トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 骨接合具用のロッド
【発明者】 【氏名】川上 紀明

【氏名】佐藤 公治

【氏名】松山 幸弘

【氏名】織部 一弥

【氏名】高御堂 洋

【要約】 【課題】人工靱帯等の連結部材を掛けるためのフック部を先端部に備えた骨接合具用のロッドを提供する。

【解決手段】胸椎,腰椎等の椎体3に螺入埋設したインプラント5に固定支持される骨接合具用のロッド1のピン状部分7の先端部に、連結部材9を掛けるためのフック部11を設け、フック部11に掛止した連結部材9の外れを防止するための外れ防止部材19を、前記フック部分11に係止自在に設け、かつ、ピン状部分7の適宜位置に、インプラント5に形成した係合凹部に係合自在の係合凸部27を備えた構成である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 胸椎,腰椎等の椎体に螺入埋設したインプラントに固定支持されるロッドであって、当該ロッドのピン状部分の先端部に、連結部材を掛けるためのフック部を設けたことを特徴とする骨接合具用のロッド。
【請求項2】 請求項1に記載の骨接合具用のロッドにおいて、フック部に掛止した連結部材の外れを防止するための外れ防止部材を、前記フック部分に係止自在に設けたことを特徴とする骨接合具用のロッド。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の骨接合具用のロッドにおいて、ピン状部分の適宜位置に、インプラントに形成した係合凹部に係合自在の係合凸部を備えたことを特徴とする骨接合具用のロッド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば胸椎,腰椎等の骨を接合する骨接合具用のロッドに係り、さらに詳細には、例えば人工靱帯などの連結部材を掛けるためのフック部を備えたロッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば胸椎,腰椎等の骨を接合する骨接合構成として、離隔した椎体にそれぞれインプラントを螺入埋設し、上記各インプラントの頭部に形成したU字形状のロッド係合溝に接合用のロッドの両端部付近を係合した状態において、上記各インプラントに固定ネジを螺合することによって前記ロッドを固定することにより骨の接合が行われている。
【0003】また、離隔した椎体に、頭部をL字形状のフック部に形成したインプラントを螺入埋設し、この各インプラントの頭部に形成したL字形状のフック部に人工靱帯やワイヤ,ケーブル等の連結部材を掛けることによって腰椎等の骨を接合することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のごとく、ロッドを使用した骨の接合構造と連結部材を使用した接合構造とが直列的に存在するような場合、従来は、ロッドの両端部付近を固定した一方のインプラントと連結部材を掛止した一方のインプラントとを隣接して同一の椎体に螺入埋設することが行われている。
【0005】したがって、ロッド固定用のインプラントと連結部材用のインプラントとが近接して互いに干渉することや、固定ネジを締付けるための工具が干渉することがあると共に、椎体に2本のインプラントが螺入埋設されることにより椎体の負担が大きくなるなどの問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述のごとき問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、胸椎,腰椎等の椎体に螺入埋設したインプラントに固定支持されるロッドであって、当該ロッドのピン状部分の先端部に、連結部材を掛けるためのフック部を設けた構成である。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の骨接合具用のロッドにおいて、フック部に掛止した連結部材の外れを防止するための外れ防止部材を、前記フック部分に係止自在に設けた構成である。
【0008】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の骨接合具用のロッドにおいて、ピン状部分の適宜位置に、インプラントに形成した係合凹部に係合自在の係合凸部を備えた構成である。
【0009】
【発明の実施の形態】図1を参照するに、本発明の実施の形態に係る骨接合具用のロッド1は、例えば胸椎,腰椎などのごとき椎体3を接合するために使用されるもので、上記椎体3に螺入埋設されたインプラント5の頭部に一体的に固定支持されるものである。上記インプラント5は、上記椎体内に螺入埋設するスクリュー部と前記ロッドを係合するU字形状のロッド係合溝又はロッド係合孔を頭部(頂部)に備えた構成であり、かつ上記頭部には前記ロッド1を固定するための固定ネジを螺合するネジ部を備えた構成である。なお、この種のインプラント5としては公知の構成を採用可能であるから、インプラント5のより詳細についての説明は省略する。
【0010】前記ロッド1は、図2に示すように、前記インプラント5によって固定支持されるピン状部分7を備えている。このピン状部分7の長さは、接合しようとする椎体3の間隔に対応し得れば良いものであって任意の長さであり、このピン状部分7の先端部には、例えば人工靱帯やワイヤ或はケーブル等のごとき適宜の連結部材9(図1参照)を掛けるためのフック部11が設けてある。
【0011】上記フック部11は、前記連結部材9を掛止するためのU字形状の掛止溝13を備えた構成であって、このU字形状の掛止溝13の入口部分には、微小突起15を外方向へ突出して備えた一対の係止突出部17が形成してある。そして、前記掛止溝13に掛止した前記連結部材9が外れることを防止するための外れ防止部材19(図3参照)が設けられている。
【0012】上記外れ防止部材19は、前記掛止溝13の入口部分から連結部材9が抜け出すことを防止すへく機能するものであって、本実施の形態においては前記一対の係止突起部17の先端部に形成した前記微小突起15と係合可能の係合溝21を備えたスライドキャップの形態である。そして、上記係合溝21の一端側には、前記微小突起15の一端側と当接するストッパ23が設けられている。
【0013】上記構成により、図2(A)に示す矢印A方向から一対の微小突起15と外れ防止部材19の係合溝21が係合するように前記外れ防止部材19を前記一対の係止突起部17に係合することにより、フック部11の係止溝13の入口部分が、図3(B)に示すように、外れ防止部材19によって閉止されることとなり、係止溝13に掛止された連結部材9の外れを防止するものである。
【0014】前記ロッド1は、前述したように、椎体3に固定したインプラント5にピン状部分7が一体的に固定支持されることに椎体3の接合を行うものである。そして、一方のインプラント5から突出した一端部に備えた前記フック部11と離隔した位置の椎体3に螺入埋設したフック用インプラント25(図1参照)とに、前記連結部材9が掛けられるものである。
【0015】すなわちロッド1は、離隔した椎体3を接合する機能と連結部材9を掛ける機能との2つの機能を有するものである。したがって、ロッドを使用しての骨の接合構造と連結部材9を使用しての骨の接合構造とが連続するようなとき、ロッド1を固定支持したインプラント5に近接してフック用インプラントを配置する必要がないものである。よって、インプラントが互いに接近して干渉するようなことがないと共に同一の椎体に複数のインプラントを螺入埋設するようなことがなく、前述したごとき従来の問題を解消し得るものである。
【0016】なお、前記構成においては、係止突出部17に対する外れ防止部材19の係合離脱方向は、図2に示した矢印A方向,すなわち微小突起15の長手方向に沿って行うように説明したが、例えば係止突出部17又は外れ防止部材19の両側の突出部19A,19Bの少なくとも一方を僅かに弾性変形可能の構成とすることにより、図2に示す矢印B方向,すなわち微小突起15の長手方向に対して直交する方向に着脱することが可能となるものである。この場合、狭い空間においても着脱可能なものである。
【0017】図4は第2実施の形態に係るロッド1Aを示すものである。この実施の形態に係るロッド1Aは、前記ロッド1におけるフック部11の構成をほぼL字形状のフック部11Aに構成したものである。この構成においては、ピン状部分7の先端部に備えたフック部11AをL字形状に形成したことによりフック部11Aの突出片11Pが連結部材9の外れを防止する外れ防止部材を兼ねることとなり、構成がより簡単になるものである。
【0018】図5は第3の実施の形態に係るロッド1Bを示すものである。このロッド1Bは、ピン状部分7の先端部に備えたU字形状のフック部11Bにおける入口部分に、入口部分を閉じる方向の突出部11BPを形成し、この突出部11BPにより外れ防止部材を兼ねる構成として連結部材9の抜け出しによる外れを防止する構成である。また、ロッド1Bにおいては、ピン状部分7の適宜位置に、インプラント(図示省略)に形成した凹球面状の係合凹部に係合自在の凸球面状の係合凸部27を備えた構成である。
【0019】上記構成によれば、インプラントの係合凹部にロッド1Bの係合凸部27を係合した状態においてロッド1Bを任意の方向へ僅かに揺動することが可能であるので、ロッド部材1Bにおけるフック部11Bを連結部材9の張り方向へ向けることができ、その自由度が大きいと共に、インプラントからロッド1Bの軸方向に位置ずれを生じることがないものである。したがって、連結部材9の張り方向に容易に対応でき、連結部材9をフック部11Bに掛けた後に止めネジによってインプラントに容易に固定できるものである。
【0020】
【発明の効果】以上のごとき説明より理解されるように、本発明に係る骨接合具用のロッドによれば、椎体に螺入埋設したインプラントに固定支持されるピン状部分の先端部に、連結部材を掛けるためのフック部を設けたものであるから、前記ロッドは椎体を接合する機能と連結部材を掛ける機能とを有するので、ロッドを使用しての骨の接合構造と連結部材を使用しての骨の接合構造とが連続する場合であっても容易に対応できると共に、同一の椎体に2本のインプラントを螺入埋設する必要がなくなるものである。
【0021】また、フック部に掛止した連結部材の外れを防止するための外れ防止部材を備えることにより、フック部から連結部材が外れることを確実に防止できるものである。
【0022】さらに、ロッドのピン状部分に、インプラントに形成した係合凹部に係合自在の係合凸部を備えたことにより、連結部材の張り方向に対応してロッドを僅かに揺動することができ、連結部材の張りと整合性が良いものである。
【出願人】 【識別番号】599088438
【氏名又は名称】昭和医科工業株式会社
【出願日】 平成12年5月10日(2000.5.10)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
【公開番号】 特開2001−314416(P2001−314416A)
【公開日】 平成13年11月13日(2001.11.13)
【出願番号】 特願2000−137250(P2000−137250)