| 【発明の名称】 |
吸収性物品 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 雅仁
【氏名】濱島 美次
【氏名】坂本 紀子
【氏名】寺西 太
【氏名】中西 稔
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| 【要約】 |
【課題】制臭効果が高く且つ漏れの少ない吸収性物品を提供すること。
【解決手段】液透過性の表面層2、液不透過性の防漏層3及び両層間に介在された液保持性の吸収層4を有する吸収性物品1において、吸収層4がa)特定の親水性繊維又は親水性発泡体及びb)制臭剤を含有する制臭部9を有し、制臭部9は、a)及びb)が互いに分散混合されて形成された層から構成されるか、又はa)を含有する層とb)を含有する層とが互いに隣接してなる層から構成され、制臭部9におけるa)の含有量が20〜80重量%である吸収性物品。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液透過性の表面層、液不透過性の防漏層及び両層間に介在された液保持性の吸収層を有する吸収性物品において、前記吸収層が以下のa)及びb)の物質を含有する制臭部を有し、該制臭部は、a)及びb)の物質が互いに分散混合されて形成された層から構成されるか、又はa)の物質を含有する層とb)の物質を含有する層とが互いに隣接してなる層から構成され、該制臭部におけるa)の含有量が20〜80重量%である吸収性物品。 a)水に膨潤しない親水性繊維若しくは親水性発泡体、又は水の平衡吸収膨潤後の遠心保持量が0.7g/g以下である親水性繊維若しくは親水性発泡体。 b)制臭剤。 【請求項2】 前記制臭部が、a)及びb)の物質並びに高吸収性ポリマーを含有する制臭シートからなり、該シートにおけるa)の物質の含有量が20〜80重量%、b)の物質の含有量が10〜60重量%、前記高吸収性ポリマーの含有量が10〜60重量%である請求項1記載の吸収性物品。 【請求項3】 前記シートの生理食塩水に対する1分後のクレム吸水度(JIS P 8141)が40mm以上である請求項2記載の吸収性物品。 【請求項4】 前記シートは、b)の物質が前記高吸収性ポリマーを介してa)の物質に接着固定されて形成されている請求項2又は3記載の吸収性物品。 【請求項5】 体液の吸収に用いられる吸収性物品において、900mLのガラス容器に以下の液を以下の量導入し、次いで直ちに該ガラス容器に前記吸収性物品を入れて密封し25℃で以下の時間保存した後の該ガラス容器中における以下のガスの濃度が以下の通りである吸収性物品。 ・29重量%アンモニア水溶液0.1μLを導入し、前記密封した後のアンモニアガスの濃度30分後に10ppm未満。 3時間後に5ppm以下。 ・1μg/μLメチルメルカプタン(ベンゼン溶液)100μLを導入し、前記密封した後のメチルメルカプタンガスの濃度30分後に20ppm以下。 3時間後に2ppm以下。 【請求項6】 以下の液を吸収させた前記吸収性物品を900mLのガラス容器に入れ、直ちに該ガラス容器を密封し25℃で以下の時間保存した後の該ガラス容器中における以下のガスの濃度が以下の通りである請求項5記載の吸収性物品。 ・29重量%アンモニア水溶液60μL及び生理食塩水5mLをこの順に同じ部位に吸収させた前記吸収性物品を前記ガラス容器に入れ、前記密封した後のアンモニアガスの濃度30分後に20ppm以下。 3時間後に7ppm以下。 ・1μg/μLメチルメルカプタン(ベンゼン溶液)100μL及び生理食塩水5mLをこの順に同じ部位に吸収させた前記吸収性物品を前記ガラス容器に入れ、前記密封した後のメチルメルカプタンガスの濃度30分後に10ppm以下。 3時間後に2ppm以下。 【請求項7】 900mLのガラス容器に以下の液を以下の量導入し、直ちに該ガラス容器に、以下の液を吸収させた前記吸収性物品を入れて密封し25℃で以下の時間保存した後の該ガラス容器中における以下のガスの濃度が以下の通りである請求項5又は6記載の吸収性物品。 ・29重量%アンモニア水溶液60μL及び生理食塩水5mLをこの順に前記吸収性物品の同じ部位に予め吸収させておき、29重量%アンモニア水溶液0.1μLが導入された前記ガラス容器内に前記吸収性物品を入れて該ガラス容器を密封した後のアンモニアガスの濃度30分後に20ppm以下。 3時間後に7ppm以下。 ・1μg/μLメチルメルカプタン(ベンゼン溶液)100μL及び生理食塩水5mLをこの順に前記吸収性物品の同じ部位に予め吸収させておき、1μg/μLメチルメルカプタン(ベンゼン溶液)100μLが導入された前記ガラス容器内に前記吸収性物品を入れて該ガラス容器を密封した後のメチルメルカプタンガスの濃度30分後に20pm以下。 3時間後に2ppm以下。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、生理用ナプキン、使い捨ておむつ、失禁パッド、パンティライナー、ペット用シート等の吸収性物品に関し、更に詳しくは制臭効果が高く且つ漏れの少ない吸収性物品に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】消臭機能を付与した吸収性物品に関する従来の技術としては、例えば特開昭58−138452号公報、特開昭59−105448号公報及び特開平2−252555号公報に記載のもの等が知られている。しかし、これらの公報に記載の技術においては、消臭剤の周囲に紙やパルプ等の親水性材料が存在しているため、吸収された液がこれら紙やパルプに残ってしまい、所望の消臭効果が発現されず、消臭効果に乏しいものとなる。 【0003】また、前述の公報以外にも、吸収性物品の吸収体等に各種消臭剤や芳香剤を配合し、経血に由来する臭いを低減させる試みが数多くなされている。典型的には以下の(1) 〜(3) のタイプのものが知られている。 (1) 各種臭いを吸着し消臭する材料を配合して乾燥状態(吸液していない状態)での消臭機能を設計しているもの。 (2) 包接化合物等に香料を封じ込め、経血の吸収・湿潤時に香料を放出することによって、マスキング作用で臭いを感じなくするもの。 (3) 吸収性物品全体の通気性向上、或いは抗菌剤(殺菌剤)の配合により、雑菌の繁殖を抑制し、雑菌の代謝産物由来の臭いの発生、増大を抑制するもの。 【0004】(1) のタイプは、消臭機能として本質的に重要であるが、液(排泄物)の吸収状態を考慮していないため、実使用場面においては経血、おりもの、尿等の体液の吸収に伴う湿潤によって、十分な消臭能力が発現しない。(2) のタイプでは、香りによるマスキングであらゆる臭いを感知できなくすることは極めて困難であり、また現実的には、保管時に吸湿して香料が放出されてしまったり、経時的に分解して香りがなくなってしまう。(3) のタイプは、おむつや失禁パッドのように尿の分解で発生するアンモニアを消臭の対象とする場合には有効であるが、特に、経血やおりもののように体外に排泄された直後から強い臭いを発する液を消臭する場合には何ら有効でない。更に、(1) 〜(3) のタイプに共通する問題として、経血、おりものの臭いは成分が多種多様で、かつ排泄された直後から高濃度であるため、すべての臭いに対して、十分に臭いを低減できないことが挙げられる。 【0005】従って、本発明は、制臭効果が高く且つ漏れの少ない吸収性物品を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、液透過性の表面層、液不透過性の防漏層及び両層間に介在された液保持性の吸収層を有する吸収性物品において、前記吸収層が以下のa)及びb)の物質を含有する制臭部を有し、該制臭部は、a)及びb)の物質が互いに分散混合されて形成された層から構成されるか、又はa)の物質を含有する層とb)の物質を含有する層とが互いに隣接してなる層から構成され、該制臭部におけるa)の含有量が20〜80重量%である吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。 a)水に膨潤しない親水性繊維若しくは親水性発泡体、又は水の平衡吸収膨潤後の遠心保持量が0.7g/g以下である親水性繊維若しくは親水性発泡体。 b)制臭剤。 【0007】また本発明は、体液の吸収に用いられる吸収性物品において、900mLのガラス容器に以下の液を以下の量導入し、次いで直ちに該ガラス容器に前記吸収性物品を入れて密封し25℃で以下の時間保存した後の該ガラス容器中における以下のガスの濃度が以下の通りである吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。 ・29重量%アンモニア水溶液0.1μLを導入し、前記密封した後のアンモニアガスの濃度30分後に10ppm未満。 3時間後に5ppm以下。 ・1μg/μLメチルメルカプタン(ベンゼン溶液)100μLを導入し、前記密封した後のメチルメルカプタンガスの濃度30分後に20ppm以下。 3時間後に2ppm以下。 【0008】 【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の吸収性物品の一実施形態としての生理用ナプキンの幅方向断面図が示されている。 【0009】この生理用ナプキン1は、実質的に縦長の形状をしており、液透過性の表面層としてのトップシート2、液不透過性の防漏層としてのバックシート3、及び両シート間に介在された液保持性層の吸収層としての吸収体4を備えている。詳細には、吸収体4は、その裏面が防漏シート6に当接するように該防漏シート6上に載置される。吸収体4と防漏シート6とは、ホットメルト粘着剤5によって接合固定されている。そして吸収体4の幅方向両側部から延出する防漏シート6が、吸収体4の上面側に巻き上げられ、吸収体4の上面側の幅方向両側部を覆っている。更にこの上をトップシート2が覆っている。吸収体4の幅方向両側部から延出するトップシート2は、吸収体4の裏面側に折り込まれ、吸収体4の裏面側を覆う防漏シート6と、ホットメルト粘着剤5によって接合固定されている。吸収体4の裏面側を覆う防漏シート6の外側の面にはホットメルト粘着剤5がスパイラル状に塗布されている。吸収体4の裏面側に折り込まれたトップシート2の外側の面にもホットメルト粘着剤5が塗布されている。これらのホットメルト粘着剤塗布面上に防漏層としてのバックシート3が接着固定されている。バックシート3の外側の面にはナプキン1を着用者の着衣に固定するための粘着剤7が帯状に2箇所塗布されている。粘着剤7は剥離紙8によって保護されている。また、吸収体4の前後端から延出するトップシート2、バックシート3及び防漏シート6が、ヒートシールによって互いに接合固定されている(図示せず)。ナプキン1を構成するこれらの部材としては、従来のナプキンに用いられているものと同様のものを用いることができる。 【0010】吸収体4は制臭部9を有している。本実施形態においては、吸収体4全体が制臭部9となっている。本実施形態の制臭部9(吸収体4)は、以下のa)及びb)の物質を含有する。a)水に膨潤しない親水性繊維若しくは親水性発泡体、又は水の平衡吸収膨潤後の遠心保持量(以下、単に遠心保持量ともいう)が0.7g/g以下である親水性繊維若しくは親水性発泡体。b)制臭剤。 【0011】ナプキンが前記a)及びb)の物質を含有する制臭部を有することにより、ナプキンに吸収された液(この液は悪臭の発生源である)が、前記a)の物質の表面に滞留しずらくなり、前記b)の物質である制臭剤に向かって集められ、集められた液が該制臭剤によって速やかに制臭され、悪臭の発生が防止される。前記a)の物質は、体液を吸収しても、それ自身は膨潤しないか又は膨潤が少ないので、制臭部内に存する空間(例えば、繊維を用いた場合には繊維空間)が密にならない。また、液を吸収した時の弾性率の低下も少ないので、前記空間が初期の状態を安定に保てる。従って、体液が前記空間に残り難い。また、前記a)の物質は親水性であるので、吸収した液を前記b)の物質である制臭剤まで素早く導く。 【0012】前記a)の物質における水に膨潤しない親水性繊維又は親水性発泡体の構成材料としては、自身が膨潤しない樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、及びこれらの2種以上の複合体等の合成樹脂が挙げられる。これらの合成樹脂は、その表面が疎水性なので親水化処理をすることが必要である。親水化処理の方法としては、前記合成樹脂からなる繊維又は発泡体を成形後、界面活性剤の溶液を噴霧・塗工し、その表面に付着させるか、又は、予め親水性の界面活性剤を前記合成樹脂に練り込み、その後、繊維又は発泡体を成形し、その表面に界面活性剤をブリードさせる方法等がある。 【0013】親水化処理に用いられる界面活性剤としては、親油基と親水基を持つ親水性の界面活性剤であれば何れでも良いが、アニオン系界面活性剤、及びエチレンオキサイド系の付加モル数の高いノニオン系界面活性剤が好ましい。具体的には、スルホコハク酸エステル、アルキルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、グリセリン脂肪酸エステルなどがある。これらの界面活性剤は、単独で又は混合物で使用できる。これらの界面活性剤のうち、前記合成樹脂に対する割合が0.05〜3重量%程度で十分な親水性を付与できるものが好ましい。 【0014】水に膨潤しない親水性繊維又は親水性発泡体の構成材料の別の例としては、親水化処理する必要のない材料、即ち自身が親水性表面を有する材料が挙げられる。具体的にはセルロース、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂からなる繊維及び発泡体、例えばレーヨン繊維、ポリビニルアルコール繊維、セルローススポンジ、ポリビニルアルコールスポンジ等が挙げられる。 【0015】前記a)の物質における水の平衡吸収膨潤後の遠心保持量が0.7g/g以下である親水性繊維又は親水性発泡体の例としては、セルロースの分子内又は分子間を適当な架橋剤によって架橋させた架橋セルロース繊維や、セルロースの結晶化度を向上させたポリノジックレーヨン繊維等が挙げられる。製造経費の面からは架橋セルロース繊維が好ましい。遠心保持量が0.7g/g超の親水性繊維又は親水性発泡体を用いると、液がこれら繊維又は発泡体中に吸収保持され悪臭の発生源となったり、これら繊維又は発泡体が液を吸収することでその弾性率が低下し、繊維空間あるいは空孔中に液が残留し易くなって、やはり悪臭の発生源となる。尚、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の化学パルプは、その遠心保持量が通常1〜2g/g程度である。遠心保持量の測定方法は後述する実施例において詳述する。 【0016】前記架橋剤としては、ジメチロールエチレン尿素及びジメチロールヒドロキシエチレン尿素等のN−メチロール化合物、クエン酸トリカルバリル酸及びブタンテラカルボン酸等のポリカルボン酸、ポリグリシジルエーテル系化合物、並びにジアルデヒド系化合物等が好ましく用いられる。 【0017】制臭部9におけるa)の物質の含有量は20〜80重量%であり、好ましくは40〜60重量%である。含有量が20重量%未満では制臭部全体の強度不足に加え、制臭剤全体に体液を拡散させる能力が低下して制臭効果が不充分であり、80重量%超では制臭剤の配合量が少ない為に高い制臭能力を期待できない。 【0018】本発明における制臭剤とは、悪臭を吸収する消臭剤及び脱臭剤、悪臭の発生を防止する防臭剤、悪臭を他の臭いでマスキングする芳香剤等の悪臭に対する知覚を抑制する物質一般を意味する。また制臭とは、悪臭の吸収、悪臭の発生防止、悪臭を他の臭いでマスキングする等の悪臭に対する知覚を抑制することをいう。 【0019】例えば、防臭剤としては、銀、亜鉛、銅などの金属イオンを含むキレート剤、及びこれらの金属イオンを担持する物質(例えば金属イオン含浸ゼオライト)などが挙げられる。 【0020】消臭剤及び脱臭剤としては、(1) 中性活性炭、繊維化炭素吸着剤、ゼオライト、アモルファスシリカ、ベントナイト等の粘土鉱物、活性アルミナ及び酸性白土等の物理吸着脱臭剤、(2) 酸性剤、アルカリ性剤、酸化剤及び還元剤等の化学脱臭剤、(3) アルカリ性または酸性添着活性炭、植物性精油を吸着させたゼオライト等の物理・化学脱臭剤、並びに(4) 鉄フタロシアニン誘導体、酸化亜鉛等の脱硫作用を有する塩、鉄(II)化合物をL−アスコルビン酸とミョウバンとの混合物などが挙げられる。 【0021】芳香剤としては、(1) アルコール系香料、単糖類、オリゴ糖類及び多糖類からなる配糖体等の香料の配糖体、(2) グリセリンとカルボン酸系香料(安息香酸、桂皮酸など)とのモノグリセライド、ジグリセライド及びトリグリセライド等のグリセリド、(3) アルコール系香料、カルボン酸系香料又はアミン系香料(インドール、スカトールなど)のアミノ酸誘導体又はペプチド誘導体などが挙げられる。 【0022】制臭部9における制臭剤の含有量は、5〜80重量%、特に20〜70重量%であることが、効果的な制臭能力が発揮される点、及び制臭剤の脱落が防止され、制臭部の強度が十分に維持される点から好ましい。 【0023】制臭部9は、吸収性物品の用途・形状等に応じて、a)及びb)の物質が互いに分散混合されて形成された層から構成されるか、又はa)の物質を含有する層とb)の物質を含有する層とが互いに隣接してなる層から構成される。後者の場合、a)の層とb)の層との上下関係に特に制限は無い。本実施形態においては、制臭部9は、a)及びb)の物質が互いに分散混合されて形成された制臭シート10が、C字状に折り畳まれて構成されている。 【0024】制臭部9が制臭シート10から構成されている場合、制臭シート10は、a)の水に膨潤しない親水性繊維又は水の平衡吸収膨潤後の遠心保持量が0.7g/g以下である親水性繊維(以下、これらの親水性繊維を総称して単に親水性繊維という)と、b)の制臭剤とを含有している。また、親水性繊維に液が残ることを一層防止して制臭効果を一層高めるために、制臭シート10は高吸収性ポリマーを含有していることが好ましい。即ち、高吸収性ポリマーを配合することで、悪臭の発生源である体液が高吸収性ポリマーに吸収・固定されるため、制臭効果が向上するので好ましい。この場合、制臭シート10における親水性繊維の含有量は20〜80%、特に30〜60重量%であることが好ましい。制臭剤の含有量は5〜60重量%、特に10〜50重量%であることが好ましい。高吸収性ポリマーの含有量は10〜60重量%、特に20〜50重量%であることが好ましい。尚、高吸収性ポリマーとしては、従来の吸収性物品に用いられているものと同様のものを用いることができる。 【0025】制臭シート10に高吸収性ポリマーが含有されている場合、制臭剤は高吸収性ポリマーを介して親水性繊維に接着固定されていることが、制臭剤の脱落防止等の点から好ましい。斯かる接着固定を行うには、例えば、湿潤状態にある親水性繊維のウエブに高吸収性ポリマーを散布して該ポリマー膨潤させることで粘着性を発現させ、そこに制臭剤を散布すればよい。 【0026】制臭シート10の強度を高めたり、或いは制臭剤の制臭シート10への固定性を高めるために、制臭シート10に結合剤を含有させてもよい。結合剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエステル等の合成繊維、ポリエチレンとポリプロピレンとの複合繊維並びにポリエチレンとポリエステルとの複合繊維等の熱溶融性接着繊維;熱水で溶解するポリビニルアルコール繊維等の接着性繊維;カルボキシメチルセルロース、カイメン及びジアルデヒドデンプン等の抄紙用助剤などが挙げられる。結合剤は、制臭シート10に0.1〜30重量%、特に0.5〜10重量%含有されることが好ましい。 【0027】制臭剤の機能を効果的に発現させるために、制臭シート10における液の拡散性を向上させることが望ましい。具体的には、制臭シート10は、JIS P 8141に準じて測定された生理食塩水に対する1分後のクレム吸水度が40mm以上、特に50mm以上であることが好ましい。この様な拡散性は、親水性繊維を適切に選択することによって得ることができる。 【0028】例えば、親水性繊維として、水に膨潤しない合成繊維を親水化処理した繊維を用いる場合には、繊維径を小さくして繊維の比表面積を高くすればよい。この場合の平均繊維径は20μm以下、特に0.1〜10μmであることが好ましい。このような平均繊維径を有する繊維を含む制臭シートを得るには、例えば制臭シートの基材として、繊維を極細にできるメルトブローン不織布を用いることが好ましい。 【0029】また、親水性繊維として、遠心保持量が0.7g/g以下の親水性繊維を用いる場合は、制臭シートの密度を適宜調整したり、比表面積の高い極細のパルプ、例えば広葉樹パルプを制臭シートに少量配合することが好ましい。 【0030】本実施形態においては、吸収層4がすべて制臭部9から構成されているが、本発明においては、制臭部は吸収層の一部を構成し、吸収層の何れかの部分に配されていてもよい。この場合、吸収層を構成するその他の素材としてはフラッフパルプ、高吸収性ポリマー、吸収紙等が用いられる。吸収層4全体の重量に対するa)の物質の含有量は、5〜70重量%、特に10〜60重量%で、b)の物質の含有量は、5〜70重量%、特に10〜50重量%であることが、吸収層4が所望の吸収性能を保ちながら十分な制臭性能を発揮する点から好ましい。吸収層4全体の重量に対する制臭部の重量の割合は、10重量%以上、特に20重量%以上であることが、十分な制臭性能を発揮する点から好ましい。 【0031】制臭部が配される位置に特に制限は無いが、吸収層の最上部(即ち、最も肌当接面側)に配することが、吸収された液からの悪臭の発生が効果的に防止できる点から好ましい。制臭部を吸収層の最上部に配する場合、該最上部においては、吸収層の肌当接面側の面積の50%以上、特に70〜100%が制臭部で構成されていることが好ましい。 【0032】防漏層としてのバックシートが水蒸気透過性である場合、装着環境において湿度上昇が抑えられるので、装着中のムレ感がなく快適となる。また、このため、細菌による体液の腐敗の進行が抑えられ、悪臭の発生及び増大が防止される。但し、バックシートが水蒸気透過性である場合には、吸収された体液から悪臭が発生すると、該悪臭がバックシートを通して外部に発散するおそれがある。そこで、水蒸気透過性の防漏層を用いる場合には、吸収層における制臭部を防漏層に隣接して配することが好ましい。 【0033】図2には、制臭部が吸収層の最上部に配され且つ防漏層に隣接して配された実施形態(第2の実施形態)の生理用ナプキンが示されている。詳細には、吸収部4は、フラッフパルプと高吸収性ポリマーとの分散混合物からなる吸収保持部11と、この上下面及び両側面を被覆する制臭シート10からなる制臭部9とから構成されている。吸収部4はトップシート2と水蒸気透過性のバックシート3との間に介在され、吸収部4の下面側にホットメルト粘着剤5がスパイラル状に塗布されて、吸収部4とバックシート3とが接合固定されている。また、吸収部4の両側縁から延出するトップシート2とバックシート3とがホットメルト粘着剤5によって接合固定されている。本実施形態のナプキン1によっても、吸収された液からの悪臭の発生が効果的に防止される。 【0034】本発明者らは、実際に使用された生理用ナプキン及びおりものシートを、後述するガラス容器内に密封保存し、後述の条件下で30分放置した後に発生するガスを分析したところ、下記の如く多種多量のガスが悪臭として発生することを見出した。 ・アンモニア:最大で十数ppm・メルカプタン類:最大で数十ppm・アミン類:最大で百数十ppm・脂肪酸類:最大で十数ppm・ケトン類他:最大で数十ppmそして、本発明者らは、更に検討を押し進めたところ、吸収性物品に要求されている制臭性能として、以下に述べる乾式制臭能、湿式制臭能及び複合制臭能が重要であることを見出し、これらの制臭性能が特定の条件を満たすことによって、着用者が満足する制臭性能を有する吸収性物品の提供が可能となることを知見した。 【0035】即ち、本発明の吸収性物品は、乾燥状態、つまり体液を吸収する前での制臭特性(以下、乾式制臭能という)が以下の通りとなる。900mLのガラス容器に29重量%アンモニア水溶液〔関東化学(株)製〕0.1μLをマイクロシリンジにて正確に注入して導入し、次いで直ちに該ガラス容器に吸収性物品を入れて密封し、25℃で30分間及び3時間保存した後の該ガラス容器中におけるアンモニアガスの濃度が以下の通りである。30分後のアンモニアガスの濃度10ppm未満、好ましくは5ppm以下。3時間後のアンモニアガスの濃度5ppm以下、好ましくは3ppm以下。また、900mLのガラス容器に、臭気測定用メチルメルカプタン〔1μg/μLベンゼン溶液、和光純薬(株)製〕100μLをマイクロシリンジにて正確に注入して導入し、次いで直ちに該ガラス容器内に吸収性物品を入れて密封し、25℃で30分間及び3時間保存した後の該ガラス容器中におけるメチルメルカプタンガスの濃度が以下の通りである。30分後のメチルメルカプタンガスの濃度20ppm以下、好ましくは10ppm以下。3時間後のメチルメルカプタンガスの濃度2ppm以下、好ましくは1ppm以下。 【0036】前記乾式制臭能は、本発明の吸収性物品において最も基礎的な制臭能力であり、詳細には、吸収性物品を装着後、殆ど液を吸収していない状態において、悪臭(例えば身体に付着した液や身体からガスとして排泄される悪臭等)を制臭する能力である。アンモニアガス及びメチルメルカプタンガスは何れも排泄された体液に由来する悪臭成分である。アンモニアガスの濃度が10ppm以上になると悪臭として本人に知覚されるおそれがあり、特に数10ppm以上となると周囲の人に知覚されるおそれが高まる。またメチルメルカプタンガスの濃度が数〜10ppm程度になると悪臭として本人に知覚されるおそれがあり、特に20ppm以上となると周囲の人に知覚されるおそれが高まる。そして、本発明の吸収性物品の乾式制臭能に関し、アンモニアガス及びメチルメルカプタンガスの30分後及び3時間後の濃度がそれぞれ前述の通りであることによって、排泄された体液から発生した悪臭が速やかに(30分以内)最低限知覚され難い水準まで制臭され、更に生理用品の平均的な装着時間(2〜3時間)の間にほぼ完全に制臭される。 【0037】前記乾式制臭能は、以下の方法で測定される。密栓可能な900mLのガラス容器を用い、該ガラス容器内に所定量の各液をマイクロシリンジで導入し、直ちに吸収性物品を該ガラス容器内に入れ密栓する。各液は、水溶液又はその他の溶剤の溶液の形で導入される。本発明においては、アンモニアガスは29重量%の水溶液として導入され、またメチルメルカプタンガスは1μg/μLベンゼン溶液として導入される。この時点でのガラス容器内でのアンモニアガス及びメチルメルカプタンの濃度(初期濃度)は、それぞれ約200ppm及び約80ppmである。密栓して30分経過後、ガスが容器外へ発散しない様に蓋を僅かに開け、(株)ガステック製の検知器(アンモニアガス用にはNo.3L 又はNo.3La、メチルメルカプタンガス用にはNo.70 又はNo.70Lを濃度によって使い分ける)を用いて各ガスの濃度を測定する。3時間後のガス濃度は同様に調製した別のガラス容器について測定する。即ち、同一のガラス容器で30分後及び3時間後のガス濃度を測定しない。尚、使用するガラス容器は、容量900mLの密栓可能で臭いが付着していないものなら適宜使用可能である。吸収性物品の投入やガス吸引の容易さからは、広口ビンが望ましい。UMサンプルビン(900mL)等の実験機器の他、東洋ガラス(株)製のマヨネーズビン(900mL)等の汎用のビンも好適に使用可能である。本発明においては後者を用いている。 【0038】各々のガス濃度は、具体的には以下のように測定される。 (1) ガス吸引装置何れも共通で、(株)ガステック製GV−100Sを使用し、一回の吸引で100mLのガスを吸引する。吸引保持時間は用法に従い1分とした。 (2) アンモニア濃度高濃度(30ppm以上)の場合は(株)ガステック製検知器No.3Laを、低濃度(30ppm未満)の場合は同社製検知器No.3L をそれぞれ使用して、検知器が変色した範囲からアンモニア濃度を求める。 (3) メチルメルカプタン濃度高濃度(5ppm以上)の場合は(株)ガステック製検知器No.70 を、低濃度(4ppm以下)の場合は同社製検知器No.70Lをそれぞれ使用して、検知器が変色した範囲からメチルメルカプタン濃度を求める。変色が検知器の目盛りの中間で止まった時には、上下の目盛りの値を利用して比例計算で濃度を求める。測定はそれぞれ3回(3つの検体)行い、その平均値を算出する。何れの測定においても1回の測定で容器内のガス100mLを吸引消費する為、誤差の発生の原因となる繰り返し測定は行わない。従って、同じガス濃度測定に対し30分後の測定と3時間後の測定は、別々の検体を用意してそれぞれ実施する。 【0039】また、本発明の吸収性物品は、好ましくは吸液して湿潤した状態における制臭特性(以下、湿式制臭能という)が以下の通りである。即ち、29重量%アンモニア水溶液60μL及び生理食塩水5mLをこの順に吸収性物品の同じ部位に予め吸収させた直後に、これを900mLのガラス容器に入れ、直ちに該ガラス容器を密封し25℃で30分間及び3時間保存した後のアンモニアガスの濃度が以下の通りである。30分後のアンモニアガスの濃度が好ましくは20ppm以下、更に好ましくは15ppm以下。3時間後のアンモニアガスの濃度が好ましくは7ppm以下、更に好ましくは5ppm以下。また、1μg/μLメチルメルカプタン(ベンゼン溶液)100μL及び生理食塩水5mLをこの順に吸収性物品の同じ部位に予め吸収させ、前記と同様にして30分間及び3時間保存した後のメチルメルカプタンガスの濃度が以下の通りである。30分後のメチルメルカプタンガスの濃度が好ましくは10ppm以下、更に好ましくは5ppm以下。3時間後のメチルメルカプタンガスの濃度が好ましくは2ppm以下、更に好ましくは1ppm以下。 【0040】前記湿式制臭能は、本発明の吸収性物品が吸液して湿潤しても制臭する能力を意味し、詳細には吸収性物品に吸収された体液から発生する臭いを、外に漏らさず閉じこめておく能力である。即ち、悪臭成分は、経血等の体液に溶け込んで液として体外に排泄されるものが圧倒的に多い。従って、体液が一旦吸収性物品に吸収された後、吸収性物品から悪臭がガスとして分離して吸収性物品の外に出てくることがないように確実にトラップすることが出来れば、制臭効果が極めて高いといえる。これが前記湿式制臭能である。湿式制臭能に必要な条件は、乾式制臭能と基本的に同様であるが、臭いの濃度変化が湿式と乾式とで異なり、湿式制臭能においては少なくとも短期(30分後)の臭いの濃度が乾式制臭能に比べより重要となる。即ち、乾式制臭能では、臭いの濃度が初期から単調減少するが、湿式制臭能では、液の注入及び密封直後からしばらくの間は臭いが吸収性物品の外に発散するため、一旦臭いの濃度が急速に増大し、濃度のピーク値をとった後に減少していく過程をとり、30分後には単調減少に移行する。従って、0〜30分の間に臭いの濃度のピークが存在し、このピーク濃度を十分に低減しないと臭いが周囲の人に知覚されてしまう。 【0041】前記ピーク濃度は体液の性状や分布状態等で振れが大きく、ピーク濃度をもって湿式制臭能を規定するのは困難である。一方で、濃度が安定する30分後の臭い濃度を十分に下げられる吸収性物品ならば、該ピーク濃度も著しく高くはならないため有効な制臭性能が発揮される。そこでこの30分後の臭い濃度を湿式制臭能の尺度としている。湿式制臭能に関し、アンモニアガス及びメルカプタンガスの30分後の濃度が前述の通りであることによって、体液からの発散に起因する悪臭の濃度の急速な増大が抑制され、最低限知覚され難い水準に留めおくことが可能となる。更に3時間後のアンモニアガス及びメチルメルカプタンガスの濃度が前述の通りであることによって、生理用品の平均的な装着時間(2〜3時間)の間ほぼ完全に制臭される。 【0042】前記湿式制臭能は、以下の方法で測定される。吸収性物品の略中央部に前記液を注入する。直ちに、密栓可能な900mLのガラス容器内にこの吸収性物品を入れ密栓する。アンモニア水溶液及びメチルメルカプタンはそれぞれマイクロシリンジにて注入する。生理食塩水はメスピペット又はホールピペットにて注入する。各ガス濃度は、乾式制臭能の場合と同様に測定する。 【0043】また、本発明の吸収性物品は、好ましくは、吸液した後に更に身体から発生した悪臭の制臭特性(以下、複合制臭能という)が以下の通りである。即ち、900mLのガラス容器に29重量%アンモニア水溶液を0.1μL導入し、直ちに該ガラス容器に、予め29重量%アンモニア水溶液60μL及び生理食塩水5mLをこの順に吸収させておいた吸収性物品を入れて密封し、25℃で30分間及び3時間保存した後の該ガラス容器中におけるアンモニアガスの濃度が以下の通りである。30分後のアンモニアガスの濃度が好ましくは20ppm以下、更に好ましくは15ppm以下、特に好ましくは10ppm以下。3時間後のアンモニアガスの濃度が好ましくは7ppm以下、更に好ましくは5ppm以下、特に好ましくは2ppm以下。また、900mLのガラス容器に1μg/μLメチルメルカプタン(ベンゼン溶液)を100μL導入し、直ちに該ガラス容器に、予め1μg/μLメチルメルカプタン(ベンゼン溶液)100μL及び生理食塩水5mLをこの順に吸収させておいた吸収性物品を入れて密封し、25℃で30分間及び3時間保存した後の該ガラス容器中におけるメチルメルカプタンガスの濃度が以下の通りである。30分後のメチルメルカプタンガスの濃度が好ましくは20ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、特に好ましくは5ppm以下。3時間後のメチルメルカプタンガスの濃度が好ましくは2ppm以下、更に好ましくは1ppm以下。 【0044】複合制臭能は、吸収性物品の実使用場面での総合的な制臭能の判断に有効な指標となる。実使用場面において吸収性物品は次のような制臭性能の低下に晒される。 1)制臭剤が体液で濡れることに起因する悪臭の制臭性能の低下。 2)繰り返し悪臭を制臭することに起因する制臭性能の低下(特に、飽和吸着よる吸着性能喪失)。 複合制臭能に要求される性能は、一旦体液を吸収した後においても悪臭を制臭する能力である。そして、本発明の吸収性物品は、複合制臭能に関し、アンモニアガス及びメチルメルカプタンガスの30分後の濃度が前述の通りであることによって、体液を吸収した後においても、体液から発生する悪臭を速やかに(30分以内)最低限知覚され難い水準に制臭できる。特に、30分後の濃度を、アンモニアガスで20ppm以下、メチルメルカプタンガスで20ppm以下に抑えられれば吸収性物品内部からのガス再放出に起因するピーク濃度も現れず、悪臭が知覚されるおそれが一層少なくなる。一方、3時間後の濃度が前述の通りであることによって、生理用品の平均的な装着時間(2〜3時間)の間にほぼ完全に制臭できる。 【0045】前記複合制臭能は、以下の方法で測定される。即ち、乾式制臭能の測定方法と同様にして、密栓可能な900mLのガラス容器に29重量%アンモニア水溶液0.1μL又は1μg/μLメチルメルカプタン(ベンゼン溶液)を導入する。導入後直ちに、湿式制臭能の測定方法と同様にして調製された、略中央部に、29重量%アンモニア水溶液60μL及び生理食塩水5mLがこの順で吸収されているか1μg/μLメチルメルカプタン(ベンゼン溶液)及び生理食塩水5mLがこの順で吸収されている吸収性物品を該ガラス容器内に入れ密栓する(該吸収性物品はこれらの液を吸収させた後直ちにガラス容器内に入れる)。その後は、乾式制臭能の測定方法と同様にして各ガスの濃度を測定する。 【0046】本発明の吸収性物品は、アンモニア及びメルカプタン類以外に経血やおりものから発生するその他の悪臭に対しても良好な乾式制臭能、湿式制臭能及び複合制臭能を発現する。 【0047】具体的には、乾式制臭能に関し、ジエチルアミン及び酢酸に対する乾式制臭能(25℃)が以下の通りである。尚、ガラス容器内へのジエチルアミンの導入量は0.2μL、酢酸の導入量は0.08μLである。30分後のジエチルアミンガス濃度が好ましくは20ppm以下、更に好ましくは10ppm以下。3時間後のジエチルアミンガス濃度が好ましくは10ppm以下、更に好ましくは5ppm以下。30分後の酢酸ガス濃度が好ましくは10ppm以下、更に好ましくは7ppm以下。3時間後の酢酸ガス濃度が好ましくは10ppm以下、更に好ましくは5ppm以下。 【0048】また、湿式制臭能に関し、ジエチルアミン及び酢酸に対する湿式制臭能(25℃)が以下の通りである。尚、吸収性物品への液の注入は、ジエチルアミンに関しては、ジエチルアミン100μLをマイクロシリンジで注入し、次いで生理食塩水5mLをメスピペット又はホールピペットで注入する。酢酸に関しては、酢酸80μLをマイクロシリンジで注入し、次いで生理食塩水5mLをメスピペット又はホールピペットで注入する。30分後のジエチルアミンガス濃度が好ましくは20ppm以下、更に好ましくは10ppm以下。3時間後のジエチルアミンガス濃度が好ましくは10ppm以下、更に好ましくは5ppm以下。30分後の酢酸ガス濃度が好ましくは10ppm以下、更に好ましくは7ppm以下。3時間後の酢酸ガス濃度が好ましくは10ppm以下、更に好ましくは5ppm以下。 【0049】更に、複合制臭能に関し、ジエチルアミン及び酢酸に対する複合制臭能(25℃)が以下の通りである。尚、ガラス容器へのジエチルアミン及び酢酸の導入は乾式制臭能と同様であり、吸収性物品への液の注入は湿式制臭能と同様である。30分後のジエチルアミンガス濃度が好ましくは40ppm以下、更に好ましくは20ppm以下。3時間後のジエチルアミンガス濃度が好ましくは10ppm以下、更に好ましくは7ppm以下。30分後の酢酸ガス濃度が好ましくは20ppm以下、更に好ましくは15ppm以下。3時間後の酢酸ガス濃度が好ましくは10ppm以下、更に好ましくは5ppm以下。 【0050】ジエチルアミン及び酢酸に対する乾式制臭能、湿式制臭能及び複合制臭能に関し、ジエチルアミンの濃度は、(株)ガステック製GV−100Sを使用して測定した。濃度10ppm未満の場合は(株)ガステック製検知器No.180L を、10〜100ppmの場合は同社製検知器No.180を用い用法に従って測定した。それ以上の濃度の場合は同社製検知器No.180を用い吸引量を変えて測定した。酢酸の濃度も同様の装置を用いて測定した。濃度10ppm未満の場合は(株)ガステック製検知器No.81Lを、それ以上の濃度の場合は同社製検知器No.81 を用い用法に従って測定した。 【0051】従来の吸収性物品では、特に前記湿式制臭能及び複合制臭能に関し、吸収性物品に吸収された体液から発生する悪臭を十分に閉じこめることができず、十分な制臭効果が発生しなかった。これに対し、本発明の吸収性物品は、前述の制臭部を有しているので、吸収性物品に吸収された体液から発生する悪臭の閉じこめ効果に優れ、それによって各種悪臭に対して及び各温度下において(特に体温付近の高温下)優れた制臭効果を示す。 【0052】特に、従来の吸収性物品においては、制臭性能に対する温度(体温)の影響が看過されてきた。体温によって吸収性物品が加温されると、室温よりも大きな負荷が吸収性物品及び制臭剤にかかり、制臭剤のガス吸着能力が相対的に低下し、またガスが拡散し易くなる。具体的には、装着中に体温によって加温され且つ吸液がなされた吸収性物品においては、以下の1)〜3)の現象が生じる。 1)制臭剤の機能の低下2)排泄された体液から発生する悪臭の量の増加3)排泄物の腐敗の進行に伴う悪臭の量の増加。 しかし、本発明の吸収性物品によれば、体温に近い温度下においても充分な制臭性能が発現する。 【0053】具体的には、前述した乾式制臭能に関し、保存温度を40℃に上げたときの同温度で測定された制臭能が以下の通りとなる。 ・30分後のアンモニアガスの濃度が好ましくは15ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、一層好ましくは5ppm以下。 ・3時間後のアンモニアガスの濃度が好ましくは7ppm以下、更に好ましくは5ppm以下、一層好ましくは3ppm以下。。 ・30分後のメチルメルカプタンガスの濃度が好ましくは20ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、一層好ましくは5ppm以下。 ・3時間後のメチルメルカプタンガスの濃度が好ましくは5ppm以下、更に好ましくは2ppm以下。 ・30分後のアミンガスの濃度が好ましくは20ppm以下、更に好ましくは15ppm以下、一層好ましくは10ppm以下。 ・3時間後のアミンガスの濃度が好ましくは5ppm以下、更に好ましくは3ppm以下。 ・30分後の酢酸ガスの濃度が好ましくは15ppm以下、更に好ましくは10ppm以下、一層好ましくは7ppm以下。 ・3時間後の酢酸ガスの濃度が好ましくは10ppm以下、更に好ましくは7ppm以下。 【0054】また、前述した湿式制臭能に関し、保存温度を40℃に上げたときの制臭能が以下の通りとなる。 ・30分後のアンモニアガスの濃度が好ましくは50ppm以下、更に好ましくは30ppm以下、一層好ましくは20ppm以下。 ・3時間後のアンモニアガスの濃度が好ましくは30ppm以下、更に好ましくは20ppm以下。 ・30分後のメチルメルカプタンガスの濃度が好ましくは20ppm以下、更に好ましくは15ppm以下、一層好ましくは10ppm以下。 ・3時間後のメチルメルカプタンガスの濃度が好ましくは20ppm以下、更に好ましくは10ppm以下。 ・30分後のアミンガスの濃度が好ましくは50ppm以下、更に好ましくは40ppm以下、一層好ましくは30ppm以下。 ・3時間後のアミンガスの濃度が好ましくは30ppm以下、更に好ましくは20ppm以下。 ・30分後の酢酸ガスの濃度が好ましくは30ppm以下、更に好ましくは25ppm以下、一層好ましくは20ppm以下。 ・3時間後の酢酸ガスの濃度が好ましくは10ppm以下、更に好ましくは7ppm以下。 【0055】更に、前述した複合制臭能に関し、保存温度を40℃に上げたときの制臭能が以下の通りとなる。 ・30分後のアンモニアガスの濃度が好ましくは60ppm以下、更に好ましくは50ppm以下、一層好ましくは40ppm以下。 ・3時間後のアンモニアガスの濃度が好ましくは20ppm以下、更に好ましくは15ppm以下。 ・30分後のメチルメルカプタンガスの濃度が好ましくは70ppm以下、更に好ましくは60ppm以下、一層好ましくは50ppm以下。 ・3時間後のメチルメルカプタンガスの濃度が好ましくは70ppm以下、更に好ましくは60ppm以下。 ・30分後のアミンガスの濃度が好ましくは70ppm以下、更に好ましくは60ppm以下、一層好ましくは50ppm以下。 ・3時間後のアミンガスの濃度が好ましくは30ppm以下、更に好ましくは20ppm以下。 ・30分後の酢酸ガスの濃度が好ましくは30ppm以下、更に好ましくは25ppm以下、一層好ましくは20ppm以下。 ・3時間後の酢酸ガスの濃度が好ましくは20ppm以下、更に好ましくは10ppm以下。 【0056】本発明の吸収性物品は、吸収層に、制臭剤及び特定の親水性繊維または親水性発泡体を特定量含有する制臭部を有しているので、吸収された液は制臭部内に存する空間に滞留しずらく該空間での悪臭発生が防止でき、更に液は制臭剤に移行されるので制臭される。更に、制臭部に高吸収性ポリマーが使用されている場合には、高吸収性ポリマーによって液が吸収/固定されるので、制臭効果が一層効率的に発現する。このように本発明では、制臭効果が高く、吸収された液から発生する悪臭が知覚されないかまたは気にならないレベルとなる吸収性物品を実現できる。また、本発明の吸収性物品は、特定条件下において特定ガスに対する制臭性能を有するので、制臭効果が高く、吸収された液から発生する悪臭が知覚されないか又は気にならないレベルとなる吸収性物品を実現できる。また、本発明の吸収性物品は、特定ガスに対する素早い制臭能(30分後の制臭能)及び、長時間にわたる制臭能(3時間後の制臭能)の両方を有するため、吸収性物品の使用中の制臭効果が高く、また吸収性物品の取り外しや交換の際にも臭いが気にならない。特に本発明の吸収性物品は、生理臭に該当する特定ガスに対する制臭能に優れているので生理用ナプキンとして有用である。 【0057】本発明は前記実施形態に制限されず、例えば図1に示すナプキン1における吸収層4に代えて、図2に示すナプキンにおける吸収層を用いてもよい。逆に、図4に示すナプキン1における吸収層4に代えて、図1に示すナプキンにおける吸収層を用いてもよい。また、本発明の吸収性物品を、生理用ナプキンの他、使い捨ておむつ、失禁パッド、パンティライナー、ペット用シート等に適用してもよい。 【0058】 【実施例】制臭シートAの製造遠心保持量0.3g/gの架橋処理パルプ〔ウェアーハウザー(株)製のHBA(商品名)〕95部、及び結合剤として太さ1デニール、長さ3mmのポリビニルアルコール繊維〔三昌(株)製のフィブリボンド(商品名)〕5部を水中に分散混合し、所定濃度の抄紙原料を得た。この抄紙原料を湿式抄紙機の抄紙部に供給し、乾燥坪量が30g/m2 になるように抄紙して、下層繊維シートを形成した。次いで、該下層繊維シートをサクションボックスにより脱水し、その水分率を60重量%にした。この上に高吸収性ポリマー〔日本触媒(株)製のアクアリック(商品名)〕を散布坪量30g/m2 、制臭剤として粒状活性炭〔二村化学(株)製、CW480B〕を坪量30g/m2 で略均一に散布した。これら高吸収性ポリマー及び活性炭の上に、前記下層繊維シートと同様の配合組成を有する予め抄紙しておいた吸収シート(坪量40g/m2 )を重ね合わせ、これらの重ね合わせ体をヤンキードライヤーに導入し、130℃にて乾燥一体化することにより、紙中に高吸収性ポリマー及び活性炭が分散混合埋設された一枚の制臭シートAを得た。制臭シートAにおいては、活性炭が高吸収性ポリマーの粒子を介して架橋処理パルプに接着固定されていた。 【0059】制臭シートBの製造制臭剤として粒状活性炭〔二村化学(株)製、CW480B〕を坪量30g/m2 及びベントナイト〔水沢化学製のベンクレー(商品名)〕を坪量20g/m2 で散布する以外は、制臭シートAの製造と同様の方法により、制臭シートBを得た。制臭シートBにおいては、活性炭及びベントナイトが高吸収性ポリマーの粒子を介して架橋処理パルプに接着固定されていた。 【0060】制臭シートCの製造エチレン/1−オクテン共重合体樹脂(密度0.93g/cc)にステアリン酸モノグリセライドとポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル〔エチレンオキシド付加モル数35モル、花王(株)製のエマルゲン935(商品名)〕との混合界面活性剤(1:1)を樹脂に対し1重量%混合した。この樹脂を、溶融噴出し法(メルトブローン)により不織布化し、坪量40g/m2 の親水化処理済みのメルトブローン不織布を得た。この不織布を形成する樹脂は水に膨潤せず、平均繊維直径は約1μmである。この不織布上に、高吸収性ポリマー〔日本触媒(株)製のアクアリック(商品名)〕を坪量30g/m2 で散布し、若干量の水をスプレーし高吸収性ポリマーを湿潤させ、制臭剤として粒状活性炭〔二村化学(株)製、CW480B〕を坪量30g/m2 で略均一に散布した。これら高吸収性ポリマー及び活性炭の上に、前記と同様の親水化処理済みのメルトブローン不織布(坪量40g/m2 )を重ね乾燥させ一枚の制臭シートCを得た。制臭シートCにおいては、活性炭が高吸収性ポリマーの粒子を介して前記樹脂からなる繊維に接着固定されていた。 【0061】制臭シートDの製造制臭シートCの製造と同様の方法により、坪量40g/m2 の親水化処理済みのメルトブローン不織布を得た。この不織布上に、制臭剤として粒状活性炭〔二村化学(株)製、CW480B〕を坪量30g/m2 及びベントナイト〔水沢化学製のベンクレー(商品名)〕を坪量30g/m2 で略均一に散布した。その後は制臭シートCの製造と同様の方法により、一枚の制臭シートDを得た。 【0062】制臭シートEの製造(比較) 遠心保持量1.3g/gの針葉樹化学パルプ〔スキーナセルロース社製のスキーナプライム(商品名)〕を水中に分散させ、坪量が40g/m2 の吸収紙を得た。この吸収紙にホットメルト粘着剤を坪量10g/m2 でスパイラル状に塗布した。この上に制臭剤として粒状活性炭〔二村化学(株)製、CW480B〕を坪量30g/m2 及びベントナイト〔水沢化学製のベンクレー(商品名)〕を坪量30g/m2 で略均一に散布した。更に前記と同様の吸収紙(坪量40g/m2 )を重ね合わせて一枚の制臭シートEを得た。 【0063】制臭シートFの製造(比較) 遠心保持量1.2g/gの化学パルプ〔ウェアーハウザー(株)製のNB−420(商品名)〕を空気中で坪量50g/m2 に積繊し、このパルプ上に高吸収性ポリマー〔日本触媒(株)製のアクアリック(商品名)〕を散布坪量30g/m2 、制臭剤として粒状活性炭〔二村化学(株)製、CW480B〕を坪量30g/m2 で略均一に散布した。これら高吸収性ポリマー及び活性炭の上に、前記と同様の化学パルプを坪量50g/m2 で積繊し重ね合わせて圧縮し一枚の制臭シートFを得た。 【0064】吸収シートGの製造(比較) 遠心保持量1.3g/gの針葉樹化学パルプ〔スキーナセルロース社製のスキーナプライム(商品名)〕を水中に分散し、坪量40g/m2 の吸収シートGを得た。 【0065】制臭シートA〜F及び吸収シートGについて、構成繊維の遠心保持量及びシートのクレム吸水度を以下の方法により測定した。その結果を表1に示す。 【0066】<遠心保持量>繊維や発泡体等の親水性材料サンプル1gを正確に量り取り、イオン交換水500mLの入ったビーカー中に入れ30分間そのままに放置した。その後、サンプルを取り出し、サンプルが脱落しないような不織布又はナイロンメッシュからなる袋の中にサンプルを入れた。遠心分離機〔国産遠心器(株)製のH−130C(商品名)〕にて、サンプルが入った袋を2000回転/分(895Gの遠心加速度)で10分間回転させた。その後のサンプルの重量を測定し、以下に示す式から遠心分離後の保持吸収量(遠心保持量)を求めた。 遠心保持量(g/g)={遠心分離後のサンプル重量−初期のサンプルの重量(1g)}/初期のサンプル重量(1g) 【0067】<クレム吸水度>制臭シートA〜F及び吸収シートGをサンプルとし、対象液を生理食塩水とする以外の測定条件及び装置はJIS P 8141の試験方法に準じた。サンプルサイズは、吸収性物品の長手方向に相当する方向で、長さ200mm、幅15mmとした。生理食塩水にサンプルを浸漬し1分後の吸水高さを求めた。計10点の平均値を1分後の吸水度とした。 【0068】 【表1】
【0069】〔実施例1〕図1に示す生理用ナプキンを作製した。先ず幅150mm、長さ175mmの制臭シートAをC字状に折り畳み吸収層4とした。吸収層4を、幅100mm、長さ205mmのポリエチレンフィルムからなる防漏シート6で包み、更に幅120mm、長さ205mmのポリエチレン開孔フィルムからなる液透過性表面層2で包み、更にポリエチレンフィルムからなるバックシート3を重ね合わせ、前後端をヒートシールで接着した。更に、ナプキンの非肌当接面側に、ズレ止めホットメルト粘着剤7を塗布し、その上を剥離紙8で被覆した。このようにして、製品長さ205mm、幅75mmの生理用ナプキンを得た。 【0070】〔実施例2〕制臭シートAに代えて制臭シートBを用いる以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンをを得た。 【0071】〔実施例3〕化学パルプ〔ウェアーハウザー社製のNB420(商品名)〕を、空気中で坪量150g/m2 、幅70mm、長さ175mmに積繊した。このパルプに高吸収性ポリマー〔日本触媒(株)製のアクアリック(商品名)〕を散布坪量30g/m2 で散布した。このパルプ/高吸収性ポリマーの混合物を、幅150mm、長さ175mmの制臭シートCで包みこんで吸収層とした。その後は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。 【0072】〔実施例4〕制臭シートCに代えて制臭シートDを用いる以外は実施例3と同様にして生理用ナプキンをを得た。 【0073】〔比較例1〕化学パルプ〔ウェアーハウザー社製のNB420(商品名)〕を、空気中で坪量150g/m2 、幅70mm、長さ175mmに積繊した。このパルプに高吸収性ポリマー〔日本触媒(株)製のアクアリック(商品名)〕を散布坪量30g/m2 で散布した。このパルプ/高吸収性ポリマーの混合物の下に、幅70mm、長さ175mmの制臭シートEを配置した。更に遠心保持量1.3g/gの針葉樹化学パルプ〔スキーナセルロース社製のスキーナプライム(商品名)〕からなる幅115mm、長さ175mm、坪量18g/m2 の湿式吸収紙で、これら全体を包みこんで吸収層とした。その後は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。 【0074】〔比較例2〕制臭シートEに代えて制臭シートFを用いる以外は比較例1と同様にして生理用ナプキンをを得た。 【0075】〔比較例3〕花王(株)製のロリエやわらかメッシュレギュラー(商品名)を比較例3とした。 【0076】以下の実施例5及び6並びに比較例4は、装着時のムレ感の快適性をより向上させる為に、防漏層に透湿性の防漏材を使用した例である。 【0077】〔実施例5〕図2に示す生理用ナプキンを作製した。先ず化学パルプ〔ウェアーハウザー社製のNB420(商品名)〕を、空気中で坪量150g/m2 、幅70mm、長さ175mmに積繊した。このパルプに高吸収性ポリマー〔日本触媒(株)製のアクアリック(商品名)〕を散布坪量30g/m2 で散布した。このパルプ/高吸収性ポリマーの混合物を、幅150mm、長さ175mmの制臭シートBで包みこんで吸収層とした。吸収層の非肌当接面側を、幅100mm、長さ205mmの液不透過性で水蒸気透過性の防漏層であるバックシート3(炭酸カルシウムをポリエチレン中に分散させ、フィルム製膜後フィルムを延伸させたシート)で覆い、更に、幅100mm、長さ205mmのポリエチレン開孔フィルムからなる液透過性表面層を、吸収層の肌当接面側に重ね合わせた。そして、防漏層と表面層とを製品の前後及び両側でヒートシールによって接着した。その後は実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。 【0078】〔実施例6〕制臭シートBに代えて制臭シートCを用いる以外は実施例5と同様にして生理用ナプキンをを得た。 【0079】〔比較例4〕制臭シートBに代えて吸収シートGを用いる以外は実施例5と同様にして生理用ナプキンをを得た。 【0080】実施例及び比較例で得られた生理用ナプキンの制臭性能を以下の方法により評価した。また、各生理用ナプキンについて、前述の方法でアンモニア、メチルメルカプタン、ジエチルアミン及び酢酸に対する乾式制臭能、湿式制臭能及び複合制臭能を測定した。それらの結果を表2〜表4に示す。尚、表2〜表4に示す乾式制臭能、湿式制臭能及び複合制臭能において、括弧で囲んでいない数値は25℃での測定結果である。括弧で囲んだ数値は40℃での測定結果である。 【0081】<制臭性能評価1>実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた生理用ナプキンを、生理用ショーツを用いて可動式人体モデルに装着させた。次いで可動式人体モデルを、100歩/分(50m/分)の歩行速度で歩行させた。その後歩行させながら、生理食塩水5mL中にジエチルアミン100μLを入れた溶液をナプキン中に5mL注入し、同じ速度で30分間歩行させた。その後ナプキンを取り出し、試験サンプルとした。無作為に選定した25名のモニターに試験サンプルの表面側より約10cmの距離に鼻を近づけてもらい、臭いを嗅いでもらい、以下の基準で評価してもらった。結果は、計25名の平均点で表した。点数は、その値が小さければ小さい程、臭いが吸収されており、制臭効果が高いことを意味する。また、実施例5及び6並びに比較例4で得られた生理用ナプキンについても、これと同様の評価を行った。但し、試験サンプルを装着したままのショーツより約10cmの距離からモニターに臭いを嗅いでもらった。 【0082】評価基準1点・・・臭いがしない。 2点・・・わずかに臭いがするが気にならない。 3点・・・やや不快な臭いがする。 4点・・・不快な臭いがする。 【0083】<制臭性能評価2>予め意識調査を行い生理時の臭いに敏感な女性25名にモニターとして選出した。各モニターに、実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた生理用ナプキンを、各4枚づつ使用してもらった。4枚のナプキンのうち2枚を経血の多い日(1〜3日目)に使用し、残り2枚を経血が少なくなってから(4日目以降)使用した。各ナプキンは2時間以上装着した。そして、以下の場面で臭いをどのように感じたかを、制臭性能評価1と同様の基準で評価してもらった。 <2.1 経血の多い日>(a) ナプキンを装着後、1時間以上経過後の装着中の臭い(b) ナプキンを外すときの臭い<2.2 経血が少なくなってから>(a) ナプキンを装着後、1時間以上経過後の装着中の臭い(b) ナプキンを外すときの臭い【0084】 【表2】
【0085】 【表3】
【0086】 【表4】
【0087】表2〜表4に示す結果から明らかなように、実施例1〜6の生理用ナプキン(本発明品)は、比較例1〜4の生理用ナプキンに比して、制臭効果が高く、臭いがしないか或いは臭いが気にならないレベルまで制臭されていることが判る。特に、湿式制臭能及び複合制臭能に関し、実施例1〜6の生理用ナプキン(本発明品)は高い制臭能を発現しているが、比較例1〜4の生理用ナプキンはそれらが著しく劣っていることが判る。 【0088】本発明品で用いた制臭シートA〜Dは、水に膨潤しないか或いは遠心保持量が特定の範囲内である親水性繊維を含有しているので、悪臭成分を含む液は繊維空間に残留せず制臭剤及び高吸収性ポリマーに向かって速やかに移行する。移行された液は制臭剤及び高吸収性ポリマーによって吸収/固定され制臭されるので、悪臭発生が効果的に防止される。また、実施例1及び2の吸収体は、何れも前記制臭シートから構成されているので、これらの実施例におけるナプキンは、効率的な制臭が可能となっている。実施例3及び4の吸収体は、その中央部が化学パルプからなるので、吸収した液が滞留し悪臭が発生することがあるが、該中央部は前述の制臭シートに包囲されているので、発生する悪臭は必ず該制臭シートを通過するときに制臭される。実施例5及び6のナプキンでは、その防漏層に水蒸気透過性のシートを用いているので、ムレがなく快適であり、また湿度上昇がないことにより細菌による液の腐敗の進行が抑えられ悪臭の発生増加が防止されている。これらのナプキンでは、防漏層を通して悪臭が外部へ発散しうるが、該悪臭は必ず前記制臭シートを通過するので、そこで制臭される。一方、比較例1及び2で用いた制臭シートでは、前記の繊維が用いられていないので、制臭剤が効果的に生かされず制臭効果に劣り、ナプキンから発生する悪臭が着用者に知覚されてしまうレベルとなった。 【0089】 【発明の効果】本発明によれば、制臭効果が高く且つ漏れの少ない吸収性物品が提供される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月21日(2000.1.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076532 【弁理士】 【氏名又は名称】羽鳥 修 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−29384(P2001−29384A) |
| 【公開日】 |
平成13年2月6日(2001.2.6) |
| 【出願番号】 |
特願2000−13558(P2000−13558) |
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