| 【発明の名称】 |
X線源と散乱線除去グリッドの位置合わせ評価方法およびフィードバック方法、フィードバック装置、X線撮影方法及びX線撮影装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】ローレンス・コート
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| 【要約】 |
【課題】ハードウエアを追加する必要が無く、グリッドカセットとX線源間に障害物がある場合であっても位置合わせ精度を評価すること。
【解決手段】X線源と散乱X線除去グリッドとの位置合わせ精度を評価する位置合わせ評価方法であって、X線画像を撮影する撮影工程(S1)と、撮影したX線画像の所定領域毎に前記散乱X線除去グリッドのコントラストを算出する算出工程(S2)と、前記算出したコントラストのプロフィールを分析して、前記X線源と散乱X線除去グリッド間の位置合わせ精度を評価する評価工程(S3,S4)とを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線源と散乱X線除去グリッドとの位置合わせ精度を評価する位置合わせ評価方法であって、X線画像を撮影する撮影工程と、撮影したX線画像の所定領域毎に前記散乱X線除去グリッドコントラストを算出する算出工程と、前記算出したコントラストのプロフィールを分析して、前記X線源と散乱X線除去グリッド間の位置合わせ精度を評価する評価工程とを有することを特徴とする位置合わせ評価方法。 【請求項2】 前記評価工程では、前記プロフィールが曲線である場合、前記X線源と散乱X線除去グリッド間の位置合わせが垂直方向にずれていると評価することを特徴とする請求項1に記載の位置合わせ評価方法。 【請求項3】 前記評価工程では、前記プロフィールが左右非対称である場合、水平方向にずれていると評価することを特徴とする請求項1または2に記載の位置合わせ評価方法。 【請求項4】 前記評価工程では、前記プロフィールを基準値と比較することにより評価を行うことを特徴とする請求項1に記載の位置合わせ評価方法。 【請求項5】 前記評価工程では、前記X線源から照射されるX線のスペクトル及び前記散乱X線除去グリッドの特性に応じて、異なる基準値を用いることを特徴とする請求項4に記載の位置合わせ評価方法。 【請求項6】 前記基準値は、位置合わせ評価で用いられる散乱X線除去グリッドと、同じまたは同様の散乱X線除去グリッドを用いて得られる計測値に基づいた値であることを特徴とする請求項5に記載の位置合わせ評価方法。 【請求項7】 前記基準値は、位置合わせ評価で用いられるX線スペクトルと、略同一のX線スペクトル状態で得られる計測値に基づいた値であることを特徴とする請求項5または6に記載の位置合わせ評価方法。 【請求項8】 前記基準値は、位置合わせ評価で用いられるX線センサと、同じまたは同様のX線センサを用いて得られる計測値に基づいた値であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の位置合わせ評価方法。 【請求項9】 異なるX線スペクトル状態および異なる前記散乱X線除去グリッドの仕様について得られる計測値に基づいた複数の基準値を、ルックアップテーブルとして保持することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の位置合わせ評価方法。 【請求項10】 前記算出工程では、X線画像を直接用いて前記コントラストを算出することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の位置合わせ評価方法。 【請求項11】 前記算出工程では、X線画像から変換された空間周波数スペクトルを用いて前記コントラストを算出することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の位置合わせ評価方法。 【請求項12】 前記算出工程では、前記X線画像の対数をフーリエ変換して前記空間周波数スペクトルを得ることを特徴とする請求項11に記載の位置合わせ評価方法。 【請求項13】 前記空間周波数スペクトルは、前記X線画像の少なくとも2領域について算出されることを特徴とする請求項11または12に記載の位置合わせ評価方法。 【請求項14】 前記コントラストを算出する所定領域は、少なくとも2領域であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の位置合わせ評価方法。 【請求項15】 前記2領域は、前記X線画像の端部及び中心部であることを特徴とする請求項13または14に記載の位置合わせ評価方法。 【請求項16】 前記評価工程では、画像の端部及び中心部の前記コントラストの比または差に基づいて評価を行うことを特徴とする請求項15に記載の位置合わせ評価方法。 【請求項17】 前記評価工程では、位置合わせ誤差の方向と、位置合わせの誤差の度合いの少なくともいずれか一方を評価することを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の位置合わせ評価方法。 【請求項18】 前記評価工程により評価した位置合わせ精度を表示する表示工程を更に有することを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の位置合わせ評価方法。 【請求項19】 X線源と散乱X線除去グリッドとの位置合わせ精度を評価するX線撮影装置であって、X線画像を撮影する撮影手段と、撮影したX線画像の所定領域毎に前記散乱X線除去グリッドのコントラストを算出する算出手段と、前記算出したコントラストのプロフィールを分析して、前記X線源と散乱X線除去グリッド間の位置合わせ精度を評価する評価手段とを有することを特徴とするX線撮影装置。 【請求項20】 前記評価手段は、前記プロフィールが曲線である場合、前記X線源と散乱X線除去グリッド間の位置合わせが垂直方向にずれていると評価することを特徴とする請求項19に記載のX線撮影装置。 【請求項21】 前記評価手段は、前記プロフィールが左右非対称である場合、水平方向にずれていると評価することを特徴とする請求項19または20に記載のX線撮影装置。 【請求項22】 前記評価手段は、前記プロフィールを基準値と比較することにより評価を行うことを特徴とする請求項19に記載のX線撮影装置。 【請求項23】 前記評価手段は、前記X線源から照射されるX線のスペクトル及び前記散乱X線除去グリッドの特性に応じて、異なる基準値を用いることを特徴とする請求項22に記載のX線撮影装置。 【請求項24】 前記基準値は、位置合わせ評価で用いられる散乱X線除去グリッドと、同じまたは同様の散乱X線除去グリッドを用いて得られる計測値に基づいた値であることを特徴とする請求項23に記載のX線撮影装置。 【請求項25】 前記基準値は、位置合わせ評価で用いられるX線スペクトルと、略同一のX線スペクトル状態で得られる計測値に基づいた値であることを特徴とする請求項23または24に記載のX線撮影装置。 【請求項26】 前記基準値は、位置合わせ評価で用いられるX線センサと、同じまたは同様のX線センサを用いて得られる計測値に基づいた値であることを特徴とする請求項23乃至25のいずれかに記載のX線撮影装置。 【請求項27】 異なるX線スペクトル状態および異なる前記散乱X線除去グリッドの仕様について得られる計測値に基づいた複数の基準値を保持するルックアップテーブルを更に有することを特徴とする請求項23乃至26のいずれかに記載のX線撮影装置。 【請求項28】 前記算出手段は、X線画像を直接用いて前記コントラストを算出することを特徴とする請求項19乃至27のいずれかに記載のX線撮影装置。 【請求項29】 前記算出手段は、X線画像から変換された空間周波数スペクトルを用いて前記コントラストを算出することを特徴とする請求項19乃至28のいずれかに記載のX線撮影装置。 【請求項30】 前記算出手段は、前記X線画像の対数をフーリエ変換して前記空間周波数スペクトルを得ることを特徴とする請求項29に記載のX線撮影装置。 【請求項31】 前記空間周波数スペクトルは、前記X線画像の少なくとも2領域について算出されることを特徴とする請求項29または30に記載のX線撮影装置。 【請求項32】 前記コントラストを算出する所定領域は、少なくとも2領域であることを特徴とする請求項19乃至31のいずれかに記載のX線撮影装置。 【請求項33】 前記2領域は、前記X線画像の端部及び中心部であることを特徴とする請求項31または32に記載のX線撮影装置。 【請求項34】 前記評価手段は、画像の端部及び中心部の前記コントラストの比または差に基づいて評価を行うことを特徴とする請求項33に記載のX線撮影装置。 【請求項35】 前記評価手段は、位置合わせ誤差の方向と、位置合わせの誤差の度合いの少なくともいずれか一方を評価することを特徴とする請求項19乃至34のいずれかに記載のX線撮影装置。 【請求項36】 前記評価手段により評価した位置合わせ精度を表示する表示手段を更に有することを特徴とする請求項19乃至35のいずれかに記載のX線撮影装置。 【請求項37】 請求項1乃至18のいずれかに記載の位置合わせ評価方法を実現するためのプログラムコードを保持する記憶媒体。 【請求項38】 X線源と散乱X線除去グリッドとを有するX線撮影装置によるX線撮影における前記X線源と散乱X線除去グリッドの位置合わせ精度のフィードバック方法であって、前記X線撮影装置により撮影したX線画像に基づいて、前記X線源と散乱X線除去グリッドとの位置合わせ精度を評価する評価工程と、前記評価工程での評価に基づいて位置合わせ精度を表示する表示工程とを有することを特徴とするフィードバック方法。 【請求項39】 前記評価工程での評価に基づいて再撮影が必要か否かを判定する判定工程と、前記判定工程により再撮影が必要であると判定された場合に、その旨を通知する通知工程とを更に有し、前記評価工程は、前記X線撮影装置による撮影の直後に開始されることを特徴とする請求項38に記載のフィードバック方法。 【請求項40】 X線源と散乱X線除去グリッドとを有するX線撮影装置によるX線撮影方法であって、X線画像を撮影する撮影工程と、前記撮影したX線画像に基づいて、前記X線源と散乱X線除去グリッドとの位置合わせ精度を評価する評価工程と、前記評価工程での評価に基づいて再撮影が必要か否かを判定する判定工程と、前記判定工程により再撮影が必要であると判定された場合に、前記評価に基づいて前記X線源と散乱X線除去グリッドの位置合わせを調整する調整工程とを有することを特徴とするX線撮影方法。 【請求項41】 前記評価工程での評価に基づいて位置合わせ精度を表示する表示工程と、前記判定工程により再撮影が必要であると判定された場合に、その旨を通知する通知工程と、前記撮影工程を繰り返す工程と、前記判定工程により再撮影が必要でないと判定された場合に、前記X線源と散乱X線除去グリッドを初期位置に戻す工程とを更に有し、前記評価工程は、前記撮影工程の直後に開始されることを特徴とする請求項40に記載のX線撮影方法。 【請求項42】 前記評価工程では、位置合わせ誤差の方向と、位置合わせの誤差の度合いの少なくともいずれか一方を評価することを特徴とする請求項38乃至41のいずれかに記載の方法。 【請求項43】 前記表示工程では、位置合わせ誤差の方向と、位置合わせの誤差の度合いの少なくともいずれか一方を表示することを特徴とする請求項38,39及び41のいずれかに記載の方法。 【請求項44】 前記評価工程では、評価した位置合わせ精度に基づいて推奨する散乱X線除去グリッドの特性を更に判断し、前記表示工程では、推奨する散乱X線除去グリッドの特性を更に表示することを特徴とする請求項38,39及び41のいずれかに記載の方法。 【請求項45】 前記散乱X線除去グリッドの特性は、X線撮影を行う検査の種類に応じて判断されることを特徴とする請求項44に記載の方法。 【請求項46】 前記表示工程では、少なくともグラフィック画像またはテキスト画像のいずれか一方を使用して表示することを特徴とする請求項38,39及び41のいずれかに記載の方法。 【請求項47】 前記表示工程では、前記撮影工程で得られたX線画像を更に表示することを特徴とする請求項38,39及び41のいずれかに記載の方法。 【請求項48】 前記通知工程では、視覚的通知または聴覚的通知の少なくともいずれか一方により通知を行うことを特徴とする請求項39または41に記載の方法。 【請求項49】 前記判定工程では、位置合わせ精度の評価値を所定レベルと比較し、所定レベル以下である場合に再撮影が必要であると判定することを特徴とする請求項39乃至41のいずれかに記載の方法。 【請求項50】 前記所定レベルは、前記散乱X線除去グリッドの特性に基づいて決められることを特徴とする請求項49に記載の方法。 【請求項51】 前記散乱X線除去グリッドの特性は、グリッド密度、グリッド比、焦点距離、セプタの素材、及び鉛箔間素材の内少なくともいずれか1つを含むことを特徴する請求項44、45または50に記載の方法。 【請求項52】 前記所定レベルは、異なる前記散乱X線除去グリッドの特性それぞれについて、ルックアップテーブルとして保持することを特徴とする請求項49または50に記載の方法。 【請求項53】 前記調整工程は、自動的に行われることを特徴とする請求項40に記載の方法。 【請求項54】 前記調整工程は、手動で行われることを特徴とする請求項40に記載の方法。 【請求項55】 X線源と散乱X線除去グリッドとを有するX線撮影手段によるX線撮影における前記X線源と散乱X線除去グリッドの位置合わせ精度のフィードバック装置であって、前記X線撮影手段により撮影したX線画像に基づいて、前記X線源と散乱X線除去グリッドとの位置合わせ精度を評価する評価手段と、前記評価手段の評価に基づいて位置合わせ精度を表示する表示手段とを有することを特徴とするフィードバック装置。 【請求項56】 前記評価手段の評価に基づいて再撮影が必要か否かを判定する判定手段と、前記判定手段により再撮影が必要であると判定された場合に、その旨を通知する通知手段とを更に有し、前記評価手段は、前記X線撮影手段による撮影直後に評価を開始することを特徴とする請求項55に記載のフィードバック装置。 【請求項57】 X線源と散乱X線除去グリッドとを有するX線撮影装置によるX線撮影装置であって、X線画像を撮影する撮影手段と、前記撮影したX線画像に基づいて、前記X線源と散乱X線除去グリッドとの位置合わせ精度を評価する評価手段と、前記評価手段での評価に基づいて再撮影が必要か否かを判定する判定手段とを有することを特徴とするX線撮影装置。 【請求項58】 前記評価手段での評価に基づいて位置合わせ精度を表示する表示手段と、前記判定手段により再撮影が必要であると判定された場合に、その旨を通知する通知手段と、前記判定手段により再撮影が必要でないと判定された場合に、前記X線源と散乱X線除去グリッドを初期位置に戻す手段とを更に有し、前記評価手段は、前記撮影手段による撮影直後に評価を開始することを特徴とする請求項57に記載のX線撮影装置。 【請求項59】 前記評価手段は、位置合わせ誤差の方向と、位置合わせの誤差の度合いの少なくともいずれか一方を評価することを特徴とする請求項55乃至58のいずれかに記載の装置。 【請求項60】 前記表示手段は、位置合わせ誤差の方向と、位置合わせの誤差の度合いの少なくともいずれか一方を表示することを特徴とする請求項55,56及び58のいずれかに記載の装置。 【請求項61】 前記評価手段は、評価した位置合わせ精度に基づいて推奨する散乱X線除去グリッドの特性を更に判断し、前記表示手段は、推奨する散乱X線除去グリッドの特性を更に表示することを特徴とする請求項55,56及び58のいずれかに記載の装置。 【請求項62】 前記散乱X線除去グリッドの特性は、X線撮影を行う検査の種類に応じて判断されることを特徴とする請求項61に記載の装置。 【請求項63】 前記表示手段は、少なくともグラフィック画像またはテキスト画像のいずれか一方を使用して表示することを特徴とする請求項55,56及び58のいずれかに記載の装置。 【請求項64】 前記表示手段は、前記撮影手段で得られたX線画像を更に表示することを特徴とする請求項55,56及び58に記載の装置。 【請求項65】 前記通知手段は、視覚的通知または聴覚的通知の少なくともいずれか一方により通知を行うことを特徴とする請求項56または58に記載の装置。 【請求項66】 前記判定手段は、位置合わせ精度の評価値を所定レベルと比較し、所定レベル以下である場合に再撮影が必要であると判定することを特徴とする請求項56乃至58のいずれかに記載の装置。 【請求項67】 前記所定レベルは、前記散乱X線除去グリッドの特性に基づいて決められることを特徴とする請求項66のに記載の装置。 【請求項68】 前記散乱X線除去グリッドの特性は、グリッド密度、グリッド比、焦点距離、セプタの素材、及び鉛箔間素材の内少なくともいずれか1つを含むことを特徴する請求項61、62または67に記載の装置。 【請求項69】 異なる前記散乱X線除去グリッドの特性それぞれについて複数の所定レベルを保持するルックアップテーブルを更に有することを特徴とする請求項66または67に記載の装置。 【請求項70】 前記判定手段により再撮影が必要であると判定された場合に、前記評価に基づいて自動的に前記X線源と散乱X線除去グリッドの位置合わせを調整する調整手段を更に有することを特徴とする請求項57に記載の装置。 【請求項71】 請求項38乃至54のいずれかに記載の方法を実現するためのプログラムコードを保持する記憶媒体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、X線撮影装置におけるX線源と散乱X線除去グリッドとの位置合わせ精度を評価する位置合わせ評価方法およびフィードバック方法、フィードバック装置、X線撮影方法及びX線撮影装置に関し、更に詳しくは、画像上の散乱効果を削減するために散乱X線除去グリッドを用いたX線撮影装置におけるX線源と散乱線除去グリッドとの位置合わせ評価方法及びフィードバック方法、フィードバック装置、及び当該位置合わせ評価方法を利用してX線撮影を行うX線撮影方法及びX線撮影装置に関する。 【0002】 【従来の技術】X線投影における散乱線の検出量を削減することは、従来の課題である。これは、例えば胸部X線投影では、散乱線が検出されるX線の30〜50%を占めるために、画質の低下が著しいからである。2次元X線撮影で得られる画像における散乱線の影響を削減する方法として、3つの基本的な方法がある。1つは被写体とセンサーとの間に散乱線除去グリッドを用いる方法、1つは被写体とセンサーとの間にエアギャップを用いる方法、そしてもう1つは散乱線量を理論的に見積もり、画像からその見積もった散乱線量を差し引く方法である。この内、他の2つの方法と比べて非常によく用いられる方法は、散乱線を優先的に減衰させるために、センサーと検査中の被写体との間に散乱線除去グリッドを用いる方法である。 【0003】散乱線除去グリッドは、通常、鉛などからなる非常に多数の平たい鉛箔(セプタ)から構成され、X線源(X線管)を設置する点に焦点が合うようにセプタに傾きをつけている。被写体内で散乱しなかったX線(1次X線)はグリッドを通り抜けてセンサーに達する。グリッド手段がX線をコリメートする効果、すなわち、患者により散乱したX線(つまり、1次X線とは異なる範囲の角度方向へ進む)を優先的に吸収する効果のため、散乱したX線束の比率が大幅に減少する。しかし、アルミニウム等の中間物質素材にも減衰効果があり、またセプタの厚みを薄くするにも限界があるため、1次X線束も減少してしまう。従ってグリッドは、主要光子の伝達量の最大化と、散乱光子の伝達量の最小化との兼ね合いにより設計、選択される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】1次X線の伝達量は、セプタの焦点、すなわちグリッドの焦点にX線源が設置されていない場合にも、やはり大幅に減少する。このことは、ベッド脇のX線撮影では、最大50%のケースにおいて3°以上の誤差をもって位置合わせされているということが報告されているように、携帯型X線撮影装置で散乱線除去グリッドを使用する場合に重要な問題となる。通常、位置合わせは、技術者の技量に委ねられており、初期の位置合わせの支援も、得られた画像に基づく位置合わせの精度に対する迅速なフィードバックもなされていない。かろうじて行われているフィードバックは、画像が現像され確認されて、再撮影がリクエストされることぐらいである。このX線撮影の一連の手順を図21のフローチャートを参照して説明する。 【0005】まず患者にあわせてX線装置を設定し(ステップS10)、X線撮影を行った後(ステップS11)、X線装置を元の位置に戻し(ステップS12)、撮影したX線画像を現像・評価する(ステップS13)。そして評価の結果、再撮影が必要無ければ(ステップS14でNO)そのまま処理を終了となるが、再撮影が必要な場合は(ステップS14でYES)ステップS10に戻り、X線装置の設定からX線撮影をやり直す。 【0006】ステップS13で行われるX線画像の現像及び評価には時間がかかるため、再撮影は、最初の撮像を行ってしばらくしてからリクエストされることになる。再撮影がリクエストされた場合には、患者を探し出して呼び戻したり、X線装置の移動や設定など、再撮影のための手配をしなければならず、時間が無駄になっていた。また、このようにして再撮影を行ったとしても、同じまたは同様の位置合わせの失敗を防ぐシステムは皆無に等しい。従って、技術者が経験に基づいて位置合わせ技術を習得することは難しかった。 【0007】このように、グリッドセンサーとX線源が固定されていない携帯X線撮影装置において位置合わせは重要な問題であるが、各構成要素を固定配置するシステムを設置する場合においてもまた、位置合わせに対する適切な評価が必要である。 【0008】これまでに位置合わせを支援するいくつかの方法が提案されているが、そのうちのいくつかはシステムの設置目的または定期的な品質チェックにのみ適したものである。X線源及びセンサーグリッドの位置合わせを評価するためのこれらの方法は、可視光線またはX線を用いて行われるか、機械的な連結装置によりなされるものである。典型的な光学システムとしては、メインX線ビームに対して水平な光線ビームを照射するレーザーを、X線源に取り付けたものがある。また、メインX線センサーに取り付けたセンサーによりレーザービームを検知することで、所定角度内になるように入射角を推定したり、判定したりする構成が開示されている。また、別の構成では、光学反射構成が恒久的または一時的にグリッドカセットに固定されており、その光学反射構成に入射スポット光を入射させると、反射されたスポット光が正しい位置合わせを示す。なお、上記方法は携帯X線撮影装置で使用する場合について説明されているが、X線源(X線管)−X線検知構成が固定しているシステムを設置する際にも、同様のシステムを使用することが可能である。 【0009】しかし、光学画像を利用したシステムでは、2つの大きな問題がある。1つはそれぞれのX線源などに取り付けたレーザーと、グリッドセンサーに取り付けた装置などの追加装置が必要となることである。2つ目は、センサー取り付け位置とレーザー間に障害物があってはならず、センサーを患者の後ろに設置する場合に困難であるということである。センサーとレーザーの間に障害物が存在すると、位置合わせの評価を行うことができなくなる。距離及び角度の正しい位置合わせを確実に行うためにカセットとX線源との間に物理的な接続手段を用いたシステムにおいても、上記と同様の欠点が認められている。 【0010】また、X線を用いる方法もある。これは、X線源とグリッドカセット間の位置合わせを評価するためにX線画像を分析する方法である。そのような方法の一つとして、グリッドカセットとX線源間に物体が存在しない状態で撮影したX線画像のプロフィールを用いた方法が提案されている。X線源とセンサー間の距離の評価は、画像中心部の平均画素値と、画像端部の平均画素値とを比較することによりなされる。角度合わせの状態は画像のプロフィールの形状から評価することができる。このような方法では、ハードウエアを追加する必要がないという利点があるが、固定配置システムの設置及び品質チェックにおいては有効であるものの、X線源とカセットの間を遮る物体が存在するときにh適さないという問題がある。 【0011】しかし、光学的な方法に基づく位置合わせ支援器具または機械的付加構成は、特に、位置合わせが最も困難であるような場合(例えば、患者が大きい場合)に応用があまり効かない。 【0012】本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、ハードウエアを追加する必要が無く、グリッドカセットとX線源間に障害物がある場合であっても位置合わせ精度を評価することができる方法を提供することを第1の目的とする。 【0013】また、評価結果に基づいてシステムの位置合わせのための情報を提供することを第2の目的とする。 【0014】また、ユーザーにシステムの配設状態に関する評価を即座にレポートし、再撮影の必要を迅速に警告することを第3の目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するために、X線源と散乱X線除去グリッドとの位置合わせ精度を評価する本発明の位置合わせ評価方法は、X線画像を撮影する撮影工程と、撮影したX線画像の所定領域毎に前記散乱X線除去グリッドのコントラストを算出する算出工程と、前記算出した差のプロフィールを分析して、前記X線源と散乱X線除去グリッド間の位置合わせ精度を評価する評価工程とを有する。 【0016】また、X線源と散乱X線除去グリッドとの位置合わせ精度を評価する本発明のX線撮影装置は、X線画像を撮影する撮影手段と、撮影したX線画像の所定領域毎に前記散乱X線除去グリッドのコントラストを算出する算出手段と、前記算出した差のプロフィールを分析して、前記X線源と散乱X線除去グリッド間の位置合わせ精度を評価する評価手段とを有する。 【0017】本発明の好適な一様態によれば、前記評価工程では、前記プロフィールが曲線である場合、前記X線源と散乱X線除去グリッド間の位置合わせが垂直方向にずれていると評価し、前記評価手段は、前記プロフィールが曲線である場合、前記X線源と散乱X線除去グリッド間の位置合わせが垂直方向にずれていると評価する。 【0018】更に、本発明の好適な一様態によれば、前記評価工程では、前記プロフィールが左右非対称である場合、水平方向にずれていると評価し、前記評価手段は、前記プロフィールが左右非対称である場合、水平方向にずれていると評価する。 【0019】また、本発明の好適な一様態によれば、前記評価工程では、前記プロフィールを基準値と比較することにより評価を行い、前記評価手段は、前記プロフィールを基準値と比較することにより評価を行う。 【0020】また、前記評価工程では、前記X線源から照射されるX線のスペクトル及び前記散乱X線除去グリッドの特性に応じて、異なる基準値を用い、前記評価手段は、前記X線源から照射されるX線のスペクトル及び前記散乱X線除去グリッドの特性に応じて、異なる基準値を用いる。 【0021】本発明の好適な一様態によれば、前記基準値は、位置合わせ評価で用いられる散乱X線除去グリッドと、同じまたは同様の散乱X線除去グリッドを用いて得られる計測値に基づいた値である。 【0022】また、本発明の好適な一様態によれば、前記基準値は、位置合わせ評価で用いられるX線スペクトルと、略同一のX線スペクトル状態で得られる計測値に基づいた値である。 【0023】また、本発明の好適な一様態によれば、前記基準値は、位置合わせ評価で用いられるX線センサと、同じまたは同様のX線センサを用いて得られる計測値に基づいた値である。 【0024】好ましくは、異なるX線スペクトル状態および異なる前記散乱X線除去グリッドの仕様について得られる計測値に基づいた複数の基準値を、ルックアップテーブルとして保持する。 【0025】また、本発明の好適な一様態によれば、前記算出工程では、X線画像を直接用いて前記コントラストを算出し、前記算出手段は、X線画像を直接用いて前記コントラストを算出する。 【0026】また、本発明の好適な別の一様態によれば、前記算出工程では、X線画像から変換された空間周波数スペクトルを用いて前記コントラストを算出し、前記算出手段は、X線画像から変換された空間周波数スペクトルを用いて前記コントラストを算出する。 【0027】好ましくは、前記算出工程では、前記X線画像の対数をフーリエ変換して前記空間周波数スペクトルを得、前記算出手段は、前記X線画像の対数をフーリエ変換して前記空間周波数スペクトルを得る。 【0028】また、本発明の好適な一様態によれば、前記空間周波数スペクトルは、前記X線画像の少なくとも2領域について算出される。 【0029】また、本発明の好適な一様態によれば、前記コントラストを算出する所定領域は、少なくとも2領域であり、好ましくは前記2領域は、前記X線画像の端部及び中心部である。 【0030】また、本発明の好適な一様態によれば、前記評価工程では、画像の端部及び中心部の前記コントラストの比または差に基づいて評価を行い、前記評価手段は、画像の端部及び中心部の前記コントラストの比または差に基づいて評価を行う。 【0031】また、本発明の好適な一様態によれば 前記評価工程では、位置合わせ誤差の方向と、位置合わせの誤差の度合いの少なくともいずれか一方を評価し、前記評価手段は、位置合わせ誤差の方向と、位置合わせの誤差の度合いの少なくともいずれか一方を評価する。 【0032】また、上記第2の目的を達成するために、前記位置合わせ評価方法は前記評価工程により評価した位置合わせ精度を表示する表示工程を更に有し前記X線撮影装置は、前記評価手段により評価した位置合わせ精度を表示する表示手段を更に有する。 【0033】さらに、上記第3の目的を達成するために、X線源と散乱X線除去グリッドとを有するX線撮影装置によるX線撮影における前記X線源と散乱X線除去グリッドの位置合わせ精度のフィードバック方法は、前記X線撮影装置により撮影したX線画像に基づいて、前記X線源と散乱X線除去グリッドとの位置合わせ精度を評価する評価工程と、前記評価工程での評価に基づいて位置合わせ精度を表示する表示工程とを有する。 【0034】更に、X線源と散乱X線除去グリッドとを有するX線撮影手段によるX線撮影における前記X線源と散乱X線除去グリッドの位置合わせ精度のフィードバック装置は、前記X線撮影手段により撮影したX線画像に基づいて、前記X線源と散乱X線除去グリッドとの位置合わせ精度を評価する評価手段と、前記評価手段の評価に基づいて位置合わせ精度を表示する表示手段とを有する。 【0035】好ましくは、前記フィードバック方法は前記評価工程での評価に基づいて再撮影が必要か否かを判定する判定工程と、前記判定工程により再撮影が必要であると判定された場合に、その旨を通知する通知工程とを更に有し、前記評価工程は、前記X線撮影装置による撮影の直後に開始され、また、前記フィードバック装置は、前記評価手段の評価に基づいて再撮影が必要か否かを判定する判定手段と、前記判定手段により再撮影が必要であると判定された場合に、その旨を通知する通知手段とを更に有し、前記評価手段は、前記X線撮影手段による撮影直後に評価を開始する。 【0036】また、X線源と散乱X線除去グリッドとを有するX線撮影装置によるX線撮影方法は、X線画像を撮影する撮影工程と、前記撮影したX線画像に基づいて、前記X線源と散乱X線除去グリッドとの位置合わせ精度を評価する評価工程と、前記評価工程での評価に基づいて再撮影が必要か否かを判定する判定工程と、前記判定工程により再撮影が必要であると判定された場合に、前記評価に基づいて前記X線源と散乱X線除去グリッドの位置合わせを調整する調整工程とを有する。 【0037】また、X線源と散乱X線除去グリッドとを有するX線撮影装置によるX線撮影装置は、X線画像を撮影する撮影手段と、前記撮影したX線画像に基づいて、前記X線源と散乱X線除去グリッドとの位置合わせ精度を評価する評価手段と、前記評価手段での評価に基づいて再撮影が必要か否かを判定する判定手段とを有する。 【0038】好ましくは、前記X線撮影方法は前記評価工程での評価に基づいて位置合わせ精度を表示する表示工程と、前記判定工程により再撮影が必要であると判定された場合に、その旨を通知する通知工程と、前記撮影工程を繰り返す工程と、前記判定工程により再撮影が必要でないと判定された場合に、前記X線源と散乱X線除去グリッドを初期位置に戻す工程とを更に有し、前記評価工程は、前記撮影工程の直後に開始され、また、前記X線撮影装置は、前記評価手段での評価に基づいて位置合わせ精度を表示する表示手段と、前記判定手段により再撮影が必要であると判定された場合に、その旨を通知する通知手段と、前記判定手段により再撮影が必要でないと判定された場合に、前記X線源と散乱X線除去グリッドを初期位置に戻す手段とを更に有し、前記評価手段は、前記撮影手段による撮影直後に評価を開始する。 【0039】本発明の好適な一様態によれば、前記評価工程では、位置合わせ誤差の方向と、位置合わせの誤差の度合いの少なくともいずれか一方を評価し、前記評価手段は、位置合わせ誤差の方向と、位置合わせの誤差の度合いの少なくともいずれか一方を評価する。 【0040】更に、本発明の好適な一様態によれば、前記表示工程では、位置合わせ誤差の方向と、位置合わせの誤差の度合いの少なくともいずれか一方を表示し、前記表示手段は、位置合わせ誤差の方向と、位置合わせの誤差の度合いの少なくともいずれか一方を表示する。 【0041】また、本発明の好適な一様態によれば、前記評価工程では、評価した位置合わせ精度に基づいて推奨する散乱X線除去グリッドの特性を更に判断し、前記表示工程では、推奨する散乱X線除去グリッドの特性を更に表示し、また前記評価手段は、評価した位置合わせ精度に基づいて推奨する散乱X線除去グリッドの特性を更に判断し、前記表示手段は、推奨する散乱X線除去グリッドの特性を更に表示する。 【0042】好ましくは前記散乱X線除去グリッドの特性は、X線撮影を行う検査の種類に応じて判断される。 【0043】好ましくは、前記表示工程では、少なくともグラフィック画像またはテキスト画像のいずれか一方を使用して表示し、前記表示手段は、少なくともグラフィック画像またはテキスト画像のいずれか一方を使用して表示する。 【0044】更に好ましくは、前記表示工程では、前記撮影工程で得られたX線画像を更に表示し、前記表示手段は、前記撮影手段で得られたX線画像を更に表示する。 【0045】また、本発明の好適な一様態によれば、前記通知工程では、視覚的通知または聴覚的通知の少なくともいずれか一方により通知を行い、前記通知手段は、視覚的通知または聴覚的通知の少なくともいずれか一方により通知を行う。 【0046】また、本発明の好適な一様態によれば、前記判定工程では、位置合わせ精度の評価値を所定レベルと比較し、所定レベル以下である場合に再撮影が必要であると判定し、前記判定手段は、位置合わせ精度の評価値を所定レベルと比較し、所定レベル以下である場合に再撮影が必要であると判定する。 【0047】好ましくは、前記所定レベルは、前記散乱X線除去グリッドの特性に基づいて決められる。また、好ましくは、前記散乱X線除去グリッドの特性は、グリッド密度、グリッド比、焦点距離、セプタの素材、及び鉛箔間素材の内少なくともいずれか1つを含む。 【0048】更に好ましくは、前記所定レベルは、異なる前記散乱X線除去グリッドの特性それぞれについて、ルックアップテーブルとして保持する。 【0049】また、本発明の好適な一様態によれば、前記調整工程は、自動的に行われる。 【0050】また、本発明の好適な別の一様態によれば、前記調整工程は、手動で行われる。 【0051】また、本発明の好適な一様態によれば、前記X線撮影装置は前記判定手段により再撮影が必要であると判定された場合に、前記評価に基づいて自動的に前記X線源と散乱X線除去グリッドの位置合わせを調整する調整手段を更に有する。 【0052】上記構成によれば、再撮影を行う場合に最初から設定を繰り返さなければならない従来のシステムと比べて、時間を節約することができるとともに、より精度の高い位置設定で再撮影を行うことができる。また、技術者が経験的に技術を取得する手助けとなる。 【0053】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。 【0054】(第1の実施形態)本発明の第1の実施形態においては、X線画像の分析による、X線源5とグリッド9の位置合わせ評価方法について説明する。本第1の実施の形態における装置は通常X線画像を取得するために用いられ、図2及び図3に示すように、X線源5と、あらかじめ設定された焦点距離を有する散乱X線除去グリッド9と、2次元X線センサー10とを有する。また、8は被写体である。 【0055】本発明の第1の実施形態における評価方法では、被写体8をX線源5と散乱X線除去グリッド9との間に配置しても良い。また、2次元X線センサー10として、例えば、蛍光スクリーンを有するアモルファスシリコンフラットパネルセンサーなどのデジタルX線検知器が用いられるが、フィルムスクリーンやその他のセンサーを用いることも可能である。 【0056】本発明における評価方法では、グリッド9のX線画像の分析結果に基づいて評価を行う。X線画像は、まず、グリッドセプタ12の方向に垂直な方向について、所定領域ごとに最大透過率と最小透過率の差を計算するために用いられる。以下、この最大−最小透過率の差を「グリッドコントラスト」と呼ぶ。このグリッドコントラストは画像のそれぞれの位置で異なり、グリッド9の特性、X線源5から照射されるX線のスペクトルの状態、X線源5とグリッド9との位置合わせ状態により特徴がある。以下、この位置合わせ状態による特徴について、図2及び図3を参照して以下に説明をする。 【0057】図2及び図3は、X線源5と散乱X線除去グリッド9の配置状態が、異なる方向、すなわち水平及び垂直方向にずれている場合をそれぞれ説明する図である。図2及び図3において、6はグリッド9の焦点である。 【0058】検知器とグリッドの種類の組み合わせにより差異はあるが、適切に位置合わせされた状態では、グリッドコントラストは画像全体に亘って一定またはほぼ一定である。これに対して、図3の11が示すように、グリッド9の平面に対して垂直な方向について、X線源5とグリッド9間の距離がグリッド9の焦点距離と異なる場合には、グリッドコントラストは画像の端に行くに従って、異なるものとなる。また、図2の7が示すように、X線源5がグリッド9の焦点面にあり、垂直方向のグリッド9までの距離が適切であったとしても、グリッド9の焦点から外れている場合には、画像全体のグリッドコントラストはやはり一定にならない。 【0059】このようにグリッドコントラストの形状と値は、位置合わせの状態を示す。従って、計測されたグリッドコントラストを標準値と比較し、画像全体のグリッドコントラストの形状を評価することにより、水平及び垂直方向の2方向についての位置合わせ精度を計測することができる。すなわち、本第1の実施形態における評価方法は、グリッドコントラストがシステムの位置合わせの状態に依存することに基づくものである。 【0060】グリッドコントラストがシステムの位置合わせの状態に依存する理由を、図4を参照して詳細に説明する。グリッド9は複数のセプタ12により構成され、1次X線(被写体8により散乱しないX線)がグリッド9を最もよく通過するために、X線源5を設置すべき点(すなわち、図2及び図3の焦点6)に向けてそれぞれ角度を付けて取り付けられている。完全に位置合わせされた状態では、この1次X線の入射角はグリッド9のセプタ12の角度と同じとなる。図4(a)は、適切に位置合わせされた場合の、1次X線の入射状態、アナログのプロフィール、画素配列、及び当該画素配列で得られるデジタルプロフィールを示す。プロフィールは、画像の端部に近づくに従って入射角が狭くなるため、それに伴うX線入射強度の低下による多少の差が生じるものの、画像全体に亘ってほぼ一定である。 【0061】これに対し、図4(b)に示すように、X線源5がグリッド9の焦点6に設置されていない場合には、1次X線のグリッド9に対する入射角はセプタ12の傾斜角と異なり、これが画像プロフィールの形状の変化となって現れる。この形状の変化は、位置合わせ誤差やグリッドの形状などによって異なる。 【0062】例えば、図3に示すように垂直方向に誤差11がある場合は、画像の中心部におけるX線の入射角は変わらず、計測された画像中心部のグリッドコントラストは適切に位置合わせがなされた場合と同じとなる。しかし、X線の入射角とセプタ12の傾斜角との差は画像の中心(グリッド9の中心)から離れるにつれて拡大し、グリッドコントラストのプロフィールにそれを示す変化が現れる。この影響は対称であり、グリッド9を中心とするそれぞれ反対の方向に同様の変移が現れることになる。 【0063】また、図2に示すように水平方向に誤差7がある場合、その影響は中心に対して対称にはならず、X線の入射角とセプタ12の傾斜角の差はグリッドコントラストがすべての位置について異なるといったプロフィールとして現れる。すなわち、水平方向に誤差がある場合のプロフィールは、適切に位置合わせされた状態のものとも、垂直方向に誤差がある場合のものとも全く異なったものとなる。 【0064】次に、上記特徴を利用した本発明の第1の実施形態における評価方法の手順について説明する。 【0065】図1は、本発明の第1の実施形態におけるX線画像分析による評価方法の手順を示すフローチャートである。 【0066】まずステップS1において、センサー10によりX線画像を撮影する。撮影を行うに時にはX線源(X線管)にかける適切な電圧を選択し、その電圧でX線画像を撮影する。例えば、肺の検診であれば、チューブ電圧100kVpで行うとよい。なお、センサー10がフィルムスクリーンシステムであれば、フィルムはデジタル化されなければならない。 【0067】次にステップS2において、撮影したX線画像のグリッドコントラストを作成する。ここでは、グリッド9を透過するX線量の変化を示すプロフィールを、センサー10により撮影した画像全体に亘ってグリッドセプタ12の方向に垂直な方向に作成する。ここでは上述の通りグリッドコントラストのプロフィールを作成するが、まずグリッドコントラスト作成の概念を説明する。 【0068】グリッドコントラストを作成する画像のある一方向における画素の位置をxとした場合、I(x)をセンサー10におけるある画素xで受光するX線束、B(x)を画素xに対応するグリッドより上(X線源側)の位置でのX線束、G(x)を画素xに対応するグリッド9の透過率とすると、I(x)=B(x)G(x)と表すことができる。これを利用して、画像プロフィールのセンサー10の所定画素数領域毎にG(x)のコントラストを求める。これを「グリッドコントラスト」と呼ぶことにする。グリッドコントラストは、ここでは所定画素数毎のG(x)の最大値と最小値との差とするが、必ずしもこれに限らない。 【0069】完全に位置合わせされた状態では、G(x)の最小値は、セプタ12(通常、鉛)によりX線が遮られる領域を含む画素から得られる値に対応し、G(x)の最大値は、グリッド9におけるセプタ12間の空間13(通常、アルミニウム)を透過するX線のみを受光する画素から得られる値に対応する。これに対し、例えば図3に示すように垂直方向にずれている場合、グリッド9の端部では図4(b)に示すように、セプタ12によりX線が遮られる領域が広くなるため、ある画素xに進入するX線量が小さくなるために、画素xから得られる値は低くなる。従って、G(x)の最小値は、完全に位置合わせされた状態の場合よりも低くなる。更に、セプタ12の傾斜角及びX線の入射角によっては、空間13のみを通過するX線も存在しなくなる場合もあり、その場合はG(x)の最大値は低くなる。このように、完全に位置合わせがなされている場合、グリッドコントラストはほぼ一定となるが、位置合わせが不適切である場合、グリッドコントラストが変化する。 【0070】具体的には、直接空間分析法(すなわち、画像そのものを使用した方法)と空間周波数分析法のいずれかの方法を用いて、グリッドコントラストを作成する。まず、直接空間分析法から説明をする。 【0071】グリッドコントラストのパターンに影響されない程度に十分に大きく、且つ、検知されたX線フィールドの1方向に亘る信号の空間的なばらつきが、X線源5により作り出されるX線フィールドの空間的なばらつき(例えば、ヒール効果)に起因したものとなる程に、また、X線源5とグリッド9間に存在する被写体8に起因する光束のばらつきは、作成されたプロフィールに影響を与えない程に十分に小さい所定領域(所定画素数)毎に平均画素値(移動平均)を算出し、それぞれの画素値をその画素を含む所定領域の平均画素値で除すことにより、グリッド透過画像(正規化画像)を得ることができる。これは最も単純な方法であり、X線源5と散乱X線除去グリッド9との間に被写体8が存在しない場合により適している。 【0072】図5に、100μmの画素、60ライン/cmのセンサーを使用したシュミレーションで得られるプロフィールの例を示す。このようなグラフに基づいて所定領域毎に最大値−最小値を算出することにより、グリッドコントラストをグリッドセプタ12の方向に対して垂直な方向について画像全体に亘って算出する。本発明の方法の一例として、1mm毎に算出する。また、画像中心部及び端部のみについて算出してもよい。 【0073】また、局所的な画像の画素値に多項式関数式または他の関係式を当てはめることにより得られる値で、それぞれの画素値を除することにより、コントラスト画像を生成してもよい。この場合詳細には、上記関係式は除算の結果が当該部分のグリッドコントラストを示し、また、ヒール効果、被写体の存在など上述の因子とはできる限り無関係であるような式であるとよい。 【0074】また、上記除算を画素毎に行ってから複数行(グリッドセプタ12の方向に水平な方向)に亘って平均すること、または、プロフィールを計算する前に元の画像をまず複数行に亘って平均することにより、S/N比の高いプロフィールを得ることができる。この場合、平均する行の数は、S/N比の向上と、グリッド9の設置における角度誤差の影響の拡大との兼ね合いにより決められる。なお、以下に説明する空間周波数分析法においても、同様のことが言える。 【0075】次に、空間周波数分析法について説明する。この方法の一例としては、画像の対数を例えばフーリエ変換法を利用して変換する。 【0076】グリッドにあたるX線プロフィールをB(x)、グリッドの透過率をG(x)にすれば、画像プロフィールはI(x)=B(x)G(x)で与えられるので、画像の対数はlog(I(x))=log(B(x))+log(G(x)) 【0077】で与えられる。従って、散乱X線除去グリッド9の透過率の変化に対する空間周波数スペクトルにおけるピークの周波数は、バックグラウンドが無い、またはバックグラウンドが小さい周波数にあれば、散乱X線除去グリッド9の透過率の変化に対する空間周波数スペクトルにおけるピークとバックグラウンドとの区別ができて、ピークの高さをグリッドの透過率の測定値として用いることができる。その高さは上記のグリッドコントラストに比例するから、グリッドコントラストとして利用できる。これを示したものが図8である。周波数スペクトルは、画像プロフィール中の様々な領域について算出される。一例では、128画素幅領域(つまり、100μmの画素では、12.8mm領域)を使用して、スペクトル及び分析を1mm毎に評価する。しかし、そのような細密な分析は通常必要無く、粗い間隔でよい。また、画像のどちらか一端と、中央部分について分析を行うだけでもよく、計算速度が重要である場合に有効である。 【0078】上記の方法で得られたプロフィールの一例を図7及び図8に示す。図7及び図8に示すプロフィールは、100μm画素の検知器(検知器の解像度は画素構成により決まる)及び60ライン/cmの散乱X線除去グリッドを用いた場合の例であり、画像の中心から±5cm間のプロフィールの例を示す。なお、図7及び図8のy軸はグリッドコントラストを示し、上に行くほど高い値となる。また、図7及び図8に示す結果は説明のためのものであり、グリッドコントラストの変化に基づく位置合わせの分析は、他の仕様の検知器にも応用することができることは言うまでもない。 【0079】次に、ステップS3及びS4で、検知されたグリッドコントラストを分析し、X線源5とグリッド9との位置合わせを評価する。X線源5とグリッド9とが適切に位置合わせされた状態では、厳密にはグリッドコントラストのプロフィールはグリッドのデザイン及びX線のスペクトルに依存するものの、図7及び図8の直線501及び601が示すように画像全体に亘って一定または一定に近くなる。 【0080】これに対し、X線源5とグリッド9の距離が図3に示すようにグリッドの焦点距離よりも長いまたは短い場合、グリッドコントラストは図7に示すようなU字型の曲線502となる。この形が直線に近づくほど、X線源5とグリッド9間の距離と、グリッド9の焦点距離がより適切に合っていることになる。 【0081】従ってステップS3では、得られたグリッドコントラストのカーブの具合を評価する。 【0082】また、X線源5とグリッド9の位置が垂直方向に正しく合わせられていたとしても、図2に示すように水平方向の位置合わせが適切でない場合には、図8の602及び603が示すようにグリッドコントラストの値は上昇する。この場合、コントラストレベルの変化を水平方向の位置合わせ誤差を示すために利用することができる。あるX線スペクトルにおいて算出した理想コントラスト値と、実際のコントラスト値との差が大きいほど、水平方向の位置合わせがより不適切である訳である。誤差の方向(つまり、右または左で、x方向の+方向、−方向と表現することができる)は、非常に不適切な水平方向の位置合わせに関する図8のライン603が示すようなプロフィールの非対称性から評価することができる。すなわち、一般的に、コントラストプロフィールのグリッド中心に関していずれかの側の非対称性が少なくなるほど、水平方向の位置合わせがより不適切になる。このように、予め計測したプロフィールと比較することにより、位置合わせの不適切さが右方向の誤差によるものか、左方向の誤差によるものか(すなわち、+方向か、ー方向か)を評価することができる。 【0083】このように、ステップS4では、コントラストプロフィールを予め計測したプロフィール(標準プロフィール)と比較することにより、位置合わせの評価を行う。 【0084】なお、デジタルシステムでは、計測されたG(x)はサンプリング効果による影響を受ける。上記議論は、グリッド9による透過の変動が認められるほどには画素サイズが小さくない場合に、計測値G(x)について言えることである。 【0085】以上説明しいたように第1の実施形態によれば、ハードウエアを追加せずに、グリッドカセットとX線源間に障害物がある場合であっても位置合わせ精度を評価することができる。 【0086】なお、上記第1の実施形態で説明した評価法は、設置済みのX線源とグリッドの位置合わせ精度を評価するために利用することもできる。この評価は、様々な方法で行うことが可能である。一例では、2つの位置合わせ評価値を算出する。一方の評価値は画像の一端部及び画像の中央部において算出されたグリッドコントラストの差または比であり、これはX線源5とグリッド9カセット間の垂直方向の距離の正確さについての評価値、または垂直方向の位置合わせの評価値を表し、差がゼロまたは比が1の時、同方向における完璧な位置合わせ状態であることを示す。もう一方の評価値は標準プロフィールとの比較などにより得られるもので、等級の算出も具体的な距離の算出も可能である。 【0087】また、上記説明した方法と共に使用可能な別の例では、算出されたグリッドコントラスト値と、適切に位置合わせがなされた状態かつ同じスペクトル条件における同じグリッド9に対する名目値との差または比を、X線源5とグリッド9カセット間の水平方向の距離の正確さについての評価値、または水平方向の位置合わせの評価値として利用され、差がゼロまたは比が1の時、同方向における完璧な位置合わせ状態であることを示す。この方法はグリッド9の画像の中心部で有効な方法である。センサとグリッドの組み合わせによっては、グリッドコントラストプロフィールの形状を使用することもできる。 【0088】なお、上記第1の実施形態は本発明を具体的に説明するためのものであり、例えば、グリッドコントラストにおける変化はX線システム(センサを含む)及びグリッドのデザインに依存する。従って、異なるシステムによって異なる変化をすることになる。 【0089】(第2の実施形態)本第2の実施形態では、X線撮影システムの位置合わせの状態をユーザーに通知するためのユーザーインターフェースを提供する。このユーザーインターフェースは、X線画像を用いたシステムの位置合わせの分析に基づいて、ユーザーにどのようにすれば位置合わせを向上させることができるか、また、再撮影が必要であるかどうかについての指示を行う。 【0090】図9は、本第2の実施形態におけるX線撮影システムの構成を示す図である。図9において、31はX線源であるX線管、32はX線管32から発せられる広幅X線ビーム、33は被写体であり、この場合は患者、34は散乱線除去グリッド、35は2次元X線検知器、36は画像キャプチャ回路、37は前処理回路、38はCPU、39はメインメモリ、40はオペレーションパネル、41はディスプレイである。 【0091】上記構成において、患者33はX線管32から発せられる広幅X線ビーム32により照射される。患者33及び散乱線除去グリッド34を通過したX線は2次元X線検知器35に入射し、電気的な2次元X線画像を形成する。検知器35から得られる画像信号は、画像キャプチャ回路36を介して、前処理回路37に渡されてオフセット補正やゲイン補正などの前処理が施される。その後、処理された画像はCPU38の制御の下、メインメモリ39に格納される。本第2の実施形態で説明される以下の処理は、すべてメインメモリ39に格納された画像を用いて行われる。ユーザーによる制御はオペレーションパネル40を介して行われ、ユーザーへの視覚的なフィードバックはディスプレイ41を介してなされる。 【0092】上記構成を有するX線撮影システムによるX線撮影の一連の手順を図10のフローチャートを参照して説明する。 【0093】まず患者にあわせてX線装置を設定し(ステップS10)、X線撮影を行った後(ステップS11)、すぐにX線管31と、散乱X線除去グリッド34の位置合わせ評価を自動的に行う(ステップS15)。その結果、X線管31と、散乱X線除去グリッド34の位置合わせが適切であると判断されると(ステップS16でNO)、その段階でX線装置を元の位置に戻し(ステップS17)、処理を終了する。しかし、位置合わせが不十分であったために再撮影が必要であると判断された場合は、駆動部42によりX線管の位置を調整した後(ステップS18)、ステップS11に戻って再度撮影を行う。なお、位置合わせが不適切である場合の例としては、上記第1の実施形態で図2及び図3を参照して説明したものがある。 【0094】次に、図10のステップS15で位置合わせ評価を行った後、ステップS16における判断を含む更に詳細な動作を図11を参照して説明する。 【0095】図10のステップS15において、システムの位置合わせの自動評価が行われるが、この評価はX線画像の撮影により開始され、X線画像そのものの分析に基づいている。具体的な分析方法のいくつかの例を以下に示す。 【0096】(a) 画像全体に亘るグリッドコントラストのばらつきを分析する方法。 【0097】(b) 通常のグリッドに取り付けた追加物のX線影の位置及び形を分析する方法。X線源の位置を算出することができる。 【0098】(c) センサーとX線源間に障害物が何もない画像領域について、平均グレースケールの変動を分析する方法。 【0099】評価が済むと図11のステップS21で評価を等級に分ける計算をし、それをユーザーに対して表示する。これは、基本的に、図10のステップS15で得た結果を、例えば「1」から「5」等のユーザーフレンドリーな等級に変換したものである。ここで「5」は、位置合わせが完全である場合を示し、「1」は位置合わせが非常に不適切である場合を示す。ステップS15で使用される方法に応じて、以下の2つの等級を使用することができる。 【0100】(a) 垂直移動に比例する等級【0101】(b) 水平移動に比例する等級【0102】ステップS21で評価を等級に分けずに、X線源の移動すべき距離と方向とをユーザーに対して表示することも可能である。 【0103】再撮影で必要となる垂直移動と水平移動の重要度は異なるため、それぞれのスケールの比例定数は異なる。なお、標準プロフィールと比較などを行うことにより、等級の算出も具体的な距離の算出も可能である。垂直及び/または水平方向の位置合わせに用いられるインターフェースの一例を図12に示す。図12において、ー10〜+10はマイナスであればマイナス方向(例えば、左であっても下であっても良い)に、プラスであればプラス方向(例えば、右であっても上であっても良い)にX線管31を動かす距離を示す。図12に示す例では、矢印は約+2.5cmを指し示しているので、X線源31を右または上方向に約2.5cm動かすことにより適切な位置合わせ精度となることを示している。 【0104】ステップS22では、ステップS15で得られた結果と、図13に一例を示すようなルックアップテーブルとを用い、この位置合わせで許容されるグリッド特性(グリッド比、グリッド密度)の範囲を、任意の段階表示を用いてユーザーに知らせる。このステップでは、散乱X線の予測レベルに基づいてグリッドの選択が行われ、またそのレベルが検査の種類(例えば撮影部位(胸部等)、撮影体位(正面/側面等)、X線発生条件(管電圧等)等)に依存するために、どういった種類の検査を行うかが必要となる。 【0105】図13のルックアップテーブルは、システムの位置合わせが、ある状態の場合に、許容範囲の画像を得るための最大グリッド比(グリッドセプタ幅のセプタ高に対する比率)を示す。なお、その他のグリッド仕様を示してもよい。このようなルックアップテーブルの列数及び行数は、X線システム、センサー、及び使用するグリッドの種類数によって変化する。 【0106】ユーザーに位置合わせ精度をフィードバックするために用いられるグラフィック画像の例を図14に示す。この例ではグリッド比の許容範囲を示している。図12および図14に示すフィードバックは、図15に示すように、単一のグラフィック画像またはテキスト画像として表示し、単一の処理にすることが可能である。また、位置合わせ誤差の方向とその度合いを分かり易く示すために、図16に示すように、X線画像91を、位置合わせ誤差を示すグラフィック画像と合わせて表示するようにしてもよい。X線画像91は、ユーザーが例えば左右の方向を容易に理解できるような適切な角度で表示される。本第2の実施形態では、X線画像はX線管から患者を見ているような状態に表示して、位置合わせ誤差の方向を分かり易くしている。また、X線が患者の背中側から入射したか、その逆側から入射したかを示す後前(PA)視、前後(AP)視の区別を付けるようにしてもよい。 【0107】ステップS23において、図10のステップS15で得られた結果を予め設定されたレベルと比較し、予め設定されたレベルよりも位置合わせの精度が高い場合にはそのまま処理を終了し、低い場合には、ステップS24においてユーザーに視覚的または聴覚的な警告を与える。これにより、再撮影が必要となりそうな場合に、ステップS21及びS22で提供される視覚的情報にユーザーの注意を向ける。ユーザーの画面に警告として表示される画像の一例を図17に示す。 【0108】これによりユーザーは、実際に使用されるグリッドをステップS22で表示されたグリッドレンジ情報と比較し、再撮影が必要であるかどうかを判断する。 【0109】上記第2の実施形態によれば、ユーザーが情報を入力する必要がないという利点がある。測定された位置合わせ精度で、通常許容されるグリッドを明確に表示することにより、ユーザーは再撮影を行う必要があるかどうかを考えればよいだけとなり、また、再撮影が必要である場合には、ステップS21及びS22で表示される指示に基づいて位置合わせを調整することができる。 【0110】また、ユーザーがX線装置を元の位置に戻す前、また、患者が動かされる前に位置合わせ精度が判断されるために、再撮影が必要である場合に、従来のように時間を無駄にすることなく、再撮影を適切且つ迅速に行うことができる。 【0111】また、撮影を行う前にユーザーがグリッドタイプを入力するようにしてもよい。その場合、グリッドタイプと測定された位置合わせ精度とに基づいて、グリッド特性と位置合わせ精度の関係を保持するルックアップテーブルを参照し、位置合わせ精度が入力されたタイプのグリッドの許容範囲を越えている場合に警告を出す。このルックアップテーブルは上述した図13に示すものと類似したものでよい。この場合に表示されるフィードバックグラフィック画像の例を図18に示す。このフィードバックグラフィック画像は、許容位置合わせレンジ(グリッド特性などの数々の因子に依存する)と、直近に撮影された画像から得られた位置合わせ精度を示す。 【0112】また、ユーザーが所定の検査を行う場合には同じグリッドを常に使用するようにしてもよい。例えば、胸部検査の場合には常に10:1のグリッド比率のグリッドを使用するようにする。本第2の実施形態においては、ユーザーは使用されたグリッドタイプを入力しない。これはグリッドタイプがセンサー制御インターフェースにおける検査の選択に基づいて推定されるためである。 【0113】(変形例)上記第2の実施形態において、位置合わせが不適切であることが検知された場合に、ユーザーに警告を発してから、X線管を適切な位置合わせ位置まで自動的に駆動するようにしてもよい。この場合のシステム構成を図19に、動作を図20に示す。 【0114】図19には、X線管の位置をグリッド34の面に対して水平及び垂直方向に駆動可能な駆動部42が追加されているところが、図9の構成と異なる。なお、他の構成は図9の構成と同様であるので、説明を省略する。 【0115】また、図20のフローチャートに示す動作は、ステップS21〜S24については図11を参照してすでに説明したものと同じであるため説明を省略する。位置合わせが不適切であった場合、ステップS25で垂直、水平方向の位置合わせ誤差を表示し、更にステップS26及びS27で駆動部42を制御して、X線管31を正しい位置合わせ位置までそれぞれ水平方向、垂直方向に動かす。 【0116】 【他の実施形態】なお、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。 【0117】さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。 【0118】本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した図1、図10および11または図20に示すフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。 【0119】 【発明の効果】上記説明の通り本発明によれば、ハードウエアを追加する必要が無く、グリッドカセットとX線源間に障害物がある場合であっても位置合わせ精度を評価することができる方法を提供することができる。 【0120】また、評価結果に基づいてシステムの位置合わせのための情報を提供することができる。 【0121】また、ユーザーにシステムの配設状態に関する評価を即座にレポートし、再撮影の必要を迅速に警告することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月7日(2000.6.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076428 【弁理士】 【氏名又は名称】大塚 康徳 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−346795(P2001−346795A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月18日(2001.12.18) |
| 【出願番号】 |
特願2000−170707(P2000−170707) |
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