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【発明の名称】 医療用具の折れ止め
【発明者】 【氏名】大内 輝雄

【要約】 【課題】あらゆる方向に柔軟に曲がって可撓管の根元の折れ止めとしてよく機能し、しかも強い外力が作用しても折れない医療用具の折れ止めを提供すること。

【解決手段】剛体である操作部10に連結された可撓管1の基端部分が操作部10との境界部付近で急激に曲がるのを規制するための医療用具の折れ止め5であり、超弾性合金製パイプにより形成されて一端が操作部10に連結されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】剛体である操作部に連結された可撓管の基端部分が上記操作部との境界部付近で急激に曲がるのを規制するための医療用具の折れ止めにおいて、超弾性合金製パイプにより形成されて一端が上記操作部に連結されていることを特徴とする医療用具の折れ止め。
【請求項2】上記超弾性合金製パイプが上記可撓管の基端付近を囲む状態に配置されている請求項1記載の医療用具の折れ止め。
【請求項3】上記超弾性合金製パイプが上記可撓管の基端付近の内側に挿入された状態に配置されている請求項1記載の医療用具の折れ止め。
【請求項4】上記可撓管の基端が上記超弾性合金製パイプを介して上記操作部に連結されている請求項1記載の医療用具の折れ止め。
【請求項5】上記医療用具が内視鏡用処置具である請求項1ないし4のいずれかの項に記載の医療用具の折れ止め。
【請求項6】上記医療用具が内視鏡である請求項1ないし4のいずれかの項に記載の医療用具の折れ止め。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内視鏡用処置具等のように可撓管が操作部に連結されている医療用具の折れ止めに関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡用処置具等のように可撓管が操作部に連結されている医療用具においては、可撓管の基端部分が操作部との境界部において急激に曲がると折損してしまうので、そのような急激な曲がりを規制するための折れ止めが設けられている。
【0003】そのような内視鏡用処置具等の医療用具の折れ止めは、一般にステンレス鋼線を一定の径で螺旋状に巻いたコイルパイプによって形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】コイルパイプは、素線の弾性限界内の外力に対しては優れたバネ性を有していて、可撓管の折れ止めとしての効果を発揮するが、一本の細い素線を巻いただけの構造なので、素線に弾性限界を越える曲げ力が作用すると、図6に示されるように簡単に折れてしまう。
【0005】したがって、内視鏡用鉗子のような処置具において可撓管1と操作部10との連結部に用いられている折れ止め5は、高いところから落下して床に強く叩きつけられたり、使用時に強い外力が作用したときには、図7に示されるように、集中応力が作用する根元で折れてしまうことが珍しくない。
【0006】そこで本発明は、あらゆる方向に柔軟に曲がって可撓管の根元の折れ止めとしてよく機能し、しかも強い外力が作用しても折れない医療用具の折れ止めを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の医療用具の折れ止めは、剛体である操作部に連結された可撓管の基端部分が操作部との境界部付近で急激に曲がるのを規制するための医療用具の折れ止めにおいて、超弾性合金製パイプにより形成されて一端が操作部に連結されていることを特徴とするものである。
【0008】なお、超弾性合金製パイプが可撓管の基端付近を囲む状態に配置されていてもよく、可撓管の基端付近の内側に挿入された状態に配置されていてもよい。或いは、可撓管の基端が超弾性合金製パイプを介して操作部に連結されていてもよい。
【0009】また、医療用具が内視鏡用処置具であってもよく、内視鏡であってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施例を説明する。図2は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱使用される内視鏡用鉗子を示しており、可撓管1は、例えばステンレス鋼線を一定の径で密着巻きしたコイルパイプにより形成されており、その外径寸法は1〜3mm程度、長さは50cm〜2m程度の範囲である。
【0011】可撓管1内には、軸線方向に進退自在に操作ワイヤ2が挿通配置されており、その操作ワイヤ2を進退操作するための操作部10が可撓管1の基端に連結され、操作ワイヤ2によって開閉駆動される鉗子片3が可撓管1の先端部分に配置されている。
【0012】操作部10においては、可撓管1の基端が連結固定されている剛体である操作部本体11に対してスライド自在に配置された操作片12に、操作ワイヤ2の基端が連結されており、その操作片12を進退操作することにより、操作ワイヤ2を介して鉗子片3が開閉される。
【0013】そのように構成された内視鏡用鉗子の可撓管1の基端部分には、操作部10との境界部付近で可撓管1が急激に曲げられるのを規制するための折れ止め5が配置されている。
【0014】図1は、そのような折れ止め5の第1の実施例を示しており、例えばニッケル−チタン合金系の超弾性合金製パイプからなる折れ止め5が、可撓管1の基端付近を囲む状態に配置されている。折れ止め5の基端側は操作部本体11に固定され、先端側は自由端になっている。
【0015】ニッケル−チタン合金系の超弾性合金は、歪み率が5〜8%と非常に大きく、可撓管1の外径が1mmの場合、折れ止め5は、内径を1.2mmとすると、半径12mm程度の曲率半径まで曲がり癖が付かず、外力が取り除かれれば元の真っ直ぐな状態に戻る。
【0016】同様に、可撓管1の外径が3mmの場合、折れ止め5は、内径を3.2mmとすると、半径30mm程度の曲率半径まで曲がり癖が付かず、外力が取り除かれれば元の真っ直ぐな状態に戻る。
【0017】このように、折れ止め5は、超弾性合金製パイプを用いることにより、あらゆる方向に柔軟に曲がって可撓管の根元の折れ止めとしてよく機能し、しかも強い外力が作用しても曲がり癖が付かず、折れることもない。
【0018】図3及び図4は、内視鏡用処置具に用いられる折れ止め5の第2及び第3の実施例を示しており、図3に示される第2の実施例は、可撓管1の基端付近の内側に折れ止め5を挿入配置したものであり、図4に示される第3の実施例は、折れ止め5を介して可撓管1の基端を操作部本体11に連結したものである。いずれの場合も、折れ止め5として超弾性合金製パイプを用いることにより、第1の実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0019】図5は、内視鏡の挿入部可撓管101の折れ止め105を超弾性合金製パイプにより形成して、その一端を剛体である操作部110の下端に連結したものである。
【0020】挿入部可撓管101内には、その先端に配置された対物光学系103により結像された観察像を接眼光学系104に伝達するイメージガイドファイババンドル102等が挿通配置されている。
【0021】このように、本発明は各種医療用具の折れ止めに適用することができる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、折れ止めを超弾性合金製パイプにより形成してその一端を操作部に連結したことにより、あらゆる方向に柔軟に曲がって可撓管の根元の折れ止めとしてよく機能し、しかも強い外力が作用しても折れない優れた特性を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】旭光学工業株式会社
【出願日】 平成12年6月14日(2000.6.14)
【代理人】 【識別番号】100091317
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 和彦
【公開番号】 特開2001−353123(P2001−353123A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2000−177719(P2000−177719)