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【発明の名称】 モデル用の保持体
【発明者】 【氏名】トーマス ハーゼンツァール

【要約】 【課題】始めは成形可能でその後ほぼ固まる材料からなるモデル用の保持体を改良して、モデルを最適な形式で固定できるような保持体を提供する。

【解決手段】保持体1が、モデル2に面した側の上側面3を有しており、該上側面3に、前記モデル2の、まだ加工成形可能な材料を収容する凹部4が設けられており、該凹部4がアンダーカットされずに形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 始めは成形可能でその後ほぼ固まる材料からなるモデル(2)用の保持体(1)において、該保持体(1)が、モデル(2)に面した側の上側面(3)を有しており、該上側面(3)に、前記モデル(2)の、まだ加工成形可能な材料を収容する凹部(4)が設けられており、該凹部(4)がアンダーカットされずに形成されていることを特徴とする、モデル用の保持体。
【請求項2】 前記凹部(4)がモデル方向に沿って並進対称的な構成、特に溝を有している、請求項1記載の保持体。
【請求項3】 前記凹部(4)が側壁を有しており、該側壁が保持体(1)の上側面(3)に対する垂直方向に対して10°より小さい角度をなすように構成されている、請求項1または2記載の保持体。
【請求項4】 保持体(1)の上側面の粗さが、保持体(1)とモデル(2)との間の形状接続を回避するほど小さい、請求項1から3までのいずれか1項記載の保持体。
【請求項5】 モデル(2)とは反対側の下面に接続部材が、有利には保持装置に固定するために設けられている、請求項1から4までのいずれか1項記載の保持体。
【請求項6】 前記凹部(4)が、保持体(1)の上側面全体にわたって延在する多数の長手方向溝の形で設けられている、請求項1から5までのいずれか1項記載の保持体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、始めは成形可能でその後ほぼ固まる材料からなるモデル用の保持体に関する。
【0002】
【従来の技術】歯列または歯列の一部の印象に基づいて、モデルを印象に石膏またはモデル用シリコンを注型することによって製造することは公知である。この場合モデル材料の硬化後モデルは保持体に堅固に接着される。別の加工としてとりわけ、歯科的なCAD/CAM方法での測定データを使用するために歯列のモデルの光学的な測定も考えられる。光学的な測定を行うためにこのモデルは機械内に固定されなければならない。最良な処理を保証するために、全過程を迅速にかつ簡便に実施でき、同時に型をとった歯列の個々の歯を観察または加工するために切り離しできかつまた再び正確な位置関係に組み付けることが重要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、冒頭に記載した形式のモデル用の保持体を改良して、モデルを最適な形式で保持体に固定できるようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために本発明では、保持体が、モデルに面した側の上側面を有しており、該上側面に、前記モデルの、まだ加工成形可能な材料を収容する凹部が設けられており、該凹部がアンダーカットされずに形成されている。
【0005】
【発明の効果】このような凹部は、モデルからの保持体の分離がモデル材料の硬化後に可能であり、保持体とモデルとが所定の力で互いに結合されるように圧縮されるように形成されている。モデルの硬化後にこのモデルを印象から取り外すことができ、この場合モデルを次いで保持体からも取り外すこともできる。これによりモデルを所望の形にすることができ、または分割することもできる。分割した場合、これらの部分は再び保持体に位置決めすることができる。
【0006】凹部がモデル方向に沿って並進対称的な構造体、特に溝を有している場合には、モデルを保持体上で長手方向に移動させることができる。これによりモデルの規定された部分をさらに加工するために適した、保持体の位置に移動させることができる。したがって位置決め可能性は長手方向で改良される。さらに凹部が複数の溝を有している場合、モデルを種々異なる溝に配置することができるので、相前後して位置決め可能性がさらに高められる。
【0007】本発明の改良形態として凹部が側壁を有しており、これらの側壁が保持体の上側面に対する垂直方向に対して10°より小さい角度をなすように構成されている。このような小さな角度、有利には7°より小さい、特に5°の角度は保持体の、モデルと接触する上側面を拡大する。これにより平坦な上側面においてより高い固着力が達成される。さらにこのような形式の小さな角度はセルフロック効果を生ぜしめ、これによりモデルは堅固にしかし解除可能に保持体に載置される。有利にはモデルとの形状接続を回避するために保持体の上側面の粗さはできるだけ小さくされている。保持体の材料は有利にはプラスチックまたはアルミニウムである。モデル材料としてはモデル用シリコンまたは石膏があげられている。
【0008】モデルを備えた保持体を良好に扱うために保持体はモデルとは反対側の下側面に接続部材を有しており、この接続部材は有利には測定装置の保持装置に固定するために働く。
【0009】有利な形式では凹部は保持体の上側面全体にわたって延在する多数の長手方向溝の形で設けられており、したがって種々異なる溝にモデルを被せ嵌めることによって、位置決め可能性は長手方向だけでなく保持体に対して直交する方向にも提供されている。
【0010】外側の溝が同じ幅であるか、または内側の溝よりも狭く形成されている場合には、種々異なる溝にモデルを被せ嵌めることによって、モデルを種々異なる位置に配置することができ、この場合外側のウェブの被せ嵌めが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を図面に記載した実施例に基づき詳説する。
【0012】図1にはモデル2用の保持体1が示されている。モデル2に面した上側面3には長手方向溝の形の凹部4が加工されている。これらの凹部4は保持体1の長さ全体にわたって延在していて、両側で開放されている。
【0013】凹部として基本的には上側面拡大を生ぜしめ有利には凹部が保持体のセルフロック効果を利用するように構成されたあらゆる種類の構造を使用することができる。したがって溝の代わりに基本的には円錐形状の凹部を設けることもできる。このような凹部は例えば規則的な間隔で保持体上に分配されている。にもかかわらずこれらの溝は次のような利点を有している。すなわちモデルの移動が無段階式に可能であり、それに対して長手方向に中断された凹部の場合、必要とあらば少しずつの位置決めも可能である。いずれにしてもモデル2を位置固定して保持体1に配置したい場合、凹部は一義的な構造として構成されていてよく、そのため周期的ではなく配置された構造に特に適している。これにより種々異なる溝幅および/またはウェブ幅を有する横方向溝であってもよい。
【0014】保持体の上側面3は、特に平坦であるとして特徴付けることができるほどのわずかな粗さを備えた上側面を有しており、これにより保持体の上側面とモデルとの間の形状接続(形状に基づく嵌合:Formschluss)が提供されることはない。
【0015】モデル2は保持体1に面した側の下側面5に突出部6を有しており、これらの突出部6はほぼ保持体1の凹部4に相応している。
【0016】図2には長手方向に向けられた溝4を側方から見た保持体1が示されている。この図からは溝4が基部7に向かって先細りしていて、角度αが10°、有利には7°よりも小さく構成されているのが分る。溝4の深さtが溝4の幅bもしくはb´の複数倍であるので、したがって上側面3と溝4の境界面とは保持体1の基本面の複数倍である。
【0017】さらに2つの溝4の間にはそれぞれ1つのウェブ3.1が配置されており、かつ外側の溝は細いウェブ3.2によって制限されているのが分る。図1に示したモデル2は突出部6でウェブ3.2をもこえて広がっており、外側のウェブ3.2の幅は隣接するウェブの幅よりも小さく、相応してモデルの突出部6も異なって形成されているので、ジオメトリ的な寸法に基づきモデル2は保持体の横方向に関連して1つの状態でのみ保持体上に配置することができる。しかし外側のウェブ3.2を越えて突き出した突出部6が形成されていないかもしくは外側に位置する突出部6が取り払われているように保持体1を形成することも難なく可能である。これにより残ったモデルは種々異なる溝を設けることによって保持体上で横方向にも位置決め可能である。
【0018】さらに保持体1の上側面8にボールヘッド9が設けられている。ボールヘッドの効果については後で詳説する。
【0019】図3には連続する歯列を有する、顎部の印象11からのモデルの製造が示されており、この場合印象11は保持フレーム11に固定されている。この印象11は図面の右側においてモデル材料13、有利にはモデル用シリコンで部分的に充填されている。このモデル材料13は歯の輪郭に相応した空洞14を充填することができるように、ひいてはできるだけ忠実に模倣できるようにこの方法段階ではまだやわらかい。保持体1は長手方向溝4が成形された上側面3で、まだやわらかいモデル材料13の裏側に押し付けられ、その結果溝4の形の凹部に相補的な、突出部の構造がモデル材料13に写しとられる。
【0020】この構造は、硬化したモデル材料13から形成されたモデルへの固着に基づき保持体をモデルと一緒に印象11から取り出すことができるように、歯の方向に沿ってつまり顎部に沿って並進対称的にかつ歯方向に対して直交する方向で見てのこぎり刃形もしくは台形状に形成されている。
【0021】硬化したモデル材料13を印象11から取り出すために印象11は可逆式に成形されており、これにより場合によっては生じる、モデルと印象との間の形状接続が排除される。
【0022】図4には印象11から取り出された後の、保持体1に固定されたモデル2が示されており、この場合側方縁部はすでにきれいに切除されている。
【0023】上側面3の特別な構造に基づいて、モデル2をモデル材料の硬化後に保持体1から取り除くことが可能であり、このことは図1に示されている。
【0024】保持体1から取り外されたモデル2を支台部境界面および患部の近接領域を露出させるために切断することもできる。モデル材料としてモデル用シリコンを使用している場合、材料損失なく切削することができるので、空間的な配属は保たれる。モデル材料として石膏を用いた場合にはのこぎり切削が行われ、こののこぎり切削は完全には行われず、破損個所を形成する残留材料は残される。石膏モデルの破損は同様に材料損失なく行われる。その結果石膏モデルを破損箇所において再び継ぎ目なくジオメトリ的な関係の回復のもとで互いに配置することができる。
【0025】モデルまたはモデル部分2a、2b、2cの加工後モデルは圧縮することによって保持体1と結合されて凹部4を有する保持体1の上側面3の特別な形状に基づき固着による摩擦接続が生ぜしめられる。溝4の並進対称的な構成に基づき個々のモデル部分2a、2b、2cを所定の力作用で長手方向に移動させることができ、これにより保持体1または相応の上側面3に設けられた別の収容部(図示せず)におけるモデル部分の自由な位置決めが可能である。このことは図5に示されている。
【0026】図6ではモデル部分2a,2b、2cから組み立てられたモデル2が保持体1に取り付けられており、互いに対面している上側面と下側面5もしくは凹部4と突出部6とが互いに係合している。
【0027】モデル2に備えられる保持体1を保持装置15に組み付けることができる。この保持装置15自体は測定装置のスピンドル(図示せず)に緊締するための緊締ピン16を有している(図7参照)。さらに保持体2のボールヘッド9はスリット17内に挿入されており、ねじ1の形の調整手段を介してスリット17内にクランプ締結されている。このスリット17内でボールヘッド9を良行なガイドを保証するために、スリット17の側壁が切り込まれており、これによりボールヘッドは全部で4つの接触点でスリット17の側壁に接触している。これによりねじ18を幾分緩めた際に、保持体1に配置されたモデル1の、ボールヘッド9を中心にした旋回によって位置の規定が可能である。最終位置に達した場合にねじ18は締結され、ボールヘッドはスリット17のその位置に固定される。ねじ18の代わりに、ボールヘッド9をスリット17に簡単に緊締する速動スパナ(Schnellspanner)を使用することもできる。
【0028】スリット17におけるボールヘッド9の移動可能性によってボールヘッド9を図8に示したように、緊締ピン16の長手方向軸線20に対して垂直である中央の観察軸19上に移動させることができる。この観察軸線19および長手方向軸線20はこれら軸線の交差点において中心21を形成している。この中心点21は観察装置(図示せず)によって特に良好に検出される。したがって保持体1の旋回動は観察装置の中心に行われ、これにより簡単な方向付けが可能である。
【0029】ボールヘッド9と、スリット17の側壁に設けられた燕尾状溝との代わりに、定義づけられた少なくとも4つの接触点を介して緊締される別のジオメトリ的な形を使用してもよい。
【0030】汎用の形式ではのこぎり切断によるモデルを製造するためにだけモデルを保持体から取り外す必要がある。この場合モデルは経験から言って数回、概して5回以下の回数、保持体から取りはずされるだけであり、その結果モデルを保持体に結合することは十分に堅固に行われる。本発明によって歯列をのこぎり加工または破断または切除によって個々の歯に分離させ、再び正確に以前あった位置関係で保持体に組み付けることが可能になった。このような特性に基づき保持体上に配置されたモデルはフルオートマティックな測定装置において使用することも観察装置を用いた、手動による光学的な方向付けにも最適である。
【0031】接続部材がモデルとは反対側の下側面に配置されていることによって保持体1を、良好にモデル材料で充填された印象内に押し込むことができ、ついで接続部材を用いてモデルと一緒に印象から取り出すことができる。
【0032】始めは成形可能でその後ほぼ固まる材料から成るモデル2を保持体1に固定するための方法は、保持体1が、モデルに面する側の凹部4を有する上側面3でモデル2のまだ加工成形可能な材料に押し込まれ、保持体1への材料の固定後モデル2がモデル型11から取り除かれ、モデル2が保持体1から取り出され再び保持体1に載置され、そこで凹部4により固定されることによって実現される。
【0033】さらにモデル2は例えば別の加工を可能にするために、保持体1から取り除かれた後、少なくとも2つの部分に分割することができる。なお本発明による保持体は歯科学研究所や歯医者等において使用可能である。
【出願人】 【識別番号】398063696
【氏名又は名称】ジロナ デンタール システムス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】SIRONA Dental Systems GmbH
【出願日】 平成12年11月13日(2000.11.13)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄 (外4名)
【公開番号】 特開2001−178746(P2001−178746A)
【公開日】 平成13年7月3日(2001.7.3)
【出願番号】 特願2000−345064(P2000−345064)