| 【発明の名称】 |
異常陰影候補検出方法および検出システム |
| 【発明者】 |
【氏名】早乙女 滋
【氏名】志村 一男
【氏名】大久保 猛
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| 【要約】 |
【課題】異常陰影候補検出システムにおいて、検出処理時間の短縮を図る。
【解決手段】画像表示手段6に表示されたマンモグラフィPのうち、異常陰影候補の検出処理を行おうとする一部の領域を指定する領域指定手段2と、この領域指定手段2により領域指定された指定領域についてのみ異常陰影候補の検出処理を行う異常陰影候補検出手段1とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被写体の画像に基づいて、該画像中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出方法において、前記画像中の一部の領域についてのみ、前記異常陰影候補の検出を行うことを特徴とする異常陰影候補検出方法。 【請求項2】 前記一部の領域は、指定された領域であることを特徴とする請求項1記載の異常陰影候補検出方法。 【請求項3】 前記一部の領域は、前記被写体に対する触診の結果に基づいて指定された領域であることを特徴とする請求項1または2記載の異常陰影候補検出方法。 【請求項4】 前記被写体の画像を表示し、前記表示された画像において指定された前記一部の領域について、前記異常陰影候補の検出を行うことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載の異常陰影候補検出方法。 【請求項5】 前記一部の領域として、他の画像において異常陰影候補が既に検出された領域に対応する領域を設定することを特徴とする請求項1記載の異常陰影候補検出方法。 【請求項6】 前記他の画像が、前記被写体と同一被写体について、異常陰影候補の検出処理の対象である前記被写体の画像よりも以前に取得された画像であることを特徴とする請求項5記載の異常陰影候補検出方法。 【請求項7】 前記他の画像が、前記被写体と同一被写体について、異常陰影候補の検出処理の対象である前記被写体の画像とは異なる種類の取得方法により取得されたものであることを特徴とする請求項5記載の異常陰影候補検出方法。 【請求項8】 前記他の画像が、前記被写体と同一被写体について、異常陰影候補の検出処理の対象である前記被写体の画像とは異なる撮影方向から撮影して得られた画像であることを特徴とする請求項5記載の異常陰影候補検出方法。 【請求項9】 前記被写体の画像がマンモグラフィであることを特徴とする請求項1から8のうちいずれか1項に記載の異常陰影候補検出方法。 【請求項10】 被写体の画像に基づいて、該画像中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段を備えた異常陰影候補検出システムにおいて、前記異常陰影候補検出手段が、前記画像中の一部の領域についてのみ、前記異常陰影候補の検出を行うものであることを特徴とする異常陰影候補検出システム。 【請求項11】 前記一部の領域を指定する領域指定手段を備え、前記異常陰影候補検出手段が、前記領域指定手段により指定された前記一部領域についてのみ、前記異常陰影候補の検出を行なうものであることを特徴とする請求項10記載の異常陰影候補検出システム。 【請求項12】 前記一部の領域は、前記被写体に対する触診の結果に基づいて指定された領域であることを特徴とする請求項10または11記載の異常陰影候補検出システム。 【請求項13】 前記被写体の画像を表示する画像表示手段をさらに備え、前記領域指定手段が、前記画像表示手段に表示された画像において、前記一部の領域を指定するものであることを特徴とする請求項10から13のうちいずれか1項に記載の異常陰影候補検出システム。 【請求項14】 他の画像において異常陰影候補が既に検出された領域に対応する領域を、前記一部の領域として設定する領域設定手段を備え、前記異常陰影候補検出手段が、前記領域設定手段により設定された前記一部の領域についてのみ、前記異常陰影候補の検出を行うものであることを特徴とする請求項10記載の異常陰影候補検出システム。 【請求項15】 前記他の画像が、前記被写体と同一被写体について、異常陰影候補の検出処理の対象である前記被写体の画像よりも以前に取得された画像であることを特徴とする請求項14記載の異常陰影候補検出システム。 【請求項16】 前記他の画像が、前記被写体と同一被写体について、異常陰影候補の検出処理の対象である前記被写体の画像とは異なる種類の取得方法により取得されたものであることを特徴とする請求項14記載の異常陰影候補検出システム。 【請求項17】 前記他の画像が、前記被写体と同一被写体について、異常陰影候補の検出処理の対象である前記被写体の画像とは異なる撮影方向から撮影して得られた画像であることを特徴とする請求項14記載の異常陰影候補検出システム。 【請求項18】 前記被写体の画像がマンモグラフィであることを特徴とする請求項10から17のうちいずれか1項に記載の異常陰影候補検出システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、異常陰影候補検出方法および異常陰影候補検出システムに関し、詳細には、異常陰影候補の検出処理時間の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より医療現場においては、患者の放射線画像を撮影し、得られた放射線画像が記録されたフイルムをシャーカステンに掛けて読影し、疾患や疾病、負傷の状態などの診断に供している。そして近年は、放射線画像を直接フイルムに露光するのではなく、一旦、放射線画像を蓄積記憶する蓄積性蛍光体シート(放射線画像変換パネル)に記憶させ、これに励起光を照射して蓄積記憶されている放射線画像に応じた光量で発光する輝尽発光光をデジタル的に読み取ってデジタル画像信号を得、その後にこのデジタル画像信号を可視画像としてフイルム等の記録媒体にプリントしたり、CRT等の画像表示装置に表示するなどによって再生することが行われるようになっている(放射線画像記録読取システム(コンピューテッド・ラジオグラフィ);特開昭55-12429号、同56-11395号、同56-11397号など)。 【0003】このような放射線画像記録読取システムによれば、デジタル画像信号に対して種々の信号処理を施すことによって、出力される可視画像の階調特性や周波数特性を、従来よりも読影に適したものとすることができ、画像による診断性能を向上させることができる。 【0004】また得られたデジタル画像信号を、コンピュータを用いて解析し、画像中に現れた腫瘤陰影や微小石灰化陰影等の異常陰影を自動的に検出することにより、画像読影者の読影熟達度が低い場合にも一定の検出レベルを確保し、診断に役立てるシステムも開発されている(異常陰影候補検出システム;特開平8-294479号等)。 【0005】このシステムは、主として乳癌検診で得られた乳房のデジタル画像信号(マンモグラフィ)の濃度(信号値)勾配ベクトルの集中度を評価することにより画像中の腫瘤陰影の候補を自動的に検出したり、デジタル画像信号にモフォロジー演算(ダイレーション処理,イロージョン処理,オープニング処理,クロージング処理等)を施すことにより微小石灰化陰影の候補を自動的に検出するなどのアルゴリズムによって、腫瘤陰影や微小石灰化等の異常陰影の候補を検出するものであり、このシステムで検出された異常陰影候補を、マンモグラフィ上で、例えば矩形のROI(関心領域)枠でマーキングするなどしてCRTや液晶表示装置等に表示したり、診断用のフイルムにプリントすることにより診断に供することができる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで上述したように異常陰影候補検出システムは、得られた画像に基づいて異常陰影候補を自動的に検出することにより、画像読影者の画像読影能力の熟達度に拘わらず、異常陰影候補を一定の検出レベルで検出することができるため、異常陰影候補の見逃しを抑制する上で非常に有効なシステムであるが、画像全体を1画素ごとに演算処理するため、非常に処理時間がかかるという問題がある。特に、異常陰影候補の存在部位についてある程度の予測がある場合や過去に取得された画像等他の画像において異常陰影候補が特定の部位において検出されていた場合などにおいて、とりあえずそれらの部位について、異常陰影候補が存在するか否か、または当該部位における異常陰影候補としての適格性を示す指標値(最終的に異常陰影候補として検出されたか否かに拘わらず、異常陰影候補を検出するために行なった演算処理の結果値)はどの程度か、を知得したい場合に、画像全体についての検出処理が完了するまで待つのは迅速な診断を行う上で障害となる。 【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、画像中の一部の領域についてのみ関心がある場合に、異常陰影候補の検出処理時間を短縮することができる異常陰影候補の検出方法および検出システムを提供することを目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の異常陰影候補検出方法および異常陰影候補検出システムは、画像中の一部の領域のみについて異常陰影候補の検出を行なうことにより、当該領域についてのみ関心がある場合に、画像全体について処理する必要がないため、検出処理時間の短縮化を図ることができる。 【0009】すなわち本発明の異常陰影候補検出方法は、被写体の画像に基づいて、該画像中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出方法において、前記画像中の一部の領域についてのみ、前記異常陰影候補の検出を行うことを特徴とするものである。 【0010】ここで上記一部の領域は、医師等画像読影者により手動で指定されたものであってもよいし、同一被写体について取得された他の画像において異常陰影候補が既に検出された領域に対応するものとして自動的に設定されたものであってもよい。 【0011】一部の領域を指定によって特定する場合、その指定する領域としては、例えば医師等による被写体に対する触診の結果に基づいて指定された領域等を適用するのが好ましいが、患者が症状を訴えている部位(領域)であってもよい。 【0012】また上記一部の領域の指定に先立って、被写体の画像を画像表示手段等に表示し、この表示された画像において、医師等が指定するのが、指定する領域を明確にする上で好ましい。 【0013】なお被写体の画像としては、乳癌検診において撮影された乳房放射線画像であるマンモグラフィを適用するのが、実用上の効果が高いので好ましいが、必ずしもマンモグラフィに限定されるものではない。 【0014】上記一部の領域を、他の画像における異常陰影候補の検出結果を反映させて設定する場合は、当該他の画像において異常陰影候補が既に検出された領域に対応する領域を、上記一部の領域として設定すればよく、そのような他の画像としては、同一被写体について以前(過去)に取得された画像、同一被写体について、本画像(本発明の異常陰影候補検出処理の対象である画像をいう。以下、同じ)とは異なる種類の取得方法によって取得された画像、同一被写体について、本画像とは異なる撮影方向から撮影して得られた画像などを適用するのが好ましい。 【0015】ここで、異なる種類の取得方法によって取得された画像とは、本画像が例えば単純放射線画像である場合に、CTやMRI等によって得られた画像などのように、画像生成モダリティの種類が異なる画像等を意味するものである。また、異なる撮影方向から撮影して得られた画像とは、本画像が正面画像(体の前後方向から撮影して得られた画像または乳房放射線画像(マンモグラフィ)にあっては、上下方向から乳房を圧迫して当該上下方向から撮影して得られた画像をいう)である場合に、側方向から撮影して得られた画像などを意味するものである。 【0016】なおこのように、本画像における異常陰影候補の検出処理対象となる一部の領域を、他の画像における異常陰影候補の検出結果に依存させて設定する場合には、例えばマンモグラフィにおいてはニップルや胸壁など、画像の基準となる部分の位置関係に基づいて当該他の画像と本画像との位置関係を対応付ける処理を施して、両画像若しくは3以上の画像を位置合わせしたうえで行なうのが好ましい。 【0017】また本発明の異常陰影候補検出方法においては、異常陰影候補の検出処理を、上述したような画像の一部の領域についてのみ行なうモードと、画像全体について行なうモードとを選択的に切換え可能としておくのが好適である。読影者の目的に適宜対応することができるからである。 【0018】異常陰影候補の検出方法としては例えば、前述した異常陰影候補検出システム(特開平8-294479号等)による検出方法を適用するのが好ましい。この異常陰影候補検出方法は、画像を表すデジタル画像信号の濃度(信号値)勾配ベクトルの集中度を評価するアイリスフィルター処理により画像中の腫瘤陰影の候補(異常陰影候補の一態様)を自動的に検出したり、デジタル画像信号にモフォロジー演算(ダイレーション処理,イロージョン処理,オープニング処理,クロージング処理等)を施すことにより微小石灰化陰影の候補(異常陰影候補の一態様)を自動的に検出するなどのアルゴリズムであり、濃度勾配ベクトルの集中度の評価の際に予め設定された閾値(後述するアイリスフィルター処理の出力値Iを比較対照する閾値T1など)と比較対照することにより腫瘤陰影候補を検出することができ、またモフォロジー演算処理後における悪性度評価の際に予め設定された閾値(後述する式(17)におけるモフォロジー演算処理の出力値P(i,j),Mgradを比較対照する閾値T2,T3など)と比較対照することにより微小石灰化陰影候補を検出することができる。なお、この異常陰影候補検出方法を適用した場合、アイリスフィルター処理の出力値Iや、モフォロジー演算処理の出力値P(i,j),Mgrad等の、異常陰影候補(最終的に異常陰影候補として検出されたか否かに拘わらず)としての適格性を示す指標値を、当該指定領域についての異常陰影候補検出の結果として表してもよい。すなわち上述した閾値処理を行った結果、最終的に異常陰影候補が検出されないこととなった場合においても、当該指標値を表すことによって、当該領域において検出される候補となった異常陰影候補が存在していたか否かまたはその評価を、医師等の画像読影者に知らしめることができ、当該領域について指定を行った医師等による診断に役立つからである。 【0019】アイリスフィルター処理は、東京農工大の小畑らが「DR画像における腫瘤影検出(アイリスフィルター)」(電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-II No.3 P663〜670 1992年3月)として発表しているように、特に乳癌における特徴的形態の一つである腫瘤陰影の候補を検出するのに有効な手法として研究されているが、対象画像としては、このようなマンモグラフィにおける腫瘤陰影に限るものではなく、その画像を表す画像信号(濃度等)の勾配が集中しているものについては、いかなる画像部分に対しても適用することができる検出処理である。 【0020】以下、このアイリスフィルターによる腫瘤陰影候補の検出処理の概要について説明する。 【0021】例えばX線フイルム上における放射線画像(高濃度高信号レベルの画像信号で表される画像)においては、一般に腫瘤陰影は周囲の画像部分に比べて濃度値がわずかに低いことが知られており、その濃度値の分布は概略円形の周縁部から中心部に向かうにしたがって濃度値が低くなるという濃度値の勾配を有している。したがって腫瘤陰影においては、局所的な濃度値の勾配が認められ、その勾配線は腫瘤の中心方向に集中する。 【0022】アイリスフィルターは、この濃度値に代表される画像信号の勾配を勾配ベクトルとして算出し、その勾配ベクトルの集中度を出力するものであり、アイリスフィルター処理とはこの勾配ベクトルの集中度を基にして腫瘤陰影の候補を検出するものである。 【0023】すなわち例えば図7(1)に示すようなマンモグラフィPにおいて腫瘤陰影PJ 内の任意の画素における勾配ベクトルは同図(2)に示すように腫瘤陰影の中心付近を向くが、血管陰影や乳腺等のように細長い陰影PK では同図(3)に示すように勾配ベクトルが特定の点に集中することはないため、局所的に勾配ベクトルの向きの分布を評価し、特定の点に集中している領域を抽出すれば、それが腫瘤陰影と考えられる候補となる。なお、同図(4)に示すような乳腺等の細長い陰影同士が交差した陰影PL については勾配ベクトルが特定の点に集中する傾向があり疑似的に異常陰影の候補として誤検出されうる。以上がアイリスフィルター処理の基本的な考え方である。以下に具体的なアルゴリズムのステップを示す。 【0024】(ステップ1)勾配ベクトルの計算対象となる画像を構成する全ての画素について、各画素jごとに、下記式(1)に示す計算式に基づいた画像データの勾配ベクトルの向きθを求める。 【0025】 【数1】
ここでf1 〜f16は、図8に示すように、その画素jを中心とした縦5画素×横5画素のマスクの外周上の画素に対応した画素値(画像データ)である。 【0026】(ステップ2)勾配ベクトルの集中度の算出次に、対象となる画像を構成する全ての画素について、各画素ごとに、その画素を注目画素とする勾配ベクトルの集中度Cを次式(2)にしたがって算出する。 【0027】 【数2】
ここでNは注目画素を中心に半径Rの円内に存在する画素の数、θj は、注目画素とその円内の各画素jとを結ぶ直線と、その各画素jにおける上記式(1)で算出された勾配ベクトルとがなす角である(図9参照)。したがって上記式(2)で表される集中度Cが大きな値となるのは、各画素jの勾配ベクトルの向きが注目画素に集中する場合である。 【0028】ところで、腫瘤陰影近傍の各画素jの勾配ベクトルは、腫瘤陰影のコントラストの大小に拘らず、略その腫瘤陰影の中心部を向くため、上記集中度Cが大きな値を採る注目画素は、腫瘤陰影の中心部の画素ということができる。一方、血管などの線状パターンの陰影は勾配ベクトルの向きが一定方向に偏るため集中度Cの値は小さい。したがって、画像を構成する全ての画素についてそれぞれ注目画素に対する上記集中度Cの値を算出し、その集中度Cの値が予め設定された閾値を上回るか否かを評価することによって、腫瘤陰影を検出することができる。すなわち、このフィルターは通常の差分フィルターに比べて、血管や乳腺等の影響を受けにくく、腫瘤陰影を効率よく検出できる特長を有している。 【0029】さらに実際の処理においては、腫瘤の大きさや形状に左右されない検出力を達成するために、フィルターの大きさと形状とを適応的に変化させる工夫がなされる。図8に、そのフィルターを示す。このフィルターは、図9に示すものと異なり、注目画素を中心に2π/M度毎のM種類の方向(図10においては、11.25 度ごとの32方向を例示)の放射状の線上の画素のみで上記集中度の評価を行うものである。 【0030】ここでi番目の線上にあって、かつ注目画素からn番目の画素の座標([x],[y])は、注目画素の座標を(k,l)とすれば、以下の式(3),(4)で与えられる。 【0031】 【数3】
ただし、[x],[y]は、x,yを越えない最大の整数である。 【0032】さらに、その放射状の線上の各線ごとに最大の集中度が得られる画素までの出力値をその方向についての集中度Cimaxとし、その集中度Cimaxをすべての方向で平均して、その注目画素についての勾配ベクトル群の集中度Cとする。 【0033】具体的には、まずi番目の放射状の線上において注目画素からn番目の画素までで得られる集中度Ci (n)を下記式(5)により求める。 【0034】 【数4】
すなわち式(5)は、注目画素を起点として、終点をRmin からRmax までの範囲内で集中度Ci (n)を算出するものである。ここでRmin とRmax とは、抽出しようとする腫瘤陰影の半径の最小値と最大値である。 【0035】次に、勾配ベクトル群の集中度Cを下記式(6)および(7)により計算する。 【0036】 【数5】
ここで式(6)のCimaxは、式(5)で得られた放射状の線ごとの集中度Ci(n)の最大値であるから、注目画素からその集中度Ci (n)が最大値となる画素までの領域が、その線の方向における腫瘤陰影の候補領域となる。 【0037】すべての放射状の線について式(6)を計算してその各線上における腫瘤陰影の領域を求め、この各線上における腫瘤陰影の領域を隣接する線間で直線または非線形曲線で結ぶことにより、腫瘤陰影の候補となり得る領域の外周縁の形状を特定することができる。 【0038】そして、式(7)では、この領域内の式(6)で与えられた集中度の最大値Cimaxを放射状の線の全方向(式(7)では32方向の場合を例示)について平均した値を求める。この求められた値がアイリスフィルター処理の出力値I(腫瘤陰影候補としての適格性を示す指標値)であり、この出力値Iを、腫瘤陰影であるか否かを判別するのに適した予め設定した一定の閾値T1と比較し、I≧T1(若しくはI>T1)であればこの注目画素を中心とする領域が異常陰影候補(腫瘤陰影候補)であり、I<T1(若しくはI≦T1)であれば腫瘤陰影候補ではない、と判定する。 【0039】なお、式(7)の勾配ベクトル群の集中度Cを評価する領域が勾配ベクトルの分布に応じて大きさと形状が適応的に変化する様子が、外界の明るさに応じて拡大、縮小する人間の目の虹彩(iris)が様子に似ていることから、勾配ベクトルの集中度を利用した腫瘤陰影の候補領域を検出する上述の手法はアイリスフィルター(iris filter )処理と称されている。 【0040】また、前述の集中度Ci (n)の計算は式(5)の代わりに、下記式(5′)を用いてもよい。 【0041】 【数6】
すなわち式(5′)は、抽出しようとする腫瘤陰影の半径の最小値Rmin に対応した画素を起点として、終点をRmin からRmax までの範囲内で集中度Ci (n)を算出するものである。 【0042】上述のステップにより、アイリスフィルターは放射線画像から所望とする大きさの腫瘤陰影だけを効果的に検出することができる。 【0043】ところで一般に、悪性腫瘤の陰影は、1)辺縁が不整である2)概円形に近い形をしている3)内部は凸凹した濃度分布を有するという形態的な特徴を有している。 【0044】そこで、より確定的な診断のために、上述したアイリスフィルター出力値Iと閾値T1との比較処理によって得られた異常陰影候補についての画像信号に対して、これらの特徴を考慮した形状判定をさらに行うようにしてもよい。ここで用いる特徴量としては、広がり度(Spreadness)、細長さ(Elongation)、辺縁の粗さ(Roughness )、円形度(Circularity )および内部の凸凹度(Entropy )であり、この特徴量を、予め設定した他の所定の閾値T2と比較することにより、腫瘤陰影の候補であるか否かの最終的な判定を行なえばよい。なお、この形態的な特徴に基づく検出処理等の追加的な検出処理は、アイリスフィルター処理そのものではないが、アイリスフィルター処理による異常陰影候補検出処理に付加的に適用して異常陰影候補を検出する処理であるため、以下、これらの追加的な検出処理もアイリスフィルター処理に含めて、「アイリスフィルター処理に基づく処理」と称するものとする。 【0045】一方、モフォロジー演算処理は、腫瘤陰影とともに乳癌における特徴的形態である微小石灰化像の候補を検出する手法であり、マルチスケールλと構造要素(マスク)Bとを用い、(1)石灰化像そのものの抽出に有効であること、(2)複雑なバックグラウンド情報に影響されにくいこと、(3)抽出した石灰化像がひずまないこと、などの特徴がある。すなわち、この手法は一般の微分処理に比べて、石灰化像のサイズ・形状・濃度分布などの幾何学的情報をより良く保った検出が可能である。以下にその概要を述べる。 【0046】(モフォロジーの基本演算)モフォロジー演算処理は一般的にはN次元空間における集合論として展開されるが、直感的な理解のために2次元の濃淡画像を対象として説明する。 【0047】濃淡画像を座標(x,y)の点が濃度値f(x,y)に相当する高さをもつ空間とみなす。ここで、濃度値f(x,y)は、濃度が低い(CRTに表示した場合には輝度が高い)ほど大きな画像信号となる高輝度高信号レベルの信号とする。 【0048】まず、簡単のために、その断面に相当する1次元の関数f(x)を考える。モフォロジー演算処理に用いる構造要素gは次式(8)に示すように、原点について対称な対称関数【数7】
であり、定義域内で値が0で、その定義域が下記式(9)であるとする。 【0049】 【数8】
このとき、モフォロジー演算の基本形は式(10)〜(13)に示すように、非常に簡単な演算となる。 【0050】 【数9】
すなわち、ダイレーション(dilation)処理は、注目画素を中心とした、±m(構造要素Bに応じて決定される値)の幅の中の最大値を検索する処理であり(図11(A)参照)、一方、イロージョン(erosion )処理は、注目画素を中心とした、±mの幅の中の最小値を検索する処理である(図11(B)参照)。また、オープニング(opening )処理は最小値探索の後に、最大値を探索することに相当し、クロージング(closing )処理は最大値探索の後に、最小値を探索することに相当する。オープニング処理は低輝度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動する凸状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝度が高い部分)を取り除くことに相当する(図11(C)参照)。一方、クロージング処理は、高輝度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動す凹状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝度が低い部分)を取り除くことに相当する(図11(D)参照)。 【0051】ここで、濃度の高いもの程大きな値となる高濃度高信号レベルの信号の場合においては、濃度値f(x)の画像信号値が高輝度高信号レベルの場合に対して大小関係が逆転するため、高濃度高信号レベルの信号におけるダイレーション処理は、高輝度高信号レベルにおけるイロージョン処理(図11(B))と一致し、高濃度高信号レベルの信号におけるイロージョン処理は、高輝度高信号レベルにおけるダイレーション処理(図11(A))と一致し、高濃度高信号レベルの信号におけるオープニング処理は、高輝度高信号レベルにおけるクロージング処理(図11(D))と一致し、高濃度高信号レベルの信号におけるクロージング処理は、高輝度高信号レベルにおけるオープニング処理(図11(C))と一致する。なお、本項では高輝度高信号レベルの画像信号(輝度値)の場合について説明する。 【0052】(石灰化陰影検出への応用)石灰化陰影の検出には、原画像から平滑化した画像を引き去る差分法が考えられる。単純な平滑化法では石灰化陰影と細長い形状の非石灰化陰影(乳腺や血管や乳腺支持組織等)の識別が困難であるため、小畑らは、多重構造要素を用いたオープニング演算に基づく下記式(14)で表されるモフォロジー演算処理を提案している(「多重構造要素を用いたモルフォロジーフィルターによる微小石灰化像の抽出」電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-II No.7 P1170 〜1176 1992年7月、「モルフォロジーの基礎とそのマンモグラム処理への応用」MEDICALIMAGING TECHNOLOGY Vol.12 No.1 January 1994 )。 【0053】 【数10】
ここでBi (i=1,2,3,4)は図12に示す直線状の4つの構造要素Bである。構造要素Bを検出対象の石灰化陰影よりも大きく設定すれば、オープニング処理で、構造要素Bよりも細かな凸状の信号変化部分(空間的に狭い範囲で変動する画像部分)である石灰化像は取り除かれる。一方、細長い形状の非石灰化陰影はその長さが構造要素Bよりも長く、その傾き(延びる方向)が4つの構造要素Bi のうちいずれかに一致すればオープニング処理(式(14)の第2項の演算)をしてもそのまま残る。したがってオープニング処理によって得られた平滑化画像(石灰化陰影が取り除かれた画像)を原画像fから引き去ることで、小さな石灰化像の候補のみが含まれる画像が得られる。これが式(14)の考え方である。 【0054】なお前述したように、高濃度高信号レベルの信号の場合においては、石灰化陰影は周囲の画像部分よりも濃度値が低くなり、石灰化陰影は周囲部分に対して凹状の信号変化部分となるため、オープニング処理に代えてクロージング処理を適用し、式(14)に代えて式(15)を適用する。 【0055】 【数11】
しかし、これによっても石灰化陰影と同等の大きさをもつ非石灰化陰影が一部残る場合があり、そのような場合については、次式(16)のモフォロジー演算に基づく微分情報を利用して式(14)のPに含まれる非石灰化像をさらに除去する。 【0056】 【数12】
ここで、Mgradの値が大きいほど石灰化陰影の可能性が大きいので、石灰化候補画像Cs は下記式(17)により求めることができる。なおモフォロジー演算の出力値P(i,j),Mgradが、微小石灰化陰影候補としての適格性を示す指標値である。 【0057】 【数13】
ここで、T2,T3は実験的に決められる、予め設定された閾値である。 【0058】ただし、石灰化陰影の大きさとは異なる非石灰化陰影については、式(14)のPと所定の閾値T2との比較のみで除去できるため、石灰化陰影と同等の大きさをもつ非石灰化陰影が残ることのないような場合は、式(17)の第1項の条件(P(i,j)≧T2)を満たすだけでよい。 【0059】なお、これらのモフォロジー演算処理に関する説明は上述したように、高輝度高信号レベルの画像データの場合についてであるが、高濃度高信号レベルの画像データ(高濃度の画素ほど大きなデジタル値を持つ画像データ)の場合については、オープニング演算とクロージング演算とが逆の関係になる。 【0060】このモフォロジー演算処理においても、アイリスフィルター処理における形態的な特徴に基づく検出処理等の追加的な検出処理と同様の追加的な検出処理をさらに付加して適用してもよく、以下、このような追加的な検出処理もモフォロジー演算処理に含めて、「モフォロジー演算処理に基づく処理」と称するものとする。 【0061】本発明の異常陰影候補検出システムは、本発明の異常陰影候補検出方法を実施するための装置であって、被写体の画像に基づいて、該画像中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段を備えた異常陰影候補検出システムにおいて、前記異常陰影候補検出手段が、前記画像中の一部の領域についてのみ、前記異常陰影候補の検出を行うものであることを特徴とするものである。 【0062】ここで、上記一部の領域を指定する領域指定手段を備え、異常陰影候補検出手段が、この領域指定手段により指定された一部の領域についてのみ異常陰影候補の検出処理を行なうものとし、または、本画像とは異なる他の画像において異常陰影候補が既に検出された領域に対応する領域を上記一部の領域として設定する領域設定手段を備え、異常陰影候補検出手段が、この領域設定手段により設定された一部の領域についてのみ異常陰影候補の検出処理を行なうものとする構成を採用するのが好ましい。 【0063】上記一部の領域の指定は、例えば、被写体の画像を表示する表示手段をさらに備え、当該領域指定手段(例えばマウス等のポインティングデバイス)により、画像表示手段に表示された画像において指定するのが好ましい。また上記一部の領域の設定は、例えば、他の画像と本画像にそれぞれ現れた基準となる被写体の部分の位置関係を、両画像若しくは3以上の画像について対応付ける対応付手段等を備え、他の画像において検出された異常陰影候補の存在(検出)領域に対応する本画像の領域を、当該対応付手段により求め、領域設定手段が、その対応付け手段により求められた本画像の領域を、上記一部の領域として設定するようにすればよい。 【0064】 【発明の効果】本発明の異常陰影候補検出方法および異常陰影候補検出システムによれば、画像中一部の領域のみについて異常陰影候補の検出を行なうことにより、当該領域についてのみ関心がある場合に、画像全体について異常陰影候補検出処理を行なう必要がないため、検出処理時間の短縮化を図ることができる。 【0065】 【発明の実施の形態】以下、本発明の異常陰影候補検出方法および異常陰影候補検出システムの具体的な実施の形態について図面を用いて説明する。 【0066】図1は、本発明の異常陰影候補検出方法を実施する本発明の異常陰影候補検出システムの一実施形態を示すブロック図である。図示の異常陰影候補検出システム10は、入力された全体画像信号Sが表す全体画像Pに対して階調処理、周波数処理等の画像処理を施す全体画像処理手段4と、全体画像処理手段4により信号処理された処理済全体画像P′等を表示する画像表示手段6と、全体画像Pのうち、後述する領域指定手段3から入力された指定領域Ppについて、異常陰影候補Cを検出する異常陰影候補検出手段1と、異常陰影候補検出手段1により検出された異常陰影候補Cを含む局所画像Ppを処理済全体画像P′よりも強調するように、当該局所画像Ppを強調処理する局所画像処理手段5と、画像表示手段6に表示された全体画像P′のうち、異常陰影候補Cの検出を試みようとする一部の領域を指定して異常陰影候補検出手段1に入力する領域指定手段2とを備えた構成である。 【0067】ここで全体画像信号Sは、例えば図2に示すような患者の乳房放射線画像を表すマンモグラフィPが蓄積記録されている蓄積性蛍光体シートに励起光を照射することにより発生せられた輝尽発光光を光電的に読み取り、その後にデジタル変換して得られた画像信号(高濃度高信号レベルの信号)である。なおマンモグラフィP中には、腫瘤陰影候補や微小石灰化陰影候補等の異常陰影候補Cが存在するものである。 【0068】また表示手段6は、全体画像P′と異常陰影候補Cを含む局所画像Pp′を表示面上に各別に表示してもよいが、本実施形態においては、全体画像P′を表示しつつこの全体画像P′のうち異常陰影候補Cの画像部分Ppだけは局所画像処理手段5により画像処理された局所画像Pp′に置き換えて表示するものである。 【0069】異常陰影候補検出システム1は詳しくは、入力された全体画像Pのうち領域指定手段2から入力された領域の画像信号について、異常陰影候補を検出するための所定の演算処理(前述したアイリスフィルター処理により画像中の腫瘤陰影の候補を自動的に検出し、モフォロジー演算により微小石灰化陰影の候補を自動的に検出するなどのアルゴリズム)を施して異常陰影候補Cを検出するとともに、その演算処理の結果を値(アイリスフィルター出力値I、モフォロジー演算出力値P(i,j),Mgrad等)として出力する。なお、異常陰影候補Cが検出されなかった場合にも、当該指定された領域についての上記演算結果の出力値を異常陰影候補の検出結果として出力する。 【0070】領域指定手段2としては、例えば、画像表示手段6の画像表示面上に全体画像P′とともに表示される矢印のカーソルを当該表示面上で自在に移動させるマウス等のポインティングデバイスを適用するのが、領域指定を簡単に行う上で好ましい。 【0071】次に本実施形態の異常陰影候補検出システム10の作用について説明する。 【0072】まず、異常陰影候補検出システムにマンモグラフィPを表す全体画像信号Sが入力され、この全体画像信号Sは異常陰影候補検出手段1と全体画像処理手段4にそれぞれ入力される。全体画像表示手段4は、入力された全体画像信号Sに対して、前述した信号処理を施して処理済マンモグラフィP′を表す処理済全体画像信号S′を得、これを画像表示手段6に出力する。画像表示手段6は、入力された処理済全体画像信号S′を可視画像(処理済マンモグラフィ)P′としてその表示面上に表示する。 【0073】ここで、医師等の画像読影者は、例えば乳房の触診検査による結果等に基づいて、異常陰影候補Cの存在を確認しようとする領域Ppを、この表示面に表示されたマンモグラフィP′上で、マウス等の領域指定手段2により指定する(図3)。なお、図2,3においては、異常陰影候補Cが可視画像として明瞭に存在しているように描写しているため、当該領域を指定すれば足りるが、実際にはこのように明瞭に存在しているか否かが可視的に分からない場合が多く、触診検査の結果、例えば痼り(腫瘤陰影に対応するもの)等が存在すると思われる乳房の部位に対応する、マンモグラフィP′上における領域が指定される。 【0074】そして、領域指定手段2により領域指定された領域Ppは、異常陰影候補検出手段1に入力される。異常陰影候補検出手段1は、入力された全体画像信号Sのうち、領域指定手段2から入力された領域Ppを表す画像信号Spについてのみ、前述した異常陰影候補の検出処理(アイリスフィルター処理により画像中の腫瘤陰影の候補を自動的に検出し、モフォロジー演算により微小石灰化陰影の候補を自動的に検出する処理)を施して異常陰影候補Cを検出するとともに、その演算処理の結果を値(アイリスフィルター出力値I、モフォロジー演算出力値P(i,j),Mgrad等)として出力する。このとき、異常陰影候補検出手段1は、入力された全体画像Pの極一部分の領域についてのみ異常陰影候補の検出処理を行うだけであるため、その検出処理時間は、全体画像Pに対して行うのに比べて格段に短縮される。 【0075】検出された異常陰影候補Cを含む指定領域Ppを表す局所画像信号Spは局所画像処理手段5に入力され、全体画像P′よりも強調された処理済局所画像信号Sp′として画像表示手段6に入力され、また演算処理の結果値は異常陰影候補としての適格度としてそのまま画像表示手段6に入力される。画像表示手段6は、全体画像処理手段4から入力された処理済全体画像P′と、局所画像処理手段5から入力された処理済局所画像信号Sp′を表す処理済局所画像Pp′とを可視像として、その表示面上に表示するとともに、演算処理の結果値を各異常陰影候補としての適格度として表示する(図4)。なお、画像表示手段6に表示された全体画像P′のうち、局所画像処理手段5から入力された処理済異常陰影候補Cを含む局所領域(指定領域)Pp′に対応する領域については、当該局所領域Pp′に置換して表示される。 【0076】以上の作用により、画像読影者は、画像表示手段6に表示された全体画像P′のうち、指定した領域Ppについて、異常陰影候補Cの存在有無を迅速に確認することができるとともに、その表示された検出の結果値を視認して、触診検査の結果と併せて、総合的な判断を従来よりも迅速に行うことができる。 【0077】なお、本実施形態の異常陰影候補検出システム10は、領域指定手段2により指定された領域についてのみ異常陰影候補の検出処理をなすものとした構成の実施形態であるが、領域指定手段2に代えて、同一被写体について取得された他の画像(例えば過去の画像)において異常陰影候補が既に検出されている領域に対応する領域を、異常陰影候補の検出処理対象とするように領域設定する領域設定手段3を備えたものとして、本発明の異常陰影候補検出方法・検出システムを構成することもできる。 【0078】すなわち図5に示すような構成の異常陰影候補検出システム10′を適用して、異常陰影候補の検出処理対象である本画像Pが図6(1)に示すものであり、この図に示した被写体と同一被写体についての過去の画像P0が同図(2)に示すものであるとき、過去画像P0において異常陰影候補C0が検出された領域Pp0に対応する本画像Pにおける領域Ppを、異常陰影候補の検出処理対象として、領域設定手段3により自動的に領域設定し、異常陰影候補検出手段1が、その設定された領域Ppのみについて検出処理を施すようにすればよい。なお図6に示すように両画像P,P0が、そのサイズ、画像中における構造物(異常陰影候補,正常陰影・正常構造物等)についての位置関係が略等しい場合を除き、図5に示すように、両画像P,P0の位置関係を、例えば図6に示す胸壁と乳房との境界線(図中破線で示す)を基準線として、両画像P,P0の位置関係を対応させる位置合わせ手段7を備えた構成とするのが好ましく、領域設定手段3が、過去画像Pにおいて検出された異常陰影候補C0の存在領域(基準線からの距離L0)に対応するように、本画像Pにおいて基準線からの距離Lにおける領域を設定すればよい(図中左右方向の位置関係については、乳房の輪郭線を基準とする等して決定すればよい)。 【0079】上述した各実施形態の異常陰影候補検出システムにおいては、1つの指定領域についてのみ異常陰影候補の検出処理を施すものとして説明したが、本発明の異常陰影候補検出方法・検出システムにおいては、この態様に限るものではなく、2つ異常の領域を指定し、その指定された2以上の領域について、それぞれ異常陰影候補の検出処理を施すものとしてもよい。 【0080】さらに各実施形態の異常陰影候補検出方法・検出システムにおいては、異常陰影候補検出手段を、指定または設定された一部の領域について異常陰影候補の検出処理を行うものとして説明したが、画像全体Pについて検出処理を施すことと、画像Pの一部領域Ppについてのみ検出処理を施すこととを、選択的に切換え可能なものとしてもよく、異常陰影候補の検出目的に応じて適宜切り換えて検出処理を行うことができて非常に便利である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005201 【氏名又は名称】富士写真フイルム株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月8日(2000.6.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073184 【弁理士】 【氏名又は名称】柳田 征史 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−346787(P2001−346787A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月18日(2001.12.18) |
| 【出願番号】 |
特願2000−172245(P2000−172245) |
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