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【発明の名称】 歯科用材料を予備加熱するための方法及び加熱アセンブリ
【発明者】 【氏名】ジョシュア・フリードマン

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 歯科用修復性コンポジット材料を容器内に保存し、該歯科用修復性コンポジット材料を該容器から臨床的適用のために口腔内に取り出すことからなる、未反応モノマー(類)および充填剤を含む光硬化性歯科用修復性コンポジット材料を光照射時に口腔内での硬化を向上する方法において、該修復性コンポジット材料を容器から取り出し口腔内に適用する前でかつ臨床的使用中に光照射する前に、該光硬化性歯科用修復性コンポジット材料を含む容器を予備加熱して常温より高い温度に上げることを特徴とする歯科用修復性コンポジット材料の硬化向上方法。
【請求項2】 該歯科用修復性コンポジット材料を含む容器が注射器から分配されたコンピュールを含有する請求項1記載の方法。
【請求項3】 該コンピュールが、約100〜140°Fにセットされた温度に予備加熱される請求項2記載の方法。
【請求項4】 該コンピュールが、約130°Fにセットされた温度に予備加熱される請求項3記載の方法。
【請求項5】 コンピュールを支持する為の基部上に脱着可能に戴置された上部セクションを有する導電性材料からなる上部セクションを有する基部を含む、臨床的使用前に一以上のコンピュールに貯蔵された歯科用材料を予備加熱する加熱アセンブリであって、該アセンブリがサーモスタット、該サーモスタットと電源とを電気的に接続する電源接続体および前記コンピュールを高い温度に予備加熱する為に上記上部セクションをサーモスタットであらかじめセットされた高い温度に均一に加熱するための加熱要素を更に有することを特徴とする加熱アセンブリ。
【請求項6】 該加熱要素がサーモスタットに接続されて電気抵抗ヒーターを形成するフィラメント状ワイヤーまたは平面状導体の形態の導電性材料である請求項5記載の加熱アセンブリ。
【請求項7】 該基部が更に、前記加熱要素と接続する導電性材料を含み、かつ前記加熱要素の上部セクションを置くことができる実質上水平表面を有する請求項6記載の加熱アセンブリ。
【請求項8】 該上部セクションが、該基部から脱着時にコンピュールのためのヒートシンクとして作用する導電性材料体からなる請求項7記載の加熱アセンブリ。
【請求項9】 該上部セクションが、アルミニウム、銅、真ちゅうおよびステンレス鋼からなる群から選択される材料からなる請求項8記載の加熱アセンブリ。
【請求項10】 更に、上部セクションを包囲する断熱部材を有し、該断熱部材が上部セクションを昇温下に基部から取り出して、コンピュールを昇温下に歯科用トレイに移動可能にする請求項5〜9いずれかに記載の加熱アセンブリ。
【請求項11】 該上部セクションが、複数のスロットを有し、複数のコンピュールをそれぞれ保持する請求項10記載の加熱アセンブリ。
【請求項12】 更に、上記上部セクション用の脱着可能なカバーを有する請求項10記載の加熱アセンブリ。
【請求項13】 更に、各々のコンピュールが、加熱アセンブリにより加熱される単一ユニットとしての分配装置に導入される請求項5〜12いずれかに記載の加熱アセンブリ。
【請求項14】 該上部セクションが、コンピュールを導入する各分配ユニットを保持する複数のスロットを有する請求項12記載の加熱アセンブリ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臨床的な使用の前に歯科用材料を予備加熱するための方法及び加熱アセンブリに関し、更に詳しくは、臨床的な使用の前にコンピュール(compule)の歯科用材料を周囲温度を越えて上昇させた温度に予備加熱するための方法及び加熱アセンブリに関する。
【0002】
【従来の技術】本発明によれば、臨床的な使用の直前に予備加熱することにより、多くの歯科用材料が増強された特性を有することが見出された。かかる歯科用材料の例には、エッチング剤、漂白組成物、歯科用セメント、インプレッション材料、及び特に光硬化性歯科用修復材料が含まれる。かかる全ての歯科用材料はシリンジのような施薬デバイスにより施薬される。現在、歯科用材料、特に歯科用修復材料は、単位薬量で移動可能な区分(以降「コンピュール」と呼ぶ施薬デバイス)としてパッケージすることが常套的となっている。施薬装置(dispenser)を使用することにより、歯科用材料の取扱いや、コンピュールから患者の口ヘ直接取り出すことが促進される。
【0003】光硬化性歯科用修復材料は銀アマルガムの代替として一般的となっており、歯の色に適合し、硬化前は歯の穴の凹凸や形状に適合するという利点を有する。光硬化性歯科用材料は光ヘの露出における光化学作用により重合するように処方された未反応モノマーとフィラーとの複合組成物である。一般に、光硬化性修復材料は歯科用用途については典型的にペーストとして処方され、300〜500ナノメートルの範囲の光を当てることにより重合する。コンポジット材料中フィラーの濃度は強度が最大になるように調節され、典型的には組成物の75〜90%である。フィラー濃度が高くなるほどより粘性となり、材料を施薬、取扱い及び重合することが困難となる。更に、多くの歯科医は光硬化性歯科用修復材料を含むコンピュールを臨床的に使用する前まで通常冷凍しておく。冷却して保存する目的は材料中でフリーラジカルが自然発生するのを抑制し、そのことにより材料の有効寿命を延長することにある。しかしながら、組成物の粘度も温度の影響を受け、温度が低くなるほど材料は粘性となる。冷凍された組成物の温度を室温に戻すために十分な時間が与えられない場合、光硬化性材料が歯の空洞形成(cavity preparation)の複雑な形に流動し適合する特性が阻害される。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、コンピュールの光硬化性コンポジット材料を臨床的な使用の直前に周囲よりも上昇させた温度に予備加熱することにより、転化の度合、すなわち、空洞形成内部における未反応モノマーからポリマーへの転化パーセントが実質的に増大する。更に、コンピュールの光硬化性コンポジット材料を予備加熱することにより粘度が実質的に低減し、コンポジット材料中により多量のフィラーを充填することが可能となり、コンピュールから圧搾した修復材料を空洞形成の壁部及び空洞形成の複雑な形に適切に適合させることが可能となる。
【0005】コンピュールの光硬化性材料を臨床的な使用の前に予備加熱することの主要な効果は以下の通りである:(1)モノマー転化率の改良、(2)材料硬度の改良、(3)耐磨耗性の改良、(4)色彩安定性の改良、及び(5)強度の改良。
【0006】幾つか又は全ての同様の効果が、光硬化性修復材料以外の歯科用材料を臨床的な使用の前に予備加熱することによって得られる。例えば、過酸化物漂白剤を含有する漂白組成物を加熱することにより高温でより活性化される。従って、臨床的な使用の前に加熱することで多くの歯科用材料の性能が改良され、本発明によればそれらの使用時間が減少する。
【0007】未反応モノマーとフィラーとを含む光硬化性歯科用修復コンポジット材料の光照射ヘの露出における硬化を増強するための本発明の方法は、臨床的な使用中の光照射への露出の前に光硬化性歯科用修復コンポジット材料を周囲よりも上昇させた温度に予備加熱する工程を広く包含する。
【0008】臨床的使用の前の歯科用材料を加熱するための本発明の加熱アセンブリは、基部、歯科修復コンポジット材料を含有する1つ以上のコンピュールを支持するために上記基部に脱着可能に装着された上部セクションを含み、上記上部セクションは導電性材料からなり、上記基部がサーモスタット、上記サーモスタットを電源と電気的に接続するための電源接続体、および上記コンピュールを高温に予備加熱するための上記サーモスタットによってプリセットされる上記上部セクションを高温に均一加熱するための加熱エレメント用のハウジングを形成する。
【0009】本発明の好ましいヒーターアセンブリ10を図1、2、3、7および8に示し、それは基部12上に装着された脱着可能な上部セクション14を有する基部12および脱着可能なカバー15を含む。上記ヒーターアセンブリ10はどんな好適な形状およびサイズであってもよい。図1の態様では、上記基部12は円筒状である。上記基部12は、サーモスタット16および電源接続体17を装着するキャビティ13を有する。上記基部12は上記脱着可能な上部セクション14を支持する。上記基部12は、どのような好適な材料、例えばプラスチックまたは金属から構成されてもよい。上記電源接続体17は上記基部12中のキャビティ13から、上記サーモスタット16を好適な外部電源(表示なし)に電気接続するための上記基部12の外面18に伸びる。表示していないけれども、上記ヒーターアセンブリ10を再充電可能なバッテリーにより操作してもよい。上記サーモスタットが作動中および上記ユニットが温度に達したという視覚表示をするために、上記サーモスタット16を回路内で好適な可視光源(表示なし)と接続してもよい。
【0010】上記サーモスタット16を加熱エレメント20に電気接続して、上記上部セクション14を制御温度に加熱する電気抵抗ヒーターを形成する。上記加熱エレメント20は、蛇状または他の形状に配列されたフィラメントワイヤの形状またはグラファイト、タングステン、銅または他の好適な導電性材料製の平板導体の形状の導電性材料であり、上記サーモスタット16との一連の電気的経路を形成する。上記加熱エレメント20は、プラスチック、セラミックまたはゴム組成物中に埋設されて、上記上部セクション14を搭載する導電性平板21と接続される平坦表面を形成する。上記平板21は脱着可能に上記基部12に固定され、上記ヒーターアセンブリ10の上部セクション14を均一加熱するための平面を提供する。上記サーモスタット16および加熱エレメント20は、単一ユニットとして市販されている。上記サーモスタット16は加熱エレメント20の温度を制御する。どのような従来タイプのサーモスタットをこの用途に用いてもよく、好ましくは上記加熱エレメント20の温度を周囲室温以上の好適な高温、好ましくは100〜140°Fに予備調節する。上記加熱エレメント20の最適温度設定は、光硬化性歯科用材料に対して約130°Fである。エナメルに適用された漂白または他の歯科用材料に対しては、より高くしてもよい。温度が高過ぎると、歯髄に損傷を生じる。
【0011】加熱アセンブリ10の取り外し可能な上部セクション14は、アルミニウム、銅、真鍮またはステンレス鋼のような導電性材料から成り、同様の導電性材料から製作され得る平坦なプレート21の上に配置されている。加熱アセンブリ10の上部セクション14には、対応する数の光硬化性の修復性材料製コンピュール25を支持するために、1本以上の溝22が設けられている。上部セクション14は、加熱すると、基部12からの移動によってヒートシンクとして機能して、長期間に亙り、コンピュールを比較的一様な温度に保持する。図1の態様には、互いに90°離れて配置された溝22の中に相称的に配置された4個のコンピュール25が示されている。蓋15は、コンピュール25を閉空間27内に実質上封じ込めて、コンピュール25の加熱を促進するために、加熱アセンブリ上に置かれている。絶縁部材28、好ましくはゴムまたはプラスチック製のOリングは、上部セクション14がコンピュール25が昇温された高温において基部12から患者と隣接するデンタルトレーへ取り外すことができるように、上部セクション14を取り巻いている。
【0012】個々のコンピュール25の意匠は、本発明の部分を形成しない。異なる意匠のコンピュールは、別個のディスペンサーを用いて通常の使用のために市販されている。コンピュール25は、一般に、ディスペンサーの末端に付けられ、その末端には、コンピュール25の中心軸から適した角度に向いた開口先端チップ29を含む輪郭を有している。光硬化性材料は、各コンピュールを従来の分配用シリンジへ接続することによって、図3および7に示すようなコンピュール25から口腔内に放出される。別法として、加熱アセンブリは、図8に示すように、連結コンピュールシリンジディスペンサー31を加熱するのに用いてもよい。そのような連結コンピュールシリンジディスペンサー31は、現在、市販されている。加熱アセンブリの上部セクション14は、コンピュール25のチップ29を受けるための環状チャンネル30を含んでいる。図7および8は、異なるコンピュール/シリンジ意匠に適応するための別の配置を示している。
【0013】本発明によれば、光硬化性材料中の反応性モノマーは、20°Fの冷蔵温度から150°Fの高温までの広い温度範囲に亙って、実質上線形のポリマーに転化することが見出された。このことは、カール/シブロン(Kerr/Sybron、カリフォルニア州オレンジ)製ハーキュライト(Herculite)XRV、シェードA2で表される、市販の光活性化コンポシットを用いた図4に図示するデータで実証された。少量の材料を2種のマーラーストリップ間に搾り出し、選択された前設定温度で最短30分間コンディショニングした。従来の歯科用光硬化性ユニットも、各温度環境に配置した。この環境において、試験片を、コントロールされた強度(500mW/cm2)の硬化光に60秒間暴露した。暴露後、試験片を暗所に24時間貯蔵した。その後、赤外線分光器(FTIR)および統計分析標準法を用いて、モノマーの転化程度を決定した。図4は、前硬化温度に対するモノマー転化の関係を示している。図5および6は、材料の厚さ変化によって測定された粘度を含む、粘度に対する温度の効果を表している。これより、より粘性の低い材料ほど、厚さが小さくなる。図5および6は、臨床上の使用前の、周囲温度を超え、特に100°Fをこえ、最適には130°Fにおける光硬化性材料の温度上昇が、硬化を思いがけなく向上させるという、本発明の概念を表している。
【出願人】 【識別番号】500208036
【氏名又は名称】ジョシュア・フリードマン
【氏名又は名称原語表記】Joshua Friedman
【出願日】 平成12年5月2日(2000.5.2)
【代理人】 【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
【公開番号】 特開2001−314423(P2001−314423A)
【公開日】 平成13年11月13日(2001.11.13)
【出願番号】 特願2000−133525(P2000−133525)