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【発明の名称】 使い捨て補助パッド
【発明者】 【氏名】松浦 巌

【氏名】名田 博士

【要約】 【課題】使い捨て補助パッドにおける吸収体の吸収容量を超えた尿が、この補助パッドの下側に着用される着用物品の外側へ漏れ出さない構造の使い捨て補助パッドを提供する。

【解決手段】使い捨てまたは非使い捨て着用物品を着用者が着用するときに、これらの着用物品の着用者面側に載置して使用される使い捨て補助パッドであって、前記使い捨て補助パッドは、吸収体と、吸収体の上側に積層された透液性のトップシートと、吸収体の下側に積層されたバックシートとを備え、このバックシートが排泄液の一部を透過し得る素材からなる使い捨て補助パッドである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 使い捨てまたは非使い捨て着用物品を着用者が着用するときに、これらの着用物品の着用者面側に載置して使用される使い捨て補助パッドであって、前記使い捨て補助パッドは、吸収体と、吸収体の上側に積層された透液性のトップシートと、吸収体の下側に積層されたバックシートとを備え、このバックシートが排泄液の一部を透過し得る素材からなることを特徴とする使い捨て補助パッド。
【請求項2】 バックシートが、開口率20〜50%であり、開口面積が0.5mm2以上の孔を一つ以上有する開口シートである請求項1に記載の使い捨て補助パッド。
【請求項3】 バックシートが、JIS L1092による耐水圧が30mm以上の不織布積層体である請求項1に記載の使い捨て補助パッド。
【請求項4】 吸収体が、上層吸収体と下層吸収体およびこれら上下層吸収体の間に介在する中間層を備え、この中間層がJIS L1092による耐水圧が30mm以上の不織布積層体である請求項1から3のいずれかに記載の使い捨て補助パッド。
【請求項5】 吸収体が、上層吸収体と下層吸収体およびこれら上下層吸収体の間に介在する中間層を備え、この中間層が、開口率が20〜50%、個々の孔の面積が0.5mm2以上の開口シートである請求項1から3のいずれかに記載の使い捨て補助パッド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使い捨てオムツ等の着用物品の内側へ取り付けて、尿を吸収する使い捨て補助パッドに関し、特に、着用物品の尿の横漏れを引き起こしにくい使い捨て補助パッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】使い捨て補助パッドは、使い捨てオムツや使い捨てパンツ、あるいは洗濯可能な非使い捨ての失禁パンツ等(以下、これらを総称して着用物品という)の着用者面(肌面)側に取り付けられ、失禁あるいは排尿があれば、補助パッドのみを取り替えて、常に清潔な状態を保つようにするために使用される。これは、使い捨て製品が高価であり、排尿毎に取り替えるのは不経済であること、洗濯可能な失禁パンツであれば洗濯が面倒であること、使い捨て補助パッドの製品構造が簡単で安価なこと、等の理由による。
【0003】しかし、安価な使い捨て補助パッドといっても、失禁や排尿毎に取り替えるとなると、費用がかさむ。また、ゴミ量も増大する。こういったことから、特に、液戻りしないドライ感に優れたトップシートを使う使い捨て補助パッドの場合、着用者に不快感が少ないため、比較的長時間にわたって使い捨て補助パッドを使用する着用者が増えている。
【0004】ところが、使い捨て補助パッドの交換回数を減らして長時間使用した場合に、使い捨て補助パッドの吸収容量を超えた尿が、補助パッドの両横から補助パッドの下側(肌面の反対側)にある着用物品へ漏れ出すため、この漏れてきた尿が、着用者の脚の付け根側の最も横漏れしやすい場所に集中することとなり、結局着用物品の外側へ横漏れして、シーツや衣類を汚すことがあった。また、就寝中などは後漏れの原因となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの漏れ現象について本発明者らが検討した結果、その発生原因は、使い捨て補助パッドの不透液性プラスチックフィルム製のバックシートにあることがわかった。すなわち、不透液性のバックシートが補助パッドの最下層全面を覆っているため、吸収体の吸収容量を超えた尿が補助パッドの幅方向あるいは長手方向の端部から漏れ出るしかない。着用物品の吸収体は、補助パッドがない使用状態を想定して製造されているので、当然、補助パッドの位置する部分に配設されている。この結果、補助パッドから漏れ出た尿は、着用物品の吸収体の周辺に流れてくることとなり、横漏れや後漏れを引き起こしていたのであった。
【0006】そこで本発明では、着用物品と共に使用される使い捨て補助パッドの構成を改良することによって、着用物品からの横漏れ・後漏れを防止することを課題として掲げた。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発明の補助パッドは、使い捨てまたは非使い捨て着用物品を着用者が着用するときに、これらの着用物品の着用者面側に載置して使用される使い捨て補助パッドであって、前記使い捨て補助パッドは、吸収体と、吸収体の上側に積層された透液性のトップシートと、吸収体の下側に積層されたバックシートを備え、このバックシートが排泄液の一部を透過し得る素材からなるところに要旨を有する。
【0008】この構成の採用によって、使い捨て補助パッドに吸収された尿の一部が、補助パッドの下側に存在する着用物品の吸収体に確実に吸収されるので、横漏れや後漏れを起こすことがなくなる。
【0009】バックシートが、開口率20〜50%であり、開口面積が0.5mm2以上の孔を一つ以上有する開口シートである構成、あるいはJIS L1092による耐水圧が30mm以上の不織布積層体である構成は、いずれも本発明の好ましい実施態様である。
【0010】さらに、吸収体が、上層吸収体と下層吸収体およびこれら上下層吸収体の間に介在する中間層を備え、この中間層がJIS L1092による耐水圧が30mm以上の不織布積層体である構成、あるいはこの中間層が、開口率が20〜50%、個々の孔の面積が0.5mm2以上の開口シートである構成を採用してもよい。尿を透過するが透過しにくい中間層の存在によって、上層吸収体において広く拡散して尿を捕捉することとなり、効率的に吸収できるので、着用物品側への尿の移行を遅らせることができる。
【0011】
【発明の実施の形態および実施例】図1は本発明の使い捨て補助パッドの一実施形態を示す一部破断平面図である。使い捨て補助パッドP1は、バックシート1と透液性のトップシート2の間に吸収体3が収納されて、各部材が適宜接着されて形成される。そして上記バックシート1の中央部には、大径の孔H1が形成されている。この孔H1は、補助パッドP1の幅方向中央部で、長さ方向の中央部よりやや上よりを中心点として形成されているが、男女とも排尿は股下直下より前側となるからである。この実施例では、尿が多量に存在することとなる部分に孔H1を設けているので、大量に配設された尿や、補助パッドP1の吸収体3の吸収容量を超えた場合の尿が、補助パッドP1の下の着用物品側へ移行し、着用物品の吸収体によって吸収されることとなる。なお、補助パッドP1を着用物品の内側(着用者の肌面側)に取り付ける場合、その載置位置を適宜ずらせば、排尿箇所と孔H1の位置を合致させることができるので、孔H1の位置は限定されない。必要に応じて、孔H1の部位に、バックシート1と吸収体3の間に、親水性の不織布等を介在させて、外観向上および吸収体3からの繊維や高吸水性ポリマー等の脱落防止を行っても良い。
【0012】図2は、本発明の他の実施例のバックシート21の平面図である。バックシート21には、様々な大きさの複数の孔H2が設けられている。このようなバックシート21を用いることにより、尿が吸収体3全域に拡散し、かつ過剰の尿は適宜バックシート21の孔2から着用物品側へ移行するので、横漏れを起こすことはない。また、バックシート21には、非開口部分が全面にあるため、非開口部分に接触した尿が水平方向へ浸透していくこととなり、吸収体3全域への尿の拡散が、より一層助けることとなる。孔H2のパターンは、図2のパターンに限定されず適宜変更可能である。また、孔H2の形状は円形だけに限られず、その他、楕円形や多角形など任意に選定することができる。
【0013】大径の孔1個のみを設ける場合(図1)、複数の孔を設ける場合(図2)のいずれにおいても、孔の面積は0.5mm2以上とすることが好ましい。小さすぎると尿の移行が妨げられるからである。より好ましい孔の大きさは、1mm2以上、さらに好ましくは5mm2以上である。
【0014】また、バックシート全体の面積に占める開口面積の比率、すなわち開口率は20〜50%とすることが好ましい。開口率が20%より小さいと本発明の目的を充分に達成できないことがある。また、50%を超えて開口を設けると、補助パッドに吸収される尿が経時的に全て着用物品側へ移行してしまうこととなって補助パッドを用いる意味がなくなるため、好ましくない。
【0015】バックシート1の素材は特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等の柔らかなフィルムや、ポリエチレン、ポリプロピレン等の疎水性繊維製の不織布が好ましい。不織布の場合、開口率は測定しにくいため、JIS L1092の低水圧法の静水圧法に則って測定された耐水圧が30mm以上のものを用いることが好ましい。このような耐水圧にするために、疎水性繊維製の不織布を複数積層してもよい。もちろん不織布に、図1あるいは図2に示した孔を開けることも可能である。耐水圧の下限は、40mm以上がより好ましく、50mm以上がさらに好ましい。
【0016】トップシート2は、透液性を有する素材であれば特に限定されないが、肌触り感からは不織布や多数の孔が設けられたフィルムが好ましい。本発明の補助パッドは長時間使用が可能なので、着用者に不快感を与えないように、液戻りの少ないドライ感のあるトップシートを用いることが好ましい。例えば、疎水性繊維製不織布と親水性繊維製不織布を積層してニードルパンチによって両者を結合させた積層体を、疎水性繊維製不織布側を肌面側にして利用したり、穴の近傍を親水化処理した穴あきプラスチックフィルム等を用いるとよい。
【0017】吸収体3は、尿を吸収する作用を有するものであれば、特に限定されないが、天然パルプ繊維、合成繊維や高吸水性ポリマー粉末等を混合または積層し、その外周を薄葉紙によって包み込んで繊維が脱離しないように構成されたものが好ましく用いられる。
【0018】図3に示す例は、吸収体3を3層構造とした実施例を説明するための断面図である。なお、見やすいように各部材は間隔をあけて記載しているが、実際はヒートシール、ホットメルト接着剤等の接着手段で適宜接着されて密接している。図3では、上層吸収体33aと下層吸収体33cの間に、中間層33bが設けられている。中間層33bとしては、疎水性繊維製不織布または開口シートが好ましい。前記バックシート用素材として例示したように、疎水性繊維製不織布としては、JIS L1092の低水圧法の静水圧法に則って測定された耐水圧が30mm以上のものを用いることが好ましく、開口シートとしては、開口率20〜50%であり、開口面積が0.5mm2以上の孔を1つ以上有するものを用いることが好ましい。
【0019】中間層33bの存在によって、上層吸収体33aに吸収された尿が、鉛直方向に拡散して下層吸収体33cへ移行するのを部分的に阻害することとなるため、上層吸収体33aの中で水平に拡散する。このため、上層吸収体33aから下層吸収体33cへの尿の移行も、排尿箇所に集中するのではなく、吸収体33a全域に拡散してから移行する。さらに、バックシート31を通過して、バックシート31の下側に存在する着用物品(図4参照)の吸収体へ移行するときも、下層吸収体33c全域に拡散しながら、下側へ移行するため、一部分に集中して尿が着用物品側へ移行することがなくなり、一層尿漏れ効果が高まるのである。なお、吸収体3は図3のように3層構造とするのではなく、吸収体−中間層−吸収体−中間層−吸収体というように5層構造、あるいはそれ以上の積層構造とすることもできる。
【0020】図3において、バックシート31の側部はトップシート32側へ折り返され、折返し端部31a、31aの上に、トップシート32の側部がそれぞれ接着されている。なお、バックシートとトップシートは、端部を合掌状に重ねて接着(ヒートシール等)してもよい。
【0021】図4は、着用物品として使い捨てオムツDを用い、その股部相当域に使い捨て補助パッドP3を重ねた状態を示す断面説明図である。使い捨て補助パッドP3の左右側部には、先端に弾性糸46が封入された立ち上がり帯材54、54が設けられ、吸収体は、中間層としての開口シート43bが上層吸収体43aと下層吸収体43cの間に設けられて構成されている。開口を有するバックシート41(例えば図2に示したようなシート)と、トップシート42によって3層構造の吸収体が挟まれ、バックシート41とトップシート42の側部は重ねられて接着されている。
【0022】一方、使い捨ておむつDは、バックシート51、トップシート52との間に吸収体53が介装され、先端に弾性糸55が封入された立ち上がり帯材54、54が設けられ、左右には脚回りギャザー用の複数本の56が設けられて構成されている。
【0023】尿Nがこの補助パッドP3へ排泄された場合の尿の挙動を実線矢印および破線矢印に示す。尿Nはトップシート42を通過して上層吸収体43a中へ移行し、開口シート43bに至り、このシート34bによって尿Nの大部分は補助パッドP3の長さ方向および幅方向へ拡散する。尿Nの一部は開口シート43bの孔を通過して下層吸収体43c側へ移行する。そして開口バックシート41に到達して、下層吸収体43cの中での拡散が始まる。この構成により、上層吸収体43a内部での拡散が終了した段階、すなわち上層吸収体43aの吸収容量を超えた段階で、本格的に下層吸収体43cへの尿Nの移行が始まるので、各層の吸収体の吸収能力を充分に発揮させることができる。
【0024】補助パッドP3の上層吸収体43aおよび下層吸収体43cの吸収容量を超えて、さらに排尿があった場合には、過剰な尿は破線矢印に示すようにバックシート41の孔を通って使い捨てオムツDのトップシート52を通過し、その下方にある吸収体53に達して吸収される。使い捨て補助パッドDの下側には、使い捨てオムツDの吸収体53が配置されているので、横漏れを生じることなくスムーズに、吸収体53に吸収されることとなる。従来技術の補助パッドであれば、補助パッドの両横から尿が漏れ出すので、使い捨ておむつDの立ち上がり部材54を超えて横漏れしてしまうが、本発明の補助パッドでは、上記のように横漏れすることはない。
【0025】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、吸収体の吸収容量を超えた尿が排泄されても、排泄液の一部が補助パッドのバックシートを通過して、その下側にある着用物品の吸収体によって確実に吸収されるので、従来品のように横漏れを引き起こしてシーツや衣類を汚すことがなくなった。また、使い捨て補助パッドの吸収体の吸収能力を充分に発揮させることができるので、補助パッドの交換頻度を減らすことができるようになった。
【0026】請求項2の発明では、入手が簡単で安価なバックシートとなるので、製品価格を引き上げることはなく、かつ孔の配置位置等も適宜変更可能であり、排泄液の一部を確実に着用物品側へ通すことができる。請求項3の構成では、バックシートの全面にわたって均一に排泄液の通過を許容することができる。
【0027】請求項4および5の発明により、補助パッドの吸収体内部において、尿を補助パッドの長さ方向および幅方向に拡散できることなり、尿が一箇所に集中して下側へ浸透するのを防止することができるようになった。また、尿を面状に拡散するので、吸収体全域で吸収することができるため、吸収体の吸収能力の限界まで発揮させることができる。この結果、使い捨て補助パッドの交換頻度をさらに減少させることが可能である。
【出願人】 【識別番号】000110044
【氏名又は名称】トーヨー衛材株式会社
【出願日】 平成11年9月7日(1999.9.7)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外1名)
【公開番号】 特開2001−70341(P2001−70341A)
【公開日】 平成13年3月21日(2001.3.21)
【出願番号】 特願平11−253282