| 【発明の名称】 |
歯牙修復材カプセル |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 道雄
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| 【要約】 |
【課題】ノズル部分における閉塞がなく且つ安定して歯牙修復材料としての混練物を押し出すことが出来る歯牙修復材カプセルを提供する。
【解決手段】歯牙修復材カプセルは、粉体成分(A)及び液体成分(B)を別個に収容すると共に、これらの混練によって得られる混練物(C)を歯牙修復部位に投与するためのカプセルであり、粉体成分(A)を収容するカプセル本体(1)と、液体成分(B)を収容するプランジャー機構(2)と、混練物(C)を吐出するノズル(5)とから構成される。プランジャー機構(2)は、液体カップ(21)、ランジャー本体(22)及びプランジャー(23)から成り、プランジャー(23)は、プランジャー本体(22)に没入可能に装着され、カプセル本体(1)の先端部には、内圧の上昇によって開く弁体(7)が付設される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粉体成分(A)および液体成分(B)の2成分を別個に収容すると共に、これらの混練によって得られる歯牙修復材料としての混練物(C)を歯牙修復部位に投与するための歯牙修復材カプセルであって、先端中心に混練物の出口穴(15)を有し且つ所定量の粉体成分(A)を収容するシリンダー状のカプセル本体(1)と、当該カプセル本体の後端から装着され且つ所定量の液体成分(B)を収容するプランジャー機構(2)と、カプセル本体(1)の先端に装着され且つ混練物(C)を吐出するノズル(5)とから構成され、プランジャー機構(2)は、薄膜状シール(24)によって封止された放出口(25)を先端中心に有し且つ内部に液体成分(B)を収容した液体カップ(21)と、当該液体カップの後端から液密に挿入され且つ押込み操作されるプランジャー本体(22)と、液体カップ(21)の放出口(25)に嵌合する棒状突起(23p)を先端に有し且つプランジャー本体(22)の前端中心に没入可能に装着されたプランジャー(23)とから成り、プランジャー本体(22)とプランジャー(23)の間には、液体カップ(21)にプランジャー本体(22)が押し込まれる際にはプランジャー(23)を初期位置に係止し、液体カップ(21)の奥端にプランジャー(23)が到達して薄膜状シール(24)開封後に更に大きな押込み力を作用させた場合にはプランジャー(23)を開放する第1のストッパー(3)が設けられ、カプセル本体(1)と液体カップ(21)の間には、第1のストッパー(3)の開放によってプランジャー(23)がプランジャー本体(22)に没入する際には液体カップ(21)を初期位置に係止し、液体カップ(21)の奥端にプランジャー本体(22)が到達した後に更に大きな押込み力を作用させた場合には液体カップ(21)を開放する第2のストッパー(6)が設けられ、しかも、カプセル本体(1)の先端部には、プランジャー機構(2)の液体カップ(21)を押し込んだ際、カプセル本体(1)内部の圧力の上昇によって開く弁体(7)が付設されていることを特徴とする歯牙修復材カプセル。 【請求項2】 プランジャー(23)の棒状突起(23p)の長さは、液体カップ(21)にプランジャー本体(22)が押し込まれた状態において液体カップ(21)の放出口(25)を貫通する長さであって、しかも、液体カップ(21)にプランジャー本体(22)が押し込まれ且つカプセル本体(1)に液体カップ(21)が押し込まれた状態においてノズル(5)の内部に入り込まない長さに設定されている請求項1に記載の歯牙修復材カプセル。 【請求項3】 プランジャー(23)の棒状突起(23p)は、液体カップ(21)の放出口(25)に嵌合した際、放出口(25)の内周との間に隙間を形成する構造になされている請求項1又は2に記載の歯牙修復材カプセル。 【請求項4】 ノズル(5)がカプセル本体(1)の先端に溶着されている請求項1〜3の何れかに記載の歯牙修復材カプセル。 【請求項5】 ノズル(5)が湾曲したノズルである請求項1〜4の何れかに記載の歯牙修復材カプセル。 【請求項6】 カプセル本体(1)の後端とプランジャー機構(2)の液体カップ(21)、ならびに、プランジャー機構(2)の液体カップ(21)の後端とプランジャー本体(22)は、プランジャー機構(2)における押込み操作によって剥離するシール材(8)により封止されている請求項1〜5の何れかに記載の歯牙修復材カプセル。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、歯牙修復材カプセルに関するものであり、詳しくは、粉体成分および液体成分の2成分を別個に収容すると共に、これらの混練によって得られる歯牙修復材料としての混練物を歯牙修復部位に投与するための歯科治療用の歯牙修復材カプセルであって、混練物を投与する際にノズル部分における閉塞がなく且つ安定して混練物を押し出すことが出来る歯牙修復材カプセルに関するものである。 【0002】 【従来の技術】特開平8−131459号公報には、歯科治療において歯牙修復材料を投与するための「歯牙修復材用カプセル」(歯牙修復材カプセル)が開示されている。図11は、上記の公報に記載された従来の歯牙修復材カプセルの構造を示す中心線に沿って破断した断面図であり、図12及び図13は、図11の歯牙修復材カプセルの使用態様を示す断面図である。 【0003】図11に示す歯牙修復材カプセルは、粉体成分(A)が収納されるシリンダー状のカプセル本体(91)と、内部に液体成分(B)が収納され且つカプセル本体(91)に後端側から嵌合する液体カップ(92)と、棒状突起(93a)を先端部に有し且つ液体カップ(92)に後端側から嵌合するプランジャー(93)と、カプセル本体(91)の外周に螺合するキャップ(94)によってカプセル本体(91)の先端部に固定されるノズル(95)とから構成される。 【0004】また、カプセル本体(91)の先端中心には、混練物(C)(図13参照)の出口用の円形穴(91b)が設けられ、円形穴(91b)は、薄膜状シール(91c)によって封止される。そして、液体カップ(92)の先端部中心には、液体成分(B)の出口用の円形穴(92a)が設けられ、円形穴(92a)は、薄膜状シール(92b)によって封止される。更に、液体カップ(92)の後端外周面には、カプセル本体(91)の後端側の初期位置に液体カップ(92)を係止するためのストッパー(92c)が設けられる。 【0005】上記の歯牙修復材カプセルによって歯牙修復材料を投与する場合には、先ず、プランジャー(93)を液体カップ(92)の奥端まで押し込むことにより、図12に示す様に、液体カップ(92)先端の薄膜状シール(92b)を棒状突起(93a)によって破り、円形穴(92a)からカプセル本体(91)に液体成分(B)を注入する。その際、液体カップ(92)は、ストッパー(92c)によって移動を規制され、初期位置に保持される。そして、液体成分(B)を注入した後は、粉体成分(A)と液体成分(B)をミキシング装置によって混練することにより、カプセル本体(91)内において歯牙修復材料としての混練物(C)を得る。 【0006】次いで、図13に示す様に、カプセル本体(91)の後端側に設けられたアプライヤー係合溝(91h)にアプライヤーの爪を係合させ、アプライヤーの押圧棒(図中に仮想線で示す部材)でプランジャー(93)を更に押圧することにより、プランジャー(93)と共に液体カップ(92)をカプセル本体(91)の奥端に徐々に押し込む。斯かる操作により、カプセル本体(91)先端の薄膜状シール(91c)を棒状突起(93a)によって押し破り、円形穴(91b)を開口すると共に、円形穴(91b)及びノズル(95)を通じ、混練物(C)を押し出す。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の歯牙修復材カプセルにおいては、カプセル本体(91)先端の薄膜状シール(91c)を破る際、プランジャー(93)の棒状突起(93a)をノズル(95)の内部まで突出させるため、突出した棒状突起(93a)及び破れた薄膜状シール(91c)がノズル(95)の基部を閉塞し、混練物(C)を円滑に押し出せないことがある。 【0008】他方、混練物(C)が押し出されるまでの間、すなわち、プランジャー(93)の棒状突起(93a)によって薄膜状シール(91c)を破るまでの間は、液体カップ(92)を漸次押し込まなければならないため、カプセル本体(91)の内圧が著しく上昇し、薄膜状シール(91c)が破れた瞬間に混練物(C)が多量に吹き出すと言う問題もある。 【0009】また、カプセル本体(91)と液体カップ(92)の隙間および液体カップ(92)とプランジャー(93)の隙間には、シール構造が設けられているが、実際、プランジャー(93)や液体カップ(92)の押込操作によって後端側から粉体成分(A)が吹き出す場合がある。 【0010】本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、混練物を投与する際にノズル部分における閉塞がなく且つ安定して混練物を押し出すことが出来る改良された歯牙修復材カプセルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、押込操作による粉体成分や混練物の漏れがない歯牙修復材カプセルを提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明の歯牙修復材カプセルは、粉体成分および液体成分の2成分を別個に収容すると共に、これらの混練によって得られる歯牙修復材料としての混練物を歯牙修復部位に投与するための歯牙修復材カプセルであって、先端中心に混練物の出口穴を有し且つ所定量の粉体成分を収容するシリンダー状のカプセル本体と、当該カプセル本体の後端から装着され且つ所定量の液体成分を収容するプランジャー機構と、前記カプセル本体の先端に装着され且つ混練物を吐出するノズルとから構成され、前記プランジャー機構は、薄膜状シールによって封止された放出口を先端中心に有し且つ内部に液体成分を収容した液体カップと、当該液体カップの後端から液密に挿入され且つ押込み操作されるプランジャー本体と、前記液体カップの放出口に嵌合する棒状突起を先端に有し且つ前記プランジャー本体の前端中心に没入可能に装着されたプランジャーとから成り、前記プランジャー本体と前記プランジャーの間には、前記液体カップに前記プランジャー本体が押し込まれる際には前記プランジャーを初期位置に係止し、前記液体カップの奥端に前記プランジャーが到達して前記薄膜状シール開封後に更に大きな押込み力を作用させた場合には前記プランジャーを開放する第1のストッパーが設けられ、前記カプセル本体と前記液体カップの間には、前記第1のストッパーの開放によって前記プランジャーが前記プランジャー本体に没入する際には前記液体カップを初期位置に係止し、前記液体カップの奥端に前記プランジャー本体が到達した後に更に大きな押込み力を作用させた場合には前記体カップを開放する第2のストッパーが設けられ、しかも、前記カプセル本体の先端部には、前記プランジャー機構の液体カップを押し込んだ際、前記カプセル本体内部の圧力の上昇によって開く弁体が付設されていることを特徴とする。 【0012】すなわち、上記の歯牙修復材カプセルによる歯牙修復材の投与の操作においては、プランジャー本体を押し込むことにより、プランジャー本体と共にプランジャーを前進させ、棒状突起によって薄膜状シールを破り、液体カップの放出口を開口する。その際、第1のストッパーは、プランジャー本体に対するプランジャーの突出位置を保持する。また、プランジャー本体を更に押し込むことにより、液体カップの奥端側にプランジャー本体を前進させる。その場合、押込み操作の力が第1のストッパーを解除し、また、第2のストッパーは、カプセル本体に対する液体カップの初期位置を保持する。その結果、プランジャーは、プランジャー本体に相対的に没入し、プランジャー本体は、その前進によって放出口から液体成分をカプセル本体に注入する。 【0013】液体成分を注入した後、カプセル本体に予め収容された粉体成分と注入された液体成分を混練することにより、カプセル本体において歯牙修復材料としての混練物を得る。混練物を吐出するには、アプライヤーの押圧棒によってプランジャー本体と共に液体カップを更に押し込む。斯かる押込み操作により、第2のストッパーが解除し、液体カップは、カプセル本体の奥端側に前進し、そして、カプセル本体内を加圧する。一方、弁体は、液体カップの押込み操作によるカプセル本体内部の圧力上昇によって作動し、出口穴を開口する。その結果、ノズルの先端から混練物が吐出される。 【0014】また、上記の歯牙修復材カプセルにおいては、プランジャーの棒状突起によるノズルの閉塞をより確実に防止するため、プランジャーの棒状突起の長さは、液体カップにプランジャー本体が押し込まれた状態において前記液体カップの放出口を貫通する長さであって、しかも、前記液体カップに前記プランジャー本体が押し込まれ且つカプセル本体に前記液体カップが押し込まれた状態においてノズルの内部に入り込まない長さに設定されているのが好ましい。 【0015】更に、上記の各歯牙修復材カプセルにおいては、一層円滑に弁体を作動させるため、例えば、カプセル本体の先端部の弁体は、外周面の中央に条溝を有し且つ外周面の一部に支持片を有する略滑車状の扁平円板体として形成され、前記カプセル本体先端の出口穴の内周には、前記弁体外周面の条溝に係合する楔状の爪が内側に向けて突設され、そして、前記弁体は、前記カプセル本体先端の出口穴の外周壁とノズルの基端面との間に前記支持片が挟み付けられることにより前記カプセル本体の先端に装着され、かつ、前記出口穴の内周の爪が前記弁体外周面の条溝に係合することにより前記カプセル本体の出口穴を封止している。 【0016】また、上記の各歯牙修復材カプセルにおいては、液体カップに収容された液体成分の蒸発を防止するため、カプセル本体の後端とプランジャー機構の液体カップ、ならびに、前記プランジャー機構の液体カップの後端とプランジャー本体は、プランジャー機構における押込み操作によって剥離するシール材により封止されているのが好ましい。 【0017】 【発明の実施の形態】本発明に係る歯牙修復材カプセルの一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る歯牙修復材カプセルの構造を示す中心線に沿って破断した断面図であり、図2〜図4は、図1の歯牙修復材カプセルの使用態様を示す断面図である。図5は、プランジャー本体とプランジャーの間に設けられた第1のストッパーの構造例を示す一部破断の側面図であり、図6は、プランジャー本体とプランジャーの間に設けられた第1のストッパーの他の構造例を示す一部破断の側面図である。図7は、プランジャー機構のプランジャーの一例を示す側面図および正面図であり、図8は、プランジャー機構のプランジャーの他の例を示す側面図および正面図である。図9は、カプセル本体先端の出口穴部分の構造を示す拡大した断面図および中心線に直交する断面図である。図10は、カプセル本体先端の出口穴を封止する弁体の構造例を示す正面図、側面図および縦断面図である。以下、実施形態の説明においては、歯牙修復材カプセルを単に「カプセル」と略記する。 【0018】本発明のカプセルは、図1に示す様に、粉体成分(A)および液体成分(B)の2成分を別個に収容すると共に、これらの混練によって得られる歯牙修復材料としての混練物(C)を歯牙修復部位に投与するためのカプセルであり、斯かるカプセルは、概略、先端中心に混練物の出口穴(15)を有し且つ所定量の粉体成分(A)を収容するシリンダー状のカプセル本体(1)と、当該カプセル本体の後端から装着され且つ所定量の液体成分(B)を収容するプランジャー機構(2)と、カプセル本体(1)の先端に装着され且つ混練物(C)を吐出するノズル(5)とから構成される。 【0019】本発明において、粉体成分(A)は、カプセル本体(1)に例えば0.3〜1.0g程度収容される。また、液体成分(B)は、プランジャー機構(2)の内部に0.07〜0.7g程度収容される。カプセル本体(1)、プランジャー機構(2)及びノズル(5)は、通常、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ABS樹脂、液晶樹脂などの合成樹脂を射出成形することによってそれぞれ形成される。 【0020】カプセル本体(1)は、後端が開放されたシリンダー状に形成され、カプセル本体(1)の先端部には、幾分後端側に入り込んだ位置に先端壁(17)が隔壁状に設けられ、先端壁(17)に上記の出口穴(15)が形成される。また、カプセル本体(1)の後端側の外周面には、プランジャー機構(2)の操作においてアプライヤーを適用するための係合溝(18)が設けられる。更に、カプセル本体(1)の後端内周縁には、後述の第2のストッパー(6)を構成する突条が円環状に設けられる。 【0021】プランジャー機構(2)は、液体成分(B)及び混練物(C)を押し出すための2段構造のプランジャーであり、薄膜状シール(24)によって封止された放出口(25)を先端中心に有し且つ内部に液体成分(B)を収容した液体カップ(21)と、当該液体カップの後端から液密に挿入され且つ押込み操作されるプランジャー本体(22)と、液体カップ(21)の放出口(25)に嵌合する棒状突起(23p)を先端に有し且つプランジャー本体(22)の前端中心に没入可能に装着されたプランジャー(23)とから構成される。 【0022】液体カップ(21)は、混練物(C)を押し出すプランジャーとして機能する後端開放の容器である。液体カップ(21)の外径は、カプセル本体(1)の内周面に緩く摺接する程度の直径とされ、液体カップ(21)の先端側の外周面には、カプセル本体(1)と液体カップ(21)の間のシール機構として、カプセル本体(1)の内周面に強く接する膨出部が円環状に形成される。 【0023】また、液体カップ(21)の後端外周縁には、上記カプセル本体(1)の突条と協働して第2のストッパー(6)を構成する突条が円環状に設けられる。更に、液体カップ(21)の後端内周縁には、ランジャー本体(22)の外周面に接する膨出部が円環状に設けられる。斯かる膨出部は、後述するプランジャー本体(22)の外周面の膨出部(22s)(図5参照)と協働し、液体カップ(21)からプランジャー本体(22)が脱落するのを防止する機能を発揮する。しかも、上記の膨出部は、液体カップ(21)とプランジャー本体(22)の間のシール機構としても機能する。 【0024】液体カップ(21)先端の放出口(25)は、円形に開口され、通常は、別途に作製された薄膜状シール(24)によって封止される。また、薄膜状シール(24)は、液体カップ(21)の成形において、環状の脆弱帯を先端面に形成することにより、液体カップ(21)の先端面と一体に形成されてもよい。何れにしても、薄膜状シール(24)は、後述する様に、指先の操作によるプランジャー本体(22)の移動によって破れる程度の強度に設定される。 【0025】プランジャー本体(22)は、直接に押込み操作される部材であり、前端に開口する中空部を備えている。斯かる中空部は、プランジャー(23)の外形と同形状に形成される。図5に示す様に、プランジャー本体(22)の外周面には、上記の膨出部(22s)が円環状に設けられ、膨出部(22s)は、液体カップ(21)の内周面に強く接することにより(図1参照)、液体カップ(21)とプランジャー本体(22)の間のシール機構を構成している。 【0026】図5に示す様に、プランジャー本体(22)の中空部の内周面には、第1のストッパー(3)としての膨出部(22r)が環状に設けられる。また、図6に示す様に、プランジャー本体(22)の中空部の内周面が凹凸のない平滑面に形成されてもよい。その場合、第1のストッパー(3)は、後述のプランジャー(23)の外周面の膨出部(23r)によって構成される。 【0027】図1中のプランジャー(23)は、図7に示す様に、厚み部分に相当する側面が局面に形成された扁平なブロックであり、先端の棒状突起(23p)は、中心線に直交する断面が略楕円形に形成された若干先細りのピンである。棒状突起(23p)の長径(上記の断面の最大長さ)は、液体カップ(21)の放出口(25)の直径よりも短く設定されることにより、棒状突起(23p)は、放出口(25)に緩く嵌合する様になされている。 【0028】また、本発明においては、放出口(25)からカプセル本体(1)に液体成分(B)を一層円滑に注入し得る様に、プランジャー(23)の棒状突起(23p)は、液体カップ(21)の放出口(25)に嵌合した際、放出口(25)の内周との間に隙間を形成する構造になされているのが好ましい。 【0029】隙間を形成する構造としては、図7(B)に示す様に、棒状突起(23p)の断面形状を上記の様に略楕円形に形成することにより、放出口(25)に隙間を形成する構造の他、例えば、図8に示す様に、プランジャー(23)の本体部を円柱条に形成し、棒状突起(23p)を十字状の断面形状に形成することにより(図8(B)参照)、放出口(25)に隙間を形成する構造などが挙げられる。なお、図7及び図8において、分図(A)が側面図、(B)が正面図である。 【0030】また、本発明のカプセルにおいては、後述する様に弁体(7)の作動によって混練物(C)が吐出する様になされており、ノズル(5)を閉塞させないためには、プランジャー(23)の棒状突起(23p)の長さを出来る限り短くなされているのが好ましい。 【0031】すなわち、本発明の好ましい態様において、プランジャー(23)の棒状突起(23p)の長さは、液体カップ(21)にプランジャー本体(22)が押し込まれた状態において液体カップ(21)の放出口(25)を貫通する長さであって、しかも、液体カップ(21)にプランジャー本体(22)が押し込まれ且つカプセル本体(1)に液体カップ(21)が押し込まれた状態においてノズル(5)の内部に入り込まない長さに設定される。具体的には、棒状突起(23p)の長さは、液体カップ(21)の先端面の厚さに相当する長さよりも幾分長く設定される。 【0032】プランジャー(23)は、図1に示す様に、プランジャー本体(22)の前端中心に、換言すれば、プランジャー本体(22)の中空部に一部を挿入した状態で配置される。すなわち、図5に示す構造の場合、プランジャー(23)は、操作前の初期位置においては上記の第1のストッパー(3)としての膨出部(22r)によって後端を規制され、押込み操作によってプランジャー本体(22)の中空部に没入する様になされている。あるいは、図6に示す構造の場合、プランジャー(23)は、操作前の初期位置においては第1のストッパー(3)としての膨出部(23r)をプランジャー本体(22)の前端の内周縁によって掛止され、押込み操作によってプランジャー本体(22)の中空部に没入する様になされている。 【0033】ノズル(5)は、図1に示す様に、混練物(C)の押出し抵抗を少なくし且つ治療部位に混練物(C)を投与し易い様に、先端に向かうに従い漸次縮径された細長の形状に形成される。しかも、治療部位に混練物(C)を投与する際の操作性をより高めるため、ノズル(5)は湾曲しているのが好ましい。ノズル(5)の基部は、厚肉の円環状に成形され、その内周壁は、後述する弁体(7)の作動を阻害しない様に、基端に向かうに従い漸次拡径される。そして、ノズル(5)基端の開口は、カプセル本体(1)の出口穴(15)と略同径の大きさになされている。 【0034】ノズル(5)の基部は、カプセル本体(1)の先端に嵌め込まれ、そして、カプセル本体(1)の先端、すなわち、先端壁(17)の外端面に溶着される。ノズル(5)基部を厚肉に形成し且つカプセル本体(1)の先端に嵌合させて溶着した構造により、ノズル(5)の取付強度を高め且つ取付部分における混練物(C)の漏れを確実に防止できる。なお、図9(A)中に符号(19)は、ノズル(5)の溶着のために先端壁(17)に設けられた溶融代としての突部を示す。 【0035】本発明のカプセルは、プランジャー機構(2)における一連の押込み操作によりプランジャー(23)、プランジャー本体(22)及び液体カップ(21)を個々に動作させるため、図1に示す様に、上記の様な第1のストッパー(3)及び第2のストッパー(6)が設けられる。 【0036】前述の様に、第1のストッパー(3)は、プランジャー本体(22)とプランジャー(23)の間に設けられており、第1のストッパー(3)は、プランジャー本体(22)内周面の膨出部(22r)及びプランジャー(23)後端の掛止構造、あるいは、プランジャー(23)外周面の膨出部(23r)及びプランジャー本体(22)前端の掛止構造によって構成される。そして、第1のストッパー(3)は、液体カップ(21)にプランジャー本体(22)が押し込まれる際にはプランジャー(23)を初期位置に係止し、液体カップ(21)の奥端にプランジャー(23)が到達して薄膜状シール(24)開封後に更に大きな押込み力を作用させた場合にはプランジャー(23)を開放する様に、掛止状態を設定される。 【0037】また、カプセル本体(1)と液体カップ(21)の間には、第2のストッパー(6)が設けられており、第2のストッパー(6)は、カプセル本体(1)後端内周縁の突条および液体カップ(21)後端外周縁の突条の掛止構造によって構成される。そして、第2のストッパー(6)は、第1のストッパー(3)の開放によってプランジャー(23)がプランジャー本体(22)に没入する際には液体カップ(21)を初期位置に係止し、液体カップ(21)の奥端にプランジャー本体(22)が到達した後に更に大きな押込み力を作用させた場合には液体カップ(21)を開放する様に、掛止状態を設定される。 【0038】更に、本発明においては、ノズル(5)を閉塞させることなく且つ円滑に混練物(C)をを吐出するため、カプセル本体(1)の先端部には、プランジャー機構(2)の液体カップ(21)を押し込んだ際、カプセル本体(1)内部の圧力の上昇によって開く弁体(7)が付設される。弁体(7)によるカプセル本体(1)の出口穴(15)の封止構造は次の通りである。 【0039】すなわち、図10に示す様に、弁体(7)は、外周面の中央に条溝(71)を有し且つ外周面の一部に支持片(75)を有する略滑車状の扁平円板体として形成される(図10(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は中心線に沿って破断した縦断面図である)。他方、図9に示す様に、カプセル本体(1)先端の出口穴(15)の内周には、弁体(7)外周面の条溝(71)に係合する楔状の爪(15t)が内側に向けて突設される。また、カプセル本体(1)先端部の先端壁(17)には、出口穴(15)の周縁の一部に切欠き(15s)が形成される。 【0040】弁体(7)は、切欠き(15s)に支持片(75)を挿入され、カプセル本体(1)先端の出口穴(15)の外周壁、すなわち、先端壁(17)とノズル(5)の基端面(57)との間に支持片(75)が挟み付けられることにより、カプセル本体(1)の先端に装着される(図1参照)。そして、弁体(7)は、出口穴(15)の内周の爪(15t)が弁体(7)外周面の条溝(71)に係合することにより、カプセル本体(1)の出口穴(15)を封止している。 【0041】更に、図示しないが、弁体(7)によるカプセル本体(1)の出口穴(15)の封止構造としては、出口穴(15)の内周の先端壁(17)の厚み方向に沿った前後に微小な一対の突起を形成し、扁平円板体に形成された弁体(7)の縁を前記一対の突起の間に係止する構造などが挙げられる。斯かる構造によれば、上記の様な条溝を弁体(7)の外周に形成する必要がなく、弁体(7)の成形コストを低減できる。 【0042】また、本発明のカプセルにおいては、保管中の液体成分(B)の蒸発を防止するため、図1に示す様に、カプセル本体(1)の後端とプランジャー機構(2)の液体カップ(21)、ならびに、プランジャー機構(2)の液体カップ(21)の後端とプランジャー本体(22)は、プランジャー機構(2)における押込み操作によって剥離するシール材(8)により封止されるの好ましい。シール材(8)としては、流動性パラフィン等、塗布した際に付着性を発揮し、かつ、硬化後は気体成分の透過を防止し、しかも、上記の押込み操作によって付着力を容易に解除し得る素材が使用される。 【0043】次に、本発明の歯牙修復材カプセルによる歯牙修復材の投与における操作を説明する。歯牙修復材の投与においては、最初に、プランジャー機構(2)に収容された液体成分(B)をプランジャー機構(2)の押込み操作によってカプセル本体(1)に注入する。 【0044】液体成分(B)の注入操作においては、先ず、第1段階の押込み操作として、液体カップ(21)にプランジャー本体(22)を押し込むことにより、図1に示す状態からプランジャー本体(22)と共にプランジャー(23)を前進させ、プランジャー(23)の棒状突起(23p)によって薄膜状シール(24)を破る。その際、第1のストッパー(3)がプランジャー本体(22)に対するプランジャー(23)の突出位置を保持するため、プランジャー本体(22)は、これに同伴させて前端のプランジャー(23)を前進させ、棒状突起(23p)によって薄膜状シール(24)に押込み力を作用させ、放出口(25)を開口できる。 【0045】続いて、第2段階の押込み操作として、図2に示す様に、プランジャー本体(22)を更に押し込むことにより、液体カップ(21)の奥端側にプランジャー本体(22)を前進させ、カプセル本体(1)に液体成分(B)を注入する。プランジャー本体(22)を前進させた際には、棒状突起(23p)が放出口(25)に貫通した状態において、プランジャー(23)の肩部が液体カップ(21)の奥端に当接し、第2段階の押込み操作の力が、第1のストッパー(3)を解除する様に作用する。また、第2のストッパー(6)は、カプセル本体(1)に対する液体カップ(21)の初期位置を保持する。 【0046】その結果、プランジャー(23)は、プランジャー本体(22)に相対的に没入し、プランジャー本体(22)は、その前進によって放出口(25)から液体成分(B)をカプセル本体(1)に注入する。また、図7又は図8に例示する様に、プランジャー(23)の棒状突起(23p)が放出口(25)の内周との間に隙間を形成する構造になされている場合には、棒状突起(23p)が放出口(25)に貫通した状態においても、抵抗なく液体成分(B)をカプセル本体(1)に注入できる。 【0047】プランジャー本体(22)を液体カップ(21)の奥端まで押し込んだ後は、従来と同様に、ミキシング装置にカプセルをセットし、カプセル本体(1)に予め収容された粉体成分(A)と注入された液体成分(B)を混練することにより、カプセル本体(1)において歯牙修復材料としての混練物(C)を得る。そして、歯牙修復部位に混練物(C)を塗布するにあたり、アプライヤーにカプセルをセットする。 【0048】混練物(C)を吐出するには、第3段階の押込み操作として、図3に示す様に、アプライヤーを操作することにより、アプライヤーの押圧棒(仮想線で示す部材)によってプランジャー本体(22)と共に液体カップ(21)を更に押し込む。その際、係合溝(18)にアプライヤーの爪を契合させた状態で押圧棒の突出によって押込み操作するため、カプセル本体(1)と液体カップ(21)との間の第2のストッパー(3)を解除でき、液体カップ(21)をカプセル本体(1)の奥端側に前進させることが出来、そして、カプセル本体(1)内を加圧することが出来る。 【0049】一方、弁体(7)は、液体カップ(21)の押込み操作によるカプセル本体(1)内部の僅かな圧力上昇によって作動し、出口穴(15)を開口する。すなわち、弁体(7)は、条溝(71)に係合した出口穴(15)内周の爪(15t)が外れることにより、支持片(75)を支点としてノズル(5)側へ屈曲する。従って、上記の第3段階の押込み操作により、ノズル(5)の先端から混練物(C)を吐出でき、歯牙修復部位に投与できる。 【0050】上記の様に、本発明のカプセルにおいては、液体カップ(21)の薄膜状シール(24)を破った後はプランジャー(23)がプランジャー本体(22)に没入し、また、液体カップ(21)前進によるカプセル本体(1)の内圧の上昇によってカプセル本体(1)の弁体(7)を開く様になされているため、プランジャー(23)の棒状突起(23p)を十分に短く形成できる。その結果、混練物(C)を吐出する際、プランジャー(23)の棒状突起(23p)がノズル(5)の基部に入り込んで干渉することがなく、ノズル(5)の閉塞を有効に防止できる。 【0051】特に、棒状突起(23p)の長さが上記の様な特定の長さに設定された本発明のカプセルにおいては、図4に示す様に、カプセル本体(1)の完全に奥端まで液体カップ(21)を押し込んだ場合でも、プランジャー(23)の棒状突起(23p)がノズル(5)の基部に進入することがないため、ノズル(5)を閉塞させることがなく、収容された混練物(C)を最後まで円滑に吐出できる。 【0052】しかも、本発明のカプセルにおいては、僅かな押込み力で弁体(7)を作動させ、出口穴(15)を開口できるため、カプセル本体(1)の内圧の大きな変動がなく、投与開始時点でのノズル(5)先端からの混練物(C)の強い吹出や、液体カップ(21)の押込み操作中の後端側からの漏出を確実に防止できる。殊に、図9及び図10に示す弁構造を備えている場合には、弁体(7)の条溝(71)の深さや出口穴(15)の爪(15t)の個数によって弁体(7)の解放力を調整することにより、一層円滑に弁体(7)を作動させることが出来、上記の混練物(C)の強い吹出および漏出をより確実に防止できる。 【0053】更に、本発明のカプセルは、上記の様にプランジャー(23)の没入構造、カプセル本体(1)の内圧によって作動する弁体(7)の構造により、プランジャー(23)の棒状突起(23p)を短く形成できるため、カプセル本体(1)や液体カップ(21)の長さを自由に設計できる。また、本発明のカプセルにおいては、カプセル本体(1)の後端ならびに液体カップ(21)の後端がシール材(8)によって封止されていることにより、長期に保管した場合でも、液体成分(B)が蒸発することがなく、確実に変質を防止できる。 【0054】 【発明の効果】以上説明した様に、本発明の歯牙修復材カプセルによれば、液体カップの薄膜状シールを破った後はプランジャーがプランジャー本体に没入し、また、液体カップ前進によるカプセル本体の内圧の上昇によってカプセル本体の弁体を開くため、プランジャーの棒状突起を十分に短く形成でき、ノズル基部におけるの閉塞を有効に防止できる。特に、棒状突起の長さが特定の長さに設定された本発明の歯牙修復材カプセルによれば、カプセル本体の奥端まで液体カップを押し込んだ場合でも、プランジャーの棒状突起がノズルの基部に進入することがないため、収容された混練物を最後まで円滑に吐出できる。 【0055】また、本発明の歯牙修復材カプセルによれば、僅かな押込み力で弁体を作動させ得るため、カプセル本体の内圧の大きな変動がなく、投与開始時点でのノズル先端からの混練物の強い吹出や、押込み操作中の後端側からの漏出を確実に防止できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】393032125 【氏名又は名称】油化電子株式会社 【識別番号】000181217 【氏名又は名称】株式会社ジーシー
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| 【出願日】 |
平成11年10月13日(1999.10.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097928 【弁理士】 【氏名又は名称】岡田 数彦
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| 【公開番号】 |
特開2001−104339(P2001−104339A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月17日(2001.4.17) |
| 【出願番号】 |
特願平11−291460 |
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