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【発明の名称】 人工股関節部材
【発明者】 【氏名】デレック マックミン

【要約】 【課題】大腿骨B2 の骨頭B3 を多く残すことのできる人工股関節部材を提供する。

【解決手段】骨盤B2 の臼蓋M1 に付設される第1部材1を有する。第1部材1は、半球状凹部5を有する。大腿骨B2 の骨頭B3 に被覆状に付設される球殻部3を有する第2部材を備える。球殻部3は、凹部5と摺動可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 半球状凹部5を備え、骨盤B1 の臼蓋M1 に付設される第1部材1と、上記凹部5に摺動可能であって、大腿骨B2 の骨頭B3 に被覆状に付設される球殻部3を有する第2部材2と、を備えたことを特徴とする人工股関節部材。
【請求項2】 半球状凹部5を備え、骨盤B1 の臼蓋M1 に嵌着される半球殻状の第1部材1と、上記凹部5に摺動可能であって、大腿骨B2 の骨頭B3 に被覆状に付設される球殻部3と、該球殻部3に連設されて大腿骨B2 の骨頭B3 から頸部B4 に沿って挿入される挿入軸部4とから成る第2部材2と、を備えたことを特徴とする人工股関節部材。
【請求項3】 第1部材1の凹部5の内面6、及び、第2部材2の球殻部3の外表面7が、いずれも金属から成る請求項1又は2記載の人工股関節部材。
【請求項4】 第1部材1の凹部5のビッカース硬さH1 が、2800MN/m2≦H1 ≦ 22000MN/m2であって、第2部材2の球殻部3のビッカース硬さH2 が、2800MN/m2≦H2 ≦ 22000MN/m2であって、かつ、第1部材1の凹部5のビッカース硬さH1 と第2部材2の球殻部3のビッカース硬さH2 との差の絶対値が、第1部材1の凹部5のビッカース硬さH1 の10%未満である請求項1又は2記載の人工股関節部材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工股関節部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の人工股関節部材は、図8に示すように、骨盤B1 の臼蓋M1 に嵌着される半球殻状の第1部材26と、第1部材26の半球状凹部27に摺動可能な球部28を先端に有する第2部材29とから成るものであった。
【0003】第1部材26は、外側半球殻部材30と、内側半球殻部材31とが2層状とされたものであって、内側半球殻部材31は、プラスチックから成っていた。また、第2部材29の球部28は、金属から成っていた。また、第2部材29は、基端に挿入軸部32を有し、この挿入軸部32は大腿骨B2の髄腔部M2 に挿入することにより付設されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の人工股関節部材は、図9中2点鎖線に示すように、大腿骨B2の骨頭B3 を大幅に切断しなければならなかった。また、第1部材26の内側半球殻部材31がプラスチックから成り、第2部材29の球部28が金属から成るため、内側半球殻部材31の摺動面33(半球状凹部27)が摩耗するという欠点があった。
【0005】そこで、本発明に係る人工股関節部材は、大腿骨B2 の骨頭B3 を多く残し、かつ、挿入軸部32が短くても固着強度の大きい人工股関節部材を提供することを目的とする。また、第1部材26と第2部材29との摺動面33にて、いずれの部材も摩耗する虞れのない人工股関節部材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するために、本発明に係る人工股関節部材は、半球状凹部を備え、骨盤の臼蓋に付設される第1部材と;上記凹部に摺動可能であって、大腿骨の骨頭に被覆状に付設される球殻部を有する第2部材と;を備えたものである。また、半球状凹部を備え、骨盤の臼蓋に嵌着される半球殻状の第1部材と;上記凹部に摺動可能であって、大腿骨の骨頭に被覆状に付設される球殻部と、該球殻部に連設されて大腿骨の骨頭から頸部に沿って挿入される挿入軸部とから成る第2部材と;を備えたものである。
【0007】また、第1部材の凹部の内面、及び、第2部材の球殻部の外表面が、いずれも金属から成るものである。また、第1部材の凹部のビッカース硬さH1 が、2800MN/m2≦H1 ≦ 22000MN/m2であって、第2部材の球殻部のビッカース硬さH2が、2800MN/m2≦H2 ≦ 22000MN/m2であって、かつ、第1部材の凹部のビッカース硬さと第2部材の球殻部のビッカース硬さとの差の絶対値が、第1部材の凹部のビッカース硬さの10%未満であるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
【0009】図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態を示す。1は、半球殻状の第1部材であって、骨盤B1 の臼蓋M1 に嵌着される。第1部材1は、半球状凹部5を備える。2は、第2部材であって、大腿骨B2 の骨頭B3 に被覆状に付設される球殻部3と、球殻部3に連設されて大腿骨B2 の骨頭B3 から頸部B4 に沿って挿入される挿入軸部4とから成る。
【0010】第2部材2の球殻部3は、第1部材1の半球状凹部5と摺動可能であって、第1部材1の凹部5の内面6、及び、第2部材2の球殻部3の外表面7は、いずれも金属から成る。また、第1部材1の凹部5の内面6、及び、第2部材2の球殻部3の外表面7は、いずれも、鏡面仕上げされているので、第1部材1及び第2部材2は、相互に円滑に摺動することができる。
【0011】図3は、第1部材1を示す。第1部材1は、コバルトクロム合金から成る本体部11と、ハイドロオキシアパタイト(リン酸カルシウム生体材料)から成る外表面部8とから成る。外表面部8は、コーティング層であって、ハイドロオキシアパタイトは、骨組織と結合しやすいので、第1部材1が、骨盤B1 と強固に固着され、離脱するおそれがなくなる。
【0012】第1部材1の凹部5のビッカース硬さH1 は、2800MN/m2≦H1 ≦ 22000MN/m2である。ビッカース硬さH1 が、H1 <2800MN/m2のときは、耐摩耗性が不足し、ビッカース硬さH1 が、 22000MN/m2<H1 のときは、衝撃に弱くなるという欠点がある。
【0013】図4及び図5は、第2部材2を示す。第2部材2の挿入軸部4は、コバルトクロム合金から成る。第2部材2は、内面9に、凹部10…を有する。この凹部10は、セメントを使用して第2部材2を大腿骨骨頭に固定する際、この凹部10にセメントが充填されることにより、第2部材2と骨との固着性を高める。
【0014】第2部材を、大腿骨B2 に付設するには、図6に示すように、大腿骨B2 の骨頭B3 の表面を切除するとともに、挿入軸部4を挿入するための孔部M3 を形成する。2点鎖線は、切除前の骨頭B3 の形状を示す。第2部材2は、大腿骨B2の孔部M3 に挿入軸部4を挿入するとともに、セメントにて大腿骨B2 と固着される。
【0015】第2部材2の球殻部3のビッカース硬さH2 は、2800MN/m2≦H2 ≦ 22000MN/m2である。ビッカース硬さH2 が、H2 <2800MN/m2のときは、耐摩耗性が不足し、ビッカース硬さH2 が、 22000MN/m2<H2 のときは、衝撃に弱くなるという欠点がある。
【0016】第1部材1の凹部5のビッカース硬さH1 と第2部材2の球殻部3のビッカース硬さH2 との差の絶対値は、第1部材1の凹部5のビッカース硬さH1 の10%未満である。
【0017】第1部材1の凹部5のビッカース硬さH1 と第2部材2の球殻部3のビッカース硬さH2 との差の絶対値が、第1部材1の凹部5のビッカース硬さH1 の10%以上の場合、第1部材1の凹部5、又は、第2部材2の球殻部3のうちビッカース硬さの小さい方の部材が摺動により早期に摩耗するので、人工股関節部材全体の寿命が短くなる。
【0018】図7は、第2の実施の形態を示し、第2部材2は、凹部5に摺動可能であって、大腿骨B2 の骨頭B3 に被覆状に付設される球殻部3から成り、この第2の部材2には、前実施の形態の挿入軸部4が省略されている。
【0019】なお、本発明は、設計変更可能であって、第1部材1の凹部5の内面6、及び、第2部材2の球殻部3の外表面7が、いずれもセラミックから成るものであっても良い。
【0020】
【発明の効果】本発明は、上述の如く構成されるので、以下に記載される効果を奏する。
【0021】(請求項1,2によれば)大腿骨B2 の表面を切除するのみで、人工骨関節部材を付設することができるので、大腿骨B2 を多く残すことができる。また、構造が簡単なので、容易に製作することができる。また、大腿骨B2 に孔部M3 を設ける必要がないので、骨の切除が容易である。(請求項2によれば)挿入軸部4が短寸であるので、大腿骨B2 の骨頭B3 の除去が少なくて済み、大腿骨B2 を多く残すことができる。
【0022】(請求項3によれば)強度的に優れるとともに、第1部材1、及び、第2部材2の摺動面が摩耗しないので、耐久性が向上する。(請求項4によれば)第1部材1、及び、第2部材2の摺動面が摩耗しないので、寿命が延びる。
【出願人】 【識別番号】598135072
【氏名又は名称】真崎 修
【出願日】 平成11年11月16日(1999.11.16)
【代理人】 【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
【公開番号】 特開2001−137267(P2001−137267A)
【公開日】 平成13年5月22日(2001.5.22)
【出願番号】 特願平11−324820