| 【発明の名称】 |
マニピュレータ制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】三浦 圭介
【氏名】大西 順一
【氏名】高橋 裕史
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| 【要約】 |
【課題】システムの応答性及び操作性を向上させたマニピュレータ制御装置を提供する。
【解決手段】術野にアクセスするように設置されたスレーブマニピュレータと、術者が操作できる領域内に設置され、スレーブマニピュレータを遠隔的に操作するマスターマニピュレータと、双方向からの書き込みおよび読み出しが可能な共有メモリと、マスターマニピュレータの操作を操作データに変換し、この操作データを共有メモリ34に記憶させるマスター制御部と、共有メモリ34に記憶された操作データを読み出して送出する送受信手段35と、マスター制御部から送られるマスターマニピュレータの操作に追従した動きをスレーブマニピュレータに伝達する制御信号を出力するスレーブ制御部と、送受信手段35からの送信信号を受信してスレーブ制御部に出力する送受信手段37とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 術野にアクセスするように設置されたスレーブマニピュレータと、術者が操作できる領域内に設置され、前記スレーブマニピュレータを遠隔的に操作するマスターマニピュレータと、双方向からの書き込みおよび読み出しが可能な第1の記憶手段と、前記マスターマニピュレータに接続され、前記マスターマニピュレータの操作を操作データに変換し、この操作データを前記第1の記憶手段に記憶させるマスター制御部と、前記第1の記憶手段に記憶された操作データを読み出して送出する送信手段と、前記スレーブマニピュレータに接続され、前記マスター制御部から送られる前記マスターマニピュレータの操作に追従した動きを前記スレーブマニピュレータに伝達する制御信号を出力するスレーブ制御部と、前記送信手段からの送信信号を受信して前記スレーブ制御部に出力する受信手段と、を備えたことを特徴とするマニピュレータ制御装置。 【請求項2】 術野にアクセスするように設置されたスレーブマニピュレータと、術者が操作できる領域内に設置され、前記スレーブマニピュレータを遠隔的に操作するマスターマニピュレータと、前記スレーブマニピュレータと前記マスターマニピュレータの間で相互に信号を送受信する送受信手段と、前記スレーブマニピュレータ側または前記マスターマニピュレータ側のうちの少なくとも一方に設けられ、前記スレーブマニピュレータまたは前記マスターマニピュレータと、前記送受信手段の双方から各々の操作情報を記憶するとともに、記憶されている相手側の操作情報を読み出すことが可能な双方向記憶手段と、を備えたことを特徴とするマニピュレータ制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はマニピュレータ制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、腹壁に挿入孔を開け、この挿入孔を通じて内視鏡や処置具を経皮的に体腔内に挿入する事により、体腔内で様々な処置を行う内視鏡下手術が行われている。 【0003】こうした術式は、大きな切開を要しない低侵襲なものとして胆嚢摘出手術や肺の一部を摘出除去する手術等で広く行われている。一方、内視鏡や処置具を搭載し、遠隔操作により内視鏡や処置具を作動し、術者に代わって手術を行う手術用マニピュレータが、例えば米国特許第5217003号明細書に開示されている。 【0004】このような手術用マニピュレータは通常、内視鏡や処置具を備える挿入部が多関節構造となっており、各関節部をアクチュエータにより動作させる事で体腔内における目的部位に対するアプローチを容易ならしめている。 【0005】ところで、前述した内視鏡下手術においては、体壁に開けた挿入孔から体腔内に挿入される内視鏡や処置具が体腔内の極力広い範囲で動作出来る事が望ましい。このような動作は、自由度の大きい多関節構造の挿入部を備えた手術用マニピュレータを用いる事によって実現可能となる。 【0006】しかしながら、自由度の大きい多関節構造にする事により、演算装置における演算処理時間が長くなり、それに伴って通信処理プロトコルにおける処理時間も長くなるので、マスターマニピュレータからのスレーブマニピュレータヘの指示に時間がかかってしまう。そこで、特開平8−71071号公報は、操作手段により決定される位置及び姿勢情報を手術用マニピュレータの複数の軸に対応させる事により、手術機器である内視鏡や処置具を体腔内で動作させるための計算機の計算量を低減させて計算機に対する負担を軽減してシステムの応答性及び操作性を向上させている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平8−71071号に記載の計算量低減手段は全ての関節に対応している訳ではなく、また、マニピュレータの自由度を上げるために関節の数を増やす事によっては十分な効果を得られないという欠点がある。 【0008】本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、システムの応答性及び操作性を向上させたマニピュレータ制御装置を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、第1の発明に係るマニピュレータ制御装置は、術野にアクセスするように設置されたスレーブマニピュレータと、術者が操作できる領域内に設置され、前記スレーブマニピュレータを遠隔的に操作するマスターマニピュレータと、双方向からの書き込みおよび読み出しが可能な第1の記憶手段と、前記マスターマニピュレータに接続され、前記マスターマニピュレータの操作を操作データに変換し、この操作データを前記第1の記憶手段に記憶させるマスター制御部と、前記第1の記憶手段に記憶された操作データを読み出して送出する送信手段と、前記スレーブマニピュレータに接続され、前記マスター制御部から送られる前記マスターマニピュレータの操作に追従した動きを前記スレーブマニピュレータに伝達する制御信号を出力するスレーブ制御部と、前記送信手段からの送信信号を受信して前記スレーブ制御部に出力する受信手段とを備える。 【0010】また、第2の発明に係るマニピュレータ制御装置は、術野にアクセスするように設置されたスレーブマニピュレータと、術者が操作できる領域内に設置され、前記スレーブマニピュレータを遠隔的に操作するマスターマニピュレータと、前記スレーブマニピュレータと前記マスターマニピュレータの間で相互に信号を送受信する送受信手段と、前記スレーブマニピュレータ側または前記マスターマニピュレータ側のうちの少なくとも一方に設けられ、前記スレーブマニピュレータまたは前記マスターマニピュレータと、前記送受信手段の双方から各々の操作情報を記憶するとともに、記憶されている相手側の操作情報を読み出すことが可能な双方向記憶手段とを備えている。 【0011】 【発明の実施の形態】[第1実施形態] <構成>以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図6を参照して説明する。図1は、本実施の形態のマニピュレータ制御装置1のシステムの概略構成を示すものである。本実施の形態のマニピュレータ制御装置1には、術野にアクセスするように設置されたスレーブマニピュレータ2と、術者が操作出来る領域内に設置され、スレーブマニピュレータ2を遠隔的に操作するマスターマニピュレータ3とが設けられている。ここで、スレーブマニピュレータ2には、2組のスレーブマニピュレータ、即ち、左側スレーブマニピュレータ2aと右側スレーブマニピュレータ2bとが設けられている。更に、マスターマニピュレータ3も同様に左側スレーブマニピュレータ2aを操作する左側マスターマニピュレータ3aと、右側スレーブマニピュレータ2bを操作する右側マスターマニピュレータ3bとが設けられている。 【0012】また、2つのスレーブマニピュレータ2a,2b及び2つのマスターマニピュレータ3a,3bはそれぞれ左右で略同一構成になっているので、ここでは、左側スレーブマニピュレータ2a及び左側マスターマニピュレータ3aの構成のみについて説明し、右側スレーブマニピュレータ2b及び右側マスターマニピュレータ3bの説明を省略する。 【0013】即ち、本実施の形態の左側スレーブマニピュレータ2aには細長い挿入部4を備えたマニピュレータ本体5と、このマニピュレータ本体5を駆動するスレーブ駆動部6とが設けられている。更に、挿入部4の先端部には、図3(A)に示すように、例えば把持鉗子のように開閉可能な一対の把持部材7a,7bを備えた先端把持部7が設けられている。これらの把持部材7a,7bの基端部間は挿入部4の先端部に設けられた回動ピン8を中心に回動可能に連結されている。 【0014】そして、これらの把持部材7a,7bは、リンク機構9によって回動ピン8を中心に開閉可能に支持されている。また、マニピュレータ本体5は、スレーブ駆動部6内の図示しないマニピュレータ本体駆動ユニットによって図3(B)中で、X軸方向(左右方向)、Y軸方向(上下方向)、Z軸方向(前後方向)にそれぞれ移動可能に駆動され、且つZ軸の軸回り方向に回動駆動されるようになっている。 【0015】更に、マニピュレータ本体5の先端把持部7も同様にスレーブ駆動部6内の図示しない先端把持部駆動ユニットによって把持部材7a,7b間が回動ピン8を中心に開閉駆動されるようになっている。尚、図3(B)中でOsは、左側スレーブマニピュレータ2aのマニピュレータ本体5の原点位置である。 【0016】また、左側マスターマニピュレータ3aには、図2(A)に示すように、例えば、略鋏型の開閉動作可能なハンドル(操作部)10と、このハンドル10を図2(B)中で、X軸方向(左右方向)、Y軸方向(上下方向)、Z軸方向(前後方向)にそれぞれ移動可能に、且つZ軸の軸回り方向に回動可能に支持する支持機構部(図4の支持機構部11に対応する)とが設けられている。尚、図2(B)中でOmは、左側マスターマニピュレータ3aのハンドル10の原点位置である。 【0017】また、ハンドル10には、図2(A)に示すように、トッププレート12に一端部が固定された支軸13と、この支軸13の他端部に回動軸14を中心に回動可能に連結された2つのハンドル部材15a,15bとが設けられている。 【0018】更に、2つのハンドル部材15a、15b間には、回動軸14側にリンク部材16、自由端部側に板ばね部材17がそれぞれ配設されている。そして、このハンドル10は、板ばね部材17のばね力によって図2(A)中に実線で示すように全開位置方向に付勢されている。また、ハンドル10の一方のハンドル部材15aには、ストッパー18が他方のハンドル部材15b側に向けて突設されている。 【0019】そして、このハンドル10の閉操作時には、図2(A)中に仮想線で示すように、ハンドル部材15aのストッパー18がハンドル部材15bに突き当たることにより、このハンドル10の閉操作が規制され、ハンドル部材15bに突き当たった状態が全閉位置になるように設定されている。更に、ハンドル10のハンドル部材15aには、ポテンショメータ19が取り付けられている。そして、このポテンショメータ19によってハンドル10の回転角度が検出されるようになっている。また左側マスターマニピュレータ3aの支持機構部11はパンタグラフ機構を複数組み合わせて構成された多自由度マニピュレータによって形成されている。ここで、出力節であるトッププレート12には、3つのパンタグラフと3つの回転待遇軸とが取り付けられている。尚、各パンタグラフ及び各回転待遇軸には、図示しないエンコーダが取り付けられている。 【0020】そして、このエンコーダによってハンドル10の操作を検出する検出手段が形成されている。更に、マスターマニピュレータ3には、当該マスターマニピュレータ3を、操作不能なロック状態と操作可能なロック解除状態とに切換える、例えば電磁ロック式の図示しないロック機構部が組み込まれている。また、マスターマニピュレータ3には、このマスターマニピュレータ3の操作を電気信号に変換するマスター制御部20が接続されている。 【0021】このマスター制御部20には、マスターマニピュレータ3のポテンショメータ19及び支持機構部11のエンコーダなどで構成される位置検出装置21と、マスターマニピュレータ位置計算用コンピュータ22が設けられている。マスターマニピュレータ位置計算用コンピュータ22内には、図5で示すように、演算回路30と共有メモリ方式送受信手段33が設けられている。更に、演算回路30内には、A/D変換器31とCPU32があり、共有メモリ方式送受信手段33内には、共有メモリ(第1の記憶手段、双方向記憶手段)34と送受信手段35が設けられている。 【0022】そして、位置検出装置21による左右のマスターマニピュレータ3a,3bの操作状態の検出データ(L検出信号、R検出信号)は、マスターマニピュレータ位置計算用コンピュータ22内の演算回路30に入力され、この演算回路30で位置計算されてマスターマニピュレータ3のハンドル10の操作状態やハンドル10の開閉状態などのデータが算出されるようになっている。 【0023】更に、上記マスター制御部20には図1に示すように、マスターマニピュレータ3の入力切替え用の入力切替え手段23が接続されている。この入力切替え手段23は、例えばフットスイッチであり、2つのペダル23a,23bが設けられている。一方のペダル23aはマスターマニピュレータ3のロック状態とロック解除状態とを切換える切換え操作部として用いられ、他方のペダル23bは移動用クラッチの切換え操作部として用いられる。尚、マスターマニピュレータ3を操作する術者の近傍位置には、モニター24が配置されている。そして、このモニター24に表示される表示画面を見ながらマスターマニピュレータ3の操作が行われるようになっている。 【0024】また、スレーブマニピュレータ2には、マスターマニピュレータ3の操作に追従した動きをスレーブマニピュレータ2に伝達する制御信号を出力するスレーブ制御部25が接続されている。このスレーブ制御部25には、スレーブマニピュレータ2のスレーブ駆動部6に組み込まれている複数の駆動モータ26を制御するモータ駆動回路(サーボユニット)27と、スレーブマニピュレータ制御用コンピュータ28が設けられている。スレーブマニピュレータ制御用コンピュータ28内には、図5で示すように、演算回路39と共有メモリ方式送受信手段36が設けられている。更に、共有メモリ方式送受信手段36内には、共有メモリ(双方向記憶手段)38と送受信手段37が設けられている。更に、スレーブ制御部25の送受信手段37とマスター制御部20の送受信手段35とは、例えば、光ファイバーケーブルなどの通信手段29を介して接続されている。そして、スレーブ制御部25では、マスター制御部20から送られるマスターマニピュレータ3の操作に追従した動きをスレーブマニピュレータ2に伝達する制御信号を出力するようになっている。 【0025】<作用>次に、上記構成の作用について説明する。 【0026】本実施の形態のマニピュレータ制御装置1の使用時には、マスターマニピュレータ3が術者が操作出来る領域内に設置される。更に、スレーブマニピュレータ2は術野にアクセスするように設置される。例えば、図4に示すように、予め診断・処置等の手術を行う患者の腹壁等の体壁Hに図示しないトロッカーによって穴を開け、この穴に挿入されたトロッカー外套管内にスレーブマニピュレータ2の挿入部4が挿入され、このトロッカー外套管内を通じてスレーブマニピュレータ2の挿入部4が経皮的に体腔内に挿入された状態にセットされる。 【0027】この時、マスターマニピュレータ3を操作する術者の近傍位置のモニタ24には、スレーブマニピュレータ2とは別の場所から経皮的に体腔内に挿入された内視鏡による術野の内視鏡像あるいはコンピュータグラフィック装置によって合成された術野のコンピュータグラフィック画像(CG画像)などが表示される。また、スレーブマニピュレータ2及びマスターマニピュレータ3のセット後、これらのスレーブマニピュレータ2及びマスターマニピュレータ3の原点(0点)位置を対応させるキャリブレーション動作が行われる。このキャリブレーション動作時には、入力切替え23のペダル23aを踏む事により、マスターマニピュレータ3のロックが解除され、マスターマニピュレータ3の左右のマスターマニピュレータ3a,3bが図2(B)中で、X軸方向(左右方向)、Y軸方向(上下方向)、Z軸方向(前後方向)にそれぞれ移動可能、且つZ軸の軸回り方向に回動可能な状態にそれぞれ切換えられるとともに、左右のマスターマニピュレータ3a,3bの2つのハンドル部材15a,15b間が開閉動作可能な状態にそれぞれ切換えられる。この状態で、マスターマニピュレータ3の左右のマスターマニピュレータ3a,3bが任意の位置に移動され、左右のマスターマニピュレータ3a,3bの原点(0点)位置が設定される。 【0028】その後、スレーブマニピュレータ2における2つのスレーブマニピュレータ2a,2bのスレーブ駆動部6内の図示しないマニピュレータ本体駆動ユニット及び先端把持部駆動ユニットが駆動される。これにより、マニピュレータ本体5は図3(B)中でX軸方向(左右方向)、Y軸方向(上下方向)、Z軸方向(前後方向)にそれぞれ移動され、且つZ軸の軸回り方向に回動駆動されて予め設定された左右のスレーブマニピュレータ2a,2bの原点(0点)位置に移動される。この時、左右のスレーブマニピュレータ2a,2bの移動範囲が予め決められた適正範囲でない場合は、警告表示等を行い、異常を操作者に告知を行っている。 【0029】更に、このキャリブレーション動作の終了後、本実施の形態のマニピュレータ制御装置1による診断・処置等の手術が開始される。この手術時には、術者はモニター24に表示される術野の内視鏡像、あるいはCG画像の画面を見ながら、マスターマニピュレータ3の左右のマスターマニピュレータ3a,3bが操作される。この時、左側マスターマニピュレータ3aのハンドル10が術者の左手、右側マスターマニピュレータ3bのハンドル10が術者の右手で握られた状態でそれぞれ操作され、左側マスターマニピュレータ3aによって左側スレーブマニピュレータ2a、右側マスターマニピュレータ3bによって右側スレーブマニピュレータ2bがそれぞれ独立に遠隔操作される。 【0030】例えば、左側マスターマニピュレータ3aのハンドル10を図2(B)中で、X軸方向(左右方向)、Y軸方向(上下方向)、Z軸方向(前後方向)にそれぞれ移動させ、且つZ軸の軸回り方向に回動させた場合には、この時の左側マスターマニピュレータ3aの動作がマスター制御部20の位置検出装置21で検出される。 【0031】この位置検出装置21からの検出データは、マスターマニピュレータ位置計算用コンピュータ22内の演算回路30に入力される。この時、マスターマニピュレータ3のポテンショメータ19及び支持機構部11のエンコーダなどで構成される位置検出装置21で得られたマスターマニピュレータ3のハンドル10への開閉角度や、ハンドル10のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の各移動量や、Z軸の軸回り方向の回動角度などのマスターマニピュレータ3の可動部の位置・姿勢などの操作情報の検出信号であるアナログ出力は、演算回路30のA/D変換器31によって、例えば、250階調のデジタル出力の制御信号に変換されてCPU32に入力される。 【0032】そして、この演算回路30のCPU32で計算されてマスターマニピュレータ3のハンドル10の操作状態やハンドル10の開閉状態などのデータが算出され、ソフトウェアにより共有メモリ方式送受信手段33内の共有メモリ34に上記データが書き込まれる。データが共有メモリ34に書き込まれると、そのデータは即座に送受信手段35を通し、光ファイバーケーブルなどの通信手段29を介してスレーブマニピュレータ制御用コンピュータ28内の送受信手段37にわたり共有メモリ38に書き込まれる。この時、スレーブ側の共有メモリ38にデータが書き込まれる領域は、マスター側の共有メモリ34にデータが書き込まれた領域と同じである。また、スレーブ制御部25では、スレーブマニピュレータ制御用コンピュータ28内の共有メモリ38に書き込まれたデータがソフトウェアにより演算回路39に読み込まれる。更に、演算回路39によってスレーブ駆動部6に組み込まれているモータ駆動回路27の複数の駆動モータ26を制御する制御信号が算出される。 【0033】そして、このスレーブ制御部25から出力される制御信号が左側スレーブマニピュレータ2aに伝達され、当該左側スレーブマニピュレータ2aが遠隔的に操作される。 【0034】この時、左側スレーブマニピュレータ2aは、左側マスターマニピュレータ3aのハンドル10の動きに追従して動く。尚、右側マスターマニピュレータ3bの操作時にも同様の作用によって右側スレーブマニピュレータ2bの動作が制御され、右側マスターマニピュレータ3bの操作に追従して右側スレーブマニピュレータ2bが動くようになっている。 【0035】図6はマスター制御部20からスレーブ制御部25へのデータ送信フローを示す図である。まずステップS1において位置検出装置21によってマスターマニピュレータ3の位置を検出する。次にステップS2においてA/D変換器31に位置検出データを入力してデジタル制御信号に変換して出力する。次にステップS3においてこのデジタル制御信号をCPU32に入力してマスターマニピュレータ3の位置計算を行う。次にステップS4においてCPU32での計算結果データを共有メモリ34に書き込む。次に共有メモリ34にデータが書き込まれたかどうかを判断して(ステップS5)、YESになったときにステップS6に進んで、マスター側の共有メモリ方式送受信手段33の送受信手段35からスレーブ側の共有メモリ方式送受信手段36の送受信手段37へデータを送信する。次にステップS7において共有メモリ38にデータが書き込まれたかどうかを判断して、YESの場合にはステップS8に進んで共有メモリ38に書き込まれたデータをソフトウェアにより演算回路39に読み込む処理を行う。 【0036】<効果>マスター制御部20とスレーブ制御部25との間のデータ送受信を共有メモリ方式送受信手段33、共有メモリ方式送受信手段36を用いて実現したので、マスターマニピュレータ位置計算用コンピュータ22内のCPU32は通信処理プロトコルによるデータ送受信処理を行う必要がなくなる。これによってマスターマニピュレータの位置計算という本来のデータ処理にCPU処理能力を集中させる事ができ、手術用マニピュレータシステム全体としての処理能力、応答性を高める事が出来る。 【0037】[第2実施形態] <構成>第2の実施の形態は、第1の実施の形態(図1乃至図6参照)のマスターマニピュレータ位置計算用コンピュータ22内の共有メモリ方式送受信手段33の共有メモリ34と、スレーブマニピュレータ制御用コンピュータ28内の共有メモリ方式送受信手段36内の共有メモリ38の構成を次の通り変更したものである。 【0038】すなわち、本実施の形態では図7に示すように、共有メモリ34内にメモリ領域40とメモリ領域43を設けるとともに、共有メモリ38内にはメモリ領域41とメモリ領域42を設けたものである。メモリ領域40とメモリ領域41はマスターマニピュレータ3の位置の計算結果をスレーブ制御部25に伝送する為に利用され、メモリ領域42とメモリ領域43はスレーブマニピュレータ2の位置・回転・モーメント力量等の情報をマスター制御部に伝えるために利用されるものである。 【0039】上記以外の構成は第1実施形態と同様である。 【0040】<作用>図7の演算回路30で計算されたマスターマニピュレータ3のハンドル10の操作状態やハンドル10の開閉状態などのデータが、ソフトウェアにより共有メモリ34のメモリ領域40に書き込まれる。データがメモリ領域40に書き込まれると、そのデータは即座に送受信手段35を通し、光ファイバーケーブルなどの通信手段29を介してスレーブマニピュレータ制御用コンピュータ28内の送受信手段37に渡されて共有メモリ38のメモリ領域41に書き込まれる。 【0041】また、スレーブ制御部25では、スレーブマニピュレータ制御用コンピュータ28内の共有メモリ38に書き込まれたデータがソフトウェアにより演算回路39に読み込まれる。更に、スレーブ駆動部6に組み込まれているモータ駆動回路(サーボユニット)27の複数の駆動モータ26を制御する制御信号が演算回路39において算出される。そして、このスレーブ制御部25から出力される制御信号が左側スレーブマニピュレータ2aに伝達され、当該左側スレーブマニピュレータ2aが遠隔的に操作される。 【0042】また、遠隔操作されているスレーブマニピュレータの位置・回転・モーメント力量等のデータは、スレーブマニピュレータ2に接続されている図示しない検出装置から演算回路39に送られる。演算回路39にて計算処理されたスレーブマニピュレータの位置・回転・モーメント力量等のデータは、ソフトウェアにより共有メモリ38のメモリ領域42に書き込まれる。データがメモリ領域42に書き込まれると、そのデータは即座に送受信手段37を通し、光ファイバーケーブルなどの通信手段29を介してマスターマニピュレータ制御用コンピュータ22内の送受信手段35にわたり共有メモリ33のメモリ領域43に書き込まれる。 【0043】上記以外の作用は第1実施形態と同様である。 【0044】<効果>第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて以下の効果を奏する。すなわち、マスターマニピュレータの操作状態の検出データをスレーブマニピュレータ制御部に伝送するのみならず、スレーブマニピュレータの位置・回転・モーメント力量等の情報をマスター制御部に伝送することで、マスター側でスレーブマニピュレータの情報を利用することが可能となる。また、共有メモリ内に、マスターマニピュレータの情報をやり取りするメモリ領域と、スレーブマニピュレータの情報をやり取りするメモリ領域とを分けて配置することによりマスタースレーブシステムのデータ更新作業のスピードを向上させることが可能となる。 【0045】なお、上記した具体的実施形態から以下のような構成の発明を抽出することができる。 【0046】(1) 術野にアクセスするように設置されたスレーブマニピュレータと、術者が操作出来る領域内に設置され、前記スレーブマニピュレータを遠隔的に操作するマスターマニピュレータと、このマスターマニピュレータに接続され、前記マスターマニピュレータの操作を電気信号に変換するマスター制御部と、前記スレーブマニピュレータ及び前記マスター制御部にそれぞれ接続され、前記マスター制御部から送られる前記マスターマニピュレータの操作に追従した動きを前記スレーブマニピュレータに伝達する制御信号を出力するスレーブ制御部と、前記マスター制御部と前記スレーブ制御部間のデータ送受信を行う共有メモリー方式データ送受信手段とを具備した事を特徴とするマニピュレータ制御装置。 【0047】 【発明の効果】本発明によれば、マスター制御手段とスレーブ制御手段のデータ送受信を共有メモリ方式で行うようにしたのでCPUでのデータ送受信処理が不要となり、CPUの処理を本来のマスターマニピュレータ位置計算に専念させることができるので、手術用マニピュレータシステムの応答性及び操作性を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月6日(2000.6.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−346808(P2001−346808A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月18日(2001.12.18) |
| 【出願番号】 |
特願2000−169213(P2000−169213) |
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