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【発明の名称】 脛骨等の切断用補助ブロック
【発明者】 【氏名】三浦 裕正

【氏名】長峰 隆二

【要約】 【課題】多種の追加切断を可能にする。

【解決手段】骨の既切断面12aを2mmフラットに追加切断する場合は、板体2の内面2cを既切断面12aに接触させた状態で板体1の固定孔1aに固定具を挿入して骨に板体1を固定し、ガイドスリット1sでカッタを案内して骨を切断する。骨を3mm追加切断するときはガイドスリット1tでカッタを案内する。骨を3度の後傾角度で追加切断する場合は、板体1の内面1cを既切断面12aに接触させて板体2を骨の前面に固定し、ガイドスリット2s又は2tでカッタを案内して行う。本切断用補助ブロックAは、4種の追加切断に対応することができるので、管理に煩わされることがなく、しかもコスト安につく。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 固定孔を有し一方の端部の幅方向にガイドスリットを形成した複数の板体が、上記端部を他の板体に直角に連結し切断空間を形成して一体に設けられたことを特徴とする脛骨等の切断用補助ブロック。
【請求項2】 複数のガイドスリットが互いに平行に1以上の板体に形成されたことを特徴とする請求項1記載の脛骨等の切断用補助ブロック。
【請求項3】 骨の既切断面に接する基準面に対するガイドスリットの形成状態が板体どうしにおいて互いに異ならされたことを特徴とする請求項1又は2記載の脛骨等の切断用補助ブロック。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脛骨等を追加切断するような場合にカッタの案内として用いられる切断用補助ブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】人工膝節節置換術においては、図7に示すように、大腿骨11と脛骨12の関節部をそれぞれ切断してその切断個所に大腿骨コンポーネーント14と脛骨コンポーネント15とを取り付けることが行われる。この場合、選ばれた大腿骨コンポーネント14と脛骨コンポーネント15が患者の人工膝節節として正しく機能するように、専用のセット工具で大腿骨11と脛骨12を切断するが、様々な事情により骨切りを追加しなければならないことがしばしば起こる。
【0003】このような場合の骨の追加切断は、これまで、前述の専用セット工具或いは再切除工具で行っている。
【0004】ところで、脛骨12を例にとると、脛骨コンポーネント15が取り付けられる切断面12aの追加の切断態様は、上下幅の大小だけでなく、患者の直立状態で水平となるフラット状態、後方に傾斜する後傾状態、内側や外側に傾斜する内反状態或いは外反状態など様々である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のセット工具と再切除工具の両方共、追加切断の修正段数が1つしかなく、融通が利かないので、様々な状況に対応するためには多種類の工具を用意しなければならず、管理が煩わしい上に不経済でもある。
【0006】本発明の課題は上記従来の問題点を解決することであり、1個で最低2種の追加切断に対応することができる脛骨等の切断用補助ブロックを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、固定孔を有し一方の端部の幅方向にガイドスリットを形成した複数の板体を、上記端部を他の板体に直角に連結し切断空間を形成して一体に設けた構成とした。
【0008】この手段では、1つの板体の内面を骨の既切断面に接触されるとともに、その板体に直角に連結された他の板体を骨に固定孔を利用して固定し、該固定板体のガイドスリットでカッタを案内して骨を切断する。板体の連結数は最低2個であるので、本切断用補助ブロックは最低2個のガイドスリットを持つ。
【0009】請求項1記載の脛骨等の切断用補助ブロックにおいて、複数のガイドスリットを互いに平行に1以上の板体に形成することができる(請求項2)。この構成によれば、本切断用補助ブロックは最低3個のガイドスリットを持つことになる。
【0010】請求項1又は2記載の脛骨等の切断用補助ブロックにおいて、骨の既切断面に接する基準面に対するガイドスリットの形成状態を板体どうしにおいて互いに異ならせることが好ましい(請求項3)。この構成では、板体の数と同数の追加切断方式に対応することができるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1ないし図4は本発明に係る脛骨等の切断用補助ブロックの実施の形態を示す。この切断用補助ブロックAは、複数(図のものは6個)の固定孔1aと2個のガイドスリット1s,1tを持つ板体1と、複数(同、6個)の固定孔2aと2個のガイドスリット2s,2tを持つ板体2とを切断空間Sを形成して直角に一体に連結して成る。
【0012】各ガイドスリット1s,1t、2s,2tはカッタ(図示せず)を案内するものであり、板体1,2の連結端の厚肉部1b,2bに、各板体1,2の幅方向に沿って互いに同一のスリット幅(図のものは1.2mm)でそれぞれ形成されている。
【0013】ガイドスリット1s,1tは互いに平行であり、かつそれらの使用時に骨の既切断面12aに接触されて基準面となる板体2の内面2cに対し板体1の正面視(図3)及び側面視(図2)において平行(フラット)にされている。なお、図のガイドスリット1sの骨の追加切断量(板体2の内面2cからのガイドスリット1sの下側の面の距離)は2mm、ガイドスリット1tの追加切断量は3mmに設定されている。
【0014】また、ガイドスリット2s,2tは相互に平行であり、かつそれらの使用時に骨の既切断面12aに接触されて基準面となる板体1の内面1cに対し板体2の正面視(図4)において平行にされるとともに、板体2の側面視(図2)においてガイドスリット2s,2tの延長線が内面2cから遠ざかるにしたがって板体1の内面1cから離れるように傾斜(後傾)されている。図のガイドスリット2s,2tの幅方向の傾斜角度のθは3度、ガイドスリット2sの最小追加切断量は2mm、ガイドスリット2tの最小追加切断量は3mmに設定されている。
【0015】上記の構成とされた脛骨等の切断用補助ブロックAで、例えば骨のフラットな既切断面12aを2mmフラットに追加切断する場合は、板体2の内面2cを既切断面12aに正しく接触させた状態で板体1の固定孔1aに固定ピンや固定ねじなどの固定具(図示せず)を挿入して骨に板体1を固定し、ガイドスリット1sでカッタを案内して骨を切断する。骨を3mm追加切断するときはガイドスリット1tでカッタを案内する。
【0016】また、骨を3度の後傾角度で追加切断する場合は、板体1の内面1cを既切断面12aに接触させて前記の要領で板体2を骨の前面に固定し、ガイドスリット2s又は2tでカッタを案内して行う。
【0017】このように、本切断用補助ブロックAは、4種の追加切断に対応することができるので、管理に煩わされることがなく、しかもコスト安につく。また使用板体に連結された他の板体の内面が基準面として活用されるので合理的である。
【0018】図5と図6は本発明に係る脛骨等の切断用補助ブロックの他の実施の形態を示す。この切断用補助ブロックBの基本構造は前記切断用補助ブロックAと同じで、複数(図のものは6個)の固定孔4aと2個のガイドスリット4s,4tを持つ板体4と、複数(6個)の固定孔5aと2個のガイドスリット5s,5tを持つ板体5とを切断空間S(図2参照)を形成して直角に一体に連結して成る。
【0019】ガイドスリット4s,4t、5s,5tはカッタを案内するものであり、板体4,5の連結端の厚肉部4b,5bに、各板体4,5の幅方向に沿って互いに同一のスリット幅(1.2mm)でそれぞれ形成されている。
【0020】ガイドスリット4s,4tは互いに平行であり、かつそれらの使用時に骨の既切断面12a(図2参照)に接触されて基準面となる板体5の内面5cに対し板体4の正面視(図5)において右広り状に傾斜され、板体4の側面視においてガイドスリット4s,4tの幅方向が板体5の内面5cと平行にされている。図のガイドスリット4s,4tの長さ方向の傾斜角度αは2度、ガイドスリット4sの最小追加切断量は2mm、ガイドスリット4tの最小追加切断量は3mmに設定されている。
【0021】また、ガイドスリット5s,5tも互いに平行であり、かつそれらの使用時に骨の既切断面12aに接触されて基準面となる板体4の内面4cに対し板体5の正面視(図6)において左広り状に傾斜され、板体5の側面視においてガイドスリット5s,5tの幅方向が板体4の内面4cと平行にされている。図のガイドスリット5s,5tの長さ方向の傾斜角度βは2度、ガイドスリット5sの最小追加切断量は2mm、ガイドスリット5tの最小追加切断量は3mmに設定されている。
【0022】上記構成の切断用補助ブロックBの使用方法は前述の切断用補助ブロックAと基本的に同じであり、ガイドスリット4s又は4tでカッタを案内した場合は、骨は図5で右下に角度αで傾斜して追加切断され、またガイドスリット5s又は5tでカッタを案内したときは、骨は図6で左下に角度βで傾斜して追加切断される。なお、ガイドスリット4s,4t、5s,5tによる脛骨の切断は、通常、内反切断、又は外反切断となる。
【0023】切断用補助ブロックBにおいても切断用補助ブロックAと同一の効果が得られる。
【0024】図の各板体1,2,4,5には2個のガイドスリットが互いに平行にそれぞれ設けられているが、ガイドスリットの形成数を1個又は3個以上とすることができ、また複数のガイドスリットを互いに平行にしないで形成することもできる。
【0025】基準面となる板体の内面に対するガイドスリットの形成状態、つまり傾斜角度θ、α、β、平行(角度0)等は図のものに限られるものではなく、種々変更できることは言うまでもない。
【0026】また、ガイドスリットのスリット幅は同一とされているが、肉厚の異なるカッタの使用を可能にするために、スリット幅の異なる1以上のガイドスリットを設けることもある。板体1と板体4又は板体5を組み合わせたり、板体2と板体4又は板体5を組み合わせたりすることもある。場合によっては、板体の連結数を3個とすることも可能である。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、2種以上の追加切断が可能な脛骨等の切断用補助ブロックを得ることができる。したがって、少数の切断用補助ブロックで様々な状況に対応できるようになり、管理等がし易くなる上、コスト安になる。
【0028】請求項1記載の脛骨等の切断用補助ブロックにおいて、複数のガイドスリットを互いに平行に1以上の板体に形成した場合は、追加切数の段数が増加し、しかも追加切断方式が同一のガイドスリットが複数並べて設けられているので、作業性が向上する。
【0029】請求項1又は2記載の脛骨等の切断用補助ブロックにおいて、骨の既切断面に接する基準面に対するガイドスリットの形成状態を板体どうしにおいて互いに異ならせた場合は、2種以上の追加切断方式を簡単に選択することができる。
【出願人】 【識別番号】000200677
【氏名又は名称】泉工医科工業株式会社
【出願日】 平成12年6月8日(2000.6.8)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
【公開番号】 特開2001−346800(P2001−346800A)
【公開日】 平成13年12月18日(2001.12.18)
【出願番号】 特願2000−172359(P2000−172359)