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【発明の名称】 歯科訪問診療用携帯型小型ライト
【発明者】 【氏名】京谷 郁男

【氏名】坂本 友貴

【要約】 【課題】歯科医院等に通院できない患者がいる一般家庭等を歯科医師又は歯科衛生士などが訪問して歯科診療を行う場合に、患者に圧迫感を与えずに口腔内に光を照射して観察するための歯科訪問診療用携帯型小型ライトを提供する。

【解決手段】テーパ角θが30〜45度の截頭円錐形であって直径Dが20〜30mmの前面の開口端1abからこの截頭円錐形の仮想の頂点Pまでの高さHが10〜30mmの反射面1aaを備えた反射部1aの後部に連設されている本体把持部1bから成る本体1と、本体把持部1bに装着されたランプソケット4に取り付けられており反射面1aa内で前記仮想の頂点Pの位置から截頭円錐形の軸線上で前方に5〜10mm突出して位置せしめられている直径2〜4mmのランプ3と、前記開口端1ab全面に配備されている半透明なフィルター2とを備え、本体1の全長Lを30〜50mmとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 テーパ角(θ)が30〜45度の截頭円錐形であって前面の開口端(1ab)の直径(D)が20〜30mmで該前面の開口端(1ab)から該截頭円錐形の仮想の頂点(P)までの高さ(H)が10〜30mmの反射面(1aa)を備えた反射部(1a)と該反射部(1a)の後部に連設されている本体把持部(1b)とから成る本体(1)と、該本体把持部(1b)に装着されたランプソケット(4)に取り付けられており該反射部(1a)の反射面(1aa)内で該截頭円錐形の仮想の頂点(P)の位置から該截頭円錐形の軸線上に前方に5〜10mm突出した位置に位置せしめられている直径2〜4mmのランプ(3)と、前記前面の開口端(1ab)全面に配備されている厚さが0.5〜1.5mmの半透明なフィルター(2)とを備えており、前記本体(1)の全長(L)が30〜50mmであることを特徴とする歯科訪問診療用携帯型小型ライト。
【請求項2】 半透明なフィルター(2)が、照度が1,500〜4,500ルックスで色温度が5,000〜7,500ケルビンの光が得られるフィルターである請求項1に記載の歯科訪問診療用携帯型小型ライト。
【請求項3】 半透明なフィルター(2)の中央にランプ(3)の直径より若干大きな光を通さない素材から成るシェード(2a)が配備されている請求項1又は2に記載の歯科訪問診療用携帯型小型ライト。
【請求項4】 ランプソケット(4)の後端に接続されている電線(4a)に、家庭用電源のコンセントに着脱自在な差込プラグ(6)を有しておりランプ(3)の点灯及び消灯を行うメインスイッチ(5a)とランプ(3)への供給電圧を段階的に切り換えるための切換レバー(5b)と該切換レバー(5b)の切換えに対応して点灯する切換表示ランプ(5c)とが配備されている制御筐体(5)が接続されている請求項1から3までのいずれか1項に記載の歯科訪問診療用携帯型小型ライト。
【請求項5】 本体(1)の本体把持部(1b)に自在継ぎ手(7a)を介してクリップ(7)が取り付けられている請求項1から4までのいずれか1項に記載の歯科訪問診療用携帯型小型ライト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科医院等に通院できない患者がいる一般家庭等を歯科医師又は歯科衛生士などが訪問して歯科診療を行う場合に、患者の口腔内を照射するために用いられる歯科訪問診療用携帯型小型ライトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯科医師又は歯科衛生士(以下、単に術者と称することがある)が要介護老人や身体障害者や心身障害者や難病患者等の歯科治療を受けるために歯科医院等に通院できないような患者がいる一般家庭等を訪問して歯科診療を行う場合(以下、単に訪問診療と称することがある)において、その患者の口腔内を観察しまた簡単な治療を行う場合に、歯科医院における治療ユニットに備え付けの無影灯を用いた場合と同じような環境を確保することが重要である。
【0003】なぜなら患者の口腔内の状況は、粘膜面の色(白っぽいとか赤っぽいなど)や歯肉炎の有無(炎症の起きている部分が周辺より赤い)や歯牙へのプラークの付着の有無等をその色から観察してこの観察結果に基づいて善し悪しの判断が行われ、更には簡単な施術(小さな窩洞に対する歯牙と同一色の材料を用いた充填など)がなされるためである。
【0004】ところで、このように色を基にして口腔内の状況の判断がなされるにも拘わらず、訪問診療時に用いられる患者の口腔内を照射する道具としては、従来は電池式(3〜6Vの電池)の懐中電灯や消費電力が15〜40W程度の家庭用電気スタンドなどの歯科医院における治療ユニットに備え付けの無影灯とは程遠い照明器具が用いられていたのである。
【0005】その結果、術者はこれら照明器具から口腔までの距離を経験を頼りにして加減しながら用いていたのであるが、基準となるような明確な明るさの基準(照度)は無いも同然であり、また小さな窩洞に歯科用セメントやコンポジットレジン等を充填する際の色合わせの基準となる色温度についてもほとんど配慮がなされていなかったのである。
【0006】そこで、このような欠点を解消する目的で、例えば特開平7−289516号公報に開示されているようなペンライト状にされていたり、ヘルメット等に着用されるようなヘッドランプ状のものも用いられるようになってきている。ペンライトのものはその口径(ランプカバー用レンズの大きさ)が20〜30mmにされ、ヘッドランプ状のものは小さいものでも口径が40mmで概ね50mm前後のもの多用されている。そして、ペンライト状のものは、例えば単3電池2本をその内部に収納することが可能であるようなその全長が120mm前後のものにされていて、ヘッドランプ状のものは縦80mm×横80mm×厚さ50mm程度の大きさにされているので、両者とも比較的大きいから扱い難く且つ患者にも圧迫感を与えてしまっていたのである。
【0007】そしてこのような照明器具は、何れも理論上は平行光線が得られるように反射面の断面形状が二次曲線状に形成されているが、照らし出された部分はその意図に反して、例えば電球から発する光が照射された部分の中央部のみが特に明るいにも拘わらずそれに比べて周囲が妙に暗かったり、明るい中央部の占める面積が小さ過ぎて見難かったり、明るい部分と暗い部分とが交互に出るような同心円状の縞模様ができたりして、明るさが不均一で非常に使い難いものであった。このような現象は、理論(点光源の存在を想定したこと)と実際(電球のフィラメントは点にはなり得ないこと)との食い違いによって起こるものと推定されるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した如き従来の照明器具の欠点を解消し、小児又は大人が開口した時の大きさである直径30〜50mmの領域を患者の口腔から50〜120mm程度離した位置から照明器具を用いて照射した場合に、照射面がほぼ均一な明るさの所望照度の光が得られしかも口腔内を観察する時に邪魔にならないように取り回しが利いて患者に圧迫感を与えることもなく訪問診療時の携帯にも便利である歯科訪問診療用携帯型小型ライトを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らが照射面において均一な光を得るべく鋭意研究した結果、円錐形をした反射面と半透明なフィルターとの組合せが最も理想的な光が得られ、しかも小型化しても前述の光が得られる構成を見出し本発明を完成するに至ったのである。
【0010】即ち、本発明は、テーパ角が30〜45度の截頭円錐形であって前面の開口端の直径が20〜30mmで該前面の開口端から該截頭円錐形の仮想の頂点までの高さが10〜30mmの反射面を備えた反射部と該反射部の後部に連設されている本体把持部とから成る本体と、該記本体把持部に装着されたランプソケットに取り付けられており該反射部の反射面内で該截頭円錐形の仮想の頂点の位置から該截頭円錐形の軸線上に前方に5〜10mm突出した位置に位置せしめられている直径2〜4mmのランプと、前記前面の開口端全面に配備されている厚さが0.5〜1.5mmの半透明なフィルターとを備えており、前記本体の全長が30〜50mmであることを特徴とする歯科訪問診療用携帯型小型ライトに関するものである。
【0011】またこのような歯科訪問診療用携帯型小型ライトにおいて、半透明なフィルターとして照度が1,500〜4,500ルックスで色温度が5,000〜7500ケルビンの光が得られるフィルターを用いたり、半透明なフィルターの中央にランプの直径より若干大きな光を通さない素材から成るシェードが配備されていたり、ランプソケットの後端に接続されている電線に家庭用電源のコンセントに着脱自在な差込プラグを有しておりランプの点灯及び消灯を行うメインスイッチとランプへの供給電圧を段階的に切り換えるための切換レバーと該切換レバーの切換えに対応して点灯する切換表示ランプとが配備されている制御筐体が接続されていたり、本体の本体把持部に自在継ぎ手を介してクリップが取り付けられていたりすれば、より好ましいことも究明したのである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明に係る歯科訪問診療用携帯型小型ライトの実施例について詳細に説明する。図1は本発明に係る歯科訪問診療用携帯型小型ライトの一実施例の構成を説明する斜視説明図、図2は図1における本体の前後方向の縦断面拡大説明図、図3はランプソケットのもう一つの実施例の縦断面拡大説明図である。
【0013】図面中、1は外形形状が後方に向けその直径が小さくなる截頭円錐形の反射部1aと、この反射部1aの後部に連設されている円筒形をなしている本体把持部1bとから成る本体であり、場合によりこの本体把持部1bはその後部に螺合等の手段により着脱自在に装着される連結部1cを備えていても良い。また、この本体1はアルミニウムなどの金属や硬質プラスチックで成形されているその全長Lが30〜50mmにされている。
【0014】この本体1の反射部1aの前面(前端側)には、患者に圧迫感を与えることがなくしかも使い難いほど小さくもない扱い易い大きさである直径Dが20〜30mmの前面の開口端1abが設けられている。
【0015】そして図2において示すように、反射部1aはその内側にテーパ角θが30〜45度の截頭円錐形であって前面の開口端1abから截頭円錐形の仮想の頂点Pまでの高さHが10〜30mmの反射面1aaを備えている。
【0016】この反射面1aaは、図2に示す実施例では本体1に直接設けられたものであるが、本体1に別途取り付けられたものであっても良く、アルミニウムなどの金属を用いる場合には鏡面加工を施し、プラスチックの場合には蒸着メッキ等を施して、光がこの反射面1aaで反射し易いようにしておくのである。従って、本体1の材質は特に制限されないのである。
【0017】本体1の本体把持部1bは前述したように反射部1aの後部に連設されている部分であり、図2に示した実施例では反射面1aaが本体1に直接設けられているのでその直径が前面の開口端1abの直径Dである20〜30mmより小さな直径の8〜10mmにされている。本体把持部1bが連結部1cを備えている場合には本体把持部1bの後端にオネジ1baが螺設されていてこのオネジ1baに長さが10mm程度の連結部1cに螺設されているメネジ1caが螺合する構造になっている。そして、反射面1aaが本体1に別途取り付けられたものである場合には、その直径は前面の開口端1abの直径D以下であればその太さは自由に設定することが可能である。そして、このように反射部1aの後部に連設されている本体把持部1bの後部に連結部1cや後述するランプソケット4が着脱自在に装着される構成にする理由は、後述するランプ3が切れた時にその交換を容易に行えるようにしたり、電源として電池を使用する場合には電池の交換も容易に行えるようにするためである。
【0018】2は前記本体1の反射部1aの前面の開口端1ab全面に配備されている、ガラス又はプラスチックなどの光を透過させ得る素材で成形されていてその厚みが0.5〜1.5mmである円盤状の半透明のフィルターである。このフィルター2を半透明とするには、フィルター2を成形する時に光の通過を制限又は散乱させるような粒子を混入させたり、成形後にその表面を荒らすような加工を施したりすれば良い。
【0019】このフィルター2の役割は、後述するランプ3が発する光量を制限して患者の口腔内における観察を容易に行い得るような歯科医院における無影灯を用いた場合と同様な条件を作り出すことにあり、その照度が1,500〜4,500ルックスで、しかも口腔内の色の観察に適当な色温度である5,000〜7,500ケルビンとなすような機能を持つものであるとより使い勝手が向上するので好ましいのである。
【0020】そして、この半透明なフィルター2の中央には、ランプ3からの直接光により照射部分の中央部が明るくなる現象を防止するために、ランプ3の直径より若干大きな光を通さない素材から成るシェード2aが配備されていることが好ましい。
【0021】3はその直径が2〜4mmの大きさの強い光を放つことができる光源としてのランプである。このランプ3としては、現在の歯科治療において照明付き歯科用ハンドピースに多用されている20,000〜25,000ルックスの光を放つことが可能にされているタングステン・ハロゲンランプ等を使用することが、大きさの点(設計の自由度の確保)や光量を調節する上で好ましい。
【0022】このランプ3は、前記本体1の反射部1aの反射面1aa内で截頭円錐形の仮想の頂点Pの位置から截頭円錐形の軸線上に前方に5〜10mm突出した位置に位置せしめられているので、ランプ3からの直接光と反射光とが上手い具合に混合されてムラのない光が得られるのである。
【0023】4は前記本体1の本体把持部1bに保持されその前方にランプ3が取り付けられるランプソケットであり、このランプソケット4の後端には図示した実施例のようにランプ3に電気を供給するための電線4aが接続されている場合と、図示しないが電池が設置される場合とがある。また、このランプソケット4の装着方法としては、図2において示すように連結部1cと一体となるように固着されていたり、図3において示すOリング4bのように本体把持部1bに後方から挿入するとその装着が成るような種々の方法が採用できる。
【0024】5は光源であるランプ3への電力の供給を本体1とは分離した位置から行う場合に前記ランプソケット4に接続されている電線4aに接続されている制御筐体であり、この制御筐体5には図1に示した実施例ではランプ3の点灯及び消灯を行うメインスイッチ5aとランプ3への供給電圧を切り換えてランプ3の明るさを段階的に変更するための切換レバー5bとこの切換レバー5bの切換えに対応して点灯して現在のランプ3の明るさがどの段階にあるかを表示する切換表示ランプ5cとが配備されている。
【0025】また、この制御筐体5は家庭用電源のコンセントに着脱自在な差込プラグ6を有しているが、この差込プラグ6は制御筐体5に直接設けられていても、また図1に示したように制御筐体5と電線6aにより接続されていても良い。
【0026】7は本体1の本体把持部1bに自在継ぎ手7aを介して取り付けられているクリップであり、このように自在継ぎ手7aを介してクリップ7が取り付けられていると、このクリップ7で患者の口腔近傍にある部材や治療用具を把持させ、自在継ぎ手7aで本体1、即ちランプ3の向きを患者の口腔に正確に位置固定させることができるので好ましい。
【0027】
【発明の効果】以上に詳細に説明したように、本発明に係る歯科訪問診療用携帯型小型ライトは、テーパ角が30〜45度の截頭円錐形であって前面の開口端の直径が20〜30mmでこの前面の開口端から前記截頭円錐形の仮想の頂点までの高さが10〜30mmの反射面を備えた反射部とこの反射部の反射面内で前記截頭円錐形の仮想の頂点の位置から截頭円錐形の軸線上に前方に5〜10mm突出した位置に位置せしめられている直径2〜4mmのランプとを備えているので、小児又は大人が開口した時の大きさである直径30〜50mmの領域を患者の口腔から50〜120mm程度離した位置において用いると、その照射面がほぼ均一な明るさとなるため、訪問診療時に患者の口腔内を観察する場合に用いるのに好適であり、また本体の全長が30〜50mmという小型であるので患者の口腔内を観察する時に邪魔にならないように取り回しが利いて患者に圧迫感を与えることもなく且つ訪問診療時の携帯に便利な歯科訪問診療用として最適な小型ライトである。
【0028】そして、半透明なフィルターが照度が1,500〜4,500ルックスで色温度が5,000〜7,500ケルビンの光が得られるフィルターであると、歯科医院における治療ユニットに備え付けの無影灯を用いた場合と同じような環境を確保することができて歯牙への充填物の色合わせを行う場合にも色ズレを生じさせることがなくなり、また半透明なフィルターの中央にランプの直径より若干大きな光を通さない素材から成るシェードが配備されていると、ランプからの直接光により照射部分の中央部が明るくなる現象が防止され、またランプソケットの後端に接続されている電線に家庭用電源のコンセントに着脱自在な差込プラグを有しておりランプの点灯及び消灯を行うメインスイッチとランプへの供給電圧を段階的に切り換えるための切換レバーとこの切換レバーの切換えに対応して点灯する切換表示ランプとが配備されている制御筐体が接続されていると、電源として家庭用電源を使用するにも拘らずランプの点灯・消灯欄等個にランプに供給する電圧を変更して明るさを段階的に変更できるばかりかその明るさがどの段階にあるかを知ることができ、そして本体の本体把持部に自在継ぎ手を介してクリップが取り付けられていると、このクリップで患者の口腔近傍にある部材や治療用具を把持させ、自在継ぎ手でランプの向きを患者の口腔に正確に位置固定させることができるのである。
【0029】このような種々の効果を奏するに本発明に係る歯科訪問診療用携帯型小型ライトの歯科医療に貢献する価値は非常に大きなものである。
【出願人】 【識別番号】000181217
【氏名又は名称】株式会社ジーシー
【出願日】 平成11年9月16日(1999.9.16)
【代理人】 【識別番号】100070105
【弁理士】
【氏名又は名称】野間 忠之
【公開番号】 特開2001−79022(P2001−79022A)
【公開日】 平成13年3月27日(2001.3.27)
【出願番号】 特願平11−262442