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【発明の名称】 減結合磁気共鳴RF受信コイル
【発明者】 【氏名】トーマス ケミレウスキ

【要約】 【課題】送信RF信号から、敏感な受信装置とコイルとを保護するための減結合手段の提供。

【解決手段】受信コイル(D1,D2)は、該コイルの周りに配置された第1減結合回路(28)を含む。サイクルの送信部分の間は、該減結合回路は、大電力RFパルスを感知すると共に該コイルを減結合させる。誘導子(40)を該コイルへ切り換えて接続して該受信コイルを減結合させるために高速スイッチング・ダイオード又はPINダイオードが送信RFパルスにより励起される。該コイルが使用されないサイクルの受信部分の間は、DCバイアスが該コイルに選択的に加えられて該ダイオードをオンにし、該コイルを能動的に減結合する。該DCバイアスは、保護のために前置増幅エレメント(48,48’)の入力を短絡させるようにダイオード・スイッチ(50,50’)もバイアスする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 無線周波数受信コイルであって、このコイルは:送信パルスに応答して該コイルを受動的に減結合するように該コイル(D)の周りに配置された複数の第1スイッチ回路(28)と;制御信号経路(P、P’)とを含んでおり、この経路を通してDCバイアスが該コイルに加えられて、該DCバイアスに応答して該コイルを能動的に減結合するように該第1スイッチ回路(28)がバイアスされるようになっていることを特徴とする無線周波数受信コイル。
【請求項2】 該DCバイアスによりバイアスされて前置増幅器(48,48’)の入力にAC短絡路を与える第2スイッチ回路(30,30’)を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の無線周波数コイル。
【請求項3】 該第1スイッチ回路(28)は:誘導性エレメント(40)と;所望の周波数で該誘導性エレメント(40)と並列共鳴するように選択される容量性エレメント(38)と;該誘導性エレメント(40)と直列のダイオード(42)の逆平行結合とを含んでおり、該ダイオード(42)は送信パルス及び該DCバイアスとの両方に応答して導通するように選択されることを特徴とする請求項2に記載の無線周波数コイル。
【請求項4】 該第2スイッチ回路(30,30’)は、該DCバイアスによって導通状態及び不導通状態にバイアスされるダイオード(50,50’)を含むことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の無線周波数コイル。
【請求項5】 該制御信号経路(P、P’)は:DC電流源と該コイルとの間の電気経路(32)と;該DCバイアスを該第1スイッチ回路及び該第2スイッチ回路(28,30,30’)へ経路割り当てするための少なくとも1つのDCブロッキング・コンデンサ(56)とを含むことを特徴とする請求項4に記載の無線周波数コイル。
【請求項6】 送信段階と受信段階とを有する画像データを得るための磁気共鳴作像システムであって、該システムは:作像領域にB場を生じさせるための主磁場生成器(A)と;該B場を横断する場勾配を生じさせるための勾配場生成器(B)と;共鳴周波数スペクトルを有するRFパルスを該作像領域に選択的に送って、該作像領域内の原子核を励起して磁気共鳴信号を生成するための無線周波数送信コイル(C)と;該送信段階中は減結合するように構成されていると共に該受信段階中は該磁気共鳴信号を受信するように構成されている受信コイル・エレメントの第1装置(D)と;該送信段階中は減結合するように構成されていると共に該受信段階中は選択的に減結合するように構成されている受信コイル・エレメント(D)の第2装置とを含むことを特徴とする磁気共鳴作像システム。
【請求項7】 受信コイル・エレメントの該第2装置は:該共鳴周波数スペクトルRF送信パルスにさらされたとき及びDCバイアス電流にさらされたときにコイル・エレメントが共鳴するのを防止する減結合回路(28)を含むことを特徴とする請求項6に記載の磁気共鳴作像システム。
【請求項8】 該減結合回路(28)は:該受信コイル・エレメントを該磁気共鳴周波数スペクトルに同調するように選択される容量性エレメント(38)と;選択的に該容量性エレメント(38)と並列となって該共鳴周波数スペクトルで並列共振する誘導性エレメント(40)とを含むことを特徴とする請求項7に記載の磁気共鳴作像システム。
【請求項9】 該誘導性エレメント(40)は、該誘導性エレメント(40)と直列のダイオード(42)の逆平行結合を含むスイッチによって切り換えられ、該ダイオード(42)は、該送信RFパルスの存在に応答して実質的な不導通状態から実質的導通状態に交互に切り替わるように選択されることを特徴とする請求項8に記載の磁気共鳴作像システム。
【請求項10】 該誘導性エレメント(40)は該誘導性エレメントと直列のダイオード(42)の逆平行結合によって切り換えられ、加えられたDCバイアスに応答して、選択されたダイオード(42)が実質的不導通状態から実質的導通状態に切り換えられることを特徴とする請求項9に記載の磁気共鳴作像システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴スキャナーのための無線周波数(RF)受信コイルに関する。本発明は、特に、作像プロセス中にRF受信コイルを絶縁又は減結合するために用いられる。けれども、本発明は、更に、単一のコイルの個々のコイル部分を絶縁したり、選択的RF信号受信が実行されるような他の技術分野にも使用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴作像(MRI)機械は、検査領域に主磁場を加える。この強い場は、通常はBと表示され、検査を受ける被験者の中の原子核を整列させる。或るMRI機械では、B場は水平に向けられ、他ではそれは鉛直に向けられる。
【0003】水平に向けられるシステム及び鉛直に向けられるシステムの両方において、通常はBと表示される割合に強い直交RF場によって、整列している原子核に磁気共鳴が励起される。B場は、整列している原子核或いはスピンを、静磁場Bに直交する平面内へ傾ける。時間が経つと、スピンは歳差運動をしながら比較的に弱い無線周波数(RF)共鳴信号を放射してB場と再整列する。この共鳴は、所望の特別の共鳴周波数に同調されているRFコイルによって検出される。それらの共鳴信号は、該信号を復元してビデオモニターで表示される画像にするために画像処理装置に渡される。
【0004】通常は、送信RF信号は、励起された原子核により生成されてRF受信コイルにより検出される磁気共鳴信号より数桁大きい。敏感な受信装置とコイルとを保護するために、作像処理手順の送信段階の間は受信コイルは普通は減結合或いは離調される。従って、2つの原理即ち能動的減結合及び受動的減結合のうちの一方を用いて、LC回路と関連させて半導体スイッチ又はPINダイオードにより受信コイルを減結合することが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】能動的減結合では、作像操作の送信段階の間は、コイルを減結合或いは離調するためにLC回路と関連するPINダイオードにバイアスがかけられる。受信装置のコイルを確実に減結合するために、技術が改良され、送信RFパルスの電力が増大し、スイッチング・ダイオードにますます大きなバイアス電流が使用されるようになっている。残念なことに、大きなバイアス電流は被験者の近くでB場に磁場歪みを生じさせ、得られる画像を悪くする。
【0006】受動的減結合では、LC回路と関連する逆平行ダイオード半導体スイッチも使用される。この方法では、逆平行に結合された高速スイッチング・ダイオードが送信パルス自体に応答してコイルを減結合する。換言すれば、逆平行に結合されたダイオードが大電力送信信号にさらされるとき、各ダイオードはそれぞれの半サイクルの間伝導する。この場合には、大電流は該コイルを減結合する並列共鳴LC回路と出会うことができるが、小電流は該並列共鳴LC回路と出会うことはできない。この方法は、バイアス電流を使用しないで、それに付随するB場の歪みを無くするけれども、コイルはRF送信パルスの間は常に減結合され、受信中は常に結合されている即ちアクティブである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの面に従って、磁気共鳴作像システムは、作像領域にB場を生じさせる主磁場生成器と、そのB場を横断する勾配を生じさせる勾配場生成器とを含む。無線周波数送信コイルは該作像領域にRFパルスを送って原子核を励起し、人が読める像に復元されるべき磁気共鳴信号を生成する。第1構成の受信コイル・エレメントは、送信段階の間は減結合するように構成されると共に受信段階の間は磁気共鳴信号を受信するように構成されている。第2構成の受信コイル・エレメントは、送信及び受信の両段階の間減結合するように構成される。
【0008】本発明の他の実施態様では、無線受信コイルは、該コイルの周囲に配置された複数の第1スイッチ回路を含む。その第1スイッチ回路は、送信パルスに応答して該コイルを受動的に減結合するようにバイアスされる。制御信号路も設けられ、これを通してDCバイアスが該コイルに加えられて、このDCバイアスに応答して該コイルを能動的に減結合するように該第1スイッチ回路がバイアスされる。
【0009】本発明の1つの利点は、磁気共鳴作像の送信段階の間はRF受信コイルを受動的に減結合できると共に受信段階の間は同じ減結合器を用いて該コイルを能動的に減結合できることである。
【0010】本発明の他の利点は、受信段階の間、低いスイッチング又はバイアス電流を用いてコイルを能動的に減結合して、他の能動的に減結合されているコイルと比べてB歪みを最小限にすることができることである。
【0011】本発明のもう一つの利点は、いろいろな用途のために局在する受信コイルを再構成し得ることである。
【0012】本発明のもう一つの利点は、他の局在するコイルとの干渉を引き起こすことなく受信コイルをMRシステムの寝台の中に永久的に或いは半永久的に据え付けることができることである。
【0013】次に、添付図面を参照して例を挙げて本発明を実施する方法を詳しく説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】図1を参照すると、磁気共鳴作像装置は、検査領域に一時的に一定の主磁場Bを確立するための主磁場生成器Aを含んでいる。勾配磁場コイルBは、作像領域の主磁場を横断する磁場勾配を選択的に生じさせる。RF送信コイルCは、無線周波数共鳴励起及び操作パルスを各送信/受信サイクルの送信部分の間に選択的に送信する。その大電力励起及び操作パルスは、作像領域に置かれている被験者の原子核に磁気共鳴を励起する。共鳴する原子核は、磁場の強度と、標的とされた特別の原子核などの他の変数とにより決まる周波数の無線周波数信号を生成する。磁気共鳴作像シーケンス・コントローラ10は、勾配コイルBのためのドライバーと、送信コイルCを駆動するための送信装置14とに機能的に接続されている。シーケンス制御装置10は、勾配及び共鳴励起パルスの生成と順序づけとを整合させる。
【0015】図示されている実施態様では、第1受信コイルDは、移動可能な患者用寝台16に半永久的に填め込まれており、第2受信コイルDは、所望されたときにのみ選択されて作像領域に置かれる。各送信/受信サイクルの受信部分の間、例えばDなどの、受信コイルのうちの選択された1つが受信したRF信号を受信装置18に渡す。2次元フーリエ変換作像プロセッサ等の作像装置20は、受信された無線周波数信号から1つ以上の電子画像表示を復元し、それらは画像メモリー22に記憶される。通常、該電子画像は作像体積の各ボクセル内の共鳴原子核の密度、位置、緩和時間、及びその他の特徴を表す。ビデオ・モニター、フラット・パネル・ディスプレイ、或いはその他の、人が読める表示機構24は、該電子画像表示のいろいろな部分を人が読みとれる画像に変換する。
【0016】単一周波数の、水平指向磁気共鳴作像システムに関して磁気共鳴作像システムを説明したけれども、開示されている原理は多周波数システム、垂直指向システム、オフアクシス・コイル、などにも等しく適用可能であることを当業者は認めるであろう。
【0017】ここで図2を参照すると、受信コイルDは、ピックアップ巻線26と、減結合回路28と、DCバイアス・ルート割当及び保護回路30とを含んでいる。受信された信号を(結合されているときに)受信装置18(図1)へ転送すると共に、該コイルを減結合することが望ましいときにバイアス電流をルート割当及び保護回路30に供給するためにポート32も設けられている。模範的モデルでは、コイルDは、患者用滑り寝台に半永久的に置かれ、従って作像手続きの全体にわたって作像領域中に存在する。従来通りに、コイルDは送信/受信サイクルの送信部分の間は減結合される。これは、受動的手法を用いることによって達成される。
【0018】受信サイクルの間は、図1の実施態様では他のコイルDが作像領域に存在する。もし無視されると、共に同じ共鳴周波数に同調されている2つのコイルの作像領域における存在は、該コイル同士の結合と他の望ましくない相互作用とを引きおこす原因となる。従って、コイルDも存在するときには受信の間はDCバイアスがコイルDに選択的に起動される。有利なことに、受信信号は割合に小さいために、数十ミリアンペア程度の、対応的に小さなバイアス電流がコイルDを効果的に減結合する。好ましいことに、このDCバイアスは該コイルに供給され、ピックアップ巻線26の減結合回路28を通して適切にルート割り当てされる。
【0019】ここで図3を参照すると、模範的コイルが示されている。MR受信コイルで普通に行われているように、容量性エレメント38同士は、コイルを指定された共鳴周波数に同調するためにコイル全体にわたって一定の間隔を保っている。これらの容量性エレメント38は、スイッチング・ダイオード又は高速PINダイオード等のスイッチ42を用いて並列の誘導性エレメント40を出し入れすることのできる場所を提供する。図示されているように、スイッチ42は、受動的スイッチングが行われるように逆平行に接続されている2つの高速スイッチング・ダイオードを含んでいる。この様なスイッチが大電力送信信号にさらされると、該スイッチ内の各ダイオードは、そのそれぞれの半サイクルの間導通する。これは減結合回路38の両端間に大きなインピーダンスを生じさせ、コイルを減結合する。
【0020】他のコイルが磁気共鳴信号を受信している間コイルD1を減結合しておくことが望ましい場合には、小さなDCバイアスがスイッチ42に加えられ、それが結合器をオンにし、該コイルを減結合する。実際、低電力送信サイクルにおける減結合を確保するために、送信サイクルの間もDCバイアスが加えられる。スレショルド電圧より高い電圧をコンデンサ38に誘導する大きな受信RF電流により受動的に、又は該スレショルドより大きなDCバイアスを加えることにより、コイルを減結合するためにダイオード・スイッチ42が導通状態に切り換えられる。該スレショルドは、言うまでもなく、共鳴信号によりコンデンサ38の両端間に誘導される電圧より高い。
【0021】続けて図3を参照すると、受信装置ポート32が示されていて、DCバイアスルート割当及び保護回路30が詳細に示されている。DC信号は前置増幅器48の上流側でRFポート32に加えられると共に、交流電流ブロックとして作用するダイオード50及び誘導性エレメント52を通しても加えられる。ダイオード50を通してのDCバイアスは前置増幅器48を遮断する。換言すると、送信サイクルの間、該DCバイアスは前置増幅器48の入力を保護のために短絡する。誘導子52はRFブロッキング作用を提供する。DCバイアスは同軸ケーブル54を通してコイルへ続く。コイルを通るDC電流の経路は図において矢Pで示されている。経路(P)に沿って回路の残りの部分に電流が流れるのを許し、該回路を特に受信時に減結合するために前置増幅器48は正にバイアスされ、ダイオード50は負にバイアスされる。DCブロッキング・コンデンサ56は、コイル26を巡るDCバイアスのための適切なルート割当を維持する。
【0022】ここで図4を参照すると、他の実施態様が示されていて、同様のコンポーネントは同様の参照数字で指示されており、類似するコンポーネントはプライム記号(’)で示されている。この実施態様では、DCバイアス電流経路は矢Pで示されている。明らかに、低電圧DC電流は、各減結合器28でコイルを減結合すると共に、ダイオード50’と、ダイオード50’をバイアスしてコイルを短絡する、即ちAC電流を前置増幅器48’へではなくてグランドへ流す誘導子52’とを通して経路を完成させる。即ち、該前置増幅器の入力はコンデンサを通してグランドへ“短絡され”、AC成分に関して短絡される。
【0023】図3及び4の両方を相互参照すれば、当業者は、大電力RF送信サイクルの間RF受信コイルが逆平行ダイオード・スイッチ42によって受動的に減結合されることを認識することができる。更に、DCバイアス電流は、受信サイクルの間RF受信コイルが作像システム内の他のコイルと結合しないことを保証する。更に、割合に低いDCバイアス電流はB場に悪影響を及ぼさない。
【0024】好ましい実施態様を参照して本発明を説明した。当然に、他人は、以上の詳しい記述を読んで理解したら修正及び部分的変更に想到するであろう。例えば、直角位相コイルなど、2つ以上のモードを支援するコイルにおいてモードを変更するために本発明を利用し得ることを技術者は認めるであろう。更に、大電力取り扱い能力(ダイオードを通る大rms電流)或いは低キャパシタンスを必要とする用途のために、図解されているスイッチング・ダイオードの代わりに高速PINダイオードを使用することができる。本発明は、添付の請求項の範囲内に属するあらゆる修正及び改変、或いはその同等物、を含むものと解されるべきである。
【出願人】 【識別番号】596177467
【氏名又は名称】マルコニ メディカル システムズ インコーポレイテッド
【出願日】 平成13年3月1日(2001.3.1)
【代理人】 【識別番号】100059959
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔 (外9名)
【公開番号】 特開2001−346777(P2001−346777A)
【公開日】 平成13年12月18日(2001.12.18)
【出願番号】 特願2001−107794(P2001−107794)