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【発明の名称】 歯科用治療器具
【発明者】 【氏名】中島 勲

【要約】 【課題】歯槽膿漏等の治療において、歯茎部への薬剤の塗布あるいは巻付けが一切不要であり、したがって困難な技術を要しない、インプラント周囲の歯槽膿漏等の治癒効果を最大に促進させることが可能な治療器具を提供すること。

【解決手段】本発明の歯科用治療器具は、歯科インプラント4に着脱可能に取り付けられるものである。薬剤9を封入可能なバスケット1と、バスケット1を歯科インプラント4に着脱可能に取り付けるための固定部材3と、を有し、バスケット1には薬剤9を除放し得る孔7が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 歯科インプラントに着脱可能に取り付けられる歯科用治療器具であって、薬剤を封入可能なバスケットと、該バスケットを該歯科インプラントに着脱可能に取り付けるための固定部材と、を有し、該バスケットには該薬剤を除放し得る孔が形成されている歯科用治療器具。
【請求項2】 前記バスケットは、上端が開口するバスケット本体と、該バスケット本体の開口部を閉塞し得るキャップと、を有し、前記孔は該バスケット本体の周囲に多数形成されている請求項1記載の歯科用治療器具。
【請求項3】 前記薬剤は、テトラサイクリンおよびクロルヘキシジンの少なくとも一種から選択される請求項1又は2に記載の歯科用治療器具。
【請求項4】 前記固定部材がネジであり、前記バスケットの底部に設けられた通孔を通して、歯科インプラントの上端部に形成されたネジ孔に螺合される請求項1〜3のいずれかに記載の歯科用治療器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科インプラントに着脱可能に取り付けられる歯科用治療器具に関し、特にインプラント歯周炎、天然歯の歯槽膿漏の治療のための薬剤を歯茎部に徐放するための歯科用治療器具に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、インプラント歯周炎、天然歯の歯槽膿漏の治療には薬剤による治療法があり、通法としては、歯の周り(歯茎部)に薬剤を塗布または巻付けることにより治療するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インプラント治療において、上記方法を用いるには非常に困難な技術が必要であり、また長期間に亘って薬剤を患者の歯茎部に塗布することは患者に時間的な制約を与えることになり、不便なものである。
【0004】本発明は、上記の実状に着目してなされたものであって、その目的とするところは、歯茎部への薬剤の塗布あるいは巻付けが不要であり、したがって困難な技術を必要とせず、また患者にとって通院をする回数を減らし効果的に治療することができる歯科用治療器具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の歯科用治療器具は、歯科インプラントに着脱可能に取り付けられる歯科用治療器具であって、薬剤を封入可能なバスケットと、該バスケットを該歯科インプラントに着脱可能に取り付けるための固定部材と、を有し、該バスケットには該薬剤を除放し得る孔が形成されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0006】一つの実施態様では、前記バスケットは、上端が開口するバスケット本体と、該バスケット本体の開口部を閉塞し得るキャップと、を有し、前記孔は該バスケット本体の周囲に多数形成されている。
【0007】一つの実施態様では、前記薬剤は、テトラサイクリンおよびクロルヘキシジンの少なくとも一種から選択される。
【0008】一つの実施態様では、前記固定部材がネジであり、前記バスケットの底部に設けられた通孔を通して、歯科インプラントの上端部に形成されたネジ孔に螺合される。
【0009】以下作用について説明する。
【0010】バスケット内に薬剤を封入して、このバスケットを固定部材によって歯科インプラントに取り付けることにより、バスケット内の薬剤は孔から除放して歯茎部に達し、歯科インプラント周囲の歯茎部を治癒することができる。治療後は、歯科インプラントからバスケットを取り外す。
【0011】バスケットとして、特に上端が開口するバスケット本体と、該バスケット本体の開口部を閉塞し得るキャップとから構成し、バスケット本体の周囲に多数の孔を形成することにより、薬剤を容易にバスケット内に充填することができ、またバスケット内に薬剤を追加することもでき、さらにバスケットの構成が簡単となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】本発明の歯科用治療器具は、図1〜図5に示すように、薬剤を封入可能なバスケット1と、該バスケット1を該歯科インプラント4に着脱可能に取り付ける固定部材としてのネジ3と、を有する。
【0014】該バスケット1は、図2に示すように、上端が開口する有底筒状に形成されたバスケット本体10と、該バスケット本体10の開口部11を閉塞し得るキャップ2とを有している。バスケット本体10の下側の周囲には、多数の孔7が形成されている。この孔7の径や個数はバスケット本体10内に充填された薬剤9をこの孔7を通して徐々に放出できるかぎり、適宜変更することができる。キャップ2はキャップ本体20の下面に係合部21が突設され、この係合部21をバスケット本体10の上端開口部11に嵌合することで、キャップ2をバスケット本体10にしっかり固定できるようになっている。
【0015】バスケット1の底部12には六角形の第1底板13と第2底板14が固定されている。さらに、バスケット1の底部12にはネジ3を通す通孔8が形成され、また第1底板13と第2底板14にも同じ位置に通孔8が形成されている。
【0016】上記バスケット1内に充填される薬剤9としては、目的に応じて種々のものが使用できるが、歯槽膿漏の治療薬としては、例えば、テトラサイクリンおよびクロルヘキシジンの少なくとも一種を使用することができる。
【0017】本発明のこのような歯科治療器具を人の歯槽骨6に埋設されたインプラント4に固定する場合を次に説明する。
【0018】インプラント4の上端部にはねじ穴41が形成されている。このねじ穴41に、バスケット1の底面に設けた通孔15が合致するようにバスケット1をインプラント4上に配置する。このときバスケット1の側面に設けた孔7が歯肉5の部分に位置するようにする。次に、ネジ3をバスケット1の通孔15および底板13,14に通して、インプラント4のねじ穴41に螺合する。底板13,14はバスケット1の底部12を補強し、バスケット1は確実にインプラント4に固定されることになる。次に、バスケット1の薬剤収容部16内に薬剤を充填し、キャップ2で開口部11を閉塞する。
【0019】薬剤はバスケット1の孔7から少しずつインプラント4の周囲へと徐放されるために、たびたび通院する必要もなく患者の負担が軽減する。単位時間あたりの薬剤の除放量は、孔7の数や大きさを調節することによって制御できる。バスケット1内の薬剤がなくなったときには、キャップ2を外して薬剤9を補充すればよい。
【0020】この歯科用治療器具を歯科インプラント4に装着すれば、バスケット1が空になるまで薬剤の投与が継続されることになり、従来のように、歯茎部に薬剤を塗布または巻付けるよりも確実に、かつ効果的に、歯茎部の治癒を促進することができる。しかも、日常の食生活に何らの影響も及ぼさないなど、日常生活に支障を来すことがない。
【0021】上記バスケット1やキャップ2、ネジ3等はインプラント4と同様な金属(ニッケルとチタンの合金等)、セラミックス、プラスチック等で形成することができる。なお、上記実施形態では、バスケット1内の薬剤を除放するために、バスケット1の下部側面に多数の孔7をしたが、バスケット1自体を多孔質のもので形成してもよい。固定部材として用いたネジ3のサイズ、バスケット1に設ける通孔15等は様々な種類のインプラント4に合わせて変更することができる。
【0022】
【発明の効果】本発明の歯科用治療器具によれば、歯槽膿漏等の治療において、歯茎部への薬剤の塗布あるいは巻付けが不要であり、したがって困難な技術を要せず、インプラント周囲の歯槽膿漏等の治癒効果を最大に促進させることが可能となる。薬剤を選択しおよびその除放量を調節することにより、様々な歯科インプラント治療に適用することができる。
【出願人】 【識別番号】593088201
【氏名又は名称】大信貿易株式会社
【出願日】 平成11年12月17日(1999.12.17)
【代理人】 【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
【公開番号】 特開2001−170079(P2001−170079A)
【公開日】 平成13年6月26日(2001.6.26)
【出願番号】 特願平11−360009