トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 検眼装置
【発明者】 【氏名】小早川 嘉

【要約】 【課題】光軸方向の十分な分解能を得る。

【解決手段】光束を白色光源8から被検眼Eに共焦点絞り7、光分割部材6、フォーカスレンズ5、ガルバノメータミラー4、リレーレンズ3、マイクロミラーアレイ2、対物レンズ1を介して投影する。被検眼Eの眼底での反射光束を光分割部材6、ダイクロイックミラー10、11、共焦点絞り12、15、17、19を介して光電センサ13、16、18、20によりそれぞれ受光し、演算手段22により演算し、表示手段23に断層像Sとして表示する。ガルバノメータミラー4の光軸部分の遮光部材4bの角度を変化させるか、又はマイクロミラーアレイ2の中心部2aに位置する要素ミラーの角度を他の部分と変えることにより、光束を瞳孔においてリング状、眼底において点状として投影し、眼底での反射光束を瞳孔においてリング状として取り出す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 瞳孔においてリング状となり眼底において点状又は線状となる光束を偏向可能な反射部材と光分割部材を介して眼底に投影し、眼底での反射光束を瞳孔からリング状として取り出し、前記反射部材と前記光分割部材を介して光電センサにより受光して被検眼の映像を得ることを特徴とする検眼装置。
【請求項2】 光束を被検眼にマイクロミラーアレイと対物レンズを介して投影する検眼装置において、前記マイクロミラーアレイは前記対物レンズに関して瞳孔と略共役に配置し、前記マイクロミラーアレイの各要素ミラーを同一方向に一斉に繰り返して偏向することにより光束を被検眼に走査し、被検眼での反射光束を受光してその信号を映像として表示することを特徴とする検眼装置。
【請求項3】 前記対物レンズを変位自在に配置し、映像を変倍するようにした請求項2に記載の検眼装置。
【請求項4】 光束を被検眼にフォーカスレンズを介して走査しながら投影し、被検眼での反射光束を検出して被検眼の映像を得る検眼装置において、光束を被検眼に走査しながら前記フォーカスレンズの位置を連続的に変化させ、被検眼での反射光束の信号を取り込み光軸に平行な面で切った被検眼の断面像を演算手段により演算して表示することを特徴とする検眼装置。
【請求項5】 投影光束と反射光束を分割する光分割部材を有する共焦点式の検眼装置であって、光軸相当部に遮光部材を有するハーフミラー又は孔あきミラーに前記光分割部材を切換可能としたことを特徴とする検眼装置。
【請求項6】 赤外光を含む白色光を発する光源を有する共焦点式の検眼装置であって、赤外光を含む4チャンネルに色分解して受光する光学系と、各色の映像を記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする検眼装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼科病院等において使用可能な眼底像装置等の検眼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の検眼装置は、瞳孔において断面円形状となる光束を光源から反射部材を介して眼底に投影し、眼底において反射した光束を光分割部材を介して光電センサにより受光し、眼底像を表示手段に表示している。光源にはレーザー光源を使用し、反射部材にはポリゴンミラー又はガルバノミラーを使用し、光分割部材には孔あきミラー又はハーフミラーを使用し、表示手段には光軸に垂直な映像を表示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の従来例は、瞳孔において断面円形状となる光束を光源から眼底に投影するので、焦点方向に十分な分解能を得ることができない。また、反射部材にポリゴンミラー又はガルバノミラーを使用しているので、それらが偏向する速度が十分ではなく、画角の広い眼底像を得ることができない。更に、表示手段には光軸に垂直な映像を表示するので、被検眼の断面像を得ることができない。そして、レーザー光源を使用しているので、カラー画像を得ることができないという問題点がある。
【0004】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、光軸方向に十分な分解能を持った映像を得ることができる検眼装置を提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、画角の広い映像を得ることができる検眼装置を提供することにある。
【0006】本発明のその他の目的は、映像を変倍することが可能な検眼装置を提供することにある。
【0007】本発明の更なる目的は、光軸を含む被検眼の断面像を得ることができる検眼装置を提供することにある。
【0008】本発明のその他の目的は、光軸を含む被検眼の断面像と光軸に垂直な被検眼の映像との双方を得ることができる検眼装置を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、カラー画像と擬似カラー画像を得ることができる共焦点式の検眼装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための請求項1に係る発明は、瞳孔においてリング状となり眼底において点状又は線状となる光束を偏向可能な反射部材と光分割部材を介して眼底に投影し、眼底での反射光束を瞳孔からリング状として取り出し、前記反射部材と前記光分割部材を介して光電センサにより受光して被検眼の映像を得ることを特徴とする検眼装置。
【0011】請求項2に係る発明は、光束を被検眼にマイクロミラーアレイと対物レンズを介して投影する検眼装置において、前記マイクロミラーアレイは前記対物レンズに関して瞳孔と略共役に配置し、前記マイクロミラーアレイの各要素ミラーを同一方向に一斉に繰り返して偏向することにより光束を被検眼に走査し、被検眼での反射光束を受光してその信号を映像として表示することを特徴とする検眼装置。
【0012】請求項3に係る発明は、前記対物レンズを変位自在に配置し、映像を変倍するようにした請求項2に記載の検眼装置。
【0013】請求項4に係る発明は、光束を被検眼にフォーカスレンズを介して走査しながら投影し、被検眼での反射光束を検出して被検眼の映像を得る検眼装置において、光束を被検眼に走査しながら前記フォーカスレンズの位置を連続的に変化させ、被検眼での反射光束の信号を取り込み光軸に平行な面で切った被検眼の断面像を演算手段により演算して表示することを特徴とする検眼装置。
【0014】請求項5に係る発明は、投影光束と反射光束を分割する光分割部材を有する共焦点式の検眼装置であって、光軸相当部に遮光部材を有するハーフミラー又は孔あきミラーに前記光分割部材を切換可能としたことを特徴とする検眼装置。
【0015】請求項6に係る発明は、赤外光を含む白色光を発する光源を有する共焦点式の検眼装置であって、赤外光を含む4チャンネルに色分解して受光する光学系と、各色の映像を記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする検眼装置。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。図1は第1の実施例の構成図であり、検眼装置は走査式で共焦点式とされている。また、検眼装置は光軸O1に垂直な被検眼Eのカラー又は擬似カラーの映像と、その光軸O1を含む被検眼Eのカラー又は擬似カラーの断層像とを得ることが可能とされている。
【0017】被検眼Eに対して入反射する光束が進行する光軸O1上には、対物レンズ1とマイクロミラーアレイ2が配置されている。マイクロミラーアレイ2に対して入反射する光束が進行する光軸O2上には、リレーレンズ3とガルバノメータミラー4が配置されている。ガルバノメータミラー4に対して入反射する光束が進行する光軸O3上には、フォーカスレンズ5、光分割部材6、共焦点絞り7及び白色光源8が配置されている。
【0018】光分割部材6において反射した光束が進行する光軸上には、ダイクロイックミラー10、ダイクロイックミラー11、共焦点絞り12及び光電センサ13が配置されている。ダイクロイックミラー10において反射した光束が進行する光軸上には、ダイクロイックミラー14、共焦点絞り15及び光電センサ16が配置されている。ダイクロイックミラー11において反射した光束が進行する光軸上には共焦点絞り17及び光電センサ18が配置され、ダイクロイックミラー14において反射した光束が進行する光軸上には共焦点絞り19及び光電センサ20が配置されている。
【0019】ガルバノメータミラー4はドライバ21により支持されており、マイクロミラーアレイ2、光電センサ13、16、18、20、及びドライバ21は演算手段22に接続され、この演算手段22にはテレビモニタなどの表示手段23が接続されている。
【0020】マイクロミラーアレイ2は対物レンズ1に関して瞳孔と略共役に配置され、光束を紙面に沿った方向つまり主走査方向に高速度で走査し得るようにされている。図2に示すようにマイクロミラーアレイ2は約10mm角とされ、対物レンズ1を介して瞳孔に半分の大きさに投影されるようになっている。マイクロミラーアレイ2の偏向角が約15度である場合には、被検眼Eに60度の画角となるようにされている。マイクロミラーアレイ2は要素ミラーの中心部2aを有し、マイクロミラーアレイ2の使用されない部分には遮光部材2bが施されている。これにより、要素ミラーの中心部2aの角度をその他の部分に対して変化させることにより、対物レンズ1や角膜において反射した光束が光電センサ13、16、18、20に戻らないようにされている。
【0021】ガルバノメータミラー4はドライバ21により支持された反射部材4aと、この反射部材4aの表面の中央部と周辺部に施された遮光部材4b、4cとから構成されている。また、ガルバノメータミラー4は対物レンズ1とリレーレンズ3に関して瞳孔と略共役に配置され、光束を紙面に直交する方向つまり副走査方向に走査するようにされている。フォーカスレンズ5は光軸O3に沿う矢印方向に移動自在とされ、眼底と共焦点絞り7、12、15、17、19はフォーカスレンズ5によって共役とされている。
【0022】光分割部材6はハーフミラーとされ、白色光源8は近赤外光を発生するハロゲンランプ等とされている。光電センサ13、16、18、20はそれぞれ緑色光、近赤外光、青色光、赤色光がそれぞれ受光するようにされており、光電センサ13、16、18、20からの信号は演算手段22に色毎に蓄積され、光軸O1を含む被検眼Eのカラー又は近赤外を含む擬似カラーによる断層像Sが表示手段23に表示されるようになっている。
【0023】白色光源8から発した光束は、ガルバノメータミラー4の光軸部分の遮光部材4bの角度を変化させるか、又はマイクロミラーアレイ2の中心部2aに位置する要素ミラーの角度を他の部分と変えることにより、瞳孔において5〜6mm径のリング状とし、かつ眼底において点状として投影し、眼底において反射した光束を瞳孔において同様な径のリング状として取り出すことができる。なお、眼底に投影する光束は線状としても支障はなく、この場合には共焦点絞り7、12、15、17、19の形状も線状とすればよい。
【0024】被検眼Eの断層像Sを得る際には、ガルバノメータミラー4を固定し、フォーカスレンズ5を矢印方向に駆動し、光束を被検眼Eにマイクロミラーアレイ2により走査する。即ち、白色光源8からの光束は共焦点絞り7、光分割部材6、フォーカスレンズ5、ガルバノメータミラー4、リレーレンズ3、マイクロミラーアレイ2、対物レンズ1を介し、瞳孔において5〜6mmの径のリング状となって眼底に点状に投影される。
【0025】眼底において反射した光束は、瞳孔からリング状となって出射し、対物レンズ1、マイクロミラーアレイ2、リレーレンズ3、ガルバノメータミラー4、フォーカスレンズ5を介して光分割部材6において反射し、共焦点絞り12、15、17、19を介して光電センサ13、16、18、20にそれぞれ入射する。このとき、フォーカスレンズ5が矢印方向に移動すると共に、マイクロミラーアレイ2が光束を被検眼Eに走査することより、被検眼Eにおける異なる深さの部位が光電センサ13、16、18、20に逐次に結像し、演算手段22は光電センサ13、16、18、20からの深さ信号を記憶し、表示手段23に光軸O1を含む網膜の断層像Sを表示する。この際に、近赤外光に吸収のあるメラニンの固まり等は近赤外光を含む擬似カラー画像として表示し、それ以外は可視光のカラー画像として表示する。
【0026】このように、第1の実施例は光束が太い上に共焦点式であるので、焦点深度が極めて浅くなり、光軸方向の分解能を向上させることができる。例えば、約500μmの厚さの網膜の断層像Sを25μmの分解能で表示することができる。また、カラー画像又は擬似カラー画像を得ることができるので、従来のモノクロ画像と異なり、色情報を一画像に含めることができ、診断価値の高い画像を得ることができる。
【0027】そして、眼底が共焦点絞り7、12、15、17、19と共役になるようにフォーカスレンズ5を固定し、かつ光束をガルバノメータミラー4により副走査方向に二次元的に走査し、演算手段22の演算方法を切換えれば、光軸O1に垂直な断面像、即ち眼底像を得ることができる。
【0028】なお、ガルバノメータミラー4の反射部材4aもマイクロミラーアレイ2と同様な機能を持つので、マイクロミラーアレイ2又はガルバノメータミラー4の何れか一方でも支障はない。これらの代りに、図3に示すような中心から順次に遮光部24a、透光部24b、遮光部24cを有するリング絞り24をガルバノメータミラー4とフォーカスレンズ5の間の光軸O3上に配置しても、光軸中心部を遮光することが可能となり、角膜での反射光束や対物レンズ1での反射光束を避けることができる。そして、白色光源8は各波長の4個のレーザー光源をダイクロイックミラーで合わせて構成することができる。
【0029】図4は第2の実施例の構成図であり、第1の実施例と同様な部材は同一符号で示している。従来の走査式の検眼装置では、マイクロミラーアレイ2の走査角度を変化させることにより変倍することが提案されているが、マイクロミラーアレイ2の走査角度を制御することは一般に困難であるので、この第2の実施例では対物レンズ1を矢印方向に移動してその投影倍率を変化させている。また、第1の実施例のガルバノメータミラー4の代りに、中心部の遮光部材4bを持たないガルバノメータミラー4’が配置されている。
【0030】更に、第1の実施例のフォーカスレンズ5と光分割部材6の代りに、光軸O3上にはフォーカスレンズ41、光分割部材42、フォーカスレンズ43、ダイクロイックミラー44が配置されている。また、光分割部材42の反射方向には、フォーカスレンズ45を介して第1の実施例と同様なダイクロイックミラー10、11、14と、共焦点絞り12、15、17、19と、光電センサ13、16、18、20とがそれぞれ配置されている。そして、ダイクロイックミラー44への入射方向の光軸上には、共焦点絞り46とレーザー光源47が配置されいる。なお、ダイクロイックミラー44はレーザー光の波長のみを反射するようにされており、レーザー光源47のレーザー光は蛍光撮影時に好適とされている。
【0031】光分割部材42は第1の実施例と同様な機能を有し、図5に示すように孔あきミラー部51とハーフミラー部52とを一体に有して摺動自在に設けられ、孔あきミラー部51又はハーフミラー部52が光軸O3上に選択的に切換可能とされている。孔あきミラー部51は周囲に設けられた共通の遮光部53と、中心に形成された孔部54と、孔部54の周囲に設けられたミラー部55とから構成されている。また、ハーフミラー部52は共通の遮光部53と、中心に設けられた遮光部56と、この遮光部56の周囲に設けられたミラー部57とから構成されている。なお、光分割部材42の孔あきミラー部51の孔部55を通過した光束の径は小さくされ、検者に眼底を散瞳しないで視認させることが可能とされている。
【0032】光軸O1を含む断層像Sを得る場合には、光分割部材42のハーフミラー部52を光軸O3上に配置し、焦点深度を浅くする。そして、第1の実施例と同様にフォーカスレンズ43、45を駆動しな演算手段22に信号を取り込む。
【0033】レーザー光源47を使用する際には、光電センサ13、16、18、20のうちの1つを使用し、フォーカスレンズ43、45を駆動することにより眼底から前眼部までを共焦点絞り12、15、17、19に共役にする。
【0034】この第2の実施例でも、光束を瞳孔においてリング状とすることが可能であるので、対物レンズ1や角膜において反射した光束を光電センサ13、16、18、20に入らないように走査できる。また、レーザー光源47を使用した場合は、投影光束が中心の細いビームとなるが、孔あきミラー部51と共焦点絞り12、15、17、19の作用により反射をとることができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る発明は、瞳孔においてリング状となり眼底において点状又は線状となる光束を偏向可能な反射部材と光分割部材を介して眼底に投影し、眼底での反射光束を瞳孔からリング状として取り出すので、光軸方向の十分な分解能を持った映像を得ることができる。
【0036】請求項2に係る発明は、マイクロミラーアレイを対物レンズに関して瞳孔と略共役に配置し、マイクロミラーアレイの各要素ミラーを同一方向に一斉に繰り返して偏向することにより被検眼に光束を走査するので、画角の広い眼底像を得ることができる。
【0037】請求項3に係る発明は、対物レンズを変位自在に配置したので、画角を広くかつ変倍することができる。
【0038】請求項4に係る発明は、光束を被検眼に走査しながらフォーカスレンズの位置を連続的に変化させ、被検眼での反射光束の信号を取り込み光軸に平行な面で切った被検眼の断面像を演算手段により演算するので、光軸を含む被検眼の断面像を得ることができる。
【0039】請求項5に係る発明は、光軸相当部に遮光部材を有するハーフミラー又は孔あきミラーに光分割部材を切換可能としたので、光軸を含む被検眼の断面像と光軸に垂直な被検眼像を得ることができる。
【0040】請求項6に係る発明は、赤外光を含む4チャンネルに色分解して受光する光学系と、各色の映像を記憶する記憶手段とを備えたので、カラー画像と擬似カラー画像を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成12年3月3日(2000.3.3)
【代理人】 【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
【公開番号】 特開2001−245852(P2001−245852A)
【公開日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【出願番号】 特願2000−59452(P2000−59452)