| 【発明の名称】 |
静電容量型計測装置及び呼吸計測装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 寿史
【氏名】阿部 武司
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| 【要約】 |
【課題】対象物の微少な変化を示す状態量を対象物と電極板との静電容量を利用し計測する。
【解決手段】対象物100(人体)と電極板26との間の静電容量及びその変化に比例したパルス幅を持つパルスをローパスフィルタ回路30で平滑化する。パルスが平滑化された低周波成分信号に含まれる直流成分信号及び交流成分信号をそれぞれ直流成分検出回路34及び交流成分検出回路32により検出する。呼吸解析部40は、両信号に基づいて人体の呼吸状態を解析する。解析結果は目的に応じて表示装置42、警報装置44、記録装置46、通信装置48に送られ処理される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対象物に対向して設けられた電極板と、周期的な基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記対象物と前記電極板との間の静電容量に応じて前記基準信号の波形を変化させ、それに基づく容量情報信号を出力する容量情報検出手段と、前記容量情報信号の低周波成分を抽出する低周波成分抽出手段と、前記低周波成分における交流成分を検出する交流成分検出手段と、を含むことを特徴とする静電容量型計測装置。 【請求項2】 請求項1記載の装置において、前記低周波成分における直流成分を検出する直流成分検出手段と、前記直流成分及び前記交流成分に基いて、前記対象物の状態を解析する解析手段と、を含むことを特徴とする静電容量型計測装置。 【請求項3】 請求項2記載の装置において、前記解析手段は前記直流成分及び前記交流成分の一方を基準として他方を解析することを特徴とする静電容量型計測装置。 【請求項4】 請求項2記載の装置において、前記解析手段は前記直流成分のレベルに基いて前記対象物の有無を判定することを特徴とする静電容量型計測装置。 【請求項5】 請求項2記載の装置において、前記解析手段は前記交流成分の波形に基いて前記対象物の変位を演算することを特徴とする静電容量型計測装置。 【請求項6】 周期的な方形波信号を発生する方形波発信器と、対象物との間の静電容量を計測するための電極板と、前記方形波信号を所定の回路特性にしたがって遅延させ、参照遅延信号を出力する第一の遅延信号発生回路と、前記方形波信号を前記所定の回路特性及び前記静電容量にしたがって遅延させ、目的遅延信号を出力する第二の遅延信号発生回路と、前記参照遅延信号と前記目的遅延信号を時間的に比較し、前記静電容量に応じたパルス幅を持った周期的なパルス信号を発生する遅延時間検出回路と、前記周期的なパルス信号の低周波成分を抽出するローパスフィルタ回路と、前記低周波成分に含まれる交流成分及び直流成分に基いて、前記対象物の状態を解析する解析部と、を含むことを特徴とする静電容量型計測装置。 【請求項7】 周期的な基準信号を発生する基準信号発生手段と、人体との間の静電容量を計測するための電極板と、前記人体と前記電極板との間の静電容量に応じて前記基準信号の波形を変化させ、それに基づく容量情報信号を出力する容量情報検出手段と、前記容量情報信号の低周波成分を抽出する低周波成分抽出手段と、前記低周波成分に基いて、前記人体における呼吸状態を解析する解析手段と、を含むことを特徴とする呼吸計測装置。 【請求項8】 請求項7記載の装置において、前記解析手段は、前記低周波成分に基いて、人体の存否を判定する存否判定手段と、前記低周波成分に基いて、人体の呼吸状態を解析する呼吸解析手段と、を含むことを特徴とする呼吸計測装置。 【請求項9】 請求項8記載の装置において、前記呼吸解析手段は、前記存否判定手段が人体存在と判断したとき、起動することを特徴とする呼吸計測装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は静電容量型計測装置に関し、特に人体の呼吸の解析などに適した計測装置に関する。 【0002】 【従来の技術】対象物と電極板との間の静電容量を検知する装置として、例えば特開平7−332917号公報及び実公昭63−36246号公報に記載された静電容量型計測装置が知られている。 【0003】これらの装置は、パルス発生回路と二つの遅延回路を含んでおり、一方の遅延回路は電極板に接続されている。各々の遅延回路はパルス発生回路からのパルス信号をそれ自身の回路特性に応じて遅延させるが、電極板と接続されている方の遅延回路はパルス信号を更に対象物と電極板との静電容量に応じて遅延させる働きをもっている。したがって、対象物が近づくことによる静電容量変化に応じて、その遅延時間も変化し、その結果、両回路のパルス遅延時間の時間差が変化する。この時間差と既定の基準値とを比較し、その大小関係から対象物が近接しているか否かを判定していた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の静電容量型計測装置は、対象物の近接或いは存否といった大きな変化のみを計測するものに過ぎず、対象物の微少な変化を計測するように使用されていなかった。 【0005】一方、近年、我が国において高齢者の占める割合が増加しており、それに伴って病気或いは老齢が原因で介護を必要とする人も増加傾向にあるが、介護者の増員に関しては十分な対応はできておらず大きな社会問題となっている。したがって、介護者が常時付添えない場合があり、介護者がいなくてもできるだけ被介護者の状態をモニタリングできるような装置が望まれている。 【0006】本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、対象物のより微少な変化を示す状態量についても計測可能な静電容量型計測装置を提供することにある。 【0007】また別の目的は、人体の動き(特に呼吸)の計測に適する静電容量型呼吸計測装置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、対象物に対向して設けられた電極板と、周期的な基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記対象物と前記電極板との間の静電容量に応じて前記基準信号の波形を変化させ、それに基く容量情報信号を出力する容量情報検出手段と、前記容量情報信号を入力し、低周波成分を抽出する低周波成分抽出手段と、前記低周波成分における交流成分を抽出する交流成分抽出手段と、を含むことを特徴とする。 【0009】上記構成によれば、低周波成分検出手段によって、静電容量の情報を含んだ容量情報信号の低周波成分を抽出することができ、さらに、交流成分抽出手段によって、前記低周波成分における交流成分を抽出することで静電容量の時間変化に関する情報を知ることができる。それゆえ、その情報から、対象物の微少な振動状態や形状変化、及び内部の誘電率変化等を知ることができる。 【0010】ここで、電極板の形状は平板状のものに限らず、対象物の形状に応じて好適な形状を取り得る。また、電極板は対象物と接触していても、していなくてもよい。また、交流成分抽出手段は交流成分の出力が小さい場合にはそれを増幅する手段も含んでもよい。 【0011】望ましくは、前記低周波成分における直流成分を抽出する直流成分抽出手段と、前記直流成分及び前記交流成分に基いて、前記対象物の状態を解析する解析手段と、を含む。 【0012】上記構成によれば、直流成分検出手段により、低周波成分から直流成分を抽出することができる。ここで直流成分とは前記交流成分に比べその周波数が十分低いものをいう。また前記解析手段により、低周波成分における直流成分と交流成分の一方、或いは両方から対象物に関する様々な情報を解析できる。 【0013】また、望ましくは、前記解析手段は前記直流成分及び前記交流成分の一方を基準として他方を解析することを特徴とする。上記構成によれば、前記解析手段により、例えば、直流成分及び交流成分のうち、一方の成分が特定の条件下にある場合に他方の状態を解析することができる。 【0014】本発明の好適な態様では前記解析手段は前記直流成分に基いて前記対象物の有無を判定することを特徴とする。また、前記解析手段は前記交流成分に基いて前記対象物の変位を判定することを特徴とする。 【0015】本発明の好適な態様では、周期的な方形波信号を発生する方形波発信器と、対象物との間の静電容量を計測するための電極板と、前記方形波信号を入力し、その方形波信号を所定回路の特性にしたがって遅延させ、参照遅延信号を出力する第一の遅延信号発生回路と、前記方形波信号を入力し、その方形波信号を前記所定の回路特性及び前記静電容量にしたがって遅延させ、目的遅延信号を出力する第二の遅延信号発生回路と、前記参照遅延信号と前記目的遅延信号を比較し、前記静電容量に応じたパルス幅を持った周期的なパルス信号を発生する遅延時間検出回路と、前記周期的なパルス信号を入力し、低周波成分を抽出するローパスフィルタ回路と、前記低周波成分に基いて、前記対象物の状態を解析する解析装置と、を含むことを特徴とする。 【0016】本発明の別の好適な態様では、周期的な基準信号を発生する基準信号発生手段と、人体との間の静電容量を計測するための電極板と、前記基準信号を入力し、前記対象物と前記電極板との間の静電容量に応じて前記基準信号の波形を変化させ、それに基く容量情報信号を出力する容量情報検出手段と、前記容量情報信号を入力し、低周波成分を抽出する低周波成分抽出手段と、前記低周波成分に基いて、前記人体における呼吸状態を解析する解析手段と、を含むことを特徴とする。 【0017】上記構成によれば、例えば、人体の有無を検知することができ、また呼吸周期、呼吸量等の呼吸状態に関する量を解析できる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に従って説明する。 【0019】図1は本発明の実施形態に係る呼吸計測装置10の全体構成を示す図である。また図2は呼吸計測装置10の各構成回路の入/出力波形が示されている。なお、図1において示されている記号(a)〜(f)は、図2で示されている各入/出力波形を示す記号(a)〜(f)に対応している。呼吸計測装置10は例えば在床中の人の呼吸状態をモニタするために用いられる。 【0020】図1にしたがって、呼吸計測装置10における各回路の構成及び動作について説明する。 【0021】図1において、方形波発振器12からの方形波信号(図2(a)参照)が並列的に遅延回路14、16に入力される。ここで、方形波信号の周期Tは例えば10μs程度である。但し、計測対象や目的に応じて、これ以外の信号波形を使用してもよく、また信号周期も適宜選択可能である。 【0022】遅延回路14は抵抗18及び波形整形回路22を含み、遅延回路16は抵抗20及び波形整形回路24を含む。遅延回路14のみが対象物100に対向して設けられた電極板26と接続されている。 【0023】本実施形態における呼吸計測装置10においては、対象物100は人体であり、電極板26は例えば寝床(図示せず)の上方に、在床状態にある人体と対向するよう設けられる。目的に応じては、寝床内部に埋め込んで、人体の下方に位置するよう配置すこともできる。また、図1において、図示されている電極板は一枚であるが、複数設置することも可能である。本実施形態においては、対象物100は人体であるが、図示される呼吸計測装置10の構成は人体以外の対象物に使用されてもよい。 【0024】前記遅延回路14は対象物100と電極板26との間の静電容量ΔC、遅延回路14内部の静電容量C(図示せず)、及び抵抗18の値Rによる積分効果により方形波信号の立ち上がり/下がり時間を遅延させ、方形波信号を変形させる。変形した方形波信号は波形整形回路22によって再度方形波に整形される。 【0025】一方、遅延回路16に入力された方形波信号も遅延回路16内部の静電容量C(図示せず)及び抵抗20の値Rに応じて変形される。変形された方形波信号は波形整形回路24によって再度方形波に整形される。波形整形後の両信号は遅延時間検出回路28に入力される。本実施形態では、遅延回路16の内部の静電容量と抵抗の値は遅延回路14のものと同じ値に設定されているが、それらの値は、遅延回路14内部の静電容量及び抵抗による積分作用と同一の作用を生じるものであればよい。図2には各回路の出力波形を示しており、(c)は波形整形回路22の入力波形であり、(b)は波形整形回路24の入力波形である。 【0026】波形(c)は静電容量ΔC、遅延回路14内部の静電容量C、及び抵抗18の値Rにより、また波形(b)は遅延回路16内部の静電容量C、及び抵抗20の値Rにより変形させられている。波形(c)は、静電容量ΔCの効果のため、波形(b)よりも、方形波信号からの変形の度合いが大きく、信号の立ち上がり/下がりに要する時間は(b)に比べ長いことがわかる。 【0027】同図において、波形(e)及び(d)はそれぞれ波形整形回路22及び波形整形回路24からの出力を示す。波形(e)及び(d)は方形波に整形されており、波形(a)と比較すると、ほぼ、前述の波形(c)及び(b)における信号の立ち上がり/下がりに要する時間分だけ位相が遅れているのがわかる。ここで、波形(d)の位相は反転しているが、これは回路構成上の都合によるものである。 【0028】図1の遅延時間検出回路28は図2に示した波形(e)及び(d)の論理積を取ることにより、両波形の遅延時間の差ΔTをパルス幅とするパルス信号を出力する。図2の(f)は遅延時間検出回路28によって出力されたパルス信号の波形を示す。ΔTの大きさは例えば数nsである。但しΔtは静電容量ΔCによらない回路特性(C、Rに由来する)に対する遅延時間である。 【0029】ここで得られたパルス信号は静電容量ΔCの情報を含む容量情報信号である。ちなみに、電極板26を含まない方の遅延回路16の出力は、遅延回路14の出力に対する参照信号の役割として機能しているに過ぎず、方形波発振器12の出力を使用することで遅延回路14による単独の評価が可能であれば省略しても構わない。 【0030】図1に戻ると、ローパスフィルタ回路30は前述のパルス信号を平滑化し、低周波成分信号を出力する。パルス信号の振幅をVAとすると、低周波成分信号の出力電圧Vはおおむね、VA×(ΔT/T)と近似できる。出力電圧Vは上式からも明らかなようにΔTに反映された静電容量ΔCに依存している。 【0031】方形波信号の周期Tに比べて、パルス信号の時間幅ΔTは極めて小さいため、パルス信号のままではその幅の変化を解析するのは一般に困難であり、装置も大掛かりなものとなる。そこで、前記パルス信号を平滑化したアナログ信号としての低周波成分信号を得ることにより、その出力電圧Vの変化として静電容量ΔCの変化を読み取るようにしている。なお、可能であれば、パルス信号に直接デジタル処理を施して静電容量変化を読み取ってもよい。 【0032】低周波成分信号は、その後二つに分割され、一方は交流成分検出回路32に入力され、他方は呼吸解析部40に入力される。なお、後述するように、必要ならば呼吸解析部40に入力される低周波成分信号を独立して設けられた直流成分検出回路34に通過させて呼吸解析部40に入力してもよい。 【0033】交流成分検出回路32は、ハイパスフィルタ回路36と増幅回路38とからなる。まず、ハイパスフィルタ回路36によって、低周波成分のうち交流成分信号が検出され、その後、その信号が増幅回路38によって増幅される。したがって、交流成分信号の変動が小さい場合でもその時間変化を精度よく検出することが可能になる。 【0034】一方、低周波成分信号から直流成分が評価できる用途においては、直流成分検出回路34を独立に設ける必要はない。このため本実施形態においては、特に直流成分検出回路34にあたるものを設けていない。それを示すために図1では前記直流成分検出回路34が破線で示されている。以下、「直流成分検出信号」という語は上述の意味で使用される。 【0035】直流成分検出回路34を設ける場合には、例えば、前記ローパスフィルタ回路30よりもさらにカットオフ周波数の低いローパスフィルタ回路等によって低周波成分信号のうちの直流成分信号を検出する。ここで、直流成分信号とは低周波成分信号のうち、実質的にオフセット成分とみなせるものであり、その時間変化のスケールが前記交流成分信号のものと比べて十分大きいものをいう。 【0036】検出された交流成分信号からは、ΔCの変動成分が得られ、直流成分信号からは、静電容量ΔCの平均値に相当する情報が得られる。すなわち、直流成分検出信号は対象物の有無に、交流成分検出信号は対象物の変位を反映するものである。 【0037】本実施形態においては、対象物が人体であり、その目的が人体の呼吸状態の解析にあるが、上記の構成により、交流成分検出回路は、人体の呼吸変動に関する情報を得ており、前記直流成分検出回路からは人体の存否の情報を得ている。 【0038】直流成分信号及び交流成分信号の検出例を図3に示す。図3(a)及び図3(b)においては、前述した、電極板26が配置されている寝床に、時刻t0付近に、人が近づき、時刻t1まで在床して、その後、寝床から離れた場合のケースを想定したシミュレーション上での直流成分/交流成分信号が示されている。 【0039】図3(a)には直流成分信号の出力電圧が示され、図3(b)には交流成分信号の出力電圧が示されている。 【0040】図3(a)において、時刻t0まで電圧の値はV0で一定であるが、人がベッドに近づいて横になると電圧がV1付近まで上がり、しばらくして、人が在床し落ち着くと電圧の値はV1で一定に保たれているのがわかる(図中、Iの部分)。時刻t1まで電圧値は一定であり、その後、人が起き上がり離床すると、電圧は再度V0付近まで下がり、しばらくして元のV0で一定状態に戻る。ちなみに、図中、II、IIIの波形変化は、本回路の特性により生じた波形の不安定状態を表わしている。 【0041】したがって、電圧の値が不安定状態から移行して定常状態になった場合の値を測定することによって、人が在床しているか否かを判断できる。 【0042】図3(b)において、在床時以前及び離床時以降の電圧値は0である。図3(a)の直流成分信号において、振幅が小さくてあらわに見えなかった、在床時の人の呼吸運動による静電容量変化に対応した周期的な電圧波形が、増幅回路によって増幅されているのがわかる(図中、I参照)。 図3(c)は実測されたデータを示しており、電圧波形の周期は4秒程度と人の呼吸周期に対応しているのがわかる。ちなみに、図3(b)中、II、及びIIIの部分は、電圧の値が飽和している。これは、図3(a)におけるII及びIIIの部分の波形が、ハイパスフィルタ回路36で十分抑圧されずに、増幅された結果である。 【0043】図1に戻って、呼吸解析部40は直流成分信号及び交流成分信号に基づいて対象物(人体)に関する解析を行い、解析結果を表示装置42、警報装置44、記録装置46、通信装置48に出力する。後述するが、解析結果は具体的には在床信号、離床信号、呼吸周期信号、呼吸周期異常信号等である。 【0044】呼吸解析部40の一実施形態が図4に示されている。同図において、呼吸解析部40は在床/離床検出部50と呼吸計測部52を含んでいる。在床/離床検出部50は直流成分信号に基づいて在床/離床信号を前述の各装置及び呼吸計測部52に出力する。一方、呼吸計測部52は交流成分信号及び在床/離床信号に基づいて呼吸周期信号及び呼吸周期異常信号を前述の各装置に出力する。なお、在床/離床検出部50及び呼吸計測部52の具体的な動作については、フローチャートを用いて、図5及び図6に基づいて後述する。 【0045】図1に戻って、表示装置42は前記解析結果に基づき、寝床での人体の有無、呼吸周期、呼吸周期の異常の有無を、例えば光或いは音声を利用して表示する。そうすれば、視覚や聴覚によって認識できる表示信号は、その取り扱いが簡単であるため、表示装置42自身を小型、軽量にすることができる。 【0046】警報装置44は前記解析結果に基づいて、後述する呼吸周期異常信号を受信した場合に警報を発報し、在床者の呼吸異常を例えば医療機関等であれば付近のナースセンタや待機している介護者に知らせることができる。 【0047】記録装置46も前記解析結果を記録することができるので、在床履歴や在床時の呼吸周期の変化等を後日分析することができる。また、記録装置46は図7に示すように直流成分信号及び交流成分信号を直接的に別々に記録するようにしてもよい。 【0048】また呼吸解析部40と表示装置42、警報装置44、及び記録装置46との接続はケーブル等により延長可能で、これら各装置は人が在床している場所から遠く離して設置することも可能である。 【0049】通信装置48は、前記解析結果を例えば、管理センタなどへ送信するようにしてもよい。その場合には、前記解析結果を呼吸計測装置10から離れた場所で受信し、緊急事態が生じれば、至急、担当員が当該場所に駆け付けることができる。 【0050】次に、呼吸解析部40の具体的な動作を、図5〜図6に示される在床/離床検出部50及び呼吸計測部52の処理過程にしたがって説明する。 【0051】図5には、在床/離床検出部50の動作を示すフローチャートが示されている。まず、呼吸計測装置の動作開始時または外部からの初期化信号を在床/離床検出部50が受信すると、S101では、直流成分信号の時間変化を測定し、それが一定範囲内にあるか否かを判定する。これは離床時における静電容量ΔCの値がほぼ一定であることを確かめるためである。こうすることにより、離床時において、寝床付近の環境が安定しているか否かを判断できる。ここで直流成分信号が一定範囲に無い場合は、環境が安定していないと判断し、もう一度直流成分信号の測定を繰り返す。S102では、S101の条件が満たされると、直流成分信号の平均値を算出し、その値に基づきS103で離床時基準値の設定が行われる。ここで設定された離床時基準値を離床時の直流成分信号のゼロ点とみなし、前記離床時基準値と直流成分信号との差を有意な信号変化分とみなす。こうすることにより、たとえば電極板の配置による特有の容量値等を考慮に入れ、離床判定を行うことができる。なお、離床時基準値としては前述したものに限らず、例えば平均値を取らずに直接直流成分信号を使用してもよいし、S101で直流成分信号が一定範囲にあると判断した後のいずれかの直流成分信号、或いは判断後の一定期間内における直流成分信号の平均値を使用してもよい。 【0052】その後、S104で直流成分信号の測定を継続し、S103で設定された離床時基準値との差をもとめ、その差が前もって決められた在床閾値を超えているか判定を行う。S104で在床閾値を超えたと判定された場合、再度S105で直流成分信号の変化量が時間的に一定範囲内に有るか否かの判定が行われる。これは、在床時における静電容量ΔCの値がほぼ一定であることを確かめるためである。ここで、前記変化量が一定範囲内にあれば、人が安定してベッド内に在床していると判断し、S106において在床信号を外部に出力する。 【0053】なお、S104における判断に際し、判断基準として在床閾値と比較する際には、各時点の直流成分信号を用いても、一定期間内に於ける平均値を用いても構わない。 【0054】在床信号出力後、S107で直流成分信号の平均値を算出しS108でその値に基づき在床時基準値の設定を行う。ここで設定された在床時基準値を在床時の直流成分信号のゼロ点とみなし、在床時基準値と直流成分信号との差を有意な信号変化分とみなす。こうすることにより、たとえば人の体型や寝相による違いを考慮して在床判定が行うことができる。なお、在床時基準値としては前述したものに限らず、例えば平均値を取らずに直接直流成分信号を使用してもよいし、S105で直流成分信号が一定範囲にあると判断した後のいずれかの直流成分信号、或いは判断後の一定期間内における直流成分信号の平均値を使用してもよい。 【0055】その後、直流成分信号の測定を継続し、S108で設定された在床時基準値との差をもとめ、その差が前もって決められた離床閾値を超えているか判定を行う。S109で離床閾値を超えたと判定された場合、再度S110で直流成分信号の変化量が時間的に一定範囲内に有るか否かの判定が行われる。これは、離床時における静電容量ΔCの値がほぼ一定であることを確かめるためである。ここで、前記変化量が一定範囲内にあれば、人がベッドから離れていると判断し、S111において離床信号を外部に出力する。 【0056】なお、S109における判断に際し、判断基準として、離床閾値と比較する際には、各時点の直流成分信号を用いても、一定期間内に於ける平均値を用いても構わない。 【0057】また、離床/在床時基準値は所定の値を用いてもよい。ここで在床/離床判断に際しては、例えば差動増幅器等が使用される。 【0058】以上の処理によれば、直流成分信号に基づいて、信頼性の高い安定した在床/離床判定を行うことができる。 【0059】なお、在床/離床検出部50の動作からも明らかなように、低周波成分信号が入力されている解析部40で事実上、直流成分信号の検出が行われている。 【0060】図6には、呼吸計測部52の動作を示すフローチャートが示されている。 【0061】まず、S200において、呼吸計測部52が在床/離床検出部50から在床信号を受け取ると、人が安定した在床状態に有ると判断し、S201で交流成分信号に基づいて、呼吸周期の算出を開始する。呼吸周期の算出方法としては、所定の時間内における交流成分信号データに基づき、それをフーリエ変換して周波数分布を調べる方法等がある。 【0062】次に、呼吸周期算出中、S202で在床/離床検出部50から離床信号が入力された場合はS203で呼吸周期の算出を停止する。S202で離床信号が無い場合には、呼吸周期算出を継続し、S204で、算出結果を呼吸周期信号として外部に出力する。 【0063】続いて、S205で前もって定められた時間内における呼吸周期の平均値を算出する。S206において、S205で求められた呼吸周期の平均値に基づいて呼吸周期が正常範囲内に有るか否かを判定する。もし正常範囲に有ればステップS201に戻り上述の過程を繰返す。 【0064】正常範囲に無いと判定した場合には、S207において呼吸周期異常信号を外部に出力し、その後、S201に戻り上述の過程を繰返す。 【0065】ここで、呼吸周期が正常か否かを判定する具体的な方法は、たとえば、呼吸周期の平均値から一分間の平均呼吸数を算出しその値が、10回未満或いは20回以上であれば呼吸状態が異常であると判断する。なお、交流成分信号の振幅から呼吸の強弱を推定することも可能で、そのレベルが所定の値より低い場合に呼吸異常と判定してもよい。 【0066】上記の呼吸計測処理においては、呼吸周期の算出方法及び呼吸周期異常判定方法は前述したものに限らない。例えば、呼吸周期を求める方法としては、所定の時間内における交流成分信号データを複数用意し、それらの相互相関値を利用する方法等もある。また、呼吸周期を測定する代わりに、ゼロクロス法等により一定期間における呼吸数を測定してもよい。 【0067】また、他の実施形態に係る呼吸解析部およびその解析結果の表示装置の一例を図8に示す。直流レベル比較回路54は直流成分検出回路34からの直流成分信号とある閾値とを比較した後、物体の有無を判定する。また、交流レベル比較回路56は交流成分検出回路32からの交流成分信号とある別の閾値と比較することによって、物体の変位に関する判定を行う。それらの解析結果が表示装置42に表示される。この実施例では直流成分信号と交流成分信号が独立して並列に解析されるので装置を簡単に構成できる。 【0068】また、本実施形態の構成は呼吸計測に限るものではない。また対象物は人体に限らず、物質であってもよく、例えば液面の測定等に用いてもよい。 【0069】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、対象物の近接或いは存否といった大きな変化ばかりでなく、対象物の微少な変化を計測することができる静電容量型計測装置を提供することができる。特に人体の動きの計測に適する呼吸計測装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000108085 【氏名又は名称】セコム株式会社 【識別番号】592072344 【氏名又は名称】武蔵野電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年5月31日(2000.5.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075258 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−340318(P2001−340318A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月11日(2001.12.11) |
| 【出願番号】 |
特願2000−161720(P2000−161720) |
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