トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 おむつ、接続ホース及び排泄物自動処理装置
【発明者】 【氏名】野本 国男

【要約】 【課題】履き心地が良く、身体の自由度も拘束することないおむつを提供する。

【解決手段】耐水性を有する布を多層に重ね合わせてなるおむつ本体2の内部に形成された本体膨張部5に、排泄時に流体が圧送りされておむつ本体2を外方に向かって膨張させると共に胴周り部及び両側大腿部が挿入される孔2aの近傍のシール用膨張部6を内方に向かって膨張させてシールすることによりおむつ本体2内に密閉空間が形成され、該密閉空間内で排泄物を排出口11より吸引除去可能になっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 耐水性を有する布を多層に重ね合わせてなるおむつ本体の内部に形成された流体通路部に、排泄時に流体が圧送りされておむつ本体を外方に向かって膨張させると共に胴周り部及び両側大腿部が挿入される穴の近傍を内方に向かって膨張させてシールすることによりおむつ本体内に密閉空間が形成され、該密閉空間内で排泄物を排出口より吸引除去可能になっていることを特徴とするおむつ。
【請求項2】 前記おむつ本体内のエアー通路部にエアーが圧送されて外層側に形成された本体膨張部を外方へ膨張させると共に前記おむつ本体の内層側の胴周り部及び両側太腿部が挿入される穴の近傍を形成されたシール用膨張部を内方へ膨張させて内部に密閉空間が形成され、前記本体膨張部とシール用膨張部との間に形成された洗浄乾燥用通路部へ洗浄液又は温風が圧送されて前記密閉空間内へ噴出可能になっていることを特徴とする請求項1記載のおむつ。
【請求項3】 前記おむつ本体の内層側には、臀部とおむつ本体との間に洗浄空間を形成するリフト用膨張部と、両側鼠径部を外方へ押し広げるように膨張する開脚用膨張部とが形成されていることを特徴とする請求項2記載のおむつ。
【請求項4】 前記リフト用膨張部は、臀部を両側に押し広げて膨張するよう臀部外側の膨張空間が臀部内側の膨張空間より広い偏形形状をしていることを特徴とする請求項3記載のおむつ。
【請求項5】 前記おむつ本体の両側とじ代は面ファスナーにより開閉可能になっており、該とじ代及びその貼着面には締付け具合を視認できる指標が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のおむつ。
【請求項6】 請求項1〜請求項5のうちいずれか1項記載のおむつに接続される接続ホースにおいて、耐水性を有する布を多層に重ね合わせてホース状に形成され、中心部に排泄物の吸引路が形成され、周壁面部に前記おむつへ流体を供給するため外方に膨張する流体通路部が周囲に形成されていることを特徴とする接続ホース。
【請求項7】 おむつ本体の排出口には前記接続ホースが嵌め込まれる軟質なホースジョイント部が形成されており、前記接続ホースの内壁部とホースジョイント部の外壁部とはテーパー面を有する凹凸嵌合により連結し、前記接続ホース側の膨張圧と前記ホースジョイント側の膨張圧とで嵌合部が挟圧されて流体通路部どうしが連通することを特徴とする請求項6記載の接続ホース。
【請求項8】 前記流体通路部は、エアーが圧送りされるエアー通路部と洗浄液又は温風が圧送りされる洗浄乾燥用通路部が交互に螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の接続ホース。
【請求項9】 前記洗浄乾燥用通路部の壁面には、排泄物の吸引路側に流体を流出する流出穴が形成されていることを特徴とする請求項8記載の接続ホース。
【請求項10】 請求項1〜請求項5のうちいずれか1項記載のおむつと、前記おむつ内に排泄された排泄物を吸引除去すると共に該おむつ内に形成された密閉空間を洗浄乾燥する排泄物処理装置と、一端を前記おむつに着脱可能に連結され、他端を前記排泄物処理装置に着脱可能に連結された請求項6〜請求項9のうちいずれか1項記載の接続ホースと、を備えたことを特徴とする排泄物自動処理装置。
【請求項11】 前記おむつの内装面には、排泄物の臭気及び/又は排泄物による濡れを感知して前記排泄物処理装置を作動させる排泄物感知センサが設けられていることを特徴とする請求項10記載の排泄物自動処理装置。
【請求項12】 前記排泄物処理装置には、排泄物を回収する回収タンクと、前記おむつにエアーを圧送りするブロワと、該おむつ内の排泄物を前記回収タンクへ吸引して回収する真空ポンプと、前記おむつ内及び局部を洗浄する洗浄液を圧送りする洗浄液圧送りポンプと、前記ブロワ、真空ポンプ、洗浄液圧送りポンプの動作を制御する制御部とを備えたことを特徴とする請求項10又は11記載の排泄物自動処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は病人や老人など主に寝たきり状態の患者に装着して使用するおむつ及び該おむつと排泄物処理装置とを接続ホースにて連結して排泄物を自動処理する排泄物自動処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、高齢化が進み、核家族化が進んだ社会においては、病人や老人など主に寝たきり状態の患者の介護をする場合、おむつ交換などの排泄物の処理や身体の洗浄などの作業が付きまとうため、肉体的精神的に過度の負担が強いられる。特に、少子化も進行している今日にあっては、必ずしも身内だけでは十分な介護を行うことができず、訪問看護やホームヘルパーに頼らざるを得ないのが実情である。
【0003】このような、寝たきりの患者を介護するにあたっての排泄物の処理や、身体の洗浄等の負担を軽減するため、例えば実開平6−13817号にしめすパンツ、特開平6−237953号公報に示すおむつ、或いは特開平10−272150号等に示す排泄物処理装置などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記実開平6−13817号にしめすパンツは、人体の太股部、腰部、下腹部、臀部に当たる空気袋帯により封水堤を形成して排泄物を垂れ流して行い、該封水堤により囲まれた内部を温水温風が駆け巡り洗浄乾燥し、排泄物や洗浄液は臀部に臨む排口から自重により直下に設けられた排水溜め容器に流下して回収されるようになっている。上記構成においては、排泄物や洗浄液等の汚水が垂れ流し状態で行われ、一時的にパンツ内に溜まるたまるため、患者が横向き状態では使用不可能である。よって、患者が床ずれを生ずるおそれがある。また、排泄物は垂れ流しにより行われるため、排口が詰まるおそれもある。また、温水温風の供給は、介護人が供給スイッチをON/OFFして行う必要があるため、介護人付っきりでいることを要し、患者自身が操作するとすれば、特に痴呆老人や重体患者にはこのような操作が不可能である場合が多い。
【0005】特開平6−237953号公報に示すおむつは、胴まわり部分及び腿まわり部分に設けられた空気袋に圧縮空気を供給して着用者に密着させ、温水を供給して洗浄した後、温風を供給して乾燥する。また温水を噴射する際に、排出口に負圧が与えられ、汚水が吸引口から便槽に回収されるようになっている。上記構成においては、温水/温風吐出口が着用者の下腹部上方に設けられているため、局部とかけ離れた部位より洗浄するため、十分な洗浄効果が得られるかは疑問である。また、吸引口には多数の孔が形成されているため、排泄物により目詰まりが生じ易く、圧縮空気や温水/温風供給用のチューブや排出チューブは、おむつ側面に設けられた雌型コネクタに雄型コネクタを介して着脱するように設けられている。よって、おむつにチューブを接続したままでは、寝返りをうつことは不可能であり、チューブを外したとしてもコネクタ部分の違和感があるため困難である。
【0006】特開平10−272150号等に示す排泄物処理装置は、内部に給水路が形成され装着面側に吐出穴や流出溝が形成されたプラスチック製の下着が身体に装着される。また、股間部に分離機や吸引機に接続する排出ホースが差し込まれ、胴体部に形成した送給部に温水機に接続する送給パイプが差し込まれてなる。そして、吸引機による排泄物の排出と温水機による温水注入が並行して行われ下着及び身体の洗浄が行われ、洗浄後吸引機により送風して下着及び身体乾燥が行われる。また、排出ホースにより回収された排泄物は、分離機で空気とそれ以外の排泄物とに分離されて回収されるようになっている。上記構成によれば、下着はプラスチック製で常に身体に密着しており履き心地が悪い上に、通気性が悪くむれるおそれがある。また、下着に排出ホースや送給パイプなどが外部より差し込まれているため、これらが邪魔になり寝返りもうてないので、床ずれも生じ易い。また、下着に対して差し込まれる排出ホースや送給パイプのシール性が維持されるか否かも構成が不明である。
【0007】そこで、本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、履き心地が良く、身体の自由度も拘束することないおむつ及びこれに接続する接続ホースを提供することにある。また、おむつ内に排泄された排泄物を自動処理して介護人の介護負担を軽減すると共に、介護人が常時付き添う手間を省略可能にした排泄物自動処理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するに次の構成を備える。即ち、おむつにおいては、耐水性を有する布を多層に重ね合わせてなるおむつ本体の内部に形成された流体通路部に、排泄時に流体が圧送りされておむつ本体を外方に向かって膨張させると共に胴周り部及び両側大腿部が挿入される穴の近傍を内方に向かって膨張させてシールすることによりおむつ本体内に密閉空間が形成され、該密閉空間内で排泄物を排出口より吸引除去可能になっていることを特徴とする。
【0009】また、おむつ本体内のエアー通路部にエアーが圧送されて外層側に形成された本体膨張部を外方へ膨張させると共におむつ本体の内層側の胴周り部及び両側太腿部が挿入される穴の近傍を形成されたシール用膨張部を内方へ膨張させて内部に密閉空間が形成され、本体膨張部とシール用膨張部との間に形成された洗浄乾燥用通路部へ洗浄液又は温風が圧送されて密閉空間内へ噴出可能になっているのが好ましい。また、おむつ本体の内層側には、臀部とおむつ本体との間に洗浄空間を形成するリフト用膨張部と、両側鼠径部を外方へ押し広げるように膨張する開脚用膨張部とが形成されているのが好ましい。この場合、リフト用膨張部は、臀部を両側に押し広げて膨張するよう臀部外側の膨張空間が臀部内側の膨張空間より広い偏形形状をしているのが好ましい。また、おむつ本体の両側とじ代は面ファスナーにより開閉可能になっており、該とじ代及びその貼着面には締付け具合を視認できる指標が形成されているのが望ましい。
【0010】上記おむつに接続される接続ホースにおいて、耐水性を有する布を多層に重ね合わせてホース状に形成され、中心部に排泄物の吸引路が形成され、周壁面部におむつへ流体を供給するため外方に膨張する流体通路部が周囲に形成されていることを特徴とする。また、おむつ本体の排出口には接続ホースが嵌め込まれる軟質なホースジョイント部が形成されており、接続ホースの内壁部とホースジョイント部の外壁部とはテーパー面を有する凹凸嵌合により連結し、接続ホース側の膨張圧とホースジョイント側の膨張圧とで嵌合部が挟圧されて流体通路部どうしが連通するのが好ましい。また、体通路部は、エアーが圧送りされるエアー通路部と洗浄液又は温風が圧送りされる洗浄乾燥用通路部が交互に螺旋状に形成されているのが好ましい。また、洗浄乾燥用通路部の壁面には、排泄物の吸引路側に流体を流出する流出穴が形成されているのが好ましい。
【0011】排泄物自動処理装置においては、前述したおむつと、おむつ内に排泄された排泄物を吸引除去すると共に該おむつ内に形成された密閉空間を洗浄乾燥する排泄物処理装置と、一端をおむつに着脱可能に連結され、他端を排泄物処理装置に着脱可能に連結されていることを特徴とする。また、おむつの内装面には、排泄物の臭気及び/又は排泄物による濡れを感知して排泄物処理装置を作動させる排泄物感知センサが設けられているのが好ましい。また、排泄物処理装置には、排泄物を回収する回収タンクと、おむつにエアーを圧送りするブロワと、該おむつ内の排泄物を回収タンクへ吸引して回収する真空ポンプと、おむつ内及び局部を洗浄する洗浄液を圧送りする洗浄液圧送りポンプと、ブロワ、真空ポンプ、洗浄液圧送りポンプの動作を制御する制御部とを備えているのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるおむつ、接続ホース及び排泄物自動処理装置の好適な実施の態様を添付図面と共に詳細に説明する。図1はおむつの装着状態を示す外観説明図、図2は排泄物処理装置の外観説明図、図3はおむつを展開した状態を示す内視説明図、図4(a)〜(c)はおむつ本体の各層の構成を示す説明図、図5は装着状態のおむつの断面説明図、図6(a)(b)はエアー及び流体注入前後のおむつの状態を示す部分断面図、図7はおむつのホースジョイント部と接続ホースとの連結状態を示す部分断面説明図、図8は図7の連結部分の拡大断面図、図9はおむつのホースジョイント部の斜視説明図、図10は接続ホースの斜視説明図、図11は接続ホースと排泄物処理装置との連結部の部分断面説明図、図12は排泄物処理装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【0013】先ず排泄物自動処理装置の概略構成について、図1及び図2を参照して説明する。1はおむつであり、身体の胴周り部から両側大腿部近傍を覆って装着される。このおむつ1は、耐水性を有する布を重ね合わせて熱圧着などによりに多層に貼り合わせておむつ本体2が形成されている。おむつ本体2の流体通路部には排泄時に流体が圧送りされ、おむつ本体2を膨張させると共に胴周り部及び両側大腿部が挿入される穴2aの近傍を膨張させてシールすることによりおむつ本体2内に密閉空間が形成される。そして、この密閉空間内で排泄物を排出口11より吸引除去可能になっている。3は排泄物処理装置であり、おむつ本体2内に排泄された排泄物を吸引除去すると共におむつ本体2内に形成された密閉空間を洗浄乾燥する。4は接続ホースであり、おむつ1と排泄物処理装置3とを着脱可能に連結している。この接続ホース4は、耐水性を有する布を多層に重ね合わせてホース状に形成されており、中心部に排泄物の吸引路28が形成され、周壁部に流体通路部が形成されている。この流体通路部はおむつ本体2の流体通路部と連通するもので、後述するように、エアーを圧送りするエアー通路部21と洗浄液又は温風などの洗浄乾燥用通路部22とが並んでホースの長手方向に螺旋状に形成されている(図7参照)。
【0014】次に、上記各部の構成を具体的に説明する。図3乃至図5において、おむつ1には、排泄物処理装置3よりエアーが圧送されておむつ本体2を外方へ膨張させる本体膨張部5が外層側に形成されている。また、おむつ本体2の内層側には、胴周り部及び両太腿部が挿入される穴2aの近傍を内方へ膨張させるシール用膨張部6が形成されている。この本体膨張部5とシール用膨張部6とによりおむつ本体2の内部に密閉空間を形成する(図5参照)。また、おむつ本体2の内層側には、臀部とおむつ本体2との間に洗浄空間を形成するリフト用膨張部7と、両側鼠径部を外方へ押し広げるように膨張する開脚用膨張部8が形成されている。また、開脚用膨張部8間には、該開脚用膨張部8が内側に向かって膨張して傾倒するのを防止するため傾倒防止用膨張部8aが架設されている。本体膨張部5とシール用膨張部6は、接続ホース4のエアー通路部21と連通している(図3、図4(a)実線部参照)。尚、リフト用膨張部7はエアー圧のみならず液圧により膨張させても良い。また、本体膨張部5とシール用膨張部6との中間層には、排泄物処理装置3より圧送された洗浄液又は温風などの流体をおむつ本体2内に形成された密閉空間内へ噴出する洗浄乾燥用通路部9が設けられている(図5参照)。洗浄乾燥用通路部9には、おむつ本体2に形成された密閉空間内に洗浄液や温風などの流体を放射状に噴出するよう多数の噴出穴10が形成されている(図3、図4(b)破線部参照)。洗浄乾燥用通路部9は後述する接続ホース4の洗浄乾燥用通路部22と連通しており、温水などの洗浄液の流路と温風の流路を兼用している。また、おむつ本体2の股間部には接続ホース4に連通する排出口11及びホースジョイント部12が形成されている(図3参照)。
【0015】図4(a)〜(c)このように、おむつ本体2は外層側より本体側膨張部5、洗浄乾燥用通路部9、シール用膨張部6の各層が設けられている。また、おむつ本体2の内装面には噴出穴10の目詰まりを防止するため、排泄物を受ける抗菌性を有する布製メッシュ54が設けられているのが望ましい。リフト用膨張部7は、洗浄乾燥用通路部9に設けられた穴9aやメッシュ54に設けられた穴54aを挿通して臀部に向かって内部へ膨張するようになっている。
【0016】おむつ1は、排泄の用を足さないときには、布製おむつと同様の通気性があり、具体的には、おむつ内の湿気は外部に逃すが外部の湿気は内部へ取り込まない不可逆性を有する履き心地が良い布製おむつを提供している(図6(a)参照)。また、リフト用膨張部7は、臀部13を両側に押し広げて膨張するよう臀部外側の膨張空間が臀部内側の膨張空間より広い偏形形状をしている(図6(b)参照)。これによって、開脚用膨張部8により股間を開かせると共に、臀部13とおむつ本体2との間に洗浄空間を形成し、更に局部を開かせるようにリフトできるので、排泄により身体の汚れが落ち難い個所を無理なく効果的に洗浄することができる。
【0017】また、図1において、おむつ本体2の両側とじ代2bは面ファスナーにより開閉可能になっており、該とじ代2b及びその貼着面2cには締付け具合を調整する際に視認できる指標14が形成されている。これによって、洗浄液の漏れを防ぐと共に、おむつ本体2の膨張による過度の圧迫を防止できる。また、おむつ本体2の内装面には、排泄物の臭気及び/又は排泄物による濡れを感知して排泄物処理装置3を作動させる排泄物感知センサ49が設けられているのが好ましい(図12参照)。
【0018】また、図7及び図8において、おむつ本体2の排出口11には例えばウレタンゴム、シリコンゴムなど軟質な材質からなるリング状雌型ホースジョイント部12が形成されている。このホースジョイント部12には、おむつ本体2の本体側膨張部5及びシール用膨張部6に連通するエアー通路部15及びおむつ本体2の洗浄乾燥用通路部9に連通する洗浄乾燥用通路部16がそれぞれ形成されている。また、ホースジョイント部12の外壁面には、両側壁面がV字状に傾斜したテーパ面により囲まれたジョイント用凹部17、18がそれぞれ形成されている。エアー通路部15及び洗浄乾燥用通路部16の端部は、ジョイント用凹部17、18底面に臨むように形成されている(図9参照)。また、ホースジョイント部12の開口部内壁には、おむつ本体2内のエアー通路部に連通したエアーバッグ19が設けられている。また、ホースジョイント部12の開口部内壁には、吹流し20が設けられており、該吹流し20の自由端側は接続ホース4側へ進入するようになっている。この吹流し20は、おむつ本体2より排泄物を吸引路28を介して吸引除去する際に、ホースジョイント部12と接続ホース4との連結部を覆って汚物の付着残留を防止するようになっている。
【0019】接続ホース4は、周壁部にエアー通路部21と洗浄乾燥用通路部22とが並んでホースの長手方向に螺旋状に延びるように形成されている。この接続ホース4の一端4a側の開口部内壁には、ウレタンゴム、シリコンゴムなど軟質な材質からなる雄型のジョイントリング23が一体に嵌め込まれている。このジョイントリング23には、ホースジョイント部12に形成されたエアー通路部15及び洗浄乾燥用通路部16に連通するエアー通路部24及び洗浄乾燥用通路部25がそれぞれ形成されている。また、ジョイントリング23の内壁面には、両側壁面がV字状に傾斜したテーパ面により囲まれたジョイント用凸部26、27が形成されている。エアー通路部24及び洗浄乾燥用通路部25の端部は、ジョイント用凸部26、27の先端面に臨むように形成されている。尚、ジョイント用凸部26、27の先端面には、リング溝26a、27aが形成されているため、エアー通路部15とエアー通路部24、洗浄乾燥用通路部16と洗浄乾燥用通路部25との穴位置がずれたとしても、ホースジョイント部12と接続ホース4とのエアーや流体の連通状態が妨げられることは無い。
【0020】接続ホース4をホースジョイント部12に連結するには、一端4aに設けられたジョイントリング21をホースジョイント部12に嵌め込んで連結する。このとき、図8に示すようにジョイント用凸部26、27の外壁とジョイント用凹部17、18の内壁とに形成されたテーパー面どうしがガイドとなって凹凸嵌合され、エアー通路部15とエアー通路部24及び洗浄乾燥用通路部16と洗浄乾燥用通路部25とがぞれぞれ連通する。
【0021】また、おむつ本体2の排泄物の処理動作が始まると、エアー通路部21とエアー通路部15を介しておむつ本体2にエアーが圧送されて、本体側膨張部5及びシール用膨張部6が膨張する。このとき、図7に示すように、先ず接続ホース4の外壁部のエアー通路部21が膨張して矢印A方向に連結部を押圧し、次いでホースジョイント部12のエアーバッグ19が膨張して矢印B方向に連結部を押圧するため、連結部が径方向に挟圧されてシール性が良好に維持される。
【0022】また、接続ホース4の周壁部には、開口端側よりエアー通路21が設けられ、その隣に流体通路22が交互に形成されているのが望ましい。これは仮にホースジョイント部12とジョイントリング23との嵌合状態が不十分であったとしても、ジョイント用凸部26とジョイント用凹部17との隙間から噴き出すエアー圧(エアーパージ効果)により、温水などの流体はジョイント用凸部27とジョイント用凹部18との隙間から外部へ漏れ出すことが防止できるからである。尚、おむつ本体2に設けられるホースジョイント部12は極めて短く、しかも軟質材が用いられているため、違和感がなく、接続ホース4が連結されたままでも、ホース自体は防水性を有する布を多層に重ねて中空状に形成されているため、寝返りをうつのに邪魔になったり、上半身を起き上げる際に、身体の自由度が失われることは全く無い。
【0023】また、図10において、接続ホース4は、周壁部に設けた洗浄乾燥用通路部22には中心部に形成された排泄物の吸引路28側に温水などの流体を流出する流出穴22aが全長に渡って形成されている。この流出穴22aは、おむつ本体2に排泄された排泄物を吸引路28を介して排泄物処理装置3へ吸引除去する際に、汚物が通路内壁に残留しないように洗浄液などの流体を流出させる。この流体の流出動作は、洗浄乾燥用通路部22に供給された流体圧が解除されるまで行われる。
【0024】また、図11に示すように、接続ホース4の他端4bは排泄物処理装置3の装置本体29に着脱可能に連結されている。具体的には、接続ホース4の他端4bの開口端には、樹脂製筒状のナット型ジョイント30が設けられている。このナット型ジョイント30には、接続ホース4の周壁部に設けられたエアー通路部21と洗浄乾燥用通路部22とにそれぞれ連通するエアー通路部31と洗浄乾燥用通路部32とが形成されている。また、ナット型ジョイント30の先端にはジョイント側ナット33が嵌め込まれている。
【0025】また、装置本体29には、該装置本体29内に嵌め込まれた本体側固定部34と接続ホース4が連結される装置本体29外に配設された本体側連結部35とを有する本体側ジョイント部36が設けられている。本体側ジョイント部36は、装置内側より本体側ナット37を本体側固定部34に締付けて固定されている。また、本体側連結部35には、ナット型ジョイント30のエアー通路部31と洗浄乾燥用通路部32とにそれぞれ連通するエアー通路部38と洗浄乾燥用通路部39とが形成されている。
【0026】また、装置本体29内には、本体側連結部35のエアー通路部38と洗浄乾燥用通路部39とにそれぞれ連通するエアー供給用配管路40と流体供給用配管路41及び吸引用配管路42が設けられている。尚、エアー通路部38と洗浄乾燥用通路部39及びエアー供給用配管路40と流体供給用配管路41の開口部には、リング溝38a、39a及びリング溝40a、41aがそれぞれ形成されている。このため、エアー通路部31とエアー通路部38、エアー通路部38とエアー供給用配管路40、洗浄乾燥用通路部32と洗浄乾燥用通路部39及び洗浄乾燥用通路部39と流体供給用配管路41との間で装着時に穴位置がずれたとしても、接続ホース4と装置本体29とのエアーや流体の連通状態が妨げられることは無い。
【0027】また、接続ホース4の他端4bは、ナット型ジョイント30の先端を本体側ジョイント部36の本体側連結部35にOリング43を介して突き当てた状態で、ジョイント側ナット33を本体側連結部35に対して締付けることにより装置本体29に連結される。また、本体側ジョイント部36の本体側固定部34は、吸引用配管路42に螺合して連結されており、接続ホース4の吸引路28と装置本体29側の吸引路45とが連通している。尚、接続ホース4の他端4bと装置本体29との連結方式は、上述した構成に限らず、ナットを使用することなく、シール性を保った状態で単に凹凸嵌合による嵌め込みにより着脱するようにしても良い。
【0028】また、ナット型ジョイント30の開口部内壁には、吹流し44が設けられており、該吹流し44の自由端側は装置本体29側の吸引路45へ進入するようになっている。この吹流し44は、おむつ本体2より排泄物を吸引除去する際に、ナット型ジョイント部30と本体側ジョイント部36との連結部を覆って汚物の付着残留を防止するようになっている。排泄物処理装置3は、排泄物を回収する回収タンク46(図2参照)を備えており、吸引用配管路42が接続している。
【0029】ここで、排泄物処理装置3の制御系の構成について図12に示すブロック図を参照して説明する。制御部47は、排泄物処理装置3の各部の動作を制御するCPUや、動作プログラムを予め記憶したROMや、入力情報などのデータを一時記憶したりCPUのワーキングエリアとして使用されるRAM等を備えている。
【0030】制御部47には、操作パネル48により、各種動作条件(動作時間や温水の温度設定、温水の噴出圧など)を入力設定可能になっている。また、制御部47には、排泄物の臭気及び/又は排泄物による濡れを感知して排泄物感知センサ49からの検出信号が入力する。
【0031】また、制御部47からは、排泄物感知センサ49からの検出信号により排泄物処理装置3を作動させる。具体的には、おむつ本体2にエアーを圧送りするブロワ50や、おむつ本体2内の排泄物を回収タンク46へ吸引して回収する真空ポンプ51を作動させる。また、おむつ本体2内及び局部を洗浄する洗浄液を圧送りする洗浄用ポンプ52を作動させる。また、ブロワ50、真空ポンプ51、洗浄用ポンプ52の起動に先立って、報知部53によりメロディを流して排泄物の処理を予告するのが好ましい。尚、おむつ本体2内の乾燥は、ブロワ50のエアーの供給路をエアー通路部から洗浄乾燥用通路部へ切換えて行われる。或いは洗浄用のポンプによって乾燥用のエアーを圧送りしても良く、更には乾燥用のブロワを専用に設けても良い。また、乾燥が終了した後、本体側膨張部5及びシール用膨張部6から、エアーが除去されて通常の布製おむつ1の装着状態に戻る。
【0032】ここで、上述した、排泄物自動処理用おむつ装置の排泄物処理動作について説明する。寝たきり老人や病人などの患者におむつ1を装着する。おむつ本体2の両側とじ代2bは面ファスナーにより開閉可能になっており、指標14により締付け具合を調整できる。このとき、おむつ本体2には接続ホース4が連結されていても、後から連結しても良い。また、おむつ本体2はフロント開閉式になっているが、パンツタイプであっても良い。おむつ本体2や接続ホース4は内部の湿気を外部に逃がすが、外部の湿気は取り込まない通気性を有する布地であるため履き心地が良く、流体を圧送りされない状態ではしぼんだままであるので接続ホース4が邪魔になることはなく、寝返りや上半身を起こす動作も自在に行え、身体の自由度が高いので、床ずれなどは起き難い。
【0033】次に、おむつ1内に排便排尿など排泄物があると、排泄物感知センサ49が臭いや濡れ具合を検出して、排泄物処理装置3の制御部47に検出信号が入力すると、報知部53がメロディにより排泄物処理を予告する。そして、ブロワ50を作動させて、エアー供給用配管路40、接続ホース4のエアー通路部21を介しておむつ本体2にエアーを圧送して本体側膨張部5及びシール用膨張部6を膨張させて胴周り及び両太腿部を押圧しながら開脚させて内部に密閉空間を形成すると共に、リフト用膨張部7を膨張させて臀部13を持ち上げて洗浄空間を形成する。このとき接続ホース4の外壁部のエアー通路部21が膨張し、次いでホースジョイント部12のエアーバッグ19が膨張して、連結部が径方向に挟圧されるのでホースジョイント部12と接続ホース4とのシール性が良好に維持される。
【0034】そして、真空ポンプ51により、排泄物の吸引動作を開始し、排泄物は排出口11より吸引路28を通過して排泄物処理装置3内の吸引用配管路42を介して回収タンク46に回収される。また、洗浄用ポンプ52を作動させておむつ本体2内部や局部を含む洗浄空間に、流体供給用配管路41、接続ホース4の洗浄乾燥用通路部22を介しておむつ本体2の洗浄乾燥用通路部9に温水等の洗浄液を圧送して、噴出穴10より放射状に噴出させておむつ本体2内及び局部を所定時間洗浄する。また、接続ホース4の洗浄乾燥用通路部22に設けた流出穴22aより洗浄液を流出させて、汚物がホース内壁に残留しないようになっている。
【0035】洗浄動作が終了すると、ブロワ50によるエアーの供給路をエアー供給用配管路40より流体供給用配管路41へ切換えて、接続ホース4の洗浄乾燥用通路部22を介しておむつ本体2の洗浄乾燥用通路部9に設けた噴出穴10より温風を吹き出させて、おむつ本体2内の洗浄空間を一定時間乾燥する。そして、乾燥動作が終了すると、ブロワ50を停止させ、吸引動作を終了する。そして、おむつ本体2の本体側膨張部5及びシール用膨張部6内のエアーを抜くことにより、1サイクルの排泄物の吸引除去動作を終了する。
【0036】上記構成によれば、おむつ1と、該おむつ1と排泄物処理装置3とを連結する接続ホース4とが耐水性を有する布を重ね合わせて形成され、排泄時におむつ本体2の内部の流体通路部に接続ホース4を介してエアーを圧送して密閉空間を形成するようにしたので、通常装着時は内部の湿気を外部に逃がし外部の湿気を取り込まない不可逆性を有する布製おむつで履き心地が良く、しかも接続ホース4も邪魔にならないため、寝返りをうったり上半身を起こすこともでき、身体の自由度が拘束されることはなく、床ずれなども生じ難い。また、おむつ1内に排泄があると、排泄物処理装置3より本体側膨張部5へエアーが圧送され、おむつ本体2を膨張させると共に、シール用膨張部6を膨張させて胴周り部及び両太腿部が挿入される穴2aの近傍をシールして内部に密閉空間を形成すると共にリフト用膨張部7を膨張させて臀部13とおむつ本体2との間に洗浄空間を形成し、本体側膨張部5とシール用膨張部6との間に設けられた洗浄乾燥用通路部9より、排泄物処理装置3より圧送された温水又は温風を密閉空間内へ噴出するので、排泄物の吸引除去動作と洗浄乾燥動作が自動的に連続して行われるので、介護人の介護負担を軽減すると共に、介護人が常時付き添う手間を省略することも可能となる。また、おむつ本体2の内層側には、臀部13を両側に押し広げて膨張するよう臀部外側の膨張空間が臀部内側の膨張空間より広い偏形形状をしたリフト用膨張部7や、両側鼠径部を外方へ押し広げるように膨張する開脚用膨張部8を有している場合には、臀部13とおむつ本体2との間に洗浄空間を確実に形成すると共に洗浄し難い局部を無理なく効果的に洗浄乾燥でき、身体の衛生状態を良好に保つことができる。おむつ本体2の排出口11には軟質なホースジョイント部12が形成されており、接続ホース4の内壁部とホースジョイント部12の外壁部とはテーパー面を有する凹凸嵌合により連結し、接続ホース4側の膨張圧とホースジョイント12側の膨張圧とで嵌合部が挟圧されて、エアー通路部及び流体通路部どうしが連通している場合には、おむつ本体2と接続ホース4とのシール性が良好に維持できる。
【0037】上記実施の態様では、おむつ1及び接続ホース4は耐水性を有する布製であるので、ある程度の使用期間を経たら新しいものに交換使用するのが好ましい。また、洗浄液には温水の他に、大腸菌等の繁殖を押さえるため、殺菌性を有する洗浄液を使用しても良い。また、排泄物処理装置3に回収タンク46に回収された排泄物の臭気が拡散しないように除臭フィルター或いは脱臭装置などを設けるのが好ましい。また、排泄物処理装置3より接続ホース4を介して供給されるエアーや洗浄液或いは温風など流体の漏れを検出する圧力センサーをおむつ本体2などに設けても良い。この圧力センサーはおむつ本体2の両側とじ代2bが貼着面2cに面ファスナーにより貼着する領域に設けるのが好ましい。この圧力センサや排泄物感知センサ49の検出信号は、排泄物処理装置3の受信部に直接無線送信するようにするのが好ましく、或いは送受信可能なコントローラを介して排泄物処理装置3に無線送信するようにしても良く、また更におむつ1と排泄物処理装置3とを有線で接続して行っても良い。また、真空ポンプ51による吸引動作、洗浄用ポンプ52による洗浄動作、ブロワ50による膨張、乾燥動作などの各動作時間は任意に設定変更可能である。また、排泄物処理装置3は、キャスター等により可動式に構成したが、建物の一部に固定して設けても良い等、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、耐水性を有する布を多層に重ね合わせておむつや吸引用の接続ホースが形成され、排泄時におむつ本体と接続ホースに形成された互いに連通する流体通路部を介してエアーを圧送しておむつ本体内に密閉空間を形成するようにしたので、通常装着時は内部の湿気を外部に逃がし外部の湿気を取り込まない不可逆性を有する布製おむつで履き心地が良く、しかも接続ホースも邪魔にならないため、寝返りをうったり上半身を起こすこともでき、身体の自由度が拘束されることはなく、床ずれなども生じ難い。また、おむつ内に排泄があると、排泄物処理装置より本体側膨張部へエアーが圧送されおむつ本体を膨張させると共に、シール用膨張部を膨張させて胴周り部及び両太腿部が挿入される穴の近傍をシールして内部に密閉空間を形成すると共にリフト用膨張部を膨張させて臀部とおむつ本体との間に洗浄空間を形成し、本体側膨張部とシール用膨張部との間に設けられた洗浄乾燥用通路部より、排泄物処理装置より圧送された洗浄液又は温風を密閉空間内へ噴出するので、排泄物の吸引除去動作と洗浄乾燥動作が連続して自動的に行われ、介護人の介護負担を軽減すると共に、介護人が常時付き添う手間を省略することも可能となる。また、おむつ本体の内層側には、臀部とおむつ本体との間に洗浄空間を形成するリフト用膨張部と、両側鼠径部を外方へ押し広げるように膨張する開脚用膨張部とが設けられている場合には、臀部とおむつ本体との間に洗浄空間を確実に形成すると共に洗浄し難い局部を無理なく効果的に洗浄乾燥でき、身体の衛生状態を良好に保つことができる。また、おむつ本体の排出口には軟質なホースジョイント部が形成されており、接続ホースの内壁部とホースジョイント部の外壁部とはテーパー面を有する凹凸嵌合により連結し、接続ホース側の膨張圧とホースジョイント側の膨張圧とで嵌合部が挟圧されて、流体通路部どうしが連通している場合には、おむつ本体と接続ホースのシール性が良好に維持できる。
【出願人】 【識別番号】393018691
【氏名又は名称】野本 国男
【出願日】 平成11年11月4日(1999.11.4)
【代理人】 【識別番号】100077621
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 隆夫 (外1名)
【公開番号】 特開2001−129010(P2001−129010A)
【公開日】 平成13年5月15日(2001.5.15)
【出願番号】 特願平11−313271