| 【発明の名称】 |
電気特性測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】石井 徹哉
【氏名】山崎 和俊
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| 【要約】 |
【課題】ケーブルの容量を小さくし、高周波での電圧降下を少なくし、ノイズの影響を小さくすることができ、本電気特性測定装置を設置する際にさらにスペースを必要としない電気特性測定装置を提供すること。
【解決手段】本発明の電気的特性測定装置は、第1の電極Hc乃至第4の表面電極Lpと本体102との間に計測部筐体101を設け、第1乃至第4電極と計測部筐体101との間をできるだけ短いケーブル10で接続することができる。この発明の構成によれば、電極と計測部筐体101との間を短いケーブル10で接続するので、ケーブルの容量が小さくなり、高周波での電圧降下が少なくなり、ノイズの影響を受けにくくなる。さらに、計測部筐体101と本体102とは比較的に離すことができるので、被験者の周囲において余分なスペースをとることがない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 測定信号を生成する信号発生手段と、生成した測定信号を被験者の体まで導く第1ケーブルと、前記第1ケーブルの端部に設置され、被験者の体の所定の表面部位に導電可能に付ける第1電極と、前記被験者の体に投入された測定信号を受け、前記表面部位と隔たる所定の表面部位に導電可能に付ける第2電極と、前記第2電極からの測定信号を装置に戻す第2ケーブルと、前記被験者の体の互いに隔たる所定の2箇所の表面部位に導電可能に付ける第3及び第4電極と、前記第3及び第4電極で検出される信号をそれぞれ装置に戻す第3及び第4ケーブルと、前記第3及び第4電極間で発生した電位差を測定する電圧測定手段と、前記信号発生手段により前記被験者の体に流した電流と前記電圧測定手段によって測定された電圧値により生体の前記表面部位間の生体電気インピーダンスを算出し、求めるべき生体電気インピーダンス又は生体電気インピーダンスに基づく物理量を算出する演算部と、を備える電気特性測定装置であって、該電気特性測定装置の筐体として本体と計測部筐体とを別々に設けたことを特徴とする電気特性測定装置。 【請求項2】 前記計測部筐体は、前記第3及び第4電極に接続されたインピーダンス変換回路を収容し、前記本体は、該インピーダンス変換回路より後段の構成を収容することを特徴とする請求項1記載の電気特性測定装置。 【請求項3】 前記計測部筐体は、アナログ信号処理回路を収容し、前記本体は、該アナログ信号処理回路より後段の構成を収容することを特徴とする請求項1記載の電気特性測定装置。 【請求項4】 前記計測部筐体は、アナログ信号処理回路、A/D変換器及びD/A変換器を収容し、前記本体は該アナログ信号処理回路、A/D変換器及びD/A変換器より後段の構成を収容することを特徴とする請求項1記載の電気特性測定装置。 【請求項5】 前記計測部筐体は、アナログ信号処理回路、A/D変換器、D/A変換器及びCPUを収容し、前記本体は、該アナログ信号処理回路、A/D変換器、D/A変換器及びCPUより後段の構成を収容することを特徴とする請求項1記載の電気特性測定装置。 【請求項6】 前記本体は、複数の前記計測部筐体が接続可能であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の電気特性測定装置。 【請求項7】 前記本体と前記計測部筐体とは無線で接続されることを特徴とする請求項1乃至6記載の電気特性測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、生体電気インピーダンス法に基づいて、被験者の体脂肪の状態や体水分分布を推計するのに有用な電気特性測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】本発明者は、かつて生体電気インピーダンス測定装置として、M系列信号を使用した装置を出願した(特開平10−14898号公報)。その発明では4端子A/Dコンバートされた信号をフーリエ変換することにより、多くの周波数での生体電気インピーダンスを測定して細胞の内外の水分量情報を算出している。この装置では明細書には記載していないが、信号のSN比を向上させるため、M系列信号を多数回出力させ、各信号の同期加算を行っている。 【0003】以下、その従来技術を説明する。近年、人間や動物の身体組成を評価する目的で、生体の電気特性に関する研究が行われている。生体の電気特性は、組織又は臓器の種類によって著しく異なっており、例えば、ヒトの場合、血液の電気抵抗率は150Ω・cm前後であるのに対して、骨や脂肪の電気抵抗率は1〜5kΩ・cmもある。この生体の電気特性は、生体電気インピーダンスと呼ばれ、生体の体表面に装着された複数の電極間に微小電流を流すことにより測定される。このようにして得られた生体電気インピーダンスから被験者の体水分分布や体脂肪率、体脂肪量を推計する方法を生体電気インピーダンス法という(「身体組成の評価法としての生体電気インピーダンス法」,Baumgartner, R.N., etc.著、「生体電気インピーダンスとその臨床応用」, 医用電子と生体工学, 金井寛著,20(3)Jun 1982 、「インピーダンス法による体肢の水分分布の推定とその応用」, 医用電子と生体工学, 波江野誠等著,23(6) 1985 、「インピーダンス法による膀胱内尿量の長時間計測」, 人間工学, 口ノ町康夫等著,28(3) 1992 等参照)。 【0004】生体電気インピーダンスは、生体中のイオンによって搬送される電流に対する生体の抵抗(レジスタンス)と、細胞膜、組織界面、あるいは非イオン化組織によって作り出される様々な種類の分極プロセスと関連したリアクタンスとから構成される。リアクタンスの逆数であるキャパシタンスは、電圧よりも電流に時間的遅れをもたらし、位相のズレ(フェーズシフト)を作り出すが、この値はレジスタンスに対するリアクタンスの比率の逆正接角(アークタンジェント)、すなわち、電気位相角として幾何学的に定量できる。 【0005】これら生体電気インピーダンスZ、レジスタンスR、リアクタンスX及び電気位相角φは、周波数に依存している。非常に低い周波数fLでは、細胞膜と組織界面の生体電気インピーダンスZは、電気を伝導するには高すぎる。したがって、電気は細胞外液を通してのみ流れ、測定される生体電気インピーダンスZは純粋にレジスタンスRである。 【0006】次に、周波数が増加するにつれて、電流は細胞膜を貫通するようになり、リアクタンスXが高くなって位相角φを広げることになる。生体電気インピーダンスZの大きさは、Z2=R2+X2によって定義されるベクトルの値に等しい。リアクタンスX及び位相角φが共に最大になる時の周波数を臨界周波数fCといい、伝導導体である生体の1つの電気特性値である。この臨界周波数fCを越えると、細胞膜と組織界面が容量性能力を失うようになり、これにつれてリアクタンスXが減少する。非常に高い周波数fHでは、生体電気インピーダンスZは、再び純粋にレジスタンスRと等価になる。 【0007】図7は、人体の電気的等価回路図(等価回路モデル)である。この図において、Cmkは細胞膜容量を表し、Rik及びReはそれぞれ細胞内液抵抗及び細胞外液抵抗を表している。低い周波数fLにおいては、電流は主に細胞外スペースを流れており、インピーダンスZは細胞外液抵抗Reに等しくなる。高い周波数fHにおいては、電流は細胞膜を完全に通るようになり、細胞膜容量Cm は、実質的に短絡されているのと等価である。したがって、高い周波数fHでのインピーダンスZは、合成抵抗Ri・Re/( Ri+Re)、(1/Ri=Σ1/Rik)に等しい。 【0008】以上説明した方法により、細胞内液抵抗Riと細胞外液抵抗Reとを求めることができ、これらに基づいて、被験者の体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重等の体脂肪の状態や体水分分布(細胞内液量、細胞外液量及びこれらの総和たる体内水分量)を推計でき、また、これらの抵抗Re, Riの変化により、体水分分布の変化を推計できる。このような各パラメータの測定・推計を任意に選択された複数の周波数の微小正弦波電流を生体に投入し、得られた信号をデジタル信号処理して行う生体電気インピーダンス測定装置としては、特表平6−506854号公報に記載のものが知られている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、人体のインピーダンスを4端子法を用いて測定する場合についてつぎのような問題がある。これについて図8乃至図10を参照して説明する。図8は各電極を人体に接続したときの図である。図9はこれを接続した状態の等価図である。図9においてVは電位差測定器、Iは周波数fの電流源である。上記したように人体のインピーダンスを4端子法を用いて測定する場合、電流源Iより、i(t)=i0cos(2πft) という信号を人体に流したとき、電位差計で測定される電圧は、図10に示した表のようになる。ここでr1=r2=100Ω,z=500Ωとする。ここで、r1は表面電極HcとHpとの間の抵抗、r2は表面電極LcとLpとの間の抵抗、zは体のインピーダンス、Cp=Ccはケーブル容量である。この表から分かるようにケーブルが長くなり、容量が100pFから1000pFに増加すると、インピーダンスの測定値は真値500Ωから大きくずれてしまう。 【0010】前記した装置を、例えば、人工透析用の装置として使用することに重点を置いて説明する。ところで、人工透析を受ける患者に本発明装置の電極を取り付け、種々の計測値を得ようとする場合、透析用ベッドの周辺には既存の諸設備があり、電極までのケーブルを延長して、患者に電極を接続しようとする場合、ケーブルの容量が大きくなり、高周波で電圧降下が生じ、携帯電話等のノイズの影響を受けやすいという問題が生じる。 【0011】その上、既存の諸設備のあるスペースの他に本装置を設置するスペースがほとんどなく、本装置を無理に設置した場合、その他必要な作業を行うスペースがなくなるという問題が生じる。 【0012】本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、計測部筐体を本体と切り離し、計測部筐体と電極との間をできるだけ短いケーブルで接続することにより、ケーブルの容量を小さくし、高周波での電圧降下を少なくし、ノイズの影響を小さくすることができ、従来の既存の設備があっても本電気特性測定装置を設置する際に大きなスペースを必要としない、低コストで製造することができる電気特性測定装置を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の電気特性測定装置は、測定信号を生成する信号発生手段と、生成した測定信号を被験者の体まで導く第1ケーブルと、前記第1ケーブルの端部に設置され、被験者の体の所定の表面部位に導電可能に付ける第1電極と、前記被験者の体に投入された測定信号を受け、前記表面部位と隔たる所定の表面部位に導電可能に付ける第2電極と、前記第2電極からの測定信号を装置に戻す第2ケーブルと、前記被験者の体の互いに隔たる所定の2箇所の表面部位に導電可能に付ける第3及び第4電極と、前記第3及び第4電極で検出される信号をそれぞれ装置に戻す第3及び第4ケーブルと、前記第3及び第4電極間で発生した電位差を測定する電圧測定手段と、前記信号発生手段により前記被験者の体に流した電流と前記電圧測定手段によって測定された電圧値により生体の前記表面部位間の生体電気インピーダンスを算出し、求めるべき生体電気インピーダンス又は生体電気インピーダンスに基づく物理量を算出する演算部と、を備える電気特性測定装置であって、該電気特性測定装置の筐体として本体と計測部筐体とを別々に設けたものである。 【0014】また、前記計測部筐体は、前記第3及び第4電極に接続されたインピーダンス変換回路を収容し、前記本体は、該インピーダンス変換回路より後段の構成を収容することで、本体を被験者から離れた位置に設置しても、ノイズの影響を受けやすい第3及び第4電極とインピーダンス変換回路との間のケーブルを短くすることができる。 【0015】さらに、前記計測部筐体は、アナログ信号処理回路を収容し、前記本体は、該アナログ信号処理回路より後段の構成を収容することで、デジタル回路とアナログ回路とを分離して、回路設計を容易にすることができる。 【0016】また、前記計測部筐体は、アナログ信号処理回路、A/D変換器及びD/A変換器を収容し、前記本体は該アナログ信号処理回路、A/D変換器及びD/A変換器より後段の構成を収容することで、前記本体と計測部筐体とはデジタル信号によって通信するために、さらに周囲からの影響を少なくして、精度の高い信号を確実に伝送することができる。 【0017】また、前記計測部筐体は、アナログ信号処理回路、A/D変換器、D/A変換器及びCPUを収容し、前記本体は、該アナログ信号処理回路、A/D変換器、D/A変換器及びCPUより後段の構成を収容することで、本体は表示器等のマンマシンインタフェースのみが設けられ、本来本体が占めるべきスペースが小さくなるために、スペースの確保が容易になる。 【0018】前記本体は、複数の前記計測部筐体が接続可能であることで、設置する本体の数を減らして、本来数多くの本体が占める大きなスペースが必要なく、スペースが大幅に節減できる。 【0019】前記本体と前記計測部筐体とは無線で接続されることで、計測部筐体と本体との間のケーブルが省略され、電極と計測部筐体との間のケーブルの管理だけでよくなるために、ケーブルに関して省スペース化が図れ、また本体の設置場所について自由度が向上する。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。本発明を生体電気インピーダンス測定装置に用いた場合について詳細に説明する。図1は、この測定装置の電気的構成を示すブロック図である。この例の生体電気インピーダンス測定装置は、図1に示すように、キーボード1と、被験者の体Bにプローブ電流Iaを測定信号として送出し、これにより被験者の体Bから得られる電圧電流情報をデジタル処理するための測定処理部2と、装置各部を制御すると共に、測定処理部2の処理結果に基づいて人体の生体電気インピーダンスや体脂肪、体内水分分布に関する各種数量を算出するためのCPU(中央演算処理装置)3と、このCPU3によって算出された被験者の体Bの生体電気インピーダンスや体脂肪量、体内水分量等を表示するための表示部4と、CPU3の処理プログラムを記憶するROM6と、各種データ(例えば、被験者の身長、体重、性別、細胞外液や細胞内液の量等)を一時記憶するデータ領域及びCPU3の作業領域が設定されるRAM5とから概略構成されている。 【0021】上記キーボード1は、測定者が測定開始を指示するための測定開始スイッチや、被験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴項目を入力したり、全測定時間Tや測定間隔t等を測定目的に応じて設定/設定変更するための各種キーから構成されており、キーボード1から供給される各キーの操作データは、図示しないキーコード発生回路でキーコードに変換されてCPU3に供給される。 【0022】また、上記測定処理部2は、PIO(パラレル・インタフェース)71、測定信号発生器72、ローパスフィルタ(以下、LPFという)73、電流出力増幅器99、カップリングコンデンサ74及び身体の所定の部位に貼り付けられる表面電極Hcからなる出力処理回路と、同じく身体の所定の部位に貼り付けられる表面電極Hp,Lp,Lc、カップリングコンデンサ80a,80b,90、差動増幅器81、I/V変換器(電流/電圧変換器)91、アナログのアンチエリアシングフィルタからなるLPF82,92、A/D変換器83.93及びサンプリングメモリ(リングバッファ)84,94からなる入力処理回路とから構成されている。 【0023】測定処理部2において、測定信号発生器72は、出力抵抗が発生する信号周波数のすべての領域にわたって10kΩ以上であり、全測定時間Tの間、所定の周期tで、PIO71を介してCPU3から信号発生指示信号が供給される度に、最長線形符号(maximal linear codes)系列(M系列)のプローブ電流Iaを所定回数繰り返し生成し、生成されたプローブ電流Iaを測定信号として、その高周波のノイズを除去するLPF73、電流出力増幅器99、被験者の体Bに直流分が流れないように除去するカップリングコンデンサ74を介して、表面電極Hcに送出する。プローブ電流Iaの値は、例えば、500〜800μAである。また、信号発生指示信号の供給周期は、測定者がキーボード1を用いて設定した測定間隔tに一致する。さらに、この例では、プローブ電流(測定信号)Iaの繰返回数は、信号発生指示信号1回当たり、1〜256回である。この繰返回数も測定者がキーボード1を用いて任意に設定できるようにしてもよい。繰返回数は、多いほど精度が高くなるが、微小電流とは言え、長時間連続して人体に流した場合、人体に悪影響を及ぼす虞があるので、1〜256回が好ましい。 【0024】ここでM系列信号について説明する。M系列信号は、スペクトラム拡散通信方式やスペクトラム拡散測距システムにおいて、一般的に用いられる符号信号であって、ある長さのシフトレジスタ又は遅延素子によって生成される符号系列のうち、最長のものをいう。長さが(2n−1)ビット(nは正の整数)のM系列信号を生成する2値のM系列発生器は、n段のシフトレジスタと、そのn段の状態の論理的結合をシフトレジスタの入力に帰還する論理回路(排他的論理回路)とから構成される。あるサンプル時刻(クロック時刻)におけるM系列発生器の出力及び各段の状態は、直前のサンプル時刻における帰還段の出力の関数である。なお、この実施の形態では、シフトレジスタが8段(n=8)のM系列発生器を用いている。また、シフトレジスタのシフトクロックの周波数を2MHzに設定している。 【0025】インパルス信号を用いた場合には少ない時間間隔(0. 1μ秒)にエネルギーが集中するのに対して、M系列信号を用いたプローブ電流は、多くの周波数成分を含むにもかかわらず1msec程度にエネルギーが分散するため、生体を損傷することなく、また、脈や呼吸の周期より十分に短い時間間隔で発生するので、時間的に測定値を平均すればこれらの影響を受けることもない。さらに、例えば、デューティ50%の矩形波信号の場合、周波数スペクトルの振幅は低周波では大きく、高周波で小さいので、SN比の周波数特性が高周波領域で劣化するのに対して、M系列信号は、周波数スペクトルの振幅が全周波数領域にわたって略フラットであるので、SN比の周波数特性も略フラットである。なお、M系列信号の詳細については、R.C.Dixon 著、「スペクトラム拡散通信方式」(p56〜p89)を参照されたい。 【0026】図2は、本実施の形態の生体電気インピーダンス測定装置の使用の状態を模式的に示す図である。表面電極Hc(第1電極)は、測定時、被験者の右の手甲部Hに導電可能に吸着方式により貼り付けられ、表面電極Lc(第2電極)は、右の足甲部Lに吸着方式により導電可能に貼り付けられる。それゆえ、測定信号(プローブ電流)Iaは、被験者の右手の部分から体Bに入る。 【0027】また、表面電極Hp(第3電極)は、被験者の右の手甲部Hに吸着方式により、導電可能に貼り付けられ、表面電極Lp(第4電極)は、右の足甲部Lに吸着方式により導電可能に貼り付けられる。このとき、表面電極Hc,Lcを、表面電極Hp,Lpよりも人体の中心から遠い部位に貼り付ける。 【0028】上記各表面電極Hp,Lp,Hc,Lcは、以下に詳述する測定用ケーブル10によって計測部筐体101に接続されている。この計測部筐体101には後述するように図1に全体図を示した構成部品の一部分を配置して生体電気インピーダンス測定装置本体102と分離されている。測定用ケーブル10はできるだけ短いケーブルを用いている。 【0029】図3には図1に示したブロック図において示した同じ部品による構成図を示しているが、第1の実施の形態として前述した計測部筐体101にインピーダンス変換回路でもある電圧検出部分Aを含むように構成した場合を説明する。したがって、実際には計測部筐体101には、カップリングコンデンサ80a、80bと差動増幅器81と(図3においてA領域)が配置される。図4にこれを拡大して計測部筐体101と測定用ケーブル10a,b,c,dと共に示す。この測定用ケーブル10a,b,c,dは、その長さが長くなることによって電圧検出用のケーブルの容量が大きくなり、高周波で電圧降下する。したがってノイズの影響を受けやすくなる。したがって、これらの影響を最小限にするように、ケーブルの長さを最小限にする必要がある。 【0030】図5は、この測定用ケーブルの断面図である。図4及び図5において、測定用ケーブル10は、計測部筐体101内の各回路と表面電極Hp,Lp,Hc,Lcを繋ぐ信号線11a,11b,11c,11dと、中心導体である信号線11a,11b,11c,11dを包むように絶縁体を介して設置された同軸構造を持つシグナルグランド線12a,12b,12c,12d(第1シールド線)と、さらにシグナルグランド線12a,12b,12c,12dを包むように絶縁体を介して設置されたフレームグランド線13a,13b,13c,13d(第2シールド線)とから構成され、シグナルグランド線12a,12b,12c,12dは、測定装置100内の各回路のグランドレベル(GND)に接続され、フレームグランド線13a,13b,13c,13dは、測定装置100のケースのグランド(大地(アース)と同電位)に接続される。 【0031】すなわち、測定用ケーブル10は、各表面電極Hp,Lp,Hc,Lcと計測部筐体101を繋ぐ4本の測定用ケーブル10a,10b,10c,10dからなり、これら測定用ケーブル10a,10b,10c,10dは、それぞれ同軸構造を持つ2重シールド線により構成され、中心から、信号線11a,11b,11c,11d、シグナルグランド線12a,12b,12c,12d、フレームグランド線13a,13b,13c,13dとなっている。 【0032】ここで、測定用ケーブル10bのシグナルグランド線12bは、電流測定手段のグランドレベルに接続するようにしてもよく、測定用ケーブル10c,10dのシグナルグランド線12c,12dは、電圧測定手段のグランドレベルに接続するようにしてもよい。さらに、測定用ケーブル10aのシグナルグランド線12aは、電流測定手段の出力側電位と表面電極Hpの中間の電位に保持されるものでもよい。 【0033】さらにまた、先行文献特開平10−14898号公報に示すように、表面電極Hpの電位と表面電極Lpの電位との中間の電位に保持するシールドドライブ回路を設ける構成としてもよい。なお、表面電極Hc,Lcは、インピーダンスが低いので、測定用ケーブル10a,10bについては、フレームグランド線13a,13bを設けず、単に、グランドレベル(GND)に接地する構成でもよい。 【0034】次に測定信号処理について説明する。図2に示すように、表面電極(高電位出力端子) Hpは、被験者の右の手甲部Hに吸着方式により、導電可能に貼り付けられ、一方、表面電極Lpは、右の足甲部Lに吸着方式により導電可能に貼り付けられる。 【0035】図1に示す差動増幅器81は、本第1の実施の形態においては、計測部筐体101に収容されており、2つの表面電極Hp,Lp間の電位(電位差)を検出する。すなわち、差動増幅器81は、上記プローブ電流Iaが被験者の体Bに投入されると、被験者の右手足間の電圧Vpを検出し、LPF82へ入力することになる。このため、この差動増幅器81はインピーダンス変換回路として機能する。この電圧Vpは、表面電極Hpと表面電極Lpとの間における被験者の体Bの生体電気インピーダンスによる電圧降下である。 【0036】本体102へ配置されているLPF82は、上記電圧Vpから高周波のノイズを除去し、A/D変換器83へ供給する。LPF82のカットオフ周波数は、A/D変換器83のサンプリング周波数の半分より低い。これにより、A/D変換器83によるA/D変換処理で発生する折り返し雑音が除去される。A/D変換器83は、CPU3からデジタル変換信号Sdが供給される度に、上記ノイズが除去された電圧Vpを所定のサンプリング周期でデジタル信号に変換し、デジタル化された電圧Vpをサンプリング周期毎にサンプリングメモリ84へ供給する。 【0037】次に、表面電極Lcは、図2に示すように、被験者の右の足甲部Lに吸着方式により貼り付けられる。表面電極Hcと本体102に収容されているカップリングコンデンサ74(図1参照)との間は、2重シールド線である測定用ケーブル10a(図3参照)で接続されており、測定用ケーブル10aのシグナルグランド線12aは本体102内の測定信号発生器72のグランドレベル(GND)に接続され、フレームグランド線13aは本体102のケースのグランド(大地(アース)と同電位)に接地される。 【0038】本体102に収容されているI/V変換器91は、2つの表面電極Hc,Lc間に流れる電流を検出して電圧に変換する。すなわち、I/V変換器91は、プローブ電流Iaが被験者の体Bに投入されると、被験者の右手足間を流れるプローブ電流Iaを検出し、電圧Vcに変換した後、LPF92へ供給する。 【0039】LPF92は、入力された電圧Vcから高周波のノイズを除去し、A/D変換器93へ供給する。LPF92のカットオフ周波数は、A/D変換器93のサンプリング周波数の半分より低い。この場合も、A/D変換器93によるA/D変換処理で発生する折り返し雑音が除去される。A/D変換器93は、CPU3からデジタル変換信号Sdが供給される度に、上記ノイズが除去された電圧Vcを所定のサンプリング周期でデジタル信号に変換し、デジタル化された電圧Vcをサンプリング周期毎にサンプリングメモリ94へ供給する。 【0040】CPU3は、ROM6に記憶された処理プログラムに従って、上述した測定処理部2による測定を開始し、所定のサンプリング周期で、検出電圧Vp,Vcを所定の回数サンプリングした後、測定を停止する制御を行う他、以下の処理を行う。すなわち、CPU3は、まず、サンプリングメモリ84,94に格納された、時間の関数である電圧Vp,Vcを逐次読み出してそれぞれフーリエ変換処理により、周波数の関数である電圧Vp(f),Vc(f)(fは周波数)に変換した後、平均化を行い、周波数毎の生体電気インピーダンスZ(f){=Vp(f)/Vc(f)}を算出する。 【0041】次に、CPU3は、得られた周波数毎の生体電気インピーダンスZ(f)に基づいて、最小二乗法の演算手法を駆使して、図6に示されるようなインピーダンス軌跡Dを求め、得られたインピーダンス軌跡Dから、被験者の体Bの周波数0時の生体電気インピーダンスR0 と、周波数無限大時の生体電気インピーダンスR∞とを算出し、算出結果から、被験者の体Bの細胞内液抵抗と細胞外液抵抗とを算出する。 【0042】実際の人体の組織では、色々な大きさの細胞が不規則に配置されているので、実際に近い電気的等価回路は、時定数τ=Cmk・Rikを有する容量と抵抗との直列接続素子が分布している分布定数回路で表される(図7:Reは細胞外液抵抗、Rikは各細胞の細胞内液抵抗、Cmkは各細胞の細胞膜容量である)。したがって、人体のインピーダンス軌跡Dは、図6に示すように中心が実軸より上がった円弧となる。 【0043】次に算出された細胞内液抵抗と細胞外液抵抗、及びキーボード1から入力された被験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴データ等に基づいて、予め処理プログラムの中に組み込まれてある身体組成推定式を駆使して、被験者の体Bの体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重、脂肪内液量、細胞外液量及びこれらの総和たる体内水分量(体液量)の各量を算出する。そして、算出された各データを表示コントローラと表示器(例えば、LCD)とからなる表示部4に表示する。 【0044】上記構成の生体電気インピーダンス測定装置100を用いる場合には、まず、測定に先だって、図2に示すように、2個の表面電極Hc, Hpを被験者の右の手甲部Hに、2個の表面電極Lp, Lcを被験者の右の足甲部Lにそれぞれ吸着方式により張り付ける(このとき、表面電極Hc, Lcを、表面電極Hp, Lpよりも人体の中心から遠い部位に張り付ける)。次に、測定者(又は被験者自身)が、生体電気インピーダンス測定装置100のキーボード1を用いて、被験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴項目を入力するとともに、測定開始から測定終了までの全測定時間Tや測定間隔t等を設定する。キーボード1から入力されたデータ及び設定値は、RAM5に記憶される。 【0045】次に、測定者(又は被験者自身)がキーボード1の測定開始スイッチをオンにすると、CPU3は、まず、所定の初期設定を行った後、測定処理部2の測定信号発生器72に信号発生指示信号を送出する。 【0046】これにより、測定信号発生器72が、M系列のプローブ電流Iaを所定回数繰り返し生成し、測定信号としてLPF73、カップリングコンデンサ74、2重シールド線である測定用ケーブル10aを介して、被験者の手甲部Hに貼り付けられた表面電極Hc(図2参照)に送出するので、500〜800μAの測定信号Iaが、表面電極Hcから被験者の体Bを流れ、最初の測定が開始される。 【0047】測定信号Iaが被験者の体Bに投入されると、測定処理部2の差動増幅器81において、表面電極Hp,Lpが貼り付けられた右手足間で生じた電圧Vpが検出され、LPF82を経て、A/D変換器83へ供給される。一方、I/V変換器91では、表面電極Hc,Lcが貼り付けられた右手足間を流れるプローブ電流Iaが検出され、電圧Vcに変換された後、LPF92を経てA/D変換器93へ供給される。このとき、CPU3からは、サンプリング周期毎にA/D変換器83,93に対してデジタル変換信号Sdが供給される。 【0048】A/D変換器83では、デジタル変換信号Sdの供給を受ける度に、電圧Vpをデジタル信号に変換し、サンプリングメモリ84へ供給する。サンプリングメモリ84は、デジタル化された電圧Vpを順次記憶する。一方、A/D変換器93では、デジタル変換信号Sdの供給を受ける度に、電圧Vcをデジタル信号に変換し、サンプリングメモリ94へ供給する。サンプリングメモリ94は、デジタル化された電圧Vcを順次記憶する。 【0049】CPU3は、プローブ電流(測定信号)Iaの繰返回数が、予め設定された回数に達すると、測定を停止する制御を行った後、まず、サンプリングメモリ84,94に格納された、時間の関数である電圧Vp,Vcを逐次読み出してそれぞれフーリエ変換処理により、周波数の関数である電圧Vp(f),Vc(f)(fは周波数)に変換した後、平均化を行って、周波数毎の生体電気インピーダンスZ(f)(=Vp(f)/Vc(f))を算出する。 【0050】次に、CPU3は、算出された周波数毎の上記生体電気インピーダンスZ(f)に基づいて、最小二乗法の演算手法により、カーブフィッティングを行い、図6に示されるようなインピーダンス軌跡Dを求め、得られたインピーダンス軌跡Dから、被験者の体Bの周波数0時の生体電気インピーダンスR0 と、周波数無限大時の生体電気インピーダンスR∞(インピーダンス軌跡Dの円弧がX軸と交わる点のX軸座標値に相当)とを算出し、算出結果から、被験者の体Bの細胞内液抵抗と細胞外液抵抗とを算出する。 【0051】そして、CPU3は、算出された細胞内液抵抗と細胞外液抵抗、及びキーボード1から入力された被験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴データ等に基づいて、予め処理プログラムの中に組み込まれてある身体組成推定式を駆使して、被験者の体Bの体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重、細胞内液量、細胞外液量及びこれらの総和たる体内水分量(体液量)の各量を算出する。そして、算出された各データをRAM5に記憶すると共に、表示部4に表示する。 【0052】次に、CPU3は、全測定時間Tが経過したか否かを判断し、経過したとの結論が得られれば、以後の測定処理を終了し、経過していなければ、測定間隔に相当する時間tが経過するのを待った後、再び同様の測定処理を開始する。そして、上述の処理を、全測定時間Tが経過するまで繰り返す。 【0053】このように、この例の構成によれば、プローブ電流Iaとして、多くの周波数成分を含むにもかかわらず1msec程度にエネルギーが分散し、しかも、周波数スペクトルの振幅が全周波数領域にわたって略フラットなM系列信号を用いているので、体脂肪の状態や体内水分分布の測定において、生体を損傷することもなく、また、呼吸や脈による影響を取り除くことができ、全周波数領域にわたってSN比のよい計測が可能である。さらに、測定信号は、シフトレジスタ及び複数個の論理回路のみから生成でき、構成が非常に簡単になる。 【0054】また、最小二乗法によるカーブフィティングの手法を用いて、周波数無限大時の生体電気インピーダンスが求められるので、浮遊容量や外来ノイズの影響を回避でき、細胞膜の容量成分を含まず、純粋な細胞外液抵抗と細胞内液抵抗とを求めることができる。 【0055】次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。この実施の形態では、計測部筐体101に、電流電圧変換器91と電流出力増幅器99とローパスフィルタ73,82,92とを収容する。したがって、計測部筐体101には、差動増幅器81(図3においてA領域)と、電流電圧変換器91と電流出力増幅器99とローパスフィルタ73,82,92(図3においてB領域)とが収容される。これらのA領域及びB領域はアナログ信号処理回路となる。 【0056】次に本発明の第3の実施の形態を説明する。この実施の形態では、計測部筐体101に、A/D変換器83,93及び測定信号発生器72を含むようにする(図3においてC領域)。したがって、本体102とはデジタル信号によって通信することができる。さらに、本発明の第4の実施の形態を説明する。計測部筐体101は、CPUを含むようにする(図3においてD領域)。 【0057】本発明の第5の実施の形態を説明する。この実施の形態では、演算部を含む本体102に複数の計測部筐体101が接続されている。したがって、複数の被験者に電極を介して計測部筐体101を取付け、これらの計測部筐体101からのケーブルを1つの本体102に集める。 【0058】これらの実施の形態の動作は第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。また、これらの実施の形態によれば、計測部筐体101を測定すべき被験者の近傍に配置し、本体102を被験者から離れた位置に配置する。したがって、容積すなわち、体積の比較的小さい計測部筐体101を被験者の近傍に配置するために、電極を取り付ける被験者と計測部筐体101との間が短くなり、測定用ケーブル10をかなり短くすることができる。したがってケーブルの容量を小さくすることができる。 【0059】また、このような電気特性測定装置を人工透析用施設に使用することによって、最大限の利点を有することができる。すなわち、人工透析用施設には、前述したように透析用ベッドの近傍に1つずつ比較的大きな透析用設備が設置してあるために他の機器を配置するスペースが非常に制限される。この点において本発明の電気特性測定装置の構成によれば、本体を計測部筐体から分離し、離れた場所に配置することによってスペースの節減を非常に有効に行うことができる。 【0060】以上、この発明の実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもよい。例えば、前記計測部筐体と前記本体は無線によって信号の通信を行ってもよい。 【0061】このような構成では、計測部筐体と前記本体との間のケーブルが省略され、電極と計測部筐体との間のケーブルの管理だけでよくなるために、ケーブルに関して省スペース化が図れ、また本体の設置場所について自由度が向上する。 【0062】また、上記実施の形態に係る測定装置を、上述したような生体電気インピーダンスを測定する測定装置に適用することもできるが、測定手段の種類や測定方法等は限定されず、装置本体と電極を接続する測定用ケーブルを有する全ての装置に適用可能である。また、M系列発生器を構成するシフトレジスタや論理回路は、ハードウエア構成であると、ソフトウエアである構成とを問わない。 【0063】さらに、上述の実施の形態では、人体特徴項目として、被験者の身長、体重、性別及び年齢を入力する場合について述べたが、必要に応じて、性別、年齢等を省略してもよく、あるいは、人種等の項目を付加してもよい。算出された人体の生体電気パラメータをプリンタに出力するようにしてもよい。さらに、脈波センサや呼吸の周期を検出できるセンサを人体に貼り付け、各センサの出力信号により、測定タイミングを設定するようにしてもよい。 【0064】 【発明の効果】以上説明したように、この発明の電気特性測定装置によれば、第1の電極乃至第4の電極と前記本体との間に計測部筐体を設けて、電極と計測筐体との間を短いケーブルで接続することができるので、ケーブルの浮遊容量が小さくなり、高周波での電圧降下が少なくなり、ノイズの影響を受けにくくなる。さらに、計測部筐体と本体とは比較的に間隔を置いて配置することができるので、本来の本体を設置するのに必要なスペースを削減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月7日(2000.2.7) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−212092(P2001−212092A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月7日(2001.8.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−29108(P2000−29108) |
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