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【発明の名称】 歯科用スリーウェイ・シリンジ
【発明者】 【氏名】宮原 哲也

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 歯科用ユニットから圧力水と圧縮空気の供給を受けるべく歯科用ホースを介して歯科用ユニットに接続される歯科用スリーウェイ・シリンジにおいて、歯科用ユニットの水回路内に存在するバクテリアがノズルから流出するのを阻止するためのフィルターをノズル取付部に配置したことを特徴とする歯科用スリーウェイ・シリンジ。
【請求項2】 前記ノズルはノズル取付部によりシリンジ本体に着脱可能に取付けた使い捨て式ノズルからなり、前記フィルターもまた使い捨て可能にノズルに装着されていることを特徴とする請求項1に基づく歯科用スリーウェイ・シリンジ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科処置に際して歯牙に水やスプレーを吹き付けて歯牙を洗浄・清掃したり歯牙に空気を噴射したりするために使用する歯科用スリーウェイ・シリンジに関する。
【0002】
【従来の技術】歯科医院や歯科診療所に設置された歯科用ユニットの水回路は公共水道の水道管に接続してあり、歯科処置の際に歯科用ユニットの歯科用ハンドピースや歯科用スリーウェイ・シリンジやスピットン装置などに洗浄水や冷却水を供給するようになっている。
【0003】歯科用ハンドピースや歯科用スリーウェイ・シリンジやスピットン装置は間欠的にしか使用されず、かつ、流量も少ないので、歯科用ユニットの水回路内の水は大抵は滞留状態にある。このため、水道水に混入したバクテリアが歯科用ユニットの水回路の配管の内周面に付着して、バイオフィルムと呼ばれる微生物層を形成しやすい。
【0004】歯科処置にあたり歯科用ハンドピースや歯科用スリーウェイ・シリンジが使用され、歯科用ユニットの水回路からこれらの歯科用機器に水が供給されると、水の流動に伴いバクテリアがバイオフィルムから遊離し、遊離したバクテリアは洗浄水やタービン冷却水に同伴して患者の口腔内に給配される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、歯科医療界においては、歯科用ユニットの水回路のバクテリア汚染が無視できない問題として取り上げられており、歯科用ハンドピースや歯科用スリーウェイ・シリンジから流出したプソイドモナス菌やレジオネラ菌や非結核性ミコバクテリアのようなバクテリアによる感染が重大な関心事になっている。
【0006】本発明の目的は、歯科用ユニットの水回路のバクテリア汚染にも拘わらず、患者への感染を防止することの可能な歯科用スリーウェイ・シリンジを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、歯科用ユニットから圧力水と圧縮空気の供給を受けるべく歯科用ホースを介して歯科用ユニットに接続される歯科用スリーウェイ・シリンジにおいて、歯科用ユニットの水回路内に存在するバクテリアがノズルから流出するのを阻止するためのフィルターをノズル取付部に配置したことを特徴とするものである。
【0008】バクテリア濾過用のフィルターを歯科用ユニット内に設けた場合には、フィルターから歯科用スリーウェイ・シリンジのノズルの先端までの間にはかなり長い距離があるので、その間でバクテリアが増殖するおそれがある。しかしながら、本発明によれば、歯科用ユニットの水回路の最末端に位置し、患者の口腔に最も近いスリーウェイ・シリンジのノズル取付部にフィルターを配置したので、バクテリアの流出を有効に防止することができる。また、このようにノズル取付部にフィルターを配置することにより、フィルターを容易に交換することが可能になる。
【0009】好ましい実施態様においては、ノズルはノズル取付部によりシリンジ本体に着脱可能に取付けた使い捨て式ノズルからなり、フィルターもまた使い捨て可能にノズルに装着されている。
【0010】
【発明の実施の形態】図1を参照しながら本発明の第1実施例を説明する。本発明の歯科用スリーウェイ・シリンジ10は、手で把持するようになった細長い本体12と、この本体12に着脱自在に装着されたノズル部14を備えている。本体12の後端には歯科用ユニット(図示せず)から延長する歯科用ホース16が接続してあり、歯科用ユニットから圧力水と圧縮空気の供給を受けるようになっている。
【0011】本体12内には、歯科用ホース16内の水通路および圧縮空気通路(図示せず)に夫々連通する水通路18および圧縮空気通路20が形成してある。図面には示さないが、これらの通路18および20には、操作ボタン22によって操作される従来型の2つの制御弁が設けてあり(図1には、一方の制御弁の操作ボタンのみが現れている)、操作ボタン22を押すことによりノズルから水又は圧縮空気を噴射するようになっている。周知のように、圧縮空気制御弁の操作ボタン22を押せばノズルからは圧縮空気のみが噴射され、水制御弁の操作ボタン22を押せばノズルからは水のみが噴射され、圧縮空気制御弁の操作ボタンと水制御弁の操作ボタンを同時に押せばノズルからは水と圧縮空気の混合物であるスプレー又はミストが噴射される。
【0012】ノズル部14は、二重管構造のノズル24と、このノズル24を本体12に取付けるためのノズル取付部として作用する保持ナット26とで構成されており、ノズル24は溶接又は接着などにより保持ナット26に固定されている。保持ナット26には本体12の先端に設けた雄ねじ28と噛み合う雌ねじ30が形成してあり、保持ナット26を本体12に螺合することによりノズル部14が本体に着脱可能に固定される、【0013】保持ナット26の中央には、二重管構造のノズル24の中央送水管32と本体の水通路18とに整列した空洞34が形成してある。保持ナット26の空洞34内には、数マイクロメートル〜拾数マイクロメートルの孔隙サイズを有する微多孔性のフィルター36が収容してある。
【0014】中央空洞34から半径方向外側にオフセットした位置において、保持ナット26にはほぼ軸方向に延長する圧縮空気通路38が形成してあり、二重管構造のノズル24の中央送水管32と外管40との間に形成された圧縮空気通路42を本体12の圧縮空気通路20に連通させるようになっている。
【0015】使用時には、歯科用スリーウェイ・シリンジ10には歯科用ホース16を介して圧力下の水道水と圧縮空気が常時供給される。従来技術のスリーウェイ・シリンジと同様に、本体12に設けた操作ボタン22を適宜操作することにより、圧縮空気噴射モード、水噴射モード、或いはスプレー噴射モードでシリンジを作動させ、所望の作用流体を噴射させることができる。
【0016】前述したように、フィルター36は数マイクロメートル〜拾数マイクロメートルの孔隙サイズを有するので、バクテリアを濾過することができ、水通路18から送られて来た水に浮遊するバクテリアがノズル24から流出するのを阻止することができる。従って、歯科用ユニットの水回路や歯科用ホース16がバクテリアで汚染されたとしても、スリーウェイ・シリンジ10のノズル24からバクテリアが流出することがない。
【0017】保持ナット26に装着したフィルター36は必要に応じて新たなフィルターと交換することができる。この実施例の変化形として、保持ナット26とフィルター36を透明に構成することができる。このように透明にすれば、フィルターを監視することによりフィルターの交換時期を知ることができる。
【0018】図2には本発明の第2実施例に係る歯科用スリーウェイ・シリンジを示す。この第2実施例はノズル24とフィルター36を使い捨て式に構成したことを特徴としている。図2においては図1に示した第1実施例の構成要素と共通する構成要素は同じ参照番号で示し、相違点のみ説明するに、本体12の先端には螺合などによりノズルホルダー44が固定してあり、このノズルホルダー44に保持ナット26が螺合されるようになっている。
【0019】この第2実施例においては、ノズル24は使い捨て可能にプラスチックで形成してある。ノズル24の中央送水管32の後端には、フィルター固定用金具46により使い捨て式フィルター36が一体的に固定してある。従って、図示した構造のフィルター付きノズル24が構成される。
【0020】ノズルホルダー44の先端にはスリット加工により例えば四つ割り型のコレットチャック48が形成してある。ノズルホルダー44の中央には、本体12の水通路18に連通する空洞50が形成してある。図2(B)に示したようにノズルホルダー44の中央空洞50内にフィルター36とノズル24の後端を挿入し、保持ナット26をノズルホルダー44に螺合すると、コレットチャック48が締め付けられ、ノズル24を把持する。
【0021】この第2実施例に係るスリーウェイ・シリンジの流体噴射の態様は第1実施例と同様である。使用後は、保持ナット26を弛めることにより、使用済みのフィルター36付きノズル24を取り外して廃棄処分に付し、新たなフィルター36付きノズル24を装着する。
【0022】
【発明の効果】本発明は、患者の口腔に最も近いスリーウェイ・シリンジのノズル取付部にフィルターを配置したので、フィルターの下流にはバイオフィルムの形成を許容する長い管路が存在しない。従って、バクテリアの流出を有効に防止することができ、患者の感染を確実に抑制することができる。また、フィルターをノズル取付部に配置したので、フィルターを容易に交換することができる。
【出願人】 【識別番号】591179101
【氏名又は名称】株式会社ミクロン
【出願日】 平成12年1月18日(2000.1.18)
【代理人】 【識別番号】100090099
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 宏
【公開番号】 特開2001−198144(P2001−198144A)
【公開日】 平成13年7月24日(2001.7.24)
【出願番号】 特願2000−9134(P2000−9134)