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【発明の名称】 レジン硬化用機器
【発明者】 【氏名】峪口 敦男

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数個の発光ダイオードと、前記発光ダイオードを冷却する冷却手段と、前記発光ダイオードそれぞれからの光を集めて照射するための集光照射手段と、を備えてなることを特徴とするレジン硬化用機器。
【請求項2】 前記冷却手段がペルチェ素子である請求項1記載のレジン硬化用機器。
【請求項3】 請求項1の発明において、さらに、前記複数個の発光ダイオードが当該機器使用に際し適正温度内に維持されるように前記冷却手段を作動させる冷却制御手段を備えることを特徴とするレジン硬化用機器。
【請求項4】 前記冷却制御手段が、前記発光ダイオードの使用に先だって前記冷却手段を作動させることを特徴とする請求項3記載のレジン硬化用機器。
【請求項5】 前記冷却制御手段が、前記発光ダイオードが設定温度以下に冷却されていない場合にはその作動を許可しないことを特徴とする請求項4記載のレジン硬化用機器。
【請求項6】 プリント基板と、前記プリント基板の配線表面側に付設される複数個の発光ダイオードと、前記プリント基板の裏面側に冷却面において付設されるペルチェ素子と、前記発光ダイオードそれぞれからの光を集めて照射するための集光照射手段と、を備えてなることを特徴とするレジン硬化用機器。
【請求項7】 複数の発光ダイオードからの光を集め照射してレジンを硬化させるもので、前記発光ダイオードとしてピーク発光波長が異なる複数種類のものを用いることを特徴とするレジン硬化用機器。
【発明の詳細な説明】【0001】[発明の属する技術分野]この発明は、歯科で用いられるレジン硬化用機器に関する。
【0002】[従来の技術]最近、歯科材料として光重合型レジンが普及しており、この光重合型レジンの硬化は従来一般にはハロゲンランプを用いて行なっている。
【0003】[発明が解決しようとする課題]上記ハロゲンランプの出力光にはいろいろな波長の光が含まれているので、光学フィルターを用いてレジン硬化に有効な光を取り出し照射するようにしている。しかしながら、有効な光の割合が少なく全体として光の強さを大とする必要があり、したがって、強い光を扱わなければならないので使用上安全面での問題があり、また、連続使用が行なえないので作業効率も悪かった。
【0004】この発明は上記の事情に鑑みて行なったもので、光重合型レジンの硬化に好適に使用できるレジン硬化用機器を提供することを目的とする。
【0005】[課題を解決するための手段]上記の目的を達成するために、この発明では、レジン硬化用機器を、複数個の発光ダイオードと、発光ダイオードを冷却する冷却手段と、発光ダイオードそれぞれからの光を集めて照射するための集光照射手段とを備えてなる構成とした。
【0006】上記構成によれば、冷却手段により冷却されることで発光ダイオードが安定作動される。
【0007】冷却手段としては、例えばペルチェ素子が用いられ、ペルチェ素子を用いることで機器の小型化が図られる。
【0008】複数個の発光ダイオードが当該機器使用に際し適正温度内に維持されるように冷却手段を作動させる冷却制御手段を備えることで、冷却動作が無駄なく安定して行なわれる。
【0009】さらに、冷却制御手段が、発光ダイオードの使用に先だって冷却手段を作動させることで発光ダイオードの予冷却が行なわれ、これにより大きな電流を流して発光ダイオードを強力に作動することで、短時間でのレジン硬化を可能とし、その結果、治療時間が短縮される。
【0010】さらに、冷却制御手段が、発光ダイオードが設定温度以下に冷却されていない場合にはその作動を許可しないようにすることで、誤操作による発光イオードの熱損傷を回避できる。
【0011】また、この発明では、レジン硬化用機器を、プリント基板と、プリント基板の配線表面側に付設される複数個の発光ダイオードと、プリント基板の裏面側に冷却面において付設されるペルチェ素子と、発光ダイオードそれぞれからの光を集めて照射するための集光照射手段とを備えてなる構成とした。
【0012】上記構成によれば、ペルチェ素子によりプリント基板に取り付けられた発光ダイオードの冷却が行なわれ、これにより、発光ダイオードが安定作動される。とくに、この組立構成では組立容易で安定した構成が得られる。
【0013】また、この発明では、複数の発光ダイオードからの光を集め照射してレジンを硬化させるもので、発光ダイオードとしてピーク発光波長が異なる複数種類のものを用いることを特徴とするレジン硬化用機器を提供する。
【0014】上記構成によれば、照射光の実質的ピーク波長幅が広くなり、レジンの硬化性能に優れ、また、異なる複数のレジンに使用可能なレジン硬化用機器が得られるようになる。
【0015】[発明の実施の形態]図1はこの発明のレジン硬化用機器の内部構成を示す構成図である。
【0016】レジン硬化用機器1はケーシング2内に内部機器3が装着されて構成されており、全体は手に持つことができる程度の大きさである。
【0017】内部機器3は、略円形のプリント基板4と、プリント基板4の配線表面側に付設される複数個の発光ダイオード5と、プリント基板4の裏面側に冷却面において付設される冷却手段としてのペルチェ素子7と、ペルチェ素子7の発熱面側に取り付けられるアルミ放熱板9と、発光ダイオード5それぞれからの光を集めて照射するための集光照射手段としての多数本の光ファイバを束ねて熱融着させて形成した断面円形の光ファイバ束体8とから構成されている。上記ペルチェ素子7はプリント基板4と放熱板9間に挟まれる状態に設けられている。
【0018】上記光ファイバ束体8は多数本の光ファイバが熱融着されて形成され、太径の基部10端面が発光ダイオード5それぞれにに臨設され、細径部11の先端側がケーシング2の先端側開口13から外部に突出しその先端は折り曲げ加工されている。光ファイバ束体8は基部10が弾性環体15を介してケーシング2内に装着固定されている。プリント基板4の発光ダイオード5が取り付けられた側には、温度センサ17が取り付けられている。18はマイクロコンピュータよりなる冷却制御手段としての制御回路、20は作動表示ランプ、21は第1スイッチ、22は第2スイッチである。
【0019】図2は発光ダイオード5のプリント基板4面上の配置構成を示し、複数の発光ダイオード5が帯状に並列配置されている。発光ダイオード5としては、ピーク発光波長が450nm、480nmの2種類のもの5a、5bが30個づつ用いられている。
【0020】図3はレジン硬化用機器1の回路構成を示す。制御回路18には第1スイッチ21、第2スイッチ22、第1リレースイッチ25、第2リレースイッチ26、第3リレースイッチ27、温度センサ17のそれぞれが接続されている。第1リレースイッチ25は制御回路18からの駆動信号でonされ作動表示ランプ20に電源30を与える。第2リレースイッチ26は制御回路18からの駆動信号でonしてペルチェ素子7に電源30を与える。第3リレースイッチ27は制御回路18からの駆動信号でonしてLED5に電源30を与える。電源30は電池であってもよく、機器外から導入してもよい。
【0021】以下、図4のフローチャートを参照して使用に際しての動作説明を行なう。
【0022】歯科医が治療に際してレジン硬化を行なう場合、まず、第1スイッチ21をonする。この第1スイッチ21のon信号が与えられると(ステップ1)制御回路18は第2リレースイッチ26をonしペルチェ素子7を作動開始する(ステップ2)。これによりペルチェ素子7に隣接するプリント基板4、さらには、そのプリント基板4に取り付けられた発光ダイオード5が冷却され、その検知温度が温度センサ17から制御回路18に与えられ、制御回路18はその温度が設定温度(7度C)以下になっているかどうかを判定する(ステップ3)。時間経過に伴いペルチェ素子7による冷却が十分に行なわれて設定温度以下になった場合には第1リレースイッチ25をonし作動表示ランプ20を点灯する(ステップ4)。この点灯により歯科医は機器が使用可能であることを知り、光ファイバー束体8の先端を歯のレジン塗布部へ向け第2スイッチ22をonする。制御回路18は第2スイッチ信号が与えられると(ステップ5)第3リレースイッチ27をonしてすべての発光ダイオード5(5a、5b)を同時に所定時間(5秒)作動する(ステップ6)。これにより光ファイバー束体8先端から照射される光によりレジンが硬化される。発光ダイオード5は作動されることで温度上昇するが、連続作動されているペルチェ素子7により冷却され、再び設定温度以下になった状態で使用可能となる。第1スイッチ21によりoff入力があった場合には(ステップ7)ペルチェ素子7の作動が停止され(ステップ8)、動作が終了する。
【0023】上記の発光ダイオード5の作動時には、定格電流が30ミリアンペアとする場合に75ミリアンペアの電流を与える。これにより図5に示すように定格電流を与えた際の発光強度Yに対して1.5倍の大きな発光強度Xを得ることで5秒間の短かい時間での光照射によりレジンの硬化ができるようにし、治療時間の短縮化を図っている。このように大きな電流を与えると発光ダイオード5は急激に温度上昇するが、作動に際し常にペルチェ素子7により10度Cぐらいに予冷却されていることで発光ダイオード5の温度上昇は25度C程度に押さえられ、これにより、発光ダイオード5の熱損傷が防止されるようになっている。上記のように発光ダイオード5に大きな電流を与えるのは、現在製造される発光ダイオードは小形で光量が小さくしたがって集合使用しているが、その場合でも短時間でレジンを硬化させるには十分な光量が得られないことも理由としている。なお、ペルチェ素子7による予冷却が行なわれていても発光ダイオード5が長く作動されると温度上昇して損傷するので、その点において第2スイッチ22入力による発光ダイオード5の作動時間を5秒と制限してその損傷を回避できるようにしている。また、ステップ3で発光ダイオード5が十分に冷却されたことを条件にステップ5で第2スイッチ22のon入力を判定するので、誤操作により発光ダイオード5が冷却されていない段階で第2スイッチ22のon入力があっても、発光ダイオード5が作動されることはなく、これによっても発光ダイオード5の損傷を回避できるようにしている。
【0024】さらに、上記における光照射は発光ダイオード5としてピーク発光波長が450nm、480nmの2種類のもの5a、5bを同時使用して行なっていることで、異なるレジンに対応使用できるようになっている。レジンの硬化は特定の波長の光が一定量得られることで行なわれ、レジンの種類によってその特定波長は若干異なっている場合がある。上記のように2種類の発光ダイオード5a、5bを用い450nm、480nmのピーク発光波長の2つの光を用いると、図5に示すように、それにより得られる合成スペクトルはピーク発光波長値が実質的に450〜480nmの幅Zのあるものとなり、その結果、硬化発光波長が445〜485nmの範囲とするレジンであれば硬化可能となる。
【0025】[発明の効果]この発明によれば、光源である発光ダイオードが冷却されて安定使用されるレジン硬化用機器が得られる。
【0026】また、この発明によれば、ピーク発光波長が異なる複数種類のものを用いたことにより照射光のピーク波長幅が実質的に広くてレジンの硬化性能に優れ、また、異なる複数のレジンに使用可能なレジン硬化用機器が得られる。
【出願人】 【識別番号】399116467
【氏名又は名称】株式会社サコグチ
【出願日】 平成12年5月24日(2000.5.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−327517(P2001−327517A)
【公開日】 平成13年11月27日(2001.11.27)
【出願番号】 特願2000−195322(P2000−195322)