| 【発明の名称】 |
単フィラメント繊維を用いた管状移植片 |
| 【発明者】 |
【氏名】トレヴァー グリーナン
【氏名】ハワード レオンハルト
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| 【要約】 |
【課題】半径方向に圧縮することができ、より小径のデリバリーカテーテルから所定位置に供給できる一方、充分な強度、耐久性および低い透過性を有する材料でできた管腔内移植片を提供すること。
【解決手段】上記課題は、人間の身体内で使用するための脈管移植片10であって、相互に織られた単フィラメント繊維で構成される移植片材料を具備し、移植片材料は約5%以下の開放面積パーセントを有する脈管移植片によって達成される。移植片は、配置される際および移植されている間に加わる負荷に耐えるための充分な強度および耐久性を有し、動脈瘤の加圧を防止するように材料を通る体液の過剰な漏出を防止し、また、充分な密封性を与えるために充分に低い透過性を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 人間の身体内で使用するための脈管移植片であって、相互に織られた単フィラメント繊維で構成される移植片材料を具備し、該移植片材料は約5%以下の開放面積パーセントを有する脈管移植片。 【請求項2】 請求項1に記載の脈管移植片であって、前記移植片材料は約2300 ml/cm2/min以下の水透過性を有する脈管移植片。 【請求項3】 請求項1に記載の脈管移植片であって、前記移植片材料は約600 ml/cm2/min以下の水透過性を有する脈管移植片。 【請求項4】 請求項1に記載の脈管移植片であって、前記移植片材料は約11ミクロン以下の平均孔サイズを有する脈管移植片。 【請求項5】 請求項1に記載の脈管移植片であって、前記移植片材料は約80ミクロン以下の実質的に均一な壁厚を有する脈管移植片。 【請求項6】 請求項1に記載の脈管移植片であって、前記移植片材料は約5ミクロン未満の平均孔サイズを有する脈管移植片。 【請求項7】 請求項1に記載の脈管移植片であって、前記移植片材料は少なくとも44ポンド/インチの引張り強度を有する脈管移植片。 【請求項8】 請求項1に記載の脈管移植片であって、前記移植片材料は約60ミクロン以下の壁厚を有する脈管移植片。 【請求項9】 請求項1に記載の脈管移植片であって、前記移植片材料は、該移植片材料を加圧および加熱することにより処理される脈管移植片。 【請求項10】 請求項1に記載の脈管移植片であって、前記単フィラメント移植片材料は、近位端開口を有する近位端部および遠位端開口を有する遠位端部を有し、前記開口および前記移植片材料は、ルーメンを通る体液流れのためのルーメンを形成する脈管移植片。 【請求項11】 請求項10に記載の脈管移植片であって、前記移植片材料は動脈瘤排除装置であり、前記移植片材料は、動脈瘤を覆って配置されたときに動脈瘤を実質的に血流から排除するように、充分に低い透過性を有する脈管移植片。 【請求項12】 管腔内補綴物であって、単フィラメント移植片材料、近位端開口を有する遠位端部、および近位端開口を有する遠位端部を含み、前記開口および前記移植片材料がルーメンを通る体液流のためのルーメンを形成する管状移植片を具備し、前記移植片材料は、前記ルーメンがその中を通って流れる体液に対して実質的に耐漏出性であるように、体液に対する充分に低い透過性を有する管腔内補綴物。 【請求項13】 請求項12に記載の管腔内補綴物であって、前記管腔内補綴物は更に、前記近位端部および遠位端部を体腔内壁に係合させるための拡張可能な環状支持手段を具備する管腔内補綴物。 【請求項14】 請求項12に記載の管腔内補綴物であって、前記移植片材料は、約11ミクロン以下の平均孔サイズを有する管腔内補綴物。 【請求項15】 請求項12に記載の管腔内補綴物であって、前記移植片材料は約1%以下の開放面積パーセントを有する管腔内補綴物。 【請求項16】 請求項12に記載の管腔内補綴物であって、前記移植片材料は約80ミクロン以下の実質的に均一な壁厚を有する管腔内補綴物。 【請求項17】 請求項12に記載の管腔内補綴物であって、前記移植片材料は被覆ステントである管腔内補綴物。 【請求項18】 請求項12に記載の管腔内補綴物であって、前記移植片材料は動脈瘤排除装置であり、前記支持手段は半径方向外方に付勢されたバネ手段を具備する管腔内補綴物。 【請求項19】 請求項13に記載の管腔内補綴物であって、前記近位端部は幹部分を具備し、前記遠位端部は少なくとも二つの枝部に分岐し、前記少なくとも二つの枝部の夫々は遠位端開口を有し、前記幹部および前記枝部は、前記少なくとも二つの枝部の前記遠位端開口を通る前記近位端開口からの体液流のためのルーメンを形成し;また前記環状支持手段は、前記移植片の近位端部および遠位端部を体腔の内壁に係合させるために、半径方向外方に付勢された拡張可能な環状バネ手段を具備する管腔内補綴物。 【請求項20】 管腔内補綴物であって、単フィラメント移植片材料、近位端開口を有する近位端部、および遠位端開口を有する遠位端部を含み、前記開口および前記移植片材料はルーメンを通る体液流れのためのルーメンを形成する管状移植片と、前記移植片の基端部および先端部を体腔の内壁に係合させるための、半径方向外方に付勢された拡張可能な環状バネ手段とを具備し、前記移植片材料は、約11ミクロン以下の平均孔サイズおよび約5%以下の開放面積パーセント有する管腔内補綴物。 【請求項21】 請求項20に記載の管腔内移植片であって、前記移植片材料は約80ミクロン以下の実質的に均一な壁厚を有する管腔内移植片。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えばステント移植片および動脈瘤排除装置を含む、移植片および管腔内補綴物のような管状補綴物、および、このような移植片および管腔内構造物を配置するための方法に関する。特に、本発明は、体腔内にまたは体腔の代わりに配置される単フィラメント繊維で構成された移植片、例えば血管と置換される血管移植片、血管を開通させまたは支持する装置、腹部および他の動脈瘤を治療するための装置を含む移植片または補綴装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、「管腔内補綴物」を使用して広範囲の医学的治療法が開発されてきたが、この用語は、体内に存在していた管腔および人工的に作られた管腔を含む体腔内に、一時的または永久的に移植できるように構成された医療用装置を意味するものである。管腔内補綴物が移植される体腔は、例えば、冠状血管系、腸間膜血管系、末梢血管系、または脳血管系内の動脈;静脈;胃腸管;胆管;尿道;気管;肝シャント;ファローピウス管を含むが、これらに限定されるものではない。種々のタイプの管腔内補綴物が開発されており、夫々が標的管腔壁の機械的構造を変化させるために有益な独特の構造を提供する。 【0003】また、血管の一部を置換し、補足し、または排除するための多くの血管移植片が開発されている。これら血管移植片には管腔内血管補綴物が含まれるが、これに限定されるものではない。 【0004】移植材料は、血管移植片および/または管腔内補綴物を含む多くの医学的用途に使用されてきた。他の用途でも特に、血管を修復または置換するための管状血管補綴物において移植材料が使用されてきた。また、それらは動脈瘤を排除して血流のための補綴内腔を提供するために使用される腹部大動脈瘤(「AAA」)装置のような動脈瘤排除装置にも使用されてきた。更なる用途には、身体内の種々の管腔を形成する壁組織に対して人工的な放射状支持体を提供するために使用される、被覆ステントのようなステント移植片が含まれる。このような被覆ステントは、就中、血栓形成環境が提示する問題に対処し、或いは傷になり易い血管壁組織の治癒を促進する試みに用いられてきた。これらの試みには、移植されたステントに関連したライニングまたは被覆を提供することが含まれる。典型的には、これらに使用される移植材料には、多重フィラメントの織ったポリマー材料およびポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」)が含まれる。このステント移植片は、支持構造体の内径または外径上に移植材料を有していてもよい。 【0005】管腔内移植片または血管移植片のこれら用途のうちで、極めて重要な一つの用途は動脈瘤の治療におけるものである。 【0006】動脈瘤は血管の異常な拡張の結果であり、通常は、動脈壁を弱めて膨張させる病気または遺伝的疾病素因によるものである。動脈瘤は如何なる血管にも生じ得るが、大動脈および末梢動脈で最も生じ易く、動脈瘤の大部分は腹部大動脈に発生する。典型的には、腹部動脈瘤は腎動脈よりも下で始まり、腸骨動脈の一方または両方に延びる。 【0007】動脈瘤、特に腹部大動脈の動脈瘤は、最も普通には開腹手術で治療されており、この場合には患部血管領域がバイパスされ、人工血管移植片で修復される。致命的な腹部大動脈破裂の代償であることを考慮すれば、外科的技術は効果的であると考えられるが、開腹外科技術には多くの欠点が伴う。この外科的処置は複雑であり、また重篤な合併症および長い回復期間のために長期入院を必要とし、また死亡率も高い。 【0008】死亡率、合併症および入院期間を減らすために、低侵襲性の装置および技術が開発されてきた。この改良された装置には、動脈瘤部位への血流を排除しながら、血流のための管腔を提供する管状補綴物が含まれる。この補綴物は、典型的には、動脈瘤部位の上下の血管壁に固定される管状の多重フィラメント織布移植材料でできており、その少なくとも一方は、補綴材が体腔の内腔壁に係合するように、充分な半径方向の力を与える拡張可能なリング部材に固定される。血管壁に係合させるための他の機構、例えば拡張性部材または血管壁を穿刺するフック状部材も用いられてきた。 【0009】ステント移植片と呼んできたが、これらの装置は、本来の開通していた血管を機械的に支持するために使用されるものでない点において、被覆ステントとは異なる。むしろ、これらは、既に異常に拡張した本来の血管を更に開くことなく、人工の管腔を血管壁に固定するために使用される。 【0010】これらの動脈瘤排除装置は、好ましくは、補綴物を適切な位置に供給して配置するために使用されるカテーテルに取付けられる。これは、幾つかの方法のうちの一つで実施される。最も頻繁には、外科的切開を行って大腿腸骨動脈にアクセスする。次いで、カテーテルを動脈に挿入し、蛍光撮像を使用しながら動脈瘤部位に案内し、そこでこの装置がカテーテルから解放される。拡張可能なリングを使用する場合、移植片を支持する該リングは半径方向外側に付勢され、次いで拡大して血管内補綴物を血管壁に係合させることにより、血流のための人工的な管腔を作り出す。使用される頻度は少ないが、もう一つの技術は、カテーテルを送給するために皮下的に、即ち外科的切開を伴わずに血管にアクセスすることを含む。 【0011】多重(マルチ)フィラメント繊維がAAA装置に使用されてきたが、その主な理由は、それが補綴物に要求される相対的な強度および耐久性を与えると考えられたからであり、単(モノ)フィラメント繊維に基づく移植片は、耐漏れ性が不充分であるとの理由で回避されてきた。典型的には、織られた多重フィラメント移植片材料は、約25〜100の繊維からなるヤーンでできている。ヤーンの選択によって、得られる機械的性質、例えば伸び率、疲労強度、破壊強度、および水または他の流体に対する透過性が指定される。これらの材料を使用することの一つの欠点は、多重フィラメント繊維は嵩を増大させ、また、相対的に嵩張る移植片は、現代の低プロファイルの血管内技術を使用したデリバリーをより困難にすることである。もう一つの欠点は、それらが、織りプロセスの際に生じる著しい数の亀裂またはほつれ、および欠陥を伴わずにファブリックに織ることができないことである。これらの亀裂、ほつれおよび欠陥は、織られた移植片材料をより厚くする傾向があり、また組織の免疫応答を増大させる可能性がある。低プロファイルの多重フィラメント織布材料は、それを使用する移植片に充分な強度を提供していない。 【0012】現在使用されている装置の一つの欠点は、半径方向に圧縮されたときに理想的な大きさよりも大きく、従ってデリバリーのためにより大きな直径のカテーテルを必要とすることである。これは、当該部位へのカテーテルのアクセス、並びに曲がりくねった狭い患部血管を通して操作するのを困難にし、また幾つかの処置については、それについての適格性から或る患者を排除する可能性がある。最近のAAA装置においては、導入システムの全体の外径は比較的大きく、略20〜24フレンチである。より小さい導入体を提供することは、特に、より小さい血管径を有する患者の治療を可能にし、より迅速なデリバリーを提供する。 【0013】従って、半径方向に圧縮することができ、より小径のデリバリーカテーテルから所定位置に供給できる一方、充分な強度、耐久性および低い透過性を有する材料でできた管腔内移植片を提供することが望ましい。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明は、比較的小さいつぶれプロファイルを有する移植片材料でできた、改良型管腔内補綴物を提供する。特に、本発明は、多重フィレメント繊維の繊維束の代わりに、単(モノ)フィラメント繊維で作られた管腔内移植片装置を提供する。従って、本発明は、同等の強度をもったより低容積の構造体を提供する。更に、この移植片材料は、透過性が低い薄い移植片材料を提供するために、充分に小さい孔サイズおよび充分に低い開放面積を有する細かく織られた単フィラメント繊維を具備する。この単フィラメント繊維は、より密に充填された材料およびより小さい孔サイズを提供するように、当該技術で一般に知られている多くの方法で織ることができる。一つの好ましい実施例において、この材料はポリエステル織物である。単フィラメント繊維は、よりコンパクトで且つより強い材料を与えるように成形すればよい。例えば、この繊維は円形または楕円形の形状とすることができる。 【0015】この移植片材料は、過剰な漏れを回避し、動脈瘤の加圧を防止し、および/またはシールを形成するように、透過性が充分に低い。補綴物によって隔離された動脈瘤部位の中への血液または他の体液の幾らかの漏れは生じるかもしれないが、移植片材料は動脈瘤の加圧を防止して、動脈瘤の破裂を防止する。動脈瘤部位への過剰な漏出を防止することによって、動脈瘤が加圧される機会は著しく減少すると考えられる。換言すれば、血液の流れを通る血流から動脈瘤を隔離することにより、動脈瘤の破裂は防止される。移植片の透過性は、部分的には、移植片材料を通して過剰なまたは臨床的に望ましくない漏出が生じるかどうかを決定する。好ましくは、移植片の透水性は約2300 ml/cm2/min以下、最も好ましくは約600ml/cm2/min以下である。 【0016】移植片を構成する際のもう一つの重要なパラメータは、材料の厚さである。材料の厚さは充分に薄く、管腔内移植片を血管内に配置できるように、充分に小さいプロファイルに潰れることを可能にする。従って、該移植片は、小径のカテーテルの中に圧縮され得るように薄肉であるが、管状の形態のときには強く且つ耐漏出性を有する液体導管として作用することができる。AAA装置の実施例において、本発明は、より小さなフレンチサイズの導入体システム、即ち、18フレンチ以下のサイズの導入体システムを可能にする。好ましくは、肉厚は80ミクロン以下である。 【0017】この材料の強度は、それが配備される間に加わる負荷、および合理的な期間に亘る身体内での周期的な負荷に耐えることを可能にする。管状支持体構造またはステントを使用する場合、該管腔内移植片は、管状支持構造体またはステントの取付けを可能にする充分な強度を提供しなければならない。 【0018】好ましくは、当該移植片材料は11ミクロン以下の孔サイズ、約5%以下の開放面積パーセント、および/または1インチ当たり約44ポンドの引張り強度を有し、最も好ましくは、約5ミクロン以下の孔サイズ、約1%以下の開放面積パーセント、および/または1インチ当たり約65ポンドの引張り強度を有する。適切な材料はポリエステルであろう。 【0019】本発明の好ましい実施例は、血管を含む体腔内での管腔内配置、並びに腹部動脈瘤および他の動脈瘤を治療するための単フィラメント構成の管状移植片に関する。この実施例の管状移植片は、半径方向に圧縮可能な環状バネ部分を含み、これは、移植片が解放されたときに移植片の近位端部および遠位端部を付勢して、これを血管の内表面に従って係合および固定する。 【0020】一つの実施例では、配備手段によって患部血管内の動脈瘤位置に配置することができる移植片装置を特徴とした動脈瘤修復システムを提供する。この移植片装置は、流体を導くための、単フィラメント繊維で形成された管状移植片を含む。該移植片装置は直線状の単一肢の移植片であってもよく、或いは、移植片接合部で一対の側方肢(即ち、同側肢および反対側肢)と接合した幹部を有する、略Y形状の二叉移植片の形態であってもよい。好ましくは、配備されたときに共通の腸骨の中に伸びるように、同側肢の方が長い。二又移植片の側方肢と結合するための合体部と、該合体部の先端から同軸に伸びる調節可能な長さ部分とを有する単一肢の延長移植片が設けられる。 【0021】この移植片装置は、関連の移植片肢または肢部分の遠位端部および近位端部を半径方向外方に付勢して、これを血管の内面に従って固定係合させるための、少なくとも二つの同軸の離間した環状部分を有する半径方向に圧縮可能なバネ手段を含んでいる。この環状部分は、好ましくはニチノールで構成される。このようなバネ手段は、例えば、本明細書の一部をなす参照として本願に援用される米国特許第5,731,917号明細書および同第5,824,041号明細書に記載されている。 【0022】この延長移植片においては、同様の付勢目的のために、調節可能な長さ部分の先端に環状バネ部分が配置されている。延長移植片の近位端部は、反対側肢の内部ルーメンに係合するためのバネ手段を含んでいる。 【0023】該バネ部材は、例えば、環状部分を管状移植片の内側または外側に縫い付ける等の種々の手段によって移植片に取り付ければよい。 【0024】この装置を配備するための種々の手段は当該技術分野において周知であり、例えば、本明細書の一部をなす参照として本願に援用する米国特許第5,731,917号明細書および同第5,824,041号明細書に記載されている。一般に、当該移植片は半径方向に圧縮され、カテーテルの中に取付けられる。蛍光透視技術のような撮像技術を使用して動脈瘤の部位がつきとめられ、またガイドワイヤを使用して、大腿腸骨動脈を通して動脈瘤部位へと案内される。適切に配置されたら、この環状移植片を覆っているカテーテル上のシースを抜取り、環状バネ部材を拡張させて、管状移植片を体腔の内壁に取り付け即ち係合させる。 【0025】 【発明の実施の形態】好ましい実施例において、単フィラメント移植片材料は、材料を単一の管状構造に縫うことによって血管移植片に製造される。縫目は5〜0サイズの縫合材(Ethibond PN 8890H)を用いて、ロッキングステッチで縫われる。次いで、図1および図2を参照して実施例に関して説明するように、環状のニチノール支持構造体が移植片材料の中に縫い込まれる。 【0026】孔サイズ、開放空間パーセント、透水性、肉厚、張力、およびステッチ当たりの強度のような特性基準に基づいて、特定の移植片材料が選択される。 【0027】これらの選択基準に基づく適切な材料の二つの例を以下に説明する。 【0028】実施例1Tetko社(現在のSafarAmerica社)が製造したMedifab(登録商標)7-11/5材料を、これらのパラメータに基づいて選択した。この材料の仕様は、11ミクロンの孔サイズおよび5%の開放面積を与えている。孔サイズおよび開放面積を測定する一つの方法は、走査型電子顕微鏡(SEM)のような適切な装置上で、移植片材料の画像を撮ることによるものである。繊維の幅の測定が行なわれる。次いで、メッシュの開放面積が夫々の方向で測定され、全移植片面積および開放面積パーセントに基づいて孔サイズを決定するために使用される。約60ミクロンの特定の製品厚さは、略正しいことが確認された。また、約45ポンド/インチの引っ張り強度および13ポンド/インチを越えるの縫目強度も測定され、この場合の縫目ステッチは1インチ当たり19ステッチの平均比率であった。 【0029】当該材料の透水性は、略2100〜2300 ml/cm2/minと測定された。透過性試験は、サンプルを含む円形孔(1〜0.5 cm2)に濾過水を120 mml/gで供給し、流れを回収することにより測定した。透過性は次の式から計算した:透水性=Q/A(ここで、QはmL/minで表したサンプルを通過する流速であり、Aはcm2で表した孔の断面積である)。この試験は、ANSI/AAMI VP20-1994第8.2.2章「水透過性の決定方法」に基づいている。この試験プロトコールに対する幾つかの例外は、「試験面積の六つの直径の試験サンプルからの距離内で、流路の直径に曲げまたは変化が存在しない」という明細に合致しなかったことである。また、幾つかの試験は60秒ではなく、30秒で実施された。 【0030】この材料は、約38ミクロンの直径を有する繊維を使用して、2/2綾織りを用いて織られた。この移植片を実験動物に移植して、過剰な漏出がないことが分かった。 【0031】また、融点未満に加熱して加圧するカレンダプロセスで処理したときに、この材料は少なくとも48ポンド/インチの強度および少なくとも同等以下の透過性を有することが分かった。カレンダ加工は、材料の厚さを約60ミクロンから約40ミクロンに減少させた。即ち、材料の厚さを約30%減少させた。このプロセスを、当該材料の透過性を小さくするために使用してもよい。 【0032】実施例2Tetko社(現在のSafarAmerica社)が製造したMedifab(登録商標)7-11/5材料を、上記のパラメータに基づいて選択した。この材料の仕様は、5ミクロンの孔サイズおよび1%の開放面積を与えている。特定された製品厚さは約80ミクロンである。また、約68ポンド/インチの引っ張り強度および35ポンド/インチを越える縫目強度も測定され、この場合の縫目ステッチは1インチ当たり19ステッチの平均比率であった。この材料の水透過性は、略400〜600 ml/cm2/minと測定された。この材料は、約34ミクロンの直径を有する繊維を用い、4/4綾織りを用いて織られた。この移植片を実験動物に移植して、過剰な漏出がないことが分かった。 【0033】図1を参照すると、動脈瘤排除装置と共に使用されている本発明の単(モノ)フィラメント移植片が図示されている。 【0034】腹部大動脈の中に配置された装置が示されている。大動脈10は、大動脈/腎接合部16において腎動脈12および14に連結されている。大動脈/腎接合部の直下に動脈瘤18、即ち、血管壁が弱く且つ膨張した患部領域がある。動脈瘤の領域を通る流体導管として作用することにより、弱くなった血管壁に対する血流の圧力を緩和する目的で、動脈瘤18の領域には細長い単一肢の管状補綴物20が配置されている。その配置条件において、補綴物20は、大動脈10を通って血流の方向に伸びる中心長手軸22を形成している。 【0035】補綴物20は、補綴物の近位端部28および遠位端部30を付勢して大動脈10の内表面に従って固定係合させるために、半径方向に圧縮可能なバネ手段26を包み込んだ移植片材料24を備えている。 【0036】移植片材料24は、ポリエステルのような単フィラメントから織られた、生体適合性で且つ多孔度が低いファブリックである。移植片24は、小径のカテーテルの中に圧縮され得るように薄肉であるが、管状の形態にあるときには強い耐漏出性の流体導管として作用することができる。単フィラメント繊維は、移植片材料24を形成するように相互に織られる。図示のように、移植片材料24は管に形成される。 【0037】皺および襞の発生を低減して、異なるサイズの広範囲の血管内に移植片を適合させるための方法として、近位端部28と遠位端部30の間の補綴物20の中間部分29は、例えば長手方向の移植片材料24の少なくとも一つのストリップを排除し、生じたギャップを縫い合わせることによって、流体導入断面積が両端28、30に対して小さくなるようにテーパしている。 【0038】移植片材料24内には、近位端バネ部分34および遠位端バネ部分36を有するニチノール製のワイヤバネが封入されている。或いは、バネ部分が腎動脈12,14を覆って配置される場合に、動脈12,14を通る血流がブロックされないように、近位端バネ部分34は、移植片材料の近位端に非被覆部分または開放エリアを有していてもよい。バネ部分34および36は、移植片の端部28および30で移植片材料24を付勢して、これを動脈瘤18の上下の大動脈内表面に従って固定係合させるのに充分な、半径方向外方の力を働かせるように設計される。バネを形成するために使用されるニチノール製ワイヤは超弾性状態にあり、生体適合性を改善してニッケルに対するアレルギー反応を低減し、且つX線不透過性を増大させるために酸化チタンでコーティングしてもよい。この技術において一般に知られている他のコーティングを使用して、血液凝固およびワイヤによる負傷の危険を低下させてもよい。バネ部分34および36は夫々、丸みを帯びた交互のクレスト40およびトラフ42により接続された直線スポーク38のサイン曲線状ワイヤパターンを、中心軸22の回りに回転させて連続的な環状バネ部分を与えることにより形成される。好ましいバネ部分は、予め定められた半径に形成された五つの等間隔のクレスト40および五つの等間隔のトラフ42を含み、より良いバネ特性を生じ且つワイヤにおける鋭い移行部分を回避する(鋭い移行部分は欠損を起こし易い)。同軸的に離間されたバネ部分34および36は、少なくとも一つの直線的な接続バー44によって接続され、該バーは血流の乱れを最小にするために、好ましくは中心軸22に対して一般に平行に伸びている。接続バー44は移植片20のための捻れ安定性を与えるが、これはバネ部分34および36に溶接してもよく、または小さな緊密に固定されたスリーブ(図示せず)によりこれに固定してもよい。 【0039】ワイヤバネは、ポリエステル縫合糸を使用して移植片材料24の内部に縫い込まれる。好ましいステッチパターンは、ワイヤの両側に沿って伸びる一般に平行な二つのステッチと、該平行なステッチを一緒に引っ張ってワイヤバネに対する移植片材料24の緊密な取付けを達成するための、前記ワイヤ回りの交差ステッチとを含んでいる。この取り付け方法は、ワイヤバネと血管内表面との間の接触を実質的に防止し、且つ経時的な信頼性を有している。本発明に従えば、移植片の端部28および30に、半径方向に膨張可能な複数のフィンガー部分46を形成するために、基端バネ部34のクレスト40と先端バネ部36との間で移植片24を切り欠いてもよい。重要なこととして、フィンガー部の間の間隙は血流を阻止しないように腎動脈12および14に整列され得るから、フィンガー部分46は、近位端部28を大動脈/腎接合部に比較的近接させて移植片20を配置することを可能にする。補綴物20のシース内へのロード挿入を容易にするために、フィンガー部46を半径方向に圧縮して円錐形のチップに近似させてもよい。 【0040】補綴物20は、これをカテーテルの中にロードし、該カテーテルを介して、外科的にアクセスされる大腿動脈を通して所望の配備部位へと供給すればよい。これらおよび適切なデリバリー方法および装置は当該技術において一般的に公知であり、補綴物を所定部位に供給するために使用することができる。このような技術の一例は、米国特許第5,713,917号明細書に記載されており、この特許は本明細書の一部をなす参照として本願に援用される。 【0041】腸骨血管11および13の一方または両方の関与が示される場合に使用するための、図2に示した二叉補綴物60もまた本発明の範囲内にある。補綴物60はY字形状であり、大動脈10内に配置するための主肢62を含んでおり、また移植片接合部63において、同側腸骨血管11内に配置するための同側肢64に接合され、反対側の腸骨血管13内に配置するための反対側肢66に接合されている。二叉補綴物60の夫々の肢は、一般に、構成において単一肢補綴材20と同様である。それらは単一フィラメント繊維の移植片材料24でできている。夫々の肢の近位端および遠位端は、これらに結合された環状バネ部分により付勢されて、対応する血管の内部表面に従って固定係合され、また夫々の肢の中央部分は好ましくはテーパしている。第一のニチノールワイヤ製バネは、移植片材料24内に封入されてその内部に縫い付けられており、主肢62の近位端に関連する近位端バネ部分68A、主肢62の遠位端に関連する遠位端バネ部分68B、および軸線方向に伸びて近位端および遠位端バネ部分を一緒に結合する接続バー68Cを含んでいる。同様に、近位端バネ部分70A、遠位端バネ部分70Bおよび軸線方向に伸びる接続バー70Cを有する第二のニチノールワイヤ製バネが、同側肢64内に縫い込まれている。また、近位端バネ部分72A、遠位端バネ部分72Bおよび軸線方向に伸びる接続バー72Cを有する第三のニチノールワイヤ製バネが、反対側肢66内に縫い込まれている。二叉移植片60の末端、即ち、主肢62の近位端および側方肢64,66の遠位端には、上記で説明した半径方向に膨張可能なフィンガー部46が設けられている。補綴物60を配置するために同側大腿動脈を通して導入する場合、遠位端バネ部分72Bは保持リング79によって半径方向に圧縮された状態に保持されるが、該リングは、先端バネ部72Bが反対側腸骨血管13内に適正に配置される前に早く開いてしまうのを防止するために、財布の紐タイプの結び目を使用して、端部と端部を結んでループを形成する単純な長い縫合糸材料であればよい。同様に、反対側大腿動脈を通して導入される場合、遠位端バネ部分70Bには保持リング79を設けて、遠位端バネ部702Bが同側腸骨血管13内に適正に配置される前に早く開いてしまうのを防止すればよい。 【0042】この詳細な説明は、特定の好ましい実施例を記載したが、請求項に記載の発明はこの特定の実施例に制限されないことが理解されるべきである。本発明は、単フィラメント材料が使用される他の種々血管移植片または管腔内補綴物、例えば、強制的に拡張される冠動脈および末梢ステントまたはステント移植片、被覆移植片、血管移植片および他の動脈瘤排除装置を想定している。種々の実施例装置上の拡張可能な支持構造体は、例えば、自己拡張性、バルーン拡張性、または強制的に拡張されるものであることができる。移植片材料に織ることができる他のポリマーを含めて、フィラメント繊維に形成された生体適合性の他の材料も想定される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500451344 【氏名又は名称】ワールド メディカル マニュファクチュアリング コーポレイション
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| 【出願日】 |
平成12年9月27日(2000.9.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059959 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 稔 (外9名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−129001(P2001−129001A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月15日(2001.5.15) |
| 【出願番号】 |
特願2000−293590(P2000−293590) |
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