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【発明の名称】 止着用フロントシートを有する紙おむつ
【発明者】 【氏名】田畑 憲一

【要約】 【課題】面ファスナーテープを紙おむつの止着手段とするものにあって、止着位置の目印を形成する。

【解決手段】面ファスナーのフック要素と係脱するフック受け要素5の設置位置において、フック要素の止着位置の目印9が外面側に印刷された印刷フィルム10が紙おむつのバックシート2に固定され、前記フック受け要素5は透明または半透明のシート状であり、このフック受け要素5が印刷フィルム10上に熱溶着12により積層されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】フック要素とこれと係脱自在の関係を有するフック受け要素との組み合わせによるて面ファスナーを用い、紙おむつ背側の両側部に前記面ファスナーの一方の要素を固定し、他方の要素を腹側に固定し、着用者への装着時の固定手段とする紙おむつにおいて、前記他方の要素の設置位置において、前記一方の要素の止着位置の目印が外面側に印刷された印刷フィルムが紙おむつのバックシートに固定され、前記他方の要素は透明または半透明のシート状であり、この他方の要素が前記印刷フィルム上に熱溶着により積層され、前記他方の要素を介して外部から前記目印が視認可能となっていることを特徴とする止着用フロントシートを有する紙おむつ。
【請求項2】前記印刷フィルムは前記バックシートにホットメルト接着剤により固定されている請求項1記載の止着用フロントシートを有する紙おむつ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フック要素とフック受要素との係合を行う着脱自在の面ファスナー(通常ベルクロファスナー(登録商標)またはマジックテープ(登録商標)と呼ばれる)を用いて装着するようにした紙おむつに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、紙おむつを被着用者に装着する場合のテープファスナーとしては、粘着剤を用いたものが主流をなしている。おむつカバーにおいては、前述の面ファスナーにて結合するようにしている。この面ファスナーを用いる場合、何回もの着脱が可能であり便利である。
【0003】これに対して、粘着剤を有するテープファスナーを紙おむつの両側部に固定し、紙おむつの腹側のバックシート表面に大きい面積をもってフロントシートを固定し、このフロントシートに対してテープファスナーを止着し、取付位置を調整し直すことが可能とする構造のものが汎用されている。
【0004】この場合、テープファスナーの止着位置の便宜のために、フロントテープの腹周り方向に間隔を置いて目印を印刷により形成したもので知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】フロントシートに対して粘着剤を有するテープファスナーを止着するようにした構造のものは、テープファスナーの取付位置が調整可能である利点があるものの、着用後一旦剥がし、排尿の有無を確認した後、再度、フロントシートに固定する場合、粘着剤の止着強度が低下する。さらに、元来、粘着剤による接着強度に頼るために、たとえば大きい面積を有する成人用の紙おむつにおいては強度不足となり、剥がれが生じやすい。
【0006】この点、面ファスナーを用いると大きい係合強度が得られ、かつ、着脱を繰り返しても係合強度の低下がない。
【0007】しかし、フロントテープに代えて面ファスナーを用いる場合、前記の目印を形成することができないものであった。
【0008】したがって、本発明の課題は、面ファスナーテープを紙おむつの止着手段とするものにあって、止着位置の目印を形成することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した請求項1記載の発明は、フック要素とこれと係脱自在の関係を有するフック受け要素との組み合わせによるて面ファスナーを用い、紙おむつ背側の両側部に前記面ファスナーの一方の要素を固定し、他方の要素を腹側に固定し、着用者への装着時の固定手段とする紙おむつにおいて、前記他方の要素の設置位置において、前記一方の要素の止着位置の目印が外面側に印刷された印刷フィルムが紙おむつのバックシートに固定され、前記他方の要素は透明または半透明のシート状であり、この他方の要素が前記印刷フィルム上に熱溶着により積層され、前記他方の要素を介して外部から前記目印が視認可能となっていることを特徴とする止着用フロントシートを有する紙おむつである。
【0010】請求項2記載の発明は、前記印刷フィルムは前記バックシートにホットメルト接着剤により固定されている請求項1記載の止着用フロントシートを有する紙おむつである。
【0011】以下の本発明の説明において、「フック要素」および「フック受要素」とは、フックが逆レ字になっていなくとも、キノコ状等であってもよいし、またフック受がループ状でなくたとえば逆J字などの形状をなし、フックとからみ合うものであればよい。要は、接着剤等のように、化学的結合を除き、かつからみ合いにより機械的に着脱(剥離)自在となっているもの(一般に面ファスナーと呼ばれるもの)であればよい。
【0012】本発明においては、他方の要素は透明または半透明とし、これが熱溶着により印刷フィルム上に積層されているので、他方の要素を介して外部から印刷フィルムの目印を視認でき、着用者はその目印に従って止着位置を選択でき、止着作業を容易かつ正確に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施の形態を参照しながらさらに詳説する。
【0014】第1図〜第4図は第1実施例を示したもので、紙おむつ本体は、表面(肌に当る面)側の不織布等からなる透液性トップシート1と、裏面のポリエチレンシート等からなる不透液性バックシート2と、周囲部分をフラップ部として残してそれらの間に介在された綿状パルプ等からなる吸収体3とを基本構成要素としている。吸収体3に隣接して脚回り部分に1本または複数本の弾性伸縮部材4Aが必要により設けられている。前後端には、必要により前後漏れ防止用弾性伸縮部材4Bが設けられる。
【0015】この種の紙おむつ本体は公知のものであるが、本発明では腹部Sの外面に、面ファスナーの一つの要素、たとえば多数のループ5aが基材5bに突出するフック受け要素を構成するフック受けシート(からみ受シート)5が、いわゆるフロントシートとして不透液性バックシート2により固定されている。
【0016】他方、背中Bがわ両側部には、面ファスナーの他の一つの要素が固定されている。実施例においては、背中Bがわ両側部はバックシート2とトップシート1とにより構成され、バックシート2の表面にその側縁から外方に張り出して主テープ部材6が、たとえば粘着剤層6Aにより固定され、トップシート1の表面とその側縁を跨いだ主テープ部材6の内面側との間に副テープ部材7が、たとえば両端が粘着剤層7Aにより固定状態で設けられている。
【0017】前記主テープ部材6の副テープ部材7が存在しない内面側部分に、面ファスナーのフック要素を構成するフックシート8がたとえば粘着剤層8Aにより固定されている。フックシート8は、多数のフック片8aを基材8bに植設したものであり、フック片8aは前記ループ5aと係脱自在の関係にある。また、フックシート8は、好ましくは、主テープ部材6の先端から内側に設けることにより、先端部を撮み部として残してある。
【0018】他方、図4に示されているように、未装着時においては主テープ部材6を、製品の内側に折り畳んだ状態とされ、その際に、フックシート8は、副テープ部材7の一部、あるいは図5に示されるように、副テープ部材7全体を越える位置において不織布からなるトップシート1の繊維に剥離自在に絡んだ状態で係合している。
【0019】かかる紙おむつにおいては、フックシート8を有する主テープ部材6、および副テープ部材7が紙おむつ本体に取付けられた後、図4に示すように、主テープ部材6を、紙おむつの内側に折り畳んだ状態とし、フックシート8を、副テープ部材7の一部を越える位置において、不織布からなるトップシート1の繊維に絡ませて係合しておき、製造工程をさらに進め、荷作り後、出荷する。
【0020】紙おむつの装着時には、主テープ部材6の先端を摘み、トップシート1からフックシート8を剥離し、その延在部分を腹側Sに持ち込み、フックシート8をフック受けシート5上に重ねる。この重ね合わせによって、各フック片8aが各ループ5aに絡み、紙おむつ前後の結合がなされる。
【0021】排尿の有無の確認や装着のやり直しに際しては、フックシート8の延在部をフック受けシート5から剥して、再結合すればよい。
【0022】上記実施例においては、フックシート8を粘着剤8Aにて主テープ部材6に対して固定したが、粘着剤層8Aによることなくフックシート8の基材8bを主テープ部材6に熱溶着などにより固定することもできる。
【0023】フックシート8は、主テープ部材6の長手方向に沿って間隔を置いて複数設けることもできる。図1および図2に示されているように、フックシート8を有する主テープ部材6および副テープ部材7のファスナーテープは、紙おむつの一方の両側部に対して2つ設けたが、接合強度に応じて(あるいは幼児用などの用途に応じて)1つまたは3以上とすることができる。
【0024】さて、本発明においては、図7に断面で示すように、多数のループ5aが基材5bに突出するフック受け要素を構成するフック受けシート5が不透液性バックシート2に固定される。この場合、フック受けシート5を不透液性バックシート2に直接固定するのではなく、ブック受けシート5を固定すべき位置において、前記フック要素8の止着位置の目印9が外面側に印刷された印刷フィルム10を、たとえばホットメルト接着剤11により不透液性バックシート2に固定し、その印刷フィルム10上にフック受けシート5を熱溶着により(熱溶着層を符号12で示す)積層一体化させる。
【0025】ここで、フック受けシート5は前記目印9が外部から見えるようにするために、透明または半透明とされる。かくして、フック受けシート5を介して外部から前記目印9が視認可能となっており、前記フック要素8の止着位置を目印9に応じて選択できる。
【0026】目印9としては、数字、マーク、色分け帯または線などによって表示できる。上記実施例においては、紙おむつの背側にフック要素を、腹側にフック受け要素を設けたが、逆であってもよい。また、図8に示すように、フック受けシート5は、腹側に個別に対応して配置してもよい。
【0027】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、面ファスナーテープを紙おむつの止着手段とするものにあって、止着位置の目印を形成することができ、止着作業が容易となる。
【出願人】 【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
【出願日】 平成11年9月3日(1999.9.3)
【代理人】 【識別番号】100082647
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 義久
【公開番号】 特開2001−70340(P2001−70340A)
【公開日】 平成13年3月21日(2001.3.21)
【出願番号】 特願平11−249712