| 【発明の名称】 |
止血用貼材 |
| 【発明者】 |
【氏名】関 淳平
【氏名】山口 淳
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| 【要約】 |
【課題】注射針等が細い場合のみならず、注射針が太く、穿刺孔径が大きくなり、出血量が多く、止血しにくい場合でも容易かつ確実に止血することができる止血用貼材を提供する。
【解決手段】(1)基材と、該基材の片面に形成された粘着剤層と、該粘着剤層に貼着された、長辺の長さが5〜40mm、長辺と短辺の長さの比(長辺:短辺)が1:1〜4:1で、かつ厚さが3〜15mmである血管穿刺孔および皮膚表面穿刺孔を押圧する止血用パッドとを備えた止血用貼材において、前記止血用パッドの血管穿刺孔および皮膚表面穿刺孔を押圧する面が凸形状であることを特徴とする止血用貼材。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基材と、該基材の片面に形成された粘着剤層と、該粘着剤層に貼着された、長辺の長さが5〜40mm、長辺と短辺の長さの比(長辺:短辺)が1:1〜4:1で、かつ厚さが3〜15mmである血管穿刺孔および皮膚表面穿刺孔を押圧する止血用パッドとを備えた止血用貼材において、前記止血用パッドの血管穿刺孔および皮膚表面穿刺孔を押圧する面が凸形状であることを特徴とする止血用貼材。 【請求項2】 前記止血用パッドの凸形状の垂直方向断面の最頂高さが該パッドの短辺の長さに対して0.05〜0.5倍であることを特徴とする請求項1に記載の止血用貼材。 【請求項3】 前記止血用パッドは、均一な厚みを有する平坦パッド部と、その上部に形成した凸状パッド部とからなることを特徴とする請求項1または2に記載の止血用貼材。 【請求項4】 前記止血用パッドのデュロメータ硬度試験機で測定した圧縮硬さが20以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の止血用貼材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は止血用貼材に関し、さらに詳しくは採血、点滴、輸血、人工透析などの注射針等による血管穿刺孔や皮膚表面穿刺孔に対して優れた圧迫効果および止血効果を有する止血用貼材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より採血、点滴、輸血、人工透析などが幅広く行われているが、これは皮膚表面から血管に注射針、カテーテル、医療用チューブ等を穿刺して行うものであり、これらの注射針などを抜いた後には血管の穿刺部から出血するため、当該穿刺部に脱脂綿やガーゼを当てて指で強く圧迫し、さらに粘着テープ、伸縮バンドなどで押圧して止血されている。しかし、こうして止血するには十数分間以上も指や押圧具等でじっと押付けておかねばならず、面倒であると同時にきちんと押圧をしておかないと、皮下出血したり、止血が不充分で衣類を汚染する場合がある。また、患者によってはこうした指等による押圧行為を行うことができない場合もある。こうしたことから、注射針等を抜いた直後に穿刺部に貼り付けて使用する種々の止血用貼付材が開発されている。 【0003】例えば、特開平5−245173号公報には、パッドの大きさや厚さを特定して血管穿刺孔と皮膚表面穿刺孔を押圧するようにした止血用貼付材、さらに圧迫効果を高める層、圧迫効果を有し、かつ血液を吸収する層および血液を早く吸収する層を順に積層したパッドを備えた止血用貼付材が提案されている。しかし、上記パッドの表面が平坦であるため、注射針などを抜いた後の血管の穿刺部を圧迫するための押圧力が分散し、患者によっては止血効果が充分でない場合があった。またパッドを各種機能を有する複数の層で形成した場合には、パッド構造が複雑で、製造工程が煩雑となり、量産化に適さず、コスト低下が図れないという欠点があった。 【0004】また特開平6−254115号公報には、穿刺孔への押圧力を高めるために、復元作用の強い伸縮性を有する材料を基材として用いた止血用貼付材が提案されている。しかし、この場合には、パッドの押圧面全体の面圧力を大きくすることはできるが、穿刺孔と接する押圧面が依然として平坦であり、局部的な穿刺孔部を効果的に押圧することはできなかった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記従来技術の問題点をなくし、注射針等が細い場合のみならず、注射針が太く、穿刺孔径が大きくなり、出血量が多く、止血しにくい場合でも容易かつ確実に止血することができる止血用貼材を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、粘着剤層上に貼着する止血用パッドの血管穿刺孔および皮膚表面穿刺孔を押圧する面を凸形状とすることにより、上記穿刺孔部を比較的弱い押圧力で局部的に効率よく圧迫することができ、止血を容易にかつ確実に行うことができることを見いだし、本発明に到達したものである。すなわち、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。 【0007】(1)基材と、該基材の片面に形成された粘着剤層と、該粘着剤層に貼着された、長辺の長さが5〜40mm、長辺と短辺の長さの比(長辺:短辺)が1:1〜4:1で、かつ厚さが3〜15mmである血管穿刺孔および皮膚表面穿刺孔を押圧する止血用パッドとを備えた止血用貼材において、前記止血用パッドの血管穿刺孔および皮膚表面穿刺孔を押圧する面が凸形状であることを特徴とする止血用貼材。 (2)前記止血用パッドの凸形状の垂直方向断面の最頂高さが該パッドの短辺の長さに対して0.05〜0.5倍であることを特徴とする(1)に記載の止血用貼材。 (3)前記止血用パッドは、均一な厚みを有する平坦パッド部と、その上部に形成した凸状パッド部とからなることを特徴とする(1)または(2)に記載の止血用貼材。 (4)前記止血用パッドのデュロメータ硬度試験機で測定した圧縮硬さが20以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の止血用貼材。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図面により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は、本発明の一実施例を示す止血用貼材の正面断面図、図2は、該止血用貼材の平面図、図3は、該止血用貼材に用いられる止血用パットの拡大断面図である。図1において、止血用貼材10は、基材1、該基材1の片面に設けられた粘着剤層2および該貼着剤層2の中央部に貼着された吸液性を有する止血用パッド3で構成され、該止血用パッド3は、丸形の均一な厚みを有する平坦パッド部4と、該平坦パッド部4の上部に設けられた凸状パッド部5とからなる。 【0009】このような構成において、止血用貼材10は、注射針等を抜いた後に生じる血管穿刺孔および皮膚正面穿刺孔(図示せず)を凸状パッド部5で押圧しつつ止血用パッド3全体で上記穿刺孔部を覆い、粘着剤層2により該穿刺孔部周辺の皮膚に貼り付けられる。血管穿刺孔から皮膚表面に出血する血液は凸状パッド部5および平坦パッド部4に吸収され、同時に凸状パッド部5による上記穿刺孔部への局部的な圧迫(押圧)により効率よく止血される。一定時間経過後に止血が完了すると、使用済の止血用貼材10は皮膚表面から取り除かれる。 【0010】本発明に用いられる基材としては、プラスチックシート、紙、布、不織布などの公知の材料を使用することができ、また伸縮性素材を使用してもよい。基材として伸縮性素材を使用することにより、穿刺孔部に止血用パッドを貼り付けて止血する際に該基材を引き延ばすようにして皮膚に貼り付けると、その後、該貼り付けられた基材に収縮しようとする力が作用するため、止血用パッドの穿刺孔部への押圧をさらに効果的に行うことができる。このような伸縮性素材としては、例えば伸縮性ウレタン不織布等が挙げられる。伸縮性不織布としては、50〜200g/m2 程度の坪量を有するものが好ましく、より好ましくは80〜150g/m2 程度である。また適度な腰および厚みのあるものがより好ましい。基材の厚みは通常0.2〜1.5mm程度とされる。また基材の形状には特に制限はなく、正方形、円形、楕円形などの形状でもよいが、通常は長方形の形状とされる。 【0011】本発明における粘着剤層に用いられる粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系、ビニル系などの公知のものを使用することができる。これらのうち、皮膚に対する刺激の少ないものが特に好ましい。該粘着剤層2の厚さは、止血用パッド3を貼着でき、かつ止血時に止血用パッド3を穿刺孔部に押圧しつつ、その周辺の皮膚に止血用貼材を貼着でき、さらに止血後に皮膚表面から容易に剥がすことができれば特に限定はない。 【0012】本発明における止血用パッドは、長辺の長さが5〜40mm、好ましくは10〜20mmで、長辺と短辺の長さの比(長辺:短辺)が1:1〜4:1、好ましくは1:1〜2:1の大きさを有し、かつその厚さが3〜15mm、好ましくは5〜10mmであり、さらに血管穿刺孔および皮膚表面穿刺孔を押圧する面が凸形状を有する。止血用パッドの長辺および短辺の長さが上記範囲内であれば、血管穿刺孔および皮膚表面穿刺孔の双方を同時に覆うことができる。また止血用パッドの厚みが3mm未満では穿刺孔部に貼り付けたときの圧迫効果が得られず、また15mmを超えると効果的な押圧力が得られなくなり、また貼り付けた際の違和感が大きくなる。また止血用パッドの穿刺孔部を押圧する面を凸形状とすることにより、押圧力の分散を防止でき、穿刺孔部を局部的に効果的に圧迫することができ、比較的弱い押圧力で優れた止血効果を得ることができる。 【0013】止血用パッドは、その血管穿刺孔および皮膚表面穿刺孔を押圧する面が凸形状を有していればよいが、図1に示すように、均一な厚みを有する平坦パッド部とその上部に形成した凸状パッド部で構成するのが好ましい。このような構成とすることにより、吸収できる血液量が増大し、穿刺孔部への押圧力が増大する。止血用パッドの平面形状(図1における平坦パッド部4の形状)には特に限定はなく、長方形、正方形、丸形、楕円形、小判形、多角形などの形状を適宜選定することができる。正方形または丸形の場合には、長辺と短辺の長さの比が1:1となる。長方形、小判形等の場合において、長辺の長さが短辺の長さの4倍を超えると、穿刺孔部の押圧効果が低下する。また長方形、正方形、多角形などのように角のある形状の場合には、角の部分を弧状に面取りすることが好ましい。これにより、押圧したときの皮膚表面に対する繁樹が少なく、貼り付けた際の違和感が少なくなる。 【0014】本発明において、止血用パッドの凸形状(図1における凸状パッド部5)の垂直方向断面の最頂高さは、押圧力の分散防止、皮膚表面への密着性などの点から、該止血用パッドの短辺の長さの0.05〜0.5倍が好ましく、より好ましくは0.1〜0.4倍である。図1〜3図に示した止血用貼材において、丸形の平坦パッド部4の厚さは3mm、直径が17mmである。さらに凸状パット部5の垂直方向断面の最頂高さは4mmであり、止血用パッド3の上部に形成した凸状パッド部5の垂直方向断面の最頂高さ(L1 )は、平坦パッド部5の短辺の長さ(L2 )の0.24倍となっている。また止血用パッド(特に凸形状部)は、穿刺孔部の圧迫効果の点から、圧縮したときに容易に変形しない圧縮硬さ、例えばテクロック社製のタイプEデュロメータ硬度試験機で測定した圧縮硬さが20以上であることが好ましく、より好ましくは40以上である。 【0015】止血用パッドに用いられる素材としては、ビスコースレーヨン、キュプラ、コットンなどの不織布やこれらと合成繊維等を複合させた不織布または綿状繊維を使用することができるが、血管穿刺孔および皮膚表面穿刺孔から皮膚表面に流れ出る血液を素早く吸収することができるビスコースレーヨン、キュプラもしくはコットン不織布または圧縮綿が好ましい。止血用パッドは複数の素材を使用して多層構造としてもよいが、パッド構造が複雑となり、加工コストが増大し、経済性が低下するため、できるだけ同一の素材からなる一層構造とするのが好ましい。また平坦パット部と凸状パッド部からなる止血用パッドの場合も同一の素材で構成し、かつこれらを一体的に形成するのが好ましい。このような止血用パッドの製造方法としてば、上記素材を金型に充填し、加圧して成形する金型成形法が挙げられる。 【0016】図4は、本発明の他の実施例を示す止血用貼材の平面図、図5は該止血用貼材の正面断面図、図6は該止血用貼材の側面断面図である。図4〜図6に示した止血用貼材において、図1〜図3のものと異なる点は、丸形の平坦パッド部4の代わりに小判形の平坦パッド部4Aを用いた点である。この小判形の平坦パット部4Aは、その長辺が基材1の長辺と直交するように、基材1の中央部に定置され、該平坦パット部4Aの上部には、凸状パッド部5Aが形成されている。該凸状パッド部5Aの垂直方向断面の最頂高さは4mmで、平坦パッド部4Aの短辺長さが17mmであり、凸部の最頂高さ(L1 )は平坦パッド部4Aの短辺長さ(L2 )の0.24倍である。また平坦パッド部4Aの長辺の長さは30mm、長辺と短辺の長さの比は1:2.2である。このような止血用パッドの使用により線状の局部的な押圧力が得られるため、止血効果がさらに向上し、確実な止血を行うことができる。 【0017】このような長方形や小判形の止血用パッド3の場合には、止血用パッド3の長辺が基材1の短辺側(幅方向)を向くように定置するのが好ましい。これにより、止血用パッド3の長辺側で血管穿刺孔と皮膚表面穿刺孔の両方を同時に容易に圧迫することができる。また止血用パッド3の短辺縁と基材1の長辺縁8までの距離(L3 )を、平坦パッド部4の厚さよりも短くするのが好ましい。具体的には約1〜5mm程度の距離が好ましく、より好ましくは約3mm程度である。これにより、皮膚に貼り付けた際にこの部分の基材が折れ曲がって平坦パッド部4の両側を覆い、斜内側下方に向かって押圧作用を発揮し、該押圧作用を分散することなく止血用パッド3の内部に集中させることができ、さらに厚いパッドが横にずれ動いたり、倒れたりするのを防止することができる。また止血用パッド3で押圧しながら注射針等を抜く際に、基材上の粘着剤層2に注射針などが触れて邪魔になるのを防ぐことができる。 【0018】 【発明の効果】本発明の止血用貼材によれば、止血用パッドの血管穿刺孔と皮膚表面穿刺孔を押圧する面が凸形状を有しているため、上記穿刺孔部を比較的弱い押圧力で局部的に効率よく圧迫することができ、従って、注射針等が細い場合のみならず、注射針が太く、穿刺孔径が大きくなり、出血量が多く、止血しにくい場合や、血管が静脈の場合のみならず、動脈の場合でも細めの22〜24ゲージ針(直径0.76〜0.57mm)程度のものであれば、容易かつ確実に止血することができる。また使用に際しての操作も容易であり、さらにパッドの構造も簡素で経済的に製造することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000033 【氏名又は名称】旭化成工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年7月9日(1999.7.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076587 【弁理士】 【氏名又は名称】川北 武長
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| 【公開番号】 |
特開2001−17461(P2001−17461A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月23日(2001.1.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−195654 |
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