝が形成されている。T形溝61a内には長手方向に移動可能にT形の駒75が挿入されている。駒75には上向きに反り曲がった弓形のT溝体76が身体の前後となる方向垂直面内で回動可能に枢支軸77により取り付けられている。 【0046】このT溝体76の前面には弓形に沿った弓形のT溝76aが形成さていて、このT溝76a内に第4ブラケット78の下端のT形が挿嵌されていて水平で身体の外方に突出した状態で移動可能とされている。尚第4ブラケット78のT溝76aとの係合部は角部にR面78d,78eを設けT溝76a内の移動を滑らかならしめている。 【0047】第4ブラケット78にはT溝76a内の溝方向に小径穴78cが穿設されていて、この小径穴78cに紐79が通され、紐79の両端に位置決めピン80が結び付けられている。T溝体76のT溝76a底板には弓形中心線に沿って第4ブラケット78を挟む間隔で適数個所にピン穴76bが設けられていて、位置決めピン80を第4ブラケット78の両側面位置でピン穴76bに挿入して、第4ブラケット78の位置決めを行うことができる。尚第4ブラケット78の内端をT溝76a方向に突出させ、この突出部分にピン穴を設けて位置決めピン80を挿通するようになせば、ピン穴76bを設ける位置は任意とすることが出来る。 【0048】第4ブラケット78は外端に斜め上向きの首78aを介して第2球体78bを有している。第2球体78bは同一径の半球状凹面85aを有する第2ハウジング85に収容され、同径の凹面86aを有する第2蓋86にて板状のゴム87を介して小ねじ88により挟まれている。そして第2球体78b・第2ハウジング85・第2蓋86により第2球面軸受89が構成されている。第2ハウジング85及び第2蓋体86は第2球体78bに対し自在に回動することができる〔図19〕。 【0049】尚第2蓋86は組立上二分割されている。その分割された一方86Aは掌を固定するための掌保持板95を取り付ける支持部86Aaを有している。ピン96により掌保持体95は上端部95aにて回動可能に枢支されている。掌保持板95には実施例1の掌保持板30と同様の放射状の貫通溝が4本刻設されていて、掌の固定は実施例1の場合と同様である。 【0050】第2ハウジング85には身体の前面上方を向いた固定操作用のねじ軸90が螺装されていて、このねじ軸90の外端には握り91が取り付けられている。ねじ軸90を螺装している第2ハウジング85の雌ねじ奥には、第2球体78bの表面に接触する位置に銅片92が挿入されている。そのため握り91を回してねじ軸90をねじ込んだとき、ねじ軸90の先端に押されて銅片92は第2球体78bの表面に圧接される。そして第2ハウジング85は第2球体78bに対する回動を任意位置で止めることが出来る〔図21〕。 【0051】尚第1球体62bの第2球体78bの球表面にゴルフボール状の多数の凹部を設けることにより、ねじ軸70,90をねじ込んだとき、銅片72,92がゴルフボール状の多数の凹部のいずれかに係合して、第1ハウジング65,第2ハウジング85の回動をより確実に止めることができる。この場合銅片は介在させるとは限らない。第2ハウジング85は樋状をなしていて、前腕部を支える長さ調整可能な第4支持体93の上端に取り付けられていて、構成は実施例1の第2支持体17と同一である。 【0052】第3ブラケット62の中間部には下方を向けて一定方向のねじ例えば右ねじを有するねじ軸101が吊り下げ状に挿通されテーパピン101Aにより固着されている。また第4ブラケット78の中間部には上方を向けてねじ軸101と反対方向のねじ、例えば左ねじを有するねじ軸102がねじ軸101と軸心を一致させて直立状に挿通されテーパピン102Aにより固着されている。そしてこれら二つのねじ軸101とねじ軸102に螺合する雌ねじ部をそれぞれ相対する辺に有した枠形の連結ナット103が設けられていて、ねじ軸101,ねじ軸102,連結ナット103によってタンーバックル機構104が構成されている。尚ターンバックル機構104に代えてねじ軸を一本のみとし、ナットを回すことによって第4のブラケット78を上下移動させるようになすことも可能である。 【0053】実施例3においても実施例1の場合と同様ベルト35をコルセット1または長方形板61に付加して肩から吊り下げて、肩甲上腕関節脱臼整復器がずり落ちることを完全に防止するようにできる。尚上記説明では第1球面軸受69と第2球軸受89の固定を握り71と91を回して行うよう述べたが、小ねじ68と小ねじ88を強く締め込むことにより板状のゴム67と87を圧縮して第1球体62bと第2球体78bを強く挟み込むことにより行うことも可能であり、この場合にはより強力に固定することができる。 【0054】〔作用〕実施例1と同様、上腕部を第3支持体73に当て、肘の内側を肘内側支持板20に当て、前腕部を第4支持体93に当て、掌を掌保持板95に固定する。患部の損傷状態に応じてターンバックル機構104の連結ナット103を回して第4ブラケット78の弓形のT溝体76,駒75を上下移動させ、第3,第4支持体の長さを人の上腕の長さに適合させ患部に最適の位置で連結ナット103の回転を止める。次いで上肢を歩行時と同様身体の前後に振り動かせ、第4ブラケット78をT溝体76のT溝76aに沿って移動させる。第4ブラケット78はターンバックル機構104によって上下方向の位置を変えられているので、小径軸62cにおける回転中心からの旋回半径が変化している。 【0055】しかし、T溝体76は枢支軸77に支持され、駒75に対し回動自在であるため、変化した旋回半径に応じた第4ブラケット78の位置に対応してT溝体76が回動する。そして患部に最適な位置において位置決めピン80をT溝体76のピン穴76bに挿入して第4ブラケット78を位置決めする。その後肘を身体の前後いずれかの方へ倒して患部に最適の位置で、握り71と91によりねじ軸70と90を第1ハウジング65と第2ハウジング85にねじ込み、第1球体62b,第2球体78bに強く当接させて第1ハウジング65と第2ハウジング85を固定する。掌も掌保持板95に固定されていて、患部は最適な状態を維持することが出来る。掌は掌保持板95がピン76で枢支されているので無理のない角度となる。 【0056】 【発明の効果】本発明の上肢骨折整復固定器及び肩甲上腕関節脱臼整復器は上述のように構成されているので、次に記載する効果を奏する。 【0057】請求項1の発明は、上腕部と前腕部を単に支持体で支えるのみとなしたので、患部近傍の筋肉を縛ることがなく、またギプスにて包むことがない。そのため上肢は正常時と同様外気に接するようになり、筋萎縮がなく、清潔を保つことが出来る。更に上腕部と前腕部とを患部にとって最適の角度で維持することが可能となり、回復を促進することが出来る。また各指を保持板に固定したので指を不注意で使用することがなく、患部近傍の筋肉を動かすことがないため回復が早くなる。 【0058】請求項2の発明は、第1支持体と第2支持体をそれぞれ樋形状となしたので、上腕部,前腕部が各支持体から外れることなく的確に支持することが出来る。 【0059】請求項3の発明は、上腕部,前腕部の長さに応じて長さ調整を行う部分に二重パイプ機構を用いたので長さ調整をスムースに行うことが出来る。 【0060】請求項4の発明は、パイプに湾曲または樋形状の支え板を取り付けたので、上腕部,前腕部を確実に支持することが出来る。 【0061】請求項5の発明は、掌保持板を手首を前後に振る方向と確実に同一方向に回動できるように枢支したので、患者が任意に手首を動かすことが可能となり手首の疲労を防ぐことが出来る。 【0062】請求項6の発明は、各指をそれぞれ確実に掌保持板に固定するので、どの指も不用意に動かすことがなく、従って指を動かすことによる患部近傍の筋肉の動きが阻止され、回復を妨げることがなくなった。 【0063】請求項7の発明は、第2ブラケットの案内部を長方形板と一体の板金にて形成したので、構成要素が少なく組み立て工数が減少し、製造費用を安価にすることが出来た。 【0064】請求項8の発明は上肢骨折整復固定器を肩から吊り下げるようになしたので、コルセットにて胸部に取り付けた上肢骨折整復固定器がずり落ちることを完全に防止できる。更に患者一人で上肢骨折整復固定器を身体に取り付けることが可能となる。 【0065】請求項9の発明はターンバックル機構により上腕部と前腕部とをくの字状に曲げさせ、弓形のT溝体に沿って上肢を歩行時と同じ振りで所定位置に位置決めし、その後上腕部と前腕部とを身体の前後所定位置に倒して固定する。従って上肢を患部に最適の状態に維持させることができる。また患部の回復に応じて上腕部と前腕部のくの字曲げ状態や倒し状態、上肢の振り位置を徐々に変更することができる。 【0066】請求項10の発明は第4ブラケットをT溝体のT溝内に固定するに際しT溝体に設けたピン穴に位置決めピンを挿入するようになしたので第4ブラケットの固定が簡単にできる。 【0067】請求項11の発明は上腕部,肘内側,前腕部が柔らかいフォームラバーに接触するので皮膚が床擦れ状態になることを防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599081738 【氏名又は名称】豊田 長億
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| 【出願日】 |
平成11年11月10日(1999.11.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064067 【弁理士】 【氏名又は名称】加藤 由美
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| 【公開番号】 |
特開2001−137269(P2001−137269A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月22日(2001.5.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−319553 |
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