| 【発明の名称】 |
磁気共鳴イメージング装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】谷井 由美子
【氏名】高橋 哲彦
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| 【要約】 |
【課題】静磁場不均一が大きい場合でも適切なアンラップの開始点を決定し、オフセットのない静磁場不均一分布図を得る磁気共鳴イメージング装置を実現する。
【解決手段】2つの異なるエコー時間TE1、TE2から、画像データS1、S2の互いの位相差分画像602を得る。この位相差分画像602を静磁場不均一の値が0となる位置を検出する。画像データS1の位相と、画像データS2の位相とが共に0とる位置を探し、位相差分画像602の静磁場不均一の値が0となる位置のうち、画像データS1の位相と、画像データS2の位相が0とが共に0となる位置をアンラップ処理の開始点に設定する。これにより、静磁場不均一が大きい場合であっても、適切なアンラップの開始点を決定し、オフセットのない静磁場不均一分布図を得ることが可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】被検体から発生される磁気共鳴信号を検出する信号検出部と、この信号検出部が検出した磁気共鳴信号に所定の信号処理を行う信号処理部とを備える磁気共鳴イメージング装置において、上記信号検出部は、エコー時間が互いに異なる第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とを検出し、上記信号処理部は、上記検出された第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とから第1の画像データと第2の画像データとを算出するとともに、第1の画像データと第2の画像データとの位相差分データを算出し、算出した位相差分データと、第1の画像データと、第2の画像データとの3種類のデータに基づいてアンラップ処理の開始点を決定し、アンラップ処理を行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 【請求項2】請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記信号処理部は、上記位相差分データからアンラップ処理の開始点を複数選出し、選出した複数のアンラップ処理の開始点のうちから、上記第1の画像データと第2の画像データとを用いて、1つのアンラップ処理の開始点を決定することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 【請求項3】請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージング装置において、静磁場不均一の値が0又は0に近い値をアンラップ処理の開始点と定めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 【請求項4】請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記静磁場不均一の値が0又は0に近い点は、位相差分データが0又は0に近い位置のうち、上記第1の画像データの位相及び第2の画像データの位相が0又は0に近い位置と定めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 【請求項5】被検体から発生される磁気共鳴信号を検出する信号検出部と、この信号検出部が検出した磁気共鳴信号に所定の信号処理を行う信号処理部とを備える磁気共鳴イメージング装置において、上記信号検出部は、エコー時間が互いに異なる第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とを検出し、上記信号処理部は、上記検出された第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とから第1の画像データと第2の画像データとを算出するとともに、第1の画像データと第2の画像データとの位相差分データを算出し、第1の画像データの絶対値画像と第2の画像データの絶対値画像との比を算出し、上記位相差分データが0又は0に近い点であって、算出した比のうちの相対的に大きい値を示す点を、アンラップ処理の開始点と決定し、アンラップ処理を行い、静磁場不均一の分布図を作成し、作成した分布図を用いて静磁場不均一が画像処理に及ぼす影響を補正することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 【請求項6】被検体から発生される磁気共鳴信号を検出する信号検出部と、この信号検出部が検出した磁気共鳴信号に所定の信号処理を行う信号処理部とを備える磁気共鳴イメージング装置において、上記信号検出部は、エコー時間が互いに異なる第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とを検出し、上記信号処理部は、上記検出された第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とから第1の画像データと第2の画像データとを算出するとともに、第1の画像データと第2の画像データとの位相差分データを算出し、算出した位相差分データと、第1の画像データと、第2の画像データの位相回転量が共に実質的に0となる位置を求めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴を用いる磁気共鳴イメージング装置に関する。 【0002】 【従来の技術】まず、典型的な磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)の構成を図5を参照して説明する。図5において、磁気共鳴イメージング装置は、被検体301の周囲に静磁場を発生する磁石302と、被検体301の周囲空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル303と、この空間領域に高周波磁場を発生するRFコイル304と、被検体301が発生するMR信号を検出するRFプローブ305とを備える。 【0003】傾斜磁場コイル303は、X、Y、Zの3方向の傾斜磁場コイルで構成され、傾斜磁場電源309からの信号に応じてそれぞれ傾斜磁場を発生する。また、RFコイル304はRF送信部310の信号に応じて高周波磁場を発生する。RFプローブ305からの信号は、信号検出部306で検出され、信号処理部307で信号処理され、計算により画像信号に変換される。信号処理部307で変換された画像は表示部308で表示される。 【0004】また、傾斜磁場電源309、RF送信部310、信号検出部306は、制御部311で、その動作が制御され、制御のタイムチャートは一般にパルスシーケンスと呼ばれている。なお、ベッド312は被検体301が横たわるためのものである。 【0005】現在、MRI装置の撮影対象は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質、プロトンである。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和現象の空間分布を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮影する。 【0006】次に、撮影方法を説明する。傾斜磁場により異なる位相エンコードを与え、それぞれの位相エンコードで得られるエコー信号を検出する。位相エンコードの数は通常1枚の画像あたり128、256、512等の値が選ばれる。各エコー信号は通常128、256、512、1024個のサンプリングデータからなる時系列信号として得られる。これらのデータを2次元フーリエ変換して1枚のMR画像を作成する。 【0007】MRI装置では、磁石302で発生している静磁場は被検体301の周囲の空間で均一であることが理想である。しかし、磁石302に歪みがある場合には、発生した静磁場自身に不均一が存在することがある。また、被検体301を挿入したときに、被検体301の部位ごとに帯磁率が異なることによって静磁場に不均一が生じることもある。 【0008】MRIの視野(Field of View:FOV)での静磁場の不均一はMR信号の周波数を変化させ、得られた画像に位置ずれや流れ等の画質劣化を引き起こす。 【0009】また、静磁場の不均一により、画像の位相が変化するため、画像間で複素演算を行う場合、特にDixon法と呼ばれる水−脂肪分離法を行う場合に、正しい結果が得られなくなる。 【0010】そこで、付加的なコイル(シムコイル)を用いてFOV内の静磁場の不均一を直接補正するオートシミングを行ったり、画像に後処理を施して静磁場不均一の影響を補正したりする。 【0011】いずれの場合においても、FOV内で静磁場の不均一がどのような状態になっているかを知る必要がある。FOV内で静磁場の不均一は画像の位相となって表れるため、画像の位相からFOV内での静磁場不均一の分布を知ることができる。 【0012】なお、静磁場不均一の分布図の作成法については、「“Rapid in Vivo Proton Shimming”;Erika Schneiderand Gary Glover;Magnetic Resoance in Medicine,Vol.18,335−347(1991)」、「“MR Susceptibility Misregistration Correction”;Thilaka S.Sumanaweera et al.;IEEE Transactions on Medical Imaging, Vol.12,251−259(1993)」等に記載されている。 【0013】スピンエコー(SE)シーケンス、あるいはグラジエントエコー(GrE)シーケンスで、エコー時間(TE)を変えて2回撮影を行う。マルチエコータイプのSE、GrEシーケンスで、2つのエコーを発生させ、1回の撮影で済ませてもよい。 【0014】それぞれのエコー時間TEをTE1、TE2とすると、TE=TE1の画像の位相とTE=TE2の画像の位相との差分を取ることによって、静磁場不均一の分布図が得られる。位相は−πから+πまでの値であれば、一義的に決定される。 【0015】しかし、静磁場不均一が大きかったり、エコー時間TE1とTE2との時間間隔が開いていたりして、ある位置での位相が−π以下、あるいは+π以上になった場合には、その位置での位相値が折り返されて−πから+πまでの値が得られてしまう。 【0016】上述した様子を図6に示す。図6において、横軸は位置を示し、縦軸は静磁場不均一による位相の回転量を表している。101がFOV内の静磁場不均一による位相回転量の分布を示す。 【0017】図6に示すように、位相値が+π以上となっている102で示す部分は折り返されて103で示す値を取る。また、−π以下である104、105で示す部分は折り返されて、それぞれ106、107で示す値となり、位相値に不連続な飛びが生じる。 【0018】しかし、実際の磁場では不連続な飛びが生じることはありえない。そこで、不運続な飛びを除去し、滑らかな静磁場不均一分布図を得るために、アンラップ(巻き戻し)処理を行う。 【0019】アンラップ処理の方法は、上記の文献でも触れてあるが、それら以外にも次に示す文献に記されている。 「“Direct Calculation of Wrap−Free Phase Image”;M.Patel and X.HU;Proceedings of Annual Meetings of the Society of Magnetic Resonance in Medicine(=SMRM),No.721,1993」,「“Phase unwrapping in the Three−point Dixon Methodfor Fat Suppresion MR Imaging”;JerzySzumowski et al.;Radiology,Vol.192,555−561(1994)」。 【0020】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した文献に示されたアンラップ処理方法では、いずれも、シードといわれるアンラップ処理の開始点を撮影者が決定することになっているが、アンラップ開始点決定方法の詳細には触れられていない。 【0021】しかし、例えば、操作者が画像を見て、定性的にアンラップ開始点を決定する方法は、静磁場不均一が比較的小さく、位相が折り返されている箇所が空間のほんの一部であり、その部分で折り返されていることが定性的に明らかな場合にのみ有効である。 【0022】そのうえ、静磁場不均一が大きい場合は位相が折り返されている箇所が空間の大部分を占め、さらに、位相が2重、3重に折り返されていることがあり、どこがアンラップの開始点にふさわしいか、位相画像を見ただけで定性的に決めることができない。 【0023】しかも、アンラップの開始点を誤ると、得られた静磁場不均一分布図に2π、4π、・・・のオフセットがのってしまう。オフセットがのった静磁場不均一分布図を用いた補正では、予想した効果が得られなかったり、逆に画質が劣化する可能性がある。 【0024】特に、Dixon法では、演算の結果、水画像と脂肪画像とが逆に得られることがあり、考慮が必要である。 【0025】本発明の目的は、静磁場不均一が大きい場合であっても、適切なアンラップの開始点を決定し、オフセットのない静磁場不均一分布図を得ることが可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することである。 【0026】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。 (1)被検体から発生される磁気共鳴信号を検出する信号検出部と、この信号検出部が検出した磁気共鳴信号に所定の信号処理を行う信号処理部とを備える磁気共鳴イメージング装置において、上記信号検出部は、エコー時間が互いに異なる第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とを検出し、上記信号処理部は、上記検出された第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とから第1の画像データと第2の画像データとを算出するとともに、第1の画像データと第2の画像データとの位相差分データを算出し、算出した位相差分データと、第1の画像データと、第2の画像データとの3種類のデータに基づいてアンラップ処理の開始点を決定し、アンラップ処理を行う。 【0027】(2)好ましくは、上記(1)において、上記信号処理部は、上記位相差分データからアンラップ処理の開始点を複数選出し、選出した複数のアンラップ処理の開始点のうちから、上記第1の画像データと第2の画像データとを用いて、1つのアンラップ処理の開始点を決定する。 【0028】(3)また、好ましくは、上記(1)又は(2)において、静磁場不均一の値が0又は0に近い値をアンラップ処理の開始点と定める。 【0029】(4)また、好ましくは、上記(3)において、上記静磁場不均一の値が0又は0に近い点は、位相差分データが0又は0に近い位置のうち、上記第1の画像データの位相及び第2の画像データの位相が0又は0に近い位置と定める。 【0030】(5)被検体から発生される磁気共鳴信号を検出する信号検出部と、この信号検出部が検出した磁気共鳴信号に所定の信号処理を行う信号処理部とを備える磁気共鳴イメージング装置において、上記信号検出部は、エコー時間が互いに異なる第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とを検出し、上記信号処理部は、上記検出された第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とから第1の画像データと第2の画像データとを算出するとともに、第1の画像データと第2の画像データとの位相差分データを算出し、第1の画像データの絶対値画像と第2の画像データの絶対値画像との比を算出し、上記位相差分データが0又は0に近い点であって、算出した比のうちの相対的に大きい値を示す点を、アンラップ処理の開始点と決定し、アンラップ処理を行い、静磁場不均一の分布図を作成し、作成した分布図を用いて静磁場不均一が画像処理に及ぼす影響を補正する。 【0031】(6)被検体から発生される磁気共鳴信号を検出する信号検出部と、この信号検出部が検出した磁気共鳴信号に所定の信号処理を行う信号処理部とを備える磁気共鳴イメージング装置において、上記信号検出部は、エコー時間が互いに異なる第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とを検出し、上記信号処理部は、上記検出された第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とから第1の画像データと第2の画像データとを算出するとともに、第1の画像データと第2の画像データとの位相差分データを算出し、算出した位相差分データと、第1の画像データと、第2の画像データの位相回転量が共に実質的に0となる位置を求める。エコー時間が互いに異なる2つの磁気共鳴信号から得られる第1、第2の画像データの互いの位相差分データを算出し、位相差分データと、第1の画像データと、第2の画像データとの3種類のデータに基づいてアンラップ処理の開始点を決定するように構成したので、静磁場不均一が大きい場合であっても、適切なアンラップ処理の開始点を決定し、オフセットのない静磁場不均一分布図を得ることが可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することができる。 【0032】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態である磁気共鳴イメージング装置の静磁場不均一の分布図を得るための手順を示す図である。この図1に示した手順は、図5に示した磁気共鳴イメージング装置の信号処理部307、表示部308、制御部311により処理される。 【0033】図1において、まず、SEシーケンスか、あるいはGrEシーケンスにて、エコー時間TEをTE1、TE2に設定して、2回の撮影を行う。 【0034】エコー時間TE2は、エコー時間TE1より長くとる。なお、2回の撮影を行う代わりに、マルチエコータイプのSEシーケンス又はGrEシーケンスで複数のエコーを発生させ、そのうちの2つのエコーをエコー時間TE1とTE2とに発生させて、1回の撮影で済ませることも可能である。 【0035】人体等、撮影対象が水と脂肪からなる場合は、静磁場不均一の分布図から化学シフトの影響を排除するために、例えば、エコー時間TE2とTE1との差を1/△fの整数倍に設定する。ここで、△fは水と脂肪との化学シフトによる共鳴周波数の差である。 【0036】また、水と脂肪とのT2、T2*の違いが静磁場不均一の分布図に与える影響を排除するために、エコー時間TE1を1/2△fの整数倍に設定することもできる。エコー時間TE=TE1の撮影で得たMR信号(磁気共鳴信号)をs1とし、エコー時間TE=TE2の撮影で得たMR信号をs2とする。 【0037】MR信号s1及びs2にフーリエ変換を施して、第1の画像データS1、第2の画像データS2を得る。得られた第1及び第2の画像データS1、S2は複素データである。この第1及び第2の画像データS1とS2とを位相表示して位相の差分をとると、位相差分画像602が得られる。 【0038】このとき、画像データS1、S2をそれぞれ位相表示するステッブ601は省略してもよい。得られた位相差分画像602では、たいていの場合、FOV内で位相が−π以下、あるいは+π以上の部分が存在し、その箇所で折り返しが生じて不連続な飛びが存在する。そのうえ、静磁場不均一が大きいか、またはエコー時間TE1とTE2との間隔が長い場合には、位相が複数回折り返されることもありうる。 【0039】そこで、アンラップ処理603を行い、静磁場不均一分布図604を得るのが従来の方法である。 【0040】本発明の第1の実施形態では、従来のアンラップ処理603に加え、アンラップ処理603の開始点の定量的な決定をする処理部分605を追加する。 【0041】具体的には、静磁場不均一が0となる位置をアンラップ処理の開始点とする。さらに、静磁場不均一が0となる位置を探すのに、位相差分画像602だけでなく、画像データS1、S2も考慮する。具体例としては、位相差分画像602で位相が0になる位置の中から、さらに画像データS1とS2との位相が共に0となる位置を探し、その位置をアンラップ処理の開始点と設定する処理606である。 【0042】以下、円形の断面を持つ物体を撮影する場合を例として本発明の第1の実施形態を説明する。FOV内に、x方向にxの一次の関数となるような静磁場の不均一が存在している、と仮完する。そのような静磁場不均一による位相回転量は、図2に示すようになる。なお、図2の縦軸は位相回転量を示し、横軸は、x方向の位置を示す。 【0043】図2において、201、202、203はエコー時間TEを順に長くしていったときの位相回転量の変化を表す直線である。同一の位置での位相回転量はエコー時間TEに比例する。この図2では折り返しを考慮していないが、実際には破線の位置(−π、π、3π、5π)で折り返しが生じる。 【0044】204に示す位置では静磁場不均一の値が0であり、いかなるTEエコー時間で撮影を行っても静磁場不均一による位相回転量は0となる。 【0045】次に、物体の撮影を行う。図3の(a)、(b)に示した401、402は、それぞれ、エコー時間TE=TE1、エコー時間TE=TE2で撮影を行ったときの画像データの位相を表示したもので、図1に示した画像データS1の位相画像607と、画像データS2の位相画像608とに対応する。 【0046】また、画像データの位相401の中心線403における断面でのプロファイルが405であり、画像データの位相402の中心線404における断面でのプロファイルが406である。プロファイル405、406には、それぞれ折り返しが発生している。 【0047】また、エコー時間が、TE1<TE2より、同じ位置での位相回転量はプロファイル405の場合にくらべ、プロファイル406の場合のほうが大きい。画像データの位相401と402との差分を取って表示したものが、図3の(c)に示す位相差分407で、図1に示した位相差分画像602に対応する。位相差分407の中心線408における断面でのプロファイルが409である。 【0048】位相差分407にアンラップ処理を施す際、その開始点の位置をどこに取るかによってアンラップ処理の結果が異なってくる。その状況を図4に詳細に示す。静磁場不均一の値が0となる位置では静磁場不均一による位相回転量は0となるので、位相差分407で位相が0になる位置では静磁場不均一が0であると考えられる。 【0049】しかし、折り返しが生じることにより、静磁場不均一が0でなくても、位相が0になる場合がある。中心線408における断面でのプロファイル409では507、508、509の3箇所で位相がゼロとなり、アンラップ処理開始点の候補となる。 【0050】候補点507のようにアンラップ処理の開始点が501に示す範囲にある場合、アンラップ処理の結果として504が得られる。しかし、他の候補点508や509のように、アンラップ処理の開始点が502または503の範囲にある場合は、処理結果として、それぞれ505、506が得られてしまう。 【0051】図4に示す例の場合、正しい処理結果は504である。505、506ではオフセットがのってしまい、オフセットの値は、505では2π、506では4πとなる。 【0052】以下に、正しい結果を得るためのアンラップ処理の開始点を決定する方法を述べる。図2に示すように、折り返しがないとした場合、静磁場不均一が0でない位置では、エコー時間TEに比例して静磁場不均一による位相回転量が増大する。 【0053】一方、図2の204のように、静磁場不均一が0となる位置では、いかなるエコー時間TEで撮影しても、静磁場不均一による位相回転量は0である。すなわち、画像データの位相401と402との双方において共に静磁場不均一による位相回転量が0となるような点では、静磁場不均一が0であると考えられる。 【0054】画像データの位相401と402とに折り返しが生じる場合、ある位置で画像データの位相401と402との双方において共に静磁場不均一による位相回転量が0と求められたにも関わらず、その位置での静磁場不均一が0でない可能性もある。 【0055】しかし、静磁場不均一の分布は一般に複雑であるので、そのような可能性は非常に低い。そこで、位相差分407で位相が0になる位置の中で、さらに、画像データの位相401と402との双方において共に静磁場不均一による位相回転量が0になる位置を探して、アンラップ処理の開始点とする。このような処理方法により、オフセットのない、静磁場不均一分布図を得ることができる。 【0056】FOV内において静磁場不均一の値が0である位置は1点とは限らないため、本発明の実施形態において、抽出される開始点の候補は1つとは限らない。複数の位置が候補としてあがった場合は、さらに候補を絞り込む必要がある。例えば、画像の信号の絶対値が最大のものを選ぶ、もしくは、候補が密集している場合はその中央を選ぶ、等の処理を付加する。 【0057】以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、2つの異なるエコー時間TE1、TE2から得られる磁気共鳴信号の画像データS1、S2の互いの位相差分データを算出し、この位相差分データの静磁場不均一の値が0となる位置のうち、画像データS1の位相と、画像データS2の位相が0とが共に0となる位置を、アンラップ処理の開始点に設定若しくは決定するように構成したので、静磁場不均一が大きい場合であっても、適切なアンラップの開始点を決定し、オフセットのない静磁場不均一分布図を得ることが可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することができる。 【0058】なお、位相差分データは、離散値であるので、静磁場不均一の値が0となるデータが必ず存在するというわけではない。静磁場不均一の値が0となる位相差分データが存在しない場合は、位相差分データと、画像データS1の位相と、画像データS2の位相とに基づいて、得られた候補点のうち、0に最も近い点をアンラップ処理の開始点とすることができる。 【0059】次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、この第2の実施形態においても、磁気共鳴イメージング装置の構成は、第1の実施形態と同様となるので、図示及びその説明は省略する。 【0060】本発明の第2の実施形態は、エコー時間TE1で得られた第1の絶対値画像と、エコー時間TE2で得られた第2の絶対値画像とを得る。そして、第1絶対値画像と、第2の絶対値画像との比(すなわち、減衰率)を求める。比は、TE1、TE2のうちのあとに取得した画像の絶対値を分子として求める。 【0061】一方、2つの異なるエコー時間TE1、TE2から得られる画像データS1、S2の互いの位相差分データを算出する。 【0062】そして、第1絶対値画像と第2の絶対値画像との比の値が比較的に大きく、画像データS1、S2の互いの位相差分データがほぼ0であり、FOVのほぼ中央にある点をアンラップ処理の開始点と設定する。 【0063】これは、以下の理由によるものである。静磁場を与える磁石302は、内部の空間のほぼ中央で、静磁場不均一の値が0となるように、すなわち、磁石302内部の空間のほぼ中央で、水素原子核の共鳴周波数と照射するRF信号の周波数とが等しくなるように調整されている。 【0064】また、人体等、撮影対象が水と脂肪からなる場合、脂肪の方が水に比してT2緩和値が短いため、減衰のより大きいピクセルは脂肪が多く、減衰のより小さいピクセルは水が多いと考えられる。また、エコー時間TE1、TE2から得られる画像データS1、S2は、水部分の位相が等しくなるように取得している。 【0065】したがって、第1絶対値画像と第2の絶対値画像との比の減衰率が比較的に小さく、画像データS1、S2の互いの位相差分データがほぼ0であり、FOVのほぼ中央にある点は、アンラップ処理の開始点にふさわしい点といえる。 【0066】以上のように、本発明の第2の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。 【0067】 【発明の効果】本発明は以上のように構成されているので、静磁場不均一が大きい場合であっても、適切なアンラップの開始点を決定し、オフセットのない静磁場不均一分布図を得ることが可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することができる。 【0068】また、オフセットのない静磁場不均一の分布図を求めることができるので、オートシムや画像の後処理による補正を正しく行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000153498 【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
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| 【出願日】 |
平成12年5月31日(2000.5.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077816 【弁理士】 【氏名又は名称】春日 讓
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| 【公開番号】 |
特開2001−340314(P2001−340314A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月11日(2001.12.11) |
| 【出願番号】 |
特願2000−163313(P2000−163313) |
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