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【発明の名称】 硬質粒子噴射式研磨機用ノズル及び硬質粒子噴射式研磨機
【発明者】 【氏名】井上 耕一

【氏名】今里 州一

【要約】 【課題】本発明は、硬質粒子噴射式研磨機に使用される硬質粒子噴射式研磨機用ノズルの摩耗を抑え長寿命化し正確で作業効率のよい硬質粒子噴射式研磨機を提供することを目的とする。

【解決手段】図1に示すように先端部品1とノズル胴体2からなる硬質粒子噴射式研磨機用ノズルの先端部品1をTi、Ta、Nb、Hf、Cr、Vの炭化物、窒化物の1種または2種以上を含有し、残部がWCからなるWCを主体とするWC基硬質材料で形成し、ノズル本体に一体化して設けることにより硬質粒子噴射式研磨機用ノズルの摩耗が少なくなり、寿命が延びそれを用いる硬質粒子噴射式研磨機は作業が正確で効率が良くなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】細管状のノズル胴体先端に貫通孔を有する先端部品が設けられた硬質粒子を噴射する硬質粒子噴射式研磨機用ノズルにおいて、先端部品が、Ti、Ta、Nb、Hf、Cr、Vの炭化物、窒化物の1種または2種以上を含有し、残部がWCからなるWC基硬質材であることを特徴とする硬質粒子噴射式研磨機用ノズル。
【請求項2】先端部品がロー付け、溶接、接着、ネジ止め又は嵌合によりノズル胴体に接合されたことを特徴とする請求項1記載の硬質粒子噴射式研磨機用ノズル。
【請求項3】Co、NiおよびFeのうち1種または2種以上がWC基硬質材料の全量に対し1重量%未満(0を含まず)含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の硬質粒子噴射式研磨機用ノズル。
【請求項4】請求項1から請求項3のいずれかに記載の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルを有することを特徴とする硬質粒子噴射式研磨機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は虫歯治療等に用いられる硬質粒子噴射式研磨機に使用される硬質粒子噴射式研磨機用ノズルとそれを用いた硬質粒子噴射式研磨機に関する。
【0002】
【従来の技術】歯科治療では、虫歯菌により浸食された部分を除去する必要があるが、そのときアルミナ等の硬質粒子を圧縮空気を媒体として小口径のノズルから虫歯患部に高圧で噴射して患部を除去する硬質粒子噴射式研磨機が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アルミナ等の硬質粒子を患部に高速で噴射し、その粒子の運動エネルギーによる研磨作用を利用する硬質粒子噴射式研磨機では、硬質粒子が噴射されるノズル先端部に圧縮空気を媒体としたアルミナ等の硬質粒子が高速で衝突するのでノズル先端の摩耗が激しいという問題があった。本発明は、前記ノズル先端の摩耗を抑え正確な治療と作業効率のよい硬質粒子噴射式研磨機を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するためには、硬質粒子噴射式研磨機の噴射ノズル先端部の耐摩耗性を向上させなければならない。そのためには噴射ノズル先端部に硬質材料を使用する必要がある。アルミナ等の硬質粒子を噴射材料として使用する場合、種々実験の結果、ノズル先端部の材料としてHRA93(HV1900)以上の硬さを有する材料が必要であることが判明した。また、硬度が大きくても耐衝撃性が小さいと硬質粒子の衝突により破損するので耐衝撃性が大きいものでなければならず、更に口内で使用するのでノズル構成材料が有害であってはならない。そこで、硬質粒子噴射式研磨機の噴射ノズル先端部材として次のようなWC基硬質材料からなるものにすれば前記課題を解決できることがわかった。WC基硬質材料は、WCを主体とする炭化物とし、WCの一部を、硬度を向上させ微細で緻密な材料を得る目的でTi、Ta、Nb、Hf、Cr、Vの炭化物、窒化物、酸化物の1種または2種以上によって置換したものであり、さらに靭性や耐衝撃性を向上する目的で前記WC基硬質材料においてNi、Co、Cr、Fe等の鉄系金属からなる金属結合相を全量に対し、1重量%未満(0を含まず)含有した焼結体としてもよい。ここで、鉄系金属量が1重量%以上になると硬度が低下し耐食性、耐摩耗性が十分でないので1重量%未満(0を含まず)とするのが好ましい。また用いるWC粉末のWC粒子径は小さいほど高硬度の材料が得られるので、WC粒子径は10μmより小さい方が良い。噴射ノズル全体をWC基硬質材料で形成すれば良いのだが、複雑形状であるのと射出成形等で成形しても高価であるので、硬質粒子噴射式研磨機の細管状の噴射ノズル胴体を、加工性に富み、口内で使用しても錆、腐食の発生も少ないSUS316L等のオーステナイト系ステンレス鋼等で形成しそのノズル先端部に前記WC基硬質材料で形成された貫通細孔を有するスリーブをロー付、溶接、接着剤を用いて接着、ネジ止めもしくは嵌合にて接合し一体化し必要形状とすれば要求される耐摩耗性が得られる。そしてこの本発明の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルを使用した硬質粒子噴射式研磨機によれば、正確で効率のよい歯科治療が可能となる。
【0005】
【発明の実施の形態】請求項1記載の本発明は、細管状のノズル胴体先端に貫通孔を有する先端部品が設けられた硬質粒子を噴射する硬質粒子噴射式研磨機用ノズルにおいて、先端部品が、Ti、Ta、Nb、Hf、Cr、Vの炭化物、窒化物の1種または2種以上を含有し、残部がWCからなるWC基硬質材であることを特徴とする硬質粒子噴射式研磨機用ノズルである。本発明のノズルを使用すれば、圧縮空気を媒体とした硬質粒子が高速でノズル部に衝突しても従来のステンレス製の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルと比較すると耐摩耗性が向上し寿命が延びる。請求項2記載の本発明は、先端部品がロー付け、溶接、接着、ネジ止め又は嵌合によりノズル胴体に接合されたことを特徴とする請求項1記載の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルである。本発明のノズルは、他の方法で接合されたものより接合強度が大きく、圧縮空気を媒体とした硬質粒子が高速でノズル部に衝突しても容易に脱落することなく、従来のステンレス製の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルと比較しても耐摩耗性が向上し寿命が延びる。請求項3記載の本発明は、Co、NiおよびFeのうち1種または2種以上がWC基硬質材料の全量に対し1重量%未満(0を含まず)含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルである。本発明のノズルによれば、ノズル先端部品が金属相を含まないWC基硬質材料を使用したものより靭性があり耐衝撃性があるので、より長寿命である。請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルを有することを特徴とする硬質粒子噴射式研磨機である。本発明のノズルを有する硬質粒子噴射式研磨機を用いれば、従来の硬質粒子噴射式研磨機よりノズルの交換頻度が少なく、摩耗によりノズルの口径が広がりにくいので虫歯の治療が正確で効率よくできる。以下本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例WCを主成分としTiC、TiN、TaC等を含有する平均粒径0.3〜7μmの粉末と前記総重量に対してCo、NiまたはFeを総量で0.3重量%含有した平均粒径0.3〜7μmの粉末のそれぞれの粉末にこれらの粉末の体積以上の濃度95%エタノールを添加してボールミルにより粉砕、混合し、乾燥後使用形状にプレス成形した。これらを真空中1300℃〜1700℃にて焼結した。得られた焼結体を所定形状に加工し、レーザーや放電加工により直径1mmの硬質粒子噴射用貫通孔を設け、予めSUS316Lで製作しておいた噴射ノズル胴体の先端に嵌合により一体化して本発明の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルを作成した。これを硬質粒子噴射式研磨機に接続して平均粒径27μmのアルミナ粒子を圧縮空気により圧力0.8MPaで連続噴射を行い、従来のステンレス製の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルとの寿命を比較した。図1は本発明の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルを示す。図中、1は先端部品、2はノズル胴体を示す。
実施例1前記のようにして作成した本発明の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルで、先端部品がWC95重量%、TiC3重量%、TaC2重量%、Cr320.5重量%、残部不可避混入成分からなるWC基硬質材料を用いたものは、従来の先端部がSUS316Lステンレス鋼製のものと寿命を比較すると、本発明のものは約40倍寿命が延びた。その他、先端部品が、Ti、Ta、Nb、Hf、Cr、Vの炭化物、窒化物の1種または2種以上を含有し、残部がWCからなるWC基硬質材からなる本発明の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルでも同様の結果となった。
実施例2前記のように、SUS316Lで製作しておいた噴射ノズル胴体の先端に先端部品を嵌合により一体化して本発明の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルを作成したものは、ロー付け、溶接、接着又は先端部品の根元部に設けた雄ネジとノズル胴体先端に設けた雌ネジによるネジ止めによる本発明の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルと同様、加締め、絞り等の方法で固定するものより先端部品が脱落を起すことがなく、従来の先端部がSUS316Lステンレス鋼製のものと摩耗量を比較すると、本発明のものは約40倍寿命が延びた。
実施例3前記のようにCo、NiおよびFeのうち1種または2種以上がWC基硬質材料の全量に対し0.3重量%含有する硬質粒子噴射式研磨機用ノズルは、前記鉄族元素を含まない本発明の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルより硬度は低下するが靭性が大きいので、他の器具にぶつけたり、落下させて先端部品に衝撃が加わっても破損することはなかった。従来の先端部がSUS316Lステンレス鋼製のものと摩耗量を比較すると、本発明のものは約40倍寿命が延びた。
実施例4前記のように、硬質粒子噴射式研磨機用ノズルを有する硬質粒子噴射式研磨機は、従来の先端部がSUS316Lステンレス鋼製の硬質粒子噴射式研磨機用ノズルを有する硬質粒子噴射式研磨機と比較すると、約40倍寿命が延び、ノズルの交換頻度が従来の約1/40となり、ノズルの口径が摩耗により大きくならず正確で効率よく作業ができる。
【0006】
【発明の効果】硬質粒子噴射式研磨機において噴射ノズルのノズル先端部に、本発明WC基硬質材料性ノズルを使用することにより、ノズルの寿命が従来の鉄系ノズルに比べ約40倍と長くなり、虫歯治療中のノズル交換頻度を押さえることができ作業効率がよくなる。また本発明WC基硬質材料製ノズルを使用することにより、近年問題となっている金属の人体に及ぼす影響として、コバルト金属による発癌性の問題、またニッケルによる金属アレルギーの問題もきわめて低減しあるいは無くすことができる。
【出願人】 【識別番号】000229173
【氏名又は名称】日本タングステン株式会社
【出願日】 平成12年3月3日(2000.3.3)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−245902(P2001−245902A)
【公開日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【出願番号】 特願2000−63306(P2000−63306)