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【発明の名称】 レーザ光治療補助具
【発明者】 【氏名】渡辺 幸夫

【要約】 【課題】光ファイバの先端に薬液等を付け、該薬液を通してレーザ光を照射する治療において、光ファイバの先端に付着させた薬液が、該光ファイバの先端を治療箇所に持っていく過程で、落ちてしまうのを防止する。

【解決手段】光ファイバ21の先端に薬液12を付着させ、レーザ光を前記光ファイバより前記薬液を通して水晶体3に照射し、該水晶体3の皮膜に穴をあけ施術をする際に、光ファイバの先端に付着させた薬液12が落ちないように、補助具30を用いる。この補助具30は、光ファイバを案内するガイドパイプ31と、光ファイバの先端が前記ガイドパイプの先端から突出しないよう前記光ファイバの挿入長を規制するストッパ係止部材32とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光ファイバの先端に薬液を付着させ、レーザ光を前記光ファイバより前記薬液を通して生体組織に照射し、該生体組織を蒸散,凝固,切開する半導体レーザによる治療に使用する補助具であって、該補助具は、前記光ファイバが挿通されるガイドパイプと、該ガイドパイプを保持し、かつ、前記光ファイバの先端が前記ガイドパイプの先端から突出しないよう前記光ファイバの挿入長を規制するストッパ係止部材とを有し、該ストッパ係止部材が前記光ファイバに取り付けられたストッパを係止して該光ファイバの挿入長を規制するようにしたことを特徴とするレーザ光治療補助具。
【請求項2】 前記補助具は、前記ストッパ係止部材に前記ガイドパイプに薬液を注入するための薬液注入口を有し、該薬液を該ガイドパイプ内を通して前記光ファイバの先端に導くようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレーザ光治療補助具。
【請求項3】 前記ストッパ係止部材に前記ガイドパイプ内に注入された薬液を吸引排出するための吸引口を有することを特徴とする請求項2に記載のレーザ光治療補助具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光治療補助具、より詳細には、光ファイバの先端からレーザ光を照射して生体組織を蒸散,凝固,切開する場合であって、前記光ファイバの先端にインドシアニングリーン(ICG)等の薬液を付着させ、該薬液を通してレーザ光を照射する場合に、前記光ファイバの先端に付着させた薬液が該光ファイバの先端から落ちないように該光ファイバの挿通をガイドするガイドパイプを有する補助具に関する。
【0002】
【従来の技術】白内障の手術方法として、水晶体を人工のものに取り換える方法が提案されているが、この手術は、次のようにしてなされ、水晶体皮膜に小さな穴をあける必要があった。
1.角膜にメス等で小さな切り込みを入れる。
2.水晶体皮膜に、前述の小さな穴をあける。
3.その小さな穴から超音波振動しているチップを入れ、水晶体をゲル状にし、これをバキューム等により吸い出す。
4.人工の水晶体(液体)を入れ、終了。
【0003】上述のように、白内障の手術においては、水晶体の皮膜に小さな穴をあけるが、その穴あけ手段として、従来は、円筒状の刃物であるトレバンバーを用いているが、このトレバンバーに代って、レーザ光を用いることが考えられる。レーザ光を用いて白内障の手術を行う場合は、光ファイバからのレーザ光を水晶体の皮膜に照射するが、その際、後述するように、光ファイバの先端を水晶体皮膜の表面まで導くガイドパイプを必要とする。
【0004】図3は、レーザ光を用いて水晶体の皮膜に穴をあける場合の一例を説明するための概略構成図で、図中、10は眼球で、該眼球10は、角膜1、前房(水様液で満たされている)2、水晶体3、紅彩4、毛様体5、硝子体6、網膜7、視神経8等よりなっている。21は光ファイバで、該光ファイバ21の図示しない端部には、レーザ光源20(図1参照)が接続され、該レーザ光源からのレーザ光が該光ファイバ21を通して水晶体3の皮膜に照射され、該レーザ光によって、水晶体3の皮膜に穴があけられる。なお、その際、光ファイバ21の先端に、発熱部材11をつけることによって、発熱効果を高め、よりきれいな穴をあけることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図4は、水晶体の皮膜にレーザ光を用いて穴をあける場合の他の例を説明するための図で、図4(A)は原理図、図4(B)は水晶体に適用した場合の図で、図中、12は薬液で、該薬液12を水晶体3の上に付け、この薬液12を通して、水晶体3に光ファイバ21からのレーザ光を照射する。例えば、前記薬液12として、インドシアニングリーン(ICG)を用い、光ファイバ21から照射される半導レーザ光の波長を810nmとすると、ICGの最大吸収波長は805nmであるから、該ICGはレーザ光を効果的に吸収して瞬時に発熱し、水晶体皮膜(より一般的には、生体組織の皮膜)3に、より効果的に、穴を開けることができる。
【0006】図4(B)は、上述のごとき薬液を使用して水晶体の皮膜を穴を開ける場合の一例を説明するための概略構成図であるが、この場合、水晶体3の表面に直接薬液を付けることができないので、光ファイバの先端に付け、その状態で、光ファイバの先端を水晶体の皮膜表面まで挿入するが、その際、水様液で満たされている前房2等を通過するため、付着させた薬液が落ちてしまう等の問題がある。
【0007】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、光ファイバの先端に薬液等を付け、該薬液を通してレーザ光を照射する治療において、光ファイバの先端に付着させた薬液が、該光ファイバの先端を治療箇所に持っていく過程で、例えば、生体組織に触って、落ちてしまうのを防止するための補助具、より具体的には、光ファイバの先端に付着させた薬液が落ちないようにする光ファイバのガイドパイプを提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、光ファイバの先端に薬液を付着させ、レーザ光を前記光ファイバより前記薬液を通して生体組織に照射し、該生体組織を蒸散,凝固,切開する半導体レーザによる治療に使用する補助具であって、該補助具は、前記光ファイバが挿通されるガイドパイプと、該ガイドパイプを保持し、かつ、前記光ファイバの先端が前記ガイドパイプの先端から突出しないよう前記光ファイバの挿入長を規制するストッパ係止部材とを有し、該ストッパ係止部材が前記光ファイバに取り付けられたストッパを係止して該光ファイバの挿入長を規制するようにしたことを特徴としたものである。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記補助具は、前記ストッパ係止部材に前記ガイドパイプに薬液を注入するための薬液注入口を有し、該薬液を該ガイドパイプ内を通して前記光ファイバの先端に導くようにしたことを特徴としたものである。
【0010】請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記ストッパ係止部材に前記ガイドパイプ内に注入された薬液を吸引排出するための吸引口を有することを特徴としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明によるレーザ治療補助具の一使用例を説明するための概略構成図で、図中、10は眼球、20は半導体レーザ光源を有するハンドピース、21は該レーザハンドピース20内の半導体レーザ光源からのレーザ光が伝達されてくる光ファイバ、30は該光ファイバ21の光源を水晶体3の皮膜へ導くための補助具で、該補助具30は、角膜1、前房2等を通して水晶体3の皮膜表面まで挿通されるガイドパイプ31を具備している。この状態で、つまり、ガイドパイプ31を水前房2を通して水晶体3の表面まで挿通した後に先端に薬液12を付けた光ファイバ21を、該ガイドパイプ31を通して挿入する。このようにすると、光ファイバ21を水晶体皮膜表面まで挿入する時に、光ファイバ21の先端が生体組織に触れないので、該光ファイバ21の先端に付けた薬液12が落ちる心配はない。
【0012】図2(A)から図2(C)は、本発明による補助具(ガイドパイプ)30の各実施例を説明するための断面図、図2(D)は光ファイバの構成例を示す図で、図2(A)において、31は光ファイバのガイドパイプ、32はガイドパイプ31を取り付けるための基材で、光ファイバ21には、図2(D)に示すように、ストッパ22が取り付けられている。図2(A)において、ガイドパイプ31は、前述のように、光ファイバ21を挿通するためのもので、該ガイドパイプ31を使用することにより、光ファイバ21の先端を水晶体3の表面まで持っていく時に、光ファイバ21の先端に付けた薬液(ICG)12が生体組織に触れることがなく、従って、該薬液12を水晶体3らの皮膜表面まで挿入することができる。33は、基材32に設けられたストッパ係止穴で、該ストッパ係止穴33に光ファイバ21に取り付けたストッパ22を係合させることにより、光ファイバ21を補助具30に安定して保持させるとともに、ストッパ22の位置を調整することによって、光ファイバ21のパイプガイド31内への挿入深さを調整して、該光ファイバ21の先端が水晶体3の皮膜へ適切な接触圧をもって接触することができる。
【0013】図2(B)に示した補助具30は、光ファイバのガイドパイプ31の外側に所定の間隙をもって外筒34を設けるとともに、この間隙に薬液を注入する注入口35を設けたもので、このようにすると、光ファイバ21の先端に薬液を付けることなく、光ファイバ21をガイドパイプ31内に挿通し、注入口35より薬液(ICG)をガイドパイプ31の先端まで流し込むことによって、該ICGを通して水晶体皮膜にレーザ光を照射することができる。
【0014】図2(C)は、図2(B)に示した補助具において、更に、流し込んだICGを排出するための吸引口36を設けたもので、このようにすると、レーザ治療後(穴あけ後)、流し込んだICGをきれいに取り去ることができる。
【0015】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、水晶体の皮膜にレーザ光を用いて穴を開ける場合に、光ファイバの先端にレーザ光を効果的に吸収するICG等の薬液を付けてレーザ光を照射することができ、しかも、光ファイバの先端に付着させたICGを確実に(すなわち、落とすことなく)水晶体の皮膜表面まで運ぶことができる。また、光ファイバの先端位置を調整して適度の接触圧とすることができるので、光ファイバの先端で水晶体皮膜を押しあけることがなく、きれいな穴をあけることができる。更には、光ファイバ先端に適量のICGを確実に注入することができ、更には、注入したICGをきれいに取り去ることができる。
【出願人】 【識別番号】000150671
【氏名又は名称】株式会社長田中央研究所
【出願日】 平成11年7月16日(1999.7.16)
【代理人】 【識別番号】100079843
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 明近 (外2名)
【公開番号】 特開2001−29381(P2001−29381A)
【公開日】 平成13年2月6日(2001.2.6)
【出願番号】 特願平11−203859