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【発明の名称】 内視鏡下外科手術システム
【発明者】 【氏名】櫻井 友尚

【氏名】フーバルト・バルテス

【要約】 【課題】本発明は、内視鏡下手術にて超音波手術装置や、電気メス装置を利用する場合に、いつも良好な視界を確保できる内視鏡下外科手術システムを提供することを最も主要な特徴とする。

【解決手段】超音波手術装置5にハンドピース14によって生体組織を処置している間、その状態を示す信号を出力する信号出力コネクター20を設け、気腹装置4に外部からの制御信号により換気動作を行う信号入力コネクター21を設けるとともに、信号出力コネクター20と信号入力コネクター21とを接続し、超音波手術装置5での処置に連動させて換気動作を行う連動ケーブル22を設けたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 腹腔に医療用ガスを送出し、圧力を制御して腹腔をドーム状に拡開することによって空間を形成し、さらに送気と排気を行って腹腔内の換気を行う機能を含む気腹装置と、超音波振動子が内蔵され、生体組織を超音波振動にて処置するハンドピース及び前記超音波振動子を駆動する超音波振動子駆動回路を含む装置本体からなる超音波手術装置とを備えた内視鏡下手術システムにおいて、前記超音波手術装置に前記ハンドピースによって生体組織を処置している間、その状態を示す信号を出力する処置状態信号出力部を設け、前記気腹装置に外部からの制御信号により換気動作を行う制御信号入力部を設けるとともに、前記処置状態信号出力部と前記制御信号入力部とを接続し、前記超音波手術装置での処置に連動させて換気動作を行う連動手段を設けたことを特徴とする内視鏡下手術システム。
【請求項2】 腹腔に医療用ガスを送出し圧力を制御して腹腔をドーム状に拡開することによって空間を形成し、さらに送気と排気を行って腹腔内の換気を行う機能を含む気腹装置と、超音波振動子が内蔵され、生体組織を超音波振動にて処置するハンドピース及び前記超音波振動子を駆動する超音波振動子駆動回路を含む装置本体からなる超音波手術装置と、前記ハンドピースに電気メス信号を供給し、生体組織を切開凝固する電気メス装置とを備えた内視鏡下手術システムにおいて、前記電気メス装置からの電気メス信号が前記ハンドピースに印加されている状態を検知する検知手段と、前記ハンドピースに供給される超音波振動又は電気メス信号によって生体組織を処置している間その状態を示す信号を出力する処置状態信号出力部とを前記超音波手術装置に設け、前記気腹装置に外部からの制御信号により換気動作を行う制御信号入力部を設けるとともに、前記処置状態信号出力部と前記制御信号入力部とを接続し、前記ハンドピースでの処置に連動させて換気動作を行う連動手段を設けたことを特徴とする内視鏡下手術システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡を利用した低侵襲手術を行う内視鏡下外科手術システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、内視鏡を患者の腹腔に挿入し気腹を行って形成した空間内を観察しながら超音波手術装置や、電気メスなど各種の処置具で手術を行う内視鏡下外科手術が行われるようになった。例えば、特開平9−38098号公報で開示されているように超音波振動を応用した処置装置に電気メスを組合せた手術装置などが利用される。この装置では、超音波手術装置に電気メス信号が印可されたことが検出できるようになっている。また、特開平11−70118号公報には超音波手術装置、電気メス装置、気腹装置、及び内視鏡テレビカメラの組合せにおいて、各装置にスーパーインポーズ回路手段が組み込まれており、各装置の状態をテレビモニターに映し出すようにしたシステムが開示されている。
【0003】また、内視鏡下外科手術では、気腹装置で腹腔内に医療用炭酸ガスを送気して腹腔をドーム状に膨らませて形成した限られた空間で手術が行われている。そのため、超音波手術装置で生体組織を処置した際に発生するミストや、電気メスを使用して生体組織を処置した際に発生する煙によって、内視鏡で観察している腹腔内の視界が悪くなることがまれに発生する。このような現象が発生した場合は、手術を行っている医師が腹腔内のガスを排気し、新しいガスを送気して視界を回復させる作業を行う必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来技術においては、超音波手術装置で生体組織を処置した際のミストや、電気メスを使用して生体組織を処置した際の煙などが発生するたびに、術者が換気操作を行わなければならないため、手術が煩雑になり、手術時間が多少長くなる可能性がある。
【0005】本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、内視鏡下手術にて超音波手術装置や、電気メス装置を利用する場合に、いつも良好な視界を確保できる内視鏡下外科手術システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する為に請求項1の発明は、腹腔に医療用ガスを送出し、圧力を制御して腹腔をドーム状に拡開することによって空間を形成し、さらに送気と排気を行って腹腔内の換気を行う機能を含む気腹装置と、超音波振動子が内蔵され、生体組織を超音波振動にて処置するハンドピース及び前記超音波振動子を駆動する超音波振動子駆動回路を含む装置本体からなる超音波手術装置とを備えた内視鏡下手術システムにおいて、前記超音波手術装置に前記ハンドピースによって生体組織を処置している間、その状態を示す信号を出力する処置状態信号出力部を設け、前記気腹装置に外部からの制御信号により換気動作を行う制御信号入力部を設けるとともに、前記処置状態信号出力部と前記制御信号入力部とを接続し、前記超音波手術装置での処置に連動させて換気動作を行う連動手段を設けたことを特徴とする内視鏡下手術システムである。そして、本請求項1の発明では、ハンドピースによって生体組織を処置している間、その処置状態を示す信号を超音波手術装置の処置状態信号出力部から出力する。さらに、この処置状態信号出力部からの出力信号を気腹装置の制御信号入力部に入力して連動手段によって超音波手術装置での処置に連動させて気腹装置による換気動作を行うようにしたものである。
【0007】請求項2の発明は、腹腔に医療用ガスを送出し圧力を制御して腹腔をドーム状に拡開することによって空間を形成し、さらに送気と排気を行って腹腔内の換気を行う機能を含む気腹装置と、超音波振動子が内蔵され、生体組織を超音波振動にて処置するハンドピース及び前記超音波振動子を駆動する超音波振動子駆動回路を含む装置本体からなる超音波手術装置と、前記ハンドピースに電気メス信号を供給し、生体組織を切開凝固する電気メス装置とを備えた内視鏡下手術システムにおいて、前記電気メス装置からの電気メス信号が前記ハンドピースに印加されている状態を検知する検知手段と、前記ハンドピースに供給される超音波振動又は電気メス信号によって生体組織を処置している間その状態を示す信号を出力する処置状態信号出力部とを前記超音波手術装置に設け、前記気腹装置に外部からの制御信号により換気動作を行う制御信号入力部を設けるとともに、前記処置状態信号出力部と前記制御信号入力部とを接続し、前記ハンドピースでの処置に連動させて換気動作を行う連動手段を設けたことを特徴とする内視鏡下手術システムである。そして、本請求項2の発明では、電気メス装置からの電気メス信号がハンドピースに印加されている状態を超音波手術装置の検知手段によって検知させ、ハンドピースに供給される超音波振動又は電気メス信号によって生体組織を処置している間、その状態を示す信号を処置状態信号出力部から出力するとともに、連動手段によってハンドピースでの処置に連動させて気腹装置による換気動作を行うようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態を図1および図2を参照して説明する。図1は本実施の形態の内視鏡下手術システムのシステム全体の概略構成を示すものである。本実施の形態の内視鏡下手術システムには患者の腹腔内を観察する為の内視鏡1と、この内視鏡1の映像を電気信号に変換するカメラ装置2と、その電気信号を映し出すテレビモニター3とが設けられているとともに、気腹装置4と、超音波手術装置5とが設けられている。
【0009】また、気腹装置4の内部には図2に示すように送気用のガスを圧力制御して腹腔に送出する為の気腹(送気)手段6と、排気をON/OFF操作する排気バルブ7と、制御回路8とが設けられている。この制御回路8には気腹手段6と、排気バルブ7とが接続されている。そして、この制御回路8から気腹手段6と、排気バルブ7とに制御信号が入力され、これらの動作が制御されるようになっている。
【0010】さらに、気腹手段6には炭酸ガス(CO)ボンベ9からの供給ガスを送気するガス供給チューブ10と、送気チューブ11とが接続されている。そして、ガス供給チューブ10から気腹手段6に供給された供給ガス(炭酸ガス)をこの気腹手段6によって圧力と送気量を制御した後に送気チューブ11に送気するようになっている。
【0011】なお、送気チューブ11の先端部の送気口は内視鏡1の送気ポートに連結されている。そして、送気チューブ11から送られるガスは内視鏡1の送気チャンネルを経て腹腔内に供給されるようになっている。
【0012】また、排気バルブ7には腹腔内のガスを排気する排気チューブ12が連結されている。この排気チューブ12は排気バルブ7によって管路が開放/閉鎖のいずれかに切換えられるようになっている。さらに、排気チューブ12はこの排気バルブ7を介して吸引機13の吸引ポンプに接続されている。
【0013】また、超音波手術装置5には、図示しない超音波振動子を内蔵し、超音波による凝固及び切開を行うハンドピース14と、このハンドピース14に接続された超音波手術装置本体15と、この装置本体15に接続され、駆動信号のON/OFF操作を行うフットスイッチ16とが設けられている。なお、超音波手術装置5のハンドピース14を患者の腹腔に挿入する際に使用されるトロッカーの外套管23の排気ポートには排気チューブ12が連結されている。そして、患者の腹腔内のガスをこの排気チューブ12を通して排気するようになっている。
【0014】さらに、超音波手術装置本体15の内部には、図2に示すようにハンドピース14内の超音波振動子を駆動する超音波駆動信号を発生させる駆動回路17と、超音波手術装置本体15の各設定や、表示を行う操作パネル18と、制御回路19とが設けられている。この制御回路19にはフットスイッチ16と、駆動回路17と、操作パネル18とがそれぞれ接続されている。そして、フットスイッチ16および操作パネル18からの操作信号が制御回路19に入力され、この制御回路19によって駆動回路17および操作パネル18がそれぞれ制御されるようになっている。
【0015】また、超音波手術装置本体15には信号出力コネクター(処置状態信号出力部)20が設けられている。この信号出力コネクター20は制御回路19に接続されている。そして、ハンドピース14によって生体組織を処置している間、その状態を示す信号をこの信号出力コネクター20から出力するようになっている。
【0016】さらに、気腹装置4には制御回路8に接続された信号入力コネクター(制御信号入力部)21が設けられている。この信号入力コネクター21には外部の連動ケーブル(連動手段)22の一端部が接続されている。この連動ケーブル22の他端部は超音波手術装置本体15の信号出力コネクター20に接続されている。これにより、超音波手術装置本体15の信号出力コネクター20と気腹装置4の信号入力コネクター21との間を結ぶ連動ケーブル22によって超音波手術装置本体15の制御回路19と気腹装置4の制御回路8との間が各々接続されている。そして、超音波手術装置本体15の信号出力コネクター20から出力されるハンドピース14による生体組織の処置状態を示す信号が連動ケーブル22を介して気腹装置4の信号入力コネクター21に入力され、この外部からの制御信号により気腹装置4の換気動作を制御するようになっている。
【0017】次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の内視鏡下手術システムの使用時には図1に示すように予め患者の腹腔に内視鏡1を挿入した状態で、気腹装置4で腹腔内に医療用炭酸ガスを送気する気腹作業が行われる。このとき、腹腔に供給される医療用ガスの圧力を制御して腹腔をドーム状に拡開することによって腹腔内に手術用の空間が形成される。ここで、内視鏡1の映像はカメラ装置2によって撮影され、テレビモニター3に映し出される。
【0018】その後、内視鏡1による観察下で、患者の腹腔に超音波手術装置5のハンドピース14が挿入される。この状態で、術者はテレビモニター3に映し出される内視鏡画像を観察しながらハンドピース14を操作する。そして、フットスイッチ16によってハンドピース14の超音波出力をON/OFFして処置を進める。
【0019】このときの超音波出力のON/OFFの状態は、超音波手術装置本体15の制御回路19から連動ケーブル22を介して気腹装置4の制御回路8に伝えられる。そして、制御回路8は、超音波出力による処置が行われている状態を認識したのち、自動的にバルブ7と気腹手段6とを制御し、炭酸ガスボンベ9から患者の腹腔内への送気と、腹腔の空間からの排気とを繰り返して腹腔の空間を確保しながら腹腔内の換気動作が行われる。このとき、超音波手術装置5のハンドピース14で生体組織を処置した際のミストなどは腹腔内の換気動作によって外部に排気される。
【0020】さらに、ハンドピース14の超音波出力が停止した場合には、腹腔内の換気動作を自動的に停止させる。これにより、炭酸ガスボンベ9から供給されるガスの消費を抑えることができる。
【0021】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では、超音波手術装置5のハンドピース14によって腹腔内の生体組織を処置している間、その処置状態を示す信号を超音波手術装置本体15の信号出力コネクター20から出力し、この出力信号を連動ケーブル22によって気腹装置4の信号入力コネクター21に入力して超音波手術装置5での処置に連動させて気腹装置4による換気動作を行うようにしたものである。そのため、術者が意識して腹腔内を換気操作することなく、超音波出力による処置に連動して、換気動作が自動的に行われるので、腹腔内の視界を常に良好な状態に保つことができる効果がある。
【0022】また、図3乃至図5は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1および図2参照)の内視鏡下手術システムの構成を次の通り変更したものである。
【0023】すなわち、本実施の形態では超音波手術装置5に第1の実施の形態における凝固切開を行うハンドピース14とは異なるハンドピース、例えば超音波振動を利用した超音波トロッカーハンドピース31を設け、第1の実施の形態における凝固切開を行うハンドピース14および超音波トロッカーハンドピース31のいずれか一方を適宜、選択的に超音波手術装置本体15に接続可能にしたものである。なお、これ以外の部分は第1の実施の形態の内視鏡下手術システムと同一構成になっており、第1の実施の形態の内視鏡下手術システムと同一部分には同一の符号を付してここではその説明を省略する。
【0024】また、超音波手術装置本体15には図4に示すようにハンドピース接続用のコネクター32が設けられている。ここで、ハンドピース14および超音波トロッカーハンドピース31には超音波手術装置本体15のコネクター32と着脱可能の接続されるハンドピース側コネクター33が設けられている。このハンドピース側コネクター33の内部にはハンドピースの種類を示す識別手段が内蔵されている。
【0025】さらに、超音波手術装置本体15にはハンドピース判別回路34が設けられている。このハンドピース判別回路34にはハンドピース接続用のコネクター32と制御回路19とが接続されている。そして、超音波手術装置本体15のコネクター32にハンドピース側コネクター33が接続された場合にはハンドピース側コネクター33の識別手段は超音波手術装置本体15内のハンドピース判別回路34に接続されてコネクター32に接続されたハンドピースの種類が判別されるようになっている。
【0026】また、超音波手術装置本体15の操作パネル18には気腹装置4による連動換気動作のON/OFFを選択して切換え可能な図示しない選択スイッチが設けられている。
【0027】次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態の内視鏡下手術システムの使用時には超音波手術装置本体15のハンドピース接続用のコネクター32に、第1の実施の形態の凝固切開を行うハンドピース14または超音波トロッカーハンドピース31のいずれか一方のハンドピース側コネクター33が適宜、選択的に接続される。
【0028】ここで、超音波手術装置本体15に超音波トロッカーハンドピース31が接続された場合には気腹装置4による換気動作が不要である。そのため、超音波手術装置本体15内のハンドピース判別回路34の判別結果によりトロッカーハンドピース31が使用されている状態と制御回路19が認識した場合には、気腹装置4には連動換気の指示信号を送出しない。そして、この場合にはフットスイッチ16を操作して超音波トロッカーハンドピース31の超音波出力を行った状態で腹腔にトロッカーハンドピース31を挿入する。
【0029】また、図5は本実施の形態の内視鏡下手術システムの使用時の超音波手術装置本体15内の制御回路19の制御状態を説明するためのフローチャートである。このフローチャートに従って説明すると、まずハンドピースコネクター33が超音波手術装置本体15のコネクター32に接続されると、判別回路34が起動して接続されたハンドピースの種類を判別する(ステップS1)。そして、制御回路19に結果を送出し、次のステップS2に進む。
【0030】このステップS2では、制御回路19によって連動換気を行っても良いハンドピースか否かを判定する。このステップS2で、トロッカーハンドピース31のように換気動作を行わないハンドピースと判定された場合には処理を終了する。
【0031】また、このステップS2で、凝固切開を行うハンドピース14と判定された場合には、次のステップS3に進む。このステップS3では、制御回路19によって術者が操作パネル18により自動換気を行う設定にしているか否かを判定する。
【0032】そして、このステップS3で、自動換気を行う設定になっていないと判定された場合には処理を終了する。また、ステップS3で、自動換気を行う設定が有効になっていると判定された場合は、次のステップS4に進む。このステップS4では、超音波出力のON/OFF動作に応じて自動換気の信号を連動ケーブル22を介して気腹装置4の制御回路8に送出する。
【0033】そこで、本実施の形態では超音波手術装置本体15にハンドピース接続用のコネクター32を設けるとともに、ハンドピース側コネクター33の内部にハンドピースの種類を示す識別手段を内蔵し、超音波手術装置本体15のコネクター32にハンドピース側コネクター33が接続された場合にハンドピース側コネクター33の識別手段が超音波手術装置本体15内のハンドピース判別回路34に接続されてコネクター32に接続されたハンドピースの種類が判別されるようにしたので、気腹装置4による連動換気動作を自動的に行うか否かを、ハンドピースの種類やユーザーの設定で選択することができる効果がある。
【0034】また、図6および図7は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1および図2参照)の内視鏡下手術システムの構成を次の通り変更したものである。
【0035】すなわち、本実施の形態では電気メス装置41を設け、この電気メス装置41を第1の実施の形態における超音波手術装置5の凝固切開を行うハンドピース14に接続してこの電気メス装置41の出力信号をハンドピース14に送り、このハンドピース14の先端から電気メスによる切開や、凝固の処置ができるようにしたものである。
【0036】また、図7に示すようにハンドピース14には電気メス信号を受ける端子42が設けられている。この端子42には電気メス装置41からのリード線43が接続されている。さらに、電気メス装置41には対極板44が接続されているとともに、電気メス装置41の出力のON/OFFを操作するフットスイッチ45が接続されている。
【0037】また、超音波手術装置5の超音波手術装置本体15の内部にはハンドピース14に電気メス信号が印加された状態を検出する電気メス信号検知回路46が設けられている。
【0038】次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。術者が電気メス装置41のフットスイッチ45を操作してハンドピース14によって電気メスによる処置を行った場合は、超音波手術装置本体15内の電気メス信号検知回路46によってその状態が検出され、制御回路19が認識する。このとき、制御回路19からその結果にもとづいた制御信号を連動ケーブル22を介して気腹装置4の制御回路8に送出し、自動的に気腹装置4の換気動作を行うようにする。
【0039】また、超音波手術装置5のフットスイッチ16の操作をしてハンドピース14によって超音波出力による処置を行った場合も同様に自動的に気腹装置4の換気を行うように制御信号を送出する。
【0040】そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では電気メス装置41を超音波手術装置5のハンドピース14に接続してこの電気メス装置41の出力信号をハンドピース14に送り、このハンドピース14の先端から電気メスによる切開や、凝固の処置ができるようにしたので、超音波手術装置5の他に電気メス装置と気腹装置とを別途接続せずとも、超音波処置時だけでなく電気メスによる処置時にも連動して気腹装置4の換気動作を自動的に行わせることができる効果がある。
【0041】なお、ハンドピース14によって電気メスによる処置を行った場合に発生する電気メスの煙は超音波処置時のミストより多量に発生する。そのため、気腹装置4の自動換気を行う時間、たとえば電気メス出力を終えてから自動換気を停止するまでの遅延動作の時間を、電気メス処置の場合と超音波処置の場合とで異ならせ、電気メス出力時は若干長く換気動作をするようにしても良い。
【0042】また、図8は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第3の実施の形態(図6および図7参照)の内視鏡下手術システムの構成を次の通り変更したものである。
【0043】すなわち、本実施の形態では超音波手術装置5の超音波手術装置本体15とテレビカメラ装置2との間を連通する信号ケーブル51を設け、超音波手術装置5の超音波手術装置本体15内の制御回路19(図7参照)による換気連動信号の送出状態を信号ケーブル51を介してテレビカメラ装置2に送るようにしたものである。
【0044】次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では超音波手術装置5が超音波出力や、電気メス出力の状態によって気腹装置4に対して自動換気動作を指示している間、信号ケーブル51を介してその状態をカメラ装置2にも送出する。このとき、カメラ装置2はその信号を受けて、テレビモニター3に、気腹装置4の換気動作が機能している状態を表示する。あるいは、超音波手術装置5の設定が、気腹装置4と連動して自動換気を行う状態に設定してあるか否かをモニター3に表示する構成にしてもよい。
【0045】そこで、上記構成のものにあっては超音波手術装置5の超音波手術装置本体15内の制御回路19による換気連動信号の送出状態を信号ケーブル51を介してテレビカメラ装置2に送るようにしたので、術者が、テレビモニター3を目視することにより、自動換気動作が機能していること、その状態に設定してあることを容易に認識することができる効果がある。
【0046】さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記(付記項1) 内視鏡下手術を行う為に腹腔に医療用ガスを送出し圧力を制御して腹腔をドーム状にすることによって空間を形成しさらに送気と排気を行って腹腔内の換気を行う機能を含む気腹装置と、生体組織を超音波振動にて処置するハンドピース及びハンドピースに内蔵された超音波振動子を駆動する超音波振動子駆動回路を含む装置本体からなる超音波手術装置と、からなる手術システムにおいて、前記超音波手術装置にはハンドピースによって生体組織を処置している間その状態を示す信号を送出する手段と、前記気腹装置には外部からの信号により換気動作を行う信号入力手段が設けられており、前記信号送出部と前記信号入力部を接続するケーブル手段とを設け、超音波手術装置での処置に連動させて換気動作を行うことを特徴とする内視鏡下手術システム。
【0047】(付記項2) 請求項1の手術システムにおいて、前記超音波手術装置には複数の種類のハンドピースが接続でき各々の種類を判別して適切に駆動制御する手段と、ハンドピースの判別結果によって連動換気のための信号を送出する/しないを選択し制御することを特徴とする請求項1の内視鏡下手術システム。
【0048】(付記項3) 請求項2の手術システムにおいて、前記超音波手術装置には操作パネルより連動換気を行う/行わないを選択することを特徴とする請求項2の手術システム。
【0049】(付記項4) 内視鏡下手術を行う為に腹腔に医療用ガスを送出し圧力を制御して腹腔をドーム状にすることによって空間を形成しさらに送気と排気を行って腹腔内の換気を行う機能を含む気腹装置と、生体組織を超音波振動にて処置するハンドピース及びハンドピースに内蔵された超音波振動子を駆動する超音波振動子駆動回路を含む装置本体からなる超音波手術装置と、前記ハンドピースに電気メス信号を供給し生体組織を切開凝固する電気メス装置からなる手術システムにおいて、前記超音波手術装置には前記電気メス装置からの電気メス信号が前記ハンドピースに印加されている状態を検知する検知手段と、ハンドピースによって超音波振動又は電気メス信号によって生体組織を処置している間その状態を示す信号を送出する手段と、前記気腹装置には外部からの信号により換気動作を行う信号入力手段が設けられており、前記信号送出部と前記信号入力部を接続するケーブル手段とを設け、ハンドピースでの処置に連動させて換気動作を行うことを特徴とする内視鏡下手術システム。
【0050】(付記項5) 請求項4の手術装置において、前記超音波手術装置または気腹装置のいずれかに連動換気していることを示す信号を送出する手段を設け、該信号をテレビカメラに送出して内視鏡像にスーパーインポーズすることによって換気動作が作動していることを表示することを特徴とする請求項4の手術システム。
【0051】(付記項1〜5の従来技術) 近年、内視鏡を患者の腹腔に挿入し気腹を行って形成した空間内を観察しながら超音波手術装置や電気メスなど各種の処置具で手術を行う内視鏡下外科手術が行われるようになった。例えば、特開平9−38098で開示されているような、超音波振動を応用した処置装置に電気メスを組合せた手術装置などが利用される。この装置では、超音波手術装置に電気メス信号が印可されたことが検出できるようになっている。また特開平11−70118には超音波手術装置、電気メス装置、気腹装置、及び内視鏡テレビカメラの組合せにおいて、各装置にスーパーインポーズ回路手段が組み込まれており、各装置の状態をテレビモニターに映し出すようにしたシステムが開示されている。
【0052】この手術は、気腹装置で腹腔内に医療用炭酸ガスを送気して腹腔をドーム状に膨らませて形成した限られた空間で手術を行うので、超音波手術装置で組織を処置した際に発生するミストや、電気メスを使用して組織を処置した際に発生する煙によって、内視鏡で観察している腹腔内の視界が悪くなることがまれに発生する。このような現象が発生した場合は、手術を行っている医師が腹腔内のガスを排気し新しいガスを送気して視界を回復させる行為を行う必要がある。
【0053】(付記項1〜5が解決しようとする課題) しかしながら、上記に示した従来技術においては、超音波手術装置で組織を処置した際のミストや、電気メスを使用して組織を処置した際の煙が発生するたびに、術者が換気操作を行わなければならないため、手術の時間が多少延長するなど煩雑であった。
【0054】(付記項1〜5の目的) 本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、内視鏡下手術にて超音波手術装置や電気メス装置を利用する場合に、いつも良好な視界を確保できるシステムを提供することを目的とする。
【0055】(付記項1〜5の課題を解決するための手段) 上記の目的を達成する為にこの発明では、腹腔に医療用ガスを送出して空間を形成しさらに送気と排気を行って腹腔内の換気を行う機能を含む気腹装置と、生体組織を超音波振動にて処置するハンドピース及びハンドピースに内蔵された超音波振動子を駆動する超音波振動子駆動回路を含む装置本体からなる超音波手術装置と、からなる手術システムにおいて、前記超音波手術装置にはハンドピースによって生体組織を処置している間その状態を示す信号を送出する手段と、前記気腹装置には外部からの信号により換気動作を行う信号入力手段が設けられており、前記信号送出部と前記信号入力部を接続するケーブル手段とを有する構成とし、超音波手術装置での処置に連動させて換気動作を行うことを特徴とする。
【0056】さらにこの発明では、腹腔に医療用ガスを送出して空間を形成しさらに送気と排気を行って腹腔内の換気を行う機能を含む気腹装置と、生体組織を超音波振動にて処置するハンドピース及びハンドピースに内蔵された超音波振動子を駆動する超音波振動子駆動回路を含む装置本体からなる超音波手術装置と、前記ハンドピースに電気メス信号を供給し生体組織を切開凝固する電気メス装置からなる手術システムにおいて、前記超音波手術装置には前記電気メス装置からの電気メス信号が前記ハンドピースに印加されている状態を検知する検知手段と、ハンドピースによって超音波振動又は電気メス信号によって生体組織を処置している間その状態を示す信号を送出する手段と、前記気腹装置には外部からの信号により換気動作を行う信号入力手段が設けられており、前記信号送出部と前記信号入力部を接続するケーブル手段とを有する構成とし、ハンドピースでの処置に連動させて換気動作を行うことを特徴とする。
【0057】(付記項1〜5の効果) この発明によれば、連動ケーブルを接続するだけで、超音波手術装置で組織を処置した際に発生するミストや、電気メスを使用して組織を処置した際に発生する煙によって、内視鏡で観察している腹腔内の視界が悪くなっても自動的に腹腔内のガスを排気し新しいガスを送気して視界を回復させ、視界を常に良好に保つことが可能となる。
【0058】また超音波手術装置に電気メス検知機能を設けたので、電気メスと気腹装置と別途接続せずに上記機能を実現できる。
【0059】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、超音波手術装置にハンドピースによって生体組織を処置している間、その状態を示す信号を出力する処置状態信号出力部を設け、気腹装置に外部からの制御信号により換気動作を行う制御信号入力部を設けるとともに、処置状態信号出力部と制御信号入力部とを接続し、超音波手術装置での処置に連動させて換気動作を行う連動手段を設けたので、内視鏡下手術にて超音波手術装置を利用する場合に、いつも良好な視界を確保することができる。
【0060】請求項2の発明によれば、電気メス装置からの電気メス信号がハンドピースに印加されている状態を検知する検知手段と、ハンドピースに供給される超音波振動又は電気メス信号によって生体組織を処置している間その状態を示す信号を出力する処置状態信号出力部とを超音波手術装置に設け、気腹装置に外部からの制御信号により換気動作を行う制御信号入力部を設けるとともに、処置状態信号出力部と制御信号入力部とを接続し、ハンドピースでの処置に連動させて換気動作を行う連動手段を設けたので、内視鏡下手術にて超音波手術装置や、電気メス装置を利用する場合に、いつも良好な視界を確保することができる。
【0061】その結果、本発明によれば、連動手段を処置状態信号出力部と制御信号入力部とに接続するだけで、超音波手術装置で生体組織を処置した際に発生するミストや、電気メスを使用して生体組織を処置した際に発生する煙によって、内視鏡で観察している腹腔内の視界が悪くなっても自動的に腹腔内のガスを排気し、新しいガスを送気して腹腔内の視界を回復させ、視界を常に良好に保つことが可能となる。
【0062】また、請求項2の発明では、超音波手術装置に電気メス検知機能を設けたので、電気メスと気腹装置と別途接続せずに上記機能を実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成12年6月9日(2000.6.9)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2001−346804(P2001−346804A)
【公開日】 平成13年12月18日(2001.12.18)
【出願番号】 特願2000−173950(P2000−173950)