| 【発明の名称】 |
アームスリング |
| 【発明者】 |
【氏名】内山 善康
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| 【要約】 |
【課題】固定することも、装着したまま身体の前での前腕の前後の運動を可能とすること。
【解決手段】アームスリングAは、布状のアームホルダー10と、紐状のスリング30と、アームホルダーの基端側19に両端が連結され、長さ調整が可能な調整具を有する調整バンドを介してアームホルダーの先端側20にも連結されている腰バンド40を有する。アームホルダーは、開口部を構成する、一対の長辺14、15から一対の短辺16、17にかけて、ファスナーが取り付けられ、開口部を開閉できる。腰バンドは、一方の端部40aを他方の端部40bに重ね合わせ、ループにして、アームホルダーの基端側下方に縫合することによって、アームホルダーと結合されている。また、腰バンドは、これら端部が縫合されている部分の近傍において、連結雌具41と連結雄具42とが設けられ、係脱自在に連結する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 肘から曲げた状態の腕を身体の前で吊り下げるためのアームスリングにおいて、前記肘から手先にかけてを包み込む布状のアームホルダーと、前記アームホルダーのうちの前記肘に対応する基端側と前腕部の手首側に対応する先端側に対し、一方の端部が前記基端側に連結され、他方の端部が前記先端側に連結され、中央部が肩にかけられる紐状のスリングと、前記アームホルダーを前記身体に連結する規制部材と、を備え、前記規制部材は、前記スリングにより吊り下げられてほぼ高さ位置が規制された状態における前記アームホルダーについて、前記アームホルダーの前記身体前面からの距離を規制する、ことを特徴とするアームスリング。 【請求項2】 前記規制部材は、前記アームホルダーが直接的に又は間接的に連結される腰バンドを有する、ことを特徴とする請求項1記載のアームスリング。 【請求項3】 前記規制部材は、前記アームホルダーの前記基端側と前記先端側とが前記腰バンドに直接的に連結されている、ことを特徴とする請求項2記載のアームスリング。 【請求項4】 前記規制部材は、前記アームホルダーと前記腰バンドとの間に介装されて前記アームホルダーと前記腰バンドとを連結する第1の調整部材を有する、ことを特徴とする請求項2記載のアームスリング。 【請求項5】 前記第1の調整部材は、紐状部材である、ことを特徴とする請求項4記載のアームスリング。 【請求項6】 前記紐状部材は、長さ調整可能な調整具を有している、ことを特徴とする請求項5記載のアームスリング。 【請求項7】 前記第1の調整部材の少なくとも一部に弾性部材が設けられている、ことを特徴とする請求項4、5、又は6記載のアームスリング。 【請求項8】 前記アームホルダーと前記腰バンドとの間に介装されて前記アームホルダーと前記腰バンドとを連結し前記アームホルダーの前記身体前面からの距離の限界を設定する安全部材を有する、ことを特徴とする請求項7記載のアームスリング。 【請求項9】 前記腰バンドは、長さ調整可能な調整具と使用者の衣服に係合可能な固定具とを有している、ことを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7又は8に記載のアームスリング。 【請求項10】 前記腰バンドの少なくとも一部に弾性部材が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載のアームスリング。 【請求項11】 前記アームホルダーは、少なくとも前記先端側が開閉自在に形成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載のアームスリング。 【請求項12】 前記アームホルダーは、底部における前記基端側から前記先端側にかけて、前記前腕部を載置する固定板が挿脱自在に挿着される保持部を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載のアームスリング。 【請求項13】 前記アームホルダーは、メッシュによって形成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載のアームスリング。 【請求項14】係脱自在な連結具が少なくとも二組以上使用されて連結が行われる場合において、前記連結具は、それぞれの組ごとに異なる色彩が付されている、ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記載のアームスリング。 【請求項15】前記アームホルダーは、底部の中心線を通る垂直面に対して左右対称に形成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14記載のアームスリング。 【請求項16】 肘から曲げた状態の腕を身体の前で吊り下げるためのアームスリングにおいて、肘から手先にかけてを包み込む布状のアームホルダーと、前記アームホルダーのうちの前記肘に対応する基端側と前記前腕部の手首側に対応する先端側に対し、一方の端部が前記基端側に連結され、他方の端部が前記先端側に連結され、中央部が肩にかけられる紐状のスリングと、を備え、前記アームホルダーは、少なくとも前記先端側が開閉自在に形成されている、ことを特徴とするアームスリング。 【請求項17】 前記アームホルダーは、底部における前記基端側から前記先端側にかけて、前記前腕部を載置する固定板が挿脱自在に挿着される保持部を有する,ことを特徴とする請求項16記載のアームスリング。 【請求項18】 前記規制部材は、一方の端をアームホルダーと連結し他方の端を使用者の衣服の一部に連結する第2の調整部材を有する、ことを特徴とする請求項1記載のアームスリング。 【請求項19】 前記第2の調整部材の少なくとも一部に弾性部材が設けられている、ことを特徴とする請求項18記載のアームスリング。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、腕を骨折等した人が、肘から曲げた状態の腕を身体の前で吊り下げるアームスリングに関する。 【0002】 【従来の技術】肘から曲げた状態の腕を身体の前で吊り下げるための、腰バンドを有するアームスリングが、例えば、実用新案登録第3057751号に提案されている。このものは、肘から前腕部にかけて包み込むアームホルダーと、腰バンドと、一方の端部がアームホルダーに連結され、他方の端部が腰バンドに連結され、中央部が肩にかけられる紐状のスリングとからなる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このアームスリングは、スリングの一方の端部が腰ベルトに連結されているので、腕の重さによる首や肩への負担を軽減することができるという利点がある。 【0004】しかしながら、腕を肘から曲げた状態で固定することはできても、アームホルダーを身体の前で前後に揺動しないように固定することはできない。そのため、例えば、けが人が、アームスリングを装着した状態でが前かがみになると、肘から曲げた状態の腕が、肩を支点に前後に揺動することとなり、これによって、痛みが生じたり、治癒が遅れたりすることもあった。また、アームホルダーから手首が露出していて、指が動いてしまうため、骨折等した腕の指先を包帯等によって動かないように固定する必要があった。一方、骨折等のけがが治癒してくると、身体の前で前腕を前後に運動をさせて、筋力の低下を防止するリハビリが必要となるが、アームスリングを装着したままではこのリハビリを安全に行うことができず、不都合であった。また、指を動かすリハビリも必要となるが、指に包帯をしている状態では、そのような運動もできない。 【0005】そこで、骨折等のけがの初期段階においては、身体の前でアームホルダーが揺動しないように固定するとともに、手首や指先部分をアームホルダーで保護する一方、徐々に治癒して行くに従い、アームスリングを装着したままでも、安全に身体の前での前腕の前後の運動を可能ならしめるとともに、指先を自由に運動できるようにしたアームスリングを提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するための請求項1に係る本発明は、肘から曲げた状態の腕を身体の前で吊り下げるためのアームスリングにおいて、前記肘から手先にかけて包み込む布状のアームホルダーと、前記アームホルダーのうちの前記肘に対応する基端側と前腕部の手首側に対応する先端側に対し、一方の端部が前記基端側に連結され、他方の端部が前記先端側に連結され、中央部が肩にかけられる紐状のスリングと、前記アームホルダーを前記身体に連結する規制部材と、を備え、前記規制部材は、前記スリングにより吊り下げられてほぼ高さ位置が規制された状態における前記アームホルダーについて、前記アームホルダーの前記身体前面からの距離を規制する、ことを特徴とする。請求項1によると、スリングによって身体の前で吊り下げられたアームホルダーが規制部材によって身体前面からの距離が全くない状態に規制されるときには、アームホルダーは身体の前面に密着固定されることとなる。また、適度な距離をおいて規制されるときには、中央部が肩にかけられる紐状のスリングは、その一方の端部がアームホルダーの基端側に連結され、他方の端部が先端側に連結されることと相まって、規制される距離を限度として、ホルダーに包み込まれた前腕部等の、身体の前面における前後の運動が可能となる。 【0007】請求項2に係る発明は、請求項1記載のアームスリングにおいて、前記規制部材は、前記アームホルダーが直接的に又は間接的に連結される腰バンドを有する、ことを特徴とする。請求項2によると、腰バンドによって、アームホルダーの、身体前面からの距離が規制されるので、アームホルダーの、身体前面から距離を、確実に、かつ、安定的して、一定に保つことができる。 【0008】請求項3に係る本発明は、請求項2のアームスリングにおいて、前記規制部材は、前記アームホルダーの前記基端側と前記先端側とが前記腰バンドに直接的に連結されている、 ことを特徴とする。請求項3によると、アームホルダーと直接連結された腰バンドによって、アームホルダーの、身体前面からの距離を規制することができるので、アームスリングの構造が簡素化すると同時にアームホルダーの、身体前面から距離を、確実に、かつ、安定的して、一定に保つことができる。 【0009】請求項4に係る本発明は、請求項2のアームスリングにおいて、前記規制部材は、前記アームホルダーと前記腰バンドとの間に介装されて前記アームホルダーと前記腰バンドとを連結する第1の調整部材を有する、ことを特徴とする。請求項5に係る本発明は、前記第1の調整部材は、請求項4のアームスリングにおいて、紐状部材である、ことを特徴とする。請求項6に係る本発明は、前記紐状部材は、請求項5のアームスリングにおいて、長さ調整可能な調整具を有している、ことを特徴とする。請求項4,5、6の発明によると、腰バンドとアームホルダーとの間に連結された、紐状の調整部材の長さ調節が可能となり、この紐状の調整部材は、アームホルダーに包み込まれている腕と反対の手の近傍に位置するので、アームスリングを装着している者自らが、容易にアームホルダーの身体に対する距離を調整できる。 【0010】請求項7に係る本発明は、請求項4、5、又は6のアームスリングにおいて、前記第1の調整部材の少なくとも一部に弾性部材が設けられている、ことを特徴とする。請求項7によると、腰バンドの少なくとも一部に弾性部材が設けられているので、骨折等のけがが治癒しつつあるときにリハビリとして行う、アームホルダーに包まれた前腕の前後運動において、適度な負荷をかけて前腕を身体から遠ざける運動をすることが可能となる。また、長さ調整具がついているときには、長さ調節をすることにより、弾性部材の強さも調整できるので、けがの治癒の程度によって、前腕の前後の運動の強さを調節することができる。 【0011】請求項8に係る発明は、請求項7のアームスリングにおいて、前記アームホルダーと前記腰バンドとの間に介装されて前記アームホルダーと前記腰バンドとを連結し前記アームホルダーの前記身体前面からの距離の限界を設定する安全部材を有する、ことを特徴とする。請求項8によると、例えば、弾性部材が切れたり、はずれたりしたような場合であっても、安全部材によって身体前面から前腕部までの距離に限界が設けられているので、この距離を超えた運動になることはない。従って、肘や肩に対し予定している運動よりも大きな負荷がかかることもないので、安全にリハビリを行うことができる。 【0012】請求項9に係る本発明は、請求項2、3、4、5、6、7又は8のアームスリングにおいて、前記腰バンドは、長さ調整可能な調整具と使用者の衣服に係合可能な固定具とを有している、ことを特徴とする。請求項9によると、腰バンドの長さ調節により、アームホルダーの前記身体前面からの距離を自由に調整できる。また、固定具によりズボンのベルト等に腰バンドを固定することができるので、アームホルダーをよりいっそう身体前面からの距離を一定に保つことができる。身体の前面でアームホルダーを密着させたいときは、腰ベルトの調整具でそのように調整すればよく、固定具により安定して身体の前面に密着させて固定できる。 【0013】請求項10に係る本発明は、請求項2記載のアームスリングにおいて、前記腰バンドの少なくとも一部に弾性部材が設けられている、ことを特徴とする。請求項10によると、腰バンドの少なくとも一部が弾性部材で形成されているので、骨折等のけがが治癒しつつあるときにリハビリとして行う、アームホルダーに包まれた前腕の前後運動において、適度な負荷をかけて前腕を身体から遠ざける運動をすることが可能となる。 【0014】請求項11に係る本発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のアームスリングにおいて、前記アームホルダーは、少なくとも前記先端側が開閉自在に形成されている、ことを特徴とする。請求項11によると、けがの治癒の程度に合わせて、指先を固定する必要がある場合には、先端部を閉状態とし、リハビリとして指先の運動をする必要がある場合には、開状態にすることができる。これによって、1個のアームスリングを、けがの程度の段階に応じて使い分けることができる。 【0015】請求項12に係る本発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11のアームスリングにおいて、前記アームホルダーは、底部における前記基端側から前記先端側にかけて、前記前腕部を載置する固定板が挿脱自在に挿着される保持部を有することを特徴とする。請求項12によると、骨折やひびの入った部分に固定板を載置できるので、特に、副木をあて木にすることもなく、また、石膏で固めることもないひびが入った程度のけがの場合には、効果的である。また、アームホルダーを腕に載置したまま、先端側の開閉部から固定板を挿脱できるので便利である。 【0016】請求項13に係る本発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のアームスリングにおいて、前記アームホルダーは、メッシュによって形成されている、ことを特徴とする。請求項13によると、アームホルダーの通気性がよく、アームスリングを腕に取り付けたままでも、入浴することも可能である。 【0017】請求項14に係る本発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13のアームスリングにおいて、係脱自在な連結具が少なくとも二組以上使用されて連結が行われる場合において、前記連結具は、それぞれの組ごとに異なる色彩が付されている、ことを特徴とする。請求項14によると、一見して、対応する連結具同士を連結することができるので、係脱が容易となる。 【0018】請求項15に係る本発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14のアームスリングにおいて、前記アームホルダーは、底部の中心線を通る垂直面に対して左右対称に形成されている、ことを特徴とする。請求項15によると、1個のアームスリングで、左右どちらの腕にも使用できるため、左右別個に製造し分ける必要もなく、かつ、コストを下げることが可能となる。 【0019】請求項16に係る本発明は、肘から曲げた状態の腕を身体の前で吊り下げるためのアームスリングにおいて、 肘から手先にかけてを包み込む布状のアームホルダーと、 前記アームホルダーのうちの前記肘に対応する基端側と前記前腕部の手首側に対応する先端側に対し、一方の端部が前記基端側に連結され、他方の端部が前記先端側に連結され、中央部が肩にかけられる紐状のスリングと、を備え、前記アームホルダーは、少なくとも前記先端側が開閉自在に形成されている、ことを特徴とする。請求項16によると、アームホルダーは、先端側が開閉自在に形成されているので、けがの治癒の程度に合わせて、指先を固定する必要がある場合には、先端部を閉状態とし、指先の運動をする必要がある場合には、開状態にすることができる。これによって、1個のアームスリングを、けがの程度の段階に応じて使い分けることができる。 【0020】請求項17に係る本発明は、請求項16のアームスリングにおいて、前記アームホルダーは、底部における前記基端側から前記先端側にかけて、前記前腕部を載置する固定板が挿脱自在に挿着される保持部を有する、ことを特徴とする。請求項17によると、骨折やひびの入った部分に固定板を載置できるので、特に、副木をあて木にすることもなく、また、石膏で固めることもないひびが入った程度のけがの場合には、効果的である。さらに、アームホルダーを腕に載置したまま、先端側の開閉部から固定板を挿脱できるので便利である。 【0021】請求項18に係る本発明は、請求項1のアームスリングにおいて、前記規制部材は、一方の端をアームホルダーと連結し他方の端を使用者の衣服の一部に連結する第2の調整部材を有する、ことを特徴とする。請求項18によると、腰バンドを用いなくとも、簡易にアームホルダーを身体に連結することができる。 【0022】請求項19に係る本発明は、請求項18記載のアームスリングにおいて、前記第2の調整部材の少なくとも一部に弾性部材が設けられている、ことを特徴とする。請求項19によると、腰バンドを用いなくとも、リハビリ時に、身体の前面で、前腕部の弧状運動等の前後運動を、その運動の範囲を限定しつつ行うことができるので、簡易な方法で、安全にリハビリを行うことができる。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。 (実施の形態1)図1〜図5に、本発明に係るアームスリングの一例を示す。図1は全体図、図2はアームホルダーの製造過程を示す図、図3は開状態のアームホルダー上面図、図4は装着した状態を示す斜め正面から見た図、図5は装着した状態を示す背面から見た図である。これらの図に示すアームスリングAは、布状のアームホルダー10と、このアームホルダー10に連結される紐状のスリング30と、アームホルダー10の基端側19にループを描いて両端が連結されるとともにフックを介してアームホルダー10の先端側20にも連結されている腰バンド40を主要構成部材として構成されている。 【0024】アームホルダー10は、図2に示すように、長方形状に形成されたポリエステルの布状部材を二等分する中心線Cで二つ折りにし、一対の短辺11、12が縫合されて形成されている。そして、この二つ折りにされた部分である底部13を下方にし、上方の一対の長辺14,15と、縫合された一対の短辺11、12と対峙する他方の一対の短辺16、17によって開口部18が形成されている。肘から曲げた状態の腕U(図4参照)は、この開口部18からアームホルダー10に包み込まれる。その際、縫合された一対の短辺11、12側である、アームホルダー10の基端側19に肘部分が包み込まれ、開放されている一対の短辺16、17側である、アームホルダー10の先端側20に前腕部の手首側が包み込まれる。また、アームホルダー10は、図3に示すように、開口部18を構成する、上方の一対の長辺14、15から一対の短辺16、17にかけて、ファスナー21が取り付けられていて、開口部18を開閉できる。ファスナー21は、一対の長辺14、15の中程を始点21aとし、一対の短辺16、17の、アームスホルダーの底部13を終点21bとする。アームホルダー10がこのような構成をとるので、アームスリングAは、手首や指先を動かしてはしけない状態の時には、ファスナー21を閉めて手首部を保護する状態で使用し、手首や指先を動かして適度なリハビリをする必要があるときには、短辺部分のみあるいは全体のファスナー21を開いて使用することができる。また、ファスナー21は、肘や前腕部とアームホルダー10との着脱を容易にするため、長辺中程において一対の長辺14、15が完全に分離するように構成されている。なお、本実施の形態において、ファスナー21は、一対の長辺14、15の中程を始点21aとしているが、少なくともアームホルダー10の先端側20が、開閉できればよく、長辺部分にはファスナー21が取り付けられている必要はなく、開放されていてもよい。アームホルダー10の底部13には、基端側19から先端側20にかけて、前腕部を載置する固定板(不図示)が着脱自在に挿着される固定板保持袋(保持部)22を有している。この固定板保持袋22は、アームホルダー10の底部13に、基端側19から先端側20にかけて、アームホルダー10の底部13の一部として形成される、固定板より一回り大きな長方形状の収納袋である。この収納袋は、先端側20に、面ファスナーにより開閉自在な蓋22aが設けられた開口部22bを有しており、この開口部22aから固定板を挿脱できるように構成されている。開口部22aは、短辺16,17に向けて開口しているので、アームホルダー10の先端側20を開放すれば、アームホルダー10に前腕部を載置した状態で、固定板を固定板保持袋22に収納させることができる。なお、本実施の形態においては、固定板を袋に挿入して保持する構成をとるが、固定板を保持できるものであれば、この構成に限るものではなく、例えば、底部13に固定板の幅に、対峙する複数の鈎状部材を取り付け、この鈎状部材に固定板を係止してもよい。そして、アームホルダー10は、骨折時のように既に前腕部に直接固定板が装着されている場合には、固定板を取り外して使用され、ひびが入っている時など一般的に腕に直接固定板が取り付けられておらず、かつ、腕を何らかの形で固定する必要がある場合には、固定板を取り付けて使用することができる。アームホルダー10を形成する布状部材には、少なくともその一部にメッシュを使用するとよい。この場合、アームホルダー10は通気性に優れ、アームホルダー10を装着したままでもシャワーを浴びることなどができ、好適である。なお、本実施の形態においては、1枚の布状部材を二つ折りにして袋状のアームホルダー10を形成しているが、長方形の2枚の布状部材の底部13と基端側19を縫合して袋状のアームホルダー10を形成してもよい。また、材質は、布状部材であれば、ポリエステルに限らず、また、メッシュ以外の部材で構成されていてもよい。 【0025】図1に示すように、スリング30は、紐状の布状部材であり、一方の端部30aが、アームホルダー10の基端側19の上端縁に縫合されている。そして、他方の端部30bには、フック(連結具)31が取り付けられている。また、アームホルダー10には、開口部18を構成する、上方の一対の長辺14、15であって、その先端側20の縁部にそれぞれ一対のDリング23、24が取り付けられている。そして、この一対のDリング23、24とスリング30の他方の端部30bに取り付けられたフック31とが係合することによって、スリング30の他方の端部30bとアームホルダー10とが連結する。また、スリング30は、長さ調整が可能な調整具32を有しており、肩からかけられるスリング30の長さを調節することによって、身体の前で吊り下げられたアームホルダー10の高さを適切な位置となるように調整し、規制する。なお、アームホルダー10の基端側19との連結は、縫合による必要はなく、例えば、相互に係脱可能なフックとリングによって行うようにしてもよい。また、本実施の形態においては、Dリング23、24は一対の長辺14、15の縁部に取り付けられているが、身体から遠い方の長辺15の縁部にのみ取り付けられているものであってもよい。 【0026】腰バンド(規制部材)40は、一方の端部40aを他方の端部40bに重ね合わせ、ループにして、これら端部40a、40bをアームホルダー10の基端側19下方に縫合することによって、アームホルダー10と結合されている。また、腰バンド40は、これら端部40a、40bが縫合されている部分の近傍において、連結雌具(連結具)41と連結雄具(連結具)42とが設けられており、係脱自在に連結するようになっている。このようにして形成されたループ状の腰バンド40には、腰バンド40の一方の端部40aから他方の端部40bに向けて、フック43、アジャスター44がスライド可能に取り付けられており、さらに、他方の端部40bに向けて、調整具45が取り付けられている。なお、腰バンドの両端部40a、40bとアームホルダー10の基端側19との連結は、縫合による必要はなく、例えば、相互に係脱可能なフックとリング(フックとリングによる結合は、腰バンド40の両端部40a、40bにそれぞれフックを取り付けるとともにアームホルダー10の基端側19にリング取り付ける組み合わせ、腰バンド40の両端部40a、40bにそれぞれリングを取り付けるとともにアームホルダー10の基端側19にフックを取り付ける組み合わせ、いずれも可能。)によって行うようにしてもよい。また、例えば、係脱可能なフックとリングにより腰バンド40とアームホルダー10とを連結する場合には、上述の連結雌具41と連結雄具42は、腰バンド40に設けなくともよい。フック43は、アームホルダー10の先端側短辺16、17のうち身体側の短辺16の下方に取り付けられているDリング25と係脱自在に連結される。アジャスター44は、ストッパーを有しており、Dリング25と係合されたフック43が腰バンド40の他方の端部40bの方向にずれないようにする働きを有する。調整具45は、腰バンド40の長さを調整するためのものである。また、他方の端部40b近傍には、衣服の一部を腰ベルトを固定する固定具46が取り付けられている。固定具46は、支持部46aとメタルクリップ46bとを有する。支持部46aは、表面が雄部、裏面が雌部となっている面ファスナーで形成されたループ状のものであり、腰バンド40にスライド自在かつ取り外し自在に巻回している。また、メタルクリップ46bは支持部46aに取り付けられており、下方に向けて衣服等を狭持する狭持部を有している。メタルクリップ46bの腰バンド40への装着は、面ファスナーで形成されているループを介するものである必要はないが、メタルクリップ46bが腰バンド40を自在にスライドできるものであれば、取り付け位置を選択でき便利である。また、メタルクリップ46bが表裏反転できる構造になっていると、左右いずれの腕をアームホルダー10に載置しても、衣服等への狭持が容易であり便利である。さらに、腰バンド40からメタルクリップ46bまでの距離の調節が自在となっていると衣服への狭持が容易となり便利である。この点、面ファスナーで形成されたループ状の支持部46aは上記条件を満たしており都合がよい。 【0027】上述の構成を有するアームスリングAは以下のようにして使用者に取り付けられる。 ■スリング30を首にかけ、スリング30のフック31を、前腕部を載置したアームホルダー10のDリング23、24に連結する。 ■調整具32で、身体の前で吊り下げられたアームホルダー10の高さを適切な位置となるように調整する。 ■腰バンド40を、使用者の腰を一周して巻いた後に連結雌具41と連結雄具42とを連結する。 ■腰バンド40のフック43をアームホルダー10のDリング25に連結する。 ■調整具45によって腰バンド40の長さを調整した後にアジャスター44によってフック43の位置を固定し、アームホルダー10の身体前面からの距離を規制する。すなわち、a.アームホルダー10を身体前面に密着させ固定させるときには、調整具45を腰バンド40の一方の端部40aの方向(矢印K方向)に移動し、腰バンド40を腰回りとほぼ同様の長さに調整する。次に、アームホルダー10の先端側20が身体に密着する位置にくるように、アジャスター44でDリング25に連結されたフック43の位置を決める。 b.リハビリをする場合には、まず、調整具45を腰バンド40の他方の端部40bの方向(矢印J方向)に移動し、腰バンド40の長さを腰回りよりも長めにする。腰バンド40は腰回りより長めに設定されいるので、ゆとりのある分、身体前面で、アームホルダー10に載置された前腕部を前後に運動することができるようになる。この身体の前で行われる前腕部の前後の運動は、主として、肘を支点とする前腕部の弧状運動であるが、これに限らず、手首側を支点として肘部分を弧状運動することも可能であり、肩を支点として肘から手首にかけて前腕部全体を身体から遠ざけそして近づける運動をすることも可能である。そして、これらの運動の大きさは、腰バンド40を長さを調整することによって行われる。次に、アジャスター44でDリング25に連結されたフック43の位置を決める。身体の前面での前後運動のうち、特に肘を支点とした弧状運動をする時には、この運動につられてフック43が腰バンド40の他方の端部40b方向に移動するため、予定している大きさを越えた弧状運動となり、肘や肩を痛めることも考えられる。このようなことがないように、アジャスター44によりフック43の位置決めがされる。 ■固定具46を、ズボンのベルト等の衣服の一部に固定する。身体に対する腰バンド40の不要な移動を少なくすることができるので、アームホルダー10を身体に固定する場合には、その固定をさらに強めることができるし、前腕部を前後に運動しリハビリを行う際においても、安定して行うことができる。 【0028】(実施の形態2)実施の形態2は、実施の形態1の腰バンド40の少なくとも一部に、例えばゴムなどの弾性部材を設けるものである。このため、アームホルダーに包まれた前腕の前後運動において、腰バンド40が弾性を有しない場合に比べ、適度な負荷をかけて前腕を身体から遠ざける運動をすることが可能となり、筋力トレーニングとしての効果をより高めることができる。なお、弾性部材は腰バンド40のうちの一部に設けてもよく、また、腰バンド40すべてを弾性部材で形成するようにしてもよい。 【0029】(実施の形態3)図6は、実施の形態3を示すアームスリングBの全体図である。実施の形態3においては、実施の形態1のアームスリングAにおいて、腰バンド40とアームホルダー10との間に、長さ調整が可能な調整具51を有する紐状の調整バンド(第1の調整部材)50が連結されている。より詳細に述べれば、実施の形態1における腰バンド40に対し、フック43に替えて、移動自在な連結雌具(連結具)47が取り付けられていて、この連結雌具47と調整バンド50の一方の端部50aに取り付けられた連結雄具52とが連結し、調整バンド50の他方の端部50bに取り付けられているフック(連結具)53とアームホルダー10の先端側20に取り付けられているDリング25とが連結する。 【0030】上述の構成を有するアームホルダー10は以下のようにして使用者に取り付けられる。 ■スリング30を首にかけ、スリング30のフック31を、前腕部を載置したアームホルダー10のDリング23,24に連結する。 ■調整具32で、身体の前で吊り下げられたアームホルダー10の高さを適切な位置となるように調整する。 ■腰バンド40を、使用者の腰を一周して巻いた後に連結雌具41と連結雄具42とを連結する。腰バンド40の長さは、腰回りとほぼ同様の長さに調整する。 ■腰バンド40の連結雌具47に調整バンド50の連結雄部52を連結する。 ■調整バンドのフック53をアームホルダー10のDリング25に連結する。 ■調整具51によって調整バンド50の長さを調整するとともにアジャスター44によって連結雌具47の位置を固定し、アームホルダー10の身体前面からの距離を規制する。すなわち、a.アームホルダー10を身体の前面に密着させ固定させるときには、調整具51で調整バンド50をある程度短くした後に、アームホルダー10の先端側20が身体に密着する位置にくるように、連結雌具47の位置をアジャスター44によって決定する。 b.リハビリをする場合には、アジャスター44で連結雌具47の位置決めをした後、肘を支点とする前腕部の弧状運動の大きさに応じて、調整バンド50の長さを調整具51によって調整する。調整バンド50は、アームホルダー10に包み込まれた腕と反対の腕側に取り付けられているため、けがをしていない方の手で容易に調整具51、アジャスター44を操作できるので、リハビリ時の弧状運動の大きさを、使用者自ら必要に応じて適宜に調整することができる。身体前面からの距離は調整バンド50によって規制されるため、調整バンド50を所定の長さに調整しておくと、必要以上に大きな弧状運動となることはなく、肘や肩を傷めることはない。 ■固定具46を、ズボンのベルト等の衣服の一部に固定する。身体に対する腰バンド40の不要な移動を少なくすることができるので、アームホルダー10を身体に固定する場合には、その固定をさらに強めることができるし、前腕部等を動かしてリハビリを行う際においても、安定して行うことができる。 【0031】なお、上述は、肘を支点とした前腕部の弧状運動のためのアームスリングであり、ループ状の腰バンド40とアームホルダー10とが、アームホルダーの基端側19で連結しているが、手首部を支点として、肘側を弧状運動させる場合には、ループ状の腰バンド40をアームホルダー10の先端側に連結させればよいし、前腕部から肘にかけて、身体前面と平行に遠ざけたり近づけたりする運動をする場合には、ループ状の腰バンドをアームホルダーの中央下方に連結させればよい。また、アームホルダー10を身体前面で固定するときには、実施の形態3のアームスリングAを使用し、身体の前面での前腕部の前後運動を行うときには、実施の形態3のアームスリングAに、連結雄具52に替えてフックを取り付けた調整バンド50を取り付けて使用してもよい。 【0032】(実施の形態4)実施の形態4は、実施の形態3における調整バンド50の一部又は全部がゴムなどの弾性部材で形成されているものである。調整バンド50が非弾性体である場合に比べ、負荷をかけて弧状運動をすることができ、筋力トレーニングとしての効果をより高めることができる。この場合において、調整バンド50の長さを、希望する弧状運動よりも大きな運動とならないように、調整具51であらかじめ調整しておくと、必要以上に腕が身体前面から離れて弧状運動をすることがなく、肘や肩を傷めない。なお、調整バンド50の弾性の強さは、調整具51により調整される調整バンド50の長さとアジャスター44の位置との組み合わせにより、適宜調整が可能である。また、調整バンド50の一部又は全部がゴムなどの弾性部材で形成されている場合において、調整バンド50に加えて、アームホルダー10の身体前面からの距離の限界を設定する安全部材を、アームホルダー10と腰バンド40との間に連結すると、調整バンド50の弾性部材が切れたり、はずれたりしたような場合であっても、安全部材によって身体前面から前腕部までの距離に限界が設けられているので、肘や肩に対し予定している運動よりも大きな負荷がかかることもなく、安全にリハビリを行うことができる。例えば、一部又は全部がゴムなどの弾性部材で形成されている実調整バンド50に加えて、実施の形態3の調整バンド50と同様の構成の、非弾性体の紐状部材で形成されている安全バンド(安全部材)を、連結雄部を有する一方の端部を腰バンド40の連結雌具47に連接して設けられた連結雌具に、フックを有する他方の端部をアームホルダー10のDリング25に、それぞれ連結し、この安全バンドを、調整具によってあらかじめ弧状運動の最大の範囲の長さにしておくと、仮に調整バンド50の弾性部材の連結がはずれたとしても、必要以上に前腕部が身体前面から離れることがなく、肘や肩を傷めることがない。また、実施の形態3の調整バンド50と同様の構成の、非弾性体の紐状部材で形成されている安全バンド(安全部材)を、連結雄部を有する一方の端部を腰バンド40の連結雌具47に、フックを有する他方の端部をアームホルダー10のDリング25に、それぞれ連結し、この安全バンドを、調整具によってあらかじめ弧状運動の最大の範囲の長さに設定するととともに、安全バンドより短めの紐状のゴム等の弾性部材で形成された調整バンドを、一方の端部を腰バンド40のアジャスター44と連結雌部47との間の部分に、他方の端部をアームホルダー10のDリング25に、それぞれ連結してもよい。 【0033】(実施の形態5)図7は、本実施の形態5を示すアームスリングCの全体図である。腰バンド60は、実施の形態1では、一方の端部40aと他方の端部40bとがいずれも基端側19に連結されるループ状になっているのに対し、本実施の形態では、一方の端部60aがアームホルダー10の基端側19に連結され、他方の端部60bがアームホルダー10の先端側20に連結される構成になっている。すなわち、実施の形態1においては、腰バンド40は使用者の腰を一周して取り付けられるのに対し、本実施の形態においては、腰バンド60は使用者の背中にあてがわれ腰を半周して取り付けられる構成になっている。腰バンド60とアームホルダー10とは、アームホルダー10の基端側19のフック(連結具)27と腰バンドの一方の端部60aのDリング(連結具)63とが、また、アームホルダー10の先端側短辺16、17のうち身体側の短辺16の下方に取り付けられているDリング(連結具)25と腰バンド60の他方の端部60bのフック(連結具)64とが、それぞれ係脱自在に結合される。腰バンド60には、腰バンド60の長さを調整する調整具61と、衣服の一部を狭持して腰バンド60をとめる固定具46が取り付けられている。 【0034】上述の構成を有するアームホルダー10は以下のようにして使用者に取り付けられる。 ■スリング30を首にかけ、スリング30のフック31を、前腕部を載置したアームホルダー10のDリング23、24に連結する。 ■調整具32で、身体の前で吊り下げられたアームホルダー10の高さを適切な位置となるように調整する。 ■腰バンド60の一方の端部60aをアームホルダー10の基端側19に、他方の端部60bをアームホルダー10の先端側20に連結する。 ■調整具61によって腰バンド60の長さを調整することにより、アームホルダー10の身体前面からの距離を規制する。すなわち、a.アームホルダー10を身体前面に密着させ固定させるときには、調整具61を腰バンド60の一方の端部60aの方向(矢印K方向)に移動し、アームホルダー10の先端側20が身体に密着する位置にくるように、Dリング25に連結されたフック64の位置を決める。 b.リハビリをする場合には、調整具61を腰バンド60の他方の端部60bの方向(矢印J方向)に移動し、腰バンドの長さを上記a.の場合よりも長めにする。腰バンドは上記a.より長めに設定されいるので、ゆとりのある分、身体前面で、アームホルダー10に載置された前腕部を動かすことができるようになる。リハビリは、主として、肘を支点として、身体の前で、前腕部を弧状運動をすることによって行われるが、これに限らず、手首部を支点として肘部分を弧状運動することも可能であり、肩を支点として前腕部から肘にかけて前腕部全体を身体から遠ざけそして近づける運動をしてもよい。そして、これらの運動を大きなものにしようとするときには、腰バンド60を比較的長めに調整すればよく、小さなものにしようとするときには、腰バンド60を比較的短めに調整すればよい。なお、アームホルダー10の身体前面からの距離は腰バンド60によって規制されるため、あらかじめ腰バンド60の長さを調整しておけば必要以上に大きな弧状運動となることはなく、肘や肩を傷めることはない。 ■固定具46を、ズボンのベルト等衣服一部に固定する。身体に対する腰バンド60の不要な移動を少なくすることができるので、アームホルダー10を身体に固定する場合には、その固定をさらに強めることができるし、前腕部等を動かしてリハビリを行う際においても、安定して行うことができる。固定具46は、アームホルダー10の先端側20の脇腹近傍に取り付けると肘を支点とする弧状運動のリハビリの際にアームホルダー10を身体の前面に近づけたと時においても、腰ベルト60がゆるむことがなく、好適である。同様に、手首部を支点として弧状運動をするときには、アームホルダー10の基端側19の脇腹近傍に取り付けるとよく、身体と平行にアームホルダー10を遠ざけたり近づけたりする運動をする場合には、背中の近傍に取り付けるとよい。なお、本実施の形態は、Dリングとフックでアームホルダー10と腰バンド60とが連結されているが、これに限る必要はなく、例えばアームホルダー10と腰バンド60とが双方ともフックで連結されるものであってもよく、また、例えば、縫合されていたり、面ファスナーで連結されるものであってもよい。ただし、左右の前腕に兼用して使用する場合には、腰バンド60の両端がアームホルダー10と係脱自在になっていて、アームホルダー10を二つ折りにした底部13の中心線Cを通る垂直面に対して左右対称に連結できるようになっていることがことが好ましい。また、本実施の形態の腰バンド60の少なくとも一部に、例えばゴムなどの弾性部材を設けてもよい。このような構成をとると、身体の前で前腕部の前後の運動をするときに、腰バンド60が弾性を有しない場合に比べ、負荷をかけて運動をすることができ、筋力トレーニングとしての効果をより高めることができる。 【0035】(実施の形態6)図8は、実施の形態6を示すアームスリングDの全体図である。本実施の形態は、実施の形態5において、腰バンド60とアームホルダー10との間に、長さ調整が可能な調整具71を有する紐状の調整バンド(第1の調整部材)70を連結させたものである。より詳細に述べれば、腰バンド60の他方の端部60bに取り付けられたフック(連結具)64と調整バンド70の一方の端部70aに取り付けられたDリング(連結具)72とが連結し、調整バンド70の他方の端部70bに取り付けられているフック(連結具)73とアームホルダー10の先端側20に取り付けられているDリング(連結具)25とが連結する。使用者へのアームスリングDの取り付けは、腰バンド60とアームホルダー10とが調整バンド70を介して取り付けられる点を除き、実施の形態5とほぼ同じである。本実施の形態において、アームホルダー10を身体前面に密着させ固定させるときには、腰バンド60と調整バンド70のそれぞれの調整具61、71を使って、アームホルダー10の先端側20が身体に密着する位置にくるように、Dリング25に連結されたフック73の位置を決める。この場合、腰バンド60と調整バンド70のそれぞれの調整具61、71でおおよその調整しておき、装着した後に、調整バンド70の調整具71で密着固定されるように調整すると、使用者自らが、自由に使える方の手で調整が可能となるので便利である。また、リハビリをするときは、腰バンド60と調整バンド70のそれぞれの調整具61、71を使って、腰バンドの長さをアームホルダー10を身体前面に密着させ固定させるときよりも長めにする。長めに設定されていて、ゆとりのある分、身体前面で、アームホルダー10に載置された前腕部を動かすことができるようになる。調整バンド70は、アームホルダー10に包み込まれた腕と反対の腕側に取り付けられているため、けがをしていない方の手で容易に調整バンド70の調整具71を調整し、アームホルダー10と身体前面からの距離を調節することができる。したがってリハビリ時の腕の移動可能な範囲を必要に応じて適宜に調整することができる。また、調整バンド70がゴムなどの弾性部材で形成されていてもよい。調整バンドが非弾性体である場合に比べ、負荷をかけて運動をすることができ、筋力トレーニングとしての効果をより高めることができる。また、調整バンド70の一部又は全部がゴムなどの弾性部材で形成されている場合において、調整バンド70に加えて、アームホルダー10の身体前面からの距離の限界を設定する安全部材を、アームホルダー10と腰バンド60との間に連結すると、調整バンド70の弾性部材が切れたり、はずれたりしたような場合であっても、安全部材によって身体前面から前腕部までの距離に限界が設けられているので、肘や肩に対し予定している運動よりも大きな負荷がかかることもなく、安全にリハビリを行うことができる。例えば、一部又は全部がゴムなどの弾性部材で形成されている調整バンド70に加えて、本実施の形態の調整バンド70と同様の構成の、非弾性体の紐状部材で形成されている安全バンド(安全部材)を、Dリングを有する一方の端部を腰バンド60のフック64に、フックを有する他方の端部をアームホルダー10のDリング25に、それぞれ連結し、この安全バンドを、調整具によってあらかじめ弧状運動の最大の範囲の長さにしておくと、仮に調整バンド70の弾性部材の連結がはずれたとしても、必要以上に前腕部が身体前面から離れることがなく、肘や肩を傷めることがない。また、本実施の形態の調整バンド70と同様の構成の、非弾性体の紐状部材で形成されている安全バンド(安全部材)を、Dリングを有する一方の端部を腰バンド60のフック64に、フックを有する他方の端部をアームホルダー10のDリング25に、それぞれ連結し、この安全バンドを、調整具によってあらかじめ弧状運動の最大の範囲の長さに設定するととともに、安全バンドより短めの紐状のゴム等の弾性部材で形成された調整バンドを、一方の端部を腰バンド60のフックに、他方の端部をアームホルダー10のDリング25に、それぞれ連結してもよい。なお、アームホルダー10を身体前面に密着させ固定させるときには、実施の形態5のアームスリングC、リハビリをするときには、実施の形態6おアームスリングDの組み合わせにより、アームスリングを使用者に取り付けてもよい。 【0036】(実施の形態7)本実施の形態は、実施の形態1から実施の形態6におけるアームスリングA、B、C、Dにおいて、係脱自在なフック、Dリング等の連結具が、それぞれの組ごとに異なる色彩が付されている。すなわち、実施の形態1から実施の形態6の、スリング30の先端に取り付けられたフック31とこれと結合するアームホルダー10の一対の長辺14、15先端近傍に取り付けられた一対のDリング23、24、アームホルダー10の基端側19の連結雌具41とこれと結合する腰バンド40の先端に取り付けられた連結雄具42、腰バンド40に移動自在に取り付けられたフック43とこれと結合するアームホルダー10の下方先端側20に取り付けられたDリング25、また、実施例3、4の、腰バンド40に取り付けられた移動自在の連結雌具47とこれと結合する調整バンド50の一方の端部50aに取り付けられた連結雄具52、調整バンド50の他方の端部50bに取り付けられたフック53とこれと結合するアームホルダー10の先端下方に取り付けられたDリング25、実施の形態5の、フック64とDリング25、実施の形態6の、フック64とDリング72、フック73とDリング25、実施の形態5、6の、フック27とDリング63、とをそれぞれの組ごとに色分けする。これによって、同色ごとに連結すれば、連結具の組み合わせを間違えることなく容易に連結ができる。 【0037】(実施の形態8)本実施の形態においては、実施の形態1から実施の形態6におけるアームスリングA、B、C、Dが、アームホルダー10を二つ折りにした底部13の中心線Cを通る垂直面に対して左右対称となるように形成されている。具体的には、以下のような構成を有する。アームホルダー10は、中心線Cを通る垂直面に対して左右対称の形状をしており、これに設けられている連結具も左右対称に取り付けられている。実施の形態1から6においては、腰バンド40、60又は調整バンド50、70を連結する、アームホルダー10の先端下方に取り付けられているDリング25は、身体側にのみ取り付けられているが、本実施の形態においては、左右対称に、Dリング25、26(図1、3、6、7、8参照)が取り付けられている。スリング30は、短辺11、12の縫合部分、すなわち、基端側19のアームホルダー10を二つ折りにした底部13の中心線Cを通る垂直面に左右対称に縫合されている。腰バンド40、60も、左右対称にとりつけることが可能な構成になっている。例えば、実施の形態1から4に記載の腰バンド40において、実施の形態3で述べたように、腰バンドの両端部40a、40bとアームホルダー10の基端側19との連結が、相互に係脱可能なフックとリングによって行われていたり、アームホルダー10の短辺11、12の縫合部分にループ状の腰バンド40が、ビス等によって回転自在に取り付けられ左右対称に反転できる構成となっている。また、前述のとおり、実施の形態5におけるアームホルダー10と腰バンド60、実施の形態6におけるアームホルダー10と、調整バンド70の取り付けられた腰バンド60とは、それぞれ係脱自在に結合されているので、これらは左右対称にアームホルダーに連結できるようになっている。さらに、実施の形態1から6に記載の固定具46も、腰バンド40、60と支持部46aとの係脱、支持部46aとメタルクリップとの係脱が自由なので、左右対称に腰バンドへの取り付けが可能である。上述のような左右対称の構成とすることによって、1個のアームスリングA、B、C、Dが左右いずれの前腕部を包み込むことができるので、製造が煩雑でなく、また、コストも低廉にすることができる。 【0038】(実施の形態9)本実施の形態は、実施の形態1のアームスリングAから腰バンドを取り除いたものである。アームホルダー10は、先端側20がファスナー21で開閉自在に形成されているので、ファスナー21を閉じれば手首を保護することができ、開けば手先のリハビリ運動が可能となる。アームホルダー10を腕に載置したまま、先端側20の開閉部から固定板を挿脱できるので便利である。 【0039】(実施の形態10)本実施の形態は、実施の形態5のアームスリングCの腰バンド60に替えて、調整バンド(第2の調整部材)を、アームホルダー10の先端側20に取り付けたものである。この調整バンドは、実施の形態6の第1の調整バンド70の一方の端部70aに取り付けられたDリング25を、衣服の一部に固定する固定具に替えたものである。すなわち、この調整バンドの他方の端部に取り付けられたフックがアームホルダー10の先端側20のDリング25と連結し、他方の端部に取り付けられた固定具で使用者の衣服の一部に固定する。この固定具は、衣服に固定できるものであれば、例えば、ピン留め部を有するものであっても、実施の形態5、6で使用されているメタルクリップ46bのような狭持部を有するものであってもよい。アームホルダー10を身体前面で密着固定するときには、調整バンドは、アームホルダー10の先端側20の衣服に固定具で固定された後調整バンドに取り付けられている調整具によってアームホルダー10の先端側20が身体の前面に密着するように調整される。一方、リハビリをするときには、調整バンドに取り付けられている調整具を使って調整バンドを長くし、肘を支点とした前腕部の弧状運動を可能とする。また、調整バンドの少なくとも一部にゴムなどの弾性部材を設けると、負荷ををかけてリハビリを行うことができる。なお、アームホルダー10の基端側19にも同様の調整部材をつけると、アームホルダー10を身体前面で固定するときには、さらに安定して固定できるし、リハビリをするときには、肘を支点とするさらに安定した弧状運動をすることができる。 【0040】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、骨折等のけがの初期段階においては、身体の前でアームホルダーが揺動しないように固定するとともに、手首や指先部分をアームホルダーで保護する一方、徐々に治癒して行くに従い、アームスリングを装着したままでも、身体の前面での前腕の前後の運動による筋力トレーニングを安全に行うことができるともに、指先を自由に運動できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599157815 【氏名又は名称】ジープラン株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月8日(1999.11.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105614 【弁理士】 【氏名又は名称】児島 敦
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| 【公開番号】 |
特開2001−129009(P2001−129009A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月15日(2001.5.15) |
| 【出願番号】 |
特願平11−316977 |
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