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【発明の名称】 骨補填材押し込め具
【発明者】 【氏名】岡部 洋

【氏名】小川 晶久

【氏名】増渕 良司

【氏名】入江 洋之

【氏名】河津 秀行

【氏名】袴塚 康治

【要約】 【課題】皮切の大きさ、骨補填材の打ち込み角度によらず、任意の方向に力を発生させ、骨補填材を欠損個所に押し込めることが可能な生体補填材注入具を提供すること。

【解決手段】補填部にセラミック系骨補填材料を押し込め、埋入させるために用いる骨補填材押し込め具において、前記骨補填材料に当接する先端部2と、この先端部2を突き出す、または振動させる力学的作用を前記先端部に及ぼす機構部3と、この機構部3を駆動させる駆動部4と、前記機構部3および駆動部4を外挿する、軟性チューブ5とを備えることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】補填部にセラミック系骨補填材料を押し込め、埋入させるために用いる骨補填材押し込め具において、前記骨補填材料に当接する先端部と、この先端部を突き出す、または振動させる力学的作用を前記先端部に及ぼす機構部と、この機構部を駆動させる駆動部と、前記機構部および駆動部を外挿する、軟性チューブとを備えることを特徴とする骨補填材押し込め具。
【請求項2】補填部にセラミック系骨補填材料を押し込め、埋入させるために用いる骨補填材押し込め具において、軟性チューブと、この軟性チューブの先端に取付けられ、前記骨補填材料に当接するバルーンと、前記軟性チューブを介して前記バルーンに流体を送り、前記バルーンを膨張させる手段と、前記軟性チューブの後端に取付けられ、前記バルーン内の圧力を検知する圧力センサとを備えることを特徴とする骨補填材押し込め具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、整形外科等の外科医療において、生体内に人工骨等の骨補填材を埋め込む際に使用される骨補填材押し込め具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生体内に骨補填材を埋め込む際に使用される骨補填材押し込め具として、実用新案登録第2535834号公報に開示されているものがある。この骨補填材押し込め具は、骨欠損部に埋め込む際に使用する人工骨用打ち込み棒であり、先端が樹脂製で、その先端部の縁に突起を設けたものであり、打ち込み時に人工骨を破壊したり、滑べらないような工夫がされている。
【0003】このような打ち込み棒に限らず、従来の人工骨用打ち込み棒はいずれも、硬性の把持部を突き押すことにより、骨補填材を生体内の補填部に打ち込むという機能を実現している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の人工骨用打ち込み棒は、硬性の把持部を突き押すことによりその機能を実現させていることに問題がある。即ち、骨補填材を打ち込みたい方向によって、器具をアプローチする位置が決定されるため、皮切位置や、皮切の大きさが器具によって大きく影響されてしまう。即ち、任意の方向に力を作用させて骨補填材を打ち込むことが出来なかった。
【0005】特に、長管骨の骨幹部の欠損個所に骨補填材を埋め込む場合、従来の人工骨用打ち込み棒を用いると、皮切の範囲が大きくなってしまう。
【0006】本発明は、このような事情の下になされ、皮切の大きさ、骨補填材の打ち込み角度によらず、任意の方向に力を発生させ、骨補填材を欠損個所に押し込めることが可能な骨補填材押し込め具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、第1の発明は、補填部にセラミック系骨補填材料を押し込め、埋入させるために用いる骨補填材押し込め具において、前記骨補填材料に当接する先端部と、この先端部を突き出す、または振動させる力学的作用を前記先端部に及ぼす機構部と、この機構部を駆動させる駆動部と、前記機構部および駆動部を外挿する、軟性チューブとを備えることを特徴とする骨補填材押し込め具を提供する。
【0008】かかる構成を有する骨補填材押し込め具によると、生体内に挿入される部分が軟性チューブにより構成されているため、自由度をもって生体内に挿入することが可能であり、また、先端部に及ぼす機構部および駆動部が共動して、突き出し、または振動の力学的作用を先端部に及ぼすことが可能である。
【0009】本発明の骨補填材押し込め具において、機構部を、先端部に対し固定されたラックと、このラックと噛み合うピニオンと、このピニオンを回転させるワイヤーと、このワイヤーを引張る付勢手段とにより構成することができる。このような構造の骨補填材押し込め具では、最小限の皮膚切開で骨補填材の押し込め作業を行うことが出来るとともに、軟性内視鏡のチャンネル孔を利用することにより、内視鏡で観察しつつ骨補填材の押し込め作業を行うことが可能である。
【0010】また、機構部を、先端部に取付けられたワイヤーと、このワイヤーに取付けられた引っ掛かり部材と、先端部を押す付勢手段とにより構成することが出来る。このような構造の骨補填材押し込め具では、非常に簡単な構造で上記と同様の効果を得ることが出来る。
【0011】また、機構部および駆動部は、前記先端部に振動を伝達する、先端接触面を有する少なくとも1つの伝達部と、この伝達部を振動させる振動子とから構成することが出来る。このような構造の骨補填材押し込め具では、骨補填材が粒子からなる場合に、粒状骨補填材を効果的に圧縮し、押し込めることが出来る。
【0012】第2の発明は、補填部にセラミック系骨補填材料を押し込め、埋入させるために用いる骨補填材押し込め具において、軟性チューブと、この軟性チューブの先端に取付けられ、前記骨補填材料に当接するバルーンと、前記軟性チューブを介して前記バルーンに流体を送り、前記バルーンを膨張させる手段と、前記軟性チューブの後端に取付けられ、前記バルーン内の圧力を検知する圧力センサとを備えることを特徴とする骨補填材押し込め具を提供する。
【0013】かかる構成を有する骨補填材押し込め具によると、生体内に挿入される部分が軟性チューブにより構成されているため、自由度をもって生体内に挿入することが可能であり、また、膨張力がコントロール可能なバルーンを先端部に用いているため、バルーンを縮めた状態で生体内に挿入することが出来るので、皮膚切開の範囲を小さくすることが可能である。
【0014】第2の発明の骨補填材押し込め具において、バルーンは、内圧調整機能を有するものとすることが出来る。このような構造の骨補填材押し込め具では、押し付ける圧力を検知する必要をなくすことが出来る。
【0015】なお、以上説明した骨補填材押し込め具において、軟性チューブを構成する材質としては、PTFE、PVC、PEI、Si(シリコン)、PU(ポリウレタン)、PE、FEP等を挙げることが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態としての種々の実施例について、図面を参照して説明する。
【0017】実施例1図1は、本発明の第1の実施例に係る骨補填材押し込め具の全体図、図2は先端部分の斜視図を示す。図1および図2に示すように、骨補填材押し込め具1は、先端部2と、この先端部2を突き出させる機構部3と、この機構部3を駆動する駆動部4と、これら機構部3及び駆動部4を外挿する軟性チューブ5とから構成されている。
【0018】先端部2は、一端に例えば球面状の先端突出部6と、他端にコの字型の支持部7とを有している。機構部3は、溝部8およびラック9を有する土台10と、ワイヤー係合用溝11を有するピニオン12と、ワイヤー13と、バネ14とから構成される。
【0019】また、駆動部4は、少なくとも1つ以上のレバー接合用溝15を有するフランジ16と、レバー17と、金属部18と、バネ19と、摺動部20とから構成される。
【0020】このような各構成部材からなる骨補填材押し込め具1において、先端部2とピニオン12、およびピニオン12とワイヤー13とは、それぞれ係合している。即ち、先端部2の他端にあるコの字型の支持部7に、ピニオン12の回転軸が係合しており、ピニオン12のワイヤー係合用溝11にワイヤー13が係合している。
【0021】また、摺動部20と金属部18、金属部18とレバー17、レバー17とフランジ18は、それぞれ係合しているとともに、摺動部20とフランジ18は、摺動可能に係合している。即ち、これら摺動部20、金属部18、レバー17、およびフランジ18は、4節リンク機構を構成している。
【0022】これに対し、軟性チューブ5と土台10、軟性チューブ5とフランジ16、土台10とバネ14、バネ14とワイヤー13、ワイヤー13と摺動部20、摺動部20とバネ19は、それぞれ固定されている。
【0023】次に、以上のように構成される骨補填材押し込め具の作用について、良性腫瘍で骨欠損部ができ、そこに骨補填材を補填する場合を例として説明する。
【0024】先端部2は、補填した骨補填材を圧入する突き当て面として作用する。機構部3と駆動部4は、先端部2を突き出させるもので、一対のレバー17をつかみ、平行になるように動かすと、レバー17は溝15を中心に回動し、金属部18をてことして摺動部20が上昇し、フランジ16から遠ざかる。摺動部20に固定されているワイヤー13がピニオン12を回転させ、それによってラック9を介して先端部2が突き出される。
【0025】一対のレバー17を開放すると、バネ19により付勢されている状態に戻り、先端部2が後退するとともに、摺動部20はフランジ16に引き込まれる。
【0026】なお、軟性チューブ5を用いることにより、体内に導入される位置に依存せずに、先端部2を目的位置に導くことが可能である。
【0027】このように、本実施例に係る骨補填材押し込め具によると、必要以上の皮膚切開を行わずに作業を行うことが出来るだけでなく、例えば軟性内視鏡のチャンネル孔を利用しての処置を行うことも可能となる。
【0028】実施例2図3は、本発明の第2の実施例に係る骨補填材押し込め具を示す全体図である。
【0029】図3に示すように、骨補填材押し込め具30は、先端部31と、この先端部31に取付けられたワイヤー32と、これらを収容する外挿用軟性チューブ33とから、主として構成される。
【0030】外挿用軟性チューブ33の一方の端部には、開口端部と有孔底部とを有し、先端部31を開口端部から突き出し可能に収容するとともに、有孔底部の孔をワイヤー32が挿通する土台34が取付けられている。また、先端部31の裏面と土台33の有孔底部との間にはバネ35が、先端部31の基部の周囲を巻回して配置されている。
【0031】外挿用軟性チューブ34の他方の端部には、軸方向に一定の距離で2つの穴36a,36bが形成された把持部37が取付けられている。ワイヤー32には、ボタン39を有する引っ掛かり部材40が取付けられている。
【0032】以上のように構成される骨補填材押し込め具を用いて、骨補填材を押し込めるに際しては、まず、先端部31から遠い側の穴36aに入っているボタン39を押し込むと、付勢されているバネ力が開放され、先端部31が土台34の開口端部から突き出される。このとき、ボタン39は、先端部31に遠い側の穴36bに入る。
【0033】先端部31を後退させ、土台34内に収容する場合は、穴36bに入っているボタン39を押し込みつつ、ワイヤー32を引張ると、バネ力に抗して先端部31が土台34内に入り、ボタン39は先端部31から遠い側の穴36aに入り、先端部31はバネ35を圧縮した状態で保持される。、本実施例に係る骨補填材押し込め具は、バネ力を直接的に利用する押し込め具であり、非常に簡単な構造を有するため、安価に製造出来る。また、バネ力を直接的に利用するのならば、図4に示すように、バネの付勢方向を逆にして、引っ掛かり部材をなくすノック式の構造も考えられる。
【0034】実施例3図5は、本発明の第3の実施例に係る骨補填材押し込め具の先端部分を示すr断面図である。図5に示すように、骨補填材押し込め具50は、先端部51と、それぞれ接点52を有し、先端部側に接点52が向くように直列に配列された複数個の伝達部53と、振動子54と、外挿用軟性チューブ55と、図示はしないが振動子54へエネルギーを供給するエネルギー供給装置とから構成される。
【0035】振動子54は、複数の伝達部53の最後のものの底面に当接しており、伝達部53の接点52は、順次、前の伝達部53の底面に当接しており、先頭の伝達部53の接点52は、先端部51の底面に当接している。
【0036】以上のように構成される骨補填材押し込め具を使用する場合、まず、エネルギー供給装置からエネルギーを振動子54に供給すると、振動子54は振動、例えば超音波振動を起こし、その振動を複数の伝達部53の最後のものに伝え、順次、前の伝達部53に振動を伝え、最後に先頭の伝達部53を通して先端部51に振動、例えば超音波振動が伝達される。
【0037】本実施例に係る骨補填材押し込め具によると、例えば補填すべき骨補填材が顆粒であるならば、振動を加えることでより圧縮することができる。また、図示はしないが、伝達部は振動伝達可能ならば適当なワイヤー単体におきかえることも可能である。
【0038】実施例4図6は、本発明の第4の実施例に係る骨補填材押し込め具の全体図を示す。
【0039】図6に示すように、骨補填材押し込め具60は、軟性チューブ61と、この軟性チューブ61の一方の端部に取り付けられたバルーン62と、軟性チューブ61の他方の端部に取り付けられた圧力センサー63と、図示しないが圧力センサー63に接続された圧力測定装置とから構成される。
【0040】以上のように構成される骨補填材押し込め具の使用に際しては、まず、縮めた状態のバルーン62を、骨補填材が補填された補填部に導入し、次いで、軟性チューブ61を介して空気又は液体を送ってバルーン62を膨らませ、骨補填材を押し込める。押し込む力は、圧力センサー63により検知され、制御される。
【0041】本実施例に係る骨補填材押し込め具によると、体内への挿入時、抜去時は、バルーンを縮めておけるので、皮切をより小さくすることができる。また、例えば、図7に示すように、長管骨71の骨幹部72に小さな孔73を設けて骨欠損部74に骨補填材75を補填する場合で、かつ骨欠損部74の大きさが予測可能な場合は、骨欠損部74の大きさに準じた形状のバルーン76の内圧測定を行うことの可能な装置75を設けることにより、骨補填材押し付ける圧力を検知する必要をなくすことが出来る。
【0042】本発明は、以下のような様々な態様がある。
【0043】1.補填部にセラミック系骨補填材料を押し込め、埋入させるために用いる骨補填材押し込め具において、前記骨補填材料に当接する先端部と、この先端部を突き出す、または振動させる力学的作用を前記先端部に及ぼす機構部と、この機構部を駆動させる駆動部と、前記機構部および駆動部を外挿する、軟性チューブとを備えることを特徴とする骨補填材押し込め具。
【0044】2.1において、機構部は、前記先端部に対し固定されたラックと、このラックと噛み合うピニオンと、このピニオンを回転させるワイヤーと、このワイヤーを引張る付勢手段とにより構成される。
【0045】3.1において、機構部は、前記先端部に取付けられたワイヤーと、このワイヤーに取付けられた引っ掛かり部材と、前記先端部を押す付勢手段とにより構成される。
【0046】4.1において、機構部および駆動部は、前記先端部に振動を伝達する、先端接触面を有する少なくとも1つの伝達部と、この伝達部を振動させる振動子とから構成される。
【0047】5.補填部にセラミック系骨補填材料を押し込め、埋入させるために用いる骨補填材押し込め具において、軟性チューブと、この軟性チューブの先端に取付けられ、前記骨補填材料に当接するバルーンと、前記軟性チューブを介して前記バルーンに流体を送り、前記バルーンを膨張させる手段と、前記軟性チューブの後端に取付けられ、前記バルーン内の圧力を検知する圧力センサとを備えることを特徴とする骨補填材押し込め具。
【0048】6.5において、前記バルーンは、内圧調整機能を有する。
【0049】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によると、皮切の大きさ、骨補填材の打ち込み角度によらず、任意の方向に力を発生させ、骨補填材を欠損個所に押し込めることが可能な骨補填材押し込め具を提供することが出来る。その結果、骨補填材の押し込めに際し、人体への侵襲を小さくすることが出来るうえに、さらに低侵襲な内視鏡下外科手術などへの応用も期待することができる。
【0050】特に、第1の発明に係る骨補填材押し込め具によると、生体内に挿入される部分が軟性チューブにより構成されているため、自由度をもって生体内に挿入することが可能であり、また、先端部に及ぼす機構部および駆動部が共動して、突き出し、または振動の力学的作用を先端部に及ぼすことが可能である。
【0051】また、第2の発明に係る骨補填材押し込め具によると、生体内に挿入される部分が軟性チューブにより構成されているため、自由度をもって生体内に挿入することが可能であり、また、膨張力がコントロール可能なバルーンを先端部に用いているため、バルーンを縮めた状態で生体内に挿入することが出来るので、皮膚切開の範囲を小さくすることが可能である。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成11年11月2日(1999.11.2)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2001−129002(P2001−129002A)
【公開日】 平成13年5月15日(2001.5.15)
【出願番号】 特願平11−312445