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【発明の名称】 おむつ交換補助具
【発明者】 【氏名】池尾 正雄

【要約】 【課題】介護者がおむつ交換作業を一人で容易に行うことができるように軽量で取扱い易い構造とするとともに、被介護者が使用する夜具の如何に係りなく使用可能で、且つ安価に製造するこができるおむつ交換補助具を提供する。

【解決手段】ほぼコ字形に形成された本体フレーム1と、その本体フレーム1の開放側の両端部に突設された支持棒5と、被介護者の膝裏部分に回動自在に配設される左右分割状の脚保持体7と、支持棒5と共に本体フレーム1を支持するために本体フレーム1の下方に伸縮自在に延設される伸縮棒6と、ハンドグリップ4の操作によってその伸縮棒6を所定位置でロック可能に形成されたロック機構とを備え、前記伸縮棒6を力点として本体フレーム1を上方へ回動させることにより、被介護者の脚部を上方に吊りげるように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ほぼコ字形に形成された本体フレームと、その本体フレームの開放側の両端部に突設された支持棒と、被介護者の膝裏部分に配設される左右分割状の脚保持体と、支持棒と共に本体フレームを支持すべく、本体フレームの下方に伸縮自在に延設される伸縮棒と、ハンドグリップの操作によってその伸縮棒を所定位置でロック可能に形成したロック機構とを備え、前記伸縮棒を力点として本体フレームを上方へ回動させることにより、被介護者の脚部を上方に吊り上げるように構成したことを特徴とするおむつ交換補助具。
【請求項2】 上記した左右の脚保持体を、本体フレームへの取付部を支点として、それぞれ回動可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載のおむつ交換補助具。
【請求項3】 上記した伸縮棒を、本体フレームに内設したスプリングまたはシリンダーによって伸縮自在に構成したことを特徴とする請求項1に記載のおむつ交換補助具。
【請求項4】 上記した伸縮棒に代えて、本体フレームの下部に細長帯状の回動板を取付けたことを特徴とする請求項1に記載のおむつ交換補助具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寝たきり老人や重症患者などのような介護が必要な人々(これらの人々を被介護者と称する)のおむつや下着の取替えを行う際に使用するためのおむつ交換補助具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、被介護者のおむつなどの交換を行う場合に、介護者が被介護者の両膝を持ち上げてお尻を浮かせ、おむつを取替えるようにしていたが、このおむつ交換の作業が非常に重労働であり、また被介護者にとっても肉体的な負担がかかるものであった。
【0003】上述のような介護者の重労働を軽減するために、特開平5−168657号および実開平6−46724号に示されるようなベッドの前部または中央部に鉄棒型またはコの字型の支持スタンドを立設して、被介護者の膝を吊り上げるようにした介護補助装置や、実開平7−42632号のように、ベッドの脇に配設したモーターを駆動源として、被介護者の膝を乗せた膝当体を上方に回動させることにより、被介護者のお尻を浮かせるようにした膝上げ具や、特開平9−276342号のように、ベッドに固定した鉄棒型の回動スタンドに被介護者の足首を固定して、その足首を持ち上げるように構成した装置などが提案されており、また特開平8−24295号に見られるような、固定状に連結したリング状帯の中に被介護者の膝部分を挿通した後、その膝部分を介護者の肩に乗せておむつ交換を行うようにした介護補助帯などが提案されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平5−168657号を始めとする装置型の4件は、いずれも大仕掛けな装置であるために製作費が高額となり、またベッド専用に形成されているので、畳上の布団に対しては設置不能であるとともに、それらの装置がベッド脇に固定されているので、被介護者の移動に伴なう持ち運びが不可能であるばかりでなく、構造が複雑で取扱いが難しいなどの様々な問題点があった。さらに特開平8−24295号のものは、ベッドまたは布団(以下、これらを夜具と総称して説明する)にかかわりなく、介護者一人で簡易に使用可能であり、且つ安価に製造できるものではあるが、被介護者の膝部分を介護者の肩に乗せるようになっているので、介護者の腰に負担がかかって腰を痛め易く、またおむつ交換作業時には、被介護者の恥部の間近に介護者の顔が位置するようになっているので、介護者、被介護者ともに不愉快になり易いという欠点があった。
【0005】そこで、介護者がおむつ交換作業を一人で容易に行うことができるように軽量で取扱い易い構造とするとともに、被介護者が使用する夜具の如何にかかわりなく使用可能で、且つ安価に製造するこができるおむつ交換補助具の開発が課題となっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために以下のような技術的手段を講じたものである。すなわち本発明は、ほぼコ字形に形成された本体フレーム1と、その本体フレーム1の開放側の両端部に突設された支持棒5と、被介護者の膝裏部分に回動自在に配設される左右分割状の脚保持体7と、支持棒5と共に本体フレーム1を支持するために本体フレーム1の下方に伸縮自在に延設される伸縮棒6と、ハンドグリップ4の操作によってその伸縮棒6を所定位置でロック可能に形成されたロック機構とを備え、前記伸縮棒6を力点として本体フレーム1を上方へ回動させることにより、被介護者の脚部を上方に吊り上げておむつ交換をするように構成したおむつ交換補助具である。
【0007】また本発明は、上記した伸縮棒6に代えて、本体フレーム1の下部に細長帯状の回動板23を取付け、その回動板23を、一方の先端側に偏倚して設けられた回動軸24を支点として回動させることにより、本体フレーム1を支持可能に形成するとともに、その回動板23を力点として本体フレーム1を上方へ回動させることにより、被介護者の脚部を吊り上げておむつ交換をするように構成したおむつ交換補助具である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のおむつ交換補助具を使用する場合は、まず左右の脚保持体7を本体フレーム1の長手方向と平行状にセットするとともに、支持体5が上方に突出した水平状態に設定し、被介護者の足元から順次被介護者の身体を包囲するように移動させていく。そして被介護者の膝部分と脚保持体7の設定位置とがほぼ合致する位置まで到達した時点で移動を停止し、被介護者の足を片足ずつ持ち上げながら、それぞれの脚保持体7が膝裏へ当接するように、中央部に向けてほぼ直角状に回動させてセットする。次にハンドグリップ4を上方(外方)に引くように握ると、伸縮棒6のロックが解除されて、伸縮棒6が伸展可能となるので、ハンドグリップ4を握ったままの状態で本体フレーム1を上方に引き上げるようにし、時計回り方向に向けて回動させると、本体フレーム1の回動力点となっている伸縮棒6は、本体フレーム1の上方への回動に従って徐々に伸展していき、本体フレーム1と共に移動している支持棒5が夜具面に到達した時点で伸展を停止するようになっている。この際に介護者がハンドグリップから手を離すと、伸縮棒6はロック機構の働きで自動的にロックされ、且つ支持棒5と共に逆V字状となって本体フレーム1を支持するように構成されているのである。なおこの状態における本体フレーム1は、被介護者側に向けてやや傾斜状に伸展した状態に設定されており、また被介護者がお尻を浮かせた状態になっているので、介護者が容易におむつ交換を行うことができるのである。また本体フレーム1を元の位置に復帰させる場合は上記と逆の操作をするものとし、さらに本体フレーム1が元に位置に復帰し、且つ伸縮棒6の伸展部分が本体フレーム1内に収納された時点で再びロック機構が働き、元の状態で固定されるようになっている。
【0009】さらに伸縮棒6に代えて回動板23を用いる場合は、上述した方法と同様な手順で本体フレーム1を上方へ回動させると、ロックが解除された回動板23が、回動軸24を支点として反時計回り方向に回動を開始し、支持棒5が夜具面に到達した時点で回動を停止する。そして回動板23は、ロック機構の働きで自動的にロックされ、且つ支持棒5と共に逆V字状となって本体フレーム1を支持するように構成されているのである。
【0010】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明するが、まず図1〜図3を参照して本発明のおむつ交換補助具の外観を説明する。その全体を金属製パイプによって細長コ字形に形成された本体フレーム1は、その開放側の両端部にやや傾斜状の支持棒5が突設して設けられているもので、その短手方向フレームと平行状に横棒3を差し渡すとともに、短手方向フレームと横棒3の間に2本の案内棒2を取付け、さらに案内棒2の間にハンドグリップ4を取付けて、後述する伸縮棒6の作動を行うように構成したものである。
【0011】またこの本体フレーム1の長手方向中央部には、脚保持体7を位置変更可能に取付けるための多数の取付孔が穿設されており、その適宜な取付孔に左右分割状の脚保持体7が座板8を介してそれぞれ内側に向けて取付けられている。この脚保持体7の座板8への取付形態は、使用時の脚保持体7を水平状に維持するために、1枚の座板8に2個ずつのボルト20とナット21を用いてコの字状に固定され、且つその取付部の支軸19を支点として、フレームの長手方向寄り位置から中央部に向けてほぼ直角状に回動可能に形成されたものである。なおこの脚保持体7は被介護者の脚部を吊り上げるために設けられているので、やや柔軟性を有する合成樹脂などを用いて、やや大きな直径の円筒形状に形成されている。
【0012】さらにこの長手方向フレームの開放側端部には伸縮棒6が伸縮自在に内設されており、またその外側には作動レバー15やロックピン11などから成るロック機構が設けられているが、この伸縮棒6とロック機構については後述する。なおまた本体フレーム1の図2における点線部は、ハンドグリップ4と作動レバー15を結ぶワイヤー9であり、通常は本体フレーム1に内設されているものである。
【0013】次に図4〜図6に基づいて伸縮棒6とロック機構について説明するが、図4は本発明のおむつ交換補助具の使用前の状態で、伸縮棒6の一部を本体フレーム1の内部に収納してロックしている状態を示している。また図5は図4のロックを解除して、本体フレーム1を上方に回動している途中の状態を示しており、さらに図6は本体フレーム1の上方への回動操作を終えて、伸縮棒6を伸展位置でロックしている状態を示すものである。
【0014】本体フレーム1の開放側端部には、伸縮棒6と、その伸縮棒6を伸展または縮小させるためのスプリング18と、スプリング18に隣接して設けられた固定板17が内設されており、このスプリング18によって伸縮棒6を伸縮するように構成されている。さらに本体フレーム1の外側部には側板10と作動レバー15が設けられていて、両者の間に介在している支軸14を支点として、作動レバー15が回動自在に設けらている。また伸縮棒6には2個のロック穴16が穿設されているが、この2個のロック穴16は、図における右側の穴が伸縮棒6の縮小状態のロック穴(以下、これを縮小ロック穴と称する)であり、図における左側の穴が伸縮棒6の伸展状態のロック穴(以下、これを伸展ロック穴と称する)である。そしてこの両ロック穴16に嵌脱可能なロックピン11が、その係止部13を作動レバー15に保持され、且つその突出部12をロック穴16に挿入するように構成されているのである。
【0015】以下に上記のように構成されたロック機構と伸縮棒との作動態様を説明する。図4に示すように、ロックピン11が縮小ロック穴16にロックされた状態から、図5に示すようなロック解除に移行する場合(すなわち本発明のおむつ交換補助具の使用を開始する場合)は、そのロック解除をハンドグリップ4を外方に引くことにより行うようになっている。すなわちハンドグリップ4を引くことにより、ハンドグリップ4に連動するワイヤー9が作動レバー15を引っ張り、その作動レバー15に係止されている係止部13も外方に引っ張られ、それに伴ってロックピン11の突出部12も縮小ロック穴16から外される構成となっているのである。このようにしてロックが解除された伸縮棒6は、本体フレーム1の回動に従って徐々に伸展していくが、伸縮棒6が約10cm程度伸展した状態で、本体フレーム1がおむつ交換作業位置に到達するようになっており、且つその時点で伸縮棒6の伸展ロック穴16がロックピン11の正面に位置するようにあらかじめ設定されているので、ハンドグリップ4から手を離すと、図6に示すように、ロックピン11の突出部12がその伸展ロック穴16に嵌入して、伸縮棒6は再びロック状態に設定されるのである。
【0016】本発明は以上のようなロック機構の働きにより、スプリング18によって伸縮自在に設けられた伸縮棒6が、伸展または縮小することにより本体フレームを補助して、おむつ交換作業状態に設定したり、または元の状態に復帰するように構成されているのである。
【0017】次に、図7に基づいて本発明における伸縮棒6の他の作動手段について説明する。この場合は、伸縮棒6を伸縮させる手段としてシリンダー22を用いるようにしたもので、その他の構造は上述した実施例とすべて同一である。また図示しないが、スプリング18やシリンダー22などの作動手段を利用せずに、角棒体や丸棒体のみを使用するようにし、その伸展または縮小時にそれぞれロックするように構成することも可能である。
【0018】続いて図8〜図10に基づいて本体フレーム1の下部に伸縮棒に代わる回動板23を取付ける実施例について説明する。この場合に使用する回動板23は、細長帯状の板材によって形成されたもので、その全体形状をL字状に設けられたものであるが、その折り曲げ状の端部は本体フレーム1を上方に回動させておむつ交換作業位置でロックした場合に、支持棒5と共に本体フレーム1を支持ための足部となるものである。またこの回動板23と本体フレーム1とは、先端側(足部と反対側)に偏倚して設けられた回動軸24を支点として回動自在に連結されており、且つその回動板23における回動軸24の左右には、2個のロック孔25が穿設されている。なおこのロック孔25は、図10における左側のものが縮小ロック孔であり、右側のものが伸展ロック孔となっている。また本実施例におけるロックピン11は、回動板23とは相対向する本体フレーム1の外側から嵌挿するようになっているが、このロックピン11には、隣接されたローラー27を介してワイヤー9の引っ張り力を伝達するように構成されている。
【0019】次に、以上のように構成された本実施例における回動板23とそのロック機構の作動態様を説明するが、図8は、本体フレーム1を上方に回動する以前の未使用状態を示すものであり、また図9は、本体フレーム1を上方に回動させて、おむつ交換作業位置でロックされた状態を示すものである。図8に示すように、未使用状態の回動板23は本体フレーム1とやや交差するように設定されているが、縮小ロック孔25に嵌挿されているロックピン11が外されてロックが解除されると、回動軸24を支点として反時計回りに回動を開始する。そして本体フレーム1が時計回りで上方へ回動するに従って徐々に伸展していくが、本体フレーム1の下端と回動板23との距離が約10cm程度伸展し、且つ支持棒5が夜具面に到達した時点で回動を停止するとともに、伸展ロック孔25が本体フレーム1と重合する位置に達しているので、ハンドグリップ4から手を離して自動的にロックするように操作するのである。なお支持棒5に設けた衝止ピン26は、回動板23が反時計回り方向にそれ以上回動することを阻止するために取付けられたものである。
【0020】図11〜図14は、本発明のおむつ交換補助具の使用方法を、伸縮棒6を用いる場合を例として説明するものである。すなわち本発明は、図11,図12に示すように、まず左右の脚保持体7を本体フレーム1の長手方向と平行状にセットするとともに、支持体5が上方に突出した水平状態に設定し、被介護者の足元から前進させていくようにする。そして被介護者の膝部分と脚保持体7の設定位置とがほぼ合致する位置で移動を停止し、被介護者の足を片足ずつ持ち上げながら、それぞれの脚保持体7が膝裏へ当接するように、中央部に向けてほぼ直角状に回動させてセットする。次にハンドグリップ4を握って引くと、伸縮棒6のロックが解除されて伸展が可能となるので、ハンドグリップ4を握ったままの状態で、図13で示すように本体フレーム1を時計回り方向に回動させると、本体フレーム1の回動力点となっている伸縮棒6は、本体フレーム1の上方への回動に従って徐々に伸展していく。そして図14に示すように本体フレーム1と共に移動している支持棒5が夜具面に到達した時点でハンドグリップ4から手を離すと、伸縮棒6はロック機構の働きで自動的にロックされ、且つ支持棒5と共に逆V字状となって本体アレーム1を支持するように構成されている。なおこの状態における本体フレーム1は、図示のように被介護者側に向けて伸展したやや傾斜状に設定されており、また被介護者がお尻を浮かせた状態となっているので、介護者が容易におむつ交換を行うことができるようになっている。また本体フレーム1を元の位置に復帰させる場合は上記と逆の操作をするものとする。
【0021】
【発明の効果】本発明のおむつ交換補助具は、ほぼコ字形に形成された本体フレームに脚保持体を取付け、その脚保持体を利用して被介護者の脚を吊り上げるように構成されており、さらにその脚保持体は左右に分割されているので、被介護者の片足ずつを持ち上げて使用状態に設定する構造となっており、被介護者の体重が重い場合や、介護者の力が弱い場合などでも、おむつや下着の取替えを一人の介護者のみで容易に行うことができるとともに、本体フレームを金属製パイプで形成し、且つその本体フレームに伸縮棒やロック機構などを付設した簡単な構造となっているので、取扱いが簡単で、組み立てる必要もなく、持ち運びにも便利であるなどの様々な効果がある。また本発明品はベッドや布団などの夜具の種類に係りなく使用できるという使用上の利点や、各構成材の原価が安く、且つ部品点数も少ないので、安価に製造することができるという産業上の利点がある。さらに脚保持体の下方が広い空間になっているので、介護者が無理のない姿勢でおむつ交換作業をすることができるという特長があり、またロック機構が万全な構造となっていて、使用途中で本体フレームが倒れるような不測の事故を招くようなことがないので、安全に使用することができるという長所がある。
【出願人】 【識別番号】594179270
【氏名又は名称】池尾 正雄
【出願日】 平成11年7月14日(1999.7.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−29376(P2001−29376A)
【公開日】 平成13年2月6日(2001.2.6)
【出願番号】 特願平11−233076