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【発明の名称】 膝関節サポーター
【発明者】 【氏名】三浦 隆

【氏名】鮎川 宏

【要約】 【課題】膝蓋腱を有効に圧迫すると共に、膝蓋骨の高位を抑制し、更に大腿部の筋群に対する周径方向の圧迫を減らすことが可能な膝関節サポーターを提供する。

【解決手段】膝関節を包囲し膝関節を圧迫するように形成された本体1と、膝関節の下方両側方から膝蓋骨周囲を囲むように本体1に取付けた逆U字型パッド3と、逆U字型パッド3上に取付けた面ファスナー5、6と、装着状態における本体1の下腿位置に配置され膝蓋腱部位上を通り逆U字型パッド3上の面ファスナー5、6と係合し得る下腿ベルト8とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】膝関節を包囲し膝関節を圧迫するように形成された本体と、膝関節の下方両側方から膝蓋骨周囲を囲むように本体に取付けた逆U字型パッドと、 逆U字型パッド上に取付けた面ファスナーと、装着状態における本体の下腿位置に配置され膝蓋腱部位上を通り逆U字型パッド上の面ファスナーと係合し得る下腿ベルトとを備えたことを特徴とする膝関節サポーター。
【請求項2】装着状態において膝蓋腱上に位置するように本体に取付けた膝蓋腱用パッドを備えたことを特徴とする請求項1記載の膝関節サポーター。
【請求項3】下腿ベルトの裏面に面ファスナーを設け、この面ファスナーにより本体の面ファスナーと係合し得るようになっていることを特徴とする請求項1記載の膝関節サポーター。
【請求項4】本体の装着状態における膝蓋骨に相当する部分に開口を設けたことを特徴とする請求項1記載の膝関節サポーター。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、痛みを伴う膝関節の疾病に使用する膝関節サポーターに関する。
【0002】
【従来の技術】膝蓋靭帯炎やオスグッドシュラッテル病に代表される膝蓋骨周りの痛みに対応するサポーターとして、膝蓋腱を圧迫するためのパッド等を用いたものが多く実用化されており、膝蓋腱に対して局所的にかかる負荷を減弱させる効果を持ち、一定の評価を得ている。しかし従来のものは、膝蓋腱への負荷を減少させる目的で膝蓋骨の高位を防ぐ方法をとる場合、本体素材の圧迫力を利用しており、大腿部周径方向への圧迫を強くする必要があり、そのため運動パフォーマンスを阻害する可能性が生じ、必ずしも有効とは言い難い。また従来の膝周囲に用いられるパッドはその機能が膝蓋骨の安定機能に限定されるものであり、膝蓋骨高位を防ぐために最適化されたものではない。更に膝の痛みを取る目的ではバンド形状のものが数多く見られるが、膝蓋腱に対する圧迫により疼痛部位への応力集中を減少することを目的としたものや、膝蓋骨上端部を大腿周径方向で圧迫することにより、膝蓋骨の上方変位を減弱し、患部への応力集中を減らすことで疼痛の緩和を目的として用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、膝蓋靭帯炎やオスグッドシュラッテル病に代表される膝蓋骨周囲の痛みに対し、膝蓋腱を有効に圧迫することにより腱への局所的な負荷の集中を防ぐと共に、膝の痛みを増強させる原因と考えられる膝蓋骨の高位を上部から押さえ込むことにより減弱し、更に運動の妨げとなる大腿四頭筋、ハムストリング等の大腿部の筋群に対する周径方向の圧迫を減らすことが可能な膝関節サポーターを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するため、本発明によれば、膝関節を包囲し膝関節を圧迫するように形成された本体と、膝関節の下方両側方から膝蓋骨周囲を囲むように本体に取付けた逆U字型パッドと、逆U字型パッド上に取付けた面ファスナーと、装着状態における本体の下腿位置に配置され膝蓋腱部位上を通り逆U字型パッド上の面ファスナーと係合し得る下腿ベルトとを備える。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明においては、膝関節を包囲するように伸縮性の素材により本体を筒状に形成し、この本体上に膝蓋骨周囲を囲むように逆U字型パッドを取付け、逆U字型パッドの両端下部上に面ファスナーを設け、裏面に面ファスナーを設けた下腿ベルトを本体の下端後側において本体と結合し、膝蓋腱部位において交差せしめ、両端を逆U字型パッド上の面ファスナーと係合するようにすると有利である。
【0006】
【実施例】次に本発明を図面に示す実施例について説明する。
【0007】図1において、a、b、cは本発明の実施例の本体のそれぞれ正面図、左側面図、右側面図、d、eは本発明の実施例の締付ベルトのそれぞれ正面図、背面図である。1は本体で、伸縮性の素材から膝関節の周りを包むような筒状に形成され、装着時膝窩部に対向する部分は屈曲時の本体生地のたるみを防ぐ目的で切り欠き、縫い縮めて、開口2が形成されている。開口2を囲むように弾性のある素材からU字状に形成されたパッド3が、Uの字が下向きになるように本体1上にパッドカバー4により固定されている。パッドカバー4の逆U字の両脚下部上に面ファスナー5、6が取り付けられ、この面ファスナー5、6は開口2のレベルから本体1の下端近傍まで延びている。開口2の下方において本体1に膝蓋腱用パッド7が取り付けられている。膝蓋腱用パッド7は本体と同種の素材を使用し、本体1の内側又は外側に取り付けることができる。
【0008】8は下腿ベルトで、本体と同様に伸縮性、又は非伸縮性の素材からなり、両端部9、10は中央部11よりやや上向きになるように形成されている。その裏面には中央部11の両側に面ファスナー12、13、両端に面ファスナー14、15が固定されている。下腿ベルト8は装着状態において本体1の下腿部位上に巻付けて使用する。そのため膝裏側に位置する中央部11は若干幅を広くし、局所圧迫を防止するように形成されている。
【0009】本体1の素材としては、アクリル、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、毛などの繊維と伸縮性のあるポリウレタン、ゴムなどの繊維を混紡したもの、エラストマーシート、例えばクロロプレンゴム、ウレタン、EVA(エチレン-酢酸ビニル-コポリマー)、PVC(ポリ塩化ビニル)等のシートにジャージをラミネートしたもの、前述のシートを単体で形成したもの、又は異なる種類のシートを複数層ラミネートしたものなど、従来サポーターに使用されている素材を用いることができる。逆U字型パッド3の素材としては、ゴム、EVA(エチレン-酢酸ビニル-コポリマー)、シリコン、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、ウレタン等の素材を成形したものを使用することができる。下腿ベルトの素材としては、伸縮性のものを使用する場合は本体の素材と同様のもの、非伸縮性のものの場合はアクリル、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、毛などの繊維の織物や不織布、またはその織物や不織布に樹脂を付与したものを用いることができる。
【0010】次に図2を使用して本発明のサポーターの装着方法を説明する。aは装着状態の正面図、bは装着状態の右側面図、cは作用説明図である。図に示すように、先ず本体1に下腿を差し込み、本体1が膝関節を包み、逆U字型パッド3のUの字の両脚連結部分が膝蓋骨21の上部に、開口2が膝蓋骨21上に、膝蓋腱パッド7が膝蓋腱部位上に来るような位置に持ち上げる。次いで下腿ベルト8を、その中央部11が本体1の後方下端に位置するように添え、面ファスナー12、13でそれぞれ本体1の面ファスナー5、6上に係着し、両端部9、10を前方に回し、膝蓋腱部位上で、即ち膝蓋腱用パッド7上で交差させ、両端の面ファスナー14、15をそれぞれ本体1の面ファスナー5、6と係合させる。逆U字型パッド3により膝蓋骨の高位即ち上方へのずれを抑制し、下腿ベルト8により膝蓋腱に適切な圧迫力を加えると共に、特に足の屈曲時に逆U字型パッド3が上方へずれることがあるのを有効に防止するものである。図のcは足の屈曲時の力の作用状態を説明したものである。本体1は膝関節を包み、伸縮性素材からなる本体1の有するモジュラスにより適度の圧迫力を膝関節に加え、下腿ベルト8は本体1の下腿部分において膝蓋腱部位上に圧迫力を加えると共に逆U字型パッド3に力を及ぼし、膝関節が屈曲したとき逆U字型パッド3に対し矢印で示すように下向きの力を作用させるから、逆U字型パッド3は膝蓋骨21に対し下方向に抑えるように働き、膝蓋骨の高位を防止する。また、大腿部分は本体1のみで特に締付ベルトのようなものは存在しないから、周径方向の圧迫は少ない。
【0011】上述の実施例では本体1の面ファスナー5、6はパッドカバー4の逆U字の両脚下部上に取り付けられたものを示したが、必ずしもこの位置に限定されず、要は下腿ベルト8を本体1上に係着したとき、下腿ベルト8が逆U字型パッド3に上方へのずれを抑制するような力を作用させるような位置に下腿ベルト8を取り付け得るようであればよい。
【0012】下腿ベルト8は上述の実施例では膝蓋腱部位上で交差するように係着する方式を示したが、必ずしも交差させる必要はなく、膝蓋腱を圧迫すると共に逆U字型パッドにその上方変位を抑制する力を作用させ得るような位置であればよく、例えば膝蓋腱上を通る下腿周囲に巻付け、逆U字型パッドカバー4の面ファスナー5、6と係着させて下腿ベルト8の両端を係合させるようにしてもよい。
【0013】膝蓋腱用パッド7は必ずしも設ける必要はないが、これを設けることによって膝蓋腱部位により有効な圧迫力を加えることができる。
【0014】また、本体1についても、上述の実施例では筒状に形成したものを示したが、ほぼ長方形状に形成し、膝関節の周りに巻付けてその両側端を面ファスナー等で相互に係合して筒状にするような開放型のものにしてもよい。
【0015】表1は、本発明を従来のサポーターと比較して種々の作用の差異を示したものである。即ち、従来のサポーターとして通常のサポータータイプ、パッド付きサポータータイプ、大腿巻付けバンドタイプ、下腿巻付けバンドタイプを挙げ、大腿部周径方向の圧迫作用、膝蓋腱の圧迫作用、膝蓋骨の安定作用、膝蓋骨高位の防止作用、下腿部周径方向の圧迫作用、下腿筋群周径方向の圧迫作用について強、中、弱の基準で示す。この表から明らかなように、従来のサポーターに比し、本発明のサポーターはすべての項目において良好な特性を有することが分かる。即ち、膝蓋腱に対する圧迫作用、膝蓋骨の安定作用、膝蓋骨高位の防止作用が高いにも拘らず、大腿部周径方向の圧迫作用、下腿筋群周径方向の圧迫作用は小さい。
【0016】
【表1】

【0017】
【発明の効果】本発明によれば、膝蓋骨の周囲に配置した逆U字型パッドが本体の下腿部分に取り付けたベルトにより固定されているから、逆U字型パッドの働きにより膝蓋骨の過度の上方変位が防止され、膝蓋腱に対する応力集中が減弱され、疾患に対する治療、予防効果を保持することができ、一方において大腿部の周径方向への圧迫がないことから、運動パフォーマンスを良好に保つことができる。また、逆U字型パッドが本体の側方にまで延びているから、サポーターに設けられるサイドステーの効果をも併せ持たせることができ、側方の動揺性を抑えると共に、サポーター本体の皺、弛みを減少させることができる。
【出願人】 【識別番号】000151380
【氏名又は名称】アルケア株式会社
【出願日】 平成11年9月9日(1999.9.9)
【代理人】 【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
【公開番号】 特開2001−70329(P2001−70329A)
【公開日】 平成13年3月21日(2001.3.21)
【出願番号】 特願平11−255621