トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 パノラマX線撮影位置づけ自動調整装置
【発明者】 【氏名】友江 剛

【要約】 【課題】パノラマX線撮影装置の各部を患者頭部の正しい位置に自動調整する。

【解決手段】患者の立ち位置にセンサー16を設けて患者が所定の位置に導入されたことを確認し、一方、水平面内にて回転及びスライドかつ上下動が可能な回転アーム2に垂下されたX線撮影部3に患者の頭部側面を監視する側面カメラ7を設けるとともに、上下動するチンレスト9近傍に患者の頭部正面を監視する正面カメラ10を設けて、前記両カメラにて取得した顔画像データをコンピュータにて解析し、この解析値に基づいて位置づけ調整装置各部を患者頭部の正しい位置に自動調整する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水平面内にて回転及びスライドしかつ支柱上を上下動する回転アームと、該回転アームに垂下したX線照射部及びX線受像部、頭部前面に対向してスライドしつつ頭部前面の位置決めをするフォアヘッドサポート及び頭部側面に対向して開閉しつつ頭部側面の位置決めをするサイドヘッドサポート、前記X線照射部近傍に設けられ患者の頭部側面画像を取得する側面カメラと、支柱上を上下動するチンレストと、該チンレストの近傍に設けられ共に上下動しつつ患者の頭部正面画像を取得する正面カメラと、前記側面カメラ及び正面カメラが取得した画像データを基に患者の位置を判断して位置づけ調整装置各部の位置を自動調整するコンピュータと、前記チンレストに患者の顎が載置されたことを検出するセンサーと、ベース側に設けられ患者が所定の位置に導入されたことを検出するセンサーとを備えてパノラマX線撮影装置の各部を患者頭部に対して正しい位置に自動調整することを特徴とするパノラマX線撮影位置づけ自動調整装置。
【請求項2】 前記正面カメラ及び側面カメラのそれぞれが複数個からなることを特徴とする請求項1記載のパノラマX線撮影位置づけ自動調整装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、患者の頭部に対してX線撮影装置の各部を正しい位置に調整するパノラマX線撮影位置づけ調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、歯科におけるパノラマX線撮影では、術者が患者をパノラマX線撮影装置の指定位置に導入した後、治具を用いて患者に指示を与えながら位置づけ調整装置の各部に対して頭部を正しい位置に調整する操作が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記パノラマX線撮影は一般的に1回の撮影で済ませる場合が多く、しかも患者が撮影に慣れていないこともあって、1回の撮影で成功させるためには患者頭部の位置づけを厳格にして画像がぼけないようにする必要がある。このために装置を手動にて調整しながら位置づけする従来の方法では術者の負担が大きいという問題があった。
【0004】よって本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、位置づけ調整装置の各部を患者頭部に自動的に位置づけすることができるパノラマX線撮影位置づけ自動調整装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、水平面内にて回転及びスライドしかつ支柱上を上下動する回転アームと、該回転アームに垂下したX線照射部及びX線受像部と、頭部前面に対向してスライドしつつ頭部前面の位置決めをするフォアヘッドサポート及び頭部側面に対向して開閉しつつ頭部側面の位置決めをするサイドヘッドサポートと、前記X線照射部近傍に設けられ患者の頭部側面画像を取得する側面カメラと、支柱上を上下動するチンレストと、該チンレストの近傍に設けられ共に上下動しつつ患者の頭部正面画像を取得する正面カメラと、前記側面カメラ及び正面カメラが取得した画像データを基に患者の位置を判断して位置づけ調整装置各部の位置を自動調整するコンピュータと、前記チンレストに患者の顎が載置されたことを検出するセンサーと、ベース側に設けられ患者が所定の位置に導入されたことを検出するセンサーとを備えてパノラマX線撮影装置の各部を患者頭部に対して正しい位置に自動的調整することを特徴とするものである。
【0006】請求項1によれば、各センサーにて患者の導入位置を確認するとともに正面カメラ及び側面カメラにて取得した顔画像データをコンピュータにて解析し、この解析値に基づき患者の顎の高さ、頭部のずれ及び傾きに対応して位置づけ調整装置各部を自動調整しつつ正しい位置づけをすることが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0008】図1から図10は本発明に係り、図1はパノラマX線撮影装置の構成を示す側面図、図2はフォアヘッドサポートの作動を示す図、図3はサイドヘッドサポートの作動を示す図、図4は患者の導入を示す図、図5はチンレスト部を示す上面図、図6は患者の立ち位置に設けたセンサーを示す上面図、図7は回転アームの作動を示す図、図8は頭部X方向の位置ずれと傾きΘzの調整を示す図、図9は頭部の傾きΘxの調整を示す図、図10及び図11は頭部の座標軸を示す図である。
【0009】本発明のパノラマX線撮影装置は図1から図3に示されるように、支柱1の上方に、水平面内にて回転及びスライドをしかつ支柱1上を上下動する回転アーム2と、回転アーム2の下面に垂下されたX線照射部3及びX線受像部4と、回転アーム2の下面にて頭部前面に対向してスライドしつつ頭部前面の位置決めをするフォアヘッドサポート5及び頭部側面に対向して開閉しつつ頭部側面の位置決めをするサイドヘッドサポート6と、X線照射部3近傍に設けられ顔の側面画像を取得する側面カメラ7とにより天井部8が構成されている。一方、支柱1の下方には支柱上を上下動するチンレスト9が設けられ、チンレスト9の近傍にチンレスト9と共に上下動する正面カメラ10及び患者に指示を与える音声発生装置18が設けられている。
【0010】前記側面カメラ7及び正面カメラ10は、取得した画像データを解析するコンピュータ17に電気的に接続されており、このコンピュータ17の解析値により患者11の顎の高さ、頭部のずれ及び傾きに対応して位置づけ調整装置各部の位置が自動調整され正しい位置づけが行われるようになっている。なお、コンピュータ17を取りつける位置はチンレスト9の基端部に限らず、装置外に別置きしてもよい。
【0011】さらに、前記チンレスト9には図5に示されるように、患者11の顎位置を示すマーキング部12が表示されており、このマーキング部12の中央に顎が載置されたことを検出するセンサー13が設けられている。さらにマーキング部12の前方には噛むことにより頭部の水平及び左右の向きを調整するバイトブロック14が設けられている。
【0012】また図4に示される患者11を導入する立ち位置A及びBには、例えば図6の立ち位置Bにて示されるように患者の足の両側方にセンサー16が設けられており、このセンサー16にて患者11が所定位置に導入されたことが確認されるようになっている。
【0013】なお、本発明の位置づけ調整装置を用いて患者の頭部を自動的に位置づけするために、図10及び図11に示されるように患者頭部の座標軸について予め次のように定義する。即ち、図10においては頭部中心を通る垂直方向をY軸、Y軸を中心にした回転角をΘy、両耳位置を貫通する水平方向をX軸とし、図11においては前記Y軸に直交して鼻位置を貫通する水平方向をZ軸、Z軸回りの回転角をΘzとする。
【0014】次に、上記構成のパノラマX線撮影位置づけ調整装置の作用を以下の撮影手順に従って説明する。
【0015】先ず、パノラマX線撮影をするためにX線撮影装置に患者を導入する手順として、1) 患者導入前に、X線撮影装置の初期状態として天井部8及びチンレスト9を支柱上の最高位置に移動して待機させる。
2) 術者が撮影の種類に合わせて撮影モードを選択する。
3) 患者11が軽く顎を引いて正面に向かい「立ち位置A」に立つように指示する。(図4)
4) 患者11が「立ち位置A」に立ったことをベースに設置されたセンサー16にて検知する。(図4、図6)
5) チンレスト9を降下させる。(図1)
6) 正面カメラ10にて取得された画像データをコンピュータにて解析し、その解析値に基づいて患者11の顔の高さを監視しつつチンレスト9をY方向に位置調整する。(図4)
7) 患者11の顎の高さとチンレスト9における載置部の高さが一致した位置でチンレスト9の下降が停止する。(図4)
8) 患者が「立ち位置B」に進み、チンレスト9上のマーキング部12に顎を乗せ、バイトブロック14を噛むように音声発生装置18にて指示する。これによりX方向及びΘy方向の大幅なずれが防止される。(図5)
9) 患者が「立ち位置B」に立ったことをベース15に設置されたセンサー16にて検知する。(図4、図6)
10) チンレスト9のマーキング部12に患者の顎が載置されたことをマーキング部12に設置されたセンサー13にて検知する。(図5)
11) 側面カメラ7が患者11の真横にくるように回転アーム2を回転させる。(図7)
12) フォアヘッドサポート5が最前方(頭部から離れる方向)に移動する。
13) サイドヘッドサポート6が最大に開く。
14) 天井部8が降下する。
15) チンレスト9と天井部8との高さの差が規定値になった位置で天井部8の下降が停止する。
【0016】次にX線撮影装置に対する位置づけ手順として、患者頭部に対する正中線の調整手順。
1) サイドヘッドサポート6を水平方向にスライドしつつ患者11の頭部側面に合わせて自動的に閉じる。
2) 正面カメラ10にて取得された画像データをコンピュータにて解析し、その解析値に基づいて患者11の正中線が垂直かつチンレスト9の中心にあるかを判断する。
3) 患者11の正中線が傾いているか又は、チンレスト9の中心にない場合は、サイドヘッドサポート6を自動操作にてX方向の位置ずれ及びΘzの傾きを補正する。この場合、サイドヘッドサポート6を閉じたまま自動で矢印で示すx方向にスライドさせる。(図8)
【0017】次に眼耳線の調整手順。
4) 側面カメラ7にて取得された画像データをコンピュータにて解析し、その解析値に基づいて患者11の眼耳線が水平であるかどうかを判断する。
5) 水平でない場合はチンレスト9を上下に動かして補正する。この時、チンレスト9と天井部8は一定距離を保ちつつ上下動することによりΘxの調整が行われる。(図9)
6) フォアヘッドサポート5を図2に示されるように、矢印方向にスライドしつつ患者頭部の前面に合わせて閉じる。
【0018】次に上下顎3番の位置合わせ手順。
7) 歯を噛み合わせた状態にて口を開けてもらうように音声発生装置18にて患者11に指示する。
8) 正しくない場合は回転アーム2を前後に移動して位置を補正する。
【0019】以上の手順によりX線撮影装置に対する患者11の正しい位置づけが完了しパノラマX線撮影の準備が整う。
【0020】以上は正面カメラ及び側面カメラのそれぞれが1個の場合について説明したが、正面カメラ及び側面カメラのそれぞれが複数個の場合においても同様な作用効果がえられる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、X線撮影装置に正面カメラ及び側面カメラを設け、それぞれのカメラにて取得した顔画像データをコンピューターにて解析し、この解析値を基にパノラマX線撮影装置各部を患者頭部の正しい位置に自動調整して位置づけすることが可能となる。これにより術者が一々機器を操作する必要がなくなり、患者を撮影位置に導入し位置づけするための負担が軽減される。
【出願人】 【識別番号】000141598
【氏名又は名称】株式会社吉田製作所
【出願日】 平成12年6月7日(2000.6.7)
【代理人】 【識別番号】100069420
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 武
【公開番号】 特開2001−346796(P2001−346796A)
【公開日】 平成13年12月18日(2001.12.18)
【出願番号】 特願2000−169955(P2000−169955)