| 【発明の名称】 |
発熱袋用包装材、その製造方法、及びそれを用いた発熱袋 |
| 【発明者】 |
【氏名】大塚 健二
【氏名】我妻 直人
【氏名】松本 喜基
【氏名】越智 幸史
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| 【要約】 |
【課題】所望量の抗菌剤が均一に付与された発熱袋用包装材、及び包装材に所望量の抗菌剤を均一に付与することができる発熱袋用包装材の製造方法、さらに所望量の抗菌剤が均一に付与された包装材を用いた発熱袋を提供する。
【解決手段】抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなる包装材とする。包装材に抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を含有させた後、紫外線を照射して、包装材に含まれる蛍光剤とともに抗菌剤の分散状態、含有量を把握し、抗菌剤の包装材への付与を制御する。また、発熱袋の少なくとも一部の包装材に、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなる包装材を用いた発熱袋とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が通気性の袋に収納されてなる発熱袋に用いられる包装材であって、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなることを特徴とする発熱袋用包装材。 【請求項2】 包装材が通気性である請求項1に記載の発熱袋用包装材。 【請求項3】 包装材が、不織布、織布、フィルム、紙またはこれらの2種類以上の貼り合せ包材である請求項2に記載の発熱袋用包装材。 【請求項4】 抗菌剤がJIS L1902に基く定量試験方法の静菌活性値で2.2以上、かつ、蛍光剤が出力5wの紫外線を10cmの距離から垂直に照射したときの輝度で0.001cd/m2以上となるような割合で含有されてなる請求項1に記載の発熱袋用包装材。 【請求項5】 空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が通気性の袋に収納されてなる発熱袋に用いられる包装材の製造方法であって、包装材に抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を含有させた後、紫外線を照射して、該包装材に含まれる蛍光剤の分散状態及び/または蛍光強度の測定を行なうことにより、抗菌剤の分散状態及び/または含有量を把握し、抗菌剤の該包装材への付与を制御することを特徴とする発熱袋用包装材の製造方法。 【請求項6】 空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が通気性の袋に収納されてなる発熱袋であって、該発熱袋の少なくとも一部の包装材が、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなる包装材であることを特徴とする発熱袋。 【請求項7】 形状が偏平状である請求項6に記載の発熱袋。 【請求項8】 片面または両面の包装材が、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなる通気性の包装材である請求項7に記載の発熱袋。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性を有する発熱袋用包装材、その製造方法、及び抗菌性を有する包装材を用いた発熱袋に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から鉄粉等の被酸化性金属、活性炭、無機電解質、水を主成分とし、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物を通気性の袋に収納した発熱袋がかいろ等として広く利用されている。これらの発熱袋の一般的な構造としては、通気性の袋に、空気中の酸素と接触して発熱する被酸化性金属粉末と、活性炭、無機電解質、水等を混合した発熱組成物が収納されており、さらに使用される迄の期間中、外部の空気と遮断し、かつ水分が外部へ拡散することを防ぐために、前記の発熱袋が非通気性の外袋に密封されている。 【0003】上記のような発熱袋をかいろとして装着した場合、発熱袋に含まれる水分と発熱組成物の発熱により、冬でも細菌や黴が繁殖しやすい条件となり、悪臭を生じる虞もあるため、従来より抗菌性が付与された包装材を用いた発熱袋が使用されている。抗菌性を付与する方法としては、通常は発熱袋の包装材となる不織布やフィルムを製造する際に、それらに抗菌剤を練り込む方法や、不織布、フィルム、その他の包装材に抗菌剤を塗布、散布、含浸、あるいは印刷するなどの加工方法を施すことによって付着させていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】一般に、抗菌剤は高価であることから、少量の含有量で抗菌性を発揮させることが必要である。不織布やフィルムを製造する際に、それらに抗菌剤を練り込む方法では、抗菌剤を均一に含有させることができる利点を有するものの、所望の抗菌性を得るためには比較的多量の抗菌剤が必要である。一方、不織布、フィルム等の包装材に抗菌剤を塗布、散布、含浸、あるいは印刷により付与させる方法は、少量の抗菌剤で所望の抗菌性が得られる利点がある。しかし、この方法では包装材表面の平滑度、包装材と抗菌剤の親和性等によって若干の相異はあるものの、少量の抗菌剤を所望の含有量で均一に付与することが難しく、実質的に制御することができなかった。 【0005】抗菌剤の含有量が不充分な包装材を発熱袋に用いた場合には、所望の抗菌性を保持しない発熱袋となる。また、抗菌剤を包装材に過剰に付与した場合には、抗菌剤が無駄になるだけでなく、さらに包装材が所望の通気性に設定されている場合は包装材の微細な貫通孔が抗菌剤によって塞がれて通気性が低下する。このように通気性が低下した包装材を発熱袋に用いた場合には、所望の発熱特性が得られないという不都合を生じる。従って抗菌剤を付与する工程、抗菌剤を付与した後の包装材、あるいはこれを用いた発熱袋について、抗菌剤の含有量及びその分散状態、または抗菌性を測定する必要があるとともに包装材の通気量についても調べる必要があった。 【0006】抗菌性を測定する方法としては、一般的に細菌や黴をサンプルに付着させ、最適な増殖条件下で一定時間保持した後、細菌や黴の増殖状態を測定する方法が行なわれている。しかし、この方法では長時間を要することから、包装材に抗菌剤を付与する工程における制御には用いることができないばかりでなく、過剰な抗菌剤を検出することができないという欠点があった。一方、包装材の通気性は、包装材のガス透過率を測定したり、その包装材を用いた発熱袋を製造した後、発熱性能試験を行なうことにより測定することが可能であるが、測定に手間がかかり、非通気性の包装材に付与された過剰な抗菌剤の検出手段として用いることはできなかった。また、通気性の測定では抗菌剤の含有量の不足及び含有量の不均一性を検出することができなかった。このことから、製造工程において抗菌剤付与の不良が発生した場合、前述のように分析に時間や手間を要するため、これに対処するまでに抗菌剤不足あるいは抗菌剤過剰の不良品を多く製造してしまうという問題点があった。 【0007】抗菌剤の分散状態、含有量を把握する方法として、包装材に抗菌剤を顔料との混合物の状態で付与させて、包装材表面の顔料の色の濃淡から抗菌剤の分散状態及び含有量を判断することもできる。しかし、この方法では必然的に包装材に色彩を与えることとなり、発熱袋の商品設計の自由度を損なうという不都合があった。従って、本発明が解決しようとする課題は、所望量の抗菌剤が均一に付与された発熱袋用包装材、及び包装材に所望量の抗菌剤を均一に付与することができる発熱袋用包装材の製造方法、さらに所望量の抗菌剤が均一に付与された包装材を用いた発熱袋を開発することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、発熱袋に用いられる包装材に、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を含有させるとともに、その直後包装材に紫外線を照射して、包装材の蛍光強度の測定を行なうことにより、抗菌剤の分散状態、含有量を容易に把握できること、及び蛍光強度をもとに抗菌剤の分散状態、含有量の制御ができること、さらにこの方法によって少量の抗菌剤を用い、通気性を損なうことなしに所望の抗菌性が得られることを見い出し本発明に到達した。 【0009】すなわち本発明は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が通気性の袋に収納されてなる発熱袋に用いられる包装材であって、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなることを特徴とする発熱袋用包装材である。また、本発明は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が通気性の袋に収納されてなる発熱袋に用いられる包装材の製造方法であって、包装材に抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を含有させた後、紫外線を照射して、該包装材に含まれる蛍光剤の分散状態及び/または蛍光強度の測定を行なうことにより、抗菌剤の分散状態及び/または含有量を把握し、抗菌剤の該包装材への付与を制御することを特徴とする発熱袋用包装材の製造方法でもある。さらに、本発明は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物が通気性の袋に収納されてなる発熱袋であって、該発熱袋の少なくとも一部の包装材が、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなる包装材であることを特徴とする発熱袋でもある。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明は主として人体を暖めるための発熱袋に使用される抗菌剤が付与された包装材、その製造方法、及び抗菌剤が付与された包装材を用いた発熱袋に適用される。本発明の発熱袋用包装材は、発熱袋に用いられる包装材であって、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなる包装材である。また、本発明の発熱袋用包装材の製造方法は、発熱袋に用いられる包装材に、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を含有させた後、紫外線を照射して、包装材に含まれる蛍光剤の分散状態、蛍光強度の測定を行なうことにより、抗菌剤の分散状態、付着量を把握し、抗菌剤の包装材への付与を制御する製造方法である。さらに、本発明の発熱袋は、少なくとも包装材の一部が、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなる発熱袋である。 【0011】本発明において抗菌剤とは、細菌や黴の繁殖を抑制あるいは死滅に至らしめるとともに、その効果が継続的に持続するものをいう。本発明で用いられる抗菌剤としては、発熱袋の包装材に用いれられた時に、人体の生理機能に影響を及ぼさず、安全性の高いこと、および廃棄された場合においても有害物質を生じないものが好ましい。本発明において用いられる抗菌剤の種類としては、無機系、第四アンモニウム系、グアニジン系、フェノール系、脂肪酸エステル系、および天然物系など各種のものであり、人体に対する安全性、廃棄された場合に有害物を生じるものでなければその種類に限定はない。 【0012】例えば、無機系の抗菌剤としては、銀や亜鉛などを無機担体に担持させた銀ゼオライト、亜鉛ゼオライト、銀リン酸ジルコニウム、亜鉛・マグネシウム・リン酸カルシウム、銀アパタイトなどがある。第四級アンモニウム塩系のものとしては、オクタデシル・ジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ベンザルコニウムクロライド、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロライドなどがある。 【0013】また、グアニジン系の抗菌剤としては、ポリヘキサメチレンビグアニードハイドロクロライド、1,1−ヘキサメチレンビス(5,4−クロロフェニル)ビグアニードなどがあり、フェノール系の抗菌剤としては、アルキレンビスフェノールナトリウム塩、アルキルジメチルアンモニウム塩、パラクロールメタキシレノールなどがあり、脂肪酸エステル系の抗菌剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ウンデシレン酸などがある。 【0014】銅化合物系では、フェノール系銅キレート樹脂、硫化銅含有再生セルロースなどがある。天然物系としては、キトサン、タンニン、ヒノキチオール、ワサビオイル、竹エキス抽出物、キチンの塩酸塩、種子抽出物の複合酢酸塩などがある。その他のものとして、アミノグルコシツド、P−トルエンスルフォン酸メチルなどがある。このほか無機金属塩を繊維に配位させたものとして、例えば硫酸亜鉛配位アクリルポリマーなどを用いることもできる。さらに、再生繊維の製造工程で脱銅を制御し、繊維中に銅化合物を微分散させた繊維を、抗菌剤を含むものとして用いることもできる。本発明においては、これらの抗菌剤はその使用方法に応じて単独または各種組み合わせて使用することができる。 【0015】本発明で用いられる蛍光剤は、紫外線の照射により明瞭に認識できるものであり、例えばクマリン系、キサテン系、アントラキノン系、ペリレン系、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、オキサゾール系、ピラジン系、ジアミノジフェニル系等の蛍光剤を挙げることができる。本発明においては、これらの蛍光剤は前述の抗菌剤と併せて適宜選択され使用されるが、蛍光剤の量は、通常は抗菌剤の0.01〜10wt%程度である。 【0016】本発明の発熱袋用包装材及びその製造方法において、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が付与される包装材は、次のような通気性の包装材及び非通気性の包装材であるが、より正確な抗菌剤の含有量の制御が必要な微細な貫通孔を有する通気性の包装材に特に効果を発揮する。本発明における通気性の包装材としては、通常JIS P8117透気度試験方法による透気度が2〜30000秒程度の包装材が用いられ、不織布、織布、紙の単独包装材のほか、微細な貫通孔を有する多孔質フィルムの単独包装材、不織布にポリエチレンフィルム等がラミネートされた非通気性の包装材に微細な孔を開けて通気性を持たせた包装材、不織布と多孔質フィルムを貼り合せた包装材、あるいは繊維が積層され熱圧着されて通気性を制御された不織布より成る包装材等を例示することができる。 【0017】ここで、多孔質フィルムとは、メタノールバブリング法による最大孔径が0.001〜20μm程度の微細な貫通孔を有するフィルムであり、例えば合成樹脂フィルムを二軸延伸することによって貫通孔を設けたもの、あるいは溶融したポリエチレン、ポリプロピレンなどに炭酸カルシウムなどの無機系微細粉末を分散させた後、フィルム状に押出し、得られたフィルムをさらに延伸させて、貫通孔を設けたもの等である。これら多孔質フィルムの市販品としては、例えば(株)トクヤマ製のポーラム及びNFシート、積水化学工業(株)製のセルポア、日東電工(株)製のブレスロン、デュポン(株)製のタイベック等がある。 【0018】また、非通気性の包装材としては、例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等の非通気性フィルムの単独包装材、あるいは不織布にポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等を貼り合せた包装材等を挙げることができる。尚、これらの非通気性の包装材に、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を含有させた後、針孔等の貫通孔を設けて、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなる通気性の包装材とすることもできる。 【0019】本発明の発熱袋用包装材を製造する際には、抗菌剤及び蛍光剤が均一に混合された混合物が用いられ、例えば、抗菌剤及び蛍光剤を、水、あるいはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、エチレングリコール等の溶媒に溶解して使用される。抗菌剤、蛍光剤及び溶媒の組み合せは、これらが変質することがなく、均一に混合することができれば特に制限がない。溶媒中の抗菌剤及び蛍光剤の濃度にも特に制限はないが、これらの種類、溶媒の粘度等によって決定される。 【0020】抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を包装材に含有させる方法としては特に制限はないが、例えば、抗菌剤及び蛍光剤を含む前記のような均一混合物を、不織布、織布、フィルム、紙、その他の包装材にグラビヤロール方式、ディップロール方式等により塗布、含浸したり、前記混合物を散布、あるいは印刷等の方法によって付着させることもできる。ここで、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を含有させるとは、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を包装材の内部に含ませることのほか、包装材の表面に被覆する場合も意味し、その分布状態に限定されるものではない。 【0021】本発明において、抗菌剤はJIS L1902(繊維製品の抗菌性試験方法)に基く定量試験方法の静菌活性値で通常は2.2以上となるような割合で包装材に含有される。また、蛍光剤は紫外線を照射したときに蛍光強度を肉眼あるいはその測定装置により検知できればよく、出力5wの紫外線を10cmの距離から垂直に照射したときの輝度で通常は0.001cd/m2以上、好ましくは0.01cd/m2以上となるような割合で包装材に含有される。尚、照射される紫外線は、通常は波長が200〜380nm程度のものである。 【0022】また、包装材に対する抗菌剤及び蛍光剤の量的な割合としては、抗菌剤及び蛍光剤の種類等によって異なるが、通常は抗菌剤が0.01〜10g/m2、蛍光剤が0.01〜1000mg/m2、好ましくは抗菌剤が0.05〜5g/m2、蛍光剤が0.05〜100mg/m2である。抗菌剤が0.01g/m2以下では抗菌性が不充分となり、10g/m2以上では抗菌剤が無駄になるだけでなく、通気性の包装材に付与した場合は包装材の微細な貫通孔が抗菌剤により塞がれて通気性が低下し、これを発熱袋の包装材として用いると使用時に充分な暖かさが得られなくなる不具合を生じる。また、蛍光剤が0.01mg/m2以下では蛍光強度を測定することが困難になり、1000mg/m2以上付与しても特に蛍光剤の増量による効果は得られない。 【0023】本発明の発熱袋用包装材の製造方法においては、包装材に抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を含有させた後、紫外線を照射して包装材に含まれる蛍光剤の分散状態、蛍光強度を測定し、それによって抗菌剤の分散状態、含有量が制御される。本発明の発熱袋用包装材を製造するための装置の構成としては、例えば、図1に示すように、グラビヤロール方式により包装材1に抗菌剤及び蛍光剤を含む溶液5を含浸した後、紫外線照射装置6を用いて紫外線7を照射して、包装材の蛍光強度を測定し、抗菌剤の分散状態、含有量を制御する構成を示すことができる。この装置では、蛍光強度を測定することで抗菌剤の分散状態及び含有量が容易に把握できるので、抗菌剤が所定の含有量の範囲から外れた場合、直ちにドクターブレード2とグラビヤロール3との隙間を調整することによって抗菌剤の付与を正常な状態に戻すことができる。 【0024】尚、図1では包装材に抗菌剤及び蛍光剤を含浸した直後に紫外線の照射及び測定を行なっているが、この間に乾燥工程を設けることもできる。また紫外線照射装置や蛍光強度の測定装置については特に限定されることがなく、公知のものを使用することができるほか、蛍光剤の分散状態は肉眼で観測することもできる。本発明の発熱袋用包装材の製造方法においては、このように蛍光剤の分散状態及び/または蛍光強度の測定を行なうことにより、蛍光剤とともに包装材に付与した抗菌剤の分散状態及び/または付着量が迅速に把握され、抗菌剤の付与を容易に制御することができる。 【0025】本発明の発熱袋は、少なくとも一部の包装材に、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなる包装材を用いた発熱袋である。このような抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなる包装材は、好ましくは前述のように、包装材を製造する際に紫外線が照射され、包装材に含まれる蛍光剤の分散状態、蛍光強度の測定が行なわれるとともに、抗菌剤の分散状態、付着量が把握され、抗菌剤の包装材への付与が制御されて得られるものである。 【0026】本発明の発熱袋は、通常は通気性の包装材を二枚、あるいは通気性の包装材と非通気性の包装材とを熱融着性を有する面が互いに内側となるようにして重ね合せ、周辺を加熱融着して袋状に成形するとともに、発熱組成物を充填して発熱袋とされる。本発明の発熱袋においては、通気性の包装材、非通気性の包装材の両方あるいは一方を、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなる包装材とすることができる。しかし、両者のうち一方を抗菌性の包装材とする場合は、発熱袋の使用時に水分が透過する通気性の包装材を、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなる包装材とすることが好ましい。 【0027】また、本発明の発熱袋には、必要に応じ片面の表面に粘着剤層が設けられる。粘着剤層を設ける場合には、通常は非通気性の包装材の表面に設けられる。粘着剤層は、発熱袋の装着部に粘着固定することができ、被粘着物への転着を生じることがなく、かつ発熱袋として使用されるまでの長期保存中に変質することがないものであればいかなるものでも用いることができる。例えばその構成成分としてアクリル酸系ポリマーなどが用いられる。また、粘着剤層の表面は、通常は使用されるまで剥離紙などにより被覆される。このような粘着剤層を設けることによりにより、例えば、被服や履物等に貼り付けて使用することができる。 【0028】本発明の発熱袋において、発熱袋に充填される空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物とは、被酸化性金属粉、活性炭、無機電解質、水、保水剤等の混合物であり、従来から公知のものが使用される。被酸化性金属粉としては鉄粉、アルミニウム粉などであるが、通常は鉄粉が用いられ、還元鉄粉、アトマイズド鉄粉、電解鉄粉等が利用される。活性炭は反応助剤の他、保水剤としても使用され、通常は椰子殻炭、木粉炭、ピート炭等が用いられる。無機電解質としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属の塩化物、及びアルカリ金属の硫酸塩等が好ましく、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸ナトリウム等が用いられる。 【0029】保水剤としては、保水性の高いものであるとともに、発熱袋の長期保存中に変質を生じないものであれば特に限定されず、例えば真珠岩粉末、バーミキュライト、木粉、高分子吸水剤等が用いられる。発熱組成物の組成割合は、目的とする発熱性能などによって異なり、一概には特定できないが、例えば被酸化性金属粉100重量部に対し、活性炭2.0〜35重量部、無機電解質0.5〜8.5重量部、水20〜50重量部、保水剤0.1〜20重量部である。その他、所望により、固結防止剤等を加えることもできる。 【0030】本発明の発熱袋は、使用される迄の期間中、非通気性の外袋に密封される。通常は外袋の包装材二枚をシーラントフィルム等の熱融着性面が互いに内側となるようにして重ね合せ、周辺を加熱融着して袋状に成形するとともに、発熱袋を密封する。図2は本発明の発熱袋の一例を示す一部切断斜視図である。発熱袋12は、片面に抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されてなる通気性の包装材8、他の片面に非通気性の包装材9を用いた袋に発熱組成物10が収納された発熱袋であり、さらに非通気性の包装材からなる外袋14に密封されている。 【0031】発熱袋の大きさは、発熱袋の装着部位によって異なり、一概には特定できないが、通常は名刺と同等程度の大きさから、日本工業規格A列3番程度の大きさまでのものが用いられる。また発熱袋の形状としては、矩形状に限られず、円形状、楕円形状、動物あるいは植物をかたどった形状のものとすることもできる。また、偏平状の発熱袋の他、一枚の包装材で発熱組成物を略球形状に収納しクリップなどで結束したいわゆる巾着型発熱袋、及び四面体状の包装袋に発熱組成物を収納したいわゆるテトラパック型発熱袋、六面体状の包装袋で構成されたサイコロ型発熱袋など、いずれの形状においても同様に適用することができる。 【0032】 【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。 【0033】(実施例1) (抗菌剤及び蛍光剤を含む溶液の調製)抗菌剤としてポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライドを含む試薬500gを水500gに加えて攪拌し、さらに蛍光剤として4,4’-ジアセチルアミノスチルベン-2,2’-ジスルホン酸ナトリウムを含む試薬1.0gを加えて、抗菌剤及び蛍光剤を含む均一な溶液を調製した。 【0034】(抗菌剤及び蛍光剤の付与)ナイロン不織布と多孔質ポリエチレンフィルムを貼り合せた包装材(厚さ300μm、幅450mm)(日東電工(株)社製「ブレスロン」)に対して、前記の抗菌剤及び蛍光剤を含む溶液の含浸を、図1に示すようなグラビアロール方式の装置を用いて行なった。この装置は、前記の包装材に抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を含浸させた後、直ちに波長365nmの紫外線を照射することにより、包装材に含浸した蛍光剤を肉眼で検知することができるようになっている。また、ドクターブレードはグラビヤロールとの間隔をその両端の位置において微調節することができるように設定されている。 【0035】最初にドクターブレードとグラビヤロールとの隙間を所定の間隔に設定した後、5時間で10000mの包装材に抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を付与した。この間、包装材に紫外線を照射して蛍光を肉眼により観察するとともにドクターブレードとグラビヤロールとの間隔を微調節して包装材に付与される溶液の含浸量を制御した。尚、抗菌剤及び蛍光剤を含む溶液の減少量より、包装材に付与された抗菌剤及び蛍光剤は、平均で各々1.2g/m2、1.7mg/m2であることがわかった。 【0036】(包装材の抗菌性の測定)以上のようにして得られた包装材について、幅方向に4列の領域に分けその各々の列について抗菌剤及び蛍光剤付与の開始直後、終了直前、及びその中間(付与開始後2.5時間経過した時点)から各々3サンプルずつを抽出した。これらのサンプル(合計36サンプル)について、列及び時系列(長さ方向)による抗菌性のばらつきを、JIS L1902(繊維製品の抗菌性試験方法)の定量試験に基づく測定により調査した。その結果を表1及び表2に示す。尚、表中の第1列及び第4列は外側の列、第2列及び第3列は中央の列を示す。また、繊維製品新機能評価協議会(JAFET)においては、未加工品に対する抗菌加工品の静菌値が2.2以上の試料を抗菌防臭効果ありとしており、表中の抗菌防臭効果はこれに従ったものである。その他、数値は平均値である。 【0037】(包装材の通気性の測定)前記の抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を付与した包装材について、抗菌性の測定の場合と同様に第1列〜第4列の3個所から各々3サンプルずつ(合計36サンプル)を抽出し、列及び時系列(長さ方向)による通気性のばらつきを、JISP8117(透気度試験方法)に基づく測定により調査した。その結果を表3に示す。尚、表中の透気度の数値は平均値である。 【0038】(発熱袋の製作)前記の抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を付与した包装材について、同様に第1列〜第4列の3個所から各々3サンプルずつ(合計36サンプル)を発熱袋の包装材として抽出した。このサンプルの包装材と、ポリエチレンフィルムの片面に不織布を貼り合せた非通気性の包装材を、互いにポリエチレンフィルム面が内側になるように重ね合せてその3方周辺を熱融着した。これに、窒素雰囲気下で混合して調製した発熱組成物(鉄粉20g、活性炭4g、木粉5g、食塩1g、水10g)を収納し残る1辺を熱融着して合計36個の偏平状の発熱袋を得た。さらに、非通気性の包装材二枚を袋状に成形するとともに発熱袋を密封して、温度20℃、相対湿度60%の試験室に1昼夜放置した。 【0039】(発熱袋の温度特性試験)前記のように製作した発熱袋を外袋から取り出して、JIS S4100に基いて温度特性試験を行なった。立ち上り時間(発熱開始直後から40℃まで昇温するのに要する時間)及び最高温度を測定した結果を表3に示す。尚、表中の立ち上り時間及び最高温度の数値は平均値である。 【0040】(比較例1)(抗菌剤を含む溶液の調製)蛍光剤を加えなかったほかは実施例1と同様にして抗菌剤を含む均一な溶液を調製した。 【0041】(抗菌剤の付与)実施例1で用いた包装材と同様の包装材(日東電工(株)社製「ブレスロン」)に対して、前記の抗菌剤を含む溶液の含浸を、図1に示すようなグラビヤロール方式の装置を用いて行なった。最初にドクターブレードとグラビヤロールとの隙間を所定の間隔に設定した後、5時間で10000mの包装材に抗菌剤を付与した。この間、抗菌剤の分散状態、含有量は把握できなかったので、ドクターブレードの微調整は行なわなかった。尚、抗菌剤を含む溶液の減少量より、包装材に付与された抗菌剤は、平均値で1.2g/m2であることがわかった。 【0042】(包装材の抗菌性の測定)以上のようにして得られた包装材について、実施例1と同様にして第1列〜第4列の3個所から各々3サンプルずつ(合計36サンプル)を抽出し、列及び時系列(長さ方向)による抗菌性のばらつきを調査した。その結果を表1及び表2に示す。尚、実施例1と同様に、表中の第1列及び第4列は外側の列、第2列及び第3列は中央の列を示す。 【0043】(包装材の通気性の測定)前記の抗菌剤を付与した包装材について、実施例1と同様にして第1列〜第4列の3個所から各々3サンプルずつ(合計36サンプル)を抽出し、列及び時系列(長さ方向)による通気性のばらつきを調査した。その結果を表3に示す。 【0044】(発熱袋の製作)前記の抗菌剤を付与した包装材について、実施例1と同様に第1列〜第4列の3個所から各々3サンプルずつ(合計36サンプル)を発熱袋用の包装材として抽出した。実施例1の発熱袋の製作における抗菌剤と蛍光剤の均一混合物を付与した包装材に替えて、この抗菌剤のみを付与した包装材を用いた以外は、実施例1と同様にして合計36個の発熱袋を製作し、温度20℃、相対湿度60%の試験室に1昼夜放置した。 【0045】(発熱袋の温度特性試験)前記のように製作した発熱袋を外袋から取り出して、実施例1と同様に温度特性試験を行なった。立ち上り時間及び最高温度を測定した結果を表3に示す。 【0046】以上の結果より、実施例の包装材及び発熱袋は、比較例の包装材及び発熱袋と比べて、列及び時系列(長さ方向)の抗菌性、通気性あるいは温度特性のばらつきが極めて少ないことが明らかである。 【0047】 【表1】
【0048】 【表2】
【0049】 【表3】
【0050】 【発明の効果】本発明の発熱袋用包装材は、抗菌剤と蛍光剤の均一混合物が含有されているので、紫外線を照射して、蛍光剤の分散状態の観測、蛍光強度の測定を行なうことにより、容易に抗菌剤の分散状態、含有量を把握することができる。また、本発明の発熱袋用包装材の製造方法は、包装材に含まれる抗菌剤の分散状態、含有量を蛍光強度の測定によって迅速に把握し、抗菌剤の分散状態、含有量を制御することができるので、少量の抗菌剤で効率よく所望の抗菌性を有する包装材が得られる。本発明の発熱袋は、紫外線を照射することにより包装材に含まれる抗菌剤の分散状態、含有量を迅速に把握することができるので、抗菌剤が不足あるいは過剰である発熱袋を極めて容易に検知することが可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000229601 【氏名又は名称】日本パイオニクス株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月24日(1999.9.24) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−87301(P2001−87301A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月3日(2001.4.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−270466 |
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