| 【発明の名称】 |
被検体位置決め方法及びX線CT装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】猪山 俊之
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| 【要約】 |
【課題】被検体位置決め方法及びX線CT装置に関し、スキャン開始前の被検体を正しく位置決め可能なことを課題とする。
【解決手段】被検体100を挟んで相対向するX線管40及びX線検出器70を備え、X線検出器から収集した投影データに基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置の被検体位置決め方法において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件(アキシャル/ステーショナリスキャン等のスキャンパラメータ)に基づき、スキャン開始した場合におけるX線焦点位置zOFを予測すると共に、得られたX線焦点位置zOFに基づき予測される被検体の実スライス位置SOF対応に被検体100に対して位置決め用光ビームBLOFを照射し、スキャン開始前における被検体100の正確な位置決めを可能とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置の被検体位置決め方法において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件に基づき、スキャン開始した場合におけるX線焦点位置を予測すると共に、得られたX線焦点位置に基づき予測される被検体の実スライス位置対応に被検体に対して位置決め用光ビームを照射し、スキャン開始前における被検体の位置決めを行うことを特徴とする被検体位置決め方法。 【請求項2】 被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置の被検体位置決め方法において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件に基づき、スキャン開始した場合におけるX線焦点位置を予測すると共に、予め所定位置に位置決めされた被検体を、前記予測されたX線焦点位置に基づき予測される被検体の実スライス位置対応に初期移送することで、被検体の位置決めを行うことを特徴とする被検体位置決め方法。 【請求項3】 被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置の被検体位置決め方法において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件に基づき、スキャン開始した場合におけるX線焦点位置を予測すると共に、得られたX線焦点位置に基づき予測される被検体の実スライス位置対応に被検体に対して位置決め用光ビームを照射し、予め被検体を対応位置に位置決めし、スキャン開始時の被検体を一定距離だけ初期移送することを特徴とする被検体位置決め方法。 【請求項4】 スキャン開始前に入手可能なX線管温度はスキャン開始前に検出、推定又は設定された温度であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の被検体位置決め方法。 【請求項5】 被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件に基づきスキャン開始した場合におけるX線焦点位置を予測する焦点位置予測手段と、X線管から発生したX線がX線検出器における定位置に調整されるようにコリメータ及び又はX線検出器の位置を調整する位置調整手段と、スキャン開始前の被検体に対して前記予測されたX線焦点位置に基づき予測される被検体の実スライス位置対応に位置決め用光ビームを照射する被検体位置決め手段とを備えることを特徴とするX線CT装置。 【請求項6】 被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件に基づきスキャン開始した場合におけるX線焦点位置を予測する焦点位置予測手段と、X線管から発生したX線がX線検出器における定位置に調整されるようにコリメータ及び又はX線検出器の位置を調整する位置調整手段と、スキャン開始前の被検体を所定位置に位置決めする位置決め手段と、スキャン開始時の被検体を前記予測されたX線焦点位置に基づき予測される被検体の実スライス位置対応に初期移送する移送手段とを備えることを特徴とするX線CT装置。 【請求項7】 被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件に基づきスキャン開始した場合におけるX線焦点位置を予測する焦点位置予測手段と、X線管から発生したX線がX線検出器における定位置に調整されるようにコリメータ及び又はX線検出器の位置を調整する位置調整手段と、スキャン開始前の被検体を前記予測されたX線焦点位置に基づき予測される被検体の実スライス位置対応に位置決めする位置決め手段と、スキャン開始時の被検体を一定距離だけ初期移送する移送手段とを備えることを特徴とするX線CT装置。 【請求項8】 スキャン開始前に入手可能なX線管温度はスキャン開始前に検出、推定又は設定された温度であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一つに記載のX線CT装置。 【請求項9】 被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置において、スキャン開始前の被検体を所定位置に位置決めする位置決め手段と、X線管から発生したX線がX線検出器における定位置に調整されるようにコリメータ及び又はX線検出器の位置を調整する位置調整手段と、前記コリメータ及び又はX線検出器の位置調整により予測される被検体の各実スライス位置を求める演算手段と、前記位置決め手段の位置決め情報及びそのスキャン条件に基づき予測される被検体の各予定スライス位置と前記求められた各実スライス位置とを比較可能な態様で外部に出力する出力手段とを備えることを特徴とするX線CT装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は被検体位置決め方法及びX線CT装置に関し、更に詳しくは被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置の被検体位置決め方法及びX線CT装置に関する。 【0002】X線CT装置では、被検体の正確な各スライス位置の断層像を得るために、スキャン開始前の被検体を正確に位置決めすることが行われる。 【0003】 【従来の技術】図12〜図14は従来技術を説明する図(1)〜(3)で、図12は従来のX線CT装置における走査ガントリの一部構成を示している。図において、30は走査ガントリ、40は回転陽極型のX線管、FはX線焦点、50はX線の曝射範囲(主に体軸方向)を制限するコリメータ、100は被検体、70は多数(n=1000程度)のX線検出器が円弧状の例えば2列(L1,L2)に配列されているX線検出器アレイ、25a〜25eは被検体100のスライス位置等を位置決め/確認するためのハロゲンランプやレーザ等からなるポジショニングライト、20は被検体100を載せて体軸方向に移動させる撮影テーブルである。なお、図中に走査ガントリ30に固定された直交座標系(x,y,z)を付記する。ここで、z軸は被検体100の体軸方向、y軸は垂直方向、x軸は水平方向である。 【0004】ポジショニングライト25a〜25eは被検体100の正しい(所望の)位置から実スキャン(アキシャル/ヘリカル/ステーショナリ/スカウトスキャン等)を開始させるために用いられる。この内のポジショニングライト25a〜25cは、走査ガントリ30の入口側(操作者の見やすい位置)に設けられ、被検体100に帯状の位置決め用光線PLBを照射すると共に、被検体100の周囲面に投影される輝線BLを目視観測することにより体(z)軸方向のスライス位置(スキャン開始位置)を調整/確認する。一方、ポジショニングライト25d,25eはX線管40の焦点Fと同心円上に設けられており、高精度の位置決め操作が必要な場合に使用される。 【0005】ところで、実スキャン時におけるX線管40の焦点Fは、X線管40の動作温度及び様々なスキャン条件{走査ガントリのチルト角,その回転速度(スキャン時間),焦点Fの大/小等}によりz軸方向での位置変位となって現われる。この場合に、図示の如く2列(又は3列以上)のX線検出器アレイ70を備える装置では、X線ファンビームXLFBを検出列L1,L2の厚み(z軸)方向に均等に振り分けると共に、各列(レファレンス検出チャネル)の検出出力を比較し、これらが一致するようにコリメータ50及び又はX線検出器アレイ70のz軸方向の位置制御を行うことで、実スキャン時におけるX線焦点Fの変位をリアルタイムにカバー(即ち、X線ファンビームXLFBがX線検出器アレイ70における厚み方向の定位置に調整されるように)している。以下、具体的に説明する。 【0006】図13はX線焦点Fの変位をコリメータ50の位置制御でカバーする場合を示している。今、X線焦点Fがその基準となる位置z0から−zOF1又は+zOF2に変位したとすると、これに応じてコリメータ50のスリット位置をその基準となる位置Z0から−ZOF1又は+ZOF2に移動させることにより、常にX線ファンビームのz軸方向の中心をX線検出器列L1,L2の中心線上に位置させている。その結果、被検体100の実スライス位置はその基準となる位置S0から−SOF1又は+SOF2(但し、X線検出器列L1,L2の中心線対応で示す)に変位する。 【0007】図14はX線焦点Fの変位をX線検出器アレイ70の位置制御でカバーする場合を示しており、上記同様にして、X線焦点Fがその基準となる位置z0から−zOF1又は+zOF2に変位したとすると、これに応じてX線検出器アレイ70をその基準となる位置Z0から+ZOF1又は−ZOF2に移動させることで、常にX線ファンビームのz軸方向の中心をX線検出器列L1,L2の中心線上に位置させている。その結果、被検体100の実スライス位置はその基準となる位置S0から+SOF1又は−SOF2(但し、X線検出器列L1,L2の中心線対応で示す)に変位する。 【0008】しかるに、このようなコリメータ50又はX線検出器アレイ70の位置制御は、実スキャンを開始(X線を曝射)して初めて可能となるものであり、実スキャン開始前における被検体100の位置決め段階では、X線焦点Fの変位量(即ち、被検体100の実スライス位置)を知り得ない。 【0009】このため、従来のポジショニングライト25d,25eは、図13,図14に示す如く、例えばその基準となる位置(X線焦点Fの基準位置z0対応)及び姿勢(位置決め用光線PLBの照射方向がy軸と平行)となるように固定されていた。走査ガントリ入り口側のポジショニングライト25a〜25cについても同様であり、ポジショニングライト25d,25eからz軸方向に距離Zaだけオフセットした定位置に一定の姿勢となるように固定されていた。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の被検体位置決め方式によると、ポジショニングライト25d,25e/25a〜25cにより位置決めした予定スライス位置と続く実スキャン時における実スライス位置との間で位置ずれが生じてしまう問題があった。 【0011】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的とする所は、スキャン開始前の被検体を正しく位置決め可能な被検体位置決め方法及びX線CT装置を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記の課題は例えば図1(A)の構成により解決される。即ち、本発明(1)の被検体位置決め方法は、被検体100を挟んで相対向するX線管40及びX線検出器70を備え、X線検出器から収集した投影データに基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置の被検体位置決め方法において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件(アキシャル/ステーショナリスキャン等のスキャンパラメータ)に基づき、スキャン開始した場合におけるX線焦点位置zOFを予測すると共に、得られたX線焦点位置zOFに基づき予測される被検体の実スライス位置SOF対応に被検体100に対して位置決め用光ビームBLOFを照射し、スキャン開始前における被検体100の位置決めを行うものである。 【0013】本発明(1)によれば、スキャン開始前の被検体100を、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件に応じて、その予定スライス位置と実スライス位置とが一致するように正しく位置決め可能となる。なお、図示のX線焦点Fとポジショニングライト25との間の公称のオフセット量ZaはZa≧0(即ち、X線管40とポジショニングライト25とが同心円上に設けられる場合を含む)である。 【0014】また上記の課題は例えば図1(B)の構成により解決される。即ち、本発明(2)の被検体位置決め方法は、上記前提となる被検体位置決め方法において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件に基づき、スキャン開始した場合におけるX線焦点位置zOFを予測すると共に、予め所定位置BL0に位置決めされた被検体100を、前記予測されたX線焦点位置zOFに基づき予測される被検体の実スライス位置SOF対応に初期移送(Za−SOF)することで、被検体100の位置決めを行うものである。 【0015】本発明(2)によれば、予測される被検体の実スライス位置の変位SOFを、被検体の初期移送量の制御(Za−SOF)でカバーする構成により、スキャン開始前の被検体100の位置決め操作については、その位置/姿勢を変更可能な別段のポジショニングライト25を必要とせず、従来と同様に固定された一定の位置BL0で行える。 【0016】また上記の課題は例えば図1(C)の構成により解決される。即ち、本発明(3)の被検体位置決め方法は、上記前提となる被検体位置決め方法において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件に基づき、スキャン開始した場合におけるX線焦点位置zOFを予測すると共に、得られたX線焦点位置zOFに基づき予測される被検体の実スライス位置SOF対応に被検体100に対して位置決め用光ビームBLOFを照射し、予め被検体を対応位置に位置決めし、スキャン開始時の被検体を一定距離Zaだけ初期移送するものである。 【0017】本発明(3)によれば、スキャン開始前の被検体100を、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件に応じて、その予定スライス位置と実スライス位置SOFとが一致するように、該実スライス位置から一定距離Zaだけオフセットした位置で正しく位置決め可能となる。 【0018】好ましくは本発明(4)においては、上記本発明(1)〜(3)において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度はスキャン開始前に検出、推定又は設定された温度である。 【0019】例えばスキャン開始直前に検出されたX線管温度、又はX線管温度の推移に関する既知の特性曲線(演算式)により推定されるスキャン開始直前、又はスキャン開始後の任意時間経過時(スキャン終了時を含む)における推定温度、又は操作者により任意設定入力された温度である。従って、被検体100を、スキャン開始当初又はスキャン開始後の任意時間経過時における各実スライス位置対応に夫々正確に位置決め出来る。 【0020】本発明(5)のX線CT装置は、被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、X線検出器から収集した投影データに基づき被検体のCT断層像を再構成するX線CT装置において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件に基づきスキャン開始した場合におけるX線焦点位置を予測する焦点位置予測手段と、X線管から発生したX線がX線検出器における定位置に調整されるようにコリメータ及び又はX線検出器の位置を調整する位置調整手段と、スキャン開始前の被検体に対して前記予測されたX線焦点位置に基づき予測される被検体の実スライス位置対応に位置決め用光ビームを照射する被検体位置決め手段とを備えるものである。 【0021】また本発明(6)のX線CT装置は、上記前提となるX線CT装置において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件に基づきスキャン開始した場合におけるX線焦点位置を予測する焦点位置予測手段と、X線管から発生したX線がX線検出器における定位置に調整されるようにコリメータ及び又はX線検出器の位置を調整する位置調整手段と、スキャン開始前の被検体を所定位置に位置決めする位置決め手段と、スキャン開始時の被検体を前記予測されたX線焦点位置に基づき予測される被検体の実スライス位置対応に初期移送する移送手段とを備えるものである。 【0022】また本発明(7)のX線CT装置は、上記前提となるX線CT装置において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度及びスキャン条件に基づきスキャン開始した場合におけるX線焦点位置を予測する焦点位置予測手段と、X線管から発生したX線がX線検出器における定位置に調整されるようにコリメータ及び又はX線検出器の位置を調整する位置調整手段と、スキャン開始前の被検体を前記予測されたX線焦点位置に基づき予測される被検体の実スライス位置対応に位置決めする位置決め手段と、スキャン開始時の被検体を一定距離だけ初期移送する移送手段とを備えるものである。 【0023】好ましくは本発明(8)においては、上記本発明(5)〜(7)において、スキャン開始前に入手可能なX線管温度はスキャン開始前に検出、推定又は設定された温度である。 【0024】また本発明(9)のX線CT装置は、上記前提となるX線CT装置において、スキャン開始前の被検体を所定位置に位置決めする位置決め手段と、X線管から発生したX線がX線検出器における定位置に調整されるようにコリメータ及び又はX線検出器の位置を調整する位置調整手段と、前記コリメータ及び又はX線検出器の位置調整により予測される被検体の各実スライス位置を求める演算手段と、前記位置決め手段の位置決め情報及びそのスキャン条件に基づき予測される被検体の各予定スライス位置と前記求められた各実スライス位置とを比較可能な態様で外部に出力する出力手段とを備えるものである。 【0025】本発明(9)によれば、位置決め手段の位置決め情報及びそのスキャン条件に基づき定まる一定の各予定スライス位置と実スキャンにおいて変動し得る各実スライス位置とを比較可能な態様で外部(CRT表示部等)に出力する構成により、各実スライス位置が各予定スライス位置からどれだけずれたかを定量的に把握でき、よってX線CT診断の信頼性向上につながる。 【0026】 【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に好適なる複数の実施の形態を詳細に説明する。なお、全図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとする。 【0027】図2は実施の形態によるX線CT装置の要部構成図で、図において、10はユーザが操作する操作コンソール部、20は被検体100を載せて体軸方向に移動させる撮影テーブル、30はX線ファンビームXLFBにより被検体100のアキシャル/ヘリカル等によるスキャン・読取を行う走査ガントリである。なお、走査ガントリ30に固定された直交座標系を(x,y,z)で示す。 【0028】走査ガントリ30において、40は回転陽極型のX線管、40aはその回転陽極、FはX線焦点、40bはX線管40の動作温度を検出するための温度センサ、41はX線管40の管電圧kV,管電流mA,曝射時間Sec等を制御するX線制御部、42は温度センサ40bの検出温度をA/D変換するA/D変換器、50はX線の曝射範囲(主に体軸方向)を制限するコリメータ、51はコリメータ50のz軸方向の平行移動p及びその開口幅(被検体のスライス厚に対応)wの制御を行うコリメータ制御部、25d,25eは実施の形態によるポジショニングライトであって、z軸方向の位置及び又は姿勢(位置決め用光線PLBの照射方向)を変更可能なもの、26はX線焦点Fの推定変位量に応じてポジショニングライト25d,25eの位置及び又は姿勢を制御するポジショニングライト(PL)制御部、70は多数(n=1000程度)のX線検出器が円弧状の例えば2列(L1,L2)に配列されているX線検出器アレイ、80はX線検出器アレイ70の検出データ(投影データ)を収集するデータ収集部(DAS)、60は走査ガントリ30を体軸(センタラインCL)の回りに回転させる回転制御部、61はX線撮像系の傾き(チルト)角を制御するチルト制御部、62はX線焦点Fの変位に応じてX線検出器アレイ70をz軸方向に位置制御するための検出器制御部である。 【0029】なお、図示しないが、ポジショニングライト25d,25eより走査ガントリ30の入口側に距離Zaだけオフセットした位置にポジショニングライト25a〜25cが設けられる。また、検出器制御部62はX線焦点Fの変位をX線検出器アレイ70の移動によれカバーする場合に設けられる。 【0030】操作コンソール部10において、11はX線CT装置の主制御・処理(スキャン制御,CT断層像再構成処理,本発明に係る被検体位置決め制御等)を行う中央処理装置、11aはそのCPU、11bはCPU11aが使用するRAM,ROM等からなる主メモリ(MM)、12はキーボードやマウス等を含む入力装置、13はCRT等による表示装置(CRT)、14はCPU11aと走査ガントリ30及び撮影テーブル20との間で各種制御信号CSやモニタ信号MSのやり取りを行う制御インタフェース、15はデータ収集部80からの投影データg(X,θ)を蓄積するデータ収集バッファ、16はX線CT装置の運用に必要な各種データやアプリケーションプログラム等を記憶している二次記憶装置(ハードディスク装置等)である。 【0031】次にアキシャル/ヘリカルスキャンの動作を概説する。X線管40からのファンビームXLFBは被検体100を介してX線検出器アレイ70の各検出列L1,L2に一斉に入射する。データ収集部80はX線検出器アレイ70の各列L1,L2の検出データを走査・収集してデータ収集バッファ15に格納する。更に、走査ガントリ30が僅かに回転した各ビューで上記同様の投影を行い、こうして走査ガントリ1回転分の投影データを収集・蓄積すると共に、アキシャル/ヘリカルスキャン方式に従って撮影テーブル20を被検体100の体軸方向に間欠的/連続的に移動させ、こうして被検体100の所要撮像領域についての全投影データを収集・蓄積する。そして、CPU11aは得られた全投影データに基づき被検体100のCT断層像を再構成し、表示装置13に表示する。 【0032】なお、ステーショナリ/スカウトスキャンとは、走査ガントリ30を一定の回転(アジマス)角度に固定したままで撮影テーブル20を移動させ、被検体100の2次元透視(レントゲン)画像を得るスキャンである。本実施の形態ではこれらの各スキャンを総称して実スキャンと呼んでいる。 【0033】これらの実スキャンにおいても、従来と同様にしてX線管40の焦点Fが移動し、これをカバーするためにコリメータ50又はX線検出器アレイ70の位置制御を行うが、このためにポジショニングライト25d,25e/25a〜25cによる被検体100の位置決めと、続く実スキャンとの間でスライス位置の位置ずれが生じ得る。 【0034】そこで、本実施の形態では、実スキャン開始前に入手可能なX線管40についての温度及びそのスキャン条件に基づき、続く実スキャンを開始した場合におけるX線焦点Fの変位量を推定すると共に、得られた推定変位量に基づきポジショニングライト25d,25e/25a〜25cの位置/姿勢制御等を行うことで、スキャン開始前の被検体100を正しく位置決め可能としている。以下、詳細に説明する。 【0035】図3は実施の形態によるポジショニングライトの位置/姿勢制御処理のフローチャートで、被検体100の実スキャン開始前にこの処理に入力する。ステップS11では続く実スキャンに関して設定されたスキャンパラメータ{走査ガントリのチルト角U,その回転速度(スキャン時間)V,焦点Fの大/小W、X線管40のアジマス角X等}を入力する。ステップS12ではX線管40の動作温度Tを検出(又は推定)する。ステップS13では上記入力されたスキャンパラメータ及び上記検出(又は推定)されたX線管40の動作温度Tに基づき、続く被検体100の実スキャン時における被検体の実スライス位置の変位量を推定する。ステップS14では上記求めたスライス位置の変位量に基づきポジショニングライト25d,25e(25a〜25cについても同様)のz軸方向の位置及び又は姿勢(位置決め用光線PLBの照射方向)を制御する。 【0036】上記ステップS13における被検体スライス位置変位量の推定には様々な方法が考えられる。ところで、本件出願人は、スキャン開始前のX線管40の動作温度T及びそのスキャンパラメータに基づき、続く被検体100の実スキャン時におけるコリメータ50又はX線検出器アレイ70をそのスキャン開始当初より最適のカバー位置に制御する方法を既に提案している。本実施の形態では、この方法をポジショニングライト25の位置/姿勢制御の一部に利用することとする。以下、本実施の形態への適用例を具体的に説明する。 【0037】図10は実施の形態におけるX線焦点移動位置の予測処理を説明する図で、図10(A)は実スキャンに伴うX線管(陽極)温度Tの変化(推移)を示している。図において、横軸は時刻t、縦軸はX線管40の温度Tである。時刻t0で前回のスキャンが終了し、その後はX線管温度Tが所定の冷却カーブで徐々に低下している。次に時刻t1で次のスキャンを開始したとすると、X線管40はその際の投入電力P1により加熱され、開始時刻t1における温度T1から終了時刻t2における温度T2にまで上昇する。なお、上記に代えて、時刻t3で次のスキャンを開始した場合も同様である。このように、X線管40の温度Tは、その使用時のみならず、その不使用時にも時々刻々と変化しており、実スキャン開始時の温度Tに応じてX線焦点Fの変位量も異なる。 【0038】なお、本実施の形態では、温度センサ40bによりX線管40の現在の温度Tをリアルタイムに検出可能である。又は、図10(A)の特性曲線(加熱/冷却曲線)に従う演算により、X線管40の現在又は将来の温度Tを推定可能である。 【0039】図4にX線焦点Fの変位をコリメータ50の位置制御でカバーする場合のイメージを示す。図において、X線焦点Fの基準位置z0からの移動距離をzとするときに、コリメータ50の基準位置Z0からの移動距離Zは(1)式で表せる。 【0040】 【数1】
【0041】ここで、G1:比例定数(<1)である。 【0042】また図5にX線焦点Fの変位をX線検出器アレイ70の位置制御でカバーする場合のイメージを示す。図において、X線焦点Fの基準位置z0からの移動距離をzとするときに、X線検出器アレイ70の基準位置Z0からの移動距離Zは(2)式で表せる。 【0043】 【数2】
【0044】ここで、G2:比例定数(>1)である。 【0045】一方、アキシャル/ヘリカルスキャン時におけるX線焦点Fの基準位置z0からの移動距離zとその変動要因との間には(3)式の関係がある。 【0046】 【数3】
【0047】ここで、k,a,b,c,d:定数T:X線管の温度(但し、使用温度範囲の百分率) T1:温度範囲の上限(例えば90%) T2:温度範囲の下限(例えば10%) U:チルト角度U1:チルト角度の+方向の上限(例えば30°) U2:チルト角度の−方向の上限(例えば30°) V:スキャン時間V1:最長スキャン時間(例えば3秒) V2:最短スキャン時間(例えば0.8秒) W:焦点の大小(大=1,小=0) である。 【0048】図10(B)〜(E)は上記(3)式の焦点移動距離zに対する各変動要因の寄与分を示している。図10(B)は温度Tの寄与分、図10(C)はチルト角Uの寄与分、図10(D)はスキャン時間Vの寄与分、そして、図10(E)は焦点サイズWの寄与分を夫々グラフ化したものである。但し、各グラフは上記(3)式における各{ }内の値をグラフ化したもので、これに各寄与分に応じた定数a,b,c,dが掛けられる。また図10(B)〜(E)の各特性は全て右上がりで示されているが、走査ガントリ30の構造によっては、ある特性が右下がり態様で寄与する場合もあり得る。 【0049】また、ステーショナリ/スカウトスキャン時におけるX線焦点Fの基準位置z0からの移動距離zとその変動要因との間には(4)式の関係がある。 【0050】 【数4】
【0051】ここで、k’,a’,b’,c’,d’:定数T:X線管の温度(但し、使用温度範囲の百分率) T1:温度範囲の上限(例えば90%) T2:温度範囲の下限(例えば10%) U:チルト角度U1:チルト角度の+方向の上限(例えば30°) U2:チルト角度の−方向の上限(例えば30°) X:アジマスW:焦点の大小(大=1,小=0) である。なお、そのグラフ図を示さないが、(4)式から容易に推定できる。 【0052】更に、上記(1)式において、コリメータ50の公称の基準位置Z0からの位置ずれ分をZeとすると、コリメータ50の移動距離Z’は一般に(5)式で表せる。 【0053】 【数5】
【0054】また、上記(2)式に対しても同様の移動距離Z’が考えられる。 【0055】更に、既提案の発明ではコリメータ50に対する移動距離Z’をその各種変動要因に基づき一挙に求める関係式が導かれている。即ち、アキシャル/ヘリカルスキャンに対しては(6)式の関係がある。 【0056】 【数6】
【0057】ここで、A,B,C,D,K:定数である。 【0058】またステーショナリ/スカウトスキャンに関しては(7)式の関係がある。 【0059】 【数7】
【0060】ここで、A,B,C,D,K:定数である。 【0061】上記(6),(7)式の各定数A,B,C,D,Kは、本装置(各定数A,B,C,D,K)をキャリブレーションするためのスキャンを行うことにうより求められる。このスキャンは被検体100を搭載せずに行う。またこのキャリブレーションは、スキャン条件を一つづつ変化させた各スキャンにより行われる。以下、これを具体的に説明する。 【0062】図11は実施の形態における装置キャリブレーション時の条件を示す図で、図11(A)はアキシャルスキャンによる場合を示している。まず条件1でアキシャルスキャンを行い、その際の自動調整作用により得られたコリメータ50の移動距離Z1を取得する。次に条件2でアキシャルスキャンを行い、同様にして得られたコリメータ50の移動距離Z2を取得する。この条件1,2間ではチルト角Uのみが変化している。次に条件3でアキシャルスキャンを行い、その際に得られたコリメータ50の移動距離Z3を取得する。この条件2,3間では焦点Fの大きさWのみが変化している。更に、スキャン時間V、X線管40の温度Tのみを夫々変化させた状態で、第4,第5のアキシャルスキャンを行い、その際に得られたコリメータ50の移動距離Z4,Z5を夫々取得する。こうして条件1〜5の全スキャンを完了すると、上記(6)式の各定数A,B,C,D,Kは(8)式により求まる。 【0063】 【数8】
【0064】また、上記キャリブレーションスキャンにおけるコリメータ50の各移動距離Z1〜Z5が得られると、本装置の幾何学的構造(寸法)情報に基づき、同じ条件1〜5下でスキャンした場合におけるX線焦点Fの移動距離z1〜z5を逆算できる。更に、これらを上記(3)式に適用することで、定数k,a,b,c,dのキャリブレーションが行える。 【0065】更に、図11(B)はステーショナリスキャンによる場合を示している。上記と同様にして条件1〜5下における全スキャンを完了すると、上記(7)式の各定数A,B,C,D,Kは(9)式により求まる。 【0066】 【数9】
【0067】また、このキャリブレーションスキャンにおけるコリメータ50の各移動距離Z1〜Z5が得られると、本装置の幾何学的構造(寸法)情報に基づき、同じ条件1〜5下でスキャンした場合におけるX線焦点Fの移動距離z1〜z5を逆算できる。更に、これらを上記(4)式に適用することで、定数k’,a’,b’,c’,d’のキャリブレーションが行える。 【0068】なお、上記コリメータ50の位置制御に代えて、図5に示す如くのX線検出器アレイ70を位置制御する場合の装置キャリブレーションについても同様に行える。 【0069】かくして、スキャン前のX線管動作温度T及びそのスキャンパラメータU,V,W,X等に基づき、引き続き実スキャンを行った場合におけるX線焦点Fの移動距離z(図の±zOFに相当)、及びX線焦点Fの変位をカバーするためのコリメータ50又はX線検出器アレイ70の移動距離Z’(図の±ZOFに相当)を推定できる。 【0070】そこで、本実施の形態では、上記得られた各推定値z,Z’に基づき、平面幾何学的手法(三角関数/比例計算等)により、引き続き実スキャンを行った場合における被検体100の実スライス位置を推定し、その推定値に基づきポジショニングライト25d,25e/25a〜25cの位置/姿勢制御を行う。以下、具体的に説明する。 【0071】図4,図5は実施の形態によるポジショニングライト姿勢制御のイメージ図(1),(2)で、図4はX線焦点Fの変位zをコリメータ50の位置制御でカバーする場合への適用例を示している。図において、この例のポジショニングライト25d,25eは、夫々の位置決め用光線PLBの照射方向が、推定されたX線焦点Fの基準位置z0からのオフセット量−zOF1又はzOF2等に応じて、図示の如く、夫々の場合におけるX線ファンビームの厚み方向の中心線と位置決め用光線PLBとが一致するように、その姿勢(位置決め用光線PLBの照射方向)を変更可能に構成されている。 【0072】挿入図(a)に本装置をx軸方向から見た場合の幾何学的寸法を示す。図において、このポジショニングライト25d,25eにつき、それらの回転中心O点の回りの回転(チルト)角θOF、又はこの回転と同じ効果を与える中心位置T0からの回転オフセット量TOFは夫々(10−1)、(10−2)式により求まる。 【0073】 【数10】
【0074】ここで、A:X線焦点FのX線検出器アレイ(O点)からの高さB:ポジショニングライトのX線検出器アレイ(O点)からの高さである。 【0075】なお、上記ポジショニングライト25d,25eにつき、その位置決め用光線PLBの照射方向を図示のような態様で変更できるものであれば、ポジショニングライト25d,25eそのものの構造及びその姿勢制御方法等は問わない。また、上記はポジショニングライト25d,25eへの適用例を述べたが、ポジショニングライト25a〜25dcについても同様に適用できる。 【0076】なお、これらの場合に、上記X線管40の温度については、上記図10(A)に示した如く、続く実スキャン開始直前の温度のみならず、実スキャン途中の任意温度を想定しても良いし、又は実スキャン終了時の温度を想定しても良い。これらの温度設定値に応じて、被検体100の精密なスライス位置を、そのスキャン開始当初のみならず、スキャン途中又はスキャン終了時に合わせて夫々に正しく位置決め可能である。 【0077】図5はX線焦点Fの変位zをX線検出器アレイ70の位置制御でカバーする場合への適用例を示している。図において、この例のポジショニングライト25d,25eは、夫々の位置決め用光線PLBの照射方向が、推定されたX線焦点Fの基準位置z0からのオフセット量−zOF1又はzOF2等に応じて、図示の如く、夫々の場合におけるX線ファンビームの厚み方向の中心線と位置決め用光線PLBとが一致するように、その姿勢(位置決め用光線PLBの照射方向)を変更可能に構成されている。 【0078】挿入図(a)に本装置をx軸方向から見た場合の幾何学的寸法を示す。図において、このポジショニングライト25d,25eにつき、それらの回転中心O点の回りの回転(チルト)角θOFは夫々(11)式により求まる。 【0079】 【数11】
【0080】ここで、C:X線焦点Fのポジショニングライトからの高さである。 【0081】なお、上記ポジショニングライト25d,25eにつき、その位置決め用光線PLBの照射方向を図示のような態様で変更できるものであれば、ポジショニングライト25d,25eそのものの構造及びその姿勢制御方法等は問わない。また、上記はポジショニングライト25d,25eへの適用例を述べたが、ポジショニングライト25a〜25dcについても同様に適用できる。また、上記X線管40の温度については、続く実スキャン開始直前の温度のみならず、実スキャン途中の任意温度を想定しても良いし、又は実スキャン終了時の温度を想定しても良い。この点は、以下の各実施の形態でも同様である。 【0082】図6,図7は実施の形態によるポジショニングライト位置制御のイメージ図(1),(2)で、図6はX線焦点Fの変位zをコリメータ50の位置制御でカバーする場合への適用例を示している。図において、この例のポジショニングライト25d,25eは、推定されたX線焦点Fの基準位置z0からのオフセット量−zOF1又はzOF2等に応じて、図示の如く、夫々の場合における被検体100のスライス位置と位置決め用光線PLBとが被検体100の体軸CL上で略重なるように、そのz軸方向の位置を変更可能に構成されている。 【0083】挿入図(a)に本装置をx軸方向から見た場合の幾何学的寸法を示す。図において、このポジショニングライト25d,25eにつき、上記照射条件を満足するようなz軸方向の平行移動距離MOFは(12)式により求まる。 【0084】 【数12】
【0085】ここで、D:体軸CLのX線検出器アレイからの高さである。 【0086】本実施の形態によれば、これらのポジショニングライト25d,25eについては、その向きを変えずに、単にz軸方向に平行移動すればよく、よってその構造及び移動制御が簡単である。なお、上記はポジショニングライト25d,25eへの適用例を述べたが、ポジショニングライト25a〜25dcについても同様に適用できる。 【0087】図7はX線焦点Fの変位zをX線検出器アレイ70の位置制御でカバーする場合への適用例を示している。図において、この例のポジショニングライト25d,25eは、推定されたX線焦点Fの基準位置z0からのオフセット量−zOF1又はzOF2等に応じて、図示の如く、夫々の場合における被検体100のスライス位置と位置決め用光線PLBとが被検体100の体軸CL上で略重なるように、そのz軸方向の位置を変更可能に構成されている。 【0088】挿入図(a)に本装置をx軸方向から見た場合の幾何学的寸法を示す。図において、このポジショニングライト25d,25eにつき、上記照射条件を満足するようなz軸方向の平行移動距離MOFは(13)式により求まる。 【0089】 【数13】
【0090】ここで、E:ポジショニングライトの体軸CLからの高さである。 【0091】本実施の形態によれば、これらのポジショニングライト25d,25eについては、その向きを変えずに、単にz軸方向に平行移動すればよく、よってその構造及び移動制御が簡単である。なお、上記はポジショニングライト25d,25eへの適用例を述べたが、ポジショニングライト25a〜25dcについても同様に適用できる。 【0092】図8,図9は実施の形態による被検体スライス位置制御のイメージ図(1),(2)で、図8はX線焦点Fの変位zをコリメータ50の位置制御でカバーする場合への適用例を示している。図において、この例のポジショニングライト25a〜25eはその位置及び姿勢(位置決め用光線PLBの照射方向)が、上記図13の従来技術で述べたものと同様に、固定されている。 【0093】その代わりに、本実施の形態では、前段のポジショニングライト25a〜25cを使用して通常に位置決めされた被検体100の予定スライス位置(輝線BL0の位置)が、続くスキャン開始によりX線照射領域に初期移送される際に、予め演算により推定されたX線焦点Fの基準位置z0からのオフセット量−zOF1又はzOF2等に応じて、図示の如く、夫々の場合における被検体100の予定スライス位置が実際のスライス位置−SOF1又はSOF2等の位置にまで丁度搬送されるように、撮影テーブル20の初期移送量を(Za−MOF1)又は(Za+MOF2)等の如く変更するものである。 【0094】従って、本実施の形態によれば、既存のポジショニングライト25a〜25eに別段の構造変更や制御を加えなくても、上記簡単な撮影テーブル20の移送制御により、実質的にスキャン開始前の被検体100を正しく位置決め可能である。なお、図示しないが、この位置決め方法はX線焦点Fの変位zをX線検出器アレイ70の位置制御でカバーする場合にも適用できる。 【0095】図9は前段のポジショニングライト25a〜25cとして、例えば上記図4〜図7で述べた如く、その位置/姿勢を変更可能なポジショニングライト25a〜25cを使用する場合への適用例を示している。ここでは、前段のポジショニングライト25a〜25cにより、予め被検体100を、演算により推定されたX線焦点Fの基準位置z0からのオフセット量−zOF1又はzOF2等に応じて、図示の如く、その予定スライス位置が実際のスライス位置−SOF1又はSOF2等と一致するように撮影テーブル20を位置決めし、続くスキャン開始によりX線照射領域に一定距離Zaだけ初期移送するものである。なお、図示しないが、この位置決め方法はX線焦点Fの変位zをX線検出器アレイ70の位置制御でカバーする場合にも適用できる。 【0096】また、本発明に係る更に他の実施の形態を上記図8を参照して説明する。即ち、この実施の形態は、スキャン開始前の被検体100を所定位置BL0(固定)に位置決めする位置決め手段と、X線管40から発生したX線がX線検出器アレイ70における定位置に調整されるようにコリメータ50及び又はX線検出器アレイ70の位置を調整する位置調整手段と、前記コリメータ50及び又はX線検出器アレイ70の位置調整により予測されるところの被検体100の各実スライス位置SOFを求める(推定する)演算手段と、前記位置決め手段による位置決め情報BL0(通常は被検体100の最初の実スライス位置を想定)及びそのスキャン条件(BL0からのスライスピッチ及びスライス枚数等)に基づき予め予測(特定)される被検体100の各予定スライス位置と、前記演算手段により求められ(推定され)た各実スライス位置とを比較可能な態様で外部(CRT表示部13等)に出力する出力手段とを備えるものである。 【0097】本実施の形態によれば、位置決め手段により定まる一定の各予定スライス位置と実スキャンにおいて変動し得る各実スライス位置とを比較可能な態様でCRT表示部13に出力する構成により、例えばスキャン開始前においては、もしこのままスキャン開始した場合は予定スライス位置と実スライス位置とがどの程度ずれるかをスキャン開始前に把握できる。また実スキャン後においては、各実スライス位置が各予定スライス位置からどれだけずれたかを定量的に把握でき、これに基づいて被検体100の各断層像の正確な位置を特定できる。特に、後者の場合は、実スキャンにより時々刻々と変化するX線管温度Tが、各実スライス位置SOFを求める演算手段に対してリアルタイムに提供される為、求められた各実スライス位置はより実際に即した正確なものとなる。 【0098】なお、上記各実施の形態はX線検出器が2列以上の場合への適用例を述べたが、1列のX線CT装置についても、予め行った試験データ(特性曲線等)に基づきX線焦点Fの移動量を予測可能であるから、本発明は1列以上のX線CT装置に適用できる。 【0099】また、上記本発明に好適なる複数の実施の形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部の構成、制御、処理及びこれらの組合せの様々な変更が行えることは言うまでも無い。 【0100】 【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、スキャン開始前の被検体を正しく位置決め可能なことにより、被検体の精密な位置の断層像が得られ、X線撮像の質向上に寄与するところが極めて大きい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000121936 【氏名又は名称】ジーイー横河メディカルシステム株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月7日(2000.6.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097087 【弁理士】 【氏名又は名称】▲高▼須 宏
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| 【公開番号】 |
特開2001−346793(P2001−346793A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月18日(2001.12.18) |
| 【出願番号】 |
特願2000−171073(P2000−171073) |
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