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【発明の名称】 直冷式勾配コイル
【発明者】 【氏名】アルツール カインドル

【氏名】ロタール シェーン

【氏名】ヨハン シュスター

【要約】 【課題】コイルに埋設され冷却材で貫流される冷却管によって直接冷却されるMR設備用の勾配コイルを、大きな冷却管長を回避し、単純な構造で効果的に作動し、これによって、勾配コイルの高い出力設計を可能にするように改良する。

【解決手段】互いに平行に、好適には勾配コイルの軸線に対して平行に延びる冷却管(2、2′、2″)を、熱交換器モジュール(1)の形にまとめ、このモジュールの各冷却管を、モジュールの冷却材入口(3)と冷却材出口(4)との間の距離の最大長がコイル高さの2倍に相当するように、互いに連結する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コイルに埋設され冷却材で貫流される冷却管によって直接冷却されるMR設備用の勾配コイルにおいて、互いに平行に好適には勾配コイルの軸線に対して平行に延びる冷却管(2、2′、2″)が、熱交換器モジュール(1)の形にまとめられ、このモジュール(1)の各冷却管が、モジュール(1)の冷却材入口(3)と冷却材出口(4)との間の距離の最大長がコイル高さの2倍に相当するように、互いに連結されたことを特徴とする直冷式勾配コイル。
【請求項2】 モジュール(1)の冷却管(2、2″)が、片側端において共通の冷却材入口(3)に連結され、反対端において共通の冷却材出口(4)に連結されたことを特徴とする請求項1記載の勾配コイル。
【請求項3】 冷却材入口(3)および/又は冷却材出口(4)が、冷却管(2、2′、2″)に比べて大きな横断面積を持つ管寄せ(5、6)に、好適にはその中央に開口することを特徴とする請求項2記載の勾配コイル。
【請求項4】 冷却材が、戻り管(7、7″)を介して冷却管(2、2′、2″)に対し平行に、勾配コイルの冷却材入口(3)付き供給側端面まで戻されることを特徴とする請求項2又は3記載の勾配コイル。
【請求項5】 戻り管(7、7″)が、横断面積を大きくされ横断面長円形あるいは長方形をなし、その半径方向寸法が冷却管(2、2″)の半径方向寸法に相当することを特徴とする請求項4記載の勾配コイル。
【請求項6】 モジュール(1)の全冷却管の一部、好適には半分(2′)が戻り管として使われ、冷却材入口(3)を設けた側において互いに連結されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の勾配コイル。
【請求項7】 熱交換器モジュールが、円筒セグメントとして、好適には勾配コイルの巻線中間室に組み入れるために形成されたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の勾配コイル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイルに埋設され冷却材で貫流される冷却管によって直接冷却されるMR設備用の勾配コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】MR設備用の勾配コイルでは、大きな電気的損失のため非常に多量の熱が生ずる。この熱は、積極的な冷却により効果的に排出せねばならない。この放熱の主な理由は、さもなければ一方では患者が許容できない高い温度に曝され、他方では利用される注型樹脂材料がそのガラス転移温度以上に加熱されてしまうためである。注型樹脂材料がそのガラス転移温度以上に加熱されると、その機械的特性が急激に変化し、成形樹脂に亀裂が入りあるいは境界面が剥離してしまい、この結果、局部放電開始電圧が低下してしまう。利用材料(銅、ガラス繊維強化プラスチック、注型成形樹脂)の高温での熱膨張差の増大に伴い、状況は一層厳しくなる。その許容最高温度は、出力設計の際の不利な限界を意味する。
【0003】勾配コイルの冷却方式には、コイル巻線に冷却材が貫流する中空電気導体を設けることによって冷却する方式のほかに、一般に普及している実施形態では、金属製あるいはポリアミド製冷却ホースを密に巻回し、2つの層を介して損失熱を排出する方式がある。そのホース材料は、しばしば熱伝導率が悪く(ホース壁に温度勾配を生じ)、このため最適な冷却ができない。またこの欠点の他に、通常利用される配置構造において、殊にスパイラル状に巻回された構造物が存在し、冷却材の入口と出口との間の距離が約50mに及び、長いホース長が生ずるという欠点がある。その結果、配管内に大きな圧力損失が生じ、これは、注型成形継手部品に漏れを生じさせ、この漏れは、勾配コイルが注型成形品であるため、後で除くことは非常に難しいか、殆ど不可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、長い冷却管長を回避して、単純な構造で効果的に作動し、これによって、勾配コイルの高い出力設計を可能にするような勾配コイルの直冷方式を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題は、本発明に基づいて、コイルに埋設され冷却材で貫流される冷却管によって直接冷却されるMR設備用の勾配コイルにおいて、互いに平行に、好適には勾配コイルの軸線に対して平行に延びる冷却管を、熱交換器モジュールの形にまとめ、このモジュールの各冷却管を、モジュールの冷却材入口と冷却材出口との間の距離の最大長がコイル高さの2倍に相当するように、互いに連結することにより解決される。
【0006】本発明に基づいて、冷却材で貫流される管の長さを最大でも僅かコイル高さの2倍に形成することによって、圧力損失が小さくなり、これはまた、前圧を低くすることを可能にする。これは更に、特に壁厚を薄くし、従って熱抵抗を減少して良好に設計することを可能にし、この結果、勾配コイルの加熱周辺部位からの熱の吸収性が向上する。互いに平行に延びる冷却管群を、それぞれ冷却材の入口と出口とを備えたモジュールを形成するように配置することによって、従来公知の勾配コイルにおいて考慮されていたようなコイル形平面冷却器の手間のかかる冷却コイルの巻回作業を省くこともできる。
【0007】モジュールの冷却管は、片側端において共通の冷却材入口に連結され、反対端において共通の冷却材出口に連結される。そのような構造の第1実施態様において、冷却材入口および/又は冷却材出口は、冷却管に比べて横断面積が大きくされている管寄せに、好適にはその中央で開口する。もっともその場合、入口および出口は互いに、勾配コイルの反対側端面に置かれる。これは、そのような勾配コイルを従来通りに製造する際に問題を生ずる。即ち通常、勾配コイルは巻回後に型枠内において注型成形され、注型樹脂が型枠内に下から上に注入される。このために、片側端面は注型樹脂で塞がれ、従ってそこに、外に導き出される冷却材入口あるいは出口を配置することは困難である。
【0008】この問題を解消するために、本発明に基づく第2の実施態様において、冷却材は、戻り管を介して、冷却管に対して平行に、勾配コイルの冷却材入口付き供給側端面まで戻される。その戻り管は、片道冷却管に比べて横断面積が大きくなければならない。その形成は特に、戻り管が横断面長円形あるいは長方形をなし、その半径方向寸法が冷却管の半径方向寸法に相当するように行われる。これによって、そのような戻り管付きの冷却管から成るモジュールは、一様な厚さを有し、従って例えば勾配コイルの互いに連続する巻線層間に、また勾配コイルの巻線中間室にも、特に円筒セグメントとして組み入れることができる。
【0009】更に本発明の枠内で、モジュールの全冷却管の一部、好適には丁度半分が戻り管として使われ、冷却材入口が設けられた側において互いに連結される。この場合、冷却管がそれぞれ勾配コイルの高さと同じ長さしか有していない上述の両実施態様と異なり、コイル高さの2倍の長さに相当する有効冷却管長が生ずる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図示の実施例を参照して本発明を詳細に説明する。
【0011】勾配コイルを効果的に直接冷却するため、本発明に基づき、本質的に円筒セグメントとして形成された熱交換器モジュール1を用いる。このモジュール1は互いに平行に延びる多数の冷却管2から成る。これら冷却管2は両端面で、全部一緒に又はグループに分けて、モジュール1の冷却材入口3と冷却材出口4との距離がコイル高さの2倍に相当する最大長となるよう、互いに連結されている。
【0012】図1の実施例の場合、冷却管2は片側(入口側)において共通の(入口)管寄せ5により互いに連結され、入口3は好適には管寄せ5の中央に開口する。冷却管2は反対側において同じように(出口)管寄せ6によって互いに連結されている。この管寄せ6は、集めた冷却水を戻り管7を介して、入口3と同じ側の端面にある出口4に戻す。戻り管7を大きな流量が通過する場合、冷却管長が短くなり、従って圧力降下が小さくなるという利点が生ずる。この利点を失わないようにするため、出口管寄せ6および戻り管7の横断面積は、全冷却管2の横断面積より大きくされている。冷却管2はホースあるいは金属管、例えば銅管である。冷却管2はその入口管寄せ5、出口管寄せ6および戻り管7と一緒にモジュールを形成する。このモジュールは予め製作された構造部品として、建造物内に存在する勾配コイル構造物内に挿入される。例えばそのようなモジュール1は、図5に示すように、コイル層8を覆う構造物として設けられ、この熱交換器モジュールの周りに、図示しないもう1つの勾配コイル巻線層が配置される。
【0013】なお、入口と出口の位置を逆にすることも勿論可能である。即ち入口3の場所に出口を、出口4の場所に入口を設けることができる。
【0014】図3における実施例の場合、冷却管2は同様に両側端面においてそれぞれ管寄せ5、6によって互いに連結されているが、入口3は片側端面に配置され、出口4はその反対側端面に配置されている。これは、たいていの勾配コイル構造形状において構造的な問題をひき起こす。
【0015】図4における配置構造の場合、入口3および出口4はモジュール1の同じ側の端面、即ちモジュール1が組み込まれる勾配コイルの同じ側の端面にある。全冷却管2の半分は送り路として使われ、この冷却管だけが管寄せ5を介して互いに連結され、入口3に接続されている。残り半分の冷却管2′は戻り路として使われ、管寄せ5内に配置された補助管寄せにより互いに連結され、出口4に接続されている。図において右側にある管寄せ6によって、冷却管2、2′は相互に連結され、これに伴い、冷却管2を通して右に搬送された冷却材は、冷却管2′を通して左に搬送されて戻され、出口4に送られる。
【0016】図5の実施例においては、戻り管7′の横断面積が図示のとおり大きく形成されている。この戻り管7′は断面長円形に形成され、その半径方向高さは、標準冷却管2の直径に相当している。図6は、各コイル層の導体構造物9間の中間室に、本発明に基づく熱交換器モジュール1を組み入れた勾配コイルの実施例を概略的に示す。そのような熱交換器モジュール1の組み入れは、全てのコイル層においてか、あるいは複数のコイル層において行われる。通常、異なるコイル層における導体構造物9は互いにずらされ、それに応じて、モジュール1も各コイル層において円周方向にずらして配置される。ここでも明らかなように、横断面矩形の戻り管7″は、冷却管2″よりかなり大きな横断面積を有している。
【出願人】 【識別番号】390039413
【氏名又は名称】シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS AKTIENGESELLSCHAFT
【出願日】 平成13年4月11日(2001.4.11)
【代理人】 【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
【公開番号】 特開2001−346778(P2001−346778A)
【公開日】 平成13年12月18日(2001.12.18)
【出願番号】 特願2001−112215(P2001−112215)