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【発明の名称】 歯科用ユニットの排気回路
【発明者】 【氏名】川田 庄作

【要約】 【課題】排気管から排出される感染菌の防除を充分に行ない得る歯科用ユニットの排気回路を提供すること。

【解決手段】給気管を介して歯科用ハンドピースの頭部まで圧縮空気が送られて切削器具が回転駆動され、この圧縮空気が排気管を介して排気される歯科用ユニットにおいて、排気管内に吸引された口腔内の液体、気体及び固体に含まれる感染菌を滅菌する装置10が排気管に接続される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 給気管を介して歯科用ハンドピースの頭部まで圧縮空気が送られて切削器具が回転駆動され、この圧縮空気が排気管を介して排気される歯科用ユニットにおいて、前記排気管内に吸引された口腔内の液体、気体及び固体に含まれる感染菌を滅菌する手段が前記排気管に接続されたことを特徴とする歯科用ユニットの排気回路。
【請求項2】 前記感染菌を滅菌する手段が、多孔質のセラミックからなるフィルターと、前記排気管に接続するための接続口と排気口とが設けられ前記セラミックフィルターを封止するケースと、該セラミックフィルターを所定温度以上に加熱するための加熱手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の歯科用ユニットの排気回路。
【請求項3】 前記感染菌を滅菌する手段が、前記感染菌を滅菌可能な薬液が封入された容器と、この容器の外側で前記排気管に接続して前記薬液内に連通するように設けた第一の管体と、前記容器内における薬液上方の気体と容器の外側とを連通するように設けた第二の管体とを含むことを特徴とする請求項1記載の歯科用ユニットの排気回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科用ユニットにおける排気回路に関する。
【0002】
【従来の技術】歯科治療における歯の切削器具に使用されているエアタービンでは、給気管を通して歯科用ハンドピースの頭部まで圧縮空気が送られ、この圧縮空気により、切削軸スピンドルに設けた羽根車が毎秒40万回転程度で高速回転され、この圧縮空気は排気管を介して排気されている。そして、切削軸スピンドルには切削器具が取り付けられて、これにより歯が削られ、切削器具を口外に取り出す際にはエアタービンを患者の口腔内で停止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、エアタービンを患者の口腔内で停止すると、切削軸スピンドルは圧縮空気の供給を停止した後も若干のあいだ慣性力で回転を続けるため、口腔内の感染菌を含む唾液等を吸引してしまうことがある。このため、歯科用ハンドピースの排気管が接続される操作ユニット内にフィルターが設けられたり、あるいは、口腔内の物質を吸引しないように歯科用ハンドピースの頭部に吸引防止手段が設けられている。しかしながら、吸引防止手段やフィルターによっても、排気管から排出される感染菌の防除は充分ではなく、診療室内の空気が汚染されて、医療術者が感染される原因となっている。
【0004】したがって、本発明の課題は、排気管から排出される感染菌を充分に滅菌し得る歯科用ユニットの排気回路を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、給気管を介して歯科用ハンドピースの頭部まで圧縮空気が送られて切削器具が回転駆動され、この圧縮空気が排気管を介して排気される歯科用ユニットにおいて、前記排気管内に吸引された口腔内の液体、気体及び固体に含まれる感染菌を滅菌する手段が前記排気管に接続されたことを特徴とする歯科用ユニットの排気回路が提供される。
【0006】本発明において、前記感染菌を滅菌する手段は、多孔質のセラミックからなるフィルターと、前記排気管に接続するための接続口と排気口とが設けられ前記セラミックフィルターを封止するケースと、該セラミックフィルターを所定温度以上に加熱するための加熱手段とを含むように構成することができる。
【0007】ここで、前記加熱手段は、排気がセラミックフィルター内を通過するときに、排気に含まれる感染菌を熱で殺菌可能な程度に加熱できるものであれば良く、例えば、160℃〜200℃程度に加熱可能なものであることが好ましい。また加熱手段としては、例えば、電熱線を採用することができる。
【0008】前記セラミックフィルターは、エアタービンから排出された気体を通過させることができる程度に多孔質に形成されたものを用いる。
【0009】前記セラミックフィルターを封止するケースとしては、加熱されたセラミックフィルターの熱が外部に逃げないように断熱性能を備えるものを使用することができる。
【0010】また本発明において、前記感染菌を滅菌する手段は、前記感染菌を滅菌可能な薬液が封入された容器と、この容器の外側で前記排気管に接続して前記薬液内に連通するように設けた第一の管体と、前記容器内における薬液上方の気体と容器の外側とを連通するように設けた第二の管体とを含むように構成することができる。
【0011】ここで、感染菌を滅菌可能な薬液としては、塩素系の消毒液、アンチホルミン液又はハイポテン10%希釈液を使用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る滅菌装置10を部分的に破断して示した斜視図であり,図3は図1の滅菌装置10の断面図であり、さらに、図4及び図5はそれぞれ図3のIV−IV線及びV−V線に沿って示した断面図である。また、図2は図1の滅菌装置10に使用されるセラミックフィルター20を示した斜視図である。ここで、図1〜図5の滅菌装置10は、歯科用ハンドピース(図示せず)のエアタービンから排出される圧縮空気の排気管に接続されるものであり、歯科用ユニットの排気回路を構成するものである。この滅菌装置10は、通気可能な多孔質セラミックからなるフィルター20と、このセラミックフィルター20を封止する外側ケース11と、この外側ケース11の両端面11a,11bに設けられてセラミックフィルター20に連通する接続管13,14と、セラミックフィルター20を所定温度以上に加熱するため伝熱ヒーター16とを含む。
【0013】前記セラミックフィルター20は一対の半円柱状のセラミック部材22,24が組み合わされてなり、各セラミック部材22,24はそれぞれ当接面に半円板状の複数の凹部22c,24cと半円板状の複数の凸部22d,24dとが相補な形状・配置で形成され、それぞれ逆側の端部22b,24bは円板状に形成され、一対のセラミック部材22,24は組み合わされたときに、凹部22c,24cと凸部22d,24dとが嵌め合わされて通路26としてのクリアランスが形成される。この通路26は、エアタービンからの排気がセラミックフィルター20を良好に通過するよう促進するためのものである。
【0014】またセラミックフィルター20の外周には溝24aが螺旋状に設けられて、ここに電熱ヒーター16が捲回され、断熱保温材料からなる内側ケース12に収納され、さらに、外側ケース11に収納される。図1及び図3における電熱ヒーター16の端部16a,16bは適宜、電源や制御装置等まで延長して接続される。
【0015】前記外側ケース11の両端面11a,11bの一方または両方は、図示していないが、取り外し可能な螺子式の蓋に形成しても良い。また、外側ケース11に突設された接続管13,14の外周には多段状にテーパ面が形成され、この接続管13,14に接続される歯科用ハンドピースの排気管が抜け落ちることを防止する。なお、歯科用ハンドピースの排気管は、いずれの接続管13,14に接続しても良い。
【0016】以下、上記滅菌装置10の使用方法について説明する。滅菌装置10には、例えば、図示のように接続管13に歯科用ハンドピースの排気管を接続し、セラミックフィルター20は電熱ヒーター16により予め所定温度以上に加熱しておく。そして、エアタービンからの排気が接続管13から外側ケース11及び内側ケース12の内部に流入すると、この排気はセラミックフィルター20内を通過して接続管14から直接的に、あるいは接続管14に接続されたパイプから外部に排出される。そして、エアタービンからの排気に含まれる感染菌はセラミックフィルター20を通過する際に高熱で殺菌されるので、滅菌装置10から排出される気体により医療術者や他の患者が感染する危険性は格段に低下する。
【0017】次に、図1とは異なる滅菌装置の実施態様について、図6の断面図を参照して説明する。図6における滅菌装置40は歯科用ユニットの排気回路を構成するものであり、この滅菌装置10は、患者の口腔内からの感染菌を滅菌することができる薬液45が封入された容器44と、この容器44に取り外し可能に形成された蓋43と、この蓋43を貫通して容器外側から薬液45まで延長する管体41と、容器44内における薬液45上方の気体46と容器44の外側とを連通するように設けた管体42とからなり、前記管体41の下端41bは塞がれており、複数の孔41cが穿設されている。
【0018】したがって、管体41の上端開口41aには歯科用ハンドピースの排気管が接続され、エアタービンからの排気は管体41を通って複数の孔41cから薬液45内に導かれ、ここで排気に含まれる感染菌は殺菌されて上方の気体46中に放出され、さらに、開口42bから管体42内に導かれて開口42から排出される。
【0019】
【発明の効果】本発明の歯科用ユニットの排気回路では、エアタービン内に吸引された口腔内の液体、気体及び固体に含まれる感染菌を滅菌する手段を備えるので、排気による医療術者の感染の可能性を格段に低減することができる。
【0020】また本発明では滅菌手段を備え、この滅菌手段が、多孔質のセラミックからなるフィルターと、このセラミックフィルターを所定温度以上に加熱するための加熱手段とを含むので、加熱手段でセラミックフィルターを加熱して、ここにエアタービンからの排気を通せば感染菌を充分に滅菌することができる。
【0021】さらに本発明では、滅菌手段が、薬液が封入された容器と、この容器の外側から薬液内に連通する第一の管体と、容器内における薬液上方の気体と容器の外側とを連通する第二の管体とを含むので、第一の管体を介してエアタービンからの排気を薬液内に導けば、この薬液内で感染菌が滅菌された後に排気は薬液上方に上昇し、排気は第二の管体から外部に排出される。したがって、上記と同様に、排気による医療術者の感染の可能性は格段に低減される。
【出願人】 【識別番号】000150327
【氏名又は名称】株式会社ナカニシ
【出願日】 平成11年11月24日(1999.11.24)
【代理人】 【識別番号】100081514
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 一
【公開番号】 特開2001−145641(P2001−145641A)
【公開日】 平成13年5月29日(2001.5.29)
【出願番号】 特願平11−332948