| 【発明の名称】 |
電動歯ブラシ |
| 【発明者】 |
【氏名】泉 智博
【氏名】鈴木 誠之
【氏名】井上 弘幹
【氏名】薮内 英一
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| 【要約】 |
【課題】ユーザーに過剰な刺激を与えずにブラシ部の振動を開始させる電動歯ブラシを提供する。
【解決手段】ブラシ部30と、ブラシ部30を振動させる駆動部20と、二本の電線2a,2bを介して電圧信号を出力することにより駆動部20を制御し、少なくともブラシ部30の振動を開始させたときブラシ部30を徐々に大きく振動させる制御部10とを備える。ブラシ部30の振動開始時には制御部10がブラシ部30の振幅を徐々に大きくさせることによって、ユーザーに過剰な刺激を与えずにブラシ部30の振動を開始させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ブラシ部と、ブラシ部を振動させる駆動部と、駆動部を制御して、少なくともブラシ部の振動を開始させたときブラシ部を徐々に大きく振動させる制御部とを備えたことを特徴とする電動歯ブラシ。 【請求項2】 駆動部は、リニアアクチュエータを備えたことを特徴とする請求項1記載の電動歯ブラシ。 【請求項3】 制御部は、電圧信号を出力して駆動部を制御し、ブラシ部の振動を開始させたとき、電圧信号の電圧値を徐々に変化させて駆動部に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部を徐々に大きく振動させることを特徴とする請求項1又は2記載の電動歯ブラシ。 【請求項4】 制御部は、電圧信号を出力して駆動部を制御し、ブラシ部の振動を開始させたとき、電圧信号の波形を徐々に変化させて駆動部に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部を徐々に大きく振動させることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電動歯ブラシ。 【請求項5】 制御部は、周期的な電圧信号を出力して駆動部を制御し、ブラシ部の振動を開始させたとき、電圧信号のデューティを徐々に変化させて駆動部に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部を徐々に大きく振動させることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電動歯ブラシ。 【請求項6】 制御部は、電圧信号を出力して駆動部を制御し、ブラシ部の振動を開始させたとき、電圧信号の電圧値及び波形並びにディーティのうち何れか少なくとも2つを徐々に変化させて駆動部に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部を徐々に大きく振動させることを特徴とする請求項1又は2記載の電動歯ブラシ。 【請求項7】 駆動部は、電圧信号により制御されるとともに、入力される電圧信号の周波数に対して、駆動部に流れる駆動電流がピークになる最大電流周波数と、ブラシ部の振幅が最大となる最大振幅周波数との間に略一定の相関関係を保ち、制御部は、電圧信号を駆動部に出力する出力部と、駆動電流を検知する電流検知部と、電流検知部で検知した駆動電流から最大電流周波数を特定し、特定された最大電流周波数から相関関係に基づいて最大振幅周波数を算出して、出力部に最大振幅周波数の電圧信号を出力させて駆動部を制御する制御演算部とを備えたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の電動歯ブラシ。 【請求項8】 制御演算部は、それぞれ異なる周波数の電圧信号を出力部から出力させ、電流検知部で検知された最大の駆動電流値に対応する電圧信号の周波数を、最大電流周波数と特定することを特徴とする請求項7記載の電動歯ブラシ。 【請求項9】 制御演算部は、それぞれ異なる周波数の電圧信号を出力部から出力させ、それぞれの周波数に対する電流検知部で検知された駆動電流の傾きから、傾きが略ゼロとなる周波数を求め、それぞれの周波数での傾きの二乗平均根と、それぞれの周波数での傾きとの差が所定の範囲内に収まる場合、求められた周波数を最大電流周波数と特定することを特徴とする請求項7記載の電動歯ブラシ。 【請求項10】 制御演算部は、それぞれ異なる周波数の電圧信号を出力部から出力させ、それぞれの周波数に対する電流検知部で検知された駆動電流値に、それぞれ略等しい周波数を乗じた値の中で最大値を示す周波数を、最大電流周波数と特定することを特徴とする請求項7記載の電動歯ブラシ。 【請求項11】 制御部がブラシ部の振動を開始させてから振幅を略一定にさせるまでの時間を調整する調整手段を備えたことを特徴とする請求項1〜10記載の電動歯ブラシ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電動歯ブラシに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、ブラシ部を一定動作又は可変動作させる電動歯ブラシが提供されている。 【0003】モーターでブラシ部を動作させるモーター駆動式の電動歯ブラシは、一般的に約3,000[回/分]のストローク数(回転数)でブラシ部を振動させる。このような電動歯ブラシを用いる場合、ブラシ部を口腔内に入れてブラシを歯又は歯茎にあてた後にブラシ部を振動させても、先にブラシ部を上述のようなストローク数で振動させた後にブラシを歯又は歯茎にあてても、ユーザーは過度に刺激を感じることなくブラッシングを開始させることができる。 【0004】また最近では、歯垢除去能力の向上を目的に例えばリニアアクチュエータによりブラシ部を動作させ、ストローク数を約10,000〜15,000[回/分]程度に高くした電動歯ブラシが提供されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のようにストローク数の高い電動歯ブラシは、ブラシ部の振動を開始させたときにはユーザーに過剰な刺激を与えてしまうといった問題があった。さらにユーザーは、ブラシ部の振動を開始させたときのストローク数が高いために適切なブラッシング位置やブラッシング角度を維持することができずに歯茎を傷め、効果的なブラッシングができないといった問題もあった。 【0006】本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、ユーザーに過剰な刺激を与えずにブラシ部の振動を開始させる電動歯ブラシを提供する。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ブラシ部と、ブラシ部を振動させる駆動部と、駆動部を制御して、少なくともブラシ部の振動を開始させたときブラシ部を徐々に大きく振動させる制御部とを備えたことを特徴とし、ブラシ部の振動開始時には制御部がブラシ部の振幅を徐々に大きくさせることによって、ユーザーに過剰な刺激を与えずにブラシ部の振動を開始させることができる。 【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明において、駆動部は、リニアアクチュエータを備えたことを特徴とし、例えばモーターによりブラシ部を振動させるものと比べてストローク数を高くすることができて、歯垢除去能力を向上させることができる。 【0009】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、制御部は、電圧信号を出力して駆動部を制御し、ブラシ部の振動を開始させたとき、電圧信号の電圧値を徐々に変化させて駆動部に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部を徐々に大きく振動させることを特徴とし、電圧信号の電圧値を変化させてブラシ部の振幅を徐々に大きくさせることによって、ユーザーに過剰な刺激を与えずにブラシ部の振動を開始させることができる。 【0010】請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかの発明において、制御部は、電圧信号を出力して駆動部を制御し、ブラシ部の振動を開始させたとき、電圧信号の波形を徐々に変化させて駆動部に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部を徐々に大きく振動させることを特徴とし、電圧信号の波形を変化させてブラシ部の振幅を徐々に大きくさせることによって、ユーザーに過剰な刺激を与えずにブラシ部の振動を開始させることができる。 【0011】請求項5の発明は、請求項1〜4の何れかの発明において、制御部は、周期的な電圧信号を出力して駆動部を制御し、ブラシ部の振動を開始させたとき、電圧信号のデューティを徐々に変化させて駆動部に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部を徐々に大きく振動させることを特徴とし、電圧信号のデューティを変化させてブラシ部の振幅を徐々に大きくさせることによって、ユーザーに過剰な刺激を与えずにブラシ部の振動を開始させることができる。 【0012】請求項6の発明は、請求項1又は2の何れかの発明において、制御部は、電圧信号を出力して駆動部を制御し、ブラシ部の振動を開始させたとき、電圧信号の電圧値及び波形並びにディーティのうち何れか少なくとも2つを徐々に変化させて駆動部に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部を徐々に大きく振動させることを特徴とし、電圧信号の電圧値及び波形並びにデューティのうち何れか少なくとも2つを変化させてブラシ部の振幅を徐々に大きくさせることによって、ユーザーに過剰な刺激を与えずにブラシ部の振動を開始させることができる。 【0013】請求項7の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、駆動部は、電圧信号により制御されるとともに、入力される電圧信号の周波数に対して、駆動部に流れる駆動電流がピークになる最大電流周波数と、ブラシ部の振幅が最大となる最大振幅周波数との間に略一定の相関関係を保ち、制御部は、電圧信号を駆動部に出力する出力部と、駆動電流を検知する電流検知部と、電流検知部で検知した駆動電流から最大電流周波数を特定し、特定された最大電流周波数から相関関係に基づいて最大振幅周波数を算出して、出力部に最大振幅周波数の電圧信号を出力させて駆動部を制御する制御演算部とを備えたことを特徴とし、例えば定常時に制御演算部が電圧信号を最大振幅周波数に設定してブラシ部を最大の振幅で振動させていても、外的要因により駆動部の最大振幅周波数が変動して振幅が小さくなった場合には、電流検知部により検知された駆動電流から制御演算部が最大電流周波数を特定し、相関関係に基づいて変動した最大振幅周波数を算出して、電圧信号を新たな最大振幅周波数に設定し直して駆動部を制御することによって、駆動部の最大振幅周波数が変動してもブラシ部の定常時の振幅を略一定に保つことができる。 【0014】請求項8の発明は、請求項7の発明において、制御演算部は、それぞれ異なる周波数の電圧信号を出力部から出力させ、電流検知部で検知された最大の駆動電流値に対応する電圧信号の周波数を、最大電流周波数と特定することを特徴とし、請求項7の発明と同様の作用を奏する。 【0015】請求項9の発明は、請求項7の発明において、制御演算部は、それぞれ異なる周波数の電圧信号を出力部から出力させ、それぞれの周波数に対する電流検知部で検知された駆動電流の傾きから、傾きが略ゼロとなる周波数を求め、それぞれの周波数での傾きの二乗平均根と、それぞれの周波数での傾きとの差が所定の範囲内に収まる場合、求められた周波数を最大電流周波数と特定することを特徴とし、傾きの二乗平均根とそれぞれの周波数での傾きとの差が所定の範囲に収まる場合に、求められた周波数を最大電流周波数と特定することによって、電流検知部で検知された駆動電流にノイズが含まれているときには、傾きの二乗平均根とノイズが含まれたときの傾きとの差が所定の範囲に収まらないことによって、ノイズに影響されて求められた周波数を誤って最大電流周波数と特定することを防ぐことができる。 【0016】請求項10の発明は、請求項7の発明において、制御演算部は、それぞれ異なる周波数の電圧信号を出力部から出力させ、それぞれの周波数に対する電流検知部で検知された駆動電流値に、それぞれ略等しい周波数を乗じた値の中で最大値を示す周波数を、最大電流周波数と特定することを特徴とし、請求項7の発明と同様の作用を奏する。 【0017】請求項11の発明は、請求項1〜10の何れかの発明において、制御部がブラシ部の振動を開始させてから振幅を略一定にさせるまでの時間を調整する調整手段を備えたことを特徴とし、調整手段を備えたことによって、ユーザーの使い勝手を向上することができる。 【0018】 【発明の実施の形態】(実施形態1)本実施形態の電動歯ブラシは、図1に示すように、ブラシ部30と、ブラシ部30を振動させる駆動部20と、二本の電線2a,2bを介して電圧信号を出力することにより駆動部20を制御し、少なくともブラシ部30の振動を開始させたときブラシ部30を徐々に大きく振動させる制御部10とを備えている。 【0019】制御部10は、図2に示すように、電圧信号を生成する生成部11a、生成された電圧信号を駆動部20に出力する信号出力部11bを具備する出力部11と、RAM13a及びROM13b並びに例えばCPUなどの演算部13cを具備し、電圧信号を所定の波形に設定して出力部11を制御する制御演算部13とを備えている。 【0020】図3には、本実施形態の側面断面図を示す。上述の駆動部20と制御部10とは、略円筒状の樹脂成形品からなるハウジング1に収納されている。駆動部20は、例えばリニアアクチュエータと、リニアアクチュエータから出力される動力をブラシ部30に伝える連結棒21とを備えている。そして駆動部20の連結棒21は、ハウジング1の長手方向一端から突出され、この連結棒21の突出した一端にブラシ部30が着脱自在に取り付けられる。 【0021】また、ブラシ部30のハウジング1と反対側の一端側面には、多数本のブラシ31が植設されている。 【0022】例えば上述の制御部10は、駆動部20を定常状態で制御しているとき、図4(b)に示すように、電線2aを介して駆動部20に正の電圧を略一定周期毎に印加するとともに、電線2aを介して電圧を印加していなときに、図4(c)に示すように、電線2bを介して負の電圧を印加する。その結果、図4(a)に示すように、制御部10は矩形波の交番する電圧信号を略一定周期Tで駆動部20に出力することとなり、駆動部20には、この電圧信号に応じた電圧が印加される。 【0023】上述のような電圧信号の出力により、制御部10は、電圧信号の周期Tに対応する周波数fにてブラシ部30を振動させ、電圧信号の電圧を時間tで積分したエネルギーに応じてブラシ部30の振幅を制御し、さらに電圧信号の波形の立上がりの傾きに応じてブラシ部30の振動の加速度を制御している。 【0024】また電圧信号は、図5に示すように、それぞれの半周期T2内で電圧を印加していない期間を設け、デューティを略一定にしても良く、さらに図6に示すように正弦波であっても、またさらに図7に示すような三角波であっても良く、他の波形であっても良い。 【0025】このように制御部10は電圧信号により駆動部20を制御して、定常状態ではブラシ部30を例えば約30,000[回/分]のストローク数で振動させる。 【0026】ところで、本実施形態の制御部10は、電圧信号を出力してブラシ部30の振動を開始するとき、例えば図8に示すように、矩形波の電圧信号の電圧値を一周期毎に徐々に大きく変化させて駆動部20に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部30を徐々に大きく振動させる。そして、制御部10は、ブラシ部30の振動開始から所定の時間に達すると、電圧信号の電圧値を略一定にしてブラシ部30の振幅を安定させ、定常状態とする。 【0027】このような電圧信号を出力させる制御部10の制御演算部13の動作について、図9のフロー図に基づいて説明する。 【0028】まず、制御演算部13の演算部13cに接続する図示しないスイッチがオンされて、スイッチがオンされたという信号が入力されると(S1)、演算部13cは、RAM13a又はROM13bから予め記憶されている初期データを読み込む(S2)。この初期データには、最初に出力する電圧信号の波形と、定常状態に達するまでの時間t1と、定常状態のブラシ部30の振幅とが含まれている。演算部13cは、初期データに基づいて電圧信号の波形を設定して、出力部11の生成部11aに電圧信号を生成させ(S3)、信号出力部11bに生成された電圧信号を駆動部20に出力させる(S4)。その後、演算部13cは、時間t1が経過したか否かを判別し(S5)、時間t1が経過していないと判別すると、RAM13a又はROM13bから次のデータを読み込み、そのデータに基づいて適切な電圧信号の波形を設定し(S6)、上述のようなステップS3〜S6の動作を繰り返す。そして、ステップS5にて時間t1が経過したことを判別すると、繰返し略同じ波形の電圧信号を出力部11から出力させて、ブラシ部30の振幅を安定させ、次の動作に移行する(S7)。 【0029】また、電圧信号の波形は、図8に示す矩形波の他にも図10に示すように、正弦波でも良く、このとき波形の傾きcが一周期の間で変化するので、この傾きcの変化に応じてブラシ部30の加速度も変化させることができる。 【0030】さらに、図11に示すように、半周期T2内で電圧を印加している時間ta,tbをそれぞれ一周期T毎に長くしてデューティを変化させて駆動部20に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部30を徐々に大きく振動させても良い。なお、一周期T内で正の電圧を印加している時間taと、同じ一周期T内で負の電圧を印加している時間tbとは、略同じ時間であっても、互いに異なっても良い。 【0031】さらにまた、図12に示すように、略一定の電圧範囲Va内で電圧信号の波形を変化させても良く、図13に示すように、電圧信号の波形及び電圧値を徐々に変化させて、駆動部20に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部30を徐々に大きく振動させても良い。 【0032】このように、制御部10は、ブラシ部30の振動を開始させるときに、電圧信号の電圧値および波形ならびにデューティの何れか1つを変化させて、又は電圧値及び波形並びにデューティのうち何れか少なくとも2つを変化させて、駆動部20に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部30を徐々に大きく振動させる。その結果、制御部10は、例えば図14に示すように、ブラシ部30を振動開始させてから振幅Wが定常状態の振幅W1に達する時間t1まで、振幅Wを時間tの経過とともに略一定の変化率で、又は変化率を異ならせて大きくさせたり、さらに時間tの経過の途中で振幅Wを小さくさせながらも時間t1には振幅W1まで大きくさせる。これにより、ユーザーに過剰な刺激ならびに不快感を与えずにブラシ部30の振動を開始させることができるとともに、さまざまなブラッシング感触を与えることができる。 (実施形態2)ところで、駆動部20の入力される電圧信号の周波数fに対するブラシ部30を振動させる振幅Wは、例えば図16の曲線イに示すような関係を示し、周波数fbでブラシ部30の振幅Wが最大値を示す振幅Waとなる。そこで、定常時においては、駆動部20がブラシ部30の振幅Wを最も大きくして振動させるように、制御部10は、周波数fbの電圧信号を出力するように設定されている。しかし、駆動部20の経時劣化などの外的要因や機械的な要因から、駆動部20の入力される電圧信号の周波数fに対する振幅Wの関係が、例えば図16の点線ロで示されるように変化し、振幅Wを最も大きくさせる電圧信号の周波数fが、fbからfb’に変動することがある。 【0033】このような場合、予め設定していた周波数fbの電圧信号では振幅WがWaからWbにまで小さくなってしまい、駆動部20の性能を最大限に引き出すことができなくなる。 【0034】そこで、本実施形態の駆動部20には、入力される電圧信号の周波数fに対して、駆動部20に流れる駆動電流Iがピークになる最大電流周波数faと、ブラシ部30の振幅Wが最大となる最大振幅周波数fbとの間に略一定の相関関係を保っているものを用いる。 【0035】例えば、駆動部20に入力される電圧信号の周波数fに対する、ブラシ部30の振幅Wと駆動電流Iとは、それぞれ図16の曲線イ及び曲線ハに示すような関係を示し、最大電流周波数faで駆動電流IがピークのImaxとなり、最大振幅周波数fbでブラシ部30の振幅Wが最大となる。ここで駆動部20は、最大電流周波数faと最大振幅周波数fbとの間に、例えばfb≒fa+αといった略一定の相関関係を常に保つ。 【0036】一方、本実施形態の制御部10は、図15に示すように、駆動部20に流れる駆動電流Iを検知する電流検知部12を備え、制御演算部13は、電流検知部12で検知した駆動電流Iから最大電流周波数faを特定し、特定された最大電流周波数faから上述の相関関係に基づいて最大振幅周波数fbを算出して、出力部11に最大振幅周波数fbの電圧信号を出力させる。 【0037】また、電流検知部12は、駆動部20からの利得を自動的に調整するAGC(Automatic Gain Control;自動利得制御)回路12aと、AGC回路12aからのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部12bと、A/D変換された信号を一時的に記憶するバッファ12cとを具備している。 【0038】上述のような本実施形態では、駆動部20に入力される電圧信号の周波数fと駆動部20がブラシ部30を振動させる振幅Wとの関係が、図16で示したように変化しても、制御部20の制御演算部13が電流検知部12により検知された駆動電流Iから最大電流周波数faを特定して、最大振幅周波数fbを算出し、出力部11に最大振幅周波数fbの電圧信号を出力させることによって、定常時には常にブラシ部30の振幅Wが最大になるように調整し直すことができる。 【0039】また、周波数fと振幅Wとの関係が変化しても、相対的な周波数fと振幅Wとの関係、つまり図16の曲線イ及び点線ロに示す分布の形状は変化しないので、定常時に制御演算部13は、算出された最大振幅周波数fdを基準に出力させる電圧信号の周波数fを調整することによって、振幅Wa以下の所望の振幅Wでブラシ部30を振動させることもできる。 【0040】このような制御演算部13が最大電流周波数faを特定して最大振幅周波数fbを算出する動作について、図17のフロー図に基づいて説明する。 【0041】まず、制御演算部13の演算部13cは、振幅Wの調整を促す調整信号が入力されると(S1)、最初に出力させる電圧信号の初期周波数f1を指定する初期周波数データをRAM13a又はROM13bから読み込んで設定し(S2)、出力部11の生成部11aに初期周波数f1の電圧信号を生成させ(S3)、信号出力部11bから駆動部20に出力させる(S4)。その後、電流検知部12で駆動電流Iが検知され、演算部13cに検知されたことを知らせる検知信号が入力される(S5)。そして、演算部13cは、RAM13a又はROM13bに予め記憶されているそれぞれ異なる全ての周波数f1…fnの電圧信号が出力され、これらに対応する駆動電流Iが検知されたか否かを判別し(S6)、検知されていないと判別すると、次の周波数f2を指定する周波数データをRAM13a又はROM13bから読み込んで設定する(S7)。そして、ステップS3〜S7の動作を繰り返すことにより、出力部11からそれぞれ異なる周波数f1…fnの電圧信号を出力させ、電圧信号の各周波数f1…fnに対応する駆動電流Iを電流検出部12のバッファ12cに一時的に記憶させる。 【0042】上述のように検知された電圧信号の周波数fに対する駆動電流Iの関係から、演算部13cは、最大電流周波数faを特定し、RAM13a及びROM13bに記憶された上述の相関関係を読み込む(S8)。 【0043】そして最後に、演算部13cは、相関関係に基づいて最大電流周波数faから最大振幅周波数fbを算出し、最大振幅周波数fbの電圧信号を出力部11から出力させるように設定する(S9)。 【0044】ここで、制御演算部13が最大電流周波数faを特定する動作について説明する。 【0045】制御部10から出力される電圧信号の各周波数f1…fnに対する駆動電流Iは、例えば図18に示すように表され、制御演算部13の演算部13cは、電流検知部12で検知された最大の駆動電流値Imaxに対応する電圧信号の周波数fを、最大電流周波数faと特定する。また演算部13cは、図19に示すように、周波数f1から周波数fxずつ増加するような周波数f2…fnの電圧信号を出力させ、各周波数f1…fnに対する駆動電流Iの値にそれぞれ周波数fxを乗じたいわゆる面積の大きさを比べ、これら面積の中で最大値を示す周波数fを、最大電流周波数faと特定するようにしても良い。 【0046】さらに、演算部13cは、例えば図20に示すように、電圧信号の各周波数f1…fnと、これら各周波数f1…fnに対する電流検知部12で検知された駆動電流I1…Inとから、各周波数fm(m=1,2,…,n−1)での傾きAm=(Im+1−Im)/(fm+1−fm)を算出し、傾きA1…An-1から傾きAが略ゼロとなる周波数fを求め、傾きA1…An-1の二乗平均根B=√{(A12+A22…Anー12)/(n−1)}と、各傾きA1…An-1との差d1…dn-1が所定の範囲D1に収まる場合、求められた周波数fを最大電流周波数faと特定するようにしても良い。 【0047】上述のような二乗平均根Bと傾きA1…An-1との差d1…dn-1が所定の範囲D1に収まるか否かの判別は、例えば図17で示した一連の動作のステップS8で行われ、その結果、範囲D1に差d1…dn-1の何れかが収まらないような場合には、ステップS2に戻って、再度周波数f1…fnの電圧信号を出力させ、各周波数f1…fnに対応する駆動電流I1…Inを検知させて、改めて傾きAが略ゼロとなる周波数fを求めるとともに、差d1…dn-1が範囲D1に収まるか否かを判別する。 【0048】このように、演算部13cは、差d1…dn-1が範囲D1に収まるか否かを判別し、収まる場合にのみ求められた周波数fを最大電流周波数faと特定することによって、例えば電流検知部12により検知された駆動電流Iにノイズが含まれ、差d1…dn-1の何れかが範囲D1に収まらないような場合には、再度傾きAが略ゼロとなる周波数fを求めるので、ノイズに影響されて求められた周波数fを誤って最大電流周波数faと特定してしまうことを防ぐことができる。 【0049】なお、例えば傾きAが略ゼロとなる周波数fを3度求めても、差d1…dn-1が範囲D1に収まらないような場合には、予めRAM13a又はROM13bに記憶されている周波数fを演算部13cに最大電流周波数faと特定させるようにしても良い。 【0050】また差d1…dn-1が所定の範囲D1に収まるか否かを判別する代わりに、傾きA1…An-1のうち傾きAcが二乗平均根Bと略等しいとき、傾きAcに対応する周波数fcと求められた周波数fとの差dが所定の範囲D2に収まるか否かを判別するようにしても良く、差dが所定の範囲D2に収まる場合に求められた周波数fを最大電流周波数faと特定する。 【0051】なお、上述の所定の範囲D1,D2は、駆動部20に応じて適宜設定される。 (実施形態3)本実施形態における基本構成は実施形態1又は2と共通するために共通する部分については同一の符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴となる部分についてのみ詳細に説明する。 【0052】本実施形態は、図21に示すように、制御部10がブラシ部30の振動を開始させてから振幅Wを略一定にさせるまでの時間を調整する調整部40を備えている。 【0053】この調整部40は、例えば図22(a),(b)に示すように、ハウジング1の表面に回動自在に取り付けられたダイヤル41を具備し、ユーザーはダイヤル41を回動させることによって、上述のRAM13a又はROM13bに予め記憶されているデータに関わらず、ブラシ部30の振動開始から振幅Wが略一定になるまでの時間を所望の時間に調整することができ、ユーザーの使い勝手を向上することができる。 【0054】例えば、ユーザーは、ブラシ部30の振幅W1による刺激に十分慣れたような場合、図23の実線に示すようなブラシ部30の振動開始から振幅W1に達するまでの時間t1を、調整部40のダイヤル41による調整によって、点線で示すように時間t2に短くすることができる。 【0055】また、調整部40は、制御部10の電圧信号の波形又は周波数fを変化させて、定常時の振幅Wを調整するようにしても良い。 【0056】このときには、例えば図23の一点鎖線で示すように、定常時の振幅W1をW2に小さく調整することができ、ユーザーの使い勝手を向上することができる。 【0057】 【発明の効果】請求項1の発明は、ブラシ部と、ブラシ部を振動させる駆動部と、駆動部を制御して、少なくともブラシ部の振動を開始させたときブラシ部を徐々に大きく振動させる制御部とを備えたので、ブラシ部の振動開始時には制御部がブラシ部の振幅を徐々に大きくさせることによって、ユーザーに過剰な刺激を与えずにブラシ部の振動を開始させることができるという効果がある。 【0058】請求項2の発明は、駆動部は、リニアアクチュエータを備えたので、例えばモーターによりブラシ部を振動させるものと比べてストローク数を高くすることができて、歯垢除去能力を向上させることができるという効果がある。 【0059】請求項3の発明は、制御部は、電圧信号を出力して駆動部を制御し、ブラシ部の振動を開始させたとき、電圧信号の電圧値を徐々に変化させて駆動部に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部を徐々に大きく振動させるので、ユーザーに過剰な刺激を与えずにブラシ部の振動を開始させることができるという効果がある。 【0060】請求項4の発明は、制御部は、電圧信号を出力して駆動部を制御し、ブラシ部の振動を開始させたとき、電圧信号の波形を徐々に変化させて駆動部に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部を徐々に大きく振動させるので、ユーザーに過剰な刺激を与えずにブラシ部の振動を開始させることができるという効果がある。 【0061】請求項5の発明は、制御部は、周期的な電圧信号を出力して駆動部を制御し、ブラシ部の振動を開始させたとき、電圧信号のデューティを徐々に変化させて駆動部に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部を徐々に大きく振動させるので、ユーザーに過剰な刺激を与えずにブラシ部の振動を開始させることができるという効果がある。 【0062】請求項6の発明は、制御部は、電圧信号を出力して駆動部を制御し、ブラシ部の振動を開始させたとき、電圧信号の電圧値及び波形並びにディーティのうち何れか少なくとも2つを徐々に変化させて駆動部に供給するエネルギーを増大させ、ブラシ部を徐々に大きく振動させるので、ユーザーに過剰な刺激を与えずにブラシ部の振動を開始させることができるという効果がある。 【0063】請求項7の発明は、駆動部は、電圧信号により制御されるとともに、入力される電圧信号の周波数に対して、駆動部に流れる駆動電流がピークになる最大電流周波数と、ブラシ部の振幅が最大となる最大振幅周波数との間に略一定の相関関係を保ち、制御部は、電圧信号を駆動部に出力する出力部と、駆動電流を検知する電流検知部と、電流検知部で検知した駆動電流から最大電流周波数を特定し、特定された最大電流周波数から相関関係に基づいて最大振幅周波数を算出して、出力部に最大振幅周波数の電圧信号を出力させて駆動部を制御する制御演算部とを備えたので、例えば定常時に制御演算部が電圧信号を最大振幅周波数に設定してブラシ部を最大の振幅で振動させていても、外的要因により駆動部の最大振幅周波数が変動して振幅が小さくなった場合には、電流検知部により検知された駆動電流から制御演算部が最大電流周波数を特定し、相関関係に基づいて変動した最大振幅周波数を算出して、電圧信号を新たな最大振幅周波数に設定し直して駆動部を制御することによって、駆動部の最大振幅周波数が変動してもブラシ部の定常時の振幅を略一定に保つことができるという効果がある。 【0064】請求項8の発明は、制御演算部は、それぞれ異なる周波数の電圧信号を出力部から出力させ、電流検知部で検知された最大の駆動電流値に対応する電圧信号の周波数を、最大電流周波数と特定するので、請求項7の発明と同様の効果を奏する。 【0065】請求項9の発明は、制御演算部は、それぞれ異なる周波数の電圧信号を出力部から出力させ、それぞれの周波数に対する電流検知部で検知された駆動電流の傾きから、傾きが略ゼロとなる周波数を求め、それぞれの周波数での傾きの二乗平均根と、それぞれの周波数での傾きとの差が所定の範囲内に収まる場合、求められた周波数を最大電流周波数と特定するので、傾きの二乗平均根とそれぞれの周波数での傾きとの差が所定の範囲に収まる場合に、求められた周波数を最大電流周波数と特定することによって、電流検知部で検知された駆動電流にノイズが含まれているときには、傾きの二乗平均根とノイズが含まれたときの傾きとの差が所定の範囲に収まらないことによって、ノイズに影響されて求められた周波数を誤って最大電流周波数と特定することを防ぐことができるという効果がある。 【0066】請求項10の発明は、制御演算部は、それぞれ異なる周波数の電圧信号を出力部から出力させ、それぞれの周波数に対する電流検知部で検知された駆動電流値に、それぞれ略等しい周波数を乗じた値の中で最大値を示す周波数を、最大電流周波数と特定するので、請求項7の発明と同様の効果を奏する。 【0067】請求項11の発明は、制御部がブラシ部の振動を開始させてから振幅を略一定にさせるまでの時間を調整する調整手段を備えたので、ユーザーの使い勝手を向上することができるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月7日(2000.6.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087767 【弁理士】 【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−346816(P2001−346816A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月18日(2001.12.18) |
| 【出願番号】 |
特願2000−171223(P2000−171223) |
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