| 【発明の名称】 |
ダウエルピン |
| 【発明者】 |
【氏名】遠藤 茂登男
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| 【要約】 |
【課題】ダウエルピンの植設作業を簡単化する。
【解決手段】ダウエルピン300は足長で断面が長方形状のピン本体部301と、ピン本体部301の上端に突設された円柱状の首部302と、首部302の外周に付着したプラスチックフィルム303から成る。ピン本体部301と首部302はステンレス鋼により一体的に形成されている。首部302の外周に付着したプラスチックフィルム303により、石膏歯形模型のダウエルピン植設穴に首部302を差し込むと、大きな摩擦力が働き、強固に固着させることができる。プラスチックフィルム303の首部302への付着は、裏面に接着層の付設されたプラスチックフィルム303を首部302の外周に1ないし数回巻き付けるだけで簡単に行える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ピン本体部と歯形模型に穿設した穴の中に差し込まれる首部とを有するダウエルピンにおいて、首部の外周にプラスチックフィルムを付着したこと、を特徴とするダウエルピン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【技術分野】本発明は歯形模型に植設されるダウエルピンに係り、とくに歯科治療で用いられる石膏製の歯形模型へダウエルピンを植設する作業の負担を軽減可能なダウエルピンに関する。 【0002】 【従来の技術】歯科治療に用いるクラウン等の補綴物の成形は次のようになされる。まず、患者の口腔内でメス歯形を形成し、該メス歯形に石膏を流してオス形の石膏歯形模型を形成する。この石膏歯形模型の底面を平滑に仕上げる(一次石膏模型とも呼ばれる)。次に、石膏歯形模型の底面に補綴物の支台歯に対応する部分を含めて1〜複数本のダウエルピンを植設し、かつ、石膏歯形模型の底面に離剥剤を塗布したのち、ダウエルピンを埋設するようにして石膏歯形模型の下側に石膏台(二次石膏模型とも呼ばれる)を増設する。そして、上の石膏歯形模型の内、補綴物の支台歯に対応する部分の両側を石膏台に届くまで切断し、当該支台歯に対応する部分(以下、部分模型という)を石膏台に対し着脱自在にして取り扱い易くする。このあと、石膏歯形模型の内、当該部分模型を石膏台から取り外し(石膏台にはダウエルピンが在った部分に穴が空く)、該部分模型の必要箇所をトリミングしたり、石膏歯形模型の内、当該部分模型の両脇をトリミングしたりして整形する。そして、当該部分模型を石膏台に戻し(ダウエルピンを石膏台の穴に差し込む)、ワックスにより補綴物の形態を付与し、さらにロストワックス法により前記ワックスを金属等に置き換えることで補綴物を成形する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このように、補綴物の成形には多数の工程を手作業で行う必要があり、各工程の効率化が求められている。とくに、複数のダウエルピンを石膏歯形模型に植設する作業は、ダウエルピンの小さな首部に接着剤を塗布したあと、石膏歯形模型のダウエルピン植設穴に差し込み、自然乾燥により固着させるという細かな時間の掛かる作業を繰り返さなければならず、作業者の負担が大きかった。本発明は上記した従来技術の問題に鑑み、ダウエルピンの植設作業を簡単化できるダウエルピンを提供することを、その目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載のダウエルピンでは、ピン本体部と歯形模型に穿設した穴の中に差し込まれる首部とを有するダウエルピンにおいて、首部の外周にプラスチックフィルムを付着したこと、を特徴としている。請求項1によれば、予め、ダウエルピンのメーカ側で首部の外周にプラスチックフィルムを設けておけば、歯科技工作業において作業者がダウエルピンの首部を石膏歯形模型のダウエルピン植設穴に差し込むだけで、プラスチックフィルムと穴壁との間に大きな摩擦力が働いて強固に固定される。よって、1つの石膏歯形模型に多数のダウエルピンを植設する場合でも簡単かつ迅速に行うことができ、従来の如く、一々、ダウエルピンの首部に接着剤を塗布し、ダウエルピン植設穴に差し込んだあと、自然乾燥させるという手間と時間を掛けずに済むので、作業効率が飛躍的に向上する。たとえば裏面に接着層を設けたプラスチックフィルムをダウエルピンの首部の外周に巻きつけたり、或いは、プラスチックフィルムを首部に巻きつけながら電熱または超音波振動で融着するなどして簡単に形成でき、量産が容易となる。 【0005】 【発明の実施の形態】図1は本発明の1つの実施の形態に係るダウエルピンの外観斜視図である。図1に示す如く、ダウエルピン300は足長で断面が長方形状のピン本体部301と、ピン本体部301の上端に突設された円柱状の首部302と、首部302の外周に付着されたプラスチックフィルム303から成る。ピン本体部301と首部302はステンレス鋼により一体的に形成されている。首部302の外周に付着したプラスチックフィルム303により、石膏歯形模型のダウエルピン植設穴(図6の符号101参照)に首部302を差し込むと、大きな摩擦力が働き、強固に固着させることができるようになっている。プラスチックフィルム303の首部302への付着は、例えば図2の組立斜視図に示す如く、裏面に接着層304の形成されたプラスチックフィルム303を首部302の外周に1ないし数回巻き付けるだけで簡単に行える。なお、接着層304の無いプラスチックフィルム303であっても、首部302の外周に巻きつけながら電熱または超音波振動により溶着することで簡単に付着でき、量産も容易にできる。プラスチックフィルム303には、ポリ塩化ビニルフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、接着性ポリオレフィンフィルム、EVA、エチレンコポリマーフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレンエチルアクリレート樹脂フィルム、シリコン樹脂フィルムなどを初めとして、市販されている種々の種類が適用できる。 【0006】図3は石膏歯形模型にダウエルピン植設穴を穿設する加工装置の正面図、図4は図3の一部省略した平面図である。図3、図4において、1は方形の基台、10、20、30、40は基台1の上に垂設された4本の支柱であり、この内、支柱10と20は基台1の内、ほぼ中央の左右2か所に対象に配置されており、各々、上部に小径で円柱状のガイド部11、21が形成されており、該ガイド部11、21の下端の段部がバネ座12、22となっている。一方、支柱30と40は基台1の内、手前寄りの左右2か所に対象に配置されており、各々、上部にガイド穴31、41が形成されている。50は方形で平板状の可動テーブルであり、支柱10、20、30、40により水平を保った状態で昇降自在に支持されている。すなわち、可動テーブル50の中央の左右2か所にはガイド部11、21が摺動自在に嵌合するガイド穴51、52が形成されている。また、可動テーブル50の下面側で手前寄りの左右2か所にはガイド穴31、41に摺動自在に嵌合するガイド部53、54が垂直に突設されている。そして、可動テーブル50のガイド穴51、52は各々支柱10、20のガイド部11、21に嵌合され、ガイド部53、54は各々支柱30、40のガイド穴31、32に嵌合されている。支柱10、20のバネ座12、22と可動テーブル50の間には各々、可動テーブル50を上方へ付勢するコイルバネ13、23が介装されている。また、可動テーブル50の下方への移動は下面が支柱30、40の上端面に当接する位置で制限されるようになっている。 【0007】60、70、80、90は各々基台1の略中央、奥寄り、手前斜め左寄り、手前斜め右寄りの4か所に装着されたドリル取り付け用の取付台である。取付台60には可動テーブル50の丁度中央の真下にあたる位置に垂直上向きに第1の切削手段(ここでは第1のドリル切削手段)としてのドリル61が設置されている。取付台70には水平方向手前向きに第2の切削手段(ここでは第2のドリル切削手段)の1つとしてのドリル71が設置されている。取付台80には正面から見て右斜め上向きでかつ真上から見て右斜め後ろ向きに第2の切削手段(ここでは第2のドリル切削手段)の1つとしてのドリル81が設置されている。取付台90には正面から見て左斜め上向きでかつ真上から見て左斜め後ろ向きに第2の切削手段(ここでは第2のドリル切削手段)の1つとしてのドリル91が設置されている。 【0008】ドリル61は、取付台60に固定された支枠62と、支枠62に固定されたモータ63と、モータ63の回転軸に固定されたチャック64と、チャック64に着脱自在に固定された切削工具としてのドリル刃65から成る。ドリル刃65は垂直真上に向いている。可動テーブル50がコイルバネ13、23により上方へ付勢されて待機位置にあるとき(図3の実線a参照)、ドリル刃65の先端は可動テーブル50の下面より下に位置しており、可動テーブル50が作業者により押し下げられて制限位置まで降下したとき(図3の二点鎖線b参照)、ドリル刃65の先端は可動テーブル50に設けられたY字形の開口55を通して可動テーブル50の上面より上方に所定の長さ(ダウエルピン300の植設に必要な長さ)だけ突き出るようになっている。 【0009】ドリル71は、取付台70に固定された支枠72と、支枠72に固定されたモータ73と、モータ73の回転軸に固定されたチャック74と、チャック74に着脱自在に固定された切削工具としてのドリル刃75から成る。ドリル刃75は水平に真正面を向いている。ドリル81は、取付台80に固定された支枠82と、支枠82に固定されたモータ83と、モータ83の回転軸に固定されたチャック84と、チャック84に着脱自在に固定された切削工具としてのドリル刃85から成る。ドリル刃85は正面から見て右斜め上向きでかつ真上から見て右斜め後ろ向きに配置されている。ドリル91は、取付台90に固定された支枠92と、支枠92に固定されたモータ93と、モータ93の回転軸に固定されたチャック94と、チャック94に着脱自在に固定された切削工具としてのドリル刃95から成る。ドリル刃95は正面から見て左斜め上向きでかつ真上から見て左斜め後ろ向きに配置されている。ドリル刃75、85、95の先端はドリル刃65の途中に向けて別々の方向から近接するように配置されており、この実施の形態の場合、ドリル刃65の途中で該ドリル刃65の先端から所定の一定距離離れた同じ位置に近接するように配置されている。可動テーブル50が下方制限位置まで降下したとき、水平なドリル刃75は開口55を通って丁度直径と等しい高さ分が可動テーブル50の上面から上に出るようになっており、斜め上向きのドリル刃85、95は丁度先端部分が開口55を通って可動テーブル50の上面から上に出るようになっている。 【0010】次に、上記の如く構成されたダウエルピン及び加工装置を用いた補綴物の制作方法を説明する。 (1)穴加工まず、患者の口腔内でメス歯形を形成し、該メス歯形に石膏を流して図4に示す如くオス形の石膏歯形模型100を形成する。この石膏歯形模型100の底面を平滑に仕上げたのち、可動テーブル50の上に載せ(図3参照)、位置合わせをする。具体的には、たとえば石膏歯形模型100の内、補綴物の支台歯に対応する模型歯をAとすると、該模型歯Aがドリル刃65の直上に来て、かつ真上から見て模型歯Aの正面中心がドリル刃75の軸と合致するようにする(図5参照)。そして各ドリル61、71、81、91のモータ63、73、83、93を駆動してドリル刃65、75、85、95を回転させる。 【0011】この状態で作業者が石膏歯形模型100がずれないように注意しながらコイルバネ12、22に抗して可動テーブル50を押し下げ制限位置まで降下させる。すると、可動テーブル50の開口55を通して、ドリル刃65、75、85、95の全部または一部が可動テーブル50の上面より上に出て、各々石膏歯形模型100の底面の内、模型歯Aの真下の部分の切削が行われる。切削後、可動テーブル50の押し下げ力を解放すればコイルバネ13、23の復元力により可動テーブル50が上昇して所定の待機位置に戻り、ドリル刃65、75、85、95が石膏歯形模型100から抜ける。 【0012】この切削の結果、図6に示す如く、ドリル刃65により、所定深さのダウエルピン植設穴101が穿設される。ドリル刃75により、当該ダウエルピン植設穴101の近くから石膏歯形模型100の内、模型歯Aの正面方向の端まで長溝状の所定深さの凹部102が穿設される。更にドリル刃85と95により、ダウエルピン植設穴101の近くの斜め後ろ2か所に所定深さの凹部103と104が刻設される。これらのダウエルピン植設穴101、凹部102、凹部103と104は一回の作業で同時に形成されるため、作業者の負担が少ない。また、これらのダウエルピン植設穴101、凹部102、凹部103と104は可動テーブル50を支柱30、40の上端に当接するまで押し下げるだけで各々、所定の所望深さに形成できるので、目分量で可動テーブル50の降下位置を調整しなくて済む。治療対象の歯が他にも有れば模型歯Aの場合と全く同様にして穴加工する。ここでは説明の便宜上、模型歯Aの部分についてだけ穴加工するものとする。 【0013】(2)ダウエルピンの植設と石膏台の増設穴加工後の石膏歯形模型100に対し、図1に示すダウエルピン300のピン本体部301を掴み、首部302をダウエルピン植設穴101に差し込むことでダウエルピン300を植設する。ダウエルピン300の首部302の外周にはプラスチックフィルム303(図1参照)が付着してあるため、ダウエルピン植設穴101の穴壁とプラスチックフィルム303との間に大きな摩擦力が働き、強固に固着する。よって、接着剤を塗布し、ダウエルピン植設穴101に差し込んだあと自然乾燥を待つという面倒で時間の掛かる作業をしなくて済み、とくに1つの石膏歯形模型100に多数のダウエルピン300を植設したい場合に作業効率が大幅に向上する。このあと、石膏歯形模型100の底面に離剥剤を塗布し、U字形の型枠(図示せず)に石膏を流したのち石膏歯形模型100を上に置き、石膏が固まるまで暫く放置することで石膏歯形模型100の下に石膏台400を増設する(図7、図8参照)。 【0014】(3)支台歯に対応する部分の切り出し、トリミング、補綴物の成形次に、石膏歯形模型100の内、模型歯Aの両側を石膏台400に届くまで真上から糸ノコ等で切断する(図9、図10の破線X、Y参照)。すると、石膏歯形模型100の内、模型歯Aの部分(以下、「部分歯形模型」という)110が石膏台400から取り外し可能となる。よって、当該部分歯形模型110を石膏台400から取り外し(ダウエルピン300は部分歯形模型110の低面に植設された状態で一緒に抜け、残った石膏台400には穴401が出来ている)、部分歯形模型110の模型歯A及び残った石膏歯形模型100の内、模型歯Aの両脇の模型歯C、Dなどについてトリミングにより整形を行う。そして、ダウエルピン300を穴401に差し込みながら部分歯形模型110を石膏台400の元の位置に戻す。このあと、模型歯Aにワックスにより補綴物の形態を付与し、さらにロストワックス法により前記ワックスを金属等に置き換えることで補綴物を成形する。 【0015】ところで、トリミング後の支台歯に対応した部分歯形模型110を石膏台400に戻そうとしたとき、元の切断前の状態から回転ずれが生じると正しい形の補綴物を形成できず、歯科医が患者の歯に被冠しようとしたときに他の歯に当たったりして支障を来す。この実施の形態では、部分歯形模型110の低面にはダウエルピン300の近くに複数の凹部102、103、104が形成されており、一方、石膏台400の上面にはダウエルピンの抜けた穴401の近くに前記凹部102〜104と嵌合していた複数の凸部402〜404が形成されている。よって、支台歯に対応する部分歯形模型110を石膏台400に戻そうとして、該石膏台400の穴401にダウエルピン300を差し込んでいくと複数の凸部402〜404の各々が対応する凹部102〜104に嵌まり、回転が拘束されるので、ダウエルピン300の断面が長方形に形成されていることと合わせて作業者が回転力を加えても回転ずれは起きず、正しい形態の補綴物を製作可能となる。 【0016】上記した実施の形態によれば、予め、ダウエルピン300のメーカ側で首部302の外周にプラスチック樹脂層304を付着しておけば、歯科技工作業において作業者がダウエルピン300の首部302を石膏歯形模型100のダウエルピン植設穴101に差し込むだけで、プラスチック樹脂層304と穴壁との間に大きな摩擦力が働いて強固に固定される。よって、1つの石膏歯形模型100に多数のダウエルピンを植設する場合でも簡単かつ迅速に行うことができ、従来の如く、一々、ダウエルピン300の首部302に接着剤を塗布し、ダウエルピン植設穴101に差し込んだあと、自然乾燥させるという手間と時間を掛けずに済むので、作業効率が飛躍的に向上する。 【0017】 【発明の効果】本発明によれば、予め、ダウエルピンのメーカ側で首部にプラスチックフィルムを付着しておけば、歯科技工作業において作業者がダウエルピンの首部を石膏歯形模型のダウエルピン植設穴に差し込むだけで、プラスチックフィルムと穴壁との間に大きな摩擦力が働いて強固に固定される。よって、1つの石膏歯形模型に多数のダウエルピンを植設する場合でも簡単かつ迅速に行うことができ、従来の如く、一々、ダウエルピンの首部に接着剤を塗布し、ダウエルピン植設穴に差し込んだあと、自然乾燥させるという手間と時間を掛けずに済むので、作業効率が飛躍的に向上する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】399131459 【氏名又は名称】株式会社遠藤歯研
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| 【出願日】 |
平成11年12月16日(1999.12.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088063 【弁理士】 【氏名又は名称】坪内 康治
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| 【公開番号】 |
特開2001−170082(P2001−170082A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月26日(2001.6.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−357171 |
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