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【発明の名称】 光重合用ハンドピース及びハンドピースを備えた歯科治療ユニット
【発明者】 【氏名】宇野 滋

【氏名】角田 尚子

【要約】 【課題】歯牙の窩洞内に接着剤を強固に塗布し、光重合樹脂を強固にかつ表面の光沢よく充填、硬化する。

【解決手段】歯牙に窩洞を形成し、該窩洞内に歯牙との接着を強化するための接着剤を塗布し、その上に光重合樹脂を充填する。接着剤と歯牙との接合を強化し、更には、光重合樹脂と接着剤との接合を強化するために、光導体の先端より、光及び不活性ガスを放射する。ガスボンベ30内には、不活性ガスが圧縮充填されており、光重合ハンドピース20のホース21をワークテーブル20に装着した時は、前記ガスボンベ30に通じる流体回路が開き、取り外した時は閉じるようになっている。従って、光重合ハンドピース10に設けられている手元の操作レバーを作動させると、光導体14の先端より、不活性ガスを噴射する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハンドピースの先端から光を照射してレジン等の光重合を行う光重合ハンドピースにおいて、前記ハンドピースの先端から不活性ガスを噴射可能としたことを特徴とする光重合用ハンドピース。
【請求項2】 ハンドピース先端部に光導体を有し、該光導体の先端から光を照射してレジン等の光重合を行う光重合用ハンドピースにおいて、前記光導体に該光導体内を軸方向に沿って延長する孔を有し、該孔を通して不活性ガスを噴射するようにしたことを特徴とする光重合用ハンドピース。
【請求項3】 ハンドピース先端部に光導体を有し、該光導体の先端から光を照射してレジン等の光重合を行う光重合用ハンドピースにおいて、前記光導体は先細の細径に構成され、該先細の光導体の外周面に沿ってかつ先端に向って不活性ガスが噴射されるようにしたことを特徴とする光重合ハンドピース。
【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の光重合用ハンドピースにおいて、該ハンドピースに不活性ガスが充填されたガスボンベを着脱自在に有し、該ハンドピースから前記不活性ガスをレジンに向けて噴射するようにしたことを特徴とする光重合用ハンドピース。
【請求項5】 不活性ガスが充填されたガスボンベ及び請求項1乃至3のいずれかに記載の光重合用ハンドピースをワークテーブル等に着脱自在に有し、前記ガスボンベ内の不活性ガスを前記光重合用ハンドピースを介して噴射するようにしたことを特徴とする歯科用治療ユニット。
【請求項6】 前記不活性ガスが窒素ガスであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光重合用ハンドピース。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光重合ハンドピース、より詳細には、歯科治療において、例えば、歯牙の修復治療等において、歯牙に形成された窩洞内に光硬化性レジンを充填硬化し、或いは、該レジンを該窩洞内に接着させるためのボンディング材を窩洞内に塗布するのに使用して好適な光重合ハンドピース及び該ハンドピースを用いた歯科治療ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】歯科治療においては、歯牙成形後の修復材として光重合レジンを用いるが、この光重合レジンは、例えば、歯牙の修復材として使用する場合、歯牙の破損箇所へ接着した後、光を照射して硬化させ、硬化後、切削,研磨等を行って、元の歯牙と一体化させて破損前の歯牙の審美性を持たせて修復するものである。
【0003】図4は、従来の光照射器の一例を説明するための概略構成図で、図中、10は光重合器(光重合用ハンドピース、又は光照射器)、11は光源、12は楕円反射ミラー、13はフィルター、14はライトガイド(光ファイバー,石英,プラスチック等の光導体)、15はリード線で、周知のように、光源11は楕円反射ミラー12の焦点位置にあり、該光源11からの光を楕円反射ミラー12で反射する。この反射光は、前記楕円反射ミラーの焦点と対をなす他方の焦点位置近傍にその受光端が配設されたライトガイド14内に導入され、該ライトガイド14を通して伝送されて、光重合レジンに照射される。なお、フィルター13は、光源11からの光のうち、光重合に必要な光波長成分の光のみを通過させるもので、例えば、478nmの波長成分の光のみを透過させる。
【0004】図5は、光重合器の一使用例を説明するための要部概略構成図で、図中、10は図4に示したごとき、従来より周知の光重合器、14はライトガイド(光導体)、14aは該ライトガイド14の先端面で、該ライトガイド14の先端面14aからは、前述のようにして、光重合用の光が、例えば、歯牙1に詰められた光硬化レジン2に向けて照射され、該レジン2を硬化させる。
【0005】図6は、前述のごとき歯科治療を行う一例を説明するための図で、まず、被治療歯牙1に、エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピース、レーザハンドピース等を用いて窩洞3を形成し、洗浄、乾燥した後、エッチングして切削粉を除去する。次いで、窩洞3内に薬液をつけて該窩洞3内に残存している切削粉を溶かし、その後、窩洞3内の象牙質の孔(細孔)1a内に接着剤4をエア等を用いて圧入し、接着剤4と歯牙1との接合を図るが、その際、つまり、細孔1a内に接着剤4を侵入させるためにエア或いは酸素を使用すると十分な接着効果が得られず、未重合部分(固くならない)が生じ、接着強度が落ちる。
【0006】上述のように、歯牙に形成した窩洞3内に接着剤4を充填した後、光重合樹脂を充填し、該光重合樹脂をレーザ光等を用いて硬化するが、その際、同時にエアを吹きつけるが、その場合にも、エアを吹き付けると、光沢が出ず、表面が汚ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、歯科治療においては、歯牙に窩洞を形成し、該窩洞内を洗浄、接着剤塗布、光重合樹脂の充填硬化等を行うが、その際に、同時に、エアを吹き付けて、これらの作業をより効果的に行うようにしているが、その際に、従来、エアを吹き付けるようにしており、そのため、接着剤の歯牙への接着強度が必ずしも十分でなく、また、光重合樹脂の仕上り後の光沢があまり良くなく、表面が汚い等の問題があった。
【0008】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、特に、従来用いていたエアに代って、チッソ(窒素)ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを用いて、接着剤と歯牙との接着強度の強化を図り、更に、仕上り後の光重合樹脂の光沢を高め、治療後の歯牙の美感を高めるようにすることを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ハンドピースの先端から光を照射してレジン等の光重合を行う光重合ハンドピースにおいて、前記ハンドピースの先端から不活性ガスを噴射可能としたことを特徴としたものである。
【0010】請求項2の発明は、ハンドピース先端部に光導体を有し、該光導体の先端から光を照射してレジン等の光重合を行う光重合用ハンドピースにおいて、前記光導体に該光導体内を軸方向に沿って延長する孔を有し、該孔を通して不活性ガスを噴射するようにしたことを特徴としたものである。
【0011】請求項3の発明は、ハンドピース先端部に光導体を有し、該光導体の先端から光を照射してレジン等の光重合を行う光重合用ハンドピースにおいて、前記光導体は先細の細径に構成され、該先細の光導体の外周面に沿ってかつ先端に向って不活性ガスが噴射されるようにしたことを特徴としたものである。
【0012】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、該ハンドピースに不活性ガスが充填されたガスボンベを着脱自在に有し、該ハンドピースから前記不活性ガスをレジンに向けて噴射するようにしたことを特徴としたものである。
【0013】請求項5の発明は、不活性ガスが充填されたガスボンベ及び請求項1乃至3のいずれかに記載の光重合用ハンドピースをワークテーブル等に着脱自在に有し、前記ガスボンベ内の不活性ガスを前記光重合用ハンドピースを介して噴射するようにしたことを特徴としたものである。
【0014】請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの発明において、前記不活性ガスが窒素ガスであることを特徴としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による光照射装置の一使用例を説明するための要部構成図で、図中、1は被治療歯牙、14は該歯牙1に光重合レジンを充填する際に使用される光照器10の光放射用光導体で、該光導体14は、前述のように、該光導体14内を伝搬されてきた光をその端面14aより放射するようになっているが、本発明においては、更に、通気孔14bを有し、該通気孔14bを通して、チッソガス、アルゴンガス等の不活性ガスを噴射できるようになっている。
【0016】前述のように、本発明は、歯牙の修復治療において、換言すれば、歯牙に窩洞を形成し、該窩洞内を清掃し、該窩洞内に歯牙1との接着を強化するための接着剤4を塗布し、該接着剤4を塗布した上に光重合樹脂5を充填する歯牙修復治療において、前記光重合樹脂5を硬化するための光照射器10から不活性ガスを噴射可能とし、この不活性ガスによって、接着剤4と歯牙1との接合を強化し、更には、光重合樹脂5と前記接着剤4との接合を強化し、かつ、光重合樹脂5の表面の光沢をよくして、仕上りをきれいにするようにしたものである。
【0017】図2は、上述のごとき光照射器を備えた歯科治療ユニットの一例を説明するための要部概略構成図で、図中、10は図1に示した気体流通路を有する光重合用光照射器(光重合ハンドピース)、20はワークテーブル、30はワークテーブル20に着脱自在に装着される不活性ガスボンベで、該ガスボンベ30内には、例えば、チッソガス、アルゴンガス等の不活性ガスが圧縮充填されており、該ガスボンベ30をワークテーブル20に装着した時に、該ガスボンベ30の弁が開き、取り外した時には閉じるようになっている。また、光重合ハンドピース20のホース21をワークテーブル20に装着した時は、前記ガスボンベ30に通じる流体回路の弁を開き、取り外した時は閉じるようになっている。従って、ワークテーブル20にガスボンベ30、及び、光重合ハンドピース20のホース21を装着した時は、光重合ハンドピース10へのガス流通通路が完成し、例えば、該光重合ハンドピース10に設けられている手元の弁操作レバーを作動させると、該弁が開いて、光導体14の先端より、不活性ガスを噴射することができ、前述のごとくして、歯牙の修復作業を行うことができる。
【0018】なお、図2には、不活性ガスボンベ30をワークテーブル20に着脱自在に装着し、該ボンベ30内の不活性ガスをワークテーブル20に着脱自在に装着されるハンドピースに供給するようにした例を示したが、本発明は、図示実施例に限定されるものでなく、例えば、不活性ガスボンベを小型のものとし、この小型のガスボンベをコードレス(電池駆動式)の光重合用ハンドピースに着脱自在に装着し得るようにし、持ち運び自在のハンディタイプなものにすることも可能である。
【0019】図3は、歯牙の根尖位置に光重合レジンを充填するのに使用して好適な光照射器の一例を説明するための図で、この光照射器(光重合ハンドピース)10は、歯牙1の細い根管1bの先端に光重合レジン5を充填するものであるため、光重合用の光を根尖位置まで導くために、光導体14は先細の細径14cに形成されており、そのため、不活性ガス噴射部14dは、根管の上部(根管径の大きい部分)に相当する部分に形成されており、該噴射部14dより噴射された不活性ガスは、細径の半導体14cと根管1bの内壁との間の隙間を通って根管先端(根尖位置)まで導かれ、該根尖位置を清掃し、更には、該根尖位置に充填された光重合レジン5を効果的に硬化させることができる。
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によると、歯牙に光重合レジンを充填して硬化する際、或いは、根尖部に光重合レジンを充填して硬化させる際、該充填位置にチッソガス、アルゴンガス等の不活性ガスを噴射するようにしたので、該光重合レジンをより強力にかつきれいに該歯牙に充填することができる。
【出願人】 【識別番号】000150671
【氏名又は名称】株式会社長田中央研究所
【出願日】 平成12年3月15日(2000.3.15)
【代理人】 【識別番号】100079843
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 明近 (外2名)
【公開番号】 特開2001−258904(P2001−258904A)
【公開日】 平成13年9月25日(2001.9.25)
【出願番号】 特願2000−71938(P2000−71938)