| 【発明の名称】 |
医療用貼付材および経皮吸収型貼付製剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】仲野 善久
【氏名】堀 光彦
【氏名】山本 啓二
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| 【要約】 |
【課題】皮膚表面に対して違和感なく優れた密着性や接着性を発揮できる医療用貼付材、およびその粘着剤層中に経皮吸収用薬物を含有させて、生体内に薬物を経皮的に投与し、各種疾患の予防や治療を行うことができる経皮吸収型貼付製剤を提供する。
【解決手段】目付量が5〜19g/m2 のポリエステル製不織布と、厚みが5〜25μmのポリエステル製フィルムとの積層構造の支持体のポリエステル製フィルム面に、皮膚貼付用の粘着剤層を積層する。不織布とフィルムはポリエステル系またはポリエーテル系の接着剤を介在させて積層することが好ましく、塗布量は1g/m2 以上とする。粘着剤層中には経皮吸収用薬物を含有させることによって、経皮吸収型の貼付製剤とすることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 目付量5〜19g/m2 のポリエステル製不織布と、厚み5〜25μmのポリエステル製フィルムとの積層構造の支持体のポリエステル製フィルム面に、皮膚貼付用の粘着剤層を積層してなることを特徴とする医療用貼付材。 【請求項2】 ポリエステル製不織布とポリエステル製フィルムが、ポリエステル系またはポリエーテル系接着剤を塗布、介在させた積層構造である請求項1記載の医療用貼付材。 【請求項3】 ポリエステル系接着剤の塗布量が、1g/m2 以上である請求項2記載の医療用貼付材。 【請求項4】 請求項1記載の医療用貼付材における粘着剤層中に、経皮吸収用薬物を含有させることを特徴とする経皮吸収型貼付製剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は医療用貼付材および経皮吸収型貼付製剤に関し、詳しくは皮膚表面に対して違和感なく優れた密着性や接着性を発揮できる医療用貼付材、およびその粘着剤層に経皮吸収用薬物を含有して、この薬物を生体内に経皮投与させることによって、各種疾患の予防や治療を行うことができる経皮吸収型貼付製剤に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、薬物を体内に投与する手段として、注射剤や経口剤、軟膏剤などの他に、取り扱い性や副作用発現時の投与中止の容易性などの種々の利点から、皮膚面に貼付使用する経皮吸収型製剤として貼付製剤が種々提案され、ニトログリセリンやイソソルビドジニトレートなどの狭心症予防薬、各種ステロイド薬、非ステロイド薬、麻酔薬、抗高血圧薬などを経皮吸収用薬物として粘着剤中に含有させた貼付製剤が開発され、一部は上市に至っている。これらの経皮吸収型の貼付製剤はアクリル系や合成ゴム系の粘着剤に各種経皮吸収用薬物を混合したものであって、皮膚面に貼付するだけで薬物が皮膚面を通して持続的に体内に吸収されるものであり、優れた薬理作用を発揮するものである。 【0003】しかしながら、これらの貼付製剤の検討は、経皮吸収用薬物を含有、保持、放出する粘着剤の組成についての検討が中心であるが、皮膚面に貼付する製剤の場合は、皮膚面に対する密着性や違和感、貼付操作性、ODT(密封包帯療法)、見栄えなども重要となり、貼付製剤を構成する支持体の選定も重要となる。 【0004】このような観点から検討を加えたものとしては、WO91/16044号公報や、特開平5−309128号公報、特開平10−167955号公報などがある。 【0005】WO91/16044号公報には、特定の強度と伸度を有する4.9μm以下フィルムを用いることが記載されており、さらに、このフィルムに面状の支持体を積層した貼付製剤が記載されている。同号公報では5μm以上のフィルムにおける透湿性不足を解消するためにフィルム厚を極めて薄くして、貼付製剤に透湿性を付与しようとする技術が記載されている。 【0006】また、特開平5−309128号公報では、本発明と同様の観点から検討し、類似の積層構造の支持体を用いているが、粘着剤層を不織布側に積層しており、粘着剤層の投錨性や含有薬物の裏抜け現象の防止を図るものである。 【0007】さらに、特開平10−167955号公報では、ポリエステル繊維からなる不織布とポリエステルフィルムとがポリエステル系樹脂を介して接着されてなる経皮薬剤用基材が開示されており、20g/m2 以上の目付量の不織布を使用し、支持体にソフト感を付与して冷たさを与えないように工夫されている。 【0008】 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来から検討されている貼付製剤に用いる支持体について、さらなる検討を重ねた結果、皮膚面に対する密着性や違和感、貼付操作性、ODT(密封包帯療法)、見栄えなどを総合的に満足するためには、フィルムと不織布からなる積層構造体の支持体であって、素材は全てポリエステル系樹脂を用い、適度なフィルム厚と適度な目付量の不織布を組み合わせることが重要であることが判明した。 【0010】また、このような支持体を採用することによって、粘着剤層を不織布側に設けずにフィルム側に粘着剤層を積層しても実用的な投錨性を維持することができ、薬物の裏抜け防止に対しては格段に効果的であるということも判明した。さらに、このような支持体を用いた場合、貼付製剤に限ることなく、粘着剤層中に経皮吸収用薬物を含有しない貼付材の場合であっても、ドレッシング材などに有用であることを見い出した。 【0011】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は目付量5〜19g/m2 のポリエステル製不織布と、厚み5〜25μmのポリエステル製フィルムとの積層構造の支持体のポリエステル製フィルム面に、皮膚貼付用の粘着剤層を積層してなることを特徴とする医療用貼付材を提供するものである。 【0012】また、本発明は上記医療用貼付材における粘着剤層中に、経皮吸収用薬物を含有させることを特徴とする経皮吸収型貼付製剤を提供するものである。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明において用いる支持体は、ポリエステル製不織布とポリエステル製フィルムとの積層構造からなるものである。ポリエステル製不織布は、支持体に適度な腰(自己支持性)を付与して貼付操作性を向上させると共に、肌触りや風合い、見栄えを良くするために重要であり、このような効果を発揮させるためには5〜19g/m2 、好ましくは8〜15g/m2 の目付量とする。目付量が5g/m2 に満たない場合には充分な自己支持性を得られがたく、貼付操作性に劣る傾向を示す。また、目付量が19g/m2 を超えるようであれば貼付操作性には優れるものの、得られる医療用貼付材や貼付製剤の柔軟性が充分でなくなり、皮膚面に貼付した際の皮膚追従性に欠け、違和感を生じるようになる。 【0014】上記不織布は本発明の医療用貼付材や経皮吸収型貼付製剤において皮膚面貼付側と反対側の最外層を形成するものであり、皮膚面への貼付中の衣服などとの擦れによる端末剥離を防止すると共に、フィルム面のように外光を反射することがないので、外観的にも良好なものである。 【0015】このような不織布を構成する素材としては、各種プラスチックやパルプなどの使用も考えられるが、本発明では機械的強度や繊維の太さの調節の容易性、風合いなどの点から、ポリエステル製の不織布を用いるのである。 【0016】一方、上記ポリエステル製不織布に積層するポリエステル製フィルムは、支持体全体に適度な機械的強度と、皮膚面に貼付した際に、貼付面に対してODT(密封包帯療法)効果を発揮することができるのである。このようなことから、本発明においては、ポリエステル製フィルムの厚みを5〜25μm、好ましくは5〜12μm程度の厚みとする。厚みが5μmに満たない場合には、充分な機械的強度を付与することができず、また、25μmを超えるような厚みでは、ポリエステル製フィルム自体の剛性によって、支持体全体の柔軟性に欠けるようになって違和感を生じたり、皮膚面に貼付中の皮膚追従性に欠けるようになる。 【0017】上記不織布とフィルムとは積層して本発明の支持体を形成するが、積層界面での剥離を防止するために、接着剤を不織布とフィルムの界面に介在させて接着強度を高める必要がある。通常、樹脂同士を積層する場合は、熱を利用した熱圧着などの方法もあるが、ポリエステル系樹脂は一般的に融点が高いので熱圧着しがたく、ポリエステル系またはポリエーテル系接着剤を用いて積層することが実用的である。なお、実用的には層間接着強度は、50g/12mm幅以上とする。 【0018】ポリエステル系接着剤は確実な接着強度を発揮させるためには1g/m2 以上、好ましくは2〜10g/m2 程度の塗布量とする。塗布量が少なすぎると充分な層間強度が得られず、また、あまりに多すぎると積層して得られる支持体の剛性が高くなりすぎて、皮膚追従性や違和感などの点で不利となる。 【0019】本発明の医療用貼付材および経皮吸収型貼付製剤は、上記の積層構造からなる支持体におけるポリエステル製フィルム面に皮膚貼付用の粘着剤層を積層してなるものである。 【0020】皮膚貼付用の粘着剤層を形成するための粘着剤としては、皮膚面に接した際にカブレなどを生じないような従来から用いられているアクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤(合成イソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム、スチレン/イソプレン/スチレンゴム、スチレン/ブタジエン/スチレンゴム)、シリコーン系粘着剤、ビニルエステル系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤などの医療用の粘着剤を用いることができる。 【0021】これらのうち粘着剤の品質の安定性や粘着特性の調整のしやすさの点からは、アクリル系、ゴム系またはシリコーン系から選ばれる少なくとも一種の粘着剤を用いることが好ましく、これらの中でも特にアクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル系粘着剤や、ポリイソブチレンを主体とするゴム系粘着剤を用いることがよい。 【0022】上記アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを40重量%以上の割合で重合した重合体が好ましい。特に好ましくは一種もしくは二種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜98重量%と、一種もしくは二種以上の共重合性単量体2〜50重量%を共重合して得られる共重合体が用いられる。 【0023】このような(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が2〜18、好ましくは4〜12の一級〜三級アルコールと、アクリル酸もしくはメタクリル酸とから得られるエステルを用いることができる。 【0024】一方、共重合性単量体としては、共重合反応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも一個有すると共に、カルボキシル基(例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸など)やヒドロキシル基(例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステルなど)、スルホキシル基(例えばスチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホプロピルエステル、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸など)、アミノ基(例えば(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチルエステルなど)、アミド基(例えば(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなど)、アルコキシル基(例えば(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステルなど)などの官能基を側鎖に有する単量体を用いることができる。 【0025】これら以外に共重合できる単量体としては、例えば(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリンなどを用いることができる。 【0026】これらの共重合性単量体は一種もしくは二種以上共重合することができるが、粘着特性としての接着性や凝集性、粘着剤層中に含有する経皮吸収用薬物の放出性などの点から、カルボキシル基含有単量体やヒドロキシル基含有単量体の少なくとも一種を必須成分として1〜50重量%、好ましくは3〜20重量%の範囲で共重合し、必要に応じて上記に例示の他の単量体、例えば酢酸ビニルやN−ビニル−2−ピロリドンのようなビニル系単量体を40重量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲で共重合することが好ましい。 【0027】具体的なアクリル系粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレートとからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとメチルメタクリレートとからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートと2−メトキシエチルアクリレートと酢酸ビニルとからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとビニルピロリドンとからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとメチルメタクリレートと2−メトキシエチルアクリレートとからなる共重合体、2−エチルヘキシルアクリレートとビニルピロリドンとアクリル酸とからなる共重合体などが挙げられる。 【0028】一方、ポリイソブチレンを主体とするゴム系粘着剤としては、好ましくは500〜4000の粘度平均分子量を有する低分子量ポリイソブチレンと、1万〜20万の粘度平均分子量を有する中分子量ポリイソブチレンと、90万〜210万の粘度平均分子量を有する高分子量ポリイソブチレンから選ばれる少なくとも一種のポリイソブチレンを用いる。特に好ましくは、これら三種類のポリイソブチレンのうちの二種以上のポリイソブチレンの混合物を用いる。 【0029】ポリイソブチレンを用いた上記粘着剤は、低分量ポリイソブチレンが粘着剤層に適度な柔軟性と皮膚接着性を付与し、高分子量ポリイソブチレンは適度な凝集力と薬物を含有する場合には優れた放出特性を付与するものである。中分子量ポリイソブチレンはこれらの中間的な特性を付与するものである。 【0030】これら三種類のポリイソブチレンの混合割合は、皮膚接着性などの点から高分子量ポリイソブチレンを必須成分として、10〜80重量%、好ましくは20〜50重量%含有させ、低分子量ポリイソブチレンを0〜80重量%、好ましくは10〜60重量%、中分子量ポリイソブチレンを0〜90重量%、好ましくは10〜80重量%含有させる。 【0031】なお、上記ポリイソブチレンは、ポリイソブチレンを主成分としてポリイソプレンゴムを含有する、所謂ブチルゴムと呼ばれているものを用いてもよい。 【0032】また、上記ポリイソブチレンを主体とするゴム系粘着剤には、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。熱可塑性樹脂を上記ポリイソブチレンと共に粘着剤中に含有させることにより、皮膚接着性が向上するだけでなく、経皮吸収用薬物を含有させた経皮吸収型貼付製剤とした場合に、粘着剤中で薬物が拡散移動する際の拡散障害として熱可塑性樹脂が作用して、持続的かつ効率的な薬物放出が達成される場合がある。 【0033】このような熱可塑性樹脂としては、具体的には常温で結晶状態であり、軟化点が50〜250℃のものが好ましく、例えばロジンまたはその誘導体、テルペン樹脂、テルペン・フェノール樹脂、石油系樹脂、アルキル・フェノール樹脂、キシレン系樹脂などの粘着付与性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は一種もしくは二種以上を全体の50重量%以下、好ましくは5〜40重量%の範囲で配合することがよい。 【0034】本発明における上記粘着剤層には、グリコール類、油脂類、脂肪酸類、アルコール類、および脂肪酸エステル類からなる群から選ばれる有機液状成分を少なくとも一種を含有させることができる。これらの成分を含有させることによって、皮膚接着性や経皮吸収用薬物の皮膚透過性の向上、皮膚刺激性の低減などの効果を得ることができる。 【0035】上記グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを用いることができる。ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどの高分子量のものは、200〜1000の重量平均分子量のものが好ましく使用できる。 【0036】油脂類としては、オリーブ油、ひまし油、スクワレン、オレンジオイル、ミネラルオイルなどを用いることができる。 【0037】脂肪酸類としては、モノカプリン酸、オレイン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸、リノール酸などの炭素数が6〜20のものを用いることができる。 【0038】脂肪酸エステルとしては、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、パルミチン酸オクチル、オレイン酸エチル、フタル酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、乳酸エチル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ニコチン酸ラウリル、ピロリドンカルボン酸ラウリルなどの炭素数が6〜20のものを用いることができる。 【0039】アルコール類としては、上記グリコール類を除くアルコールであって、炭素数1〜20のアルコールを云い、エタノールやメタノール、オクチルアルコール、エトキシ化ステアリルアルコール、1,3−ブタンジオール、デシルアルコール、シネオール、オレイルアルコールなどの炭素数1〜20のものを用いることができる。 【0040】本発明における粘着剤層中に一種もしくは二種以上の上記有機液状成分を配合することによって、経皮吸収用薬物の皮膚浸透性を向上させることができる。また、これらの有機液状成分は粘着剤層と相溶することによって粘着剤層を可塑化するので、皮膚面に貼付した際に皮膚に対してソフト感を与えることができ、さらに架橋処理を施すことにより適度な凝集力を付与し、使用後の剥離除去時に生じる皮膚刺激を低減することができる。 【0041】粘着剤層中への上記有機液状成分の含有量は、粘着剤100重量部に対して25〜200重量部、好ましくは40〜180重量部、特に好ましくは60〜180重量部である。有機液状成分の含有量が少なすぎると、添加することによる効果が期待できず、多すぎると、粘着剤層が可塑化されすぎて凝集力が低下し、架橋処理を施しても皮膚面に糊残り現象を生じて剥離時に皮膚刺激性を増大させてしまう。 【0042】本発明の経皮吸収型製剤においては、粘着剤層に含有する経皮吸収用薬物としては、その治療目的に応じて任意に選択することができ、例えばコルチコステロイド類、鎮痛消炎剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホルモン剤、抗鬱剤、、脳循環改善剤、制吐剤、抗腫瘍剤、生体医薬などの種類の薬物であって、皮膚面上に滞留するもではなく、皮下もしくは血中にまで浸透して局所作用もしくは全身作用を発揮する経皮吸収可能な薬物が使用できる。これらの薬物は必要に応じて二種以上併用することもできる。また、上記粘着剤層への均一な分散性や経皮吸収性の点から、これらの薬物のうち脂溶性薬物(溶解量0.4g以下/水100ml・常温)が特に好適な薬物として挙げられる。 【0043】これらの経皮吸収用薬物の含有量は、薬物種や投与目的に応じて適宜設定することができるが、通常、粘着剤中に1〜40重量%、好ましくは3〜30重量%程度の範囲で含有させる。含有量が1重量%に満たない場合は、治療や予防に有効な量の放出が期待できない場合があり、また、40重量%を超えると増量による効果の増大が期待できないので経済的にも不利であるばかりか、皮膚に対する接着性にも劣る傾向を示す。なお、本発明においては上記薬物は粘着剤中に全部が溶解している必要はなく、粘着剤への溶解度以上の薬物を含有させて未溶解状態の薬物が含有されていてもよいものである。この場合、未溶解状態の薬物は経皮吸収製剤中で含有量にバラツキがないように均一分散している必要がある。 【0044】但し、長期間に及ぶ持続放出性の付与や単位面積当たりの含有量を増加させての放出量の増大、皮膚刺激性の軽減のための製剤の小型化などの観点からは、上記重量範囲にかかわらず含有させてもよいことは云うまでもない。 【0045】 【発明の効果】本発明の医療用貼付材および経皮吸収型貼付製剤は以上のような構成からなるので、皮膚面に対する密着性(接着性)に優れ、貼付操作性も良好であり、貼付中の違和感もないものである。また、最外層が不織布であるので風合いや見栄えがよく、ドレッシングなどの医療用貼付材として用いた場合に好適である。さらに、粘着剤層中に経皮吸収用薬物を含有させた経皮吸収型貼付製剤の場合には、粘着剤層をフィルム面に形成しているのでODT効果が確実に得られ、薬物の経皮吸収性も良好になるのである。 【0046】 【実施例】以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明する。なお、以下の文中で部および%とあるのは、全て重量換算値を意味するものである。 【0047】実施例1〜7表1中に記載のポリエチレンテレフタレート製不織布(目付量5g/m2 までの不織布は繊維径:0.2デニール、目付量8g/m2 以上の不織布の繊維径:0.5デニール)と、ポリエステル製フィルムを、ポリエステル系樹脂接着剤(東洋紡製、商品名バイロン63SS)、またはポリエーテル系樹脂接着剤(大日本インキ化学製、商品名LX−783A)によって接着して支持体を作製した。 【0048】アクリル酸2−エチルヘキシル95部とアクリル酸5部を共重合して得られたアクリル系粘着剤を、乾燥後の厚みが40μmとなるようにセパレータ上に塗布乾燥して粘着剤層を形成し、この粘着剤層を上記にて作製した各支持体のポリエステル製フィルム面に転着して、本発明の医療用貼付材を作製した。 【0049】比較例1〜4表1に示す不織布およびフィルムを用いた以外は、実施例と同様にして支持体を作製し、これらを用いて実施例と同様のアクリル系粘着剤層を積層して医療用貼付材を作製した。 【0050】比較例5実施例2におけるアクリル系粘着剤層の形成面を、ポリエステル製フィルム面から不織布面に代えた以外は、実施例2と同様にして医療用貼付材を作製した。 【0051】試験例1(接着強度測定) 各実施例および各比較例にて作製した医療用貼付材を、幅12mm、長さ50mmの短冊状に裁断し、裁断した支持体端部における不織布とフィルムの界面を一部剥離した。次いで、剥離した不織布とフィルムを上下に固定して、インストロン型引張試験機を用いて、上下に引き剥がし、その際の剥離強度(接着強度)を測定した。 【0052】試験例2(官能試験) 各実施例および各比較例にて作製した医療用貼付材を、10cm2 の大きさに裁断し、これを被験者10名の胸部に6時間貼付して、以下に示す官能試験を行った。 【0053】<貼付操作性>皮膚面への貼付操作時、および皮膚面からの剥離操作時における取り扱い性を以下の判断基準にて評価した。 評点1:貼付時に皺が入ったり、粘着面同士がくっついたりして、取り扱いにくいか、皮膚面からの剥離時に貼付材が破壊されたりする。 評点2:きれいに貼付できるが、やや取り扱いにくい。 評点3:取り扱い性に問題はなく良好である。 【0054】<違和感>皮膚面への貼付時における違和感について、以下の判断基準にて評価した。 評点1:強い違和案を感じる。 評点2:多少違和感を感じるが、ほぼ良好である。 評点3:柔軟性が良好で、ほとんど違和感を感じない。 【0055】<見栄え・風合い>貼付時の見栄え、風合い、外観について、以下の判断基準で評価した。 評点1:無機質的な外観を呈し、清潔感等の点でも見栄えが悪い。 評点2:見た目が柔らかく、清潔感もあり、見栄えがよい。 <総合評価>試験例1における接着強度、および試験例2における官能試験の結果を基に、以下の基準で総合的に判断した。 ◎:非常によい。 〇:よい。 △:やや悪い。 ×:悪い【0056】 【表1】
【0057】試験例3上記各実施例における粘着剤層中に、経皮吸収用薬物としてイソソルビドジニトレートを含有させて経皮吸収型貼付製剤を作製し、皮膚面に対する貼付試験を行ったところ、官能試験については上記表1に記載の結果と略同等であった。 【0058】また、これらの貼付製剤は優れたODT効果を発揮し、皮膚面に対する薬物の放出性に優れるものであった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003964 【氏名又は名称】日東電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年7月21日(1999.7.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−29383(P2001−29383A) |
| 【公開日】 |
平成13年2月6日(2001.2.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−205487 |
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