| 【発明の名称】 |
歯科用自動切削加工装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】蛯原 善則
【氏名】清水 東吉
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| 【要約】 |
【課題】クラウンやインレー等の歯科用補綴物をCAD/CAMによる加工方法を用いて切削加工で作製する場合に用いられる歯科用自動切削加工装置において、複数種及び/又は複数本の切削工具を収納するツールカセットを所望位置に着脱可能にする。
【解決手段】切削工具2が自動制御機構によりチャックとツールカセット1とに自動的に着脱される構成の歯科用自動切削加工装置において、その前面側に切削工具2を収納し保持する機能を有するツールポスト3が挿入可能なツールポスト挿入孔1aが2個以上穿設されているツールカセット1は歯科用自動切削加工装置本体5に固定されているベースブロック4とクランプブロック6とで着脱自在で且つ所望の位置関係を維持させる構成にするに。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 切削工具(2)が自動制御機構によりチャックとツールカセット(1)とに自動的に着脱される構成の歯科用自動切削加工装置において、その前面側に切削工具(2)を収納し保持する機能を有するツールポスト(3)が挿入可能なツールポスト挿入孔(1a)が2個以上穿設されているツールカセット(1)と歯科用自動切削加工装置本体(5)に固定されているベースブロック(4)とにツールカセット(1)をベースブロック(4)に着脱自在で且つ所望の位置関係を維持させる係合手段が設けられていると共に、ベースブロック(4)にツールカセット(1)に設けられている係合手段を締着してツールカセット(1)を固定する締着手段が設けられていることを特徴とする歯科用自動切削加工装置。 【請求項2】 ベースブロック(4)のツールカセット(1)が固定される側の面の所定位置に、少なくとも1個の近接センサー(10)が配備されていて、その近接センサー(10)が固定されたツールカセット(1)に付与された記号の種類を識別するものである請求項1に記載の歯科用自動切削加工装置。 【請求項3】 係合手段が、ツールカセット(1)の後面に立設されているカセット固定ピン(1b)とベースブロック(4)の上面に穿設されている溝(4a)及びこのベースブロック(4)の上方でベースブロック(4)に対して上下動可能なクランプブロック(6)の下面に穿設されている溝(6a)とを組み合わせることにより形成されてカセット固定ピン(1b)に係合する孔であり、締着手段がクランプブロック(6)をベースブロック(4)側に押し付ける構造である請求項1又は2に記載の歯科用自動切削加工装置。 【請求項4】 ツールカセット(1)の後面及び/又はベースブロック(4)の前面にツールカセット(1)とベースブロック(4)との間の距離(隙間)を調節するアジャストスクリュー(13)が配備されている請求項1から3までのいずれか1項に記載の歯科用自動切削加工装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、患者の口腔内における歯牙の欠損部位を補綴する歯冠やインレー等の歯科用補綴物を切削加工で作製する場合に用いられる歯科用自動切削加工装置において、複数種及び/又は複数本の切削工具を収納するツールカセットを所望位置に着脱が可能にされている歯科自動切削加工装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、患者の口腔内における歯牙の欠損部位を補綴するための歯冠やインレー等の歯科用補綴物(以下、単に補綴物と称することがある)は、厳しい適合精度を求められるため、ロストワックッス法等の精密鋳造法により作製されるのが常であった。また、これら補綴物を作製するに際しては、歯科医師による補綴部位となる窩洞の形成から始まり、その欠損部位の印象採取(型取り)や石膏模型の作製等の多くの手順が必要とされていたのである。しかも、それら補綴物の作製には、前述したような厳しい適合精度を求められるが故に、歯科技工士という国家資格を持つ人が当たることになっていたのである。 【0003】ところで近年のコンピュータ技術の発達により、これを核とした加工技術も様々な発展を遂げている。これが、一般にはCAD(Computer Aided Design)及びCAM(Computer Aided Manufacturing)と呼称される加工技術である。このCAD/CAMによる加工技術の応用が、歯科分野においても前述したような補綴物を作製する目的で種々試みられている。 【0004】例えば、特開昭58−187802号公報に開示された技術がその一例である。その技術は、コンピュータ制御によるデジタル式加工方法と呼称されるような内容のものである。つまり、光波又は音波を利用した非接触式の読み取り装置を用いて補綴対象部位の形状を読み取り、そのデータをデジタル信号化し、その信号をデジタル制御式工作機械に送って対象身体部位(補綴箇所)の形状に精確に適合する補綴物を作製しようとするものである。これらの事柄がコンピュータにより自動的に行われるのである。 【0005】ここで例示されているデジタル制御式工作機械としては、マイクロフライス盤が上げられている。ところで、補綴物のような小さくて高い精度を要求されるような工作物の加工に用いることが可能な装置としては、近年の工作機械の進歩により、一般にマシニングセンタと呼称されるような工作機械群(以下、これらのデジタル制御式工作機械を単に加工装置と称することがある)も用いられるようになってきている。 【0006】このような状況の下で、精度の高い補綴物を効率良く作製するために、装置自体の機構や切削加工の対象となる素材や切削工具に様々な工夫が凝らされるようになってきている。例えば、加工装置自体への工夫としては、スピンドルチャックの圧縮空気を用いた自動開閉機構の小型加工装置への応用である。従来、切削工具を把持するスピンドルチャックの圧縮空気を用いた自動開閉機構は、その構成の複雑さから大型の加工装置のみにおいてしか装備することができなかった。しかし、種々の工夫が凝らされることで小型加工装置への装備が可能となったのである。 【0007】また、CAD/CAMによる補綴物製作を行う目的は、単品としては寸法精度の高い補綴物がそれぞれ装着される部位(患者の歯牙の欠損部分)の形状に合わせて作製され、且つ様々な形状の補綴物が数としては大量にそして連続して簡単に人手を煩わせないで作製できるようにすることである。そのためには、補綴物を作製するための素材は予め作製される補綴物の形状や大きさに近い形状、例えば円柱又は直方体などの形状にされている半製品(以下、単に半製品と称することがある)を準備しておく。 【0008】そして、当該半製品の材料としては、歯科用貴金属合金のように比較的に柔らかいものから歯科用チタン合金のように硬いもの、そして歯科用合成樹脂(一般的には歯科用コンポジットレジンと称されていて、単にレジンと称される場合もある)のように比較的に寸法精度良く成型されていて切削し易いものから、歯科用セラミック等のように材料の性状に由来して比較的寸法が不正確で切削加工し難いものまで様々なものが使用されているのである。 【0009】ところで、半製品としてこのように種々の材料が使用されている条件下で、これら半製品を所望の形状を有する補綴物に切削加工するためには、スピンドルの先端に切削工具を把持させて回転切削により成型する加工が行われるものが一般的である。そのため、切削内容を予め設計しておいてその切削内容に合致した切削工具を準備しておくことが、効率良くしかも高精度に加工するための必要な条件となるのである。これは、切削内容としての荒削りや仕上げ切削(細密切削)などの違い、材料の違いによる半製品の硬軟の違い、そして多数の半製品を切削することによる切削工具の切れ味の衰えなどにより、適宜切削工具を交換することが加工効率や加工精度の維持の面で必要であるという背景があるためである。 【0010】ここで、歯科用のCAD/CAMにおいて使用される切削工具について、もう少し詳しく説明する。補綴物用材料として使用される歯科用セラミックや歯科用コンポジットレジンには、刃部にダイヤモンドダストが固着されているダイヤモンドカッターの使用が好ましく、歯科用金属の加工では特に歯科用チタン合金の加工には超硬の刃部を備える超硬カッターの使用が好ましい。そしてこれらの切削工具を把持させ、補綴物として例えば一本の歯牙の上部に相当する部分を丸ごと(以下、この種の加工物を単にクラウンと称することがある)加工により得ようとすると、用途を考慮して先端の大きさ・形状を違えて用意されている切削工具のうちの何本かを使い分けて用いなければならない。 【0011】また、補綴物としては、前述のクラウンの場合には歯牙としての臼歯と切歯との2種類が存在しており、歯牙のう蝕が起きた部分を切除することにより形成された窩洞を埋めるためのインレーと呼ばれるものがある。このインレーは、一つとして同じ大きさ・形状のものが無いと言っても過言ではないほどに大きさ・形状が様々である。このようなインレーを精度良く加工するためには、切削される形に適した大きさ・形状の切削工具を予め選定しておかなければならない。そして、このようにして予め選択されていた切削工具は、切削作業の進展に応じて作業者が自らの手でスピンドルに設けられているチャックに把持し直していたのである。 【0012】しかし、いちいち人手によって切削工具を入れ替えていたのでは、折角コンピュータ制御による自動切削加工を実現しても、作業がその都度中断することになってしまって、非効率的な作業となり、作業者の煩わしさも解消されないので、コンピュータ制御による利益を充分に活用しているとは言い難いのである。 【0013】そこで、このような非効率的で煩わしい事柄を解消するためには、必要とされる予定本数の切削工具を把持させておくためのスピンドルを配備すればよいことが考えられる。即ち、このように構成すれば、切削工具は最初に予め想定される大きさ・形状のものを各スピンドルにセット(把持)させておいて、切削終了までコンピュータによる自動制御に委ねておけば切削作業が中断されることもないから能率も上がり、作業者は切削工具の入れ替えの煩わしさから解放されることにもなる。 【0014】しかし、前述したような構成は、装置の大型化を招くばかりでなく装置コストの上昇をもたらしてしまうという新たな問題が生じてしまうのである。即ち、スピンドルの数が増えればそれぞれの位置合わせが必要であるという精度の観点においても無視できない課題があり、そして結局のところ一度に複数のスピンドルを使用することには無理がある(加工対象が補綴物であるから極めて小さいことがネックとなっている)ので、加工時間の削減にもそれほど寄与しないし、構成部材が増えた分だけ故障するリスクも増加してしまうのである。 【0015】従って、多くても2本のスピンドルを配備した構成となして、装置全体ができるだけ小型化が可能なようにしておいて、切削工具の交換も加工装置に内蔵されたコンピュータの制御により自動的に行われるようにすれば、作業性が大幅に改善されることは自明の理である。しかし、切削作業の進捗具合により適当な切削工具を選択させるようにするには、膨大で複雑なコンピュータ制御用のプログラムが必要であるばかりでなく、機械に判断させるという高度な技術を含むものとなるので、現段階の技術水準では対応しきれないものである。これ故に、もっと単純な構成で所望の切削工具が自動的に交換され、しかも殆ど人手を煩わせないような構成とされている加工装置が望まれていたのである。 【0016】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、クラウンやインレーなどの歯科用補綴物をCAD/CAMによる加工方法を用いて作製するようにされており切削工具が自動制御機構によりチャックとツールカセットとに自動的に着脱される構成の歯科用自動切削加工装置において、加工順に従い加工装置に配備されている自動制御機構により必要な切削工具をツールカセットから自動的にスピンドルのチャックへ把持されまた取り外されるように、予め必要と想定されている切削工具がセットされているツールカセットを加工装置上の所定位置に簡単且つ正確に位置固定できるようにした歯科用自動切削加工装置を提供することを課題とする。 【0017】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、切削工具が自動制御機構によりチャックとツールカセットとに自動的に着脱される構成の歯科用自動切削加工装置において、その前面側に切削工具を収納し保持する機能を有するツールポストが挿入可能なツールポスト挿入孔が2個以上穿設されているツールカセットと歯科用自動切削加工装置本体に固定されているベースブロックとにツールカセットをベースブロックに着脱自在で且つ所望の位置関係を維持させる係合手段が設けられていると共に、ベースブロックにツールカセットに設けられている係合手段を締着してツールカセットを固定する締着手段が設けられている構成にすれば良いことを究明して本発明を完成したのである。 【0018】そして、前述した構成において、ベースブロックのツールカセットが固定される側の面の所定位置に少なくとも1個の近接センサーが配備されていて、その近接センサーが固定されたツールカセットに付与された記号の種類を識別するようにされていたり、係合手段がツールカセットの後面に立設されているカセット固定ピンとベースブロックの上面に穿設されている溝及びこのベースブロックの上方でベースブロックに対して上下動可能なクランプブロックの下面に穿設されている溝とを組み合わせることにより形成されてカセット固定ピンに係合する孔であり、締着手段がクランプブロックをベースブロック側に押し付ける構造であったり、ツールカセットの後面及び/又はベースブロックの前面にツールカセットとベースブロックとの間の距離(隙間)を調節するアジャストスクリューが配備されていたりすればより好ましいことも究明したのである【0019】 【発明の実施の形態】以下、図面により本発明に係る歯科用自動切削加工装置の実施例について詳細に説明する。図1は本発明に係る歯科用自動切削加工用装置本体に配備されているベースブロックにツールカセットを固定した状態の構成の一実施例を説明する側面説明図、図2は図1に示した実施例の正面説明図、図3は図1に示した実施例においてツールカセットを取り外した状態のベースブロック及び周辺構成を示す説明する正面説明図、図4はツールカセットの裏面下側の角部にカセット識別用凹部が配備されている一実施例を示す拡大斜視説明図である。 【0020】図面中、1は図4に示すようにその前面側に所定の大きさのツールポスト挿入孔1aが2個以上穿設されていて、図2に示すように右下部分が切り欠かれている略L型をなし前後面が相互に平行で各々平らな面にされている金属製のツールカセットである。そして、このツールポスト挿入孔1aは大きさ(直径)が15〜25mm程度であり、10〜15個程度を図2に示すように2〜3列にして配備されていると必要とされる予定本数の切削工具をセットすることができて頻繁な交換を行う必要がないから使い勝手の観点から好ましい。また、このツールカセット1の前面とツールポスト挿入孔1aとは後述する操作の観点から直角にされていることが好ましいので、後述するツールポスト3の保持力を確保する都合からツールカセット1の厚みは20〜30mmにされていることが好ましい。 【0021】図示した実施例では、このツールカセット1の後面には係合手段としての2本の棒状部材であるカセット固定ピン1b,1bがそれぞれ平行に立設されている。このカセット固定ピン1bはツールカセット1の前面側から挿通されて螺合されるカセット固定ピン止めネジ1cによりツールカセット1に固定されている。しかして、この2本のカセット固定ピン1b,1bが後述するベースブロック4とクランプブロック6とを備えた締着手段により締着されることにより、ツールカセット1が所定位置に固定され維持されるのである。 【0022】2は切削刃部(図示なし)として様々な形状をしたものが用意されている切削工具である。図1では、この切削工具2の柄部2aのみがツールカセット1の前面から外へ突き出るようにして配置されている。これは、自動制御機構により移動せしめられてきた加工装置のスピンドルのチャック(図示なし)によりこの柄部2aを把持させるためにこのようにされているのであり、従って通常切削刃部はツールカセット1内に位置していることになる。 【0023】そして、この切削工具2は、前述したように切削対象である歯科用補綴用材料の違いによる使い分けがなされると効率が良い。即ち、歯科用セラミックや歯科用コンポジットレジンの切削には切削刃部にダイヤモンドダストを固着させているダイヤモンドカッターの使用が好ましく、歯科用金属の切削、特に歯科用チタン合金の切削には超硬の刃部を備える超硬カッターの使用が好ましいのである。 【0024】また、切削刃部の形状は切削により削り出される形状により使い分けがなされた方が精度良く加工でき且つ能率的でもあるので、種々用意されているという背景がある。この意味において、様々な切削刃部の形状をしている切削工具2を自前で用意しておくことが好ましいが、そのようにするとコスト高となってしまう問題がある。そこで、市販されている様々な切削工具2を使用可能にすることになるが、そうすると切削工具2の柄部2aの太さがバラバラであるためツールカセット1内に安定した状態に収納し保持しておくことができないという問題が生じる。 【0025】この問題に対処して後述のツールポスト3で切削工具2をしっかり把持させる目的で、切削工具2の柄部2aに合成樹脂製の保持用リング2bを嵌着させておくのである。即ち、外径寸法が一定にされている保持用リング2bに予め何種類かの大きさ(直径)の通し孔を穿設しておき、使用する切削工具2の柄部2aの太さに合わせた通し孔の保持用リング2bを切削工具2の柄部2aに予め嵌着させておくのである。このようにすることで、ツールポスト3をいちいち交換する手間が省けると同時に保持用リング2bは安価であるからコスト的なメリットも享受できることになる。なお、切削工具2の柄部2aを把持するのはスピンドルのチャックであるから、種々の太さの柄部2aに対応可能であるので、スピンドルのチャックで把持される部分と切削刃部との間の柄部2aに保持用リング2bが嵌着されていても何ら問題はないのである。 【0026】3は後側がツールポスト挿入孔1a内にガタツキが無い状態で挿入され、中程にはツールポスト挿入孔1aの直径より大きな外径寸法を有するポストフランジ3aが設けられそして前端からこのポストフランジ3aまで2〜4本のスリ割り3cが穿設されていて、切削工具2を収納し保持する機能を有するツールポストである。このツールポスト3には前述の保持用リング2bの外径寸法より若干小さい孔が穿設されていて、保持用リング2bが挿入された場合にスリ割り3cを押し広げるようになるからその弾力を利用して保持用リング2bが確実に把持されるのである。 【0027】また、このツールポスト3の先端開口部は保持用リング2bが挿入され易いように漏斗状に外側に開いていると好ましい。また、このツールポスト3をツールカセット1へ固定するには、ポスト止めネジ3bを利用するのである。即ち、図2に示すように隣接する2個のツールポスト挿入孔1aの中間位置に予め所定大きさのネジ穴(図示なし)を穿設しておき、このネジ穴にポスト止めネジ3bを螺着することによりポスト止めネジ3bの頭部で2個のツールポスト3,3を一度に固定するのである。 【0028】4は図1に示すように特に前面(ツールカセット1側)が装置本体5に垂直になるように固定されているベースブロックである。ベースブロック4をこのように配備することの理由の一つは、スピンドルのチャックとの位置関係において重要な要素となっていることがある。この理由についてのより詳細な説明は、後述する切削工具2の交換における記載部分において行う。このベースブロック4の上面にはツールカセット1に設けられている係合手段としての棒状部材であるカセット固定ピン1b,1bと係合する係合手段を構成するための横断面が半円状にされている2本の溝4a,4aが穿設されている。 【0029】6はその下面がベースブロック4の上面に平行な面を有し中程に上下に連通する通し孔(図示なし)が穿設されていると共にこの通し孔の上部にこの通し孔の直径よりも大きな円筒状凹部が穿設されているクランプブロックである。そして、このクランプブロック6の下面であってベースブロック4の上面に穿設されている2本の溝4a,4aと対応する位置にツールカセット1に設けられている係合手段としての棒状部材であるカセット固定ピン1bと係合する係合手段を構成するための横断面が半円状にされている2本の溝6a,6aが穿設されており、これらの溝6a,6aと溝4a,4aとが組み合わされることにより丸孔が形成される。この形成された丸孔に前述のカセット固定ピン1b,1bが挿入・係合されるのである。 【0030】前記ツールカセット1に設けられている係合手段としての棒状部材である2本のカセット固定ピン1b,1bと、前記ベースブロック4の上面に穿設されている2本の溝4a,4a及びクランプブロック6の下面に穿設されている2本の溝6a,6aで構成される係合手段とが係合した状態で締着する締着手段としては、クランプブロック6の前述した通し孔と相対する位置のベースブロック4にネジ孔(図示なし)が螺設されており、このネジ孔と螺合するクランプスクリュー7cの上端に固定されており側面にレバー7aが設けられているクランプバー7の下面に前記クランプブロック6の上面に穿設されている円筒状凹部に遊嵌される円筒状のクランプフランジ7bが設けられている構成のものを使用するのである。 【0031】即ち、このクランプバー7のレバー7aを持って水平に回転させることによって予めクランプブロック6の通し孔を貫通させたクランプスクリュー7cをベースブロック4のネジ孔に螺合していくと、クランプバー7の下面に設けられている円筒状のクランプフランジ7bがクランプブロック6の上面に穿設されている円筒状凹部に遊嵌されてクランプブロック6はその位置で回転できるが前後左右方向には移動しない状態になる。このような状態でクランプブロック6を僅かに持ち上げてベースブロック4の上面に穿設されている2本の溝4a,4aとクランプブロック6の下面に穿設されている2本の溝6a,6aで構成される係合手段の間にツールカセット1に設けられている係合手段としての棒状部材である2本のカセット固定ピン1b,1bを挿入して係合させた後、クランプバー7のレバー7aを持って水平に回転させることによってクランプスクリュー7cをベースブロック4のネジ孔に締め付けてツールカセット1に設けられている係合手段である2本のカセット固定ピン1b,1bをベースブロック4に締着することによってツールカセット1をカセット固定ピン1b,1bを介してベースブロック4に着脱自在で且つ所望の位置関係を維持するようにして固定することができるのである。 【0032】以上に詳述した構成において、ツールカセット1とベースブロック4及びクランプブロック6とに配備されている係合手段である2本のカセット固定ピン1b,1bの中の1本をベースブロック4の前面に立設されているものに替え、ベースブロック4の上面に穿設されている2本の溝4a,4aとクランプブロック6の下面に穿設されている2本の溝6a,6aで構成される他方の係合手段の一つをツールカセット1の後面側に替えたカセット固定ピン1bが係合する孔を穿設しておいても良い。この場合、替えたカセット固定ピン1bはベースブロック4の後面から突き出た部分のネジにナットを螺合させて固定すれば良い。 【0033】8はその前面を装置本体5に対して垂直に立設されているタッチセンサーブロックであり、このタッチセンサーブロック8の前面の上方所定位置には、切削工具2がスピンドルのチャックにより把持されていること及びチャックの前端面からの切削工具2の前端までの長さをチャックの移動距離として認識させることのためのタッチセンサー9が取り付けられている。このための動作は、チャックによる切削工具2の把持後において、チャックごと移動させ切削工具2の先端をこのタッチセンサー9に接触させることにより、装置本体に内蔵されているコンピューターはX軸,Y軸及びZ軸の三次元の動きを数値化して捕らえ、総てを記憶するのである。この時、切削工具2が確実に把持されていることはこの接触により確認されることは言うまでもない。 【0034】10はベースブロック4のツールカセット1が固定される側の面の所定位置に少なくとも1個が配備されている近接センサーである。この近接センサー10を配備する理由を次に説明すると、2個の場合に付加された方の近接センサー10はツールカセット1が取り付けられたことを確認するために配備するものであり、基本配備となる1個の近接センサー10はツールカセット1の種類を弁別するためのものである。この弁別が必要な理由は、切削対象である材料の違いにより切削工具2を使い分けすることに由来している。即ち、切削工具2としてダイヤモンドカッターと超硬カッターとの使い分けが必要なことは、前述した通りである。 【0035】そして、ツールカセット1を各々のカッターの専用として設定しておいて、一方のツールカセット1の後面の下側端には、図4に示すような切り欠きであるカセット識別用凹部1dを穿設しておく。これを例えば超硬カッター専用とする。しかして、このカセット識別用凹部1dが穿設されている位置に位置するようにベースブロック4に近接センサー10を取り付けておくのである。このようにしておけば、例えば2個の近接センサー10が配備されていると両方の近接センサー10から信号を受けた場合にはダイヤモンドカッターのツールカセット1が所望の位置に固定されたことを装置が認識することになり、片方の近接センサー10からしか信号がこない場合には超硬カッターのツールカセット1が所望の位置に固定されたことを認識することになる。このような構成にすれば、切削対象の材料と切削工具2とのミスマッチを未然に防止することができるので好ましいのである。 【0036】13は図3に示すような状態にてツールカセット1に4個、ベースブロック4に2個、クランプブロック6に2個というように互いに突き合わされる4対が配備されているアジャストスクリューである。これらアジャストスクリュー13の突出長さを調整することで、ツールカセット1の厚みが異なるものへの対応ができるから、切削工具2の長さが異なる場合にも対応できるのである。しかして、切削工具2の柄部2aの後端の位置は、どのような切削工具2を用いた場合でも、ほぼ同じ位置に位置するようにできるのである。 【0037】また、このアジャストスクリュー13を用いてツールカセット1の位置を調整してしまうと、近接センサー10との位置関係がそのまま維持できないという新たな問題が生じてしまうことがある。つまり、ツールカセット1と近接センサー10との距離が開き過ぎて、ツールカセット1が装着されているにも拘わらず近接センサー10が信号を発することがない現象が発生することがある。このような事態を防ぐため、正面に向かって左側の近接センサー10の位置調整は近接センサー位置調整ネジ11(図2,図3参照)を用いて行い、また右側の近接センサー10の位置調整は近接センサー止めネジ12(図1参照)を用いて行うのである。 【0038】最後に、自動制御機構による切削工具2の着脱(交換)、即ち如何にしてツールカセット1に収納されている切削工具2をチャックに装着させ、また取り外させるかについて説明する。その方法は大別して、2方式がある。一つは、小型装置に有利な機構としてチャック自体をX軸,Y軸及びZ軸の3次元的に予め数値化した加工装置の座標に基づき移動させる方法である。この方法は、切削加工対象が小さな歯科用補綴物に限られている本発明の場合に装置本体を出来るだけ小型にした状態において実施するのに最適な方法である。他の一つは、移動式のアーム(図示なし)を用い、このアームの移動を前述のチャックを移動するときと同じ3次元的空間として捕らえ、総ての切削工具2を座標化して装置に記憶させておく方法である。この場合には、複数のツールカセット1を並べて用いることも可能であるが、装置自体は大型化してしまうという欠点がある。 【0039】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る歯科用自動切削加工装置は、クラウンやインレーなどの歯科用補綴物をCAD/CAMによる加工方法を用いて作製するための、特に小型の切削加工装置に最適なものである。即ち、この小型であるための弊害として今迄は多数の切削工具を予め用意しておいて交換させることができず、この切削工具の交換という煩わしい作業が、機械の完全自動化を阻害していたのであるが、本発明に係る歯科用自動切削加工装置によれば、作業者が予め必要と想定される切削工具を所定のツールカセットにセットしておいて、この加工装置上の所定の取り付け位置にこのボックスを取り付けるだけで、想定された加工順に従って装置に配備されている自動制御機構により必要な切削工具が自動的にスピンドルのチャックでボックスから取り出されて把持されまた取り外されるような構成を自動的に行わせることが可能になったのである。そして、近年開発された切削工具ごとにチャックを予め装着しておく方式の加工装置においても本発明が応用可能であることは言うまでもない。 【0040】また、同時にスピンドルのチャックでの切削工具の把持状態が正確に行われるようにツールカセットと切削工具とを常に同じ位置に位置せしめ、更にツールカセットの着脱による切削工具の一式交換を容易に行えるようになったのである。 【0041】このように本発明に係る歯科用自動切削加装置は、歯科医療における技術の向上に寄与する価値の非常に大きなものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000181217 【氏名又は名称】株式会社ジーシー 【識別番号】595052600 【氏名又は名称】株式会社東興
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| 【出願日】 |
平成11年9月14日(1999.9.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100070105 【弁理士】 【氏名又は名称】野間 忠之
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| 【公開番号】 |
特開2001−79018(P2001−79018A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月27日(2001.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願平11−260983 |
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