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【発明の名称】 生体補填材注入具および内視鏡手術用ガイド具
【発明者】 【氏名】小川 晶久

【氏名】増渕 良司

【氏名】入江 洋之

【氏名】岡部 洋

【氏名】河津 秀行

【氏名】袴塚 康治

【要約】 【課題】注入具を湾曲させても内容物である生体補填材料が生体内の意図しない部位に漏れることを防止した生体補填材注入具を提供すること。

【解決手段】生体補填材料4を収容する内腔を有する外管2と、この外管2の先端に取り付けられ、生体補填材料4が排出される孔を有する、弾性材料からなる排出部5と、内腔内の生体補填材料4および/または排出部5に外力を加える押出し手段3とを備え、排出部5の孔は、生体補填材料4の径よりも小さい径を有するとともに、外力により拡径し、それによって生体補填材料4が前記孔から排出されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】生体補填材料を収容する内腔を有する外管と、この外管の先端に取り付けられ、前記生体補填材料が排出される孔を有する、弾性材料からなる排出部と、前記内腔内の生体補填材料および/または前記排出部に外力を加える押出し手段とを備え、前記排出部の孔は、前記生体補填材料の径よりも小さい径を有するとともに、前記外力により拡径し、それによって前記生体補填材料が前記孔から排出されることを特徴とする生体補填材注入具。
【請求項2】内視鏡を挿通する第1の内腔を有する管状部材と、両端辺が前記管状部材の外面に取りつけられて、請求項1に記載の生体補填材注入具を挿通可能な第2の内腔を形成する、軟質材料からなるシート状部材とを備え、前記生体補填材注入具による生体補填材料の補填が前記内視鏡により観察可能であることを特徴とする内視鏡手術用ガイド具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、整形外科等の外科医療において、生体内に骨補填材等の生体補填材を埋め込む際に使用される注入具および内視鏡手術用ガイド具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生体内に生体補填材を埋め込む際に使用される生体補填材注入具として、特許第2708182号公報に開示されているものがある。この生体補填材注入具は、粉状あるいは粒状をなす生体補填材料を体組織内に注入する治具であって、生体補填材料を収容するバレルと補填材料を押し出すプランジャーが、外部の力によって湾曲することを特徴とするものである。このように、バレルとプランジャーが湾曲することにより、補填対象部位までの注入経路が直線的でなく、湾曲しないと到達できないような生体内の部位にも、生体補填材料を注入できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の生体補填材注入具では、バレルの先端側の注入口の内径が粉状もしくは粒状の生体補填材料の外径よりも大きいため、バレルを生体組織の中に挿入し、その先端を湾曲させたとき、意図しない部位に生体補填材料が漏れるという問題がある。また、生体深部の湾曲した位置では、肉眼で補填状況を確認することが困難である。
【0004】本発明は、以上のような事情の下になされ、注入具を湾曲させても内容物である生体補填材料が生体内の意図しない部位に漏れることを防止した生体補填材注入具を提供することを目的とする。
【0005】本発明の他の目的は、肉眼では確認し難い生体内深部や侵入経路が湾曲した部位においても生体補填材注入具による生体補填材料の補填状況を確認することを可能とする内視鏡手術用ガイド具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は、生体補填材料を収容する内腔を有する外管と、この外管の先端に取り付けられ、前記生体補填材料が排出される孔を有する、弾性材料からなる排出部と、前記内腔内の生体補填材料および/または前記排出部に外力を加える押出し手段とを備え、前記排出部の孔は、前記生体補填材料の径よりも小さい径を有するとともに、前記外力により拡径し、それによって前記生体補填材料が前記孔から排出されることを特徴とする生体補填材注入具を提供する。
【0007】排出部を構成する弾性材料としては、シリコンゴム、ポリウレタン素材等を挙げることが出来る。
【0008】以上のように構成される生体補填材注入具によると、排出部の孔が生体補填材料の径よりも小さい径を有するので、生体補填材注入具を湾曲させたとしても、生体補填材料が意図しない部位に漏れることが防止される。
【0009】本発明の生体補填材注入具において、排出部は、先端側に向かって径が縮小するテーパ形状を有するものとすることが出来る。このような構造の生体補填材注入具では、押出し手段により生体補填材料に外力が加えられると、生体補填材料は排出部に移動するとともに、テーパ状排出部の先端を拡径し、その結果、生体補填材料が排出部の孔から排出される。
【0010】また、押出し手段は、外力を加えるためのハンドル部材と、このハンドル部材により加えられた外力を伝達するための伝達手段、例えばワイヤーと、この伝達手段により伝達された外力を生体補填材料に伝達するための伝達板とを有するものとすることが出来る。このような構造の生体補填材注入具では、伝達板によって伝達された外力により、生体補填材料は外管の内腔から排出部に移動するとともに、排出部の孔が拡径し、その結果、生体補填材料が排出部の孔から排出される。
【0011】ワイヤーを構成する材料としては、ステンレス製等の棒材によるもの、線材によって構成したもの等を挙げることが出来る。
【0012】また、押出し手段は、上記の他に、外力を加えるためのハンドル部材と、このハンドル部材により加えられた外力を前記排出部に伝達するための内管とを有するものとすることが出来る。このような構造の生体補填材注入具では、内管により伝達された外力により排出部の孔が拡径するとともに、生体補填材料が外管の内腔から排出部に移動し、更に排出部の孔から排出される。
【0013】内管を構成する材料としては、外力を伝達するだけのこしがあり、かつ必要に応じて適度に湾曲する材料であるテフロンチューブ等を挙げることが出来る。
【0014】また、上記押出し手段のようにハンドル部材と内管とを有する構成において、生体補填材料を外管の内腔から排出部に移動させる手段を設けることが出来る。このような構造の生体補填材注入具では、内管により伝達された外力により排出部の孔が拡径するとともに、生体補填材料移動手段により生体補填材料が外管の内腔から排出部に移動し、拡径した排出部の孔から排出される。
【0015】また、外管および押出し手段を湾曲可能な材質により構成することが出来る。
【0016】外管を構成する材料としては、前記内管同様、容易に座くつせず、適度に湾曲する材料であるテフロンチューブ等を挙げることが出来る。また、押出し手段を構成する材料としては、前記ワイヤーを構成する材料等を挙げることが出来る。
【0017】このような構造の生体補填材注入具では、生体補填材注入具全体を湾曲することにより、曲線状の注入経路の部位にも、生体補填材の注入が可能となる。
【0018】本発明は、内視鏡を挿通する第1の内腔を有する管状部材と、両端辺が前記管状部材の外面に取りつけられて、請求項1に記載の生体補填材注入具を挿通可能な第2の内腔を形成する、軟質材料からなるシート状部材とを備え、前記生体補填材注入具による生体補填材料の補填が前記内視鏡により観察可能であることを特徴とする内視鏡手術用ガイド具を提供する。
【0019】管状部材を構成する材料としては、容易に座くつせず、適度に湾曲可能なテフロンチューブ等を挙げることが出来る。また、シート状部材を構成する軟質材料としては、ポリウレタン性の材料等を挙げることが出来る。
【0020】以上のように構成される内視鏡手術用ガイド具によると、生体補填材注入具と内視鏡を組み合わせることにより、生体補填材注入具による生体補填材料の補填を内視鏡により観察することが可能となる。
【0021】また、第2の内腔を形成するシート状部材が、軟質材料により構成されているので、必要に応じて、第2の内腔内に手術用処置機材や生体補填材注入具を挿通可能であるとともに、これらの部材が挿通されない場合には、外力によって変形し、内腔を形成しない。即ち、シート状部材は、必要なときにのみ、手術用処置機材や生体補填材注入具を挿通する内腔を形成することが出来る。
【0022】なお、本発明において使用される生体補填材料としては、リン酸カルシウム多孔体等がある。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態としての種々の実施例について、図面を参照して説明する。
【0024】実施例1図1〜図3を参照して、本実施例に係る生体補填材注入具について説明する。
【0025】図1に示すように、本実施例に係る生体補填材注入具1は、可撓性を有する素材、例えばテフロンチューブからなり、軸方向に貫通した内腔を有する外管2と、この外管2の内腔を挿通可能な押し出し手段3とにより構成される。
【0026】外管2は、その内腔内に外径L1の生体補填材料4を複数個収容する。外管2の内腔は、生体補填材料4の外径L1 よりも大きな径L2 を有する。
【0027】外管2の先端部には排出部5が連結されており、この排出部5の形状は、内径、外径ともに、外管2と連結される側では外管2の内径、外径とほぼ同じ径を有し、先端側では内外径とも外管2と連結される側の径よりも小さい径L3 となっている、即ちテーパ形状である。なお、外管2の排出部5は、力を加えることによって内外径とも適度に変形する弾性部材、例えばシリコンゴム若しくはポリウレタン性ゴム等により構成されている。
【0028】外管2の内腔内を挿通可能な押し出し手段3は、外力を加えるためのハンドル6、ハンドル6に加えられた外力を伝達するワイヤー7、およびワイヤー7により伝達された外力を生体補填材料4に伝えるための押板8から構成される。
【0029】ワイヤー7は、伝達された外力では座屈せず、且つ、適度に曲がる素材、例えばステンレス製の棒材若しくは線材をよったものにより構成されている。また、押板8はワイヤー7と連結されており、その外径は外管2の内径L2 より小さく、且つ、伝達された外力を生体補填材料4の一点もしくは極小さな範囲に加えないような適度な大きさの面積を有するものである。
【0030】押板8と生体補填材料4との間には、保護板9が配置されている。保護板9は、生体補填材料4と当接する面を有し、その外径は、押板8の外径とほぼ同じである。また、保護板9は、弾性素材からなり、押板8に接続されている。
【0031】次に、以上のように構成される生体補填材注入具の作用について、図2および図3を参照して説明する。
【0032】図2は、生体補填材料が注入される生体の処置部断面を示す。例えば、図2に示すように、骨部11に良性腫瘍ができたことにより手術によって前記腫瘍を掻爬し、骨欠損を生じた部位が骨欠損部12である。この骨欠損部12へ生体補填材料を補填する時、骨欠損部12へ侵入する侵入経路13が湾曲している場合について考える。
【0033】図2に示す処置部に生体補填材料を補填するため、図1に示す本実施例に係る生体補填材注入具1を侵入経路13に導入すると、外管2は可撓性を有する素材からなり、かつワイヤー7は適度な曲がり具合を実現できるため、体内への侵入経路13が直線的でなく、湾曲していても、それに追従して生体補填材注入具1全体が曲がり、排出部5を目的とする骨欠損部位に導くことができる。
【0034】この時、生体補填材注入具1の排出部5の先端は、その内径L3 が生体補填材料4の外径L1 よりも小さいため、目的部位に排出部5を導く際に生体補填材料4が意図せずに外部に排出されることはない。
【0035】生体補填材注入具1を侵入経路13に導入し、排出部5が目的とする骨欠損部位12に導かれると、次に、押し出し手段3および排出部5が骨欠損部位12に生体補填材料4を補填するように作用する。即ち、骨欠損部位12に生体補填材料4を補填するに際し、まず、部位12の近傍もしくは部位12内に排出部5を位置させる。生体補填材注入具1内からの生体補填材料4の排出は、ハンドル6を把持して押し込み方向に力を加えることにより行われる。加えられた力は、ワイヤー7によって押板8まで伝達される。
【0036】ワイヤー7は座屈しない適度に曲がる素材からなるため、生体補填材注入具1全体が湾曲していても、加えられた力を確実に押板8に伝達することができる。また、押板8は、その外径が外管2の内径L2 よりも小さいため、外管2の内腔との摩擦が生ずること無く、移動することができる。
【0037】更に、押板8は、伝達された外力を生体補填材料4の一点もしくは極小さな範囲に加えないような適度な大きさの面積を有するため、生体補填材料4を破壊することなく、生体補填材料4に外力を伝達することができる。
【0038】生体補填材料4と押板8との間には保護板9が介在しており、保護板9は弾性材料により構成されているため、外力が押板8を介して生体補填材料4に伝達されるとき、保護板9が生体補填材料4の表面に沿って適度に変形する。その結果、伝達された外力を生体補填材料4に当接する面全体に均一に加えることができ、生体補填材料4の破壊を防止することができる。
【0039】生体補填材料4は、伝達された外力によって、排出部5の方向に移動する。この時、生体補填材料4の外径L1 は外管2の内径L2 よりも小さいので、外管2の内腔との摩擦抵抗が生ずることなく移動することができる。
【0040】生体補填材料4が排出部5の内腔にさしかかると、図3(a)に示すように、排出部5の内径が生体補填材料4の外径L1 とほぼ同じ箇所で一旦停止する。しかし、さらに外力を加えると、排出部5は適度に変形する弾性素材からなるため、図3(b)に示すように、生体補填材料4の外径L1 に沿って変形し始める。
【0041】最終的に排出部5は、図3(c)に示すように、排出部5の先端側の内径L3が生体補填材料4が挿通可能な前記材料の外径L1 とほぼ同程度の大きさになるまで変形する。
【0042】このようにして、生体補填材料4が外部へ排出された後は、排出部5の先端側の内径L3 はもとの内径にもどり、内部にある生体補填材料4の外部への流出を阻止する。
【0043】以上のように、本実施例によると、骨欠損部位12への侵入経路13が湾曲していても、生体補填材料4を正確に骨欠損部位12に導くことができるとともに、意図しない箇所での補填の漏れを防止し、且つ適量の生体補填材料4を補填できることが可能となる。
【0044】実施例2図4および図5を参照して、本実施例に係る生体補填材注入具について説明する。
【0045】図4に示すように、本実施例に係る生体補填材注入具21は、可撓性を有する素材からなり、軸方向に貫通した内腔を有する外管2と、この外管2の内腔を挿通可能な押し出し手段3とにより構成される。
【0046】外管2は、その内腔内に外径L1の生体補填材料4を複数個収容する。外管22の内腔は、生体補填材料4の外径L1 よりも大きな径L2 を有する。
【0047】外管2の先端部には排出部5が連結されており、この排出部5の形状は、内径、外径ともに、外管2と連結される側では外管2の内径、外径とほぼ同じ径を有し、先端側では内外径とも外管2と連結される側の径よりも小さい径L3 となっている、即ちテーパ形状である。なお、外管2の排出部5は、力を加えることによって内外径とも適度に変形する弾性部材により構成されている。
【0048】外管25の内腔内を挿通可能な押し出し手段3は、外力を加えるためのハンドル22、およびハンドル22に加えられた外力を伝達する内パイプ23から構成される。
【0049】内パイプ23は、開放端と閉塞端を有する。ハンドル22は、内パイプ23の閉塞端と接続されている。また、内パイプ23は、外管2の内腔に挿通可能な外径を有する。すなわち、内パイプ23の外径は、外管2の内径L2 よりも小さい。
【0050】内パイプ23の内径は、生体補填材料4の外径L1 よりも大きく、生体補填材料4を収容可能な内腔を有する。なお、内パイプ23の開放端は、生体補填材料4の外径L1 よりも大きな内径をもって開放している。また、内パイプ23は、伝達された外力では座屈せず、且つ、適度に曲がる素材、例えばテフロンチューブにより構成されている。
【0051】次に、以上のように構成される生体補填材注入具の作用について、図5を参照して説明する。
【0052】ハンドル22に外力を加えると、内パイプ23が排出部5の先端側まで摺動し、排出部5の先端側の内径L3 を内パイプ23の外径と同程度になるまで押し広げる。その後、生体補填材料4は外部へ落下し、排出される。
【0053】以上のように、本実施例に係る生体補填材注入具は、実施例1に係る生体補填材注入具よりも部品点数が少なくなり、従って、安価に提供することができる。
【0054】また、直接、生体補填材料4に外力を加えないので、生体補填材料4の破損を防止することができる。
【0055】実施例3図6を参照して、本実施例に係る生体補填材注入具について説明する。本実施例は、実施例2における押し出し手段3の変形例を示すものである。
【0056】図6に示すように、本実施例に係る生体補填材注入具31は、可撓性を有する素材からなり、軸方向に貫通した内腔を有する外管2と、この外管2の内腔を挿通可能な押し出し手段3とにより構成される。
【0057】外管2は、その内腔内に外径L1の生体補填材料4を複数個収容する。外管22の内腔は、生体補填材料4の外径L1 よりも大きな径L2 を有する。
【0058】図6では図示していないが、外管2の先端部には排出部5が連結されており、この排出部5の形状は、内径、外径ともに、外管2と連結される側では外管2の内径、外径とほぼ同じ径を有し、先端側では内外径とも外管2と連結される側の径よりも小さい径L3 となっている、即ちテーパ形状であることは、図1および図4に示す通りである。なお、外管2の排出部5は、力を加えることによって内外径とも適度に変形する弾性部材により構成されている。
【0059】外管2の内腔内を挿通可能な押し出し手段3は、軸方向に貫通孔を有し、外力を加えるためのハンドル32、ハンドル32に加えられた外力を伝達する内パイプ33、外力を加えるための押しリング34、ハンドル32の貫通孔に挿通され、押しリング34と接続されているワイヤー35、およびワイヤー35により伝達された外力を生体補填材料4に伝えるための押板36から構成される。
【0060】内パイプ33は、開放端と閉塞端を有する。ハンドル32は、内パイプ33の閉塞端と接続されている。また、内パイプ33は、外管2の内腔に挿通可能な外径を有する。すなわち、内パイプ33の外径は、外管2の内径L2 よりも小さい。
【0061】内パイプ33の内径は、生体補填材料4の外径L1 よりも大きく、生体補填材料4を収容可能な内腔を有する。なお、内パイプ33の開放端は、生体補填材料4の外径L1 よりも大きな内径をもって開放している。また、内パイプ33は、伝達された外力では座屈せず、且つ、適度に曲がる素材により構成されている。
【0062】ワイヤー35は、伝達された外力で座屈せず、且つ、適度に曲がる素材により構成されている。押板36は、ワイヤー35と連結され、その外径は内パイプ33の内径よりも小さく、且つ、伝達された外力を生体補填材料4の一点もしくは極小さな範囲に加えないような適度な大きさの面積を有している。
【0063】次に、以上のように構成される生体補填材注入具31の作用について説明する。
【0064】図6に示す生体補填材注入具31において、ハンドル32に外力を加えると、内パイプ33が排出部5の先端側まで摺動し、排出部5先端側の内径L3 を内パイプ33の外径と同程度まで押し広げる。
【0065】次に、生体補填材料4を排出するときは、押しリング34に外力を加えると、ワイヤー35に外力が伝達され、押板36を介して生体補填材料4に外力が伝わり、その結果、生体補填材料4が排出される。
【0066】その結果、実施例2に係る生体補填材注入具21のように、生体補填材料4が自由落下せず排出できない部位に、生体補填材料4を補填することが可能となる。
【0067】実施例4図7を参照して、本実施例に係る生体補填材注入具について説明する。本実施例は、実施例1〜3に係る生体補填材注入具の排出部45の変形例である。
【0068】図7において、排出部45の先端は、実施例1および2に係る生体補填材注入具の排出部5のようにテーパ状となっておらず、平面状となっている。また、排出部45は、適度に変形可能な弾性部材により構成され、その先端側には生体補填材料4の外径よりも小さな内径L4 を有する孔が設けられている。それ以外の構成は、他の実施例と同様である。
【0069】以上のように構成される生体補填材注入具において、押し出し手段(図示せず)によって、生体補填材料4が排出部45へ移動すると、生体補填材料4は先端側の内径L4 の孔46の部分で引っかかるが、外力を更に加えることによって、排出部45の先端が変形して孔46の径が拡大して、生体補填材料4の径と同等レベルとなり、生体補填材料4が外部に排出される。
【0070】本実施例に係る生体補填材注入具は、簡単な形状であるので、加工がし易く、安価に提供できるという利点を有する。
【0071】実施例5本実施例は、骨腫瘍に対して実施例1〜3に係る生体補填材注入具を用いた内視鏡下手術を示すものであり、以下、図8〜10を参照して説明する。
【0072】図8は、内視鏡手術用ガイド具51の構成を示すものである。図8に示すように、内視鏡手術用ガイド具51は、内腔を有するパイプ52と、U字形に湾曲し、その両端辺がパイプ52の外面に接続したシート53とから構成される。
【0073】パイプ30の内腔は、軸方向に貫通しており、内視鏡が挿通可能な内視鏡チャンネル54を形成している。パイプ52は、適度に曲がる素材により構成されている。このパイプ52を構成する素材としては、テフロンチューブ等が挙げられる。
【0074】U字形シート53は、図示の如く、パイプ52の外面を利用してパイプ52の軸方向に平行な貫通した内腔55が形成される。この内腔55は、その中に手術用処置器具や生体補填材注入具が挿通可能な処置ポートを兼ねている。また、U字形シート53は、軟質素材により構成されているので、内腔55内に何も挿入されていないときは、外力によって変形し、図9(a)に示すように、内腔を55を維持することが出来ない。このU字形シート53を構成する素材としては、ポリウレタン素材等が挙げられる。
【0075】次に、図9および図10を参照して、本実施例の作用について説明する。
【0076】例えば、目的の骨腫瘍病変部近傍の体組織102の表面に小切開を加え、金鉤等でこの切開口を開いておく。その後、処置対象の骨部101の表面の極く一部を露出させ、内視鏡手術用ガイド具51のための侵入孔103を作成する。
【0077】その後、図9(b)に示すように、内視鏡手術用ガイド具51のセッティングを行う。内視鏡手術用ガイド具51のセッティングは、内視鏡手術用ガイド具51の内視鏡チャンネル54内に内視鏡100を挿入し、内視鏡100の先端と内視鏡手術用ガイド具51の先端位置を合わせることにより完了する。
【0078】次に、内視鏡手術用ガイド具51を切開口から挿入し、骨表面が観察出来る位置にまで移動させる。内視鏡手術用ガイド具51生体内に挿入する時、シート53は軟質素材により構成されているため、折りたたまれ、不用意に侵入孔周囲の体組織を傷つけることはない。
【0079】その後、骨表面の腫瘍部を掻爬する。即ち、内視鏡100で観察しながら、内視鏡手術用ガイド具51のシート部53により形成される処置ポート55に掻爬可能な器材を挿入し、それを用いて体外へ腫瘍部を取出す。なお、吸引管で腫瘍を吸引できるのであれば、吸引してもよい。
【0080】掻爬することによって、骨表面に欠損部が出来たり、孔が空くことがあるが、必要であれば、図10に示すように、内視鏡手術用ガイド具51を欠損部もしくは孔に押し入れて処置してもよい。
【0081】ここで、処置ポート55内を通して器材を挿通させることによって、処置器材の挿通による体組織への不用意な損傷を防止することができる。また、内視鏡100は自由自在に湾曲可能であり、内視鏡手術用ガイド具51も適度に曲がる素材から構成されているため、骨内部の湾曲した部位にも挿入することが可能である。
【0082】十分に腫瘍の掻爬が完了したら、器具を処置ポート55から抜去して、次に、図9(b)に示すように、生体補填材注入具1を処置ポート55に挿入し、補填部位まで移動する。生体補填材注入具1は適度に曲がる構造を有しているため、処置して生体補填材を補填しなければならない部位が侵入経路よりも湾曲した位置であっても、その経路に追従して補填部位まで生体補填材注入具1の排出部5を、処置ポート55の先端より導出することができる。
【0083】最後に、生体補填材注入具の排出部から生体補填材料を外部へ排出して補填する。生体補填部材が確実に補填できたかどうかは、内視鏡100より観察することができる。
【0084】生体補填材の補填が終了したら、生体補填材注入具および内視鏡手術用ガイド具51を抜去し、小切開口を縫合して手術を終了する。
【0085】以上のように、本実施例によると、小さな切開口であっても、確実に生体補填材料1を処置部に補填することが可能である。また、湾曲した侵入経路であるにも関わらず、内視鏡100により生体補填材料が処置部に補填されたかどうかを容易に確認することができる。
【0086】本発明は、以下のような様々な態様がある。
1. 生体補填材料を収容する内腔を有する外管と、この外管の先端に取り付けられ、前記生体補填材料が排出される孔を有する、弾性材料からなる排出部と、前記内腔内の生体補填材料および/または前記排出部に外力を加える押出し手段とを備え、前記排出部の孔は、前記生体補填材料の径よりも小さい径を有するとともに、前記押外力により拡径し、それによって前記生体補填材料が前記孔から排出されることを特徴とする生体補填材注入具。
【0087】2.1において、前記排出部は、テーパ形状を有する。
【0088】3.1において、前記押出し手段は、外力を加えるためのハンドル部材と、このハンドル部材により加えられた外力を伝達するための伝達手段と、この伝達手段により伝達された外力を前記生体補填材料に伝達するための伝達板とを有し、前記伝達板により伝達された外力により前記生体補填材料が前記外管の内腔から前記排出部に移動するとともに前記排出部が変形し、前記生体補填材料が前記排出部の孔から排出される。
【0089】4.1において、前記押出し手段は、外力を加えるためのハンドル部材と、このハンドル部材により加えられた外力を前記排出部に伝達するための内管とを有し、前記内管により伝達された外力により前記排出部が変形するとともに、前記生体補填材料が前記外管の内腔から前記排出部に移動し、更に前記排出部の孔から排出される。
【0090】5.5において、前記生体補填材料を前記外管の内腔から前記排出部に移動し、更に前記排出部の孔から排出する手段を更に備える。
【0091】6.1において、前記外管および押出し手段は湾曲可能な材質からなる。
【0092】7.内視鏡を挿通する第1の内腔を有する管状部材と、両端辺が前記管状部材の外面に取りつけられて、請求項1に記載の生体補填材注入具を挿通する第2の内腔を形成する、軟質材料からなるシート状部材とを備え、前記生体補填材注入具による生体補填材料の補填が前記内視鏡により観察されることを特徴とする内視鏡手術用ガイド具。
【0093】8.前記第2の内腔は、手術用処置器具を挿通可能である。
【0094】9.前記管状部材およびシート状部材は、湾曲可能な材質からなる。
【0095】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の生体補填材注入具によると、排出部の孔が生体補填材料の径よりも小さい径を有するので、生体補填材注入具を湾曲させたとしても、生体補填材料が意図しない部位に漏れることが防止される。
【0096】また、本発明の内視鏡手術用ガイド具によると、生体補填材注入具と内視鏡を組み合わせることにより、生体補填材注入具による生体補填材料の補填を内視鏡により観察することが可能であるとともに、第2の内腔を形成するシート状部材が、軟質材料により構成されているので、必要に応じて、第2の内腔内に手術用処置機材や生体補填材注入具を挿通可能であり、これらの部材が挿通されない場合には、外力によって変形し、内腔を形成しない。即ち、シート状部材は、必要なときにのみ、手術用処置機材や生体補填材注入具を挿通する内腔を形成することが出来る。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成11年11月2日(1999.11.2)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2001−129003(P2001−129003A)
【公開日】 平成13年5月15日(2001.5.15)
【出願番号】 特願平11−312446