| 【発明の名称】 |
超高粘性歯科複合材料を配置するための歯科カプセル |
| 【発明者】 |
【氏名】ウィリアム ビー.ドラゴン
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| 【要約】 |
【課題】超密複合歯科材料を注射技法によって配置するのに特に適切な歯科カプセルを提供すること。
【解決手段】本発明によるカプセル(20)構造体は、カプセル内の歯科複合材料の全量を小出しするためのものである。このカプセルは本体部(21)を含み、この本体部は所定量の歯科材料を含むリザーバーを成し、さらに本体部(21)は、一方の端部に開口部(24)を有し、もう一方の端部において排出オリフィス(27)で終端となる通路が延びて通る排出ノズル(26)が角度を有して配置、接続される。長く延びた形状の押しのけ用ピストン(25)もしくはシリンダーが、カプセル本体部(21)の開口端部(24)をシールする。このピストン(25)を形成する材料が、たとえば注射器によってピストンが押しのけられて進んだとき、リザーバー内の材料を押し出せるほど十分な剛性があり、かつノズルの角度を有した曲がり部を抜けられるほど十分な柔軟性もあり、その結果、排出ノズル(26)の通路を通って延びて、リザーバー内に含まれた材料の全量押し出しを実効できるようになっている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 歯科材料を注射技法によって、処置対象となる歯に直接、小出しする歯科カプセルにおいて:所定量の歯科材料を含むリザーバーを成す本体部を含み、この本体部が、一方の端部に開口部そしてもう一方の端部に排出ノズルを有し、この排出ノズルが、排出オリフィスで終端となる通路を有し、前記本体部の内径の、通路オリフィスの内径に対する比率が0.60から1.0であって、前記開口部をシールする押しのけ用ピストンが前記本体部に配置され、さらにこのピストンが、前記本体部と前記通路内にスムースに受容されるサイズの径を有し、その結果、前記本体部内に配置された歯科材料をすべて押し出せるようになっていることを、特徴とする前記歯科カプセル。 【請求項2】 前記ピストンがフルオロポリマータイプの材料で形成されている、請求項1記載の歯科カプセル。 【請求項3】 前記ピストンが長く延びている形状で、ピストンが押し出された位置まで進んだときに、そのピストンの一部が前記通路の全長にわたり延びた状態になっている、請求項1記載の歯科カプセル。 【請求項4】 前記ピストンが、ピストンの全長にわたり、実質的に一定の断面形状を有する、請求項3記載の歯科カプセル。 【請求項5】 前記ピストンが、円筒形状で、同様の形状の両端部を有し、前記ピストンをどちら向きにもできるようにした、請求項3記載の歯科カプセル。 【請求項6】 前記端部部分がずんどう型である、請求項5記載の歯科カプセル。 【請求項7】 前記押しのけ用ピストンが、円筒形中央部および、この中央部に接続された両側で同様の回転体である両端部を含む、請求項3記載の歯科カプセル。 【請求項8】 一方の端部の開口部に隣接して通気手段をさらに含む、請求項1記載の歯科カプセル。 【請求項9】 前記本体部とこれに接続された排出ノズルとが、共通のアールによって定まる曲線軸に沿って配置される、請求項1記載の歯科カプセル。 【請求項10】 前記本体部と前記排出ノズルとの内側面をコーティングする潤滑フィルムをさらに含む、請求項1記載の歯科カプセル。 【請求項11】 前記本体部が可視光線に対し不透過である、請求項1記載の歯科カプセル。 【請求項12】 前記排出ノズルが前記本体部の長手方向軸に対して角度を有して配置され、前記ピストンが、押し出された位置まで進んだときに、前記排出ノズルの前記通路を通って延びることができるほど十分に柔軟である、請求項1記載の歯科カプセル。 【請求項13】 前記開口部に隣接して、前記本体部に外接する、側方外向きに延びるフランジを含む、請求項7記載の歯科カプセル。 【請求項14】 歯科材料を注射技法によって、処置対象となる歯に直接、小出しする歯科カプセルにおいて:所定量の歯科材料を含むリザーバーを成す本体部を含み、この本体部が、内径Dを有し、この本体部が、一方の端部に開口部そしてもう一方の端部に排出ノズルを有し、この排出ノズルが前記本体部の軸に対して角度を有して配置され、通路が、排出オリフィスで終端となる前記排出ノズルを通って延び、前記通路が内径dを有し、それによって前記内径どうしの比率「d」/「D」が0.60から1.0であり、前記排出ノズルの壁厚が、前記排出オリフィスに向かって薄くなっていき、前記開口部をシールする、長く延びた押しのけ用ピストンが含まれこのピストンが、前記本体部と前記通路内にスムースに受容されるサイズの径を有し、さらにこのピストンが、前記本体部に対して角度を有して配置された前記通路を通って延びることができるほど十分に柔軟になって、その結果、前記通路内に配置されたすべての歯科材料を押し出せるようになっていることを特徴とする、前記歯科カプセル。 【請求項15】 前記排出ノズルの前記壁が、前記ピストンが前記通路内で延びることができるほど十分に柔軟になっている、請求項14記載の歯科カプセル。 【請求項16】 前記本体部の前記一方の端部で、前記開口部に隣接して前記本体部に外接する、側方外向きに延びるフランジを含む、請求項15記載の歯科カプセル。 【請求項17】 前記ピストンが、円筒形状で、同様の形状の両端部を有し、前記ピストンをどちら向きにもできるようにした、請求項14記載の歯科カプセル。 【請求項18】 前記ピストンが、ピストンの全長にわたり、実質的に一定の断面形状を有する、請求項17記載の歯科カプセル。 【請求項19】 前記ピストンがフルオロポリマータイプの材料から形成されている、請求項18記載の歯科カプセル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は概しては、複合材料タイプの歯科修復材料を直接配置するための歯科カプセルに関し、より詳しくは、超高密度の、すなわち詰め易いまたは圧縮し易い(packable or condensable)複合材料もしくは重粘度材料を、注射により処置対象となる歯へ直接配置するための単位用量歯科カプセルに関する。 【0002】 【従来の技術】歯を修復する歯科複合材料は、1960年代の中頃、歯科学に初めて導入された。最初の複合材料はペースト様の粘りを有していた。歯科医は結果的に、このような複合材料を処置対象の歯に設置するのは、かなり困難だった。歯科医はたいてい、へらやパレットもしくはこれらと似た道具を使って、このようなペースト様の複合樹脂材料を歯につけていた。この手技では、歯は外部から充填されることになった。しかしこのへら技法では、そのような複合材料を配置すると、修復済みの内部に空所ができてしまうことがわかった。これは、へら技法もしくはパレット技法でそのような材料を歯に配置すると、ペースト様の複合材料を歯の中の小さくて届きにくい箇所に充填できなかったからである。またそのような複合材料をパレットやへらで配置すると、複合材料を配置する際に空気が取り込まれ気泡が形成されることにもなった。このような空所や気泡が形成されると、修復済みの強度や耐久性を損なうことになる。歯科医が直面するさらなる困難は、そのような複合材料がパレットやへらに粘着しやすくなっていることで、歯科医がパレットやへらを取りだすときに、この材料も一緒に引き出されてしまう。また、歯科医が複合材料を配置する器具として金属のものを使用した場合、その金属製の器具が、複合材料と反応して変色させることも多かった。 【0003】そのような複合樹脂を配置する際に歯科医が直面した当初の問題は、この類の複合材料を配置する注射技法の発達により解決された。この注射技法は、1971年6月1日にウィリアム・B・ドラガン博士(Dr. William B. Dragan)によるUSP3,581,399号で、初めて開示された。このUSP3,581,399号で開示された注射技法および単位用量カプセルに続いて、他にも、USP4,963,093号、4,969,816号、5,083,921号、5,129,825号、5,165,890号および5,172,807号で開示されたように、カプセルの改良が行なわれた。これらの公知のカプセル構造体は、ペースト様の粘りを有する複合材料、および/または充填材の含有率が78重量%より低い複合材料の配置には、十分なものであることがわかった。 【0004】他の公知のカプセルで、そのようなペースト様の複合材料がそこから注射できるようになっているものが、USP4,330,280号、4,384,853号、4,391、590号、4,767,326号、5,100,320号、5,322,440号、5,460,523号、および5,707,234号で開示されている。 【0005】一般的に、これら公知のカプセルには歯科材料の所定供給量を受容するリザーバー部分が設けられ、このリザーバー部分の内径は排出オリフィスの内径よりも実質的に大きくなっている。これらの公知のカプセル構造体は、その時点で適応可能な複合材料を扱いそしてこの材料で使われるようになっていて、この複合材料はさらにペースト様の粘り、すなわち充填材の含有率が78重量%もしくはそれよりも低い複合樹脂組成物となっている。充填材の含有率が小さくなればなるほど材料の粘性は低くなる。そして材料の粘性が低くなればなるほど、公知のカプセル設計では比較的小さい排出オリフィスを通り易くなって、注射が容易になる。 【0006】また公知の従来カプセル構造体について、カプセルから歯科材料を全部出しきることは、いかに流動性が高い材料であっても、カプセルの配置構成上ありえないことがわかった。これは、カプセルに端壁があるためプラグもしくはピストンが最後まで進むことができず、材料の一部がカプセルのノズル部分に必ず残ってしまうからである。結局、歯科材料のうちカプセルのノズルに残った部分は、常に無駄になっていた。 【0007】より最近には、複合歯科材料は、含有率が上記より実質的に高い充填材で製造され、すなわち78%より高い充填がなされるようになった。これによって、このような高充填もしくは超密複合材料は「詰め易く」もしくは「圧縮し易く」なり、粘りの点ではアマルガムに似たものとなった。このような高充填もしくは超密複合材料は、後方歯もしくは臼歯の修復に特に適している。しかしこのような超密複合材料は、とりわけ圧縮し易いという特性によって、バルクシリンジからの小出しは難しくなっている。歯科業では、公知のカプセル構造体を利用した注射技法を、処置対象の歯の孔に複合材料を直接入れるのに好適な方法として、実際に広く利用してきた。しかし超密歯科複合材料は極粘特性を有するため、この注射技法では配置できなかったのである。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、超密もしくは高充填複合樹脂歯科修復材料を注射技法によって配置するのに、特に適切なカプセル構造体を設けることである。 【0009】本発明の別の目的は、超密もしくは詰め易い複合樹脂材料を、空所の形成を最小にとどめながら、歯に小出しするためのカプセル構造体を設けることである。 【0010】本発明のまた別の目的は、超密な圧縮し易い複合樹脂材料を詰めたり小出ししたりするために、特に適切なカプセルとプラグとの設備を設けることである。 【0011】本発明のまた別の目的は、カプセルに含まれる材料の全量が完全にカプセルから出されもしくは押し出されて、確実にすべての無駄をなくすことができるようなカプセルとプラグとの設備を設けることである。 【0012】 【課題を解決するための手段】前記目的および他の特性および利点を達成するカプセル構造体は、ほぼ円筒形状の本体部分を有し、この本体部分は、所定量の超密歯科複合樹脂材料を受容するリザーバーを成す。本体部には、一方の端部に完全な開口部が設けられ、もう一方の端部はノズルで終端となって、このノズルは、本体部の長手方向の中心軸に角度を有して配された排出オリフィスを有する。リザーバーを成す本体部の内径は、ノズルもしくは排出オリフィスの内径に等しいか、もしくはそれよりほんのわずか大きい。本体部の内側面もしくはボアは、全面的に均一で滑らかで、ノズルの通路と連通して接続され、なんら障害がなく、ボアとノズル通路とを滑らかに移動できるようになっている。ノズル排出オリフィスもしくは開口部の内径(d)の、本体部の内径(D)に対する比率は、1対1から0.6対1であると好ましい。本体部の開口端部は押しのけ用(displaceable)ピストンもしくはプラグによってシールされ、このピストンもしくはプラグは球状、円筒状、もしくはロッド状および/またはこれらを組み合わせたもので、どちら向きにもできるようになっている。開口端部に隣接して、本体部の内側面には、1つもしくはそれより多くの長手方向に延びる通気溝が設けられ、押しのけ用ピストンの挿入時に取り込まれた空気を逃せるようになっている。側方に延びるカラーもしくはフランジが本体部の開口端部に外接し、シーリング部材がノズルへ取付けられて排出オリフィスをシールする。本発明の1つの形態では、押しのけ用ピストンが柔軟な長く延びたロッドを構成し、このロッドは断面がほぼ均一でカプセルの開口端部にスムースに受容されるようになっており、カプセル内の材料をシールしている。そしてこのロッドは、押しのけられると、移動領域で容易に屈曲し、さらにノズルのボアを通って滑動し、ノズルのボアからすべての材料を押し出すようになっている。 【0013】 【発明の実施の形態】図面を参照すると、図1から図3で本発明の1つの形態が示される。図からわかるように、歯科カプセル20は、超高密歯科修復複合材料を使用するために特別に構成されたものである。ここで使用される超高密歯科修復複合材料は歯科修復複合樹脂材料として形成され、78重量%を越える充填材を有する。そしてこの充填材は、バリウム、ケイ酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、ガラス、石英、歯科複合樹脂材料メーカーが一般に使用する他の無機充填材などでよい。複合樹脂材料の充填材含有率が78%を越えることによって、この組成物は「圧縮し易く」もしくは「詰め易く」なってアマルガムに似たものとなる。したがって、このような超高密複合材料は、臼歯もしくは後方歯の修復に適したものとなる。注射技法は、歯の修復の際、複合材料を配置する好適な方法として今では広く認められている。しかしこれまで、この好適な注射技法を用いてそのような超密複合材料の配置はできなかった。 【0014】注射技法によるすべての便益性を得るため、このような超密複合材料を注射できるようにし、カプセル構造体20には円筒形本体部21を設け、この本体部21の有する内側ボア22が、所定量の超密複合材料Mを含むリザーバー23を成している。そしてカプセル本体部21の一方の端部には完全に開口した端部24が設けられて、この開口端部24は、後述するように、押しのけ用ピストン25によってシールされもしくは閉じられている。さらにボア22は、本体部21の全長にわたり、ほぼ一定の径となっていることが理解されよう。 【0015】本体部21のもう一方の端部に、角度を有して配されたノズル26が接続され、このノズル26は排出オリフィス27で終端となる。さらに、通路28がノズル内に形成され排出オリフィス27で終端となる。この通路28もまた、その全長にわたりほぼ一定の径を有する。ノズル通路28の軸と本体部の軸との交叉によって形成された曲がり部分に、小さな移動領域29が形成される。これらの配置構成は、ノズル通路28、カプセル本体部21のボア22、および移動領域29を成す内側壁で、これらの間に何ら障害物がなく、超密材料Mがこれらの間を流れるときに、この超密材料の押し出し中にかかる抵抗力を最小にとどめて、何らさまたげがないようにしている。この状態を達成するための、通路28の内径「d」に対する、ボア22の内径「D」の最適比率は、1対1もしくはおよそ1対1となる。ただしこの比率は、わずかであれば変化してもよいことが理解されよう。たとえば、ボア22の径「D」が0.150インチで、ノズル通路28の径「d」が0.125インチに等しいとすると、それでもなお、満足のいく結果となる。すなわち、この例の相対径比率、つまりd/Dは、0.83で、これは最適比率の1対1よりわずかに少ない。この比率が低くなるということは、ノズル排出通路28の内径が、内側ボア22の径に相対して減少するということである。これは、注射技法で修復されることになっている歯の処置対象の孔が小さかったときに、その孔に歯科材料を配置する場合に適合できる。結局、前記径の最適比率d/Dは、0.60から1でよい。 【0016】カプセル20内の超密材料Mはカプセルをシリンジガンに入れて容易に押し出せることが、理解されよう。このときのシリンジガンとしては公知のいずれでもよく、たとえば、USP4,198,756号で開示されたもの、およびUSP4,198,756号の機械的有利性を具体化して同米国特許に引き続いて特許許諾されたものなどがある。 【0017】図2で最もよく示されるように、1つもしくはそれより多くの通気溝30を、本体部21の内側壁に開口端部24に隣接して形成してもよい。図からわかるように、通気溝30は通気手段を成し、ピストン25が挿入されてカプセル内の材料Mをシールすると、カプセル内に取り込まれた空気がこの手段を通って逃げられるようになっている。ピストン25が所定位置まで押しのけられて進むと、通気溝30は外気に対して有効に遮断される。 【0018】ピストン25に設けられた円筒形部分25Aの径は、カプセル本体のボア22内に摩擦力によって収まるようなサイズになっている。ピストンの先端部25Bは、移動領域29のわずかな湾曲に適応する曲線からなり、このことによってリザーバー23内の材料はその最大量を押し出すことができる。 【0019】図示された実施態様において、開口部24の口31は、図からわかるように、わずかに外向きに広がり、ピストン25を挿入し易くしている。したがって、USP4,198、756号で開示されるように、ピストン25がシリンジプランジャーの力を受けて押しのけられて進むと、超密材料Mは、滑り抵抗以外のあらゆる抵抗は最小となって排出オリフィス27を通る「ロッド」と見做してもよいことは明らかであろう。 【0020】シーリングキャップ32は排出オリフィスをシールするために設けられるもので、シールすることによって、カプセル内の材料の汚染防止、および/または、材料Mが光活性だった場合の光透過防止が図られる。示された実施態様において、シーリングキャップ32にはキャップ形状の本体33が設けられており、この本体33は、排出ノズル26に摩擦力で保持されるようなサイズになっている。シーリングキャップ32の開口部に外接して、外接フランジ34が側方に延びている。 【0021】歯科材料が光活性だった場合、カプセルが歯科材料に対して化学作用をもつ光を通さない材料で製造されるべきであることは理解できよう。この詳細はUSP5,122,057号に述べられている。なお、このUSPに関する内容は、公報番号を参照することにより本明細書に組み込まれる。 【0022】またカプセル20に、開口端部24に外接してフランジもしくはカラー35が側方に延びて設けられていてもよい。 【0023】ピストン25に力がかかって材料がカプセルから押し出されるときに、超密材料Mとカプセルの内側壁とのあいだに生じる滑り摩擦による抵抗を最小化するため、カプセルの内側壁もしくは内側面は、複合材料の化学的性質に障害とならない材料で、薄くコーティングまたは潤滑化しておくことができる。コーティング材料が複合組成物それ自体の組成分を含んでいると好ましい。複合材料はその一部として液体モノマーを含んでいるので、この液体モノマーを用いてカプセルの内側面を潤滑すると、複合材料の化学的性質に悪影響を与えずにすむ。カプセルの内側壁をこの液体モノマーでコーティングすると、(1)材料Mとカプセル内側壁とのあいだの滑り摩擦によって生じる摩擦抵抗を最小化し、(2)材料が押し出されているとき、材料に付与される圧力や力によって液体部分も押し出されるので、(コーティング材料として利用できるため)複合材料の液体部分の損失が最小化される。また、潤滑剤はシリコンもしくはテフロン(登録商標)を含んでいてもよいことが理解されよう。このような潤滑剤は、カプセルの内側面に塗布するか、あるいは、カプセルの成形材料に添加してもよく、この場合、潤滑材料はカプセル内に一体化して成形されることになる。 【0024】図8、図9および図10は、上記カプセル20で利用できる別の代替ピストン構造体を示す。図8のピストン36は円筒形本体部を含み、この本体部の両側の端部37、38は平らに、もしくはずんどう型になっている。ピストン36は、製造が容易であるという利点を有する。つまりピストン36は、先ずロッドを形成し、その後このロッドをいくつかの部分に切断してピストン36にすることで、簡単に製造される。したがってピストン36の形成に成形型は不要である。 【0025】図9は別の変形ピストン構造体を示す。図9のピストン40は円筒形本体中央部41を含み、この中央部41の両側の端部42、43は類似の、もしくは同一の回転体になっている。両側の端部42、43は、半球形、だ円体、もしくはそれら以外の曲線状や弧状でよいことが理解されよう。ピストン40の利点は、このピストン40のどちら側の端部を最初にカプセルの開口端部に挿入するかは問題にならないということである。つまり図8および図9のピストン構造体はどちら向きにもできて、これは、上記カプセルの組立中および/または歯科材料を詰めている間、重要な意味を持つ。 【0026】図10は球体で形成されるピストン50を示す。球体形状のピストン50の径は、図11で示されるように、球体ピストン50の外側面とカプセル本体部の内側壁とがシーリング関係を成すようなサイズになっていることが理解されよう。球状のピストン50を使用すると、このピストン50はカプセルの内側壁と線状の接触シールを形成し、ピストン50とカプセルの内側壁とのあいだのいかなる滑り摩擦も最小化するという、利点がある。さらにまた、ピストン50については、組立てに際して、カプセルに対してどちら向きに挿入するかを決める必要もない。 【0027】図11は本発明の変形形態を示す。この形態では、カプセル構造体60は図1から図3に関して述べたものと同一である。ただし図11の実施態様では、カプセル60のノズルは端部プラグ61でシールされている。この端部プラグはステム62を有し、このステム62は、カプセル60のノズル64内に形成された通路63をシールするようなサイズである。フランジ65がステム62に接続され、このフランジ65は、ステム62の挿入距離を制限する止め金具として機能する。プラグ61が図11で示されるように所定位置にあるとき、ノズルのオリフィス開口部は気密的にシールされている。図11で示されるピストン66は、図10に関して述べたような球状のピストンを含む。他のすべての点で、カプセル60の構造および機能は、図1および図2のカプセル20に関して述べたものと同様である。 【0028】図12は本発明の別の変形形態の斜視図である。この形態では、カプセル70は所定のアールRを有する曲線本体71を有し、この本体71は、カプセル70の開口端部72から排出オリフィス73まで障害なく滑らかに延びる通路を成す。本発明のこの形態において、通路もしくはボア74は、本体部71の全長にわたって均一の径となっている。オリフィス73は、超密複合材料が押し出されているあいだすべての抵抗力も最小化するようなサイズになっていることが理解されよう。本発明のこの形態において、ノズルオリフィス73を通して材料を押し出すピストンが、球形ピストン50であると理想的である。そして側方に延びるフランジもしくはカラー75が、開口端部72に外接している。またカプセル70には、図2の実施態様に関して述べたタイプの通気溝76が1つもしくはそれより多く設けられている。 【0029】図3および図10に関して述べたように、カプセル70の排出オリフィス73のシールは、シーリングキャップ32もしくは端部プラグ61のいずれによって行われてもよいことが、理解されよう。 【0030】本発明のこの形態では、カプセル本体71のボアは、開口端部72から排出オリフィス73まで均一もしくは一定の径Dを有し、さらに前述したように、(排出オリフィスの径dはボアの径Dに対して)1対1の最適比率をとるようになっている。 【0031】他のすべての点で、カプセル70の構造および機能は、前述したものと同様である。 【0032】図13はわずかに変形された実施態様を示す。図からわかるように、カプセル80は、カプセル円筒形本体81の内径Dが、排出オリフィス83で終端となるノズル通路82の径D'に等しいという点を除けば、図1から図3のカプセルと実質的に同様である。ノズル部分84は、図1から図3に関して述べたものと同様に、角度を有して配されている。他のすべての点で、カプセル80の構造および機能は、図1から図3に関して述べたものと同様である。 【0033】図14はさらに別の実施態様を示す。この実施態様において、カプセル90は本体部91を有し、この本体部91が、所定量の超高密もしくは超高粘性材料を受容するリザーバーを成す。またカプセル90にはカプセルを通るボアが設けられ、このボアは、均一もしくは一定の径Dを有し一方の端部92で開口している。もう一方の端部93は、傾斜したもしくは曲線の端部壁94によって閉じられている。本発明のこの形態では、排出オリフィス95は、カプセル本体の壁部に端部壁94に隣接して配置されている。外接フランジ96が側方に延びて、開口端部92に外接している。これまで述べたいずれのピストンを用いても、カプセル90内で超高粘性材料をシールできることが理解されよう。 【0034】本発明のこの形態において、排出オリフィス95は径「d」を有して形成される。この径「d」はカプセル90のボアの径「D」と同一、もしくはそれよりわずかに小さく、比率「d」/「D」が0.6から1となる。 【0035】シーリングキャップ97は排出オリフィス95をシールするためにカプセル90に設けられるもので、オリフィス95をシールできるほどの十分な深さで、カプセル90の閉鎖端部93に摩擦力で取付けられる。シーリングキャップ97の開口端部には、外側に延びるフランジ98が設けられており、このフランジは、シーリングキャップ97を、カプセル90の閉鎖端部93に、容易に配置したり外したりするための、縁部を提供するものである。他のすべての点で、カプセル90の構造および操作は、前述したものと同様である。 【0036】図15は本発明の別の変形実施態様を示す。この形態において、前述したものと同様に、カプセル100は本体部101を含み、この本体部101は、所定量の歯科材料を受容するリザーバー103を成す内側ボア102を有する。このボアの内径「D」は、排出オリフィス開口部の内径「d」と同一、もしくはそれよりわずかに大きい。本発明のこの形態において、排出ノズル106を成す壁107Aは、本体部101もしくはカプセル100のリザーバー部分を形成する壁より、肉薄に作られている。換言すれば、ノズルの外側面は、排出オリフィス107に向かって内側に少しずつ先細になっている。このようなノズル106を成す壁部のわずかな肉厚の減りが、ノズル106の排出端部の壁にいくぶんの柔軟性を与えている。 【0037】本体部101における排出ノズル106と反対側の端部は、前述したものと同様に、完全に開口されて歯科材料を受容するようになっており、この開口端部104は押しのけ用ピストン105によってシールされている。 【0038】本発明のこの形態において、ピストンは長く延びたロッドを含んでおり、このロッドを形成するのに適切な材料は、ピストン105が押しのけられて進んだとき歯科材料の押し出しを実効できる程度には十分な剛性を有して、同時に、リザーバー部分103と接続ノズル106とのあいだの移動領域109を抜けられる程度には十分な柔軟性も有していなければならない。図15に示されるように、押しのけ用ピストン105の外径は、カプセル本体部101の内径「D」と滑りばめ(snug fit)を成しそこでシールを形成するが、押しのけられて進んで歯科材料を押しだすときは自由に滑動できる。ボアもしくはノズル106の通路108の径「d」が、カプセル100の本体部101の径「D」よりもわずかに小さい場合に、ノズル壁107Aは排出開口部もしくはオリフィスに向かって少しずつ薄くなっている。これによってノズル壁には柔軟性が付与され、注射操作の間にピストン105がノズル壁を通って押されて、歯科材料を完全に出しきってしまうことができる。ピストン105が図16に示される位置まで押しのけられて進めば、リザーバーもしくは本体部101内に配置されていた材料がすべて押し出されて、ボアもしくはカプセルの通路108内にはなにも残らないことが理解されよう。 【0039】完全に出しきるために、ピストン105をテフロン(登録商標)材料で成形すると、テフロン(登録商標)自体が潤滑であり、このテフロン(登録商標)製ピストンが、図16に示されたように、リザーバーの内側面と完全なシールを保持しつつ自由に滑動でき、しかも、滑らかな移動領域109を抜けられるほどの十分な柔軟性を有するので、好ましい。 【0040】さらに、ロッド形状のピストン105は、カプセル内の歯科材料をシールするために、ピストン105のどちら側の端部を最初にカプセルの開口端部に挿入するかは問題にならないということで、どちら向きでもできることが理解されよう。図示された実施態様では、ピストン105の両端部105A、105Bはずんどう型、もしくは平らになっている。ただし、両端部105A、105Bが、たとえば半球形や円錐形のような曲線を成していたとしても、同じ結果になる。つまりどちら向きでもできるようになる。 【0041】外接フランジ104Aは、前述したものと同様、開口端部104に外接する。 【0042】ピストン105は、ボアもしくはノズルの通路内の材料すべてを確実に押し出せるほどの十分な長さになっている。材料すべてを確実に押し出すという最終的結論を得るために、ピストンを、たとえばテフロン(登録商標)のような適切な材料で形成する。適切な材料とは、移動領域109の緩やかなカーブを抜けられるほどの十分な柔軟性があり、同時に、オリフィスもしくは排出開口部の内径「d」が、(ボアの内径)「D」に比べ小さいとき、等しいとき、そして大きいとき、(それぞれに対して)ノズルのボアもしくは通路を通れるほどの十分な圧縮し易さを有するものである。あるいはまた材料すべてを確実に押し出すという最終的結論を得るために、図15に示されたように、ノズルの壁部が前述したものと同様に先細になって、ノズルを、ピストン105がノズルを通って滑動できるようになるほど、十分に柔軟にしてもよい。 【0043】他のすべての点で、図15から図17の実施態様の構造は前述したものと同様である。たとえば図15および図16のカプセルの排出ノズルは、前述したものと同様、端部キャップでシールしてもよいし、またやはり前述したものと同様、通気手段を設けてもよい。 【0044】図15および図16のカプセルは、超密もしくは圧縮し易い複合材料を、小出しして配置するのに適している。このような材料は比較的高価なので、無駄にしてしまうおそれのあるものはすべてなくしていくことが、本発明における重要な一面である。 【0045】以上のことから理解されるように、超密で圧縮し易い材料を、空所が形成されないように注射できるようにするための、前述した実施態様のそれぞれに共通の原則は、次のとおりである。つまり、それぞれ述べたカプセルの実施態様におけるノズルおよび/または排出オリフィスの内径「d」がカプセル本体部の内径「D」に等しいかあるいは比較的近いこと、そしてノズル通路と排出オリフィスとの移動領域に、角や有形角度(shaped angles)がないことである。このような様式のもとで、超密複合材料は、押し出し操作のあいだに、排出オリフィスから押し出されながら「スラグ」として押しのけられて進んでいく。超密複合材料が滑り始めると、この材料にかかる抵抗はほとんどない、もしくはまったく無い。さらに、前記カプセル構造体の内側面を、超密複合材料と一緒にしても問題のない潤滑剤の薄い膜で、コーティングする。これによって、押し出し中に、「スラッグ」である材料とカプセルの内側壁との間に生じるすべての滑り摩擦を、さらに減少し、もしくは最小化することができる。また、図15から図17の実施態様に関して述べたテフロン(登録商標)製ピストンを使用することによっても、滑り摩擦の最小化が促進できる。 【0046】本明細書で述べるカプセルが、カプセルよって小出しにされる超密複合材料の組成物と一緒にしても問題のない適切なプラスチック材料でできていると好ましいことが理解されよう。そのようなプラスチック材料としては、ポリプロピレン、ナイロン、デルリンおよび/または、同様の材料で本明細書で引用される歯科カプセルの技術で以前から示されていたようなものから成るグループから選択することができる。 【0047】またピストンは、カプセル材料と同様のタイプのプラスチック材料、および/または、ゴムや合成ゴム、もしくはフルオロポリマー、たとえば図15から図17に関して述べたようにテフロン(登録商標)から、形成できる。 【0048】これまで述べてきた実施態様は、排出ノズル直径「d」を有するカプセルから直径「D」を有する本体部に、「d」/「D」の比率が0.60から1となっているもとで、注射によって超密歯科材料を小出しにするのに特に適している。しかし本明細書で述べた原理により、前記カプセル構造体を、超高粘性歯科材料ほど圧縮し易くはない、もしくは詰め易くはない、他の歯科材料にも使用することは可能となっている。 【0049】本発明をいくつかの実施態様について述べてきたが、本発明の本質と範囲から逸脱することのない変形および変更は可能である。 【0050】 【発明の効果】以上述べてきたことから明らかなように、超密複合歯科材料を注射技法によって配置するのに特に適切な歯科カプセルを提供し、空所の形成を最小にとどめながら歯科材料を歯に小出しできるようになった。また、カプセルに含まれる材料の全量が完全に押し出されて確実に無駄をなくすこともできた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591274495 【氏名又は名称】セントリックス、インコーポレーテッド
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| 【出願日】 |
平成13年4月16日(2001.4.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100060575 【弁理士】 【氏名又は名称】林 孝吉
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| 【公開番号】 |
特開2001−346811(P2001−346811A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月18日(2001.12.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−116338(P2001−116338) |
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