| 【発明の名称】 |
動物用ジャケット |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 元彦
【氏名】澤居 米市
【氏名】滝本 浩之
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| 【要約】 |
【課題】外部からの接触を断つことができるとともに、動物の行動の拘束をより抑制することができ、かつより容易に動物の皮膚の一部を保護すること。
【解決手段】ラットの背部を保護するにあたりラットが着用するための動物用ジャケットであって、背部を覆うことなくラットに着用されるジャケット本体1と、通気性を有するとともに背部に接触しない間隔を置いて背部を覆うようにジャケット本体1に固定される保護体2とを備え、ジャケット本体1は、ラットの胴回り方向に沿って設けられてラットを胴回り方向に締め付けつつもラットの胴回り方向における任意の位置で固定可能な装着用固定バンド4、5を備え、かつ保護体2をジャケット本体1へ着脱自在に固定するにあたり、保護体2を外側から固定する保護体用固定部10を備える構成とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 保護すべき部位を皮膚の一部に有する動物が着用するためのジャケットであって、前記保護すべき部位を覆うことなく前記動物に着用されるジャケット本体と、通気性を有するとともに前記保護すべき部位に接触しない間隔を置いて保護すべき部位を覆うように前記ジャケット本体に固定される保護体と、を備え、前記ジャケット本体は、前記動物の胴回り方向に沿って設けられて動物を胴回り方向に締め付け自在な締め付け手段を備えるとともに、前記保護体をジャケット本体へ着脱自在に固定する構成であることを特徴する動物用ジャケット。 【請求項2】前記ジャケット本体は、前記動物の四肢がそれぞれ挿通するように前記ジャケット本体に設けられた肢用孔部と、前記ジャケット本体の一側部から延出する装着用固定バンドと、この装着用固定バンドに設けられる第1固定部と、前記ジャケット本体の他側部に設けられるとともに前記第1固定部を着脱自在に固定する第2固定部と、前記ジャケット本体の側部から突出して前記保護体をジャケット本体へ着脱自在に固定する保護体用固定部と、を備え、前記第1固定部と前記第2固定部の少なくともいずれか一方が、第1固定部と第2固定部とによる固定位置を設定自在にすべく前記ジャケット本体の横断方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項1記載の動物用ジャケット。 【請求項3】前記ジャケット本体は、着用時に動物の排泄器を覆わないように形成された開口部を備えることを特徴とする請求項1記載の動物用ジャケット。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は動物用ジャケットに関し、特に皮膚の一部を保護するにあたり、周辺環境と変わらない状態で、かつ外部からの接触が断たれた状態で皮膚の一部を保護するのに好適な動物用ジャケットに関する。 【0002】 【従来の技術】皮膚外用剤や化粧料等、皮膚に塗布すべき塗布物(以下、「薬剤等」という)の効能や安全性等を確認する手法として、動物の皮膚の一部に前記薬剤等を塗布して、その経過を観察する動物実験が従来より行われている。 【0003】前述した動物実験では、薬剤等を塗布した皮膚の一部を覆うことなく観察することが一般に望ましい。このため、薬剤等が塗布された動物を動物用ゲージ内に放したり、あるいは動物の四肢を固定台に縛る等、行動が拘束された動物に薬剤等を塗布することによって、薬剤等が塗布された動物や、塗布面である皮膚の一部の様子を観察する動物実験が行われる。これらの動物実験は、例えば薬剤等の塗布が動物の身体に及ぼす影響や、塗布された皮膚の様子等を観察することによって、薬剤等の効能や安全性等を確認しようとするものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した動物実験では、薬剤等を一定期間中、動物に連続して複数回塗布しながら観察する必要があったり、あるいは薬剤等を動物に一回塗布後、一定期間観察する必要があるため、少なくとも以下に示す問題点が指摘される。 【0005】まず、動物を動物用ゲージ内にそのまま放す動物実験では、動物が薬剤等を自ら掻き取ってしまったり、あるいはゲージ内部や他の動物等との接触によって薬剤等が掻き取られてしまうことが多く、動物実験によって得られるデータの信憑性が低くなってしまう。 【0006】また、動物の行動を拘束する動物実験では、塗布箇所の掻き取りは防止されるものの、行動の拘束に伴って動物に多大なストレスがかかり、動物の身体や生理現象に影響を及ぼしたり、あるいは動物がストレスに耐えられずに死亡してしまうことが多く、動物実験によって得られるデータの信憑性が低くなってしまう。 【0007】本発明は前述した問題点等に鑑みてなされたものであり、外部からの接触を断つことができるとともに、動物の行動の拘束をより抑制することができ、かつより容易に動物の皮膚の一部を保護することを技術的課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は動物用ジャケットであり、前述した技術的課題を解決する手段として、以下に示す構成とされている。すなわち本発明の動物用ジャケットは、保護すべき部位を皮膚の一部に有する動物が着用するためのジャケットであって、前記保護すべき部位を覆うことなく前記動物に着用されるジャケット本体と、通気性を有するとともに前記保護すべき部位に接触しない間隔を置いて保護すべき部位を覆うように前記ジャケット本体に固定される保護体とを備え、前記ジャケット本体は、前記動物の胴回り方向に沿って設けられて動物を胴回り方向に締め付け自在な締め付け手段を備えるとともに前記保護体をジャケット本体へ着脱自在に固定する構成とされている。 【0009】前記構成によれば、前記動物用ジャケットを着用した動物は、動物と一体的に固定される保護体によって保護すべき部位が保護されるため、動物の行動を拘束することなく保護すべき部位への外部からの接触を断つことが可能となる。 【0010】また前記構成によれば、ジャケット本体が動物を胴回り方向に締め付け自在であることから、動物にジャケット本体を着用させるにあたり、適度に締め付けてジャケット本体をその動物に合うように着用させることができるとともに、動物の個体差等に対応させることができるので、過度の締め付けがなく、動物の行動の拘束をより抑制することが可能となる。 【0011】また前記構成によれば、ジャケット本体と保護体とが着脱自在に固定されることから、ジャケット本体を動物に着用させるのが容易であるとともに、動物が着用しているジャケット本体への保護体の固定が容易であるので、より容易に皮膚の一部を保護することが可能となる。 【0012】また、本発明の動物用ジャケットは、前記ジャケット本体が、動物の四肢がそれぞれ挿通するように前記ジャケット本体に設けられた肢用孔部と、前記ジャケット本体の一側部から延出する装着用固定バンドと、この装着用固定バンドに設けられる第1固定部と、前記ジャケット本体の他側部に設けられるとともに前記第1固定部を着脱自在に固定する第2固定部と、前記ジャケット本体の側部から突出して前記保護体をジャケット本体へ着脱自在に固定する保護体用固定部とを備え、前記第1固定部と前記第2固定部の少なくともいずれか一方が、第1固定部と第2固定部とによる固定位置を設定自在にすべく前記ジャケット本体の横断方向に沿って設けられている構成とされている。 【0013】前記構成によれば、第1固定部と第2固定部とによる固定位置を、ジャケット本体を着用させる動物の個体差等に応じて適当な位置を簡単に設定することができ、動物の拘束の抑制、及びジャケット本体を動物に着用させる際の作業性等についてより一層好ましい。また前記構成によれば、ジャケット本体への保護体の着脱作業が保護体の外側から行うことができ、保護体の着脱する際の作業性等についてより一層好ましい。 【0014】また、本発明の動物用ジャケットは、前記ジャケット本体が、着用時に動物の排泄器を覆わないように形成された開口部を備える構成とされている。この構成によれば、ジャケット本体を着用した動物の不快感をより低減させることが可能となりさらに好ましい。 【0015】本発明の動物用ジャケットを着用すべき動物は特に限定されないが、動物実験に用いられるような小動物が好ましい。このような小動物としては、例えばマウス、ラット、ウサギ等を例示することができる。 【0016】前記ジャケット本体は、前記保護すべき部位を含まない動物の皮膚を覆うことによって、動物へのジャケット本体の着用が確実にされるとともに保護体が動物に対して十分に固定されるための土台とも言うべきも構成である。従ってジャケット本体は、ジャケット本体の確実な着用及び保護体の固定が達成されるように十分な大きさに形成されていることが好ましい。またジャケット本体は、動物に対するジャケット本体の被覆面積が大きい場合には、複数の孔を設けて網目状等となるように形成しても良い。 【0017】またジャケット本体は、柔軟性や伸縮性、及び通気性を有する部材(例えば布等)によって形成されることが、ジャケット本体の動物への密着性を高めつつもジャケット本体を着用した動物の行動の拘束を抑制し、ジャケット本体着用時における動物の不快感を低減させる観点から好ましい。また同様の観点から、ジャケット本体には動物の形状や姿勢等に応じて切り込みやダーツ(ひだ)、縫い合わせ等を適所に設けることが好ましい。 【0018】前記締め付け手段は、動物を胴回り方向へ締め付け自在にすることで、ジャケット本体の動物への着用を確実にするとともに、適度な着用状態を実現してジャケット本体を着用することによる動物の不快感をより低減させようとするための構成である。従って締め付け手段は、例えばゴムバンドのような伸縮自在な弾性部材による締め付けであっても良いし、動物の胴回り方向における所定の位置において固定可能なバンドであっても良い。また締め付け手段は、前述した弾性部材による収縮と所定位置での固定との両方を併用する構成であっても良い。 【0019】前記肢用孔部は、動物の四肢をそれぞれ挿通することにより、ジャケット本体着用時における動物の行動の自由度を確保するとともに、着用時におけるジャケット本体が動物の長手方向及び胴回り方向へのずれを防止する構成である。従って肢用孔部は、ジャケット本体を着用する動物に応じた位置に設けられることが好ましい。また肢用孔部は、ジャケット本体を着用する動物の四肢に応じた形状に形成されると良く、肢用孔部の形状としては、円形、あるいは楕円形等の非円形などを例示することができる。 【0020】前記装着用固定バンドは、ジャケット本体の着用に際して、前記ジャケット本体の一側部から動物の胴回り方向に延出して、ジャケット本体の他側部と固定されるための構成である。従って装着用固定バンドは、ジャケット本体の一側部からジャケット本体の他側部に向けて延出すれば良いが、ジャケット本体の他側部に対して先端を十分余らせて到達するほど延出することが好ましい。また装着用固定バンドは、前記動物がジャケット本体を着用するのに十分となるように設けられると良く、その数については特に限定されず、その配置については保護すべき部位を覆わない配置であれば良い。 【0021】前記第1固定部は、動物の胴回り方向に沿って締め付け自在にジャケット本体を着用させるための一方の構成である。そして前記第2固定部は、動物の胴回りに沿って締め付け自在にジャケット本体を着用させるための他方の構成である。従って第1固定部及び第2固定部は、適当な締め具合となるように固定位置を適宜設定できる構成であることが好ましく、さらにはワンタッチで互いが固定される形態であることがより好ましい。また第1固定部及び第2固定部は、少なくともいずれか一方がジャケット本体の横断方向に沿って細長に、あるいは複数設けられていることが好ましい。 【0022】より詳しく説明すると、装着用固定バンドがジャケット本体の他側部まで到達しない程度に延出している場合では、第2固定部は、ジャケット本体の他側部からジャケット本体の横断方向に沿ってジャケット本体の一側部へ向けて十分に延出するように設けられると良い。装着用固定バンドがジャケット本体の他側部へ十分に到達するように延出する場合では、第2固定部は、ジャケット本体の他側部からジャケット本体の横断方向に沿って装着用固定バンドの先端における到達位置までのジャケット本体上に設けられると良い。さらに装着用固定バンドがジャケット本体の他側部へ十分に到達するように延出する場合では、第1固定部は、装着用固定バンドの延出方向に沿って細長に、あるいは複数設けられても良い。 【0023】前述したような第1固定部及び第2固定部としては、例えばベルトの孔とベルトの止め具、フックとこのフックの係合部材、ボタンとボタンホール、面ファスナー等を例示することができる。また前述した装着用固定バンドは、少なくとも一部を例えばゴムひものような伸縮自在な弾性部材で構成することによって、第1固定部と第2固定部との固定位置を弾性部材の伸縮長さにおいて設定自在な構成としても良い。 【0024】前記保護体用固定部は、動物に着用されたジャケット本体に保護体を固定するための構成である。従って保護体用固定部は、保護体をジャケット本体に固定できれば、その数や配置等は特に限定されない。また保護体用固定部は、ジャケット本体に保護体を固定するにあたり、保護体の外側から保護体を固定できる構成であることが好ましく、このような保護体用固定部としては、ジャケット本体の側部から延出するバンド及びこのバンドに設けられ保護体に係止自在なフック等を例示することができる。 【0025】また保護体用固定部は、少なくともその一部に弾性部材を使用し、弾性部材の収縮力を保護体の固定に利用する構成としても良い。保護体用固定部に使用される弾性部材としては、例えばゴムひもやコイルバネ等を例示することができる。 【0026】前記開口部は、動物に着用されたジャケット本体が動物の排泄器を覆わないようにするための構成である。従って開口部は、ジャケット本体を着用する動物の種類、性別、大きさ等によって適当に設けられると良い。また開口部は、ジャケット本体に設けられた孔であっても良いし、ジャケット本体に設けられた切り込みの適所が縫い合わせて形成される構成であっても良い。 【0027】前記保護体は、保護体の縁部が保護すべき部位の周囲を囲い、かつ所定の間隔を置いて保護すべき部位を覆う形状に形成されていると好ましい。保護体の縁部の形状は、円形、楕円形等の非円形、方形等の多角形、などを例示することができる。また保護体の断面形状は、方形等の多角形、蒲鉾形、馬蹄形、などを例示することができる。また保護体は、動物の形状や姿勢等に合った丸みを帯びさせると、ジャケット本体に固定されたときの安定性がより向上するので好ましい。 【0028】また保護体は、通気性の良い構造であれば良く、例えば有孔体、網目体、格子体等によって形成されると好ましく、保護体を格子体で形成されると、通気性が良いとともに保護すべき部位を観察しやすいことからさらに好ましい。 【0029】また保護体は、例えば動物の行動による他所への衝突や、動物による引っ掻き行為、あるいは他の動物による引っ掻き行為や噛みつき行為等に対して形状を維持する強度を備えていることが好ましい。また前述した動物実験や治療等に使用される場合では、強度に加えて保護すべき部位に塗布される前記薬剤等に対して影響されない材質であることがさらに好ましい。このような材質としては、ステンレス等の金属を例示することができる。 【0030】また保護体は、ジャケット本体に固定された時に、保護体の縁部がジャケット本体上にあるようにジャケット本体に固定されることにより、保護体の縁部との摩擦によって生じる動物の擦過傷を抑制するように固定されても良い。また保護体は、保護体の縁部により柔軟な緩衝部材等を適宜配置することにより、動物の擦過傷を抑制する構成としても良い。さらに保護体は、保護体の縁部に沿ってのりしろを設けることにより、動物の擦過傷を抑制するとともにジャケット本体への固定時における安定性をより向上させる構成としても良い。 【0031】 【発明の実施の形態】以下、本発明の動物用ジャケットにおける一実施の形態を、添付した図面に基づき説明する。なお本実施の形態では、動物用ジャケットを着用すべき動物がラットであり、保護すべき部位が背部であるとして説明する。まず本実施の形態における動物用ジャケットを図1に示す。 【0032】本実施の形態における動物用ジャケットは、図1に示されるように、背部を覆うことなくラットに着用されるジャケット本体1と、通気性を有するとともに背部に接触しない間隔を置いて背部を覆うようにジャケット本体1に固定される保護体2とを備えている。ジャケット本体1は、ラットの胴回り方向に沿って設けられてラットを胴回り方向に締め付け自在な締め付け手段を備えるとともに、保護体2をジャケット本体1へ着脱自在に固定する構成とされている。次にジャケット本体1及び保護体2について、図2及び図3に基づき、より詳細に説明する。 【0033】ジャケット本体1の展開図を図2に示す。ジャケット本体1は、図2に示されるように、ラットの四肢をそれぞれ挿通するようにジャケット本体1に設けられた4つの肢用孔部3と、ジャケット本体1の一側部から延出する装着用固定バンド4、5と、それぞれの装着用固定バンド5、6に設けられる第1固定部6、7と、ジャケット本体1の他側部に設けられるとともに第1固定部6、7をそれぞれ着脱自在に固定する第2固定部8、9と、ジャケット本体1の側部から突出して保護体2をジャケット本体1へ着脱自在に固定する4つの保護体用固定部10とを備えている。 【0034】ジャケット本体1は、ラットの長手方向に沿ってラットの腹部を覆う形状に形成されている。ジャケット本体1の前辺は、前辺中央部分が窪むようなW字型に形成されており、ジャケット本体1の後辺には切り込みAが設けられているとともに縫いしろBが設けられている。またジャケット本体1における保護体用固定部10の基端中央側には、切り込みCがそれぞれ設けられている。 【0035】肢用孔部3は、略楕円形状に形成されている。ラットの前肢が挿通する肢用孔部3は、装着用固定バンド4と前方の保護体用固定部10との側方、及び第2固定部8と前方の保護体用固定部10との側方に設けられている。ラットの後肢が挿通する肢用孔部3は、それぞれ後方の保護体用固定部10の側方に設けられている。 【0036】装着用固定バンド4は、前方の保護体用固定部10より前方におけるジャケット本体1の一側部から延出している。装着用固定バンド5は、後方の保護体用固定部10より前方におけるジャケット本体1の一側部から延出している。装着用固定バンド4は、ラットがジャケット本体1を着用した時に、ジャケット本体1の他側部まで到達しない延出長さ(例えば30mm程度)とされている。装着用固定バンド5は、ラットがジャケット本体1を着用した時に、ジャケット本体1の他側部まで十分に到達する延出長さ(例えば85mm程度)とされている。 【0037】第1固定部6、7は、ともに面ファスナーの一方の接合面であり、図2の紙面における表側に設けられている。第1固定部6は、装着用固定バンド4のほぼ全長にわたって設けられている。第1固定部7は、装着用固定バンド5の先端付近に設けられている。 【0038】第2固定部8、9は、ともに面ファスナーの他方の接合面であり、図2の紙面における裏側に設けられている。第2固定部8は、ジャケット本体1の他側部から延出(例えば30mm程度)して設けられている。第2固定部9は、後方の肢用孔部3の前方においてジャケット本体1の横断方向に沿って所定の長さ(例えば70mm程度)に設けられている。第1固定部6、7及び第2固定部8、9は、それぞれの少なくとも一部分が重なれば固定され、第1固定部6、7及び第2固定部8、9の長さは、ラットのジャケット本体1着用時における固定位置をジャケット本体1の横断方向に沿って複数箇所に設定できる十分な長さとされている。 【0039】保護体用固定部10は、ジャケット本体1の側部から延出する保護体固定用バンド10aと、保護体固定用バンド10aに設けられるフック10bとによって構成されている。保護体固定用バンド10aは、ジャケット本体1の側部から適当な長さ(例えば30mm程度)延出している。フック10bは、図2の紙面における表側にあって、保護体固定用バンド10aの先端を適当な長さ(例えば10mm程度)余らせた位置に、図2の紙面における表側へ先端が屈曲するように設けられている。 【0040】切り込みAは、後方の肢用孔部3の間に設けられている。切り込みAは、ジャケット本体1の後辺から適当な長さ(例えば30〜40mm程度)切り込まれて形成され、縫いしろBが縫い合わされると、切り込みAは本発明における開口部となるように構成されている。切り込みCはジャケット本体1の側部から適当な長さ(例えば5mm程度)切り込まれて形成されている。なお、ジャケット本体1、装着用固定バンド4、5、及び保護体固定用バンド10aは、柔軟で伸縮性及び通気性を有する布によって形成されている。 【0041】保護体2は、図3に示されるように、ステンレス製の針金によって蒲鉾形の格子体に形成されている。保護体2は、短手方向及び長手方向に沿って丸みを帯びるように曲げられた構成とされている。保護体2の縁部から保護体2の頂部までの間隔は、保護体2がジャケット本体1に固定された時に、保護体2がラットの背部に接触しないような間隔(例えば30mm程度)とされている。 【0042】次に、本実施の形態における動物用ジャケットのラットへの着用について説明する。なお、ジャケット本体1は、縫いしろBが互いに縫い合わされており、切り込みAが本発明の開口部として形成されているものとして説明する。 【0043】まず、ラットへのジャケット本体1の着用は、図2の紙面における表側からラットの尾を前記開口部(切り込みAと縫いしろBとの間)に挿通するとともに、対応するそれぞれの肢用孔部3にラットの四肢を挿通する。そして、装着用固定バンド5をラットの胴回り方向に沿って締め付けるようにして、ラットの腰部を越えてジャケット本体1の他端側へ引き寄せ、第1固定部7と第2固定部9とを接合させる。さらに、装着用固定バンド4と第2固定部8とをラットの胴回り方向に沿って締め付けるようにして互いに引き寄せ、ラットの頚部付近で第1固定部6と第2固定部8とを接合させる。このように、ラットの腰部付近での接合を先に行うと、ラットの後肢を持つことなくラットの頚部付近での接合を行うことができて便利である。以上のような作業によって、図4に示されるように、ジャケット本体1がラットに着用される。 【0044】またラットに着用されたジャケット本体1は、前記開口部を設け、この開口部にラットの尾を挿通することにより、図5に示されるように、ジャケット本体1の着用によってラットの排泄器が覆われないようになっている。 【0045】ラットにジャケット本体1が着用されたら、ラットの背部に保護体2を適当な位置に被せ、保護体固定用バンド10aを上方に引き寄せつつ、保護体2の長手方向に沿う格子等、保護体2の適所に保護体2の外側からフック10bをかける。すると保護体2がジャケット本体1へ着脱自在に固定される(図1参照)。 【0046】ジャケット本体1は、柔軟で伸縮性及び通気性を有する布によって形成されていることから、ジャケット本体1を着用したラットの不快感が低減される。またジャケット本体1は、ラットの動作に追従しやすいため、ラットの行動の拘束がより抑制される。またジャケット本体1は、ラットの四肢に対応する肢用孔部3を備えることから、ラットへの着用時におけるジャケット本体1の長手方向及び胴回り方向へのジャケット本体1のずれが防止される。 【0047】またジャケット本体1は、その前辺が前述したようにW字形に形成されていることから、ラットの首まわりでのジャケット本体1の密着性が高まる。またジャケット本体1は、ジャケット本体1の側部における保護体用固定部10の基端に切り込みCが設けられているため、保護体2固定時における保護体用固定部10基端付近で、ジャケット本体1のラットへの密着性が高まる。 【0048】またジャケット本体1は、面ファスナーである第1固定部6、7及び第2固定部8、9を備えており、これらの固定部が固定位置をジャケット本体1の横断方向に沿って複数箇所に設定できる十分な長さに設けられていることから、ラットの胴回り方向における適当な位置で第1固定部と第2固定部とが固定され、ラットの胴回り方向に沿って締め付け自在にラットへ着用される。 【0049】またジャケット本体1は、保護体固定用バンド10a及びフック10b(保護体用固定部10)を備えるていることから、保護体2が着脱自在にジャケット本体1へ固定されるとともに、ジャケット本体1への保護体2の固定に際して、保護体2が外側から固定される。 【0050】なお、保護体用固定部10は、保護体固定用バンド10aの長手方向(延出方向)に沿って延びるレールを設け、このレール上にフック10bを摺動かつ固定自在に設けることによって、フック10bの保護体2へのかかり位置を自在に調整できる構成としても良い。 【0051】また本実施形態では、装着用固定バンド4、5、第1固定部6、7、及び第2固定部8、9によって本発明における締め付け手段を構成するとともに、第1及び第2固定部に面ファスナーを用いたが、例えば装着用固定バンド4、5にボタンホールを第1固定部として設け、このボタンホールにかけられるボタンを第2固定部としてジャケット本体1の横断方向に沿って連設する等、第1及び第2固定部の少なくともいずれか一方を複数設けることによって前記締め付け手段を構成しても良い。 【0052】本実施の形態における動物用ジャケットは、保護すべき部位であるラットの背部を覆うことなく着用されるジャケット本体1と、通気性を有するとともにラットの背部に接触することなく背部を覆うようにジャケット本体1に着脱自在に固定される保護体2とを備えることから、ラットの背部への外部からの接触を断つことができる。このため、本実施の形態における動物用ジャケットを使用することによって、前述した動物実験で信憑性の高いデータを得ることができる。また本実施の形態における動物用ジャケットは、動物実験の他に、ラット背部の外傷や疾患等の治療にも利用することができる。 【0053】また本実施の形態における動物用ジャケットは、ジャケット本体1の材質や肢用孔部3の形成、及び切り込みC等が適宜設けられていること等によって、着用時におけるジャケット本体1の密着性が高まり、かつジャケット本体1がラットの胴回り方向に沿って締め付け自在であることから、ラットの固体差等に合わせた着用状態でジャケット本体1をラットに着用させることができるので、ラットの行動の拘束をより抑制することができる。 【0054】また本実施の形態における動物用ジャケットは、ラットの胴回り方向における締め付け位置を固定するのにあたり、面ファスナーを用いたことから、第1固定部6、7と第2固定部8、9とが重なり合う範囲において、両固定部による固定位置を自在に設定することができる。また両固定部の接合面積が大きくなるにつれて両固定部による固定がより強固になるため、適度な締め付け具合を調整、維持するのにより一層効果的である。 【0055】また本実施の形態における動物用ジャケットは、ジャケット本体1着用時においてラットの排泄器をジャケット本体1が覆わない構成とされていることから、ジャケット本体1の着用時におけるラットの不快感をより低減することができる。 【0056】また本実施の形態における動物用ジャケットは、保護体2を保護体2の外側からジャケット本体1へ固定できることから、保護体2の固定や保護体2の固定位置の調整等がより容易に行うことができる。また保護体固定用バンド10aの先端をやや余らせた位置にフック10bが設けられていることから、保護体固定用バンド10aの先端を摘んで保護体2へフック10bをかけることができ、ジャケット本体1へ保護体2をさらに容易に固定することができる。このため、ジャケット本体1への保護体2の着脱がより一層容易に行われることから、前述した動物実験における薬剤等の連続塗布や外傷等の治療のように、保護体2のみを取り外す場合により有利である。 【0057】また本実施の形態における動物用ジャケットは、保護体用固定部10が肢用孔部3の側方にあって、保護体2の固定時に、肢用孔部3周辺のジャケット本体1が上方に吊られるような形となり、ラットの肢が肢用孔部3から抜け出すのをより一層防止することができる。 【0058】また本実施の形態における動物用ジャケットは、保護体2がステンレス製の針金によって格子状に形成されていることから、ラットの背部における通気性が確保されるとともに十分な強度を有する。また保護体2が格子状であることから、ラット背部の様子を目視するのに好適である。従って、ラットの背部を周辺環境とほとんど変わらない状態で保護することができる。 【0059】 【発明の効果】本発明の動物用ジャケットは、動物の保護すべき部位を覆うことなく動物に着用されるジャケット本体と、通気性を有するとともに保護すべき部位に接触しない間隔を置いて保護すべき部位を覆うようにジャケット本体に固定される保護体とを備え、ジャケット本体が、動物の胴回り方向に沿って設けられて動物を胴回り方向に締め付け自在な締め付け手段を備えるとともに、保護体をジャケット本体へ着脱自在に固定する構成とされていることから、保護すべき部位への外部からの接触を断つことができるとともに、動物の行動を拘束せず、かつ容易に保護すべき部位を保護することができる。 【0060】また本発明の動物用ジャケットは、ジャケット本体が、動物の四肢がそれぞれ挿通するようにジャケット本体に設けられた肢用孔部と、ジャケット本体の一側部から延出する装着用固定バンドと、この装着用固定バンドに設けられる第1固定部と、ジャケット本体の他側部に設けられるとともに第1固定部を着脱自在に固定する第2固定部と、ジャケット本体の側部から突出して保護体をジャケット本体へ着脱自在に固定する保護体用固定部とを備え、第1固定部と第2固定部の少なくともいずれか一方が、第1固定部と第2固定部とによる固定位置を設定自在にすべくジャケット本体の横断方向に沿って設けられる構成とすると、動物の行動の拘束をより一層抑制することができるとともに、ジャケット本体を動物に着用させる際の、及びジャケット本体へ保護体を着脱する際の作業性をより向上させることができる。 【0061】また本発明の動物用ジャケットは、ジャケット本体が、着用時に動物の排泄器を覆わないように形成された開口部を備える構成とすると、ジャケット本体を着用した動物の不快感をより低減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000113470 【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月9日(1999.11.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089244 【弁理士】 【氏名又は名称】遠山 勉 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−128999(P2001−128999A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月15日(2001.5.15) |
| 【出願番号】 |
特願平11−318022 |
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