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【発明の名称】 X線検出器及びそれを使ったX線診断装置
【発明者】 【氏名】西木 雅行

【氏名】名渕 好一郎

【氏名】塚本 明

【氏名】山田 真一

【氏名】斎須 亨

【氏名】富崎 隆之

【氏名】田中 学

【氏名】永井 清一郎

【要約】 【課題】暗電流ノイズを高精度に除去できるX線検出器及びそれを使ったX線診断装置を提供すること。

【解決手段】X線が被検体に向けて曝射され、被検体を透過したΧ線を電荷信号に変換して蓄積するX線検出素子63を2次元的に配列したX線像検出器と、X線検出素子に蓄積された電荷の読み出しを制御する読出制御TFT62を備えたX線診断装置において、X線像検出器はX線曝射時に電荷の蓄積が行われないようにマスクされたX線検出素子63を備え、このマスクされたX線検出素子63の出力に基づいて電荷信号から暗電流ノイズを除去する差分回路68を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線を被検体に向けて曝射するX線発生手段と、前記被検体を透過したΧ線を電荷信号に変換して蓄積するX線検出素子を2次元的に配列したX線像検出部と、前記X線検出素子に蓄積された電荷の読み出しを制御する読出制御手段を備えたX線診断装置において、前記X線像検出部はX線曝射時に電荷の蓄積が行われないようにマスクされたX線検出素子を備え、このマスクされたX線検出素子の出力に基づいて前記電荷信号から暗電流ノイズを除去する補正手段を備えたことを特徴とするX線診断装置。
【請求項2】 前記被検体を透過したΧ線を電荷信号に変換して蓄積するX線検出素子を2次元的に配列したX線像検出部を有し、前記X線検出素子に蓄積された電荷を読み出して画像化することに診断に共するX線検出器において、X線が曝射された際に電荷の蓄積が行われないようにマスクされたX線検出素子を所定数備え、このマスクされたX線検出素子の出力を前記電荷信号に含まれる暗電流ノイズの除去に供することを特徴とするX線検出器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、X線を電気信号に変換する複数のX線検出素子が2次元的に配列されてなるX線検出器及びそれを使ったX線診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線(半導体)平面検出器は、被検体を透過したX線を検出する手段として、フィルム等を使用した撮像装置やI.I.(イメージング・インテンシファイア)−TV撮像装置等に将来置き換わる可能性のあるX線撮像装置であり、検出したX線像は、リアルタイムに表示器に表示することができ、しかもデジタルデータとして記憶(撮影)することができる。
【0003】図14(a)は、フィルム等を使用した撮像装置の一例を示す図である。X線管101から放射されたX線は被検体102に曝射され、この被検体102を透過したX線は、フィルム103に感光される。このフィルム103を現像すると、被検体102を透過したX線の画像が得られる。
【0004】また図14(b)は、I.I.−TV撮像装置の一例を示す図である。X線管101から放射されたX線は被検体に曝射され、この被検体102を透過したX線の画像は、I.I.104を介して光の画像に変換されて、光学系機構(レンズ等から構成される)105へ供給される。この光学機構105により光の画像は所望の大きさに集束され、焦点が合せられ、TVカメラ106により撮影される。
【0005】このTVカメラ106はカメラ制御器107により制御され、前記TVカメラ106から出力された画像信号は、前記カメラ制御器107により画像としてモニタ(CRT(cathode ray tube)ディスプレイ)108に表示される。
【0006】さらに、図15はX線平面検出器を使用したX線撮像装置の一例を示す図である。X線管101から放射されたX線は被検体102に曝射され、この被検体102を透過したX線は、X線平面検出器109に入射される。このX線平面検出器109からは前記TVカメラ106のように、カメラ制御器107により制御されて、各画素の信号が順次出力されるようになっており、この信号は、カメラ制御器107により画像としてモニタ108に表示される。
【0007】図16は、前記X線平面検出器の要部構成の一例を示す回路図である。図17は、前記X線平面検出器を構成するX線検出素子を示す回路図であり、図18は、実際のX線検出素子の要部構造を示す断面図である。
【0008】X線検出素子は、光を感知し、入射光量に応じた電荷を生成するフォトダイオード111と、このフォトダイオード111からの電荷を蓄積するコンデンサ(以下蓄積用コンデンサと称する)112と、この蓄積用コンデンサ112に蓄積された電荷を読み出すスイッチとして使用するTFT(薄膜トランジスタ)113とから構成されている。
【0009】なお、フォトダイオード111のカソード端子と蓄積用コンデンサ112の一方の端子との接続点は逆バイアス電源(−Vn)に接続され、フォトダイオード111のアノード端子と蓄積用コンデンサ112の他方の端子との接続点はTFT113のソース端子へ接続されている。
【0010】X線平面検出器109は、前記X線検出素子を1素子として、それを列(Column)及びライン(Row) にアレイ状に2次元的に配列して構成されている。さらに、TFT113のゲート端子は、ライン毎に共通に接続され、ゲートドライバ114の各ライン出力端子に接続されている。
【0011】このゲートドライバ114の各ライン出力端子から、それぞれ時間系列的に順番にパルス状の制御信号が出力するようになっており、このパルス状の制御信号により、同じラインのTFT113は同時にON動作するが、異なるラインのTFT113はそれぞれ時間系列的に順番にON動作する。
【0012】また、TFT113のドレイン端子は、列毎に共通に接続され、リードアウトアンプ(Read−out Amplifier)115とコンデンサ(以下時定数用コンデンサと称する)116とリセットスイッチ117とからなる積分回路を介して、マルチプレクサ118の各入力端子に接続されている。
【0013】このマルチプレクサ118は、前記ゲートドライバ114の各ライン出力端子から出力される1パルスの間に各入力端子に入力される信号をそれぞれ時間系列的に順番に1つずつ取込んでその出力端子から出力するようになっている。
【0014】従って、ゲートドライバ114の各ライン出力端子から出力されたパルス状の制御信号により、1ラインのTFT113が同時のON動作すると、蓄積用コンデンサ112に蓄積された電荷がTFT113を通過して出力され、この電流は積分回路にを介して電圧に変換され、マルチプレクサ118により順番に1つずつ(1ラインの1画素ずつ)出力される。このようにして1ラインの読取りが終了すると、次のラインの読取りが開始される。
【0015】すなわち、テレビジョンの走査線のように、ライン毎に各X線検出素子1個ずつ(1画素ずつ)順番に検出信号を読取って、1画面分の撮像データ(ビデオ信号)として出力するようになっている。
【0016】さらに、前記X線検出素子を2次元的に配列したもの上に、X線を光に変換する蛍光体が層状に形成されている。すなわち、支持体121上の複数のTFT領域にはゲート電極122が形成され、その上にSiNx層123が形成される。このSiNx層123の上には、TFT領域にはa−Si層124及びドレイン電極125、ソース電極126が形成される。なお、前記ドレイン電極125と前記ソース電極126とは、前記a−Si層124を介して接続されており、直接接続しないようになっている。
【0017】また、前記ドレイン電極125及び前記ソース電極126と前記a−Si層124との間の隙間にはn+ a−Si層127,128が形成される。以上によりTFT領域にTFTが形成される。
【0018】一方、支持体11上の複数のPD領域には、前記SiNx層123及び前記ソース電極126が形成されており、その上にn+ 層129、i層130、P+ 層131からなるPin構造のフォトダイオード111が形成されている。
【0019】前記複数個のTFT上には第1のポリイミド樹脂層132が形成され、前記複数個のフォトダイオード111上には透明電極133が形成されている。前記第1のポリイミド樹脂層132上には、前記各フォトダイオードの前記透明電極131間を接続する金属電極134が形成されている。
【0020】前記透明電極133及び前記金属電極134上には、第2のポリイミド樹脂層135が形成されている。この第2のポリイミド樹脂層135上には、透明保護膜136、蛍光体137、光反射層138が形成されている。
【0021】次に、X線画像を得る方法について説明する。上方から被検体を透過したX線が、光反射層138を透過して蛍光体137に入射される。このとき上方から入射される可視光は、光反射層138により反射されて蛍光体137には入射されないようになっている。
【0022】蛍光体137で入射X線のエネルギーは光のエネルギー(可視光)に変換され、この可視光が透明保護膜136及び第2のポリイミド樹脂層135を透過し、さらに透明電極133を介して可視光に感度のあるフォトダイオード111により受光される。
【0023】このフォトダイオード111により、光のエネルギーに比例した電荷量に変化され、蓄積用コンデンサ112に蓄積される。蓄積された電荷は、前述したように、データラインを通してライン毎に画素単位で読み出される。読み出された信号はX線のエネルギーに比例したもので、画素単位で読み出された信号を再構成することによりX線画像を再現することができる。
【0024】しかしながら、X線平面検出器109は、その構造上、X線が曝射されないときに、暗電流によってX線平面検出器109中の蓄積用コンデンサ112にノイズ電荷が蓄積される。このため、フォトダイオード111により蓄積用コンデンサ112に蓄積される電荷が制限されるため、広いダイナミックレンジを得る目的からX線の入射有無にかかわらず、常に読み出しを行うかX線を入射する直前に一度、空読み出しを行い、蓄積用コンデンサ112に蓄積された電荷(ノイズ電荷)を吐き出す動作が必要であった。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかし、常に読出しを行っている場合、X線の曝射タイミングをこの読出し周期に合せる必要があり、所望のタイミングにX線を曝射できず、操作性が悪いという問題があった。
【0026】また、読出し周期に合せて曝射時間が制限され、十分なX線量を被検体に曝射することができない虞があり、明確なX線画像が得られない虞があるという問題があった。
【0027】また、X線曝射前に、暗電流ノイズを各ライン毎に順次吐き出す空読出し動作をする方法では、作業者がX線を曝射しようとしてから準備の完了するまでに時間がかかり、即座にX線を曝射できないという問題があった。
【0028】そこでこの発明は、暗電流ノイズを高精度に除去できるX線検出器及びそれを使ったX線診断装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1対応の発明は、X線を被検体に向けて曝射するX線発生手段と、前記被検体を透過したΧ線を電荷信号に変換して蓄積するX線検出素子を2次元的に配列したX線像検出部と、前記X線検出素子に蓄積された電荷の読み出しを制御する読出制御手段を備えたX線診断装置において、前記X線像検出部はX線曝射時に電荷の蓄積が行われないようにマスクされたX線検出素子を備え、このマスクされたX線検出素子の出力に基づいて前記電荷信号から暗電流ノイズを除去する補正手段を備えたことを特徴とする。請求項2対応の発明は、前記被検体を透過したΧ線を電荷信号に変換して蓄積するX線検出素子を2次元的に配列したX線像検出部を有し、前記X線検出素子に蓄積された電荷を読み出して画像化することに診断に共するX線検出器において、X線が曝射された際に電荷の蓄積が行われないようにマスクされたX線検出素子を所定数備え、このマスクされたX線検出素子の出力を前記電荷信号に含まれる暗電流ノイズの除去に供することを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施の形態を図1乃至図4を参照して説明する。図1は、この発明を適用したX線撮像装置の要部構成を示すブロック図である。1は制御部である。この制御部1は、X線管球・X線管球駆動部等から構成されたX線発生部2に対して、所望のX線量を被検体に曝射するように制御する。また、被検体を透過したX線を検出するX半導体平面検出器3に対して、X線の曝射により蓄積された電荷の読取制御を行うようになっている。
【0031】前記制御部1には、図示しない操作パネルに設けられた曝射開始スイッチ1−1が接続されており、この曝射開始スイッチ1−1のオン操作により、前記X線発生部2へ曝射開始のタイミングが供給される。なお、この曝射開始スイッチ1−1は、前記制御部1ではなく操作性の利便性から前記X線発生部2に設けても良いものである。
【0032】図2は、前記X線平面検出器3の要部構成を示す回路図である。なお、このX線平面検出器3の構成は、従来の技術(図16,図17参照)で説明したものと同一であるので、ここではその説明は省略する。
【0033】前記制御部1が、X線発生部2におけるX線曝射のタイミング情報をゲートドライバ4に供給すると、このゲートドライバ4は、その供給されたX線曝射のタイミング情報に基づいて、全てのX線検出素子を同時に駆動するため、全てのラインに対して同一タイミングのONパルスの信号を出力するようになっている。
【0034】あるいは、図3に示すように、前記制御部1からのX線曝射のタイミング情報が供給されると、前記ゲートドライバ4は複数個(例えば3ライン)のラインを1ブロックとして、各ブロック毎に同一タイミングのONパルスの信号を出力するようになっている。
【0035】従って、リードアウトアンプと時定数用コンデンサとからなる積分回路5は、全てのライン又は複数個のラインのTFTがON動作して、それらのラインの全ての蓄積用コンデンサから蓄積電荷が同時に放電されても、それらの蓄積電荷を流すのに十分な耐電流特性(容量)を備えたものとなっている。
【0036】このような構成の第1の実施の形態においては、例えば図4に示すように、X線曝射とTFTとのタイミングが発生する。X線発生部2にてX線曝射のタイミングが発生し、制御部1はこのX線曝射のタイミングを得て、X線平面検出器3のゲートドライバ4に対してX線曝射のタイミング情報を供給する(時点t1)。
【0037】ゲートドライバ4は、このX線曝射のタイミング情報に基づいて、図2又は図3に示すように、全てのライン又は複数ラインを1ブロックとしたブロック毎に同一タイミングのONパルスの信号を出力する。このONパルスの信号が出力されたラインの全てのTFTがON動作して、このTFTに接続された蓄積用コンデンサに蓄積されている蓄積電荷(暗電流ノイズ)が放電され、リードアウトアンプと時定数用コンデンサとからなる積分回路へと流れる。このとき積分回路は、蓄積電荷(暗電流ノイズ)を積分しないようにしておくか、積分してもただちにリセットしてX線曝射による蓄積電荷の積分に影響のないようにする。
【0038】このようにして、蓄積用コンデンサに蓄積された暗電流ノイズの放電(排除)が終了すると、TFTがOFF動作して(時点t2)、蓄積用コンデンサはフォトダイオードにより再びX線曝射による電荷の蓄積が開始される。すなわち、図4において、時点t1からt2までの時間Aがノイズ掃き出し時間となり、時点t2からX線曝射が終了する時点t3までの時間Bが撮影時間、時点t1から時点t3までの時間CがX線の曝射時間となる。
【0039】このように第1の実施の形態によれば、X線の曝射タイミングに合せて、全てのライン又は複数個のラインのX線検出素子の蓄積用コンデンサに蓄積されている暗電流ノイズ等の電荷を同時に掃き出すことにより、暗電流ノイズ等の蓄積電荷の掃き出し時間を大幅に短縮することができ、所望のタイミングにX線撮像を行うことができる。
【0040】この発明の第2の実施の形態を図5を参照して説明する。この第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態の構成(図1,図2,図16,図17参照)と同一構成となっているので、ここでは構成の説明は省略する。
【0041】この第2の実施の形態において、X線曝射とTFTとのタイミングは、図5に示すように発生する。曝射開始スイッチ1−1を術者がON操作する(時点t4)と、まず、TFTの第1ラインからTFTの第nラインまでの全てのラインに同一タイミングのONパルスの信号を出力する。このONパルスの信号が出力されたラインの全てのTFTがON動作して、このTFTに接続された蓄積用コンデンサに蓄積されている蓄積電荷(暗電流ノイズ)が積分回路へ放電される。
【0042】このようにして、暗電流ノイズの放電が終了してTFTがOFF動作すると、X線曝射が開始される(時点t5)。このX線曝射により、蓄積用コンデンサにはフォトダイオードからの電荷が蓄積される。そして、曝射開始スイッチ1−1を術者がOFF操作する(時点t6)とX線曝射が終了し、TFTの各ラインに順次ONパルス信号が供給されて、蓄積用コンデンサの蓄積電荷の読取りが行われる。なお、X線曝射時間が予め設定された最大許容曝射時間を越える場合には、術者の曝射開始スイッチ1−1のOFF操作がなくとも、自動的にX線曝射を終了するようになっている。
【0043】すなわち、図5において、時点t4から時点t5までの時間Dがノイズ掃き出し時間となり、時点t5から時点t6までの時間EがX線の曝射時間となり、時点t6以降の時間Fが読取り時間となる。
【0044】このように第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な効果を得ることができ、さらにX線の曝射開始の前に暗電流ノイズ等の電荷を掃き出すことができるので、X線の無駄な曝射を防止することができる。
【0045】この発明の第3の実施の形態を図6乃至図8を参照して説明する。前述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、制御部1とX線発生部2とが直接接続されており、X線曝射のタイミングを直接X線発生部2から得るか又は制御していたのに対して、この第3の実施の形態では、制御部1がX線発生部2と接続されていない場合に間接的にX線曝射のタイミングを得る幾つかの方法を説明する。
【0046】図6は、X線曝射のタイミングを得る第1の方法の構成を示すブロック図である。制御部11には、X線平面検出器12のX線入射面又はその背面に設けられたX線検出センサ13から出力されるX線検出信号が入力される。
【0047】このX線検出センサ13は、前記X線平面検出器12のX線入射面に配置される場合には、X線を透過する材料で形成されたものを使用し、なるべく前記X線平面検出器12の不感部分に配置する。また、前記X線平面検出器12のX線入射面の背面に配置される場合には、前記X線平面検出器12から漏れてくるX線を検出するため、X線感度が高いものが使用される。
【0048】図7は、X線曝射のタイミングを得る第2の方法の構成を示すブロック図である。制御部14には、X線平面検出器15の端にある1個(1画素)のX線検出素子又は1ラインの(複数個の)X線検出素子から構成されたX線センサ部15−1から出力されるX線検出信号が入力される。
【0049】図8は、X線曝射のタイミングを得る第3の方法の構成を示すブロック図である。制御部16には、被検体にX線を曝射するX線発生部(図示せず)を構成するX線管球17に流れる電流を検出する電流検出センサ18から出力される電流検出信号が入力される。
【0050】このような構成の第3の実施の形態においては、X線検出センサ13、又はX線検出素子、又は電流検出センサ18によりX線曝射のタイミングが検出され、この検出信号が制御部11,14,16に供給される。
【0051】制御部11,14,16はX線曝射のタイミングを得て、X線平面検出器12,15,19の各ゲートドライバに対してX線曝射のタイミング情報を供給する。以降は前述した第1の実施の形態と同じ動作となるので、ここではその説明は省略する。このように第3の実施の形態によれば、前述した第1及び第2の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0052】この発明の第4の実施の形態を図9及び図10を参照して説明する。図9は、この発明を適用したX線撮像装置の1画素(1個のX線検出素子)周辺の要部構成を示すブロック図である。21は制御部である。この制御部21は、ゲートドライバ22、及び積分回路23を構成するスイッチ23−1をそれぞれ後述するように制御する。
【0053】この逆バイアス電源−Vnからの電力は、X線検出素子を構成するフォトダイオード24のアノード端子及びこのフォトダイオード24に並列に接続されたコンデンサ(以下蓄積用コンデンサと称する)25の一端に供給される。前記フォトダイオード24のカソード端子と前記蓄積用コンデンサ25の他端との接続点はTFT26のソース端子に接続されている。
【0054】前記ゲートドライバ22には、ライン(Row) 毎に設けられたゲート駆動ラインが接続され、前記各TFT26のゲート端子にそのゲート駆動ラインが接続されている。前記各TFT26のドレイン端子は、列(Column)毎に設けられたデータ信号ラインを介して積分回路23に接続され、この積分回路23の出力端子はマルチプレクサ(図示せず)へ接続されている。
【0055】前記積分回路23は、前記スイッチ23−1、リードアウトアンプ(Read−out Amplifier)23−2及びコンデンサ(以下時定数用コンデンサと称する)23−3から構成されている。前記リードアウトアンプ23−2の反転入力端子に、前記TFT26のドレイン端子(データ信号ライン)が接続され、その反転入力端子と出力端子との間に前記スイッチ23−1と前記コンデンサ23−3とからなる並列回路が接続されている。なお、前記リードアウトアンプ23−2の非反転入力端子はグラウンド(0V)に接続されている。
【0056】このような構成の第4の実施の形態において、図10に示すようなタイミングで制御が行われる。X線曝射を行う前(時点t7まで)は、ゲートドライバ22からゲート駆動ラインを介して供給するΤFT制御信号を正電位にしてTFΤ26を常にON状態とし、また積分回路23のスイッチ23−1はON状態とする。これによつて、暗電流ノイズは、蓄積用コンデンサ25からTFΤ26、データ信号ライン、積分回路23を介して掃き出される。
【0057】次に、制御部21からX線の曝射開始信号がONになる(時点t7)と、X線発生部はX線の曝射を開始し、これと同時にゲートドライバ22はΤFT制御信号を零電位(負電位)にしてΤFT26をOFFにする。次に、制御部21からX線の曝射開始信号がOFFになる(時点t8)と、X線発生部はX線の曝射を停止する。そして、X線の曝射終了後、蓄積された電荷を読み出す前(t9より前)までに、積分回路23のスイッチ23−1をOFF状態にしてから、その後時点t9から順次信号を読み出す。
【0058】このようにこの第4の実施の形態によれば、X線の曝射タイミングより前では、ΤFΤ26をONにして常に暗電流ノイズが蓄積用コンデンサ25に蓄積されないようになっているので、X線の曝射と同時に電荷の蓄積を開始することができる。よって、暗電流ノイズ等の蓄積電荷の掃き出し時間が短く、前述した第1、第2及び第3の実施の形態よりもX線の曝射を無駄にすることなく、所望のタイミングでX線撮像を行うことができる。
【0059】この発明の第5の実施の形態を図11を参照して説明する。図11は、この発明を適用したX線撮像装置の要部構成を示すブロック図である。31は制御部である。この制御部31は、前述した第1の実施の形態と同様に、X線発生部32及びX線平面検出器33を制御すると共に、このX線平面検出器33への電力の供給を制御する電源制御部33−1を制御するようになっている。
【0060】すなわち、前述した第4の実施の形態と同様に、X線の曝射タイミングの前では、X線平面検出器33(特にこのX線平面検出器33を構成する蓄積用コンデンサ)への電力供給を遮断(停止)する。そしてX線の曝射タイミングが発生すると、X線平面検出器33への電力供給を行う。このようにこの第5の実施の形態によれば、前述した第4の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0061】この発明の第6の実施の形態を図12を参照して説明する。図12は、この発明を適用したX線撮像装置のX線平面検出器の要部構成を示す回路図である。なお、このX線平面検出器と前述した第1の実施の形態で説明したX線平面検出器(図2参照)との異なる点は、マルチプレクサから出力されたシリアル信号から暗電流ノイズ(他のノイズ(固定パターンノイズ)を含む)を除去するシェーディング補正を行う回路を設けた点である。
【0062】すなわち、X線曝射した後、ゲートドライバ41からライン毎にTFT42をONにする信号が時間系列的に出力される。すると、ライン毎にTFT42に接続されたX線検出素子からX線の曝射により蓄積された電荷が、データ信号ラインとして出力される。なお、このX線検出素子43は、従来の技術(図15,図16)で説明したように、フォトダイオードと蓄積用コンデンサとから構成されている。
【0063】ライン毎に時間系列的に出力された電荷は、列毎にリードアウトアンプ及び時定数用コンデンサ(この時定数用コンデンサに蓄積された電荷を放電(リセット)するスイッチは省略している)から構成された積分回路44を介してそれぞれ、マルチプレクサ45の各入力端子に入力される。このマルチプレクサ45は、前記各積分回路44からの出力を時間系列的に選択してシリアル信号として出力する。
【0064】このシリアル信号はA/D変換器46に入力される。このA/D変換器46では、アナログのシリアル信号をデジタル信号(デジタルデータ)に変換して出力する。この出力されたデジタルデータは減算器47に入力される。この減算器47には、演算処理回路48が接続され、シェーディング用の補正データ(ノイズ量データ)が供給されるようになっている。
【0065】この演算処理回路48には、X線検出素子(各画素)毎に単位時間当たりのノイズ量データが予め記憶されたメモリ49及び前回のX線画像の読取りからのライン毎の蓄積時間を計時する蓄積時間計時回路50が接続され、前記メモリから対応するX線検出素子の単位時間当たりのノイズ量データが供給され、蓄積時間計時回路50からは対応するラインの蓄積時間データが供給される。
【0066】従って、この演算処理回路49は、メモリ48からの単位時間当たりのノイズ量のデータ及び前記蓄積時間計時回路50からの蓄積時間データに基づいてそのデジタルデータに含まれている蓄積ノイズ量を算出し、この蓄積ノイズ量データをシェーディング用補正データとして前記減算器47に供給する。
【0067】この減算器47は、前記A/D変換器46から直接供給されたデジタルデータから蓄積ノイズ量データを減算して出力するようになっている。また、前記A/D変換器46と前記メモリ48とは接続されており、予め単位時間当たりのノイズ量を設定する時に、前記A/D変換器46から前記メモリ48へ単位時間当たりのノイズ量データが供給される。
【0068】このような構成の第6の実施の形態において、メモリ49には、予めX線検出素子毎に単位時間当たりのノイズ量データが記憶されている。例えば、暗電流ノイズの掃き出しを行った後、X線を曝射しないで単位時間待機して(撮影して)読取りを行い、この時A/D変換器46から出力されるデジタルデータをそのままノイズ量データとしてメモリ49にX線検出素子毎に記憶する。また、蓄積時間計時回路50により、前回のX線画像の読取りからの経過時間(蓄積時間)が計時される。
【0069】このような状態で、実際にX線を曝射してX線画像の読取りを行うと、A/D変換器46から出力されたデジタルデータは、メモリ49からの単位時間当たりのノイズ量データ及び蓄積時間計時回路50からの蓄積時間データに基づいて、演算処理回路48で算出された蓄積ノイズ量データが減算されて、暗電流ノイズや固定パターンノイズのないX線曝射によるデータとなる。
【0070】このように第6の実施の形態によれば、X線検出素子毎に単位時間当たりのノイズ量を記憶したメモリ49と、前回のX線画像の読取りからの蓄積時間を計時する蓄積時間計時回路50と、その単位時間当たりのノイズ量及び蓄積時間のデータに基づいて蓄積ノイズ量データを算出する演算処理回路48と、A/D変換器46からのデジタルデータから蓄積ノイズ量データを減算する減算器47とを設けたことにより、読取ったデジタルデータから暗電流ノイズによる影響を排除して正確なX線画像を得ることができる。
【0071】従って、X線の曝射タイミングの前に全てのX線検出素子について暗電流ノイズの除去を同時に行った場合に、読取りのラインの順番で、最初に読取るラインのX線検出素子からの検出データと最後に読取るラインのX線検出素子からの検出データとでは、最後に読取るラインのX線検出素子の方が暗電流ノイズが多くなり、1画面のX線画像において、暗電流ノイズによる影響にライン毎に差が生じるという問題があるが、この第6の実施の形態により、この暗電流ノイズによるライン毎の影響の差を簡単に解消できるという効果を得ることができる。
【0072】この発明の第7の実施の形態を図13を参照して説明する。図13は、この発明を適用したX線撮像装置のX線平面検出器の要部構成を示す回路図である。
【0073】X線曝射した後、ゲートドライバ61から各ライン毎にTFT62をONにする信号が時間系列的に出力される。すると、各ライン毎にTFT62に接続されたX線検出素子からX線の曝射により蓄積された電荷が、データ信号ラインとして出力される。なお、このX線検出素子63はそれぞれ、従来の技術で説明したように、フォトダイオードと蓄積用コンデンサとから構成され、これらのX線検出素子63のうち1列(最端列)のX線検出素子のX線入射面にはX線を遮蔽するマスク64が設けられている。
【0074】ライン毎に時間系列的に出力された電荷は、列毎にリードアウトアンプ及び時定数用コンデンサ(この時定数用コンデンサに蓄積された電荷を放電(リセット)するスイッチは省略している)から構成された積分回路65へ入力される。
【0075】前記マスク64が設けられた列の積分回路65の出力端子は、第1の抵抗66及び第2の抵抗67からなる直列分圧回路を介してグラウンド(0V)に接続されている。
【0076】一方、他の列の積分回路65の出力端子は、それぞれ差分回路(差動増幅回路)68を構成するオペアンプの反転入力端子へ抵抗69を介して接続されている。前記第1の抵抗66と前記第2の抵抗67との接続点(分圧出力点)は、前記差分回路68の各オペアンプの非反転入力端子に接続されている。
【0077】この差分回路68の各出力端子はそれぞれ、マルチプレクサ70の各入力端子に接続される。このマルチプレクサ70は、前記各差分回路68からの出力を時間系列的に選択してシリアル信号として出力する。このシリアル信号はA/D変換器71に入力される。このA/D変換器71では、アナログのシリアル信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0078】このような構成の第7の実施の形態においては、例えば全てのX線検出素子63について暗電流ノイズの同時掃き出しを行った後、X線を被検体に曝射すると、マスク64が設けらていない各X線検出素子では、検出した透過したX線量に応じた電荷が蓄積されるが、一方マスク64が設けられた各X線検出素子63では、暗電流ノイズ(その他の各種ノイズを含む)が電荷として蓄積される。
【0079】X線の曝射を終了して、ライン毎に時間系列的に読出しを行うと、マスク64が設けられた1つのX線検出素子62からは、暗電流ノイズを示す電荷が出力され、この電荷を示す電圧が第1の抵抗と第2の抵抗との接続点から出力され、各差分回路68により、他のX線検出素子62からの検出信号とその暗電流ノイズの電圧との差が増幅されてマルチプレクサ70に出力される。すなわち、X線の曝射により電荷が蓄積された他のX線検出素子63からの検出信号から暗電流ノイズに相当する電圧を差し引いてマルチプレクサ70へ出力することになる。
【0080】このようにこの第7の実施の形態によれば、所定の1列のX線検出素子へ入射されるX線を遮蔽するマスク64と、これらのX線検出素子63から出力される暗電流ノイズに対応する電圧をマスク64を設けない他のX線検出素子63からの検出信号からにより差し引く差分回路68とを設けたことにより、前述した第6の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0081】さらに、この第7の実施の形態では、X線曝射前の暗電流ノイズの掃き出し方法において、1ライン毎に掃き出す方法においても、また複数ライン毎のブロック毎に掃き出す方法でも、さらに全てのラインを同時に掃き出す方法においても、いずれの場合においても、正確に暗電流ノイズの除去を行うことができる。また、前述した第6の実施の形態とこの第7の実施の形態とを組合わせるとより暗電流ノイズの除去においてより高い効果を得ることができる。
【0082】そこで、X線曝射前に第1の実施の形態乃至第5の実施の形態を適切に組合わせて使用し、X線曝射後のX線画像データの読取り時には、第6の実施の形態と第7の実施の形態との組合わせた方法を使用すると、暗電流ノイズによる影響の排除においてより高い効果を得ることができる。
【0083】なお、X線平面検出器を構成するリードアウトアンプと時定数用コンデンサとからなる積分回路(5,23,44,65)は、X線検出素子の列毎にマルチプレクサの入力端子側に設けられていたが、これに限定されるものではない、例えばマルチプレクサの入力端子側には設けずに、マルチプレクサの出力端子側に1個だけ設けても良いものである。このようにすれば、積分回路の個数を減らすことができ、回路が単純になり基板を小さくコストを下げることができる。
【0084】また、X線平面検出器の構成として、マルチプレクサを使用しない方法もある。すなわち、X線検出素子の列毎に設けられた積分回路にそれぞれA/D変換器を接続して、このA/D変換器からの出力を時間系列的に選択して取り込むようにすれば良いものである。
【0085】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、暗電流ノイズを高精度に除去することができる。
【出願人】 【識別番号】594164531
【氏名又は名称】東芝医用システムエンジニアリング株式会社
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成7年11月7日(1995.11.7)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開2001−340324(P2001−340324A)
【公開日】 平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願番号】 特願2001−75973(P2001−75973)