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【発明の名称】 サイト構造を持つ顔弓
【発明者】 【氏名】エリック・リンデクゲル

【要約】 【課題】患者の顔上での咬合フォークの位置を位置合わせする上で使用するための顔弓を提供する。

【解決手段】顔弓(20)は、患者の顔上で顔弓を便利に整合できる独特のサイト構造(28)、同一線型順序で移動するアーム(24、26)、及び顔弓を患者の顔上で固定的に位置決めするための耳ピース(32)を有する。耳ピースは、顔弓を患者の顔上で再現性を以て位置合わせするように形成されている。この顔弓は、全体として殺菌でき、又は殺菌を行うために部分的に分解できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 患者の顔上の第3基準点の位置を位置合わせするための顔弓において、左アーム、右アーム、前記左右のアームを調節自在に受け入れる主本体、及び前記第3基準点の位置を定めるのに使用するため、前記ハウジングに形成されたサイト構造を含む顔弓。
【請求項2】 前記サイト構造は、所望の視野を形成する高さ寸法を持つ隙間を含む、請求項1に記載の顔弓。
【請求項3】 前記隙間は左右の側部を形成する、請求項2に記載の顔弓。
【請求項4】 前記視野は約4°である、請求項1に記載の顔弓。
【請求項5】 前記隙間の公称高さは、少なくとも約1.016mm(約0.040インチ)である、請求項1に記載の顔弓。
【請求項6】 前記隙間は、公称で約1.016mm(約0.040インチ)以下である、請求項1に記載の顔弓。
【請求項7】 前記隙間の公称高さは、約1.016mm(約0.040インチ)であり、カバーの幅は約19.05mm(約0.750インチ)である、請求項1に記載の顔弓。
【請求項8】 前記サイト構造は、前記主本体との間に前記隙間を形成するため、前記主本体に取り付けられたカバーを更に含む、請求項1に記載の顔弓。
【請求項9】 前記カバーは前記主本体に取り外し自在に取り付けられている、請求項8に記載の顔弓。
【請求項10】 前記カバーは、細長い部材及び前記部材の各端に一つづつの少なくとも二つの脚部を含み、前記脚部は前記カバーと係合し、前記部材を前記主本体から離間し、前記隙間を形成する、請求項8に記載の顔弓。
【請求項11】 咬合フォークを適正に配向し、患者の顔に関して前記顔弓と調節自在に係合させるため、基準点が設けられた、耳を含む患者の顔の上で顔弓を使用する方法において、主本体及び左右のアームを顔弓に設け、左右のアームを患者の夫々の耳と係合させる工程、前記顔弓にサイト構造を設け、このサイトを通して患者の顔を見、基準点の位置を定める工程、及び主本体を咬合フォークに固定し、咬合フォークを顔弓に対して相対的に位置合わせする工程を含む、方法。
【請求項12】 患者の頭部と係合し、患者の口中での咬合フォークの位置を位置合わせするための顔弓において、主本体、前記主本体内に摺動自在に位置決めされた左アーム、前記主本体内に摺動自在に位置決めされた右アーム、前記主本体内に位置決めされた、一方のアームを移動したときに前記右アーム及び前記左アームの夫々を互いから反対方向に移動させるように前記左右のアームと作動的に係合したラックアンドピニオンアッセンブリを含み、このラックアンドピニオンアッセンブリは、各アームに取り付けられたラックであって、これらのラックのうちの一方が下方に向いており、前記ラックのうちの一方が上方に向いており、前記ラックは互いに向き合っている、ラック、及び前記主本体内で水平方向回転軸線上に回転自在に固定された、前記ラックの両方と係合したピニオンギヤを含み、前記左右のアームのうちの一方を前記主本体に関して移動すると前記左右のアームのうちの他方が反対方向に移動する、顔弓。
【請求項13】 顔弓を患者の顔に対して整合するため、前記主本体に形成されたサイト構造を更に含む、請求項12に記載の顔弓。
【請求項14】 前記主本体は上下のスロットを画成し、前記左アームは前記下スロットに受け入れられ、前記右アームは前記上スロットに受け入れられ、前記ピニオンギヤは前記左右のアーム間に位置決めされる、請求項12に記載の顔弓。
【請求項15】 前記左右のアームの移動中に支承面として作用するベアリングプレートが前記左右のアーム間に位置決めされている、請求項14に記載の顔弓。
【請求項16】 前記主本体に位置決めされ、前記左右のアームと選択的に係合して前記左右のアームの位置を前記主本体に関して固定する係止ノブを更に有する、請求項14に記載の顔弓。
【請求項17】 前記係合ノブは、前記主本体内で水平方向回転軸線を中心として配向され、前記主本体と係合するカム面を画成し、回転させて前記カム面を前記主ハウジングと係合させることができ、前記左右のアームに向かって軸線方向に移動して前記左右のアームと係合し、前記左右のアームから遠ざかる、請求項16に記載の顔弓。
【請求項18】 患者の口での咬合フォークの位置を位置合わせするため、患者の頭部と係合する顔弓において、主本体、前記主本体内に摺動自在に位置決めされた左アーム、前記主本体内に摺動自在に位置決めされた右アーム、及び前記左右のアームの各々に位置決めされた耳ピースを含み、これらの耳ピースの各々は、前側、後側、末端、及び受け入れ端を持つ本体部分、及び前記左右のアームの前記一方を受け入れるため、前記後側に形成されたスロットを含み、前記末端の前記前面が突球状ローブを形成する、顔弓。
【請求項19】 前記受け入れ端は、全体に円錐形の形状を有する、請求項18に記載の顔弓。
【請求項20】 前記アームは、前記アームに取り付けられた前記耳ピースの前記後側と面一である、請求項18に記載の顔弓。
【請求項21】 アームを持つ顔弓で使用するための耳ピースにおいて、前側、後側、末端、及び受け入れ端を持つ本体部分、及び前記アームを受け入れるため、前記後側に形成されたスロットを含み、前記末端の前記前面が突球状ローブを形成する、耳ピース。
【請求項22】 前記受け入れ端は、全体に円錐形の形状を有する、請求項21に記載の耳ピース。
【請求項23】 前記顔弓全体を殺菌できる、請求項1に記載の顔弓。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、患者の顔上での咬合フォークの位置を位置合わせする上で使用するための顔弓に関し、更に詳細には、患者の顔上で顔弓を便利に整合できる独特のサイト構造(sughting structure)並びに顔弓を患者の顔上で固定的に位置決めするための耳ピースを持つ顔弓に関する。
【0002】
【従来の技術】顔弓は、人の上下の歯構造で形成された歯型を歯科用咬合器上で配向するため、咬合フォーク及び転写ジグ(transfer jig)と関連して使用される。歯型は、人の咬み合わせを分析するために咬合器に位置決めされる。顔弓、転写ジグ、及び咬合フォークは、人の咬み合わせを複製するため、歯型を咬合器に適正に位置決めのを助ける。人の口での咬合フォークの整合は、歯型を歯科用咬合器で適正に配向する上で重要である。顔弓は、咬合フォークを適正に配向するのを助ける。
【0003】当該技術分野で周知のように、咬合フォークを転写ジグに調節自在に取り付け、転写ジグを顔弓に固定する。最初の二つの基準点は、顔弓アームを患者の耳と係合させることによって形成される。しかしながら、模型を歯科用咬合器で完全に配向するため、垂直軸線方向寸法即ち第3基準点を使用しなければならない。顔弓を、患者の顔の前側で垂直な円弧を通して第3基準点と整合した特定の位置まで全体に枢動させることによって、第3基準点と整合させた後、咬合フォークを転写ジグに固定する。これにより、咬合フォークの配向を第3基準点と整合した状態に固定する。
【0004】第3基準点即ち前基準点は、一般的には、右切縁、中央切縁、又は横切縁の上方43mmを計測することによって位置決めされる。前基準点は、全体として、患者の右目の直ぐ下に位置決めされる。基準点の位置は、代表的には、患者の顔に付けたインクマーク等のマークによって表される。
【0005】顔弓を第3基準点と整合するため、顔弓を患者の顔に位置決めし、転写ジグを顔弓に取り付ける。第3基準点は、顔弓を患者の顔に設けられた前基準点と整合させることによって得られる。顔弓を垂直な円弧を通して患者の顔の前側で移動し、顔弓と患者の耳との係合箇所を中心として枢動させる。
【0006】代表的には、顔弓は、基準ポインターを使用することによって、前基準点と整合して適正に位置決めされる。基準ポインターは、一方の顔弓アームから患者の顔に向かって内方に揺動する。ポインターの端部を患者の顔の基準点と整合させ、顔弓を適正に位置決めする。前基準点が、一般的には患者の右目の直ぐ下にあるため、患者は、前基準点に向かうポインターの移動が邪魔となり、ポインターが患者の眼と接触する恐れがある。このため、この処置は患者にとって不快であり、多くの場合、患者がポインターの使用に応じて頻繁に動くため、顔弓の配置が不正確になる。
【0007】歯科専門家は、ポインターの使用と関連したこれらの問題点のため、多くの場合、ポインターを全く使用せず、その代わりにポインターが定めるであろうおおよその位置に顔弓を位置決めする。この一般的な位置決めは正確でなく、多くの場合、歯型が咬合器で不整合することになる。
【0008】現存の顔弓と関連した別の問題点は、患者の耳と係合させると同時に顔弓を患者の顔の中央に保持するために左右のアームを適正に位置決めするのが困難であるということである。これは、現在入手できる多くの顔弓に設けられたアームが互いに独立して移動するために困難なのである。顔弓が患者の顔の完全に中央にない場合には、結果的に得られた歯型の咬合器での整合が不正確になる。アームが独立して移動するのでない入手可能な顔弓(この場合、アームは左右の対をなして形成されていなければならない)であっても、アームの位置を互いに関して固定するのは困難である。更に、コンパス型顔弓は、顔弓アームの開閉時に転写ジグを患者の顔に関して前方又は後方に不整合にする。
【0009】現存の顔弓に関する別の問題点は、顔弓と患者の耳との係合が不正確であるということである。現在入手可能な顔弓の各アームの先端には、代表的には、患者の耳道に挿入する耳ピースが設けられている。しかしながら、現存の耳ピースは、患者の耳に一貫して係合させるため、患者の耳に再現性を以て位置決めするのが困難である。言い換えると、耳ピースは患者の耳に幾つかの異なる方法で位置決めでき、そのため幾つかの異なる整合が得られ、これらの整合の一つは、各異なるプラグ位置と対応する。
【0010】最後に、現存の顔弓の殺菌は、多くの場合、高圧蒸気滅菌器に入れるために顔弓を分解しなければならないという点で不便であり、或いは顔弓の全ての部品が高圧蒸気滅菌プロセスに耐えることができるわけではないため不便である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】現在入手可能な顔弓の上述の制限により、本明細書中に説明し且つ特許請求した発明を開発した。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポインターの代わりにサイト構造を使用して第3基準点の位置を患者の顔の上で定めることによる現在の顔弓の改良に関する。本発明は、更に、顔弓全体又は取り外し自在の耳ピースのいずれかを蒸気殺菌、化学蒸気殺菌、又は低温殺菌できるようにする改良に関する。更に、耳ピースは、解剖学的に更に正確であり、かくして更に安定しており、患者の耳に再現性を以て位置決めされるように設計されている。
【0013】本発明では、顔弓アッセンブリに組み込んだサイト構造を使用することによって随意の第3基準点の位置を定める。この技術は、ポインター又はナシオン(ナシオン(nasion)は、人の目の間にある鼻の窪みに嵌まる)のいずれかの従来の手段とは異なる。
【0014】本発明の顔弓アッセンブリの全体としての機能には、アームの開閉、アームの係止、サイト又はポインターを使用した第3基準点との整合、及び転写ジグアッセンブリの取り付けが含まれる。アームは、耳ピースと主本体との間の前後距離が一定のままであり、コンパス型顔弓と関連した潜在的なエラーをなくすように、同一線型順序で開閉する。アームは、顔弓本体が常に左右のアーム間の中央にあるように、ピニオンギヤ及びギヤラックを介して間接的にリンクしている。
【0015】アームは、カム係止ノブによって互いに関して所定位置に係止される。カム係止ノブは、主本体の二つのカバープレート間に回転自在に位置決めされる。カム係止体は、アームを固定位置に係止するのに半回転以上を必要としないように設計されている。顔弓の主本体は、デナール(デナール(Denar)は登録商標である)スライドマチック等の現存の顔弓と同様の方法で転写ジグアッセンブリを受け入れる。この方法は、転写ジグを主本体に形成された孔に取り付けるのに止めねじを使用する。
【0016】顔弓設計に対する最も顕著な改良は、サイト、高圧蒸気滅菌性、解剖学的耳ピース、及びアームの移動である。サイトを使用することにより、顔弓計測手順が容易になり、臨床医が随意の第3基準点に迅速に合わせることができるようにすることによって、他の装置で必要とされる時間が短くなる。これは、従来は、ポインターを使用して位置が定められていた。
【0017】サイトを使用すると、必ずしもポインターを使用した程には正確でないけれども、サイトは、ポインターが使用されない場合に行われているように単に推測するよりも正確に且つ再現性を以て顔弓を位置決めするのに使用できる。
【0018】サイト構造の二つの重要な特徴は、隙間の大きさ及び顔弓の主本体に関する角度である。これらの特徴により、顔弓の第3基準点に関する適正な整合を確保する。顔の前側が外耳道から約8.255cm(約3.25インチ)のところにあるという共通の解剖学的仮定に基づき、1.016mm(0.040インチ)の隙間で7.5°の角度が、水平方向から±2°のおおよその許容差を提供する。顔弓が頭部に関して水平でなければならない理由は、現在のデナール間接的転写マウントシステムが、鋳造模型を咬合器に正確に配置する上でこの水平性に基づいているためであるということに着目されたい。これは、改装性にとって重要である。
【0019】詳細には、本発明は、第3基準点の位置を患者の顔の上で位置合わせするための顔弓に関し、この顔弓は、左アーム、右アーム、左右のアームを調節自在に受け入れる主本体、及び第3基準点の位置決めを定めるため上で使用するために歯に形成されたサイト構造を含む。
【0020】本発明は、更に、咬合フォークを適正に配向し、患者の顔に関して顔弓を調節自在に係合させるため、基準点が設けられた、耳を含む患者の顔の上で顔弓を使用する方法において、主本体及び左右のアームを顔弓に設け、左右のアームを患者の夫々の耳と係合させる工程、顔弓にサイト構造を設け、このサイトを通して患者の顔を見、基準点の位置を定める工程、及び主本体を咬合フォークに固定し、咬合フォークを顔弓に対して相対的に位置合わせする工程を含む、方法に関する。
【0021】更に、本発明は、左右のアームと作動的に係合し、一方のアームの移動時に右アーム及び左アームの夫々を互いに反対方向に移動する、主本体内に位置決めされたラックアンドピニオンアッセンブリを含む顔弓用ラックアンドピニオンアッセンブリに関する。ラックアンドピニオンアッセンブリは、一方が下方を向いており且つ一方が上方を向いた、互いに向かい合った、各アームに取り付けられたラックと、主本体内に水平方向回転軸線上で回転自在に取り付けられた、両ラックと係合したピニオンギヤとを含み、左右のアームのうちの一方を主本体に関して移動すると、左右のアームのうちの他方を反対方向に移動させる。
【0022】更に、本発明は、アームを持つ顔弓で使用するための耳ピースに関する。この耳ピースは、前側、後側、末端、及び受け入れ端を持つ本体部分、アームを受け入れるために後側に形成されたスロット、突球状ローブを形成する末端前面を含む。
【0023】本発明の以上の及び他の特徴、有用性、及び利点は、添付図面に示す本発明の好ましい実施例の以下の更に詳細な説明から明らかになるであろう。
【0024】
【発明の実施の形態】随意の顔弓を使用して上歯列弓と頭蓋との間の関係を確認した後、その関係を咬合器に転写し、これにより患者の歯の鋳造模型を咬合器に同じ関係で位置決めできる。随意の顔弓は、運動力的ヒンジ軸線上に配置されているのではないため、各耳の耳道(第1の2つの基準点)に配置されていると考えられ、運動力的軸線が12mm前方に及び5mm下方に配置されている。このシステムの第3基準点は、基準平面位置決め器で位置決めされ、上文中に説明したように、切縁の上方43mmのところで患者の顔に印したマークによって全体に表示されている。顔弓を第3基準点と整合させると、鋳造模型が咬合器の中央に置かれる。好ましくは、上述の顔弓は、デナール社が製造した転写ジグ及び咬合器とともに使用されるが、当業者は、種類の異なる咬合器とともに作動するように変更できる。本明細書中に説明する装置は顔弓と呼ばれるけれども、耳弓又は計測弓としても周知であり、これらは全て、ほぼ同じ目的に使用される。
【0025】先ず最初に図1を参照すると、本発明の顔弓20が示してあり、この顔弓は主本体22を有し、この本体から左アーム24及び右アーム26が延びており、サイト構造28が主本体の頂部に設けられ、左右のアームの位置を主本体に関して固定された位置に係止するため、カム係止ノブ30が主本体の後部に設けられており、耳ピース32が左右のアームの各々の端部に設けられている。左アーム24及び右アーム26は、主本体22に関して同一線型順序で移動し、主本体を左右のアームに関して中央位置に保持する。患者の顔の上で第3の随意の点の位置を定めるため、ポインター構造34が、サイト構造を使用することの代替物として左アーム24に取り付けられている。
【0026】主本体22は、咬合フォーク38を顔弓20に当該技術分野で周知のように連結するジグアッセンブリの一部であるロッド36の上端を受け入れるためのキー状凹所を含む。キー状凹所は、ジグアッセンブリを一方の配向でだけ受け入れることができるD字形を備えているのがよい。止めねじを使用し、転写ジグを主本体(図示せず)に固定する。
【0027】上文中に言及したように、顔弓20は、患者の口中に配置された咬合フォークを、患者の顔の上で、患者の顔の全体に固定された構造に関して適正に配向するのに使用される。適切な配向を得るためには、耳ピース32を患者の耳に挿入し、患者の顔に印された第3の随意の点40と整合した所定の垂直方向高さに沿って顔弓の主本体22の位置を合わせることを必要とする。ひとたび適正に位置決めされたことがわかった後、左アーム24及び右アーム26の位置を係止し、顔弓の主本体に取り付けられたジグに咬合フォークを取り付け、かくして患者の顔上での適正な配向を歯科用咬合器に移行できる。
【0028】図2は、本発明の顔弓20の使用を示す。耳ピース32が患者の夫々の耳(図2には右側だけを示す)に挿入してあり、咬合フォーク38が患者の口に位置決めされており且つジグに摺動自在に連結されており、ジグのロッド36の上端が主本体22に形成されたキー状孔に挿入されている。歯科専門家は、サイト構造を通して患者の顔を見、患者の顔にある第3基準点を表すマーク40の位置を定めることによって、顔弓20を適正な垂直方向配向に整合する。マーク40は、サイト構造において、サイト構造の隙間の上から下までの中央に位置決めされる。アーム24及び26を、主本体22に関して所定位置に固定し、顔弓20及びジグを互いに固定する。
【0029】図3及び図3Aは、本発明の耳ピース32を各顔弓アームの端部に取り付けられた状態で、耳に挿入された状態で示す。耳ピース32の形状は、顔弓のアームを耳道に関して再現性を以てしっかりと位置決めする上で重要である。従来入手可能な耳ピースは、代表的には円錐形形状であり、患者の耳に緩く嵌まり、耳ピースを耳に適正に位置合わせするためには、歯科専門家が顔弓を患者の顔から引き離して耳ピースを耳の前側に対してしっかりと着座させることを必要とする。このように緩く位置決めされるため、場合によっては、患者の頭部構造に関する咬合フォークの最終的配向にエラーを生じる場合がある。プロセスは、更に、再現性が非常に低い。
【0030】本発明の耳ピースは、患者の快適性及び計測の安定性の両方について設計されている。これは、丸味を付けた「フック」状特徴42を設けることによって達成される。このフック状特徴の目的は、耳ピース32を耳道46の前部分44と接触させ、従ってぴったりと装着し、積極的に再現性を以て位置合わせできるようにすることである。好ましくは、耳ピースの形成に使用される材料は、比較的柔らかいジュロメーター硬度、例えばショアーA硬度80が計測されるサントプレン等の熱可塑性エラストマーである。サントプレンは、蒸気滅菌、化学蒸気滅菌、及び低温殺菌を含む多くの種類の消毒プロセスに耐えることができる。かくして、各耳ピース32は、快適性が高く、殺菌が容易であり、更に安定的に位置決めできる。熱可塑性エラストマー材料は、更に、処置中に耳に通常伝達される騒音振動を減衰する。この騒音は、代表的な金属製耳ピース又は熱可塑性エラストマーよりも硬質の材料でできた耳ピースを通して遙かに容易に伝達できる。
【0031】各耳ピース32は、前側50、後側52、末端54、及び受け入れ端部56を持つ本体部分48を画成する。スロット58(図4参照)がその後側52に沿って画成されており、凹所60がスロットと連通して形成されており、顔弓アームの同様の形状の端部62を受け入れる。これにより、耳ピース32を顔弓アーム24(又は26)にしっかりと位置決めでき、顔弓アームから容易に取り外すことができる。耳ピース32の前側50及び末端54は、顔弓アームの端部62の前方にずれた突球状64(「フック」42)を画成する。これは、耳ピース32の受け入れ端部56のところで円錐形形状に移行する。顔弓アーム24から前方に延びるこの突球状ローブ64は、耳内での顔弓アームの位置をしっかりと位置合わせするため、右側の耳の耳道46の前構造44と積極的に係合する。図3及び図3Aを参照されたい。所与の新たな構造では、耳ピースを耳内に積極的に係合させるために、耳ピースを耳に挿入した後に顔弓を患者の顔から引き離す必要がない。
【0032】この新たな構造は、全体に円錐形形状の耳ピースよりも快適であることがわかっている。耳ピースが患者の耳内に更に便利に積極的に位置決め合わせされることによる効果は、歯科の専門家が顔弓を患者の頭部に関して更に迅速に且つ正確に位置決めでき、最終的には咬合フォークを更に確実に位置決めできるということである。
【0033】主本体22に関する顔弓アーム24及び26の移動を図5A及び図5Bに示す。図5Aは、アーム24、26が最も縮めた位置にある顔弓20を示す。図5Bは、アーム24、26を最も延ばした位置で示す。一方の顔弓アームを移動するだけでアーム24、26の両方を主本体22に関して移動できる。他方の顔弓アームは、比例して同一線型順序で反対方向に移動する。この際、主本体はアーム間の中央に保持される。主本体22には、顔弓アームの各々及び主本体と相互作用するラックアンドピニオンギヤシステムが配置されている。ラックアンドピニオンギヤシステムにより、一方のアームを移動することによって他方のアームを反対方向に移動させることができる。この際、主本体は、アーム間の中央に保持される。主本体をアーム間の中央に置くことは、患者の顔及び頭部、及びかくして咬合フォーク上で顔弓を適正に配向し位置合わせする上で重要である。
【0034】ラックアンドピニオン構造65は、図6A、図6B、及び図6C、並びに図4及び図7に詳細に示してある。先ず最初に図6Aを参照すると、左顔弓アーム24が示してある。右顔弓アームは、これが逆にして使用されることを除くと、左顔弓アームと同じである。左顔弓アーム24は、全体にJ字形状であり、第1区分66が主本体22を通って延びている。一般的には、第1区分には、顔弓20を患者の頭部に位置決めしたときに患者の顔の平面と平行に延びるスロット68が画成されている。顔弓アームの第2区分70は、第1区分に対してほぼ直角に延びる。第2区分70は、更に、当該技術分野で周知の移動自在のポインター34を支持できる。第3区分72は、第2区分70に対して実質的に鈍角をなして延び、耳ピース32を受け入れる。右顔弓アーム26は、同じ区分を有する。
【0035】左顔弓アームの第3区分72の末端74(図4参照)は、第3区分72に対して直角に延びるタブ76を画成する。タブ76は、耳ピース32を顔弓アーム24の第3区分72にしっかりと取り付けるのを補助すると同時に、耳ピース32を顔弓アーム24の第3区分72から取り外すことができるようにするため、耳ピース32に形成された凹所60に受け入れられるように形成されている。耳ピース32は、第3区分の後面を除いて第3区分72を取り囲んでいる。第3区分の後面は露呈されたままである。好ましくは、耳ピース32の後面は、アーム24の第3区分72の後面と面一である(図3A参照)。これは、耳ピースを耳内で上文中に説明したように積極的に位置合わせするため、耳ピースが第3区分の前方に延びることができる距離を最大にするためである。耳ピース32は、右アーム26に同じ方法で取り付けられている。
【0036】左顔弓アーム24の第1区分に形成されたスロット68はギヤラック76を受け入れる。このギヤラック76は、スロット68の幅に沿って中央にあり、ラック76の長さ方向縁部とスロット68の長さ方向縁部との間に隙間78を形成する。これらの二つの平行な隙間78は、以下に説明するように、ピニオンギヤ80を支持する上で重要である。
【0037】ギヤラック76は、図4、図6A、図6B、及び図6Cに示すように、ギヤ歯が一方の側部に形成された細長い部材である。ギヤラック76の各端には、アーム24の第1区分66のスロット68の両端の各々に形成された孔86と対応する孔84が形成されている。ファスナ88を使用し、ラック76をアーム24にこれらの対応する孔を使用して取り付ける。ギヤラック76の平面90は、図7に示すように、左顔弓アーム24の底面92と面一である。
【0038】右顔弓アーム26は、左顔弓アーム24と構造が同じである。右アーム26を形成するためには、上下を逆にするだけでよい。随意のポインター機構を含むことができる。ギヤラック94は右顔弓アーム26の上側96に取り付けられており、ギヤラック94の下面98は図7に示すように、右顔弓アーム26の上面96と面一である。各アーム24及び26の第2区分(図4参照)には、計測を正確に行うため、第2及び第3区分が同じ平面内に配置するため、オフセットが形成されている。左アームは、上方にオフセットしており(図2参照)、右アームは、下方にオフセットしている(図4参照)。
【0039】ラックアンドピニオンギヤシステム98は主本体22に形成されており、左顔弓アーム24、右顔弓アーム26、及び主本体22を含む。主本体22は、上部分100及び下部分102を有し、下部分102を、図6A、図6B、及び図6Cに示す。主本体22の上部分100及び下部分102は、互いに位置決めされたとき、上スロット104及び下スロット106の二つのスロットを形成する。これらのスロットは、互いに関して垂直方向同延に位置決めされており、一端から他端まで主本体22を通って延びる。左右の顔弓アーム24及び26の両方の第1区分66の各々が一方のスロットに受け入れられる。添付図面に示すように、左アーム24は下スロット106に位置決めされ、上アーム26は上スロット104に位置決めされる。ベアリングプレート108(図4及び図7参照)が二つのスロット104及び106を、以下に説明するように、これらのスロットの長さの大部分に沿って離間する。主本体22を通る下スロット106の中央に沿って、一対のヨークアーム110がスロット106内に延びている。これらのアーム110の各々の上端には、ピニオンギヤ80のアクスル114を受け入れるための半円形のノッチ112が設けられている。ヨークアーム110の各々は、ヨーク110がピニオンギヤ80を支持できるように、ギヤラック76と左アーム24のスロット68の側壁との間の対応する隙間78を通って延びる。この際、左顔弓アーム24は、スロット68の一端から顔弓アーム24に形成されたスロットの他端まで主本体22を通って摺動できる。対応するヨーク116が、主本体22の上部分100の上スロット104に形成されており、ラック94と右顔弓アーム26に形成されたスロット(図示せず)の側壁との間に形成されたスロットを通って延びる。その結果、主本体22の上部分100及び下部分102を互いに取り付けると、ピニオンギヤ80のアクスル114がヨークアーム110と116との間に回転自在に拘束される。図7を参照されたい。
【0040】ピニオンギヤ80は、ヨークアーム110及び116に載止している。ピニオンギヤ80は、全体にディスク形状であり、半径方向に延びるギヤ歯118及びディスクの各側から延びるアクスル114を備えている。各アクスル延長部は上文中に説明したようにヨーク110及び116に受け入れられ、ピニオンギヤ80がそこで回転できるようにする。ピニオンギヤ80をヨークに位置決めしたとき、ピニオンギヤ80のギヤ歯118が下ラック76のギヤ歯82並びに上ラック94のギヤ歯と噛み合う。図6C及び図7Aを参照されたい。
【0041】組み立てた状態では、上ラック94の下面98と下ラック76の上面90との間にキャビティが形成される。このキャビティは、左右の顔弓アーム24及び26の厚さ、ピニオンギヤ80から延びるアクスル114の直径、ベアリングプレート108の厚さ(後に説明する)、及び主本体の上下の部分を通して形成されたスロットの上方に延びるヨーク部材の量を合算したのとほぼ同じである。図7を参照されたい。
【0042】ラックアンドピニオンシステム98により、上文中に説明したように、一方のアームの移動で他方のアームを移動させることができる。例えば、左顔弓アーム24を縮めた位置から延ばした位置まで移動すると、ピニオンギヤ80に関するアーム24の移動によりピニオンギヤが回転する。ピニオンギヤが右アーム26のラック94とも係合しているため、下ラック76によって駆動されたピニオンギヤ80は上ラック94と係合し、右顔弓アーム26を左顔弓アーム24とは反対方向に移動する。ピニオンギヤの歯が上下のラックの両方と積極的に係合しているため、左顔弓アーム24は右顔弓アーム26とほぼ一定に整合しており、このことは、左顔弓アーム24を外方に2.54cm(1インチ)移動すると右顔弓アーム26が外方に2.54cm(1インチ)移動するということを意味する。
【0043】ベアリングプレート108は、第1区分100と第2区分102との間で主本体22に取り付けられている。左右のアーム24及び26が内方及び外方に移動するときにこれらのアームがその上側上で摺動する低摩擦表面を提供する。ベアリングプレート108は、更に、上下のスロット104及び106の輪郭をこれらのスロットの長さの大部分に亘って画成する。ベアリングプレート108は比較的薄く、厚さが約7.87mm(約0.31インチ)であり、ピニオンギヤ80又はカム係止ノブ30の移動の邪魔にならないような形状になっている(切欠きを有する)。ベアリングプレート108はPTFE(テフロン)(テフロン(Teflon)は登録商標である)で形成されている。これにより、ギヤシステムの潤滑の必要をなくす。このラックアンドピニオンギヤシステム98は、ラック76及び94がいずれかの顔弓アームに装着されるように組み立てられるという点で有利である。更に、ラックが上方及び下方に向いて互いに向き合っているため、組み立て時にピニオンギヤ80が主本体に更に容易に且つしっかりと位置決めされる。
【0044】顔弓の従来のラックアンドピニオンギヤシステムは、顔弓アームの前縁部に沿って型押ししたギヤ歯及び対応する後縁部を有し、ピニオンギヤは垂直軸線を中心として回転するように配向されている。金属製のアームにギヤ歯を型押しするには費用が比較的高く、左右のアームについて別のプロセスを必要とし、垂直方向に配向されたピニオンギヤを型押ししたギヤ歯と整合させるのは困難であり、及びかくして製造に費用がかかる。現在のピニオンギヤシステムでは、スロットを形成し、ここにギヤラックを組み込むのが遙かに効率的であり、及びかくして費用が比較的低い。更に、ギヤラック76又は94が損傷した場合、顔弓アーム全体を交換する必要がなく、損傷したギヤラックだけを交換すればよい。更に、各アームは同じであり、そのため、左右のアームを別々に製作する必要がない。
【0045】顔弓の左アーム24及び右アーム26をひとたび患者の耳に適正に位置決めした後、正確な計測を行うため、主本体に関するこれらのアームの位置を固定しなければならない。本発明では、図4、図4A、図6A、図6B、図6C、図7A、及び図7Bに示すカム係止ノブ30をこの目的で使用する。カム係止ノブ30は、実質的に円筒形のディスク形状であり、一方の外面に二つの周囲カム面120及び122が形成されており(図4A参照)、カム係止ノブ30の他方の側面が円筒形突出部124を画成する。カム係止ノブ30は、主本体の後縁に形成された凹所126に収容される。ノブ凹所126は、主本体22の上部分100及び下部分102によって、これらの部分を互いに連結したときに形成される。カム係止ノブ30は、左右の顔弓アーム24及び26の各々の後側と係合して顔弓アームを主本体で互いに対して相対的な位置に固定するように操作される。カム係止ノブ30の作動は、このノブを主本体22に関して回転させることによって行われる。
【0046】図7、図7A、及び図7Bは、カム係止ノブ30のこの使用を詳細に示す。図7は、主本体の上部分100と下部分102を互いに連結したとき、これらの部分の組み合わせによって形成されたキャビティ128内に円形の突出部124が延びた状態で凹所内に位置決めされたカム係止ノブ30を示す。左右の顔弓アームの長さ方向後縁部130及び132の夫々もまた、キャビティ128内に露呈されている。中実であるか或いは環状カラーをなした円筒形突出部124がキャビティ128の上側で軸線方向及び回転方向の両方で以下に説明するように移動できる。カム係止ノブ30の外面、特にカム面120及び122は、主本体22の対応する上面134及び下面136と係合する。上面及び下面は、好ましくは、カム面と対応する。
【0047】図7及び図7Aは、カム係止ノブ30を係合解除位置で示す。カム係止ノブ30の外面のカム面120及び122は、それらの最も薄い位置でハウジングと係合している。この位置では、カム係止ノブ30の内面とハウジング22との間に隙間138が形成され、最も重要なことには、円筒形突出部124の最も内側の表面と左右の顔弓アーム24及び26の夫々の後縁132及び130との間に隙間140が形成される。この係合解除位置では、左右の顔弓アーム24及び26は、干渉せずに内方及び外方に移動できる。
【0048】顔弓アーム24及び26は、カム係止ノブ30を作動することによって所望の位置に固定される。図7Bは、カム係止ノブ30を係合位置で示す。カム係止ノブ30を回転させ、その外側面に形成されたカム面122及び120をハウジング22の対応する上面134及び下面136と係合し、カム係止ノブ30を顔弓アーム24及び26に向かって軸線方向に押圧する。これにより、カム係止ノブ30の内面に設けられた円筒形突出部124を左右の顔弓アーム24及び26の露呈された後縁部130及び132と係合し、及びかくしてクランプ係合によりそれらの位置を固定する。図示のように、カム係止ノブ30を一回転の約半分回転させて円筒形突出部を左右の顔弓アームと係合させ、それらの位置を固定する。カム面120及び122は、カム係止ノブ30をカム面が設けられた側部から見て時計廻り方向に回転させたときに顔弓アームと係合してそれらの位置を固定するように設計されている。カム係止ノブ30を反時計廻り方向に回転させたときにアームの位置を固定するようにカム面を形成することも考えられる。
【0049】更に、カム係止ノブ30を半回転だけ回転することにより顔弓アーム24及び26と係合させるのが好ましいけれども、カム面は、顔弓アームとの係合を行う上で必要なノブ30の回転をこれよりも小さいように又は大きいように設計できる。左右の顔弓アーム24及び26は、カム係止ノブ30と係合したとき、カム係止ノブ30から遠ざかる方向に移動しないように主本体ハウジング22によって拘束されている。左右の顔弓アーム24及び26の主本体22に関する位置を固定するためにカム係止ノブ30を使用することは、顔弓20を操作する歯科専門家にとって非常に便利である。カム係止ノブ30は、主本体22の後側の中央に位置決めされ、手早く且つ便利に操作するため、主本体22の上側から又は下側から又は両方からアクセスできる。
【0050】本発明のサイト構造28は、患者の顔に印された随意の第3基準点40の位置を定めるためにポインター34を使用する必要をなくす新規な特徴である。図7、図8、図8A、及び図8を参照されたい。サイト構造28は、顔弓の主本体の上面142及びサイトカバー144によって構成される。サイトカバー144は、主本体22に取り付けられたとき、カバー144と主本体142との間に隙間146を画成する。この隙間146がサイト即ち視域であり、歯科専門家はこの隙間を通して患者の顔を見る。サイトの重要な寸法には、使用者の顔に最も近い点で、即ちサイトカバー144の内縁部148に沿って、隙間が約1.016mm(約0.040インチ)(図8Aの高さ寸法Xを参照されたい)であるということが含まれる。サイトカバーの外縁部に沿った、即ち主本体の後面に最も近いところでの隙間146はあまり重要でない。別の重要なパラメータは、好ましくは隙間の中央から計測して水平方向に対して下方に7.5°の角度αでサイトを位置決めしなければならないということである。図7の角度αを参照されたい。顔の前側が外耳道から約8.128cm(約3.2インチ)であるという仮定に基づき、これらの重要な寸法は、随意の第3基準点40の位置を定めるとき、水平方向から約±2°の許容差を提供する。水平方向から±2°の視野は、ポインター34を使用した場合程正確でないが、サイト構造28を使用すると、迅速であり、侵入が少なく、患者にとって更に快適である。水平方向から±2°の許容差は、更に、歯科用咬合器で咬合歯型を適正に配向する上で適切な正確さを提供する。
【0051】サイトカバー144は、支持脚部150が両端及び中央から下方に延びる全体に細長い部材である。サイトカバー144を主本体に取り付けると、これらの三つの支持脚部150が主本体22の上面142上に載り、荷重の作用によって又は何回も使用した後に隙間の寸法が変形しないように保持するのを助ける。アンカー脚部152が二つの端部支持脚部から下方に延びており、これらのアンカー脚部の各々は、主本体22の上面142に形成された対応するスロットに受け入れられる。各アンカー脚部152及びその端部に形成されたフック154により、サイトカバー144は、簡単であり且つ効率的な方法で主本体22の上面142にしっかりと取り付けられる。フック154は、サイトカバー144がひとたび主本体22に取り付けられると容易には外れないようにする。しかしながら、様々な隙間を持つ様々なサイトカバー144を同じ主本体22に置くことができると考えられる。更に、サイトカバー144を主本体にしっかりと取り付けるために様々な構造を使用できると考えられる。隙間寸法は、支持脚部150の長さで決まる。好ましくは、サイトカバーの幅は約1.91cm(約0.750インチ)である。この寸法並びに隙間の高さが、第3基準点の位置を定める上で好ましい視野を提供する。図8A及び図8Bを参照されたい。
【0052】顔弓は、装置全体を高圧蒸気滅菌できるか或いは耳ピースを容易に取り外して別に高圧蒸気滅菌できるように設計されている。顔弓20及び耳ピース32は、特に高圧蒸気滅菌、化学蒸気滅菌、及び低温殺菌用に設計されている。高圧蒸気滅菌プロセスの高温のため、顔弓アームを滑らかに動かすための潤滑剤を使用できないため、潤滑を提供するためのベアリングプレート108をアーム24と26との間で使用する。プレート108は、潤滑を提供するばかりでなく、潤滑剤を適用することと関連した問題点をなくすことによって、例えば正しい量を適用し、汚れをなくし、アームの表面の凹凸の効果を減少する、等によって組み立てを容易にする。
【0053】顔弓20の組み立ては以下に説明するように行われる。ギヤラック76及び94をアーム24及び26の夫々に平頭ねじで取り付ける。一方のアーム、例えば左アーム24に顆間距離目盛りがレーザーで刻んである。目盛りは、アームに設けられたスロットの端部から位置決めされる。レーザーで刻みを入れたアーム24を主本体22の下部分102のその噛み合うスロット106に置き、延ばした位置に位置決めする。これは、スロットを位置決めする基準である。ピニオンギヤ80をヨーク110に配置し、下アーム24に設けられたギヤラック76とかみ合わせる。次いで、ベアリングプレート108及びカム係止体30を主本体22の下部分102内に置く。他方のアーム26は、上文中に説明したように取り付けられたギヤラック94を有し、これを主本体22の下部分102に延ばした位置で配置する。次いで、主本体部分のうちの一方の本体部分からのボスが、主本体部分のうちの他方の本体部分の対応するボスと整合するように、主本体22の上部分100をこれらの部品の上に位置決めし、ねじを使用して上下の主本体部分を互いに固定する。その後、サイトカバー144を上文中に説明したように所定位置にスナップ嵌めする。次いで、耳ピース32をアームに取り付ける。
【0054】作動では、横方向切縁の上方約43mmで顔に基準平面位置決め器で点を印すことによって、随意の第3基準点40を見つける。咬合フォークアッセンブリを咬合位置合わせ材料(歯型材料)で患者の口に取り付け、顔弓計測を行うために転写ジグアッセンブリを咬合フォークに取り付ける。ねじ山を備えた止めねじを使用して転写ジグアッセンブリを咬合フォークに保持する。
【0055】次いで、顔弓20をその延ばした位置まで移動し、顔に対して隙間を形成する。アーム24及び26を互いに向かって内方に移動し、耳ピース32が患者の耳にしっかりと着座するように顔弓を閉じる。耳ピース32の設計により、顔弓を前方に引っ張る必要をなくす。図3を参照されたい。次いで顔弓20をカム係止体30で所定位置に係止する。サイト構造128が形成する隙間146内の中央(隙間の上から下までの中央)に印がくるように顔弓を患者の顔の前方で垂直な円弧をなして枢動させることによって、顔弓を随意の第3基準点40と整合させる。この工程は、取り付けられたポインター34をこのポインターが随意の第3基準点40と整合するように位置決めすることによっても行うことができる。顆間距離を顔弓20に形成された目盛りから読み取り、必要であれば記録する。その後、顔弓20を転写ジグに取り付ける。アッセンブリ全体を取り外した後、転写ジグを顔弓から取り外し、鋳造体を咬合器に取り付ける(鋳造体は、当該技術分野で周知のように、先ず最初に成形型から製造されなければならない)。次いで、顔弓を再度使用でき、所望であれば、耳ピースを取り外して殺菌するか或いは顔弓全体を殺菌できる。
【0056】本発明をその好ましい実施例を参照して特定的に示し且つ説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細における様々な他の変更を行うことができるということは当業者には理解されよう。
【出願人】 【識別番号】500065897
【氏名又は名称】ウォーター・ピック・インコーポレーテッド
【出願日】 平成12年7月28日(2000.7.28)
【代理人】 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫 (外5名)
【公開番号】 特開2001−128997(P2001−128997A)
【公開日】 平成13年5月15日(2001.5.15)
【出願番号】 特願2000−228590(P2000−228590)